JPH1139737A - 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents
光磁気記録媒体及びその記録再生方法Info
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- JPH1139737A JPH1139737A JP19341497A JP19341497A JPH1139737A JP H1139737 A JPH1139737 A JP H1139737A JP 19341497 A JP19341497 A JP 19341497A JP 19341497 A JP19341497 A JP 19341497A JP H1139737 A JPH1139737 A JP H1139737A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光磁気記録媒体の再生スポットより小さな微
小磁区を独立して且つ増幅された再生信号で再生する際
に転写する洩れ磁界等磁気ノイズの侵入を遮蔽防止す
る。 【解決手段】 光磁気記録媒体は、基板上に、誘電体
層、GdFeCo再生層、非磁性層、補助磁化層、及び
TbFeCo記録層を備える。補助磁化層に室温から臨
界温度Tcr2まで垂直磁化であり、Tcr2以上で面内磁化
に転移する磁性材料を用いる。再生光で再生信号が転写
拡大した時点に補助磁化層を面内磁化に転移させる。
小磁区を独立して且つ増幅された再生信号で再生する際
に転写する洩れ磁界等磁気ノイズの侵入を遮蔽防止す
る。 【解決手段】 光磁気記録媒体は、基板上に、誘電体
層、GdFeCo再生層、非磁性層、補助磁化層、及び
TbFeCo記録層を備える。補助磁化層に室温から臨
界温度Tcr2まで垂直磁化であり、Tcr2以上で面内磁化
に転移する磁性材料を用いる。再生光で再生信号が転写
拡大した時点に補助磁化層を面内磁化に転移させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体及
びその再生方法に関し、更に詳しくは、再生光スポット
よりも極めて小さい微小記録磁区を拡大して、且つC/N
の高い、再生信号を得ることができる高密度記録に適し
た光磁気記録媒体及びその再生方法に関する。
びその再生方法に関し、更に詳しくは、再生光スポット
よりも極めて小さい微小記録磁区を拡大して、且つC/N
の高い、再生信号を得ることができる高密度記録に適し
た光磁気記録媒体及びその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体及びレーザビームを利用
する磁気ハードデイスクは記録情報の書き換えが可能で
あり、記憶容量が大きく、しかも信頼性が高い記録媒体
であるため、コンピュータメモリ等として実用化され始
めている。しかし、情報量の増大と装置のコンパクト化
が高スピードで進展しており、より一層の高密度記録再
生技術が要請されている。光磁気記録媒体に情報を記録
するには、レーザー光を記録媒体に照射しながら、記録
磁区信号に応じた極性の磁界を昇温した部分に印加する
磁界変調法が用いられている。この方法は、オーバーラ
イト記録が可能であり、しかも、高密度な記録、例え
ば、0.15μmの最短マーク長での記録が達成されて
いる。また、一定の印加磁界の下で記録信号に応じてパ
ワー変調した光を照射して記録する光変調記録方式も実
用化されている。
する磁気ハードデイスクは記録情報の書き換えが可能で
あり、記憶容量が大きく、しかも信頼性が高い記録媒体
であるため、コンピュータメモリ等として実用化され始
めている。しかし、情報量の増大と装置のコンパクト化
が高スピードで進展しており、より一層の高密度記録再
生技術が要請されている。光磁気記録媒体に情報を記録
するには、レーザー光を記録媒体に照射しながら、記録
磁区信号に応じた極性の磁界を昇温した部分に印加する
磁界変調法が用いられている。この方法は、オーバーラ
イト記録が可能であり、しかも、高密度な記録、例え
ば、0.15μmの最短マーク長での記録が達成されて
いる。また、一定の印加磁界の下で記録信号に応じてパ
ワー変調した光を照射して記録する光変調記録方式も実
用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気記録
媒体の高密度記録においては、硬度微細な磁区の記録を
行うことは容易であるが、記録された微細な磁区、或い
は微細な記録マークを再生するために、再生光ビームの
スポット径によって決まる光学的再生分解能が問題とな
る。例えば、スポット径が1μmの再生光を用いて磁区
長0.15μmの微小マークを識別して再生することは
不可能である。このような再生光の光学的スポット径に
よる再生分解能の制約をなくすためのの1つのアプロー
チとして、例えば、Journal of Magnetic Society of J
apan, Vol. 17 Supplement No. S1,pp. 201 (1993) に
記載されているような磁気超解像技術(MSR)が提案
されている。これは、光磁気記録媒体に再生光が照射さ
れた時に再生光スポット内部の磁性膜に温度分布が生じ
ることを利用して、スポット内に磁気的マスクを発生さ
せ、信号の再生に寄与する実効的なスポット径を縮小さ
せたものである。この技術を用いれば、実際の再生光ス
ポット径を縮小させずに、再生分解能を向上させること
ができる。しかし、この手法では、磁気的マスクにより
実効的なスポット径を小さくする為、再生出力に寄与す
る光量が低下し、その分、再生C/Nが低下してしま
う。この結果、充分なC/Nを得ることは困難となる。
媒体の高密度記録においては、硬度微細な磁区の記録を
行うことは容易であるが、記録された微細な磁区、或い
は微細な記録マークを再生するために、再生光ビームの
スポット径によって決まる光学的再生分解能が問題とな
る。例えば、スポット径が1μmの再生光を用いて磁区
長0.15μmの微小マークを識別して再生することは
不可能である。このような再生光の光学的スポット径に
よる再生分解能の制約をなくすためのの1つのアプロー
チとして、例えば、Journal of Magnetic Society of J
apan, Vol. 17 Supplement No. S1,pp. 201 (1993) に
記載されているような磁気超解像技術(MSR)が提案
されている。これは、光磁気記録媒体に再生光が照射さ
れた時に再生光スポット内部の磁性膜に温度分布が生じ
ることを利用して、スポット内に磁気的マスクを発生さ
せ、信号の再生に寄与する実効的なスポット径を縮小さ
せたものである。この技術を用いれば、実際の再生光ス
ポット径を縮小させずに、再生分解能を向上させること
ができる。しかし、この手法では、磁気的マスクにより
実効的なスポット径を小さくする為、再生出力に寄与す
る光量が低下し、その分、再生C/Nが低下してしま
う。この結果、充分なC/Nを得ることは困難となる。
【0004】特開平1−143041号公報には、室温
で互いに磁気的に結合した第1磁性膜、第2磁性膜及び
第3磁性膜を有し、第1,第2及び第3磁性膜のキュリ
ー温度をTC1,TC2及びTC3とするとき、TC2>室温で且
つTC2<TC1,TC3とされ、第1磁性膜の保磁力HC1は第
2磁性膜のキュリー温度TC2近傍で充分小さく、第3磁
性膜の保磁力HC3は室温からTC2より高い所要の温度TP
Bまでの温度範囲で所要の磁場よりも充分大きい光磁気
記録媒体を用いて、第1磁性膜の記録磁区を拡大させて
再生を行う光磁気記録媒体の再生方法が開示されてい
る。この方法は、再生光照射時の媒体の温度上昇を利用
し、第1及び第3磁性膜の磁気的結合を遮断させ、その
状態で記録磁区に働く反磁界と外部印加磁界とにより第
1磁性膜の磁区を拡大させている。なお、この技術で
は、再生時の読み出し部の温度よりも低くキュリー温度
を設定した第2磁性膜を用いている。
で互いに磁気的に結合した第1磁性膜、第2磁性膜及び
第3磁性膜を有し、第1,第2及び第3磁性膜のキュリ
ー温度をTC1,TC2及びTC3とするとき、TC2>室温で且
つTC2<TC1,TC3とされ、第1磁性膜の保磁力HC1は第
2磁性膜のキュリー温度TC2近傍で充分小さく、第3磁
性膜の保磁力HC3は室温からTC2より高い所要の温度TP
Bまでの温度範囲で所要の磁場よりも充分大きい光磁気
記録媒体を用いて、第1磁性膜の記録磁区を拡大させて
再生を行う光磁気記録媒体の再生方法が開示されてい
る。この方法は、再生光照射時の媒体の温度上昇を利用
し、第1及び第3磁性膜の磁気的結合を遮断させ、その
状態で記録磁区に働く反磁界と外部印加磁界とにより第
1磁性膜の磁区を拡大させている。なお、この技術で
は、再生時の読み出し部の温度よりも低くキュリー温度
を設定した第2磁性膜を用いている。
【0005】上記のような方法、及びそのような磁気特
性の磁性膜を用いることは、本発明の対象ではない。
性の磁性膜を用いることは、本発明の対象ではない。
【0006】次に、特開平6−295479号は、基板
上に再生層と記録層とを有し、再生層には室温で面内磁
化を示すが、再生光の照射によって再生温度まで加熱さ
れると垂直磁化へ転移する磁性膜をもちいて、記録信号
の磁区を記録層から再生層へ転写拡大して再生する光磁
気記録媒体について開示している。この光磁気記録媒体
を再生する際に、再生層には転写磁区の磁壁が発生する
ことによって転写磁区の拡大を行わせている。
上に再生層と記録層とを有し、再生層には室温で面内磁
化を示すが、再生光の照射によって再生温度まで加熱さ
れると垂直磁化へ転移する磁性膜をもちいて、記録信号
の磁区を記録層から再生層へ転写拡大して再生する光磁
気記録媒体について開示している。この光磁気記録媒体
を再生する際に、再生層には転写磁区の磁壁が発生する
ことによって転写磁区の拡大を行わせている。
【0007】特開平8−7350号は、基板上に再生層
と記録層とを有し、再生時に記録層の磁区を拡大して再
生することができる光磁気記録媒体を開示している。こ
の光磁気記録媒体を再生する際に、再生磁界として交番
磁界を用い、磁区を拡大する方向の磁界と逆方向の磁界
とを交互に印加することによって各磁区で磁区拡大及び
縮小を行わせている。
と記録層とを有し、再生時に記録層の磁区を拡大して再
生することができる光磁気記録媒体を開示している。こ
の光磁気記録媒体を再生する際に、再生磁界として交番
磁界を用い、磁区を拡大する方向の磁界と逆方向の磁界
とを交互に印加することによって各磁区で磁区拡大及び
縮小を行わせている。
【0008】上記、特開平1−143041号、特開平
6−295479号、及び特開平8−7350号公報に
記載された方法では、記録磁気信号が再生層に転写され
