JPH07192326A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH07192326A
JPH07192326A JP33242993A JP33242993A JPH07192326A JP H07192326 A JPH07192326 A JP H07192326A JP 33242993 A JP33242993 A JP 33242993A JP 33242993 A JP33242993 A JP 33242993A JP H07192326 A JPH07192326 A JP H07192326A
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magnetic
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JP33242993A
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Katsumi Miyata
克美 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光強度変調方式によりオーバーライト可能な
光磁気記録媒体において、磁気記録層の膜厚の最適化を
図り、再生信号出力を向上させることを目的とする。 【構成】 互いのキュリー点と保持力とが異なる少なく
とも2つの磁性層が磁気的に結合されてなる磁気記録層
10及び金属反射層6を基板5上に順次積層してなる光
磁気記録媒体において、前記磁気記録層10がキュリー
点が低く室温での保持力が大きい第1磁性層1と、前記
第1磁性層と比べて相対的に、キュリー点が高く室温で
の保持力が小さい第2磁性層2とを有し、且つ前記第1
磁性層1の膜厚が10nm以上であり前記磁気記録層1
0の膜厚が60nm以下であることを特徴とする光磁気
記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気相互作用を利用
する光磁気記録媒体に係わり、特に2層以上の磁性多層
膜よりなる光磁気記録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】光磁気相互作用によって情報ビット(磁
区)の読み出しを行ういわゆる光磁気記録媒体に対して
その情報記録方法は、垂直磁化膜による磁性層を有する
記録媒体に対し、その磁化の方向を膜面に垂直な一方向
に予め揃えるいわゆる初期化を施しておき、この磁化方
向と反対向きの垂直磁化を有する磁区をレーザー光照射
等の局部加熱により形成することによって、2値化され
た情報ビットを記録している。
【0003】この記録方法においては、情報の書換えに
先立って、上述の初期化に相当する記録された情報の消
去の過程すなわち消去のための時間を要し、高転送レー
トでの記録を実現できない。これに対し、このような独
立の消去過程の時間が不要とされる重ね書きによるいわ
ゆるオーバーライト方式による記録方法が種々提案され
ている。このオーバーライト方式の記録方法の中で有望
視されている方法としては、例えば媒体に対する外部磁
場変調法と、記録用ヘッドの他に消去用のヘッドを設け
る2ヘッド法とが知られている。
【0004】外部磁場変調法とは、膜面に垂直な磁化容
易軸を有する非晶質フェリ磁性薄膜記録媒体に対して昇
温用光ビームを照射して、この照射領域に入力デジタル
信号電流の状態に対応する極性の磁場を印加することに
よって記録を行うものである。
【0005】ところが、上述のような外部磁場変調法に
よって情報転送レートの高い高速記録を行おうとする
と、例えばMHzオーダーで動作する電磁石が必要とな
り、このような電磁石の作成は困難であり、作成できた
としても消費電力及び発熱が大きく実用的でないという
問題点がある。
【0006】また2ヘッド法では2つのヘッドを必要と
することに加えて、2つのヘッドを離して設置しなけれ
ばならないので、ドライブシステムへの負担が大きく経
済性が悪いため量産に向かない等の問題点を有してい
る。
【0007】このような問題点を解決するために、レー
ザー光等による媒体の加熱温度を切り換え制御するのみ
で容易に書換えすなわちオーバーライトを行うことが可
能な光磁気記録法が、例えば特開昭62−175948
号、特開昭63−48637号、特開昭63−5235
4号公報等で提案されている。
【0008】これらの光磁気記録方法によるオーバーラ
イトの基本プロセスを説明する。第1磁性層は室温での
保磁力が高くキュリー点が低い材料、第2磁性層は逆に
