JPH0963569A - 水素吸蔵合金電極およびその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極およびその製造方法

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JPH0963569A
JPH0963569A JP7214559A JP21455995A JPH0963569A JP H0963569 A JPH0963569 A JP H0963569A JP 7214559 A JP7214559 A JP 7214559A JP 21455995 A JP21455995 A JP 21455995A JP H0963569 A JPH0963569 A JP H0963569A
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徹 山本
Yoichiro Tsuji
庸一郎 辻
Toshihiro Yamada
敏弘 山田
Yoshinori Toyoguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、サイクル特性に優れた水素吸蔵合
金電極を提供する。 【解決手段】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
ない水素吸蔵合金粉末の表面に、メカノケミカル反応な
どにより、粒径1μm以下のNi粉末またはTiーNi
合金粉末をNi量が前記水素吸蔵合金の1〜10重量%
の範囲で配置した粉末からなる水素吸蔵合金電極。ま
た、体心立方構造を有し、組成にNiを含まない水素吸
蔵合金粉末を主体とする電極の表面に、Niまたは、N
i−Co合金、Ni−Sn合金、Ni−Zn合金、およ
びNi−Mo合金からなる群より選ばれる合金のメッキ
層を厚さ0.5〜1μmの範囲で、かつNi量が前記水
素吸蔵合金の1〜10重量%の範囲で被覆した水素吸蔵
合金電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的な水素
の吸蔵・放出を可逆的に行える水素吸蔵合金電極および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素を可逆的に吸蔵・放出する水素吸蔵
合金を用いた水素吸蔵合金電極は、理論容量密度がカド
ミウム電極より大きく、亜鉛電極のような変形やデンド
ライトの形成などもないので、長寿命・無公害であり、
しかも高エネルギー密度を有するアルカリ蓄電池用負極
として注目されている。このような水素吸蔵合金電極に
用いられる合金は、通常アーク溶解法や高周波誘導加熱
溶解法などで作製され、例えば、AB5タイプ(A:L
a、Zr、Tiなどの水素との親和性の大きい元素、
B:Ni、Mn、Crなどの遷移元素)のLa(または
Mm)−Ni系の多元系合金やAB2タイプのラーベス
相を有する合金は、近年電極材料として盛んに開発が進
められている。特に、Mm−Ni系の多元系合金は、す
でに実用化されている。しかし、これらの水素吸蔵合金
は、アルカリ電解液により合金表面が腐食され、金属酸
化物や金属水酸化物が析出し、水素の吸蔵・放出能が低
下する。その結果、サイクル寿命特性が悪くなるという
問題があった。
【0003】これを解決するために、合金表面にNiあ
るいはNi合金をメッキする方法が提案されている(例
えば、特開昭61−163569号公報や特開平2−7
9369号公報)。また、正極から発生した酸素ガスに
よる合金の酸化を防ぐために、メカノケミカル反応によ
り遷移金属を合金表面に付着する方法が提案されている
(例えば、特開平6−124705号公報)。さらに、
初期活性を向上させ、充放電効率を向上させるために、
合金粉末とNi粉末を焼結させる方法が提案されている
(例えば、特開平5−258750号公報)。
【0004】これらに対して、体心立方構造を有するT
i−V−Ni系の水素吸蔵合金は、上記合金に比べてさ
らに大きな水素吸蔵量を持つ合金として注目されてお
り、いくつかの合金組成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】体心立方構造を有する
Ti−V−Ni系の水素吸蔵合金は、母相以外に偏析相
であるTi−Ni合金相が存在し、母相にはNiを含ま
ない。したがって、体心立方構造を有するTi−V−N
i系の水素吸蔵合金を電極に用いた場合、上記のAB5
タイプやAB2タイプの合金とは異なり、Ti−Ni偏
析相が活性点となって電気化学的な水素の吸蔵・放出を
行うと考えられ、充放電サイクルの初期から大きな放電
容量が得られる。
【0006】しかし、充放電を繰り返すと、Ti−Ni
偏析相からアルカリ電解液中にTiが溶出することによ
り導電性が低下し、放電容量が小さくなるという問題が
あった。本発明は、充放電サイクルを繰り返しても放電