る際に洩れ磁界等、再生用磁気信号以外のノイズが同時
に転写されて、再生層からの拡大再生信号はノイズが大
きく、従って拡大再生信号のC/Nが小さくなる問題が
あり、実用化を阻害している。本発明はこの問題を解決
するために、前記特開平1−143041号、特開平6
−295479号、及び特開平8−7350号公報等に
記載された記録再生層と異なる方法を提供し、従来技術
の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、
微小磁区が記録された場合でも充分なC/Nで再生信号
が得られる光磁気記録媒体及びその信号再生方法を提供
することを目的とする。
6−295479号、及び特開平8−7350号公報に
記載された方法では、記録磁気信号が再生層に転写され
る際に洩れ磁界等、再生用磁気信号以外のノイズが同時
に転写されて、再生層からの拡大再生信号はノイズが大
きく、従って拡大再生信号のC/Nが小さくなる問題が
あり、実用化を阻害している。本発明はこの問題を解決
するために、前記特開平1−143041号、特開平6
−295479号、及び特開平8−7350号公報等に
記載された記録再生層と異なる方法を提供し、従来技術
の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、
微小磁区が記録された場合でも充分なC/Nで再生信号
が得られる光磁気記録媒体及びその信号再生方法を提供
することを目的とする。
【0009】また、本発明の別の目的は、再生時に磁区
拡大が行われた場合であっても、記録磁区を再生した直
後に拡大された磁区を確実に消去することができる光磁
気記録媒体及びその再生方法を提供することにある。
拡大が行われた場合であっても、記録磁区を再生した直
後に拡大された磁区を確実に消去することができる光磁
気記録媒体及びその再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、基板上
に少なくとも光磁気記録膜を有する光磁気記録媒体にお
いて、図1に示すように、垂直磁化を有する光磁気記録
膜10と、補助磁性膜28と再生層磁性膜24とを備え
るものであり、再生用磁性膜24は、臨界温度Tcr2を
超えると面内磁化膜から垂直磁化膜に転移する磁性材料
が用いられるものであり、補助磁性膜28は、臨界温度
Tcr1を超えると垂直磁化膜から面内磁化膜に転移する
磁性材料が用いられるものである。
に少なくとも光磁気記録膜を有する光磁気記録媒体にお
いて、図1に示すように、垂直磁化を有する光磁気記録
膜10と、補助磁性膜28と再生層磁性膜24とを備え
るものであり、再生用磁性膜24は、臨界温度Tcr2を
超えると面内磁化膜から垂直磁化膜に転移する磁性材料
が用いられるものであり、補助磁性膜28は、臨界温度
Tcr1を超えると垂直磁化膜から面内磁化膜に転移する
磁性材料が用いられるものである。
【0011】本発明の第2は、光磁気記録膜は特に特異
なものではなく、一般の光磁気デイスクに用いられるも
のであり、光磁気記録膜のキュリー温度Tc0、上記補助
磁性膜のキュリー温度Tc1、再生層磁性膜のキュリー温
度Tc2と、上記補助磁性膜及び再生層磁性膜の臨界温度
Tcr1、Tcr2との間には、室温<Tcr2<Tcr1<Tc0<
Tc2なる関係が成立するものである。
なものではなく、一般の光磁気デイスクに用いられるも
のであり、光磁気記録膜のキュリー温度Tc0、上記補助
磁性膜のキュリー温度Tc1、再生層磁性膜のキュリー温
度Tc2と、上記補助磁性膜及び再生層磁性膜の臨界温度
Tcr1、Tcr2との間には、室温<Tcr2<Tcr1<Tc0<
Tc2なる関係が成立するものである。
【0012】本発明の第3は、上記光磁気記録媒体にお
いて、図2で示すように、外部磁界Hexを加える条件
で、光磁気記録膜から生じる転写磁界の温度曲線Aと、
補助磁性膜の垂直方向保磁力の温度曲線Dと、再生磁性
膜の垂直方向保磁力の温度曲線Cと、及び外部磁界Hex
とは図2に示されるような関係に構成され、補助磁性膜
の垂直方向保磁力の温度曲線Dと再生磁性膜の垂直方向
保磁力の温度曲線Cとが交差することを特徴とする上記
光磁気記録媒体を提供するものである。
いて、図2で示すように、外部磁界Hexを加える条件
で、光磁気記録膜から生じる転写磁界の温度曲線Aと、
補助磁性膜の垂直方向保磁力の温度曲線Dと、再生磁性
膜の垂直方向保磁力の温度曲線Cと、及び外部磁界Hex
とは図2に示されるような関係に構成され、補助磁性膜
の垂直方向保磁力の温度曲線Dと再生磁性膜の垂直方向
保磁力の温度曲線Cとが交差することを特徴とする上記
光磁気記録媒体を提供するものである。
【0013】本発明の第4は、上記本発明に従う光磁気
記録媒体は再生方法に好適な光磁気記録媒体であり、こ
の光磁気記録媒体を本発明の再生方法を用いて再生する
ことにより、光スポットよりも小さい微小磁区であって
も、他の記録情報磁区から独立して且つ増幅された再生
信号で再生することができる。
記録媒体は再生方法に好適な光磁気記録媒体であり、こ
の光磁気記録媒体を本発明の再生方法を用いて再生する
ことにより、光スポットよりも小さい微小磁区であって
も、他の記録情報磁区から独立して且つ増幅された再生
信号で再生することができる。
【0014】本発明の第5は、本発明の光磁気記録媒体
に、一般的な方法で記録された記録磁区信号を、再生す
る第1の方法として、光磁気記録媒体に再生光を照射し
て、光磁気記録膜10よりも保持力の小さな補助磁性膜
28へ記録信号を転写させながら、ついで補助磁性膜2
8よりも保持力の小さな、臨界温度Tcr2に達した再生
層磁性膜24へ転写を引継がせ、補助磁性膜28が臨界
温度Tcr1に達して面内磁化に転移した後に転写磁区を
拡大させて再生することに特徴がある。この方法では、
補助磁性膜28の磁性材料の保持力の温度特性値が再生
層磁性膜24より高く、光磁気記録膜10の保持力の温
度特性値に近いものを用いた場合であり、光磁気記録膜
10の記録磁区信号レベルの信号が転写拡大再生され、
補助磁性膜28の臨界温度Tcr1以上での洩れ磁界等の
ノイズの転写を低減或いは遮断できる特徴がある。
に、一般的な方法で記録された記録磁区信号を、再生す
る第1の方法として、光磁気記録媒体に再生光を照射し
て、光磁気記録膜10よりも保持力の小さな補助磁性膜
28へ記録信号を転写させながら、ついで補助磁性膜2
8よりも保持力の小さな、臨界温度Tcr2に達した再生
層磁性膜24へ転写を引継がせ、補助磁性膜28が臨界
温度Tcr1に達して面内磁化に転移した後に転写磁区を
拡大させて再生することに特徴がある。この方法では、
補助磁性膜28の磁性材料の保持力の温度特性値が再生
層磁性膜24より高く、光磁気記録膜10の保持力の温
度特性値に近いものを用いた場合であり、光磁気記録膜
10の記録磁区信号レベルの信号が転写拡大再生され、
補助磁性膜28の臨界温度Tcr1以上での洩れ磁界等の
ノイズの転写を低減或いは遮断できる特徴がある。
【0015】本発明の第6は、本発明の光磁気記録媒体
の記録磁区信号を、再生させる第2の方法として、光磁
気記録媒体に再生光を照射して、光磁気記録膜10より
も保持力が小さな、且つ垂直磁化保持力の温度特性値が
ほぼ同じ程度の、補助磁性膜28と再生層磁性膜24へ
同時に、記録信号を転写させながら、ついで補助磁性膜
28が臨界温度Tcr1に達して面内磁化に転移する段階
で、再生層磁性膜24の転写磁区を拡大させて再生する
ことに特徴がある。この方法では、比較的パワーの低い
再生光を用いて記録磁区の信号の転写拡大再生が可能に
なる特徴がある。
の記録磁区信号を、再生させる第2の方法として、光磁
気記録媒体に再生光を照射して、光磁気記録膜10より
も保持力が小さな、且つ垂直磁化保持力の温度特性値が
ほぼ同じ程度の、補助磁性膜28と再生層磁性膜24へ
同時に、記録信号を転写させながら、ついで補助磁性膜
28が臨界温度Tcr1に達して面内磁化に転移する段階
で、再生層磁性膜24の転写磁区を拡大させて再生する
ことに特徴がある。この方法では、比較的パワーの低い
再生光を用いて記録磁区の信号の転写拡大再生が可能に
なる特徴がある。
【0016】本発明の第7は、本発明の光磁気記録媒体
の記録磁区信号を、再生させる第3の方法として、一般
的な方法で光磁気記録膜10に情報を記録させる際に、
同時に補助磁性膜28にも全く同じ情報を重ねて記録さ
せて置くことに特徴がある。この場合に補助磁性膜28
に用いる磁性材料には臨界温度Tcr1以下の温度で、垂
直磁化保持力の温度特性値が、光磁気記録膜10よりも
補助磁性膜28の方が大になるものを用いる。
の記録磁区信号を、再生させる第3の方法として、一般
的な方法で光磁気記録膜10に情報を記録させる際に、
同時に補助磁性膜28にも全く同じ情報を重ねて記録さ
せて置くことに特徴がある。この場合に補助磁性膜28
に用いる磁性材料には臨界温度Tcr1以下の温度で、垂
直磁化保持力の温度特性値が、光磁気記録膜10よりも
補助磁性膜28の方が大になるものを用いる。
【0017】本発明の第8は、光磁気記録媒体に再生光
を照射して、臨界温度Tcr2に達した、補助磁性膜28
及び光磁気記録膜10よりも保持力の小さな再生層磁性
膜24へ記録信号を転写させながら、補助磁性膜28が
臨界温度Tcr1に達して面内磁化に転移した後に転写磁
区を拡大させて再生することに特徴がある。この方法で
は、補助磁性膜28の保持力の温度特性値が再生層磁性
膜24より高く、再生光の照射は補助磁性膜28を加熱
することだけで光磁気記録膜の記録磁区信号が補助磁性
膜28から再生層磁性膜24へ転写拡大再生され、S/
N比の高い拡大記録磁区信号だけを再生することができ
る。尚再生信号の縮小消滅、或いは上書きの過程で、補
助磁性膜28の垂直磁化保持力の温度特性値が光磁気記
録膜10より小さくなる過程において、光磁気記録膜1
0から補助磁性膜28へ記録磁区信号が転写されること
が考えられる。
を照射して、臨界温度Tcr2に達した、補助磁性膜28
及び光磁気記録膜10よりも保持力の小さな再生層磁性
膜24へ記録信号を転写させながら、補助磁性膜28が
臨界温度Tcr1に達して面内磁化に転移した後に転写磁
区を拡大させて再生することに特徴がある。この方法で
は、補助磁性膜28の保持力の温度特性値が再生層磁性
膜24より高く、再生光の照射は補助磁性膜28を加熱
することだけで光磁気記録膜の記録磁区信号が補助磁性
膜28から再生層磁性膜24へ転写拡大再生され、S/
N比の高い拡大記録磁区信号だけを再生することができ
る。尚再生信号の縮小消滅、或いは上書きの過程で、補
助磁性膜28の垂直磁化保持力の温度特性値が光磁気記
録膜10より小さくなる過程において、光磁気記録膜1
0から補助磁性膜28へ記録磁区信号が転写されること
が考えられる。
【0018】本発明の第9は、基板上に少なくとも再生