室温での保磁力が低くキュリー点が高い材料からなって
いる。この2層は界面で交換結合しており、レーザー照
射による昇降温過程で第2磁性層に記録された情報ビッ
ト(磁区)が第1磁性層に転写される。レーザーは記録
しようとする情報に応じて、第2磁性層への記録を行う
高温レベルと第1磁性層への転写を行う低温レベルに対
応する2値のレーザーパワーで変調する。レーザーの照
射後は、媒体温度が室温に戻るとともに、所要の初期化
磁界が印加されて、第2磁性層が初期化される。第1磁
性層に転写された情報ビットは、この層の室温での保磁
力が大きいために初期化磁界で消去されることなく保持
される。この結果、第1磁性層の初期状態によらず、常
に新しく第2磁性層に記録された情報が、第1磁性層に
記録且つ保持されることとなり、オーバーライトが成立
する。
【0009】この場合、消去のために特別な過程(時
間)を要することなく、高転送レート化をはかることが
でき、上述した2ヘッド法や外部磁界変調法式による場
合の諸問題を解決できる。
【0010】この記録方法では、室温下において、両磁
性層の磁化の向きが同一である状態Aと、互いに逆向き
の状態Bとの二態様によって”0”、”1”の情報の記
録がなされる。ここで代表的な交換結合2層膜を用いた
オーバーライトの記録磁化過程について説明する。図7
にこの交換結合2層媒体のオーバーライト過程における
磁化の様子を示す。また図全体の横軸は温度を表す。レ
ーザーは記録しようとする情報に応じて2値のレーザー
パワーで変調される。第1種のレーザーパワーにより媒
体は第1磁性層のキュリー点付近まで昇温され、第2種
のレーザーパワーにより第2磁性層のキュリー点付近ま
で昇温される。すなわち、両磁性層の保磁力と温度との
関係を概略した図8において、第1種のレーザーパワー
は低いキュリー点Tc1付近、第2種のレーザーパワーは
高いキュリー点Tc2付近まで媒体を加熱できる。また記
録過程中、記録用ヘッドと異なる場所で小さい保磁力H
c2の第2磁性層を一方向に磁化するのに充分で、大きい
保磁力Hc1の第1磁性層の磁化の向きを反転させること
のない大きさの初期化磁界Hiniが下向きに印加されて
いる。さらに、記録用ヘッドの場所において第2磁性層
への記録を助けるバイアス磁界Hrecが上向きに印加さ
れている。ここでは、2層とも遷移金属原子優勢の場合
について説明する。この場合には、両層間の交換結合作
用によって両層の磁化が平行な状態(状態A)が安定状
態であり、反平行な状態(状態B)は不安定状態であっ
て、この不安定状態(状態B)では界面磁壁が存在す
る。室温状態(状態A、状態B)では保磁力の小さい第
2磁性層の磁化は初期化磁界Hiniによって下向きとな
っている。
【0011】先ず例えば、状態Bにある部位に対して第
1種のレーザーパワーを照射して媒体を第1磁性層のキ
ュリー点付近まで加熱すると、図8に示すように第1磁
性層の保磁力が小さくなり(状態B’)、第2磁性層と
の交換結合相互作用により両層の磁化が平行になろうと
するために、第1磁性層の磁化が反転して下向きとなる
(状態A’)。この状態から温度を下げると、磁化状態
が変化しないまま冷え、状態Aに移る。状態Aから第1
種のレーザーパワーを照射して温度を上げた後、温度を
下げてもやはり状態Aに移る。すなわち第1種のレーザ
ーパワーの照射によって、状態Aも状態Bもすべて状態
Aに移る。
【0012】次に第2種のレーザーパワーを照射して第
2磁性層のキュリー点付近まで媒体を加熱すると図7に
示すように、初期状態が状態Aであっても状態Bであっ
ても、第1磁性層の磁化は消失し(状態C)、第2磁性
層の保磁力が低下し、バイアス磁界Hrecにより、第2
磁性層の磁化が反転して上向きとなる(状態D)。この
状態から温度を下げると、磁化状態が変化しないまま冷
え、第1磁性層のキュリー点以下になると交換相互作用
により、第1磁性層の磁化が上向きに生じ(状態
E’)、そのまま室温で冷え(状態E)、第2磁性層の
磁化は再び初期化磁界により反転して下向きとなる(状
態B)。但し、この際には第1磁性層の保磁力は大きい
ので、初期化磁界Hiniによって反転せず、記録状態を
保持している。すなわち第2種のレーザーパワーの照射
によって、状態Aも状態Bもすべて状態Bに移る。
【0013】したがって、異なる2値のレーザーパワー
の照射によって初期状態によらず、最終的に状態A及び
状態Bのオーバーライトが可能となる。また記録された
情報の再生は、この第1磁性層の磁化の向きを読み出し
レーザー光照射のカー回転角によって検出するものであ
る。
【0014】以上の過程のうち、転写を行うために必要
