JPH08236111A - ニッケル・水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル・水素蓄電池

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Publication number
JPH08236111A
JPH08236111A JP7040854A JP4085495A JPH08236111A JP H08236111 A JPH08236111 A JP H08236111A JP 7040854 A JP7040854 A JP 7040854A JP 4085495 A JP4085495 A JP 4085495A JP H08236111 A JPH08236111 A JP H08236111A
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JP
Japan
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hydrogen storage
alloy
nickel
battery
storage battery
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Application number
JP7040854A
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English (en)
Inventor
Yoichi Izumi
陽一 和泉
Yoshio Moriwaki
良夫 森脇
Koji Yamamura
康治 山村
Tokukatsu Akutsu
徳勝 阿久津
Katsumi Yamashita
勝己 山下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP7040854A priority Critical patent/JPH08236111A/ja
Publication of JPH08236111A publication Critical patent/JPH08236111A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高容量で充放電サイクル寿命に優れるニッケ
ル・水素蓄電池を提供する。 【構成】 負極材料である水素吸蔵合金として、主たる
合金の組成が一般式Zr1-xHfxMnsM1tCruM2v
Niwで表され、M1はV,MoもしくはVとMoの混
合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群より選ばれた
少なくとも1種、0.003<x<0.1,0.3<s
<0.7,0≦t<0.4,0.1<u<0.4,0≦
v<0.3,0.8<w<1.3,1.8<s+t+u
+v+w<2.2、主合金相が金属間化合物のLave
s相に属し、その結晶構造が立方対称のC15型であ
り、格子定数がa=7.02〜7.10オングストロー
ムであるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活物質である水素を電気
化学的に吸蔵、放出可能な水素吸蔵合金を電極に用いた
ニッケル・水素蓄電池の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種ポータブル機器用電源に広く用いら
れているアルカリ蓄電池として、ニッケル・カドミウム
蓄電池,ニッケル・水素蓄電池などがある。このうち、
ニッケル・水素蓄電池は、より高容量密度が期待できる
ため、小型密閉蓄電池として近年急速に普及しつつあ
る。
【0003】このニッケル・水素蓄電池において重要な
役割を果たす水素吸蔵合金にはこれまで特開昭63−2
84758号公報,特開平1−102855号公報,特
開平2−65060号公報などにおいて、主としてZr
Mn2系合金を改良したものが高容量合金として提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の水素吸蔵合金は、その容量や電池でのサイクル寿
命特性などに改善の余地があった。すなわち従来の水素
吸蔵合金には主たる合金相の他に偏析相,不純物相など
が含まれており、それらは水素吸蔵合金の有効相として
は作用せず、合金の容量を低下させる結果となってい
た。また一般に金属材料は均質であるほど耐食性が優れ
るが、従来の水素吸蔵合金には微小な偏析相,不純物相
が含まれていたため、ミクロには均質であるとは言え
ず、アルカリ電解液中での耐食性が充分ではなかった。
特に合金構成元素中の溶出しやすい元素、例えばMnな
どが選択的にアルカリ電解液中へ溶出し、その結果合金
の容量が低下することによりサイクル寿命特性の低下を
引き起こしていた。
【0005】本発明はZrMn2系合金における上記の
問題点に鑑み、良好な特性の合金を探索,研究した結果
得られたもので、水素吸蔵合金の均質性を高めることに
より、不純物相の割合を減少させ、合金構成元素中の溶
出しやすい元素、例えばMnなどが選択的にアルカリ電
解液中へ溶出するのを防止し、容量が大きく、サイクル
寿命特性にも優れたニッケル・水素蓄電池を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は負極の材料であ
る水素吸蔵合金として、一般式Zr1-xHfxMnsM1t
CruM2vNiwで表され、M1はV,MoもしくはV
とMoの混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群よ
り選ばれた少なくとも1種、0.003<x<0.1,
0.3<s<0.7,0≦t<0.4,0.1<u<
0.4,0≦v<0.3,0.8<w<1.3,1.8
<s+t+u+v+w<2.2、であり、主合金相が金
属間化合物のLaves相に属し、その結晶構造が立方
対称のC15型であり、格子定数がa=7.02〜7.