用磁化膜と記録用磁化膜を備える光磁気記録媒体おい
て、前記再生用磁化膜は、再生光によって面内磁化から
垂直磁化へ転移して、記録磁区信号を転写し、拡大し、
縮小消滅或いは上書きする行程の内、少なくとも記録磁
区信号を転写し拡大する行程を機能して、前記記録磁区
信号を再生すると共に、前記再生用磁化膜に記録磁区信
号が転写された後は、前記再生用磁化膜への洩れ磁界等
ノイズ、外部磁界、及び前記記録磁区信号磁界等につい
て遮断することと前記記録磁区信号磁界の遮断を解消す
ることを交互に行う機能を備える補助磁化膜を、前記記
録用磁化膜と前記再生用磁化膜との間に備えることに特
徴がある。
用磁化膜と記録用磁化膜を備える光磁気記録媒体おい
て、前記再生用磁化膜は、再生光によって面内磁化から
垂直磁化へ転移して、記録磁区信号を転写し、拡大し、
縮小消滅或いは上書きする行程の内、少なくとも記録磁
区信号を転写し拡大する行程を機能して、前記記録磁区
信号を再生すると共に、前記再生用磁化膜に記録磁区信
号が転写された後は、前記再生用磁化膜への洩れ磁界等
ノイズ、外部磁界、及び前記記録磁区信号磁界等につい
て遮断することと前記記録磁区信号磁界の遮断を解消す
ることを交互に行う機能を備える補助磁化膜を、前記記
録用磁化膜と前記再生用磁化膜との間に備えることに特
徴がある。
【0019】本発明の第10は、基板上に少なくとも再
生用磁化膜と補助磁化膜と記録用磁化膜とを備える磁気
記録媒体おいて、常温で面内磁化の再生用磁化膜が垂直
磁化に転移する臨界温度Tcr2が、前記記録用磁化膜と
前記再生用磁化膜との間に備える、室温で垂直磁化の補
助磁化膜の面内磁化に転移する臨界温度Tcr1より高
く、前記記録用磁化膜のキュリーポイントTc0及び補助
磁化膜のキュリーポイントTc1より低くく、且つ前記記
録用磁化膜のキュリーポイントTc0は、前記補助磁化膜
のキュリーポイントTc1及び前記再生用磁化膜のキュリ
ーポイントTc2よりも低く構成されることに特徴があ
る。
生用磁化膜と補助磁化膜と記録用磁化膜とを備える磁気
記録媒体おいて、常温で面内磁化の再生用磁化膜が垂直
磁化に転移する臨界温度Tcr2が、前記記録用磁化膜と
前記再生用磁化膜との間に備える、室温で垂直磁化の補
助磁化膜の面内磁化に転移する臨界温度Tcr1より高
く、前記記録用磁化膜のキュリーポイントTc0及び補助
磁化膜のキュリーポイントTc1より低くく、且つ前記記
録用磁化膜のキュリーポイントTc0は、前記補助磁化膜
のキュリーポイントTc1及び前記再生用磁化膜のキュリ
ーポイントTc2よりも低く構成されることに特徴があ
る。
【0020】本発明の第11は、基板上に少なくとも記
録用垂直磁化膜を備える光磁気記録媒体おいて、前記基
板と前記記録用垂直磁化膜との間に、室温では面内磁化
であるが、再生光によって垂直磁化へ転移する臨海温度
Tcr2を持つ再生用磁化膜を備えると共に、室温では垂
直磁化であるが、再生光によって面内磁化へ転移する臨
海温度Tcr1を持つ補助磁化膜を前記再生用磁化膜と前
記記録用垂直磁化膜との間に備えることに特徴がある。
録用垂直磁化膜を備える光磁気記録媒体おいて、前記基
板と前記記録用垂直磁化膜との間に、室温では面内磁化
であるが、再生光によって垂直磁化へ転移する臨海温度
Tcr2を持つ再生用磁化膜を備えると共に、室温では垂
直磁化であるが、再生光によって面内磁化へ転移する臨
海温度Tcr1を持つ補助磁化膜を前記再生用磁化膜と前
記記録用垂直磁化膜との間に備えることに特徴がある。
【0021】本発明の第12は、前記光磁気記録媒体の補
助磁化膜には臨界温度Tcr1が前記再生用磁化膜の臨界
温度Tcr2よりも高い磁性材料を用いることに特徴があ
る。
助磁化膜には臨界温度Tcr1が前記再生用磁化膜の臨界
温度Tcr2よりも高い磁性材料を用いることに特徴があ
る。
【0022】本発明の第13は、前記光磁気記録媒体の再
生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前記補助磁性膜の臨界温
度Tcr1との温度差ΔTの値は、前記再生用磁化膜に前
記記録磁気信号が転写された後に、前記補助磁性膜が垂
直磁化から面内磁化へ転移するに相当する値であること
に特徴がある。
生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前記補助磁性膜の臨界温
度Tcr1との温度差ΔTの値は、前記再生用磁化膜に前
記記録磁気信号が転写された後に、前記補助磁性膜が垂
直磁化から面内磁化へ転移するに相当する値であること
に特徴がある。
【0023】本発明の第14は、前記光磁気記録媒体の再
生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前記補助磁性膜の臨界温
度Tcr1との温度差ΔTの値は、前記再生用磁化膜に転
写された磁区が拡大された後、前記補助磁性膜の面内磁
化が消失される値であることに特徴がある。
生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前記補助磁性膜の臨界温
度Tcr1との温度差ΔTの値は、前記再生用磁化膜に転
写された磁区が拡大された後、前記補助磁性膜の面内磁
化が消失される値であることに特徴がある。
【0024】本発明の第15は、前記補助磁化膜は前記
記録用磁化膜に積層されており、該補助磁化膜と前記再
生用磁化膜との間に非磁性膜を備えることに特徴があ
る。
記録用磁化膜に積層されており、該補助磁化膜と前記再
生用磁化膜との間に非磁性膜を備えることに特徴があ
る。
【0025】本発明の光磁気記録媒体の動作(再生)原
理を以下に説明する。図5(a)に、光磁界変調記録方
式等により光磁気記録膜10に記録磁区を書き込んだ
後、再生前の各層の磁化状態を示す。この媒体に、磁性
膜の最高到達温度が、所望の温度になるような適当なパ
ワーの再生光を照射すると、まず、再生層磁性膜24中
の温度がTC2以上となった領域に、光磁気記録膜6中の
垂直磁化の磁区22が転写される。その際に、図6に示
した再生光が照射された場合の記録媒体内の温度プロフ
ァイルを考慮して、光磁気記録膜10中の磁区と同じ大
きさかまたはそれより大きい磁区23が再生層磁性膜2
4に転写されるように再生パワー及びTCR1を設定する
(図5(b)参照)。
理を以下に説明する。図5(a)に、光磁界変調記録方
式等により光磁気記録膜10に記録磁区を書き込んだ
後、再生前の各層の磁化状態を示す。この媒体に、磁性
膜の最高到達温度が、所望の温度になるような適当なパ
ワーの再生光を照射すると、まず、再生層磁性膜24中
の温度がTC2以上となった領域に、光磁気記録膜6中の
垂直磁化の磁区22が転写される。その際に、図6に示
した再生光が照射された場合の記録媒体内の温度プロフ
ァイルを考慮して、光磁気記録膜10中の磁区と同じ大
きさかまたはそれより大きい磁区23が再生層磁性膜2
4に転写されるように再生パワー及びTCR1を設定する
(図5(b)参照)。
【0026】次いで図5(C)に示すように、補助磁性
膜28がTCR1以上に達すると補助磁性膜28は面内磁
化に変わり、光磁気記録膜10の磁区信号磁界や漏洩磁
界を遮断する。これによって、再生層磁性膜24に転写
された磁区23の信号には漏洩磁界の影響が防止される
ために、C/Nの高い再生信号が得られる。本発明で
は、再生層磁性膜24及び補助磁性膜28はそれらの臨
界温度がTCR2 <TCR1となるように設定されているた
め、図6の媒体内の温度プロファイルに示すように、再
生層磁性膜24の垂直磁化状態となりうる領域は、再生
光が照射された再生光スポット領域内の臨界温度TCR2
以上に達した領域である。即ち再生層磁性膜24の臨界
温度TCR2以上に達した領域内の磁区は、面内磁区で存
在することができない条件になっており、この領域内の
臨界温度TCR2以上に達した領域には、外部磁界、光磁
気記録膜10に記録された記録磁区信号、及び漏洩磁界
ノイズ等で、再生層磁性膜24の臨界温度TCR2以上に
達している部分の保持力より大きな垂直磁化の信号の全
てが記録或いは転写される。
膜28がTCR1以上に達すると補助磁性膜28は面内磁
化に変わり、光磁気記録膜10の磁区信号磁界や漏洩磁
界を遮断する。これによって、再生層磁性膜24に転写
された磁区23の信号には漏洩磁界の影響が防止される
ために、C/Nの高い再生信号が得られる。本発明で
は、再生層磁性膜24及び補助磁性膜28はそれらの臨
界温度がTCR2 <TCR1となるように設定されているた
め、図6の媒体内の温度プロファイルに示すように、再
生層磁性膜24の垂直磁化状態となりうる領域は、再生
光が照射された再生光スポット領域内の臨界温度TCR2
以上に達した領域である。即ち再生層磁性膜24の臨界
温度TCR2以上に達した領域内の磁区は、面内磁区で存
在することができない条件になっており、この領域内の
臨界温度TCR2以上に達した領域には、外部磁界、光磁
気記録膜10に記録された記録磁区信号、及び漏洩磁界
ノイズ等で、再生層磁性膜24の臨界温度TCR2以上に
達している部分の保持力より大きな垂直磁化の信号の全
てが記録或いは転写される。
【0027】この光磁気記録媒体に、磁性膜の最高到達
温度が、所望の温度になるような適当なパワーの再生光
を照射すると、再生層磁性膜24中に、TCR2以上とな
り垂直磁化状態となりうる領域が発生する。その領域の
大きさが光磁気記録膜10に記録されている磁区Mの径
以上、好ましくは再生光スポット径以上となるようにT
CR2及び再生パワーを設定して用いる。また、再生層磁
性膜24は、その保磁力が、TCR2以上の領域内の温度
分布に対応して図2に示すような分布をし、最高到達温
度となる領域及びその近傍でその値が充分小さくなるよ
うな磁気特性を有している。光磁気記録媒体に、再生光
を照射して再生層磁性膜24中に、TCR2以上となり垂
直磁化状態が発生した時点において、補助磁性膜28の
中にTCR1以上の温度に達した所では補助磁性膜28の
磁化状態が垂直磁化から面内磁化へ転移する(図5
(C)参照)。この際再生層補助磁性膜24の転写磁区
(ドメイン)は図5(C)で示すように拡大するが、再
生光が読み取れる大きさ、例えば再生光スポットの径よ
りも大きく拡大すると同時に、補助磁性膜28の磁化の
状態が、面内磁化の状態を維持して、再生層磁性膜24
の再生信号に洩れ磁界等のノイズ信号が遮断されるよう
に、臨界温度TCR2とTCR1との必要な温度差ΔTが得ら
れなければならない。このような温度差ΔTが得られ
る、補助磁性膜28と再生層磁性膜24の材料組合せを
選択して用いることが必要である。補助磁性膜28には
GdxFeyCoz合金について元素比xyzの最適な
値の材料を選択して用いる。また、再生層磁性膜24に