容量の低下の少ない水素吸蔵合金電極を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金電
極は、体心立方構造を有し、組成にNiを含まない水素
吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi粉末また
はTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵合金の1
〜10重量%の範囲で配置した粉末から構成したもので
ある。また、本発明の水素吸蔵合金電極は、体心立方構
造を有し、組成にNiを含まない水素吸蔵合金粉末を主
体とする電極の表面に、Niまたは、Ni−Co合金、
Ni−Sn合金、Ni−Zn合金、およびNi−Mo合
金からなる群より選ばれる合金のメッキ層を厚さ0.5
〜1μmの範囲で、かつNi量が前記水素吸蔵合金の1
〜10重量%の範囲で被覆したものである。
【0008】本発明の水素吸蔵合金電極の製造方法は、
体心立方構造を有し、組成にNiを含まない水素吸蔵合
金粉末の表面に、メカノケミカル反応により、粒径1μ
m以下のNi粉末またはTiーNi合金粉末をNi量が
前記水素吸蔵合金の1〜10重量%の範囲で付着させる
工程を有する。また、本発明の水素吸蔵合金電極の製造
方法は、体心立方構造を有し、組成にNiを含まない水
素吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi粉末ま
たはTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵合金の
1〜10重量%の範囲で付着させる工程、および、前記
Ni粉末またはTiーNi合金粉末を付着した水素吸蔵
合金粉末を温度400〜1000℃で1〜6時間焼結す
る工程を有する。さらに、本発明の水素吸蔵合金電極の
製造方法は、体心立方構造を有し、組成にNiを含まな
い水素吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi粉
末またはTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵合
金の1〜10重量%の範囲で付着させる工程、前記Ni
粉末またはTiーNi合金粉末を付着した水素吸蔵合金
粉末を主体とする電極を成形する工程、および、得られ
た成形体を温度400〜1000℃で1〜6時間焼結す
る工程を有する。
【0009】体心立方構造を有し、組成にNiを含まな
い水素吸蔵合金粉末の表面にNi粉末またはTiーNi
合金粉末を配置ないしは付着させる方法としては、ボー
ルミルなどによる機械的造粒法あるいは圧縮摩砕式超微
粉砕機により、圧縮力および摩砕力よりなる機械エネル
ギーを作用させるというメカノケミカル反応(メカノフ
ュージョン)が好ましい。
【0010】ここに用いる水素吸蔵合金粉末は、粒径7
5μm以下のものが好ましい。また、水素吸蔵合金は、
一般式Tixy1-x-y(ただし、MはCr、Mn、F
e、Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、
Hf、Ta、W、Al、Si、P、B、および希土類元
素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であ
り、0.2≦x≦0.4、0.3≦y≦0.6)で表さ
れる合金であることが好ましい。また、水素吸蔵合金粉
末は、合金材料を溶解後、103〜107℃/秒の冷却速
度で急冷した合金であることが好ましい。
【0011】体心立方構造を有するTi−V−Ni系の
水素吸蔵合金には、母相以外に偏析相であるTi−Ni
合金相が存在し、母相にはNiを含まない。従来のAB
5タイプやAB2タイプの合金は、通常Niは母相に含ま
れ、Niを含む偏析相が存在すると、その偏析相は放電
特性に悪影響を及ぼす。一方、体心立方構造を有するT
i−V−Ni系の水素吸蔵合金では、Ti−Ni偏析相
が活性点となり、母相が水素の吸蔵・放出を行うと考え
られる。また、従来のAB5タイプやAB2タイプの合金
は、良好な放電特性を得るためには、合金中に35〜5
0重量%のNi量を含む必要がある。これに対して、体
心立方構造を有するTi−V−Ni系の水素吸蔵合金で
は、20重量%程度のNi量があれば十分であり、充放
電サイクルの初期から大きな放電容量が得られる。
【0012】以上のように、Niはすべて偏析相に含ま
れ、その偏析相が電気化学的な水素の吸蔵・放出の活性
点となり、少量のNi量で大きな放電容量が得られるこ
とが体心立方構造を有するTi−V−Ni系の水素吸蔵
合金の大きな特徴である。しかし、充放電を繰り返す
と、Ti−Ni偏析相からアルカリ電解液中にTiが溶
出することにより導電性が低下し、放電容量が小さくな
る。この場合、単純に考えれば、Tiが溶出すればNi
