JPH0963136A - 高密度光ディスク、および、その再生方法 - Google Patents

高密度光ディスク、および、その再生方法

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JPH0963136A
JPH0963136A JP8034129A JP3412996A JPH0963136A JP H0963136 A JPH0963136 A JP H0963136A JP 8034129 A JP8034129 A JP 8034129A JP 3412996 A JP3412996 A JP 3412996A JP H0963136 A JPH0963136 A JP H0963136A
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pit portion
thin film
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kerr rotation
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弘 宮澤
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彰治 保科
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尚男 西川
Masaya Ishida
方哉 石田
Takeo Kawase
健夫 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生専用光ディスクの高密度化を達成するた
めに、低コストで超解像再生を実現することを目的とす
る。 【解決手段】 情報をになうディスク面上のピットと、
ディスクに一様に積層した光磁気記録膜を用い、再生磁
界をかけながら高いレーザーパワーで連続再生すること
で、超解像再生を行う。磁性層として、室温では面内磁
化、高温で垂直磁化に遷移する特性を有するものを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学効果(カ
ー効果)を利用して読み出しを行なう再生専用の高密度
光ディスクとその再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、画像など大容量情報を低コストで
頒布する手段として光ディスクが広く採用されている。
しかしデジタルビデオディスク(DVD)に見られるよう
に、高品質の動画情報を扱うためには光ディスクのさら
なる高容量化が望まれている。書き換え可能な光磁気記
録方式では磁気的超解像による信号再生が発明されたた
め(Aratani et Al. Optical Data Strage 1991)、レ
ーザービームの回折限界を越えて高容量化を達成する道
筋が見えてきている。、特に磁気的超解像において、磁
性層として室温で面内磁化、高温で垂直磁化となるGdFe
Coを用いた技術がMurakamiらによって報告されている
(J. Magn. Soc. Jpn., 17 Suppl. S1(1993)201 )。
【0003】しかし、プリピットを用いた再生専用の光
ディスクにおいては、超解像による信号再生の手法がい
くつか提案されてはいるが、最適な技術手法はいまだに
確立されていない。例えば、再生専用光ディスクの超解
像技術の手法には、マスク材料で分けると以下の2つが
ある。
【0004】
【表1】
【0005】相変化材料、有機色素材料いずれの方式
も、レーザービームスポット内の一部領域を、ビーム照
射による昇温で反射率を変え、実効的なアパチャーを回
折限界以下にしぼり、プリピットの超解像再生を実現す
る。しかしどちらの材料も繰り返し耐久性が低いという
欠点を抱えている。例えば相変化材料では、溶融状態を
実現するために薄膜の温度を信号再生のたびに500℃
付近にまであげる。このため組成の偏析が発生する。ま
た有機色素材料では、薄膜の温度は200℃前後ではあ
るが色素の分解が発生する。このために現在までのとこ
ろ1万回以上の再生実験はなされていない。再生専用の
光ディスクであれば、少なくとも10の8乗回以上の再生
耐久性を満たす必要がある。
【0006】レーザービームスポット内に形成されるア
パチャーの位置により、再生方式を分類をすることがで
きる。ビームの中心に対して進行方向側にアパチャーが
あいていればフロントアパチャーという。ビームの中心
に対して進行方向側とは逆側にアパチャーがあいていれ
ばリアアパチャーという。ビームの中心付近にアパチャ
ーがあいていればセンターアパチャーという。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】超解像による高容量の
DVDが、市場に広く受け入れられるために満たさなけれ
ばならない条件として、以下の2点即ち 1.安価であること。
【0008】2.繰り返し耐久性が高いこと。
【0009】が必要である。そのためには、現在すでに
市場に受け入れられている希土類−遷移金属アモルファ
ス合金を用いた光磁気ディスク技術を、超解像の手法と
して盛り込むことが最も好ましい。それは既存の生産ラ
インを転用できるからであり、またその繰り返し耐久特
性も10の8乗回以上をクリアすることが保証されている
からである。そこで、本発明は、再生専用光ディスクの
高密度化を達成するために、希土類−遷移金属アモルフ
ァス合金を用いて、再生専用光ディスクの超解像再生を
実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は下記の構成を特徴とする。
【0011】a)透明な基板表面上に情報信号を担うピ
ット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
1層の磁性層を有し、前記ピット部と前記ピット部以外
の場所のカー回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前
記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積を異な
らせ d)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
き、 θ1≠θ2 としたことを特徴とする。
【0012】前記情報信号を再生する方法において、再
生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パ
ワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域A
を昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキュリー
温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域とするこ
とで波形干渉をとりのぞいて磁気的超解像を達成し、磁