な作用が2層間に働く交換相互作用である。この作用
は、両層の原子スピンを互いに平行に配位させようとす
る作用であり、これらが互いに反平行に配位されている
と界面にスピンの遷移領域(界面磁壁)が形成され、界
面磁壁エネルギーσwが蓄えられる。このエネルギーに
より、第1磁性層のスピンが第2磁性層のスピンに対し
て平行に配位させられることで転写が実現する。
【0015】そして、そのオーバーライトのために必要
な条件は次の各式によって表される。まず室温において
状態Bから状態Aへ移行しないための条件は、下記の数
1となる。
【0016】
【数1】Hc1>Hw1=σw/2Ms1h1 また状態Bから状態Eへ移行しないために下記数2の条
件を満たすことが必要である。
【0017】
【数2】Hc2>Hw2=σw/2Ms2h2 さらにまた状態Eにおいて、その第1磁性層が、初期化
磁界Hiniによって反転しないためには下記数3を満足
することが必要である。
【0018】
【数3】Hc1−Hw1>Hini 一方状態Eから状態Bへ移行するためには、下記数4を
満足することが必要である。
【0019】
【数4】Hini>Hc2+Hw2=Hc2+σw/2Ms2h2 また、さらに第1種のレーザーパワーを照射して、第1
磁性層のキュリー点Tc1付近まで媒体を加熱したとき、
状態B’から状態A’へ移行、すなわち第1磁性層の磁
化の向きが第2磁性層の磁化の向きに揃えられるために
は、下記数5の条件が満たされることが必要である。
【0020】
【数5】Hw1>Hc1+Hrec さらに状態B’から状態E’へ移行しないために、下記
数6の条件が満たされることが必要である。
【0021】
【数6】Hc2>Hw2+Hrec なお、上述の各式においてHw1及びHw2は交換結合力に
よる実効的磁界、Hc1及びHc2、Ms1及びMs2、h1及
びh2はそれぞれ第1及び第2の磁性層の保磁力、飽和
磁化及び厚さ、またHiniは初期化磁界、Hrecは記録バ
イアス磁界である。
【0022】これらより明らかなように、室温において
は上記数1及び数2を満たすよう磁壁エネルギーσwは
小さい方が望ましいが、実際にはかなり大きい値を示
し、第2磁性層の膜厚h2を小さくすると、上記数4を
満足するためには大きな初期化磁界Hiniが必要とな
る。
【0023】一方、前述の図7により説明した光磁気記
録方法において、その室温での磁壁エネルギー密度σw
を小さくし、かつ上記数4を満足させるようなσwの温
度特性を改善することによって、第2磁性層の膜厚h2
及び初期化磁界Hiniの低減化をはかる方法として、一
般的に第1磁性層と第2磁性層との間に、両層に比べ相
対的に小さな垂直磁気異方性定数を有する第3磁性層を
設けることが知られている。
【0024】磁気記録層の膜厚が厚くなるほど、光磁気
記録媒体の感度が低下するので、第2磁性層の膜厚h2
の低減は感度向上にもつながる。
【0025】上述したような光強度変調オーバーライト
の動作原理に基づけば、第2種のレーザーパワーの照射
後は磁気記録層内の磁化状態は図7における状態Eにな
るが、次のオーバーライト動作のために、初期化磁界H
iniにより第2磁性層のみ磁化反転させて状態Bを実現
する必要があり、従って、第2種レーザーパワー照射後
の再生は状態Bに対して行われることとなり、磁気モー
メントの向きが第1磁性層と第2磁性層とで逆向きにな
った状態を観測することとなる。
【0026】従来、再生信号出力を向上させる方法とし
て、磁気記録層に対しレーザー光線の入射側とは反対側
に金属反射膜を設け、光の多重干渉により光磁気効果を
大きくする方法が知られているが、上記記録方式のよう
に両磁性層の磁化の向きが互いに逆向きの場合、再生時
の光磁気効果を大きくするためには第1磁性層の膜厚h
1と第2磁性層の膜厚h2との組合せを最適化する必要が
あった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光変
調方式のオーバーライト方法において、磁気記録層の膜
厚の最適化をはかり、再生信号出力の向上をはかること
にある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、互いのキュリー点と保磁力とが異なる少なくとも
2つの磁性層が磁気的に結合されてなる磁気記録層及び
金属反射層を基板上に順次積層してなる光磁気記録媒体
において、前記磁気記録層がキュリー点が低く室温での
保磁力が大きい第1磁性層と、前記第1磁性層と比べて
相対的に、キュリー点が高く室温での保磁力が小さい第
2磁性層とを有し、且つ前記第1磁性層の膜厚が10n