10オングストロームであるものを用いる。
【0007】なお前記一般式中0.01<x<0.03
である場合、また0.01<x<0.03,0.4<s
<0.6,0≦t<0.1,0.1<u<0.2,0≦
v<0.2,1.1<w<1.3,2.0<s+t+u
+v+w<2.2である場合には、さらにサイクル寿命
に優れるニッケル・水素蓄電池が得られる。
【0008】あるいはまた負極の材料である水素吸蔵合
金として、一般式Zr1-x-yHfxTiyMnsM1tCru
M2vNiwで表され、M1はV,MoもしくはVとMo
の混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群より選ば
れた少なくとも1種、0.003<x<0.1、0<y
<0.3,0.3<s<0.7,0≦t<0.4,0.
1<u<0.4,0≦v<0.3,0.8<w<1.
3,1.8<s+t+u+v+w<2.2であり、主合
金相が金属間化合物のLaves相に属し、その結晶構
造が立方対称のC15型であり、格子定数がa=7.0
2〜7.10オングストロームであるものを用いるもの
である。
【0009】
【作用】前記の合金を用いた電池の作用機構の詳細は明
らかではないが、負極の水素吸蔵合金を構成する元素の
一つとしてHfを少量用いることで合金の結晶格子定数
が適正となり、また合金組織的にも均質性の高いものが
得られるため、その水素吸蔵合金を用いた場合に高容量
かつ高寿命のニッケル・水素蓄電池が得られるものと考
えられる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)水素吸蔵合金として、Zr0.98Hf0.02
0.6Mo0.05Cr0.15Co0.1Ni 1.2を選び、この合
金を鋳造法で作製した。鋳造量は1回4kgとした。こ
のとき冷却速度を速めるため鋳型として厚さ約2cmの
薄型水冷銅鋳型を用いた。また別の実験により凝固まで
の冷却速度はおよそ1000℃/秒であることを確認し
た。なお水素吸蔵合金作製の際、合金を構成する金属原
料として純度99.9%以上の市販品を用いた。特にZ
rについては不純物として含まれるHfの量が50pp
m以下であることを確認した。得られた合金を真空中1
100℃で6時間熱処理した後、機械粉砕、篩別して平
均粒径を約20μmとした。水および結着剤であるカル
ボキシメチルセルロースと練合してペースト状にし、多
孔度95%の発泡状ニッケル多孔体に充填した。これを
120℃で真空乾燥し、厚さ0.33mmにプレスした
のち、幅39mm、長さ97mmにして負極とした。
【0011】正極としては活物質が水酸化ニッケルで、
利用率を向上させるためにCo化合物を混合してなる公
知の発泡式ニッケル極を選び、幅39mm、長さ77m
m、厚さ0.70mmとしてリード板を取り付けて用い
た。またセパレータは親水性を付与したポリプロピレン
不織布を用いた。
【0012】負極,正極,セパレータを組み合わせて、
三層の渦巻状にしてAAサイズの円筒状の電槽に収納し
た。これに、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に水
酸化リチウムを40g/l溶解したもの2.2ccを電
解液として注入し、封口して密閉電池とした。これが本
発明の一実施例であり、本発明電池Aとする。
【0013】また、この電池の特性を比較するために従
来の電池も併せて作製した。すなわち水素吸蔵合金とし
てHfを含まないZrMn0.6Mo0.05Cr0.15Co0.1
Ni 1.2を用いて、先と同様の方法で電池とした。これ
を従来電池Bとする。
【0014】これらA,Bの電池の5時間率放電時の容
量は約1200mAhである。これらの電池A,Bを充
放電サイクル試験によって評価した。充電を1時間率で
1.2時間、放電は2時間率で終止電圧1.0Vまで、
雰囲気温度は45℃とした。雰囲気温度を45℃とした
のは、一般的に室温よりも高温のほうが合金の劣化速度