が残ることになり、このNiは活性であると考えられる
ので、導電性は維持されると思われる。しかし、実際に
はそう簡単ではない。Ti−Ni偏析相は、母相に比べ
て水素吸蔵量が少ないため、母相とTi−Ni偏析相と
は水素吸蔵による体積膨張率が異なる。従って、充放電
を繰り返すと、母相と偏析相との間に隙間ができると考
えられる。そのため、偏析相からTiが溶出すると、母
相と偏析相との分離が促進され、全体として導電性が低
下することになると考えられる。また、ほとんど充放電
できなくなった合金でも水素吸蔵能は有していることか
ら、母相は耐アルカリ性が大きいと考えられる。
【0013】そこで、本発明は、体心立方構造を有し、
組成にNiを含まない水素吸蔵合金粉末の表面に、Ni
を配置するものである。体心立方構造を有し、組成にN
iを含まない水素吸蔵合金は、水素吸蔵量が大きく、合
金表面に配置されたNiが電気化学的な水素の吸蔵・放
出の活性点となるため、大きな放電容量が得られる。そ
して、この構成によると、上記のような母相と活性点と
の分離は起こらないので、長期にわたって高容量を維持
することができる。水素吸蔵合金粉末の表面にNiを配
置する方法としては、メッキ、またはボールミルなどに
よる機械的造粒法あるいは圧縮摩砕式超微粉砕機により
圧縮力および摩砕力よりなる機械エネルギーを作用させ
るメカノケミカル反応(メカノフュージョン法)のいず
れかが簡便でよい。
【0014】合金表面に配置されたNiは、水素吸蔵合
金に対して1重量%より小さいと活性点としての効果が
得られないが、上記のように少量のNi量で十分な電気
化学的活性が得られるので、上限としては10重量%も
あれば十分であり、それより多くしてもNi量が増加し
た分だけ電極としての容量が小さくなる。その上、Ni
の粒径が1μm以下であれば活性点としての効果が得ら
れるが、それより大きいと、活性点としてのNiの表面
積が小さくなり、効果が低下する。したがって、合金表
面に配置されたNiは、水素吸蔵合金に対して1〜10
重量%であり、かつNiの粒径が1μm以下であること
により十分な効果が得られる。また、メッキの場合はN
i層の厚みが0.5μmより小さいと活性点としての効
果が得られないが、上記と同様に上限としては1μmも
あれば十分であり、それより多くしてもNi量が増加し
た分だけ電極としての容量が小さくなる。
【0015】また、体心立方構造を有し、組成にNiを
含まない水素吸蔵合金粉末の表面にTi−Ni合金粉末
を配置させても上記の問題は解決できる。この場合はT
i−Ni粉末からTiが溶出し、ラネー状のNiが生成
するため、これが活性点となる。しかし、合金表面のT
i−Ni粉末とTi−Ni偏析相とは異なるものである
から、上記のような母相と活性点との分離は起こらない
ので、長期にわたって高容量を維持することができる。
この場合も、ボールミルなどによる機械的造粒法あるい
は圧縮摩砕式超微粉砕機により圧縮力および摩砕力より
なる機械エネルギーを作用させるメカノケミカル反応が
簡便でよい。合金表面に配置されたTi−Ni合金粉末
のNi量は、水素吸蔵合金に対して1重量%より小さい
と活性点としての効果が得られないが、上記と同様に上
限としては10重量%もあれば十分であり、それより多
くしてもNi量が増加した分だけ電極としての容量が小
さくなる。その上、Ti−Ni合金粉末が10μm以下
であれば細かいラネー状のNiが生成するので、活性点
としての効果が得られるが、それより大きいと十分な効
果が得られない。したがって、合金表面に配置したTi
−Ni合金粉末は、Ni量が水素吸蔵合金に対して1〜
10重量%であり、かつTi−Ni合金粉末の粒径が1
0μm以下であることが必要である。
【0016】また、Ni粉末またはTiーNi合金粉末
を付着した水素吸蔵合金粉末を焼結する場合、温度が4
00℃より低いか焼結時間が1時間より短いと、実質的
に焼結されない。また、1000℃を超える温度で焼結
するか焼結時間が6時間を超えると、焼結が進み過ぎ、
合金粉末とNiとが部分的に合金化するため、水素吸蔵
量が減少する。したがって、焼結は温度範囲400〜1
000℃で1〜6時間にする必要がある。
【0017】さらに、体心立方構造を有し、組成にNi
を含まない水素吸蔵合金粉末から構成した電極表面をN
i−Co合金、Ni−Sn合金、Ni−Zn合金、Ni
−Mo合金のいずれかのメッキ層で被覆することによっ
ても上記の問題は解決できる。この場合はNi−M(M
はCo、Sn、Zn、Moのいずれか一種)合金メッキ
層からMが溶出し、ラネー状のNiが生成するため、こ
れが活性点となる。しかし、この場合も、上記のような
母相と活性点との分離は起こらないので、長期にわたっ
て高容量を維持することができる。Ni−M合金メッキ
層のNi量は、水素吸蔵合金に対して1重量%より小さ
いと活性点としての効果が得られないが、上記と同様に