気光学信号のカー回転角として前記情報信号を再生する
ことことを特徴とする。ここでマスク領域とは情報信号
が再生されない領域のことである。
【0013】さらに前記情報信号を再生するもう一つの
方法として、再生レーザビームのパワーを一定の値Pr
に上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内
の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域
とすることで波形干渉をとりのぞいて磁気的超解像を達
成し、磁気光学信号のカー回転角として前記情報信号を
再生することことを特徴とする。ここでアパチャー領域
とは情報信号が再生される領域のことである。
【0014】マスク領域とアパチャー領域は互いに相補
的な関係にあり、両者を加えた領域がビームスポットに
なる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下の実施例は以下のアウトライ
ンに従って述べる。
【0016】実施例1は、基本的なメカニズムの説明に
関するものである。
【0017】実施例2は、ディスク構成(1)のフロン
トアパチャーに関するものである。
【0018】実施例3は、ディスク構成(2)のリアア
パチャーに関するものである。
【0019】実施例4は、ディスク構成(3)のリアア
パチャーに関するものである。
【0020】実施例5は、ディスク構成(4)のリアア
パチャーに関するものである。
【0021】実施例6は、エンハンスメント構造につい
て光学シミュレーションと測定に関するものである。
【0022】〔実施例1〕本発明の基本的なメカニズム
を以下に説明する。
【0023】図1は、本発明における基本的なディスク
構造の側面断面図である。101は一定の条件(外部磁
界、温度)を満たすときに垂直磁化となる磁性層を少な
くとも1層含む多層薄膜である。102は透明な薄膜
(以下ではエンハンスメント層と呼ぶ)、103は基
板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体
薄膜である。図1では第1の領域(201)と第2の領
域(202)の光学的な干渉構造が異なるために、基板
側から入射したレーザービームが受けるカー回転角のエ
ンハンスメントが異なる。そのため磁性膜を一様に磁化
させた状態では、第1の領域と第2の領域のカー回転角
が異なる。これを基板側から模式的に表したのが図2で
ある。基板側から直線偏光を入射したとき反射光の差動
検出を行い、第2の領域を、情報信号を有するROMピッ
トに見立てるならば、この情報信号は磁気光学信号とし
て再生することができる。ここで差動検出を行うとき、
性能指数Fは F=(カー回転角)×(反射率) で表すのが適している。一般的にカー回転角のエンハン
スメントと反射率は互いにトレードオフの関係にあるこ
とからもこのような性能指数の評価によるディスク構造
の最適化が必要である。
【0024】本発明は4種類のディスク構成からなる。
以下に各ディスク構成について、超解像による信号再生
のメカニズムを説明する。
【0025】ディスク構成(1):図3は本構成の側面
断面図である。多層薄膜101が含む磁性層として、室
温で垂直磁化でありカー回転角を有し、昇温するとキュ
リー温度に達してカー回転角を失う磁性膜301を用い
る。このような磁性膜の1例としてTbFeCoがあげられ
る。重希土類の組成範囲は15at%から28at%が垂直
磁化を得る組成として適切である。302、303は透
明な誘電体である。図4は本構成の再生過程を示す図で
ある。最初に磁性層の磁化は1方向にそろえてあるとす
る。これを初期化状態と呼ぶ。外部磁界を加えながら信
号再生のためのレーザーパワーを上げて、ビーム照射領
域を温度T1にまで上げるならば、ビームスポット後方
の高温部分において磁性層のカー回転角が低下する。つ
いにはカー回転角を失うマスク領域A(401)が出現
する。一方、ビームスポット前方ではいまだ低温である
ために、このアパチャー領域B(402)からのカー回
転角による信号再生が可能である。領域A、領域Bのカ
ー回転角の絶対値をそれぞれθA、θBとすれば θA<θB である。したがって領域Bの信号再生において領域Aの
情報信号からの干渉効果を排除することが可能となる。
これは磁気的超解像におけるフロントアパチャーに対応
している。そのため本発明において情報信号を有するRO
Mピットの超解像再生が実現する。ここで203はROMヒ゜
ット部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を向くことでカー
回転角による情報信号を有する領域を示す。レーザービ
ームが通過した後では、磁性層の磁化は外部磁界に応じ
て一定方向を向くため初期化が自動的に完了している。
【0026】ディスク構成(2):図5は本構成の側面
断面図である。多層薄膜101が含む磁性層として、室
温で面内方向の磁化を有し、高温域(温度T1以上)で
垂直磁化に遷移する磁性膜501を用いる。このような
磁性層は、希土類リッチのGdFeCo膜を用いて実現できる
ことが知られている。Gdは28at%以上、32at%以
下の範囲が適切である。302、303は透明な誘電体
である。図6は本発明の再生過程を示す図である。外部
磁界を加えながら信号再生のためのレーザーパワーを上
げて、ビーム照射領域を温度T2にまで上げるならば、
ビームスポット後方の高温部分において、磁性層は面内
磁化から垂直磁化に遷移し、カー回転角を有するアパチ
ャー領域B(601)が出現する。一方、ビームスポッ
ト前方ではいまだ低温であるために、磁性層は面内方向
の磁化でありこのマスク領域A(602)からのカー回
転角による信号は存在しない。領域A、領域Bのカー回
転角の絶対値をそれぞれθA、θBとすれば θA<θB である。したがって領域Bの信号再生において領域Aの
情報信号からの干渉効果を排除することが可能となる。
これは磁気的超解像におけるリアアパチャーに対応して
いる。そのため本発明において情報信号を有するROMピ
ットの超解像再生が実現する。ここで203はROMヒ゜ット
部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を向くことでカー回
転角による情報信号を有する領域を示す。
【0027】さらに図7に示すように、領域Bの中の後
方の領域C(703)がキュリー温度付近まで上がるの
ならば、この領域Cからのカー回転角の信号も存在しな
い。この場合はビーム中央部の領域B(701)のみが
再生信号に寄与し、領域A(702)、領域C(70
3)がマスクされるため、磁気的超解像におけるセンタ
ーアパチャーが実現される。図6、図7いずれが実現す
るかは、多層薄膜の熱拡散構造、レーザービームのパワ
ー、磁性層の磁気特性(キュリー温度Tc、垂直磁気異方
性Ku、原子間の交換結合力A、保磁力Hc)に依存する。
【0028】ディスク構成(3):前記した(2)の構
成において、磁性層501に隣接して交換結合する磁性
層502を配置する。これを図8に示す。302、30
3は透明な誘電体である。磁性層502は室温で垂直磁
化であり、501がキュリー温度に達しても垂直磁化を
保つとする。例えば1例としてTb20Fe70Co10(at%)
があげられる。このようにすると再生時に外部磁界を加
えなくても、磁性層502からの交換結合力で磁性層5
01は、面内磁化から垂直磁化に遷移することができ
る。またビーム通過後の降温時には、磁性層501は面
内磁化にもどる。従って図6に示した磁気的超解像にお
けるリアアパチャーが実現される。
【0029】ディスク構成(4):本構成を図9に示
す。磁性層901として垂直磁化膜であるGdFeCoを使
う。垂直磁化を実現するGdの組成範囲は15at%以
上、28at%以下が好ましい。これに隣接して交換結
合する磁性層902、磁性層903を順に配置する。3
02、303は透明な誘電体である。磁性層903は室
温から高温にかけて面内磁化膜である。また磁性層90
2は、磁性層901、903と比較して低いキュリー温
度を有する。このようにすると、室温において磁性層9
01は、磁性層903からの交換結合のために面内磁化
となる。これはGdの垂直磁気異方性が低いからである。
しかし昇温すると磁性層902がキュリー温度に達する
ため、磁性層901と磁性層903の間の交換結合力が
切れて、磁性層901は垂直磁化に遷移する。このよう
な構成をとれば図6に示した磁気的超解像におけるリア
アパチャーが実現される。またビーム通過後の降温時に
は、磁性層903からの交換結合力が復活して磁性層9
01は面内磁化にもどる。
【0030】以下の実施例の中でnは屈折率の実数部、k
は虚数部を表す。
【0031】〔実施例2〕ここでは実施例1で述べたデ
ィスク構成(1)に関して具体的な実施例を述べる。 ディスク構成 図3は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化
を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。
102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、10
3は基板、104は屈折率が102、103とは異なる
誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmの
プリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。
多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表2に示し
た。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列
のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間
隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォト
レジストを用いた。
【0032】
【表2】
【0033】磁性層で用いたTbFeCoは、アモルファスの
垂直磁化膜で、Tcは200℃、Hcは800kA/mである。エンハ
ンスメント層は屈折率1.6の樹脂を用いる。また各薄膜
の屈折率は以下の通りである。
【0034】
【表3】
【0035】このときピット部と平坦部のエンハンスメ
ント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K
×Rは次の表のようになる。
【0036】
【表4】
【0037】また平坦部におけるカー回転角の温度変化
を図10に示した。測定は24 kA/mの外部磁界のもとで
行った。図10より、室温のカー回転角の絶対値をθ
1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたとき、 θ1>θ2 が成り立つ。例えば150℃でのカー回転角は室温の約
1/2である。従って150℃以上に昇温した領域からの信
号は室温の領域に比べて(1/2)2の強度に抑圧されて
いる。
【0038】再生方法 また再生条件は以下のとおりである。
【0039】
【表5】
【0040】ただし、再生磁界は基板に対して垂直方向
であり、この方向を第1の方向とする。
【0041】再生信号の評価結果 再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示
す。
【0042】
【表6】
【0043】表6によれば3.0mW以上でC/Nが高くなるこ
とがわかる。この3.0mWという値は、通常の光磁気記録
を行ったとき、磁区が形成される温度に対応するレーザ
ーパワーである。また再生磁界を0 A/mにして5.0mWで同
一トラックを読み続けると、C/Nは32dBとなってしま
う。再生磁界が0 A/mであれば、高パワーの再生レーザ
ービームがそのトラックをスキャンしても、ビーム内に
は外部磁界が存在しないためにメイズ磁区が形成され、
見かけのカー回転角を失い本発明の効果を失ってしまう
からである。
【0044】次に比較例として以下の構成を有するディ
スクを作製した。
【0045】
【表7】
【0046】5.0mWの再生パワーで比較例を評価する
と、C/Nは
【0047】
【表8】
【0048】であった。これらの比較例から、本発明の
必要条件として次のことが要求される。
【0049】(1)104の誘電体薄膜が必要である。
【0050】(2)多層膜には、基板側からの測定にお
いて磁気光学的に活性な磁性層を含むことが必要であ
る。
【0051】(3)ピット深さは0ではない有限の値が
必要である。
【0052】なお本実施例1において、エンハンスメン
ト層としてフォトレジストのかわりにSiO2系被膜形成用
塗布液をもちいても、本発明におけるエンハンスメント
層の効果を有する。そこで実施例2ー1として、実施例
2の樹脂層のかわりにSiO2系被膜形成用塗布液をエンハ
ンスメント層として用いた。このときSiO2層の屈折率は
1.5である。この実施例2ー1に対して表5の再生条
件において信号再生を行った時、3.0mWの再生パワー
で47dBが得られた。したがって実施例2と同等の効果を
有する。
【0053】なお本発明の磁性層は、室温で垂直磁化
膜、再生レーザービームを照射して昇温したときの温度
でカー回転角が低下する特性を持つものであれば本発明
と同等の効果を有する。従ってこの特性を満たす範囲で
本実施例の磁性層組成のTb量を変えても、Tbを他の希土
類(Gd、Dy)で置き換えても、あるいはCo量を変えても
本発明の効果は失われない。
【0054】また本実施例において、ピットは凸形状で
も本発明の効果を有する。
【0055】〔実施例3〕ここでは実施例1で述べたデ
ィスク構成(2)に関して具体的な実施例を述べる。
【0056】ディスク構成 図5は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化
を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。