が速く、合金の耐食性の評価結果が明確になるからであ
る。なお、電池の放電可能容量が初期の60%になった
サイクル数を電池の寿命とした。その結果を図1に示
す。
【0015】従来電池Bでは寿命が約300サイクルで
あったのに対し、本発明電池Aでは約450サイクルの
寿命を示した。
【0016】上記の充放電サイクル試験が終了した電池
を分解して、水素吸蔵合金負極を電子顕微鏡で観察した
ところ、従来電池Bでは水素吸蔵合金粉末の表面が荒れ
ており、電池内部でアルカリ電解液により腐食されたこ
とは明白であった。これに対し、本発明電池Aでは水素
吸蔵合金粉末の表面は比較的平滑に保たれており、本発
明が合金負極の劣化防止に有効であることが分析結果か
らも確認できた。
【0017】さらに本発明電池で合金の劣化が抑制され
ていた原因を詳細に調査した。まずそれぞれの水素吸蔵
合金粉末を粉末X線回折により解析した。その結果、主
たる合金相はいずれもC15型のLaves相構造を有
しており、その格子定数は7.06〜7.09オングス
トロームであった。しかしながら本発明電池Aに使用し
た合金では、従来品と比較して、Laves相に起因す
る回折線の強度が強く、不純物相に対するLaves相
の割合が大きいことが明らかになった。
【0018】また走査型電子顕微鏡およびX線微小分析
装置を使用して合金組織の調査を行ったところ、従来電
池Bに使用した合金ではLaves相以外の偏析相が観
察され、合金構成元素の分布も不均一であったが、本発
明電池Aでは偏析相はほとんど観察されず、元素の分布
も均一であった。
【0019】これらの解析結果より、本発明電池Aに使
用した合金は組織が非常に均一であるため耐食性が高
く、ニッケル・水素蓄電池にした場合、充放電サイクル
特性が優れているものと結論づけられた。
【0020】なお45℃での水素吸蔵特性(PCT特
性)の測定において、本発明電池Aに使用した合金は、
従来電池のそれと比較して水素圧0.01〜0.5MP
aでの水素吸蔵量が約5%増大していた。この容量の増
大も合金の均質性が高く、不純物相が少ないことに起因
するものと思われる。
【0021】(実施例2)次に、水素吸蔵合金中のHf
量の最適値を調べた。
【0022】本発明電池Aと同様の製法において水素吸
合金Zr1-xHfxMn0.6Mo0.05Cr0.15Co0.1Ni
1.2のx値を0〜0.3の範囲で変化させ、先と同様の
方法で充放電サイクル試験によって評価した。なおx=
0.02の場合が実施例1で示した本発明電池Aであ
る。その結果を図2に示す。x値すなわちHf量が0.
003〜0.1の範囲でサイクル寿命が10%以上向上
した。特にHf量が0.01〜0.03の範囲にある場
合にはサイクル寿命が20%以上向上した。Hf量が
0.003より小さい場合は量が少なすぎてその効果が
充分に発揮されなかったものと考えられる。またHf量
が0.1より大きい場合も効果は小さかった。HfがZ
rのサイトに大量に導入されることで均質性が保たれな
くなったためと推定される。走査型電子顕微鏡およびX
線微小分析装置により合金組織の観察を行ったところH
f量が0.1より大きい場合には明らかにLaves相
以外の偏析相が存在し、合金構成元素の分布も不均一で
あることが確認された。
【0023】以上の結果より合金中のHf量は0.00
3〜0.1であることが望ましい。なおHf量が0.0
1〜0.03の範囲であればさらに好ましい。
【0024】(実施例3)本発明の効果をより大きく発
揮するためには合金中のHf量のみならず、その他の構
成元素の量も最適化する必要があることが研究の中で明
らかになった。以下そのことについて説明する。
【0025】
【表1】
【0026】(表1)に種々の合金試作例を示した。合
金の作製は実施例1と同様の方法で行った。各合金は密
閉電池評価を行う前に、開放電池による充放電試験を2
5℃および45℃にて行い、25℃での最大放電容量