m以上であり前記磁気記録層の膜厚が60nm以下であ
ることを特徴とする光磁気記録媒体である。
【0029】また、本発明は上記記録媒体において第1
磁性層と第2磁性層との間に、第1磁性層及び第2磁性
層に比べて相対的に垂直磁気異方性が小さい第3磁性層
を設けてなることを含むものである。
【0030】本発明において「室温」とは光磁気記録媒
体が通常に使用される環境の温度を意味し、通常〜25
℃であることが好ましい。
【0031】
【作用】この本発明による光磁気記録媒体においても、
図7における状態A及び状態Bを形成することによっ
て”0”、”1”の2値記録を行う。
【0032】そして上述したように、本発明の光磁気記
録媒体においては、磁気記録層の膜厚を60nm以下か
つ第1磁性層の膜厚を10nm以上に選定するものであ
るが、このような膜厚範囲に選定することによって、図
7における状態Aと状態Bとのカー回転角の差すなわ
ち”0”、”1”の再生出力の増大化をはかることがで
きるものである。
【0033】図5には光強度変調オーバーライトで用い
られる光磁気記録媒体の第1磁性層及び第2磁性層の膜
厚に対する再生性能指数を光学シミュレーションにより
計算した結果を示す。この再生性能指数は、図1に示す
ように光透過性透明基板5上に誘電体層7を介して第1
磁性層及び第2磁性層とさらにこれの上に金属反射層6
を積層し、基板5及び誘電体層7を通して測定される状
態Aと状態Bとのカー回転角の差を計算して求めたもの
である。
【0034】また比較のため図6には状態Aと状態Eと
のカー回転角の差を計算した結果を示す。これは、両磁
性層の磁化の向きが同じ場合であり、従来のオーバーラ
イトできない交換結合2層膜の膜厚に対する再生性能指
数を光学シミュレーションにより計算した結果に相当す
る。
【0035】図5から明らかなように記録磁性層の膜厚
を60nm以下かつ第1磁性層の膜厚を10nm以上に
選定することによって、信号”0”レベルと”1”レベ
ルの差が大となって光磁気再生信号をより増大化するこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を具体的に説明
する。
【0037】実施例1 図1は本発明記録媒体の一態様を示す断面図である。こ
の例では、垂直磁気異方性を有する第1磁性層1及び第
2磁性層2が磁気的に結合された磁気記録層10を有し
てなる場合を示す。
【0038】図1に示すように、厚さ1.2mmの光透
過性のポリカーボネートよりなるディスク状の基板5上
に、窒化シリコンよりなる透明な誘電体層7、Tb(F
95Co5 )よりなる第1磁性層1、GdTb(Fe70
Co30 )よりなる第2磁性層2、さらにAlよりなる
反射層6を順次スパッタリング法によって積層させてデ
ィスク状の光磁気記録媒体20を構成した。ここで室温
における保磁力は、第1磁性層が20〔kOe〕、第2
磁性層が2〔kOe〕であり、キュリー点は第1磁性層
が150℃、第2磁性層が200℃である。また誘電体
層7の膜厚は60nm、反射膜6の膜厚は50nmとし
た。
【0039】再生信号の、第1磁性層の膜厚h1に対す
る依存性を調べるために、第2磁性層の膜厚h2を20
nmとして、第1磁性層の膜厚h1を0nm〜100n
mの間で10nm毎に変化させてサンプルを作成した。
また、同様に第2磁性層の膜厚h2に対する再生信号の
依存性を調べるために、第1磁性層の膜厚h1は30n
mとして、第2磁性層の膜厚h2を0nm〜100nm
の間で10nm毎に変化させてサンプルを作成した。
【0040】各サンプルの再生信号を評価する目安とし
てサンプルの830nmの波長における反射率Rとカー
回転角θkを測定し、再生性能指数とされている反射率
とカー回転角との積R・θkを算出した。この結果を図
9と図10に示す。図中の●印は実測値であり、点線は
光学シミュレーションによる計算値である。実測値と計
算値は非常によく一致しており、磁気記録層の膜厚h10
すなわち第1磁性層の膜厚h1と第2磁性層の膜厚h2
との和(h1+h2)が60nm以下かつ第1磁性層の膜
厚h1が10nm以上のとき、大きな再生性能指数を示
すことがわかった。
【0041】またこれらの光磁気記録媒体を2400r
pmで回転させ、基板5の中心から半径36mmの位置
で記録再生を行ったところ2値の信号が再生できた。こ
のとき記録バイアス磁界Hrecは500〔Oe〕、初期
化磁界Hiniは6.0〔kOe〕、高レベルレーザー光
のパワーを12.0mW、低レベルレーザー光のパワー
を6.0mWに固定し、2.0MHzの信号を記録し
た。またこのようにして記録されたディスクに対し3.