上限としては10重量%もあれば十分であり、それより
多くしてもNi量が増加した分だけ電極としての容量が
小さくなる。その上、Ni−M合金メッキ層の厚みが
0.5μmより小さいと活性点としての効果が得られな
い。また、メッキ層の厚みが1μm以下であれば、細か
いラネー状のNiが生成するので活性点としての効果が
得られるが、それより大きいと十分な効果が得られな
い。したがって、Ni−M合金メッキ層のNi量は水素
吸蔵合金に対して1〜10重量%であり、かつメッキ層
の厚みが0.5〜1μmである必要がある。
【0018】電極を構成する水素吸蔵合金粉末の粒径は
75μmを越えると、電極の成形が困難になり、電極か
らの合金粉末の脱落も多くなる。したがって、水素吸蔵
合金粉末の粒径は75μm以下であることが好ましい。
以上のような水素吸蔵合金は、通常、アーク溶解法や鋳
造法により作製するが、合金の冷却速度を103℃/秒
以上にすると、合金の各構成元素が均一に分布するよう
になり、特に水素吸蔵量が大きくなる。しかし、合金の
冷却速度が107℃/秒を越えると、逆に水素吸蔵量は
低下する。これは、部分的にアモルファス相を生じるた
めと思われる。したがって、合金の冷却速度を103
107℃/秒とすることにより、優れた水素化特性が得
られる。このような冷却速度を持つ合金製造法として
は、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法、ロール急冷法
などがある。また、体心立方構造を有し、組成にNiを
含まない水素吸蔵合金としては、一般式Tixy
1-x-y(ただし、MはCr、Mn、Fe、Co、Cu、
Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、
Al、Si、P、B、および希土類元素からなる群より
選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.2≦x≦
0.4、0.3≦y≦0.6)で示される合金であれ
ば、特に水素吸蔵量が大きくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について説
明する。 [実施例1]体心立方構造を有し、組成にNiを含まな
い水素吸蔵合金の一例として、Ti0.30.5Cr0.2
金をアーク溶解により作製した。次いで、この合金を水
素化による粉砕を行い、75μm以下に分級した。この
合金粉末に無電解メッキにより0.5μmのNiメッキ
層で被覆したもの(合金A)、ボールミルを用いて合金
粉末と0.8μmのNi粉末とを混合することにより、
合金粉末の表面に5重量%のNi粉末を付着したもの
(合金B)、および、圧縮摩砕式超微粉砕機を用いて合
金粉末と0.8μmのNi粉末とを混合することによ
り、合金粉末の表面に5重量%のNi粉末を付着したも
の(合金C)を作製した。
【0020】ここで、合金粉末の表面にNiを付着する
前にフッ化水素酸の1重量%水溶液に10分間浸漬する
前処理をしたものと前処理をしなかったものとを比べる
と、前処理をしたものの方がNiが均一に付着している
ことがわかった。したがって、前処理後に上記のように
Niを合金表面に付着したものをそれぞれ試料とした。
また、体心立方構造を有し、合金組成にNiを含むTi
0.20.4Cr0.2Ni0 .2合金をアーク溶解により作製
し、水素化により粉砕し、75μm以下に分級したもの
を比較例とした。以上のような合金試料について、電気
化学的な充放電反応によるアルカリ蓄電池用負極として
の電極特性を評価するために単電池試験を行った。各合
金粉末にポリビニルアルコール3重量%水溶液を加えて
ペースト状にした。次いで、このペ−ストを多孔度95
%、厚さ0.8mmの発泡状ニッケル板に充填し、加圧
して電極を得た。
【0021】これらの電極を負極とし、対極に過剰の電
気容量を有する酸化ニッケル正極を配し、電解液に比重
1.30の水酸化カリウム水溶液を用い、電解液が豊富
な開放系電池を構成した。この電池は、水素吸蔵合金負
極で容量が規制される。この電池を水素吸蔵合金1g当
たり100mAの電流で5.5時間充電し、合金1g当
たり50mAで端子電圧が0.8Vになるまで放電する
充放電を繰り返した。各合金を用いた負極のサイクル特
性を図1に示す。合金A、B、Cを用いた電極は、比較
例に比べて優れたサイクル特性を示すことがわかる。な
お、合金粉末の表面に付着するNiが合金に対して10
重量%を越える場合およびNiの粒径が1μmを越える
場合についても検討した。その結果、初期の放電容量が
低下することがわかった。
【0022】[実施例2]実施例1の合金A、Bおよび
Cをそれぞれ加圧してペレット状にし、真空中800℃
で3時間焼結した。この燒結体を機械的に粉砕し、75
μm以下に分級した。これらの粉末を用いて実施例1と
同様に発泡状ニッケル板に充填して作製した電極をそれ