(mAh/g),45℃での1サイクル当たりの放電容
量劣化率(mAh/g・cyc.)を評価した。
【0027】評価方法は以下のとおりである。まず作製
した合金を大きさ75μm以下の粒子に粉砕し、この合
金粉末350mgを結着剤であるポリエチレン粉末42
mg、導電材であるカーボニルニッケル粉末1050m
gと共に充分混合し、加圧して直径約13mmのペレッ
トに成型した。この時ペレットの片面にNi集電体を設
け、真空中にて120℃,1.5時間放置し、ポリエチ
レンを溶解し、負極とした。正極としては市販の焼結式
Ni極を選び、電解液としては比重1.30のKOH水
溶液を用いた。電解液が豊富で、正極容量が負極容量の
2倍以上の負極容量規制の開放電池にて一定電流で充放
電を繰り返した。充電は100mAで5.5時間、放電
は50mA連続とし、終止電圧を0.8Vとした。
【0028】(表1)にはその結果も併せて掲載した。
(表1)に示した合金のうち合金A,C,D,E,P〜
AEが本発明に相当する。Cは合金AのMoをVに置き
換えたもの、D,Eは合金AのCoをFe,Cuで置き
換えたもの、F,GはそれぞれMnが本発明より少ない
もの,多いものの例、H,IはそれぞれNiが本発明よ
り少ないもの,多いものの例、J,KはそれぞれCrが
本発明より少ないもの,多いものの例、LはCoが多い
ものの例である。またMは一般式Zr1-xHfxMns
tCruM2vNiw(ただし、M1はV,Moもしくは
VとMoの混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群
より選ばれた少なくとも1種)におけるs+t+u+v
+wの値が本発明より大きいものの例、N,Oはそれぞ
れ格子定数が本発明より大きいもの,小さいものの例で
ある。合金A〜M,P〜AEの格子定数は7.02〜
7.10オングストローム,合金Nでは7.12オング
ストローム,合金Oでは7.01オングストロームであ
った。合金P〜AEは種々の本発明例である。なおこれ
らの合金は全て主合金相が金属間化合物のLaves相
に属し、その結晶構造が立方対称のC15型であること
が分析結果より確認された。 合金A,C,D,E,P
〜AEを使用して作製した電池が、本発明電池A,C,
D,E,P〜AEであり、合金F〜Oを使用して作製し
た電池を試作電池F〜Oと呼ぶ。
【0029】合金C,D,E,P〜AEでは(表1)に
示したとおり合金容量,容量劣化率ともに優れており、
実施例1と同様の方法で作製した本発明電池C,D,
E,P〜AEは充放電サイクル試験を行ったところ、サ
イクル寿命はいずれも430〜450サイクルであっ
た。
【0030】合金F,I,K,L,M,N,Oは合金A
と比較して放電容量が小さいため試作電池F,I,K,
L,M,N,Oは容量が小さくなってしまった。合金構
成元素のうちMnは水素吸蔵量を増大させる効果を有し
ているが、合金FのごとくMn量が過少であると水素吸
蔵量が小さくなるのである。合金構成元素のうちNi,
Coは電気化学反応活性を高めるための重要な元素であ
るが、その原子半径は比較的小さいため合金I,Lのよ
うにNi,Co含有量が過大である場合には、水素吸蔵
量が小さくなる。合金構成元素のうちCrは耐食性を高
めるが、その量が多すぎると電気化学反応を阻害するた
め合金Kでは開放電池での放電容量が小さい。合金Mの
ごとくs+t+u+v+wの値が2.2より大きい場
合、合金N,Oのごとく格子定数が適正でない場合にも
水素吸蔵量は小さい。これらのことは別の実験において
確認済みである。
【0031】これらの放電容量の小さい合金を負極に使
用する場合、正極の容量とのバランスをとるために電池
内での負極体積を増加させる必要があり、結果的に電池
容量が小さくなる。このことは本発明の高容量かつ高寿
命のニッケル・水素蓄電池という主旨からはずれるの
で、密閉電池での充放電サイクル特性評価の対象になら
なかった。
【0032】合金G,H,Jは容量劣化率が大きく、試