はGduFevCow合金について元素比u、v、wの最適な
値の材料を選択して用いる。
温度が、所望の温度になるような適当なパワーの再生光
を照射すると、再生層磁性膜24中に、TCR2以上とな
り垂直磁化状態となりうる領域が発生する。その領域の
大きさが光磁気記録膜10に記録されている磁区Mの径
以上、好ましくは再生光スポット径以上となるようにT
CR2及び再生パワーを設定して用いる。また、再生層磁
性膜24は、その保磁力が、TCR2以上の領域内の温度
分布に対応して図2に示すような分布をし、最高到達温
度となる領域及びその近傍でその値が充分小さくなるよ
うな磁気特性を有している。光磁気記録媒体に、再生光
を照射して再生層磁性膜24中に、TCR2以上となり垂
直磁化状態が発生した時点において、補助磁性膜28の
中にTCR1以上の温度に達した所では補助磁性膜28の
磁化状態が垂直磁化から面内磁化へ転移する(図5
(C)参照)。この際再生層補助磁性膜24の転写磁区
(ドメイン)は図5(C)で示すように拡大するが、再
生光が読み取れる大きさ、例えば再生光スポットの径よ
りも大きく拡大すると同時に、補助磁性膜28の磁化の
状態が、面内磁化の状態を維持して、再生層磁性膜24
の再生信号に洩れ磁界等のノイズ信号が遮断されるよう
に、臨界温度TCR2とTCR1との必要な温度差ΔTが得ら
れなければならない。このような温度差ΔTが得られ
る、補助磁性膜28と再生層磁性膜24の材料組合せを
選択して用いることが必要である。補助磁性膜28には
GdxFeyCoz合金について元素比xyzの最適な
値の材料を選択して用いる。また、再生層磁性膜24に
はGduFevCow合金について元素比u、v、wの最適な
値の材料を選択して用いる。
【0028】光磁気記録膜10はTCR2以上の領域内の
温度分布に対応して図5(b)、及び図5(c)に示す
ような磁化の分布を有し、最高到達温度となる領域及び
その近傍でその値が充分大きくなるような磁気特性を有
している。各磁性膜の磁気特性を上記のように設定した
ため、光磁気記録膜10中の温度が高く且つ磁化が充分
大きい領域の磁区Mのみが、磁区Mの領域で作用する光
磁気記録膜10と補助磁性膜28間の交換結合力、及び
光磁気記録膜10或いは補助磁性膜28と再生層磁性膜
24間の大きな静磁結合力によって、再生層磁性膜24
中の温度が高く且つ保磁力が充分小さい領域に転写され
る。これにより、まず充分な再生分解能が得られる。
温度分布に対応して図5(b)、及び図5(c)に示す
ような磁化の分布を有し、最高到達温度となる領域及び
その近傍でその値が充分大きくなるような磁気特性を有
している。各磁性膜の磁気特性を上記のように設定した
ため、光磁気記録膜10中の温度が高く且つ磁化が充分
大きい領域の磁区Mのみが、磁区Mの領域で作用する光
磁気記録膜10と補助磁性膜28間の交換結合力、及び
光磁気記録膜10或いは補助磁性膜28と再生層磁性膜
24間の大きな静磁結合力によって、再生層磁性膜24
中の温度が高く且つ保磁力が充分小さい領域に転写され
る。これにより、まず充分な再生分解能が得られる。
【0029】次いで、再生層磁性膜24に転写された磁
区は、TCR2以上の領域内の垂直磁気異方性と転写され
た磁区からの交換結合力により、図5(c)に示したよ
うに拡大すると考えられる。再生後、即ち再生レーザー
光が移動した後、読み出し部はTCR12以下に冷却され、
再生層磁性膜24は面内磁化膜となり、図5(a)の状
態に戻る。
区は、TCR2以上の領域内の垂直磁気異方性と転写され
た磁区からの交換結合力により、図5(c)に示したよ
うに拡大すると考えられる。再生後、即ち再生レーザー
光が移動した後、読み出し部はTCR12以下に冷却され、
再生層磁性膜24は面内磁化膜となり、図5(a)の状
態に戻る。
【0030】再生層磁性膜24の磁区拡大の効果は、再
生層磁性膜24中の転写磁区が再生光スポット径以上に
拡大されたときに最大になる。この状態では、光磁気記
録膜6中に記録された磁区の大きさや形状に関係しな
い、再生層磁性膜24の性能指数と再生ビーム光のみに
よって決まる極めて大きい再生出力が得られる。再生
後、即ち再生レーザー光の照射部が移動した後は、読み
出し部はTCR2以下に冷却され、再生層磁性膜は面内磁
化状態となり、図5(a)の状態に戻る。以上のような
再生動作時の温度においても、光磁気記録膜10の保磁
力は充分大きいために、磁化として記録された情報は完
全に保持されている。
生層磁性膜24中の転写磁区が再生光スポット径以上に
拡大されたときに最大になる。この状態では、光磁気記
録膜6中に記録された磁区の大きさや形状に関係しな
い、再生層磁性膜24の性能指数と再生ビーム光のみに
よって決まる極めて大きい再生出力が得られる。再生
後、即ち再生レーザー光の照射部が移動した後は、読み
出し部はTCR2以下に冷却され、再生層磁性膜は面内磁
化状態となり、図5(a)の状態に戻る。以上のような
再生動作時の温度においても、光磁気記録膜10の保磁
力は充分大きいために、磁化として記録された情報は完
全に保持されている。
【0031】さらに、本発明の他の記録再生方式におけ
る光磁気記録媒体の動作(再生)原理を以下に説明す
る。
る光磁気記録媒体の動作(再生)原理を以下に説明す
る。
【0032】光変調記録方式等により光磁気記録膜に記
録磁区を書き込んだ後、再生前の各層の磁化状態を示
す。次に、補助磁性膜中の温度が臨界温度Tcr1 以上T
cr2以下となった領域に、光磁気記録膜の垂直磁化記録
信号が転写される。次に、図6に示したように、再生光
が照射されて発生した媒体内の温度プロファイルを考慮
すると、光磁気記録膜の垂直磁化記録磁区信号と同じ大
きさかまたはそれより小さい磁区が補助磁性膜に転写さ
れるように、再生層の臨界温度 Tcr2と再生光スポット
のパワーとを予め設定する。
録磁区を書き込んだ後、再生前の各層の磁化状態を示
す。次に、補助磁性膜中の温度が臨界温度Tcr1 以上T
cr2以下となった領域に、光磁気記録膜の垂直磁化記録
信号が転写される。次に、図6に示したように、再生光
が照射されて発生した媒体内の温度プロファイルを考慮
すると、光磁気記録膜の垂直磁化記録磁区信号と同じ大
きさかまたはそれより小さい磁区が補助磁性膜に転写さ
れるように、再生層の臨界温度 Tcr2と再生光スポット
のパワーとを予め設定する。
【0033】補助磁性膜に転写された磁区は再生層磁性
膜に転写される。本発明では、補助磁性膜及び再生層磁
性膜はそれぞれの臨界温度がTcr1 <Tcr2 となるよう
に設定されているため、図6の媒体内の温度プロファイ
ルに示すように、再生層磁性膜24中の垂直磁化状態と
なりうる領域は、補助磁性膜28中のそれよりも径が大
きくなる。このため、図5に示すように、再生層磁性膜
24中の転写磁区23は再生層磁性膜24中の垂直磁化
状態となりうる領域内の垂直磁気異方性と補助磁性膜2
8中の垂直磁化からの交換結合力とによって拡大され
る。
膜に転写される。本発明では、補助磁性膜及び再生層磁
性膜はそれぞれの臨界温度がTcr1 <Tcr2 となるよう
に設定されているため、図6の媒体内の温度プロファイ
ルに示すように、再生層磁性膜24中の垂直磁化状態と
なりうる領域は、補助磁性膜28中のそれよりも径が大
きくなる。このため、図5に示すように、再生層磁性膜
24中の転写磁区23は再生層磁性膜24中の垂直磁化
状態となりうる領域内の垂直磁気異方性と補助磁性膜2
8中の垂直磁化からの交換結合力とによって拡大され
る。
【0034】この磁区拡大は、図2の中でWで示した再
生層磁性膜24の領域の面内磁化が、図5(a)の光磁
気記録膜10の記録磁区信号22から再生層磁性膜24
への交換結合力を弱めていることからも促進されている
といえる。上記磁区拡大により、面内磁化の磁気的マス
クによる再生出力に寄与する光量の低下を低減する。
生層磁性膜24の領域の面内磁化が、図5(a)の光磁
気記録膜10の記録磁区信号22から再生層磁性膜24
への交換結合力を弱めていることからも促進されている
といえる。上記磁区拡大により、面内磁化の磁気的マス
クによる再生出力に寄与する光量の低下を低減する。
【0035】図5(c)に示す、再生層磁性膜24の転
写磁区23の拡大の効果は、再生層磁性膜24中の転写
磁区が再生スポット径以上に拡大されたときに最大にな
る。この状態では、光磁気記録膜10中に記録された磁
区の大きさや形状に関係しない、再生層磁性膜24の性
能指数と再生ビーム光のみによって決まる極めて大きい
再生出力が得られる。再生後、即ち再生レーザー光の照
射部が移動した後は、再生層磁性膜の読み出された部分
はTcr2以下に冷却され、面内磁化状態となり、図5
(a)の状態に戻る。以上のような再生動作時の温度に
おいても、光磁気記録膜10の保磁力は充分大きく設定
された磁性材料が予め用いられているために、磁化とし
て記録された情報は完全に保持されている。この磁区拡
大の方式により再生信号が増大されC/Nが向上する。
写磁区23の拡大の効果は、再生層磁性膜24中の転写
磁区が再生スポット径以上に拡大されたときに最大にな
る。この状態では、光磁気記録膜10中に記録された磁
区の大きさや形状に関係しない、再生層磁性膜24の性
能指数と再生ビーム光のみによって決まる極めて大きい
再生出力が得られる。再生後、即ち再生レーザー光の照
射部が移動した後は、再生層磁性膜の読み出された部分
はTcr2以下に冷却され、面内磁化状態となり、図5
(a)の状態に戻る。以上のような再生動作時の温度に
おいても、光磁気記録膜10の保磁力は充分大きく設定
された磁性材料が予め用いられているために、磁化とし
て記録された情報は完全に保持されている。この磁区拡
大の方式により再生信号が増大されC/Nが向上する。
【0036】次に、光磁気記録層と再生用磁性層との間
には、補助磁性膜及び非磁性膜が積層形成される。光磁
気記録膜、補助磁性膜、及び再生用磁性膜のキュリー温
度をそれぞれTC0、TC1及びTC2とし、補助磁性膜及び再
生用磁性膜の上記臨界温度をそれぞれTCR1 及びTCR2
としたときに、光磁気記録膜10、補助磁性膜28、及
び再生用磁性膜24の間には、室温<TCR2 <TCR1 <
TC0,TC1,TC2となる関係を満たす磁気特性を有する。
再生用磁性層24は図2に示すように室温以上のある臨
界温度(TCR2)までは面内磁化膜であり、TCR2以上
では垂直磁化膜になるという磁気特性を有している。補
助磁性膜28は図2に示すように室温以上のある臨界温
度(TCR1)までは垂直磁化膜であり、TCR1以上では
面内磁化膜になるという磁気特性を有している。光磁気
記録膜10は室温以上で垂直磁化膜である。
には、補助磁性膜及び非磁性膜が積層形成される。光磁
気記録膜、補助磁性膜、及び再生用磁性膜のキュリー温
度をそれぞれTC0、TC1及びTC2とし、補助磁性膜及び再