ぞれ電極E、FおよびGとする。また、実施例1の合金
A、BおよびCを用いて、実施例1と同様の方法で電極
を作製した後、真空中800℃で3時間焼結した。そし
てポリビニルアルコールの3重量%水溶液に浸漬し、乾
燥した。これらの電極をそれぞれ電極H、IおよびJと
する。
【0023】これらの各電極を用いて実施例1と同様に
して単電池試験を行い、サイクル特性を調べた。その結
果を、実施例1で用いた比較例とともに図2および図3
に示す。電極E、F、G、H、IおよびJは、比較例に
比べて優れたサイクル特性を示すことがわかった。な
お、合金粉末の表面に付着するNiが合金に対して10
重量%を越える場合およびNiの粒径が1μmを越える
場合についても検討を行った結果、初期の放電容量が低
下することがわかった。
【0024】[実施例3]実施例1で作製したTi0.3
0.5Cr0.2合金の75μm以下の粉末を用いた。ま
ず、この合金粉末と10μm以下のTi−Ni合金粉末
(Ti−Ni合金中のNi量が55重量%)とをボール
ミルにより混合して、合金粉末の表面にNi量として5
重量%になるようにTi−Ni合金粉末を付着した(合
金K)。また、合金粉末と上記と同じTi−Ni合金粉
末とを圧縮摩砕式超微粉砕機を用いて混合し、合金粉末
の表面にNi量として5重量%になるようにTi−Ni
合金粉末を付着した(合金L)。ここで、合金粉末の表
面にTi−Ni合金粉末を付着する前に、フッ化水素酸
の1重量%水溶液に10分間浸漬する前処理をしたもの
と前処理をしなかったものとを比べると、前処理をした
ものの方がTi−Ni合金粉末が均一に付着しているこ
とがわかった。したがって、前処理後に上記のようにT
i−Ni合金粉末を合金表面に付着したものをそれぞれ
試料とした。
【0025】このようにして作製した合金を用いて、実
施例1と同様にして電極を作製し、単電池試験を行っ
た。各電極のサイクル特性を実施例1で用いた比較例と
ともに図4に示す。合金K、Lを用いて作製した電極
は、比較例に比べて優れたサイクル特性を示すことがわ
かった。なお、合金粉末の表面に付着するTi−Ni合
金粉末が合金に対してNi量として10重量%を越える
場合およびTi−Ni合金粉末の粒径が10μmを越え
る場合についても検討を行った結果、初期の放電容量が
低下することがわかった。
【0026】[実施例4]実施例1で作製したTi0.3
0.5Cr0.2合金の75μm以下の粉末を用いて、実施
例1と同様の方法で4枚の電極を作製した。そして、硫
酸ニッケルおよび硫酸コバルトを含むメッキ浴を用いて
電極表面をNi−Co合金メッキ層で被覆したもの(電
極M)、硫酸ニッケルおよび硫酸スズを含むメッキ浴を
用いて電極表面をNi−Sn合金メッキ層で被覆したも
の(電極N)、硫酸ニッケルおよび塩化亜鉛を含むメッ
キ浴を用いて電極表面をNi−Zn合金メッキ層で被覆
したもの(電極P)、および、硫酸ニッケルおよびモリ
ブデン酸アンモニウムを含むメッキ浴を用いて電極表面
をNi−Mo合金メッキ層で被覆したもの(電極Q)を
作製した。いずれの電極においても、メッキ層のNi量
が合金に対して約5重量%となるようにし、メッキ層の
厚みは0.5〜0.9μmとした。ここで、それぞれの
メッキを行う前に合金粉末をフッ化水素酸の1重量%水
溶液に10分間浸漬する前処理をしたものと前処理をし
なかったものとを比べると、前処理をしたものの方がメ
ッキ層が均一に付着していることがわかった。したがっ
て、前処理後に上記のようにメッキしたものをそれぞれ
試料とした。
【0027】このようにして作製した各電極を用いて実
施例1と同様にして単電池試験を行い、サイクル特性を
調べた。実施例1で用いた比較例とともに図5に示す。
電極M、N、PおよびQは、比較例に比べて優れたサイ
クル特性を示すことがわかった。なお、電極表面を被覆
する合金メッキ層のNi量が合金に対して10重量%を
越える場合および合金メッキ層の厚みが1μmを越える
場合についても検討を行った結果、初期の放電容量が低
下することがわかった。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高容量
で、サイクル寿命特性に優れた水素吸蔵合金電極が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および比較例の合金を用いた
電極のサイクル特性を示した図である。
【図2】本発明の実施例2および比較例の合金を用いた
電極のサイクル特性を示した図である。
【図3】本発明の実施例2および比較例の合金を用いた
電極のサイクル特性を示した図である。
【図4】本発明の実施例3および比較例の合金を用いた
電極のサイクル特性を示した図である。
【図5】本発明の実施例4および比較例の合金を用いた