作電池G,H,Jを充放電サイクル試験により評価した
ところ、その寿命はいずれも300サイクル以下であっ
た。充放電サイクル試験が終了した試作電池G,H,J
を分解して、水素吸蔵合金負極を電子顕微鏡で観察した
ところ水素吸蔵合金粉末の表面が荒れており、電池内部
でアルカリ電解液により腐食されたことは明白であっ
た。また走査型電子顕微鏡およびX線微小分析装置を使
用して合金組織の調査を行ったところ、試作電池G,
H,Jに使用した合金ではLaves相以外の偏析相が
観察され、合金構成元素の分布も不均一であった。
【0033】このように本発明の大きな効果はHfの量
のみならず、その他の合金構成元素の量をも適正にした
場合にのみ現れることがわかる。
【0034】なお本発明は(表1)に示したもの以外に
も多くの合金組成が可能である。(表1)に示したもの
以外であっても水素吸蔵合金の組成がHfを含み、一般
式Zr1-xHfxMnsM1tCruM2vNiwで表され、
M1はV,MoもしくはVとMoの混合物、M2はC
o,Fe,Cuよりなる群より選ばれた少なくとも1
種、0.003<x<0.1,0.3<s<0.7,0
≦t<0.4,0.1<u<0.4,0≦v<0.3,
0.8<w<1.3,1.8<s+t+u+v+w<
2.2、であり、主合金相が金属間化合物のLaves
相に属し、その結晶構造が立方対称のC15型であり、
格子定数がa=7.02〜7.10オングストロームで
ある場合、もしくは水素吸蔵合金の組成がHfを含み、
一般式Zr 1-x-yHfxTiyMnsM1tCruM2vNiw
で表され、M1はV,MoもしくはVとMoの混合物、
M2はCo,Fe,Cuよりなる群より選ばれた少なく
とも1種、0.003<x<0.1、0<y<0.3,
0.3<s<0.7,0≦t<0.4,0.1<u<
0.4,0≦v<0.3,0.8<w<1.3,1.8
<s+t+u+v+w<2.2であり、主合金相が金属
間化合物のLaves相に属し、その結晶構造が立方対
称のC15型であり、格子定数がa=7.02〜7.1
0オングストロームである場合に優れた結果が得られ
た。
【0035】(実施例4)水素吸蔵合金として先の実施
例1と同様のZr0.98Hf0.02Mn0.6Mo0.05Cr
0.15Co0.1Ni1.2を選び、先の鋳造法とは異なり、ア
ルゴンガスによるガスアトマイズ法により合金を作製し
た。このガスアトマイズ法による合金は、その凝固過程
での冷却速度が非常に速く、一般的にその冷却速度は1
4〜105℃/秒程度と推定されている。
【0036】この合金を用い、先の実施例1と同様の方
法で電池を作製した。この電池を本発明電池A′とす
る。この電池を同様の充放電サイクル試験により評価
し、本発明電池Aと比較した結果を図3に示す。本発明
電池A′は本発明電池Aと比較してさらに約5%サイク
ル寿命が向上した。
【0037】この本発明電池A′に用いた合金を分析し
たところ、主合金相以外の偏析相,不純物相は全く観察
されず、極めて均質性の高い合金であることが明らかに
なった。このことにより、合金の腐食劣化が抑制され、
優れた寿命特性を示したものと思われる。
【0038】以上のように合金作製の際の冷却速度を速
くすることで、本発明の効果はさらに大きいものとな
る。
【0039】ここまでの実施例では合金の作製が鋳造
法,ガスアトマイズ法による場合について説明したが、
その製法が鋳造法,ガスアトマイズ法,遠心噴霧法,ロ
ール急冷法から選ばれたいずれかの方法で、凝固までの
冷却速度が1000℃/秒以上の超急冷である場合には
優れた結果が得られる。
【0040】
【発明の効果】本発明では、主たる水素吸蔵合金の組成
が一般式Zr1-xHfxMnsM1tCr uM2vNiwで表
され、M1はV,MoもしくはVとMoの混合物、M2
はCo,Fe,Cuよりなる群より選ばれた少なくとも
1種、0.003<x<0.1,0.3<s<0.7,
0≦t<0.4,0.1<u<0.4,0≦v<0.