生用磁性膜の上記臨界温度をそれぞれTCR1 及びTCR2
としたときに、光磁気記録膜10、補助磁性膜28、及
び再生用磁性膜24の間には、室温<TCR2 <TCR1 <
TC0,TC1,TC2となる関係を満たす磁気特性を有する。
再生用磁性層24は図2に示すように室温以上のある臨
界温度(TCR2)までは面内磁化膜であり、TCR2以上
では垂直磁化膜になるという磁気特性を有している。補
助磁性膜28は図2に示すように室温以上のある臨界温
度(TCR1)までは垂直磁化膜であり、TCR1以上では
面内磁化膜になるという磁気特性を有している。光磁気
記録膜10は室温以上で垂直磁化膜である。
【0037】図2の磁気温度曲線Cは、垂直磁化を有す
る状態における再生層の垂直方向の保磁力の温度変化を
示す。この保磁力には、純粋な垂直方向の再生層の磁区
の保磁力Hrに再生層の磁壁(magnetic wall )の生成
によって印加されるとみなす仮想的磁界に相当する磁界
Hw(別な言い方すると、再生層の面内方向の交換結合
磁界)を含めてHr+Hwとして表すものとする。すな
わち、Hr+Hwは再生層膜面に垂直な方向における磁
化反転を行うに必要な磁界を示すことになる。
る状態における再生層の垂直方向の保磁力の温度変化を
示す。この保磁力には、純粋な垂直方向の再生層の磁区
の保磁力Hrに再生層の磁壁(magnetic wall )の生成
によって印加されるとみなす仮想的磁界に相当する磁界
Hw(別な言い方すると、再生層の面内方向の交換結合
磁界)を含めてHr+Hwとして表すものとする。すな
わち、Hr+Hwは再生層膜面に垂直な方向における磁
化反転を行うに必要な磁界を示すことになる。
【0038】図7のエリア(a)は、本発明の再生方法
において記録層から再生層磁性膜24に磁区転写が行わ
れる温度エリアであり、図中、Tcr2〜T1の温度範囲
に属する。T1は、磁気温度曲線AのHex−Ht側が
磁気温度曲線Bと最初に交差する温度である。この温度
範囲Tcr2〜T1は、後述するように再生光の光パワー
を比較的低パワーに調整することにより達成できる。こ
の温度領域で図5の(b)に示したような磁気転写が実
際に行われるためには、この温度領域内で転写磁界の大
きさが再生層磁性膜24の垂直方向の保磁力を超えるよ
うにしなければならない。すなわち、光磁気記録膜10
に記録されている磁化が↓向き(記録方向)である場
合、Hex+Htで表される転写磁界は、Hr+Hwま
たは−(Hr+Hw)よりも大きくなるようにしなけれ
ばならない(磁区転写要件)。また、記録層に記録され
ている磁化が↑向き(消去方向)である場合、Hex−
Htで表される負の転写磁界は、再生層の垂直方向の保
磁力Hr+Hwまたは−(Hr+Hw)よりも小さくな
るようにしなければならない(磁区転写要件)。
において記録層から再生層磁性膜24に磁区転写が行わ
れる温度エリアであり、図中、Tcr2〜T1の温度範囲
に属する。T1は、磁気温度曲線AのHex−Ht側が
磁気温度曲線Bと最初に交差する温度である。この温度
範囲Tcr2〜T1は、後述するように再生光の光パワー
を比較的低パワーに調整することにより達成できる。こ
の温度領域で図5の(b)に示したような磁気転写が実
際に行われるためには、この温度領域内で転写磁界の大
きさが再生層磁性膜24の垂直方向の保磁力を超えるよ
うにしなければならない。すなわち、光磁気記録膜10
に記録されている磁化が↓向き(記録方向)である場
合、Hex+Htで表される転写磁界は、Hr+Hwま
たは−(Hr+Hw)よりも大きくなるようにしなけれ
ばならない(磁区転写要件)。また、記録層に記録され
ている磁化が↑向き(消去方向)である場合、Hex−
Htで表される負の転写磁界は、再生層の垂直方向の保
磁力Hr+Hwまたは−(Hr+Hw)よりも小さくな
るようにしなければならない(磁区転写要件)。
【0039】一方、図7において、磁気温度曲線A及び
Bを比較すると、下記式(a1)〜(a3)の関係が成
立することがわかる。
Bを比較すると、下記式(a1)〜(a3)の関係が成
立することがわかる。
【0040】 Hr<Hex+Ht−Hw (a1) −Hr>Hex−Ht+Hw (a2) Hr>Hex−Ht−Hw (a3) 従って、上記磁区転写要件を満足し、記録層の記録磁区
の磁化方向に拘らず、それを再生層に転写することがで
きる。図5(b)には、記録層の磁区22に記録されて
いる↓向きの磁化が、再生層の再生光スポット内の温度
Tcr2を超える領域に転写されて転写磁区23を形成し
ている場合を示す。
の磁化方向に拘らず、それを再生層に転写することがで
きる。図5(b)には、記録層の磁区22に記録されて
いる↓向きの磁化が、再生層の再生光スポット内の温度
Tcr2を超える領域に転写されて転写磁区23を形成し
ている場合を示す。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光磁気記録媒体及
びその再生方法の実施の形態及び実施例を図面を参照し
ながら説明する。
びその再生方法の実施の形態及び実施例を図面を参照し
ながら説明する。
【0042】本発明の光磁気記録媒体の第1は、図4に
記載するように、光磁気記録膜10上に補助磁性膜2
8、反射膜8、非磁性膜29、再生層磁性膜24がこの
順に積層された構造を有し、光磁気記録膜10、補助磁
性膜28、及び再生層磁性膜24のキュリー温度をそれ
ぞれTC0、TC1及びTC2とし、補助磁性膜、再生層磁性膜
それぞれの臨界温度をTCR1、TCR2としたときに、室温
<TCR2<TCR1<TC0,TC1,TC2となる関係を満たす磁
気特性を有する。補助磁性膜28は、図2に示すように室
温から室温以上のある臨界温度(TCR1)までは垂直磁
化膜であり、TCR1以上では面内磁化膜になるという磁
気特性を有している。光磁気記録膜10は室温以上で垂直
磁化膜である。
記載するように、光磁気記録膜10上に補助磁性膜2
8、反射膜8、非磁性膜29、再生層磁性膜24がこの
順に積層された構造を有し、光磁気記録膜10、補助磁
性膜28、及び再生層磁性膜24のキュリー温度をそれ
ぞれTC0、TC1及びTC2とし、補助磁性膜、再生層磁性膜
それぞれの臨界温度をTCR1、TCR2としたときに、室温
<TCR2<TCR1<TC0,TC1,TC2となる関係を満たす磁
気特性を有する。補助磁性膜28は、図2に示すように室
温から室温以上のある臨界温度(TCR1)までは垂直磁
化膜であり、TCR1以上では面内磁化膜になるという磁
気特性を有している。光磁気記録膜10は室温以上で垂直
磁化膜である。
【0043】本発明で用いる光磁気記録媒体は、光磁気
記録膜と補助磁性膜とを備え、該補助膜は再生用磁性膜
と補助磁性膜とから構成されるものである。本発明の上
記再生用磁性膜は室温では面内磁性を示すが、臨界温度
Tcr2以上では垂直磁化に転移する磁性材料からなる磁
性膜である。補助磁性膜は室温では垂直磁性を示すが、
臨界温度Tcr1以上に加熱されると面内磁性化する磁性
材料からなる磁性膜である。
記録膜と補助磁性膜とを備え、該補助膜は再生用磁性膜
と補助磁性膜とから構成されるものである。本発明の上
記再生用磁性膜は室温では面内磁性を示すが、臨界温度
Tcr2以上では垂直磁化に転移する磁性材料からなる磁
性膜である。補助磁性膜は室温では垂直磁性を示すが、
臨界温度Tcr1以上に加熱されると面内磁性化する磁性
材料からなる磁性膜である。
【0044】本発明で用いられる光磁気記録媒体の積層
膜構造について、実施例として図1、図3、及び図4に
示した。これらは反射膜8の配置が異なる例であるが、
何れの積層膜構成についても下記各実施例において用い
ることができ、ほぼ同等の作用効果が得られるものであ
る。
膜構造について、実施例として図1、図3、及び図4に
示した。これらは反射膜8の配置が異なる例であるが、
何れの積層膜構成についても下記各実施例において用い
ることができ、ほぼ同等の作用効果が得られるものであ
る。
【0045】
【実施例1】本実施例の記録再生方式では、パワー変調
したレーザパルス光によって光磁気記録媒体の記録情報
を再生する方式を用いた。
したレーザパルス光によって光磁気記録媒体の記録情報
を再生する方式を用いた。
【0046】本発明の光磁気記録媒体の再生時に、磁気
ヘッドから発生した漏れ磁界が光磁気記録媒体に印加さ
れていたが、この実施例では記録磁区の磁化方向と同方
向にDC磁界を積極的に印加しながら再生を行う。な
お、転写磁区の拡大及び消滅を実現するためにレーザー
ビーム強度を変調して再生を行った。
ヘッドから発生した漏れ磁界が光磁気記録媒体に印加さ
れていたが、この実施例では記録磁区の磁化方向と同方
向にDC磁界を積極的に印加しながら再生を行う。な
お、転写磁区の拡大及び消滅を実現するためにレーザー
ビーム強度を変調して再生を行った。
【0047】最初に本実施例で用いた光磁気ディスクに
ついて説明する。図1に示すように、光磁気デイスク
は、ポリカーボネートからなる基板1のプリフォ−マッ
トパタ−ン2上に、SiN誘電体層3、GdFeCo合
金からなる再生層24、SiNの非磁性層29、GdF
eCoの合金からなる補助磁性膜28、Ti−Al合金
の反射膜8、TbFeCo合金からなる光磁気記録膜1
0、及びSiN保護層7等からなる膜の積層を形成す
る。図5に示すように、TbFeCo合金からなる記録
層10とGdFeCo合金からなる再生層24は非磁性
層29とGdFeCo合金からなる補助磁性層28を介
して静磁的に結合されている。図2に示すようにGdx
FeyCoz合金の再生層24は、室温で面内磁化膜であ
り、臨界温度Tcr2を超えると垂直磁化膜へと転移する
磁性膜であり、x、y、zは合金の元素数比である。Gdu
FevCow合金の補助磁性層28は、室温で垂直磁化膜
であり、臨界温度Tcr1を超えると面内磁化膜へと転移
する磁性膜であり、u、v、wは合金の元素数比である。
ついて説明する。図1に示すように、光磁気デイスク
は、ポリカーボネートからなる基板1のプリフォ−マッ
トパタ−ン2上に、SiN誘電体層3、GdFeCo合
金からなる再生層24、SiNの非磁性層29、GdF
eCoの合金からなる補助磁性膜28、Ti−Al合金
の反射膜8、TbFeCo合金からなる光磁気記録膜1
0、及びSiN保護層7等からなる膜の積層を形成す
る。図5に示すように、TbFeCo合金からなる記録
層10とGdFeCo合金からなる再生層24は非磁性
層29とGdFeCo合金からなる補助磁性層28を介
して静磁的に結合されている。図2に示すようにGdx
FeyCoz合金の再生層24は、室温で面内磁化膜であ
り、臨界温度Tcr2を超えると垂直磁化膜へと転移する
磁性膜であり、x、y、zは合金の元素数比である。Gdu
FevCow合金の補助磁性層28は、室温で垂直磁化膜
であり、臨界温度Tcr1を超えると面内磁化膜へと転移
する磁性膜であり、u、v、wは合金の元素数比である。
【0048】臨界温度Tcr2と臨界温度Tcr1は近傍して
おり、光磁気記録膜の記録情報を再生する際に、再生層
磁性膜24とGduFevCowの合金からなる補助磁性
層28とは互いに協力しあう関係に設定される。即ち、
再生層磁性膜24に再生レ−ザ光が照射されて、再生層
磁性膜24の温度が上昇して、臨界温度Tcr2を越えて
垂直磁区に変わった後に、光磁気記録膜の記録磁区信号
は再生層磁性膜24へ転写されて、直ちに拡大される。
一方補助磁性膜28は、垂直記録磁区信号が再生層磁性
膜24へ転写された直後に垂直磁化から面内磁化に転移
し、垂直磁界信号に対して磁壁化して、磁気ノイズをシ
ャッタ−する。従って再生層磁性膜24の動作後最適な
タイミングで補助磁性膜28は動作する必要がある。こ
のタイミングはTcr2とTcr1の時間差ΔTの値の
大きさで表される。
おり、光磁気記録膜の記録情報を再生する際に、再生層
磁性膜24とGduFevCowの合金からなる補助磁性
層28とは互いに協力しあう関係に設定される。即ち、
再生層磁性膜24に再生レ−ザ光が照射されて、再生層
磁性膜24の温度が上昇して、臨界温度Tcr2を越えて
垂直磁区に変わった後に、光磁気記録膜の記録磁区信号
は再生層磁性膜24へ転写されて、直ちに拡大される。
一方補助磁性膜28は、垂直記録磁区信号が再生層磁性
膜24へ転写された直後に垂直磁化から面内磁化に転移
し、垂直磁界信号に対して磁壁化して、磁気ノイズをシ
ャッタ−する。従って再生層磁性膜24の動作後最適な
タイミングで補助磁性膜28は動作する必要がある。こ
のタイミングはTcr2とTcr1の時間差ΔTの値の
大きさで表される。
【0049】最適なΔTを設定するために、再生層磁性
膜の材料種類と補助磁性膜28の材料の種類とから選択
組合せを行う。再生層磁性膜24及び補助磁性膜28の
材料種類としてはGdFeCoの合金等があるが、共に
特定の元素比が異なる。この実施例ではGdFeCo合
金の再生層24との組合せを実施した。GdxFeyCo
z合金の再生層24の臨界温度Tcr2は175℃であり、
キュリ−温度Tc2は340℃である。補助磁化膜28の
垂直磁化が面内磁化に転移する臨界温度Tcr1は200
℃であり、キュリ−ポイントは400℃以上である。T
bFeCo合金の記録層10は、そのキュリ−温度Tc0
が270℃、その補償温度Tcompが室温以下のものを用
いた。すなわち、Troom<Tcr2<Tcr1<Tc0<Tc2<
Tc1なる関係にある。
膜の材料種類と補助磁性膜28の材料の種類とから選択
組合せを行う。再生層磁性膜24及び補助磁性膜28の
材料種類としてはGdFeCoの合金等があるが、共に
特定の元素比が異なる。この実施例ではGdFeCo合
金の再生層24との組合せを実施した。GdxFeyCo
z合金の再生層24の臨界温度Tcr2は175℃であり、
キュリ−温度Tc2は340℃である。補助磁化膜28の
垂直磁化が面内磁化に転移する臨界温度Tcr1は200
℃であり、キュリ−ポイントは400℃以上である。T
bFeCo合金の記録層10は、そのキュリ−温度Tc0
が270℃、その補償温度Tcompが室温以下のものを用
いた。すなわち、Troom<Tcr2<Tcr1<Tc0<Tc2<
Tc1なる関係にある。
【0050】上記のような光磁気ディスクの記録層10
に記録された記録信号を再生する際に、前記本発明の再
生方法の原理で説明したように、再生パワーを再生クロ
ックまたはその整数倍(記録クロックまたはその整数
倍)に同期して二種類のパワーに変調する。拡大された
磁区の縮小、消滅は、前述のように低パワ−と高パワ−
のいずれでも起き得るが、この実施例では、磁区の転写
及び拡大のために再生光を低パワーに変調し、拡大磁区
の縮小または消滅のための再生光を高パワ−に変調し
た。このパワ−レベルは、光磁気ディスクに再生光を照
射して記録トラックを走査している間に適用する。
に記録された記録信号を再生する際に、前記本発明の再
生方法の原理で説明したように、再生パワーを再生クロ
ックまたはその整数倍(記録クロックまたはその整数
倍)に同期して二種類のパワーに変調する。拡大された
磁区の縮小、消滅は、前述のように低パワ−と高パワ−
のいずれでも起き得るが、この実施例では、磁区の転写
及び拡大のために再生光を低パワーに変調し、拡大磁区
の縮小または消滅のための再生光を高パワ−に変調し
た。このパワ−レベルは、光磁気ディスクに再生光を照
射して記録トラックを走査している間に適用する。
【0051】
【実施例2】本実施例の光磁気記録媒体の構造の一例を
図4を参照しながら説明する。光磁気記録媒体は片面に
所望のプリフォーマットパターンが形成された透明基板
1とプリフォーマットパターン2上に形成された誘電体
膜3と、誘電体膜3上に形成された再生層磁性膜24
と、再生層磁性膜24上に形成された非磁性層29、反
射膜8、補助磁性膜28と、補助磁性膜28上に形成さ
れた光磁気記録膜10と、光磁気記録膜10上に形成さ
れた保護膜7とからなる。
図4を参照しながら説明する。光磁気記録媒体は片面に
所望のプリフォーマットパターンが形成された透明基板
1とプリフォーマットパターン2上に形成された誘電体
膜3と、誘電体膜3上に形成された再生層磁性膜24
と、再生層磁性膜24上に形成された非磁性層29、反
射膜8、補助磁性膜28と、補助磁性膜28上に形成さ
れた光磁気記録膜10と、光磁気記録膜10上に形成さ
れた保護膜7とからなる。
【0052】図4に示した構造において、透明基板1と
しては、例えばポリカーボネートやアモルファスポレオ
レフィンなどの透明樹脂材料を所望の形状に成形したも
のや、所望の形状に形成されたガラス板の片面に所望の
プリフォーマットパターン2が転写された透明樹脂膜を
密着したものなど光透過性のある任意の基板を用いるこ
とができる。誘電体膜3は、膜内で再生用光ビームを多
重干渉させ、見かけ上のカー回転角を増加するために設
けられるものであって、透明基板1よりも屈折率が大き
い、例えばSi3N4からなる無機誘電体にて形成する
ことができる。保護膜7は、基板1と保護膜7との間に
積層される膜体3〜6を腐食等の化学的な悪影響から保
護するためのものであって、例えば、Si3N4膜より
なる。光磁気記録膜10は室温以上の温度で垂直磁気異
方性を示す垂直磁化膜であり、例えば、TbFeCo、
DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類と遷移金
属の非晶質合金が最も好ましいが、Pt膜とCo膜の交
互積層体やガーネット系酸化物磁性体などの他の知られ
た光磁気記録材料を用いることもできる。
しては、例えばポリカーボネートやアモルファスポレオ
レフィンなどの透明樹脂材料を所望の形状に成形したも
のや、所望の形状に形成されたガラス板の片面に所望の
プリフォーマットパターン2が転写された透明樹脂膜を
密着したものなど光透過性のある任意の基板を用いるこ
とができる。誘電体膜3は、膜内で再生用光ビームを多
重干渉させ、見かけ上のカー回転角を増加するために設
けられるものであって、透明基板1よりも屈折率が大き
い、例えばSi3N4からなる無機誘電体にて形成する
ことができる。保護膜7は、基板1と保護膜7との間に
積層される膜体3〜6を腐食等の化学的な悪影響から保
護するためのものであって、例えば、Si3N4膜より
なる。光磁気記録膜10は室温以上の温度で垂直磁気異
方性を示す垂直磁化膜であり、例えば、TbFeCo、
DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類と遷移金
属の非晶質合金が最も好ましいが、Pt膜とCo膜の交
互積層体やガーネット系酸化物磁性体などの他の知られ
た光磁気記録材料を用いることもできる。
【0053】補助磁性膜28及び再生層磁性膜24は、
図4に示すように、室温(R.T.)から室温以上のあ
る臨界温度(Tcr2)までは面内磁化膜であり、Tcr2以
上では垂直磁化膜に転移する磁気特性を有する。なお、
本明細書において室温とは光磁気記録媒体が通常使用さ
れる雰囲気温度を示し、使用場所に応じて異なり、特に
特定の温度に限定されるものではない。
図4に示すように、室温(R.T.)から室温以上のあ
る臨界温度(Tcr2)までは面内磁化膜であり、Tcr2以
上では垂直磁化膜に転移する磁気特性を有する。なお、
本明細書において室温とは光磁気記録媒体が通常使用さ
れる雰囲気温度を示し、使用場所に応じて異なり、特に
特定の温度に限定されるものではない。
【0054】膜面に垂直な方向に外部磁界を印加した場
合のカー効果のヒステリシスループから求めたθKR/θ
KS(θKR:残留カー回転角、θKS:飽和カー回転角)の
温度依存性を調べてみると、補助磁性膜の材料として
は、例えばGdFeCo、GdFe、GdTbFeC
o、GdDyFeCoなどの希土類と遷移金属の非晶質
合金が最も好ましい。
合のカー効果のヒステリシスループから求めたθKR/θ
KS(θKR:残留カー回転角、θKS:飽和カー回転角)の
温度依存性を調べてみると、補助磁性膜の材料として
は、例えばGdFeCo、GdFe、GdTbFeC
o、GdDyFeCoなどの希土類と遷移金属の非晶質
合金が最も好ましい。
【0055】誘電体膜3、再生層磁性膜24、補助磁性
膜28、光磁気記録膜10及び保護膜7は、例えば、マ
グネトロンスパッタ装置による連続スパッタリング等の
ドライプロセスにより形成することができる。
膜28、光磁気記録膜10及び保護膜7は、例えば、マ
グネトロンスパッタ装置による連続スパッタリング等の
ドライプロセスにより形成することができる。
【0056】以下に、図4に示した光磁気記録媒体、即
ち光磁気ディスクの補助磁性膜28を示す。サンプル
は、プリフォーマットパターンを有するガラス基板上
に、SiN膜よりなる誘電体膜と、Gd25Fe56Co19
膜(II)よりなる再生層磁性膜と、Gd28Fe53Co19
(I)膜よりなる補助磁性膜と 、Tb21Fe66Co13膜
よりなる光磁気記録膜と、SiN膜よりなる保護膜とを
順次スパッタリング法により被着形成して作製した。こ
の場合の各補助磁性膜及び光磁気記録膜の厚さ並びに磁
気特性を表1に示す。表中のTcはキュリー温度を表
し、Tcrは、再生層磁性膜の面内磁化膜が垂直磁化膜に
変化する、或いは垂直磁化膜が面内磁化膜に変化する臨
界温度を表わす。
ち光磁気ディスクの補助磁性膜28を示す。サンプル
は、プリフォーマットパターンを有するガラス基板上
に、SiN膜よりなる誘電体膜と、Gd25Fe56Co19
膜(II)よりなる再生層磁性膜と、Gd28Fe53Co19
(I)膜よりなる補助磁性膜と 、Tb21Fe66Co13膜
よりなる光磁気記録膜と、SiN膜よりなる保護膜とを
順次スパッタリング法により被着形成して作製した。こ
の場合の各補助磁性膜及び光磁気記録膜の厚さ並びに磁
気特性を表1に示す。表中のTcはキュリー温度を表
し、Tcrは、再生層磁性膜の面内磁化膜が垂直磁化膜に
変化する、或いは垂直磁化膜が面内磁化膜に変化する臨
界温度を表わす。
【0057】 (表1) 材料 膜厚 TC TCR (nm) (℃) (℃) 光磁気記録膜 TbFeCo 50 270 − 補助磁性膜 GdFeCo(I) 70 >400 150 再生層磁性膜 GdFeCo(II) 60 >400 90 上記のように作製したディスクのデータ記録領域に、レ
ーザービームを一定周期のパルス状に照射しながら外部
磁界を記録信号に応じて変調させて記録を行う光磁界変
調方式を用いて、テスト信号を記録した。記録光パルス
のデューティー比は50%であった。種々の記録マーク
長の記録マークが形成されるようにテスト信号を与え
た。次いで、対物レンズの開口数NA=0.55、レー
ザー波長340、640、780nm等のピックアップ
を用い、線速度7.5m/sec、再生パワー2.5m
W、再生時外部印加磁界をゼロとして種々の長さの記録
マークを再生した。再生CN比(C:キャリアレベル、
N:ノイズレベル)を測定した。
ーザービームを一定周期のパルス状に照射しながら外部
磁界を記録信号に応じて変調させて記録を行う光磁界変
調方式を用いて、テスト信号を記録した。記録光パルス
のデューティー比は50%であった。種々の記録マーク
長の記録マークが形成されるようにテスト信号を与え
た。次いで、対物レンズの開口数NA=0.55、レー
ザー波長340、640、780nm等のピックアップ
を用い、線速度7.5m/sec、再生パワー2.5m
W、再生時外部印加磁界をゼロとして種々の長さの記録
マークを再生した。再生CN比(C:キャリアレベル、
N:ノイズレベル)を測定した。
【0058】本実施例に係るサンプルディスク(データ
は実線)では、記録マーク長0.2μmにおいても、著
しく高い再生C/Nが得られることがわかった。従っ
て、本発明を用いれば、従来の再生限界を超えた極めて
微小な記録マークの再生が可能となり、記録密度を向上
させることができる。
は実線)では、記録マーク長0.2μmにおいても、著
しく高い再生C/Nが得られることがわかった。従っ
て、本発明を用いれば、従来の再生限界を超えた極めて
微小な記録マークの再生が可能となり、記録密度を向上
させることができる。
【0059】
【実施例3】前記再生方法の実施例では、再生時に磁気
ヘッドから発生した漏れ磁界が光磁気記録媒体に印加さ
れていたが、この実施例では記録磁区の磁化方向と同方
向にDC磁界を積極的に印加しながら再生を行う。な
お、この実施例においても、転写磁区の拡大及び消滅を
実現するためにレーザービーム強度を変調して再生を行
った。
ヘッドから発生した漏れ磁界が光磁気記録媒体に印加さ
れていたが、この実施例では記録磁区の磁化方向と同方
向にDC磁界を積極的に印加しながら再生を行う。な
お、この実施例においても、転写磁区の拡大及び消滅を
実現するためにレーザービーム強度を変調して再生を行
った。
【0060】最初に本実施例で用いた光磁気ディスクに
ついて説明する。図4に示すように、光磁気デイスク
は、ポリカーボネート基板1上に、SiN誘電体層3、
GdFeCo合金からなる再生層磁性膜24、SiN非
磁性層29、TiAl合金反射膜8、GdFeCo合金
からなる補助磁化膜28、TbFeCo合金からなる記
録層(光磁気記録膜)10、及びSiN保護層7等の積
層膜を有する。TbFeCo合金記録層10とGdFe
Co合金再生層24とは非磁性層29を介して静磁的に
結合されている。GdFeCo合金再生層24は、室温
で面内磁化膜であり、臨界温度Tcr2を超えると垂直磁
化膜へと変化する磁性膜である。GdFeCo合金から
なる補助磁化膜28、室温で垂直磁化膜であり、臨界温
度Tcr1を超えると面内磁化膜へと変化する磁性膜であ
る。この実施例で用いたGdFeCo合金再生層24の
臨界温度Tcr2は175℃であり、キュリ−温度Tc2は
340℃である。また、GdFeCo合金再生層24
は、臨界温度Tcr2とキュリ−温度Tcとの間に補償温
度Tc0mp=240℃を持つ。GdFeCo合金からなる
補助磁化膜28の臨界温度Tcr1は210℃であり、キ
ュリ−温度Tc1は400℃以上である。TbFeCo合
金記録層10は、そのキュリ−温度Tc0が270℃、そ
の補償温度Tcomp が室温以下のものを用いた。すなわ
ち、Troom<Tcr2<Tcr1<Tcomp<Tc0<Tc2<Tc1な
る関係がある。
ついて説明する。図4に示すように、光磁気デイスク
は、ポリカーボネート基板1上に、SiN誘電体層3、
GdFeCo合金からなる再生層磁性膜24、SiN非
磁性層29、TiAl合金反射膜8、GdFeCo合金
からなる補助磁化膜28、TbFeCo合金からなる記
録層(光磁気記録膜)10、及びSiN保護層7等の積
層膜を有する。TbFeCo合金記録層10とGdFe
Co合金再生層24とは非磁性層29を介して静磁的に
結合されている。GdFeCo合金再生層24は、室温
で面内磁化膜であり、臨界温度Tcr2を超えると垂直磁
化膜へと変化する磁性膜である。GdFeCo合金から
なる補助磁化膜28、室温で垂直磁化膜であり、臨界温
度Tcr1を超えると面内磁化膜へと変化する磁性膜であ
る。この実施例で用いたGdFeCo合金再生層24の
臨界温度Tcr2は175℃であり、キュリ−温度Tc2は
340℃である。また、GdFeCo合金再生層24
は、臨界温度Tcr2とキュリ−温度Tcとの間に補償温
度Tc0mp=240℃を持つ。GdFeCo合金からなる
補助磁化膜28の臨界温度Tcr1は210℃であり、キ
ュリ−温度Tc1は400℃以上である。TbFeCo合
金記録層10は、そのキュリ−温度Tc0が270℃、そ
の補償温度Tcomp が室温以下のものを用いた。すなわ
ち、Troom<Tcr2<Tcr1<Tcomp<Tc0<Tc2<Tc1な
る関係がある。
【0061】上記のような光磁気ディスクの記録層10に
記録された記録信号を再生する際に、前記本発明の再生
方法の原理で説明したように、再生パワーを再生クロッ
クまたはその整数倍(記録クロックまたはその整数倍)
に同期して二種類のパワーに変調する。拡大された磁区
の縮小、消滅或いは次の拡大磁区の上書き等は、前述の
ように低パワ−と高パワ−のいずれでも起き得るが、こ
の実施例では、記録磁区信号の転写及び拡大のために再
生光を低パワーに変調し、拡大磁区の縮小または消滅の
ための再生光を高パワ−に変調した。このパワ−レベル
は、光磁気ディスクに再生光を照射して記録トラックを
走査している間に適用する。
記録された記録信号を再生する際に、前記本発明の再生
方法の原理で説明したように、再生パワーを再生クロッ
クまたはその整数倍(記録クロックまたはその整数倍)
に同期して二種類のパワーに変調する。拡大された磁区
の縮小、消滅或いは次の拡大磁区の上書き等は、前述の
ように低パワ−と高パワ−のいずれでも起き得るが、こ
の実施例では、記録磁区信号の転写及び拡大のために再
生光を低パワーに変調し、拡大磁区の縮小または消滅の
ための再生光を高パワ−に変調した。このパワ−レベル
は、光磁気ディスクに再生光を照射して記録トラックを
走査している間に適用する。
【0062】記録及び再生用の光源として、波長680
nm、レンズ開口数0.55の光ヘッドを用いた。図7
に示した光磁気ディスクへの記録は光パルス強度変調法
を用いた。記録は、線速度が5m/s、記録周期320
ns、記録レ−ザ−パワ−7.5mW、パルス幅53.
3ns、記録磁界500Oeの条件で行った。0.8μ
mの記録磁区が、1と0等のデ−タに対応して0.8μ
m間隔で記録された。
nm、レンズ開口数0.55の光ヘッドを用いた。図7
に示した光磁気ディスクへの記録は光パルス強度変調法
を用いた。記録は、線速度が5m/s、記録周期320
ns、記録レ−ザ−パワ−7.5mW、パルス幅53.
3ns、記録磁界500Oeの条件で行った。0.8μ
mの記録磁区が、1と0等のデ−タに対応して0.8μ
m間隔で記録された。
【0063】この記録磁区を、次の再生条件で再生し
た。線速度を5.0m/sとし、再生レーザーパワーは
磁区拡大のための低パワーPr1として1.5mW、磁区
縮小(または消滅)のための高パワーPr2として3.5
mWの二つのパワ−レベルに変調した。再生パワーの変
調周期は160nsであり、低パワーPr1で150ns
照射し、高パワーPr2で10ns照射した。再生磁界は
一定の直流磁界を用い、記録方向へ約80Oe印加し
た。この磁界は、第1の再生方法(実施例2)のように
対物レンズ・アクチュエータ−からの漏洩磁界によって
も代用が可能である。
た。線速度を5.0m/sとし、再生レーザーパワーは
磁区拡大のための低パワーPr1として1.5mW、磁区
縮小(または消滅)のための高パワーPr2として3.5
mWの二つのパワ−レベルに変調した。再生パワーの変
調周期は160nsであり、低パワーPr1で150ns
照射し、高パワーPr2で10ns照射した。再生磁界は
一定の直流磁界を用い、記録方向へ約80Oe印加し
た。この磁界は、第1の再生方法(実施例2)のように
対物レンズ・アクチュエータ−からの漏洩磁界によって
も代用が可能である。
【0064】再生波形から、記録磁区が存在している部
分だけで信号が上昇して、記録磁区が存在しないところ
では信号は上昇していないことがわかった。このこと
は、再生光が記録トッラクの記録磁区が存在している部
分を走査しているときだけ、再生層において記録磁区が
転写、拡大していることを意味する。さらに、再生信号
は、磁気超解像モ−ド、すなわち、磁区転写された磁区
が拡大されずに再生された場合の再生信号の約1.5倍
の大きさに増幅されていた。この再生信号の増幅効果は
さらに微細な記録磁区において顕著に効果を現し、0.
4μm以下の微小磁区を記録した場合においても飽和振
幅(再生層の全ての磁化が下向きの場合の再生信号と再
生層の全ての磁化が上向きの場合の再生信号との差)に
対して80%(対飽和振幅比)の再生信号出力を得るこ
とができた。
分だけで信号が上昇して、記録磁区が存在しないところ
では信号は上昇していないことがわかった。このこと
は、再生光が記録トッラクの記録磁区が存在している部
分を走査しているときだけ、再生層において記録磁区が
転写、拡大していることを意味する。さらに、再生信号
は、磁気超解像モ−ド、すなわち、磁区転写された磁区
が拡大されずに再生された場合の再生信号の約1.5倍
の大きさに増幅されていた。この再生信号の増幅効果は
さらに微細な記録磁区において顕著に効果を現し、0.
4μm以下の微小磁区を記録した場合においても飽和振
幅(再生層の全ての磁化が下向きの場合の再生信号と再
生層の全ての磁化が上向きの場合の再生信号との差)に
対して80%(対飽和振幅比)の再生信号出力を得るこ
とができた。
【0065】この実施例の再生条件は、前記原理説明で
用いた図7との関係で次のように説明することができ
る。すなわち、パワー変調した再生光の低パワーPr1で
図7の磁区転写及び磁区拡大が起こる温度領域、即ち、
Tcr2=175℃〜Tc0mp=240℃にまで再生層が加熱
され、高パワーPr2で図7の磁区消滅が起こる温度領域
(エリアc)即ち、Tcomp(240℃)を超える温度か
らTc0=270℃までに加熱されている。また、記録方
向へ印加した直流磁界約80Oeは、磁気温度曲線A及
びBを図20のような関係に位置させている。すなわ
ち、この実施例で用いた光磁気ディスクの磁気温度特性
と印加した直流磁界との関係は、以下の要件(3)及び(4)
を満足している。以下に、この実施例で説明した再生方
法に必要な要件を列挙する。なお、この実施例で用いた
光磁気記録媒体の再生層と記録層自体の磁気特性は、前
述のように以下の(1)及び(2)の要件を満足している。
用いた図7との関係で次のように説明することができ
る。すなわち、パワー変調した再生光の低パワーPr1で
図7の磁区転写及び磁区拡大が起こる温度領域、即ち、
Tcr2=175℃〜Tc0mp=240℃にまで再生層が加熱
され、高パワーPr2で図7の磁区消滅が起こる温度領域
(エリアc)即ち、Tcomp(240℃)を超える温度か
らTc0=270℃までに加熱されている。また、記録方
向へ印加した直流磁界約80Oeは、磁気温度曲線A及
びBを図20のような関係に位置させている。すなわ
ち、この実施例で用いた光磁気ディスクの磁気温度特性
と印加した直流磁界との関係は、以下の要件(3)及び(4)
を満足している。以下に、この実施例で説明した再生方
法に必要な要件を列挙する。なお、この実施例で用いた
光磁気記録媒体の再生層と記録層自体の磁気特性は、前
述のように以下の(1)及び(2)の要件を満足している。
【0066】(1)少なくとも室温で膜面方向に磁化さ
れる再生層が、垂直方向へ磁化する臨界温度Tcr2とキ
ュリ−温度Tc0の間に補償温度Tc0mpを有すること。
れる再生層が、垂直方向へ磁化する臨界温度Tcr2とキ
ュリ−温度Tc0の間に補償温度Tc0mpを有すること。
【0067】(2)記録層のキュリ−温度Tcが再生層
の補償温度Tc0mpと再生層のキュリ−温度Tc0との間の温
度にあること。
の補償温度Tc0mpと再生層のキュリ−温度Tc0との間の温
度にあること。
【0068】この実施例では図7に示した前記特定の材
料を用いて光磁気ディスクを構成し、DC磁界=80O
eを記録方向に印加することにより上記要件(1)〜
(2)を満足させたが、この要件(1)〜(2)を満足
させることができる材料及び積層構造を有する光磁気記
録媒体並びに再生時に印加する外部磁界の大きさであれ
ば、任意のものを用いることができる。再生時に印加す
るDC磁界は記録方向のみならず、消去方向であっても
よい。
料を用いて光磁気ディスクを構成し、DC磁界=80O
eを記録方向に印加することにより上記要件(1)〜
(2)を満足させたが、この要件(1)〜(2)を満足
させることができる材料及び積層構造を有する光磁気記
録媒体並びに再生時に印加する外部磁界の大きさであれ
ば、任意のものを用いることができる。再生時に印加す
るDC磁界は記録方向のみならず、消去方向であっても
よい。
【0069】本発明の再生方法においては、DC磁界の
下で、再生光パワー強度を変調することによって、
(a) 磁区転写、(b)磁区拡大及び(c)転写磁区の
消滅のプロセスを実行している。これらのプロセスが行
われる時間は、記録層、補助磁化層、再生層の磁気特性
のみならず、記録層、補助磁化層、再生層、非磁性層、
誘電体層、保護層、及びその他の積層可能な磁性層また
は非磁性層、基板等の温度上昇速度や各層間の伝熱速度
にも依存する。これらの速度は、それらの層を構成する
材料の熱伝導性、厚み、積層構造等を適宜変更すること
によって調節することができ、それによって所望の再生
アクセス速度に対応させることができる。
下で、再生光パワー強度を変調することによって、
(a) 磁区転写、(b)磁区拡大及び(c)転写磁区の
消滅のプロセスを実行している。これらのプロセスが行
われる時間は、記録層、補助磁化層、再生層の磁気特性
のみならず、記録層、補助磁化層、再生層、非磁性層、
誘電体層、保護層、及びその他の積層可能な磁性層また
は非磁性層、基板等の温度上昇速度や各層間の伝熱速度
にも依存する。これらの速度は、それらの層を構成する
材料の熱伝導性、厚み、積層構造等を適宜変更すること
によって調節することができ、それによって所望の再生
アクセス速度に対応させることができる。
【0070】再生層に隣接する誘電体層及び非磁性層は
適度な断熱性を持つことが好ましいが、その断熱性の程
度は、記録再生のアクセス速度、或いは記録媒体におけ
る記録再生の線速度の大きさ、再生層及び記録層の熱伝
導性とを組み合わせた熱特性との関係で適宜調整するこ
とができる。
適度な断熱性を持つことが好ましいが、その断熱性の程
度は、記録再生のアクセス速度、或いは記録媒体におけ
る記録再生の線速度の大きさ、再生層及び記録層の熱伝
導性とを組み合わせた熱特性との関係で適宜調整するこ
とができる。
【0071】上記実施例では光磁気記録媒体の再生層が
誘電体層と非磁性層によって挟まれている構造を示した
が、上記再生層磁性層に接して面内方向の磁気異方性を
有する磁性体を積層してもよい。この磁性体は、そのキ
ュリー温度まで面内方向の磁気異方性が優勢で、そのキ
ュリー温度は再生層のキュリー温度とほぼ等しいことが
望ましい。かかる磁性体を再生層に接して積層すること
により、再生時の転写磁区におけるブロッホラインの発
生を抑制し、その抑制作用により再生時のノイズを低減
することができる。かかる磁性体の材料としては、PTc
0合金、例えば、Coを25原子%含むPTc0合金やGd
FeCo合金等を用いることができる。なお、かかる磁
性体は再生層の上側あるいは下側のいずれの側に接して
積層してもよい。
誘電体層と非磁性層によって挟まれている構造を示した
が、上記再生層磁性層に接して面内方向の磁気異方性を
有する磁性体を積層してもよい。この磁性体は、そのキ
ュリー温度まで面内方向の磁気異方性が優勢で、そのキ
ュリー温度は再生層のキュリー温度とほぼ等しいことが
望ましい。かかる磁性体を再生層に接して積層すること
により、再生時の転写磁区におけるブロッホラインの発
生を抑制し、その抑制作用により再生時のノイズを低減
することができる。かかる磁性体の材料としては、PTc
0合金、例えば、Coを25原子%含むPTc0合金やGd
FeCo合金等を用いることができる。なお、かかる磁
性体は再生層の上側あるいは下側のいずれの側に接して
積層してもよい。
【0072】実施例1ではパルス光を照射しながら記録
信号に応じて印加磁界の極性を変調する光磁界変調方式
を用い、実施例2及び3ではDC磁界を印加しながら記
録信号に応じて光強度を変調する光変調方式を用いてそ
れぞれ記録を行ったが、通常のDC光を用いた磁界変調
記録方式、光変調記録方式並びに光磁界変調方式のいず
れの方式を用いてもかまわない。
信号に応じて印加磁界の極性を変調する光磁界変調方式
を用い、実施例2及び3ではDC磁界を印加しながら記
録信号に応じて光強度を変調する光変調方式を用いてそ
れぞれ記録を行ったが、通常のDC光を用いた磁界変調
記録方式、光変調記録方式並びに光磁界変調方式のいず
れの方式を用いてもかまわない。
【0073】また、上記各実施例に用いた光磁気記録媒
体は、各実施例に記載した積層膜構成の光磁気記録媒体
に限定されるものではなく、例えば図1、図3、及び図
4に記載した各光磁気記録媒体の何れを各実施例に用い
てもかまわない。
体は、各実施例に記載した積層膜構成の光磁気記録媒体
に限定されるものではなく、例えば図1、図3、及び図
4に記載した各光磁気記録媒体の何れを各実施例に用い
てもかまわない。
【0074】
【発明の効果】本発明では、光磁気記録媒体の磁気記録
膜に記録した磁区信号を再生専用の磁気記録膜に転写を
する手段によって再生を行う方式の記録媒体であるが、
前記再生層に室温以上からある臨界温度(Tcr2)まで
は面内磁化膜でありTcr2以上で垂直磁化に転移する磁
性材料を用いることによって、記録磁区信号を転写し、
拡大して再生することを可能にしたものであり、これま
で記録はできるが再生が困難であった、超微細な記録磁
区信号の再生を可能にした。このためにより一層の高密
度記録が可能になり、再生信号のC/N比の大幅な向上
が次の段階として要請されている。
膜に記録した磁区信号を再生専用の磁気記録膜に転写を
する手段によって再生を行う方式の記録媒体であるが、
前記再生層に室温以上からある臨界温度(Tcr2)まで
は面内磁化膜でありTcr2以上で垂直磁化に転移する磁
性材料を用いることによって、記録磁区信号を転写し、
拡大して再生することを可能にしたものであり、これま
で記録はできるが再生が困難であった、超微細な記録磁
区信号の再生を可能にした。このためにより一層の高密
度記録が可能になり、再生信号のC/N比の大幅な向上
が次の段階として要請されている。
【0075】本発明では、再生層磁化膜と磁気記録層と
の間に、室温から所望の臨界温度まで垂直磁化である
が、臨界温度Tcr1以上の温度で面内磁化に転移する補
助磁化膜を形成することによって、再生層磁化膜に転写
拡大する再生信号に、外部磁場、洩れ磁界等の磁気ノイ
ズの進入を、上記補助磁化膜の面内磁化転移によって、
遮蔽防止を行い、再生信号のC/Nを大幅に向上するこ
とができる。
の間に、室温から所望の臨界温度まで垂直磁化である
が、臨界温度Tcr1以上の温度で面内磁化に転移する補
助磁化膜を形成することによって、再生層磁化膜に転写
拡大する再生信号に、外部磁場、洩れ磁界等の磁気ノイ
ズの進入を、上記補助磁化膜の面内磁化転移によって、
遮蔽防止を行い、再生信号のC/Nを大幅に向上するこ
とができる。
【0076】さらに、再生光スポット径に比べて極めて
微小な記録マークも独立して再生することができるた
め、光磁気記録媒体の記録密度を著しく向上させること
ができる。また、再生時に印加する磁界はDC磁界でよ
く交番磁界を用いる必要がないため、安価で簡単な構造
の再生装置を用いて再生操作を行うことができる。
微小な記録マークも独立して再生することができるた
め、光磁気記録媒体の記録密度を著しく向上させること
ができる。また、再生時に印加する磁界はDC磁界でよ
く交番磁界を用いる必要がないため、安価で簡単な構造
の再生装置を用いて再生操作を行うことができる。
【0077】この光磁気記録媒体を用いることにより、
再生光スポットより小さな微小磁区を記録信号として記
録した後、かかる微小磁区を他の磁区と区別して且つ増
幅された再生信号で検出することができる。それゆえ、
本発明の光磁気記録媒体は、高密度光磁気記録媒体とし
て極めて有用である。
再生光スポットより小さな微小磁区を記録信号として記
録した後、かかる微小磁区を他の磁区と区別して且つ増
幅された再生信号で検出することができる。それゆえ、
本発明の光磁気記録媒体は、高密度光磁気記録媒体とし
て極めて有用である。
【図1】図1は、本発明の光磁気記録媒体の積層構造を
概念的に示す断面図である。
概念的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の光磁気記録媒体の光磁気記録
層と補助磁化膜と光磁気再生層の磁気温度特性を示す図
である。
層と補助磁化膜と光磁気再生層の磁気温度特性を示す図
である。
【図3】図3は、本発明の光磁気記録媒体の他の積層構
造を概念的に示す断面図である。
造を概念的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の光磁気記録媒体の他の積層構
造を概念的に示す断面図である。
造を概念的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の光磁気記録媒体の再生前の各
層の磁化状態を示す概念図(A)、光磁気記録媒体の転
写時の各層の磁化状態を示す概念図(B)、光磁気記録
媒体の転写磁区の拡大時の各層の磁化状態を示す概念図
(C)である。
層の磁化状態を示す概念図(A)、光磁気記録媒体の転
写時の各層の磁化状態を示す概念図(B)、光磁気記録
媒体の転写磁区の拡大時の各層の磁化状態を示す概念図
(C)である。
【図6】図6は、本発明の光磁気記録媒体に再生光を照
射したときの読み出し部の温度プロファイルを示すグラ
フである。
射したときの読み出し部の温度プロファイルを示すグラ
フである。
【図7】図7は、本発明の光磁気記録媒体の光磁気記録
層と補助磁化層と光磁気再生層の磁気温度特性を示す図
である。
層と補助磁化層と光磁気再生層の磁気温度特性を示す図
である。
1 基板 3 誘電体膜 24 再生層磁性膜 10 光磁気記録膜 28 補助磁化膜
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも再生用磁化膜と記録
用磁化膜を備える光磁気記録媒体おいて、前記再生用磁
化膜が再生光によって面内磁化から垂直磁化へ転移し
て、記録磁区信号を転写し、拡大し、そして消滅する行
程の内、少なくとも記録磁区信号を転写し拡大する行程
を機能して、前記記録磁区信号を再生すると共に、前記
再生用磁化膜に記録磁区信号が転写された後は、前記再
生用磁化膜への少なくとも前記記録磁区信号磁界につい
て遮断することと前記記録磁区信号磁界の遮断を解消す
ることを行う機能を備える補助磁化膜を、前記記録用磁
化膜と前記再生用磁化膜との間に備えることを特徴とす
る光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 基板上に少なくとも再生用磁化膜と補助
磁化膜