電極のサイクル特性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 敏弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲吉▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
    ない水素吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi
    粉末またはTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵
    合金の1〜10重量%の範囲で配置した粉末からなるこ
    とを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
    ない水素吸蔵合金粉末を主体とする電極の表面に、Ni
    または、Ni−Co合金、Ni−Sn合金、Ni−Zn
    合金、およびNi−Mo合金からなる群より選ばれる合
    金のメッキ層を厚さ0.5〜1μmの範囲で、かつNi
    量が前記水素吸蔵合金の1〜10重量%の範囲で被覆し
    たことを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 前記水素吸蔵合金粉末の粒径が75μm
    以下である請求項1または2に記載の水素吸蔵合金電
    極。
  4. 【請求項4】 前記水素吸蔵合金が、一般式Tixy
    1-x-y(ただし、MはCr、Mn、Fe、Co、Cu、
    Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、
    Al、Si、P、B、および希土類元素からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.2≦x≦
    0.4、0.3≦y≦0.6)で示される合金である請
    求項1〜3のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極。
  5. 【請求項5】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
    ない水素吸蔵合金粉末の表面に、メカノケミカル反応に
    より、粒径1μm以下のNi粉末またはTiーNi合金
    粉末をNi量が前記水素吸蔵合金の1〜10重量%の範
    囲で付着させる工程を有する水素吸蔵合金電極の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
    ない水素吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi
    粉末またはTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵
    合金の1〜10重量%の範囲で付着させる工程、およ
    び、前記Ni粉末またはTiーNi合金粉末を付着した
    水素吸蔵合金粉末を温度400〜1000℃で1〜6時
    間焼結する工程を有する水素吸蔵合金電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 体心立方構造を有し、組成にNiを含ま
    ない水素吸蔵合金粉末の表面に、粒径1μm以下のNi
    粉末またはTiーNi合金粉末をNi量が前記水素吸蔵
    合金の1〜10重量%の範囲で付着させる工程、前記N
    i粉末またはTiーNi合金粉末を付着した水素吸蔵合
    金粉末を主体とする電極を成形する工程、および、得ら
    れた成形体を温度400〜1000℃で1〜6時間焼結
    する工程を有する水素吸蔵合金電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記水素吸蔵合金粉末の粒径が75μm
    以下である請求項5〜7のいずれかに記載の水素吸蔵合
    金電極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵合金が、一般式Tixy
    1-x-y(ただし、MはCr、Mn、Fe、Co、Cu、
    Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、
    Al、Si、P、B、および希土類元素からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.2≦x≦
    0.4、0.3≦y≦0.6)で示される合金である請
    求項5〜8のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極の製造
    方法。
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