3,0.8<w<1.3,1.8<s+t+u+v+w
<2.2、であり、主合金相が金属間化合物のLave
s相に属し、その結晶構造が立方対称のC15型であ
り、格子定数がa=7.02〜7.10オングストロー
ムとするか、もしくは一般式Zr1-x-yHfxTiyMns
M1tCruM2vNiwで表され、M1はV,Moもしく
はVとMoの混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる
群より選ばれた少なくとも1種、0.003<x<0.
1、0<y<0.3,0.3<s<0.7,0≦t<
0.4,0.1<u<0.4,0≦v<0.3,0.8
<w<1.3,1.8<s+t+u+v+w<2.2で
あり、主合金相が金属間化合物のLaves相に属し、
その結晶構造が立方対称のC15型であり、格子定数が
a=7.02〜7.10オングストロームとすることに
より高容量で、サイクル寿命特性に優れたニッケル・水
素蓄電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充放電サイクルに伴う放電容量の変化を示すサ
イクル寿命特性図
【図2】水素吸蔵合金中のHf量とサイクル寿命との関
係を示す特性図
【図3】充放電サイクルに伴う放電容量の変化を示すサ
イクル寿命特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿久津 徳勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山下 勝己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化ニッケルを主体とする正極と、活物
    質である水素を電気化学的に吸蔵・放出することが可能
    な水素吸蔵合金を主構成材料とする負極と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とで構成され、水素吸蔵合金の組成
    がHfを含み、一般式Zr1-xHfxMnsM1tCru
    vNiwで表され、式中M1はVかMoもしくはVとM
    oの混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群より選
    ばれた少なくとも1種、0.003<x<0.1,0.
    3<s<0.7,0≦t<0.4,0.1<u<0.
    4,0≦v<0.3,0.8<w<1.3,1.8<s
    +t+u+v+w<2.2、であり、主合金相が金属間
    化合物のLaves相に属し、その結晶構造が立方対称
    のC15型であり、格子定数がa=7.02〜7.10
    オングストロームであるニッケル・水素蓄電池。
  2. 【請求項2】前記一般式中のxが0.01<x<0.0
    3である請求項1記載のニッケル・水素蓄電池。
  3. 【請求項3】前記一般式中のx,s,t,u,v,wが
    それぞれ0.01<x<0.03,0.4<s<0.
    6,0≦t<0.3,0.1<u<0.2,0≦v<
    0.2,1.1<w<1.3,2.0<s+t+u+v
    +w<2.2である請求項1記載のニッケル・水素蓄電
    池。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の水素吸蔵合金を作製する
    方法が鋳造法,ガスアトマイズ法,遠心噴霧法,ロール
    急冷法のうちのいずれかから選ばれた方法であり、かつ
    凝固までの冷却速度が1000℃/秒以上であるニッケ
    ル・水素蓄電池の製造法。
  5. 【請求項5】水酸化ニッケルを主体とする正極と、活物
    質である水素を電気化学的に吸蔵・放出することが可能
    な水素吸蔵合金を主構成材料とする負極と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とで構成され、水素吸蔵合金の組成
    がHfを含み、一般式Zr1-x-yHfxTiyMnsM1t
    CruM2vNiwで表され、M1はV,MoもしくはV
    とMoの混合物、M2はCo,Fe,Cuよりなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種、0.003<x<0.1、
    0<y<0.3,0.3<s<0.7,0≦t<0.
    4,0.1<u<0.4,0≦v<0.3,0.8<w
    <1.3,1.8<s+t+u+v+w<2.2であ
    り、主合金相が金属間化合物のLaves相に属し、そ
    の結晶構造が立方対称のC15型であり、格子定数がa
    =7.02〜7.10オングストロームであるニッケル
    ・水素蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0791971A1 (en) * 1996-02-20 1997-08-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Nickel-metal hydride storage battery and alloy for configuring negative electrode of the same
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