0MHzの信号をオーバーライトしたところ、前に記録
された信号成分は検出されずオーバーライトされたこと
が確認された。
【0042】実施例2 図2に示すように、第1磁性層1と第2磁性層2との間
に、両層に比べ相対的に小さな垂直磁気異方性を有する
第3磁性層3を設けたこと以外は実施例1と同様な光磁
気記録媒体を作成し、同様の実験を行った。ここで、第
3磁性層3としてはGd(Fe70 Co30 )を用い、膜
厚h3は10nmとした。ここで各層の垂直磁気異方性
定数は第1磁性層が2.0×106 〔erg/c
3〕、第2磁性層が1.0×106〔erg/c
3〕、第3磁性層は4.0×105 〔erg/cm3
である。そして実施例1と同様、第1磁性層と第2磁性
層の膜厚を変化させて、再生信号のそれぞれの膜厚に対
する依存性を調べた。
【0043】この結果を図11と図12に示す。図中の
●印は実測値であり、点線は光学シミュレーションによ
る計算値である。実測値と計算値は非常によく一致して
おり、磁気記録層の膜厚h10すなわち第1磁性層の膜厚
h1と第2磁性層の膜厚h2と第3磁性層の膜厚h3との
和(h1+h2+h3)が60nm以下かつ第1磁性層の
膜厚h1が10nm以上のとき、大きな再生性能指数を
示すことがわかった。
【0044】また、これらの光磁気記録媒体について
も、実施例1と同様にしてオーバーライトが可能である
ことが確認された。
【0045】実施例3 再生信号の品質を決定する因子の一つであるカー回転角
は、キュリー点の低下とともに減少する性質がある。一
方、通常、読み出しを行っている第1磁性層(記録保持
層)は記録感度の点から充分にキュリー点を上げること
ができない。そこで、図3に示すように窒化シリコンよ
りなる透明な誘電体層7と第1磁性層1との間に、第1
磁性層に比べて相対的に高いキュリー点と、低い保磁力
を有する第4磁性層4(再生層)を設けてこれを改善し
た。ただし第4磁性層は読み出し特性を改善する目的で
設けられているため、第2磁性層との間では特にキュリ
ー点、保磁力の関係は限定されない。ここで再生層の原
子スピンは再生時に常に第1磁性層(記録保持層)の原
子スピンに平行に配位されているものとする。すなわち
次の関係を満たしているものとする。
【0046】
【数7】Hc4<Hw4=σw/2Ms4h4 ここでσwは第4磁性層と第1磁性層との間に働く界面
磁壁エネルギーである。
【0047】この第4磁性層を設けたこと以外は実施例
1と同様な光磁気記録媒体を作成し、同様の実験を行っ
た。ここで第4磁性層4としてはGd(Fe70 Co
30 )を用い、膜厚h4は10nmとした。そして実施例
1と同様、第1磁性層と第2磁性層の膜厚を変化させ
て、信号出力のそれぞれの膜厚に対する依存性を調べ
た。
【0048】この結果は、先ほどの図11と図12とほ
ぼ同様であり、実測値と計算値は非常に良く一致してお
り、磁気記録層の膜厚h10すなわち第1磁性層の膜厚h
1と第2磁性層の膜厚h2と第4磁性層の膜厚h4との和
(h1+h2+h4)が60nm以下かつ第1磁性層の膜
厚h1が10nm以上のとき、大きな再生性能指数を示
すことがわかった。
【0049】また、これらの光磁気記録媒体について
も、実施例1と同様にしてオーバーライトが可能である
ことが確認された。
【0050】以上のように本発明光磁気記録媒体におい
ては、再生性能指数の膜厚依存性に着目したことによっ
て、少なくとも第1磁性層及び第2磁性層よりなる磁気
記録層の膜厚選定の最適化をはかり、再生出力の増大化
をはかることができたものである。
【0051】
【発明の効果】上述したように、本発明光磁気記録媒体
によれば、光強度変調方式のオーバーライト方法におい
て、磁気記録層の膜厚を最適化することにより、第1磁
性層と第2磁性層との室温における2つの状態間でのカ
ー回転角の差を増大させ、再生信号出力を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の一態様を示す模式断