102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、10
3は基板、104は屈折率が102、103とは異なる
誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmの
プリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。
多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表9に示し
た。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列
のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間
隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォト
レジストを用いた。
【0057】
【表9】
【0058】磁性層で用いたGdFeCoは、室温で希土類の
副格子磁化が優勢(希土類リッチ)であり、室温とキュ
リー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、 Gd32Fe59Co9 でありアモルファス膜である。このGdFeCoは単独で、室
温では面内磁化膜、昇温すると垂直磁化膜に遷移し、2
00℃では垂直磁化膜である。この理由は、垂直磁気異
方性の大きさより、磁化による反磁界が優勢なときには
面内磁化膜であり、補償温度近傍でみかけの磁化が低下
すると反磁界が低下し、垂直磁気異方性が優勢となり垂
直磁化となるからである。垂直磁化膜を示す温度領域で
は、面に垂直な方向にかけた外部磁界と同じ方向にみか
けの磁化は向き、垂直磁化膜特有の角形のヒステリシス
ループをえがく。
【0059】エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を
用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0060】
【表10】
【0061】このときピット部と平坦部のエンハンスメ
ント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K
×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温におい
て磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定
した。
【0062】
【表11】
【0063】また平坦部におけるカー回転角の温度変化
を図11に示した。24 kA/mの外部磁界のもとでカー回
転角の測定を行った。図11より室温のカー回転角の絶
対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
き、 θ1<θ2 が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角
は0°であるが、150℃でのカー回転角は0.7°である。
従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃以上の
領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃以上の
領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び信号強
度が低下する。従って、150℃から300℃付近までがアパ
チャー領域に対応する。
【0064】製造方法 製造方法を図18に示す。図18(a)で示したよう
に、厚み1.2mmの透明でフラットなPC基板1801上
に、2P法で情報信号を有する凹状のプリピット1803
を形成する。1802は2P樹脂である。この状態が図
5の符号103に相当する。プリピットの直径は0.4μ
m、深さは50nmの円筒である。ピット底面は平坦であ
る。プリピットはトラック方向に0.8μmのピッチで形成
される。隣接トラックとの距離は1.6μmである。次に図
18(b)で示したようにスパッタリングによりZnSを5
0nm成膜し104の誘電体薄膜とする。100nm程度までの
誘電体薄膜はピットの凹凸構造をそのまま再現すること
ができる。次に図18(c)で示すようにエンハンスメ
ント層102として樹脂をスピンコートにより塗布す
る。フォトレジストは紫外線で硬化させる。フォトレジ
ストの厚みは平坦部において710nmである。図18
(c)に示したようにピットはフォトレジストにより充
填されており、フォトレジストの大気側表面は平坦にな
っている。この平坦性に関して、5nm以下の凹凸であれ
ば、再生信号に悪影響を与えない。またフォトレジスト
の厚みが2.0μm以内であれば、本実施例でPC基板上に
形成した構造は再生レーザー光のビームウエストにおさ
まり、レーザー光の多重反射を引き起こして本発明の効
果を発揮することができる。次にフォトレジストの上に
前記多層薄膜101をスパッタリングにより順に形成す
る。こうして図5で示したディスク構造ができる。
【0065】再生方法 信号再生条件は以下のとおりである。
【0066】
【表12】
【0067】ただし、再生磁界は基板に対して垂直方向
であり、この方向を第1の方向とする。
【0068】再生信号の評価結果 再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示
す。
【0069】
【表13】
【0070】表6によれば3.0mW以上でC/Nが高くなるこ
とがわかる。この3.0mWという値は、通常の光磁気記録
を行ったとき、磁区が形成される温度に対応するレーザ
ーパワーである。また再生磁界を0 A/mにして5.0mWで同
一トラックを読み続けると、C/Nは32dBとなってしま
う。再生磁界が0 A/mであれば、高パワーの再生レーザ
ービームがそのトラックをスキャンしても、ビーム内に
は外部磁界が存在しないためにメイズ磁区が形成され、
見かけのカー回転角を失い本発明の効果を失ってしまう
からである。
【0071】次に比較例として以下の構成を有するディ
スクを作製した。
【0072】
【表14】
【0073】5.0mWの再生パワーで比較例を評価する
と、C/Nは
【0074】
【表15】
【0075】であった。これらの比較例から、本発明の
必要条件として次のことが要求される。
【0076】(1)104の誘電体薄膜が必要である。
【0077】(2)多層膜には、基板側からの測定にお
いて磁気光学的に活性な磁性層を含むことが必要であ
る。
【0078】(3)ピット深さは0ではない有限の値が
必要である。
【0079】なお本実施例3において、エンハンスメン
ト層としてフォトレジストのかわりにSiO2系被膜形成用
塗布液をもちいても、本発明におけるエンハンスメント
層の効果を有する。また本実施例において、ピットは凸
形状でも本発明の効果を有する。
【0080】なお本発明の磁性層は、室温で面内磁化
膜、再生レーザービームを照射して昇温したときの温度
で垂直磁化となる特性を持つものであれば本発明と同等
の効果を有する。従ってこの特性を満たす範囲で本実施
例の磁性層組成のGd量を変えても、あるいは同時にCo量
を変えても本発明の効果は失われない。
【0081】〔実施例4〕ここでは実施例1で述べたデ
ィスク構成(3)に関して具体的な実施例を述べる。
【0082】ディスク構成 図8は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化
を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。
102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、10
3は基板、104は屈折率が102、103とは異なる
誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmの
プリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。
多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表16に示し
た。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列
のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間
隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォト
レジストを用いた。
【0083】
【表16】
【0084】磁性層で用いたGdFeCoは、室温で希土類の
副格子磁化が優勢(希土類リッチ)であり、室温とキュ
リー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、 Gd32Fe59Co9 でありアモルファス膜である。このGdFeCoは単独で室温
では面内磁化膜、昇温すると垂直磁化膜に遷移し、20
0℃では垂直磁化膜である。磁性層2はキュリー温度3
00℃を有する垂直磁化膜である。磁性層1が垂直磁化
を示す温度領域では、磁性層1の副格子磁化は磁性層2
の副格子磁化方向と同じ方向に向き、垂直磁化膜特有の
角形のヒステリシスループをえがく。
【0085】エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を
用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0086】
【表17】
【0087】このときピット部と平坦部のエンハンスメ
ント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K
×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温におい
て磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定
した。
【0088】
【表18】
【0089】また平坦部におけるカー回転角の温度変化
を図12に示した。各温度ステップごとに800 kA/mの外
部磁界で初期化を行った後、24 kA/mの外部磁界のもと
でカー回転角の測定を行った。図12より室温のカー回
転角の絶対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2
としたとき、 θ1<θ2 が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角
は0.15°であるが、150℃でのカー回転角は0.7°で
ある。従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃
以上の領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃
以上の領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び
信号強度が低下する。従って、150℃から300℃付近まで
がアパチャー領域に対応する。
【0090】再生方法 信号再生条件は以下のとおりである。
【0091】
【表19】
【0092】信号再生前にはあらかじめ外部磁界を加え
て、磁性層2の磁化方向を初期化しておく。
【0093】再生信号の評価結果 再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示
す。
【0094】
【表20】
【0095】表6によれば1.5mW以上でC/Nが高くなるこ
とがわかる。
【0096】〔実施例5〕ここでは実施例1で述べたデ
ィスク構成(4)に関して具体的な実施例を述べる。
【0097】ディスク構成 図9は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化
を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。
102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、10
3は基板、104は屈折率が102、103とは異なる
誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmの
プリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。
多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表21に示し
た。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列
のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間
隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォト
レジストを用いた。
【0098】
【表21】
【0099】磁性層で用いたGdFeCoは、室温で遷移金属
副格子磁化が優勢(遷移金属リッチ)であり、室温とキ
ュリー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、 Gd20Fe70Co10 でありアモルファス膜である。このGdFeCoは、室温では
垂直磁化膜である。一方、磁性層2はキュリー温度が1
30℃の面内磁化膜である。また磁性層3はキュリー温
度が300℃以上の面内磁化膜である。磁性層1と磁性
層2、磁性層2と磁性層3は室温で互いに交換結合して
いる。そのため磁性層1は、この多層膜構成において室
温で面内磁化膜となる。しかし昇温すると、磁性層2の
交換結合力が失われ、磁性層1の磁化は磁性層3の支配
から解き放たれる。そのため昇温時には磁性層1は垂直
磁化膜である。
【0100】エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を
用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0101】
【表22】
【0102】このときピット部と平坦部のエンハンスメ
ント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K
×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温におい
て磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定
した。
【0103】
【表23】
【0104】また平坦部におけるカー回転角の温度変化
を図13に示した。24 kA/mの外部磁界のもとでカー回
転角の測定を行った。図13より室温のカー回転角の絶
対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
き、 θ1<θ2 が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角
は0°であるが、150℃でのカー回転角は0.8°である。
従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃以上の
領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃以上の
領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び信号強
度が低下する。従って、150℃から300℃付近までがアパ
チャー領域に対応する。
【0105】再生方法 信号再生条件は以下のとおりである。
【0106】
【表24】
【0107】再生信号の評価結果 再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示
す。
【0108】
【表25】
【0109】表6によれば1.5mW以上でC/Nが高くなるこ
とがわかる。
【0110】〔実施例6〕実施例2におけるエンハンス
メント層の最適な厚みについて、光学シミュレーション
と測定を用いて議論する。シミュレーションは仮想屈折
率法に従う。波長は830nmとする。なお本実施例のシミ
ュレーションでは、ピットの形状による反射光の回折は
考えず、無限平面を仮定する。また測定はフラット基板
に多層薄膜を積層して行った。図14は光学シミュレー
ション、測定で取り上げるディスクの側面断面図であ
る。1400はフラットなPC基板である。媒体構造を
表26に示した。
【0111】
【表26】
【0112】基板の屈折率を1.6とする。光は基板側
から入射する。また各薄膜の屈折率は以下の通りであ
る。
【0113】
【表27】
【0114】以下にx=50nmのときの光学シミュレーシ
ョン値と測定結果を示す。以下の図では、横軸がエンハ
ンスメント層厚みy nmである。また実線はシミュレーシ
ョン値、黒ぬきの正方形は測定値である。またこれらの
シミュレーションにおいては、エンハンスメント層の吸
収が0であるため、カー回転角、反射率、カー回転角と
反射率の積はエンハンスメント層の厚みyに対してそれ
ぞれ周期関数となっている。従って少なくとも1周期分
のみを表示すれば、エンハンスメント層厚みy nmに関す
る光学特性を調べる上では十分である。
【0115】図15はエンハンスメント層厚みyとカー
回転角の関係である。エンハンスメント層厚みの2つの
異なる点をとり、この内、小さい方の厚みを情報信号ピ
ット列における平坦部に対応させる。そして大きい方の
厚みを情報ピット列におけるピット部に対応させる。こ
こでカー回転角のプラス領域のピークとマイナス領域の
ピークをこの2点としてとれば、以下の表に示す2つの
エンハンスメント層厚みyの組み合わせにより、情報信
号ピットの変調を実現することができる。例えばその1
例を表11に示した。
【0116】
【表28】
【0117】この場合a)よりもb)の組合わせを採用
するのが製造技術上有利である。なぜならば深いピット
をフォトレジストで平坦に充填することが困難だからで
ある。図16はエンハンスメント層厚みyと反射率の関
係である。表11のa)b)の組合わせのとき、同じ反
射率間の変調になる。図17はエンハンスメント層厚み
yと性能指数の関係である。表11a)b)いずれの組
合わせにおいても、性能指数はプラス領域とマイナス領
域のあいだの変調をとることができ、良質な信号品質を
得ることができる。これは多層薄膜101の構造をセラ
ミックス/磁性層(20nm程度)/セラミックスとしたこ
とに起因する。例えば比較例7として、多層薄膜101
の構造をセラミックス/磁性層(20nm程度)/セラミッ
クス/金属反射膜とした場合、あるいは比較例8として
セラミックス/磁性層(100nm程度)/セラミックスと
した場合、性能指数はプラス領域のみとなり、その変調
量は本実施例と比べて小さいものとなる。比較例7、8
においても第0のセラミックス層にSiなどの高屈折率材
料をつければ、プラス領域とマイナス領域の変調をつく
ることができる。しかしこの場合、第0のセラミックス
層の膜厚依存性が急峻であるた製造マージンが狭くなっ
てしまう。
【0118】さらに仮想屈折率のシミュレーション式か
ら明らかなように、x=0 nmであるときカー回転角の周期
的な変調は起こらない。またこのシミュレーションにお
いては基板とエンハンスメント層の屈折率は等しいとし
たので、仮に第0のセラミックス層の屈折率を、基板あ
るいはエンハンスメント層の屈折率と等しくとればカー
回転角の周期的な変調は起こらないことが明らかであ
る。
【0119】図19は第0セラミックスの膜厚の下限と
上限を示した図である。構成は表26と同一である。図
19において、横軸は第0セラミックス層の厚みxであ
る。縦軸はTmaxである。ただし、エンハンスメント層の
膜厚yをふって最大のカー回転角と最小のカー回転角を
もとめ、その差をとってTmaxとした。信号品質を維持す
る為には、0.5度以上のカー回転角差が好ましい。し
たがって図19から第0セラミックス層の膜厚xは以下
の条件を満たすことを要求される。
【0120】20nm≦ x ≦150nm
【0121】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、光磁
気記録方式に用いられている単純な薄膜構造と単純な再
生方法で、高密度なピット信号を超解像で再生すること
ができる。磁性層として室温で垂直磁化、再生レーザー
ビームを照射して昇温したときに面内磁化あるいはキュ
リー温度に達する特性を有するものを用いれば、フロン
トアパチャー再生を実現できる。また磁性層として、室
温で面内磁化、再生レーザービームを照射して昇温した
ときの温度で垂直磁化となる特性を持つものを用いるな
らば、リアアパチャーの超解像再生を行うことができ
る。実施例で述べたように磁性層は交換結合多層膜を用
いてもよい。このように本発明を用いた超解像再生を行
うことで、高密度なROMの再生が可能となる。
【0122】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の側面断面図。
【図2】ピット部でのカー回転角変調を模式的に示した
図。
【図3】ディスク構造(1)に関する側面断面図。
【図4】本発明のフロントアパチャーによる超解像再生
過程を模式的に示した図。
【図5】ディスク構造(2)に関する側面断面図。
【図6】本発明のリアアパチャーによる超解像再生過程
を模式的に示した図。
【図7】本発明のセンターアパチャーによる超解像再生
過程を模式的に示した図。
【図8】ディスク構造(3)に関する側面断面図。
【図9】ディスク構造(4)に関する側面断面図
【図10】実施例2でカー回転角の温度依存性を示す
図。
【図11】実施例3でカー回転角の温度依存性を示す
図。
【図12】実施例4でカー回転角の温度依存性を示す
図。
【図13】実施例5でカー回転角の温度依存性を示す
図。
【図14】実施例6におけるディスクの側面断面図。
【図15】エンハンスメント層厚みとカー回転角の関係
を示す図。
【図16】エンハンスメント層厚みと反射率の関係を示
す図。
【図17】エンハンスメント層厚みと性能指数の関係を
示す図。
【図18】実施例2でディスクの製造過程を示す図。
【図19】第0セラミックスの膜厚の下限と上限を示し
た図。
【符号の説明】
101 磁性層を含んだ多層薄膜 102 エンハンスメント層 103 基板 104 誘電体 201 第1の領域(平坦部) 202 第2の領域(ROMピット部) 203 ROMヒ゜ット部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を
向くことでカー回転角による情報信号を有する領域 401 フロントアパチャー再生におけるマスク領域A 402 フロントアパチャー再生におけるアパチャー領
域B 601 リアアパチャー再生におけるアパチャー領域B 602 リアアパチャー再生におけるマスク領域A 701 センターアパチャー再生におけるアパチャー領
域B 702 センターアパチャー再生におけるマスク領域A 703 センターアパチャー再生におけるもう一つのマ
スク領域C
フロントページの続き (72)発明者 石田 方哉 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 川瀬 健夫 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)透明な基板表面上に情報信号を担うピ
    ット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
    を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
    1層の磁性層を有し、前記ピット部と前記ピット部以外
    の場所のカー回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前
    記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積を異な
    らせ d)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
    をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
    き、 θ1≠θ2 としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高密度光ディスクを再
    生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキ
    ュリー温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域と
    することで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の高密度光ディスクを再
    生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とするこ
    とで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  4. 【請求項4】a)透明な基板表面上に情報信号を担うピ
    ット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
    を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
    1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層
    を有し、前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー
    回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前記ピット部以
    外の場所のカー回転角と反射率の積を異ならせ d)前記磁性層は室温で垂直磁化膜であり e)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
    をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
    き、 θ1>θ2 としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の高密度光ディスクを再
    生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキ
    ュリー温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域と
    することで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  6. 【請求項6】a)透明な基板表面上に情報信号を担うピ
    ット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
    を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
    1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層
    を有し、前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー
    回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前記ピット部以
    外の場所のカー回転角と反射率の積を異ならせ d)前記磁性層は、室温で面内磁化であり、昇温時に垂
    直磁化となり e)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
    をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
    き、 θ1<θ2 としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の高密度光ディスクを再
    生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とするこ
    とで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の高密度光ディスクにおい
    て、前記磁性層の主たる成分が希土類リッチのGdFeCoか
    らなることを特徴とする高密度光ディスク。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の高密度光ディスクにおい
    て、前記磁性層が有すべき、室温で面内磁化であり昇温
    時に垂直磁化となる前記特性を、以下の構成によって実
    現する、 a)前記磁性層を磁性層1と記すとき、前記磁性層1に
    隣接して少なくとも磁性層2を順に積層し、 b)前記磁性層2は垂直磁化膜であり、 d)前記磁性層1と前記磁性層2は交換結合をする、 以上のことを特徴とする高密度光ディスク。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の高密度光ディスクを
    再生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とするこ
    とで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  11. 【請求項11】a)透明な基板表面上に情報信号を担う
    ピット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
    を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
    1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層
    を有し、前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー
    回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前記ピット部以
    外の場所のカー回転角と反射率の積を異ならせ d)前記磁性層は、少なくとも3つの磁性層からなり、
    その内訳は、単独では室温で垂直磁化である磁性層1
    と、比較的キュリー温度の低い磁性層2と、単独では室
    温で面内磁化である磁性層3からなり、前記磁性層1と
    前記磁性層3は室温で前記磁性層2を介して交換結合し
    ており、 e)前記磁性層1は室温で前記交換結合のために面内磁
    化であり、 f)昇温時に、前記磁性層2の交換結合力が低下し、前
    記磁性層1と前記磁性層3の交換結合力が低下し、前記
    磁性層1は垂直磁化に遷移する、 g)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
    をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
    き、 θ1<θ2 としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の高密度光ディスク
    を再生する方法において、 a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、
    前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の
    領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とするこ
    とで磁気的超解像を達成し、 b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生するこ
    とを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の高密度光ディスクに
    おいて、前記磁性層1の希土類の主たる成分がGdからな
    ることを特徴とする高密度光ディスク。
  14. 【請求項14】a)透明な基板表面上に情報信号を担う
    ピット部を形成し、 b)前記ピット部は凹状または凸状で、 c)前記ピット部のみ光学的干渉構造を変えた多層薄膜
    を前記基板表面上に積層し、前記多層薄膜は少なくとも
    1層の磁性層を有し、前記ピット部と前記ピット部以外
    の場所のカー回転角を異ならせ、かつ前記ピット部と前
    記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積を異な
    らせ d)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値
    をθ1とし、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたと
    き、 θ1≠θ2 e)前記光学的干渉構造は、基板上に第1の薄膜、第2
    の透明な薄膜、第3の多層薄膜を順に積層することで構
    成され、前記第2の薄膜の厚みを前記ピット部と前記ピ
    ット部以外の場所で変調し、前記第1の薄膜の屈折率を
    n1、前記第2の薄膜の屈折率をn2、前記第3の多層薄
    膜の屈折率をn3としたとき n2≠n1 かつ n2≠n3 としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の高密度光ディスクに
    おいて、前記第3の多層薄膜が、前記ピット部と前記ピ
    ット部以外の場所によらず平坦であることを特徴とする
    高密度光ディスク。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の高密度光ディスクに
    おいて、前記平坦な面を形成するために前記ピット部に
    充填する材料として、フォトレジストを用いることを特
    徴とする高密度光ディスク。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の高密度光ディスクに
    おいて、前記平坦な面を形成するために前記ピット部に
    充填する材料として、 SiO2系被膜形成用塗布液を用い
    て形成されるSiO2を用いることを特徴とする高密度光デ
    ィスク。
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