面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の他の一態様を示す模
式断面図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の他の一態様を示す模
式断面図である。
【図4】本発明に係る記録再生方式における性能指数と
第1磁性層及び第2磁性層の膜厚との関係をシミュレー
ションした結果を示すグラフである。
【図5】本発明に係る記録再生方式における性能指数と
第1磁性層及び第2磁性層の膜厚との関係をシミュレー
ションした結果を示すグラフである。
【図6】磁気記録層の磁化状態を示す模式図である。
【図7】第1磁性層及び第2磁性層における温度と保磁
力との関係を示すグラフである。
【図8】実施例1で作製した光磁気記録媒体における性
能指数と第1磁性層の膜厚との関係を示すグラフであ
る。
【図9】実施例1で作製した光磁気記録媒体における性
能指数と第2磁性層の膜厚との関係を示すグラフであ
る。
【図10】実施例2で作製した光磁気記録媒体における
性能指数と第1磁性層の膜厚との関係を示すグラフであ
る。
【図11】実施例2で作製した光磁気記録媒体における
性能指数と第2磁性層の膜厚との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 第1磁性層 2 第2磁性層 3 第3磁性層 4 第4磁性層 5 光透過性透明基板 6 金属反射層 7 誘電体層 8 誘電体層 10 磁気記録層 50 性能指数が0゜以上0.02゜未満の領域 51 性能指数が0.02゜以上0.04゜未満の領
域 52 性能指数が0.04゜以上0.06゜未満の領
域 53 性能指数が0.06゜以上0.08゜未満の領
域 54 性能指数が0.08゜以上0.10゜未満の領
域 55 性能指数が0.10゜以上0.12゜未満の領
域 56 性能指数が0.12゜以上0.14゜未満の領
域 57 性能指数が0.14゜以上0.16゜未満の領
域 58 性能指数が0.16゜以上0.18゜未満の領
域 59 性能指数が0.18゜以上0.20゜未満の領
域 70 性能指数が0゜以上0.02゜未満の領域 71 性能指数が0.02゜以上0.04゜未満の領
域 72 性能指数が0.04゜以上0.06゜未満の領
域 73 性能指数が0.06゜以上0.08゜未満の領
域 74 性能指数が0.08゜以上0.10゜未満の領
域 75 性能指数が0.10゜以上0.12゜未満の領
域 76 性能指数が0.12゜以上0.14゜未満の領
域 77 性能指数が0.14゜以上0.16゜未満の領
域 78 性能指数が0.16゜以上0.18゜未満の領
域 79 性能指数が0.18゜以上0.20゜未満の領
域 80 性能指数が0.20゜以上0.22゜未満の領
域 81 性能指数が0.22゜以上0.24゜未満の領

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いのキュリー点と保磁力とが異なる少
    なくとも2つの磁性層が磁気的に結合されてなる磁気記
    録層及び金属反射層を基板上に順次積層してなる光磁気
    記録媒体において、前記磁気記録層がキュリー点が低く
    室温での保磁力が大きい第1磁性層と、前記第1磁性層
    と比べて相対的に、キュリー点が高く室温での保磁力が
    小さい第2磁性層とを有し、且つ前記第1磁性層の膜厚
    が10nm以上であり前記磁気記録層の膜厚が60nm
    以下であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 第1磁性層と第2磁性層との間に、第1
    磁性層及び第2磁性層に比べて相対的に垂直磁気異方性
    が小さい第3磁性層を設けてなる請求項1に記載の光磁
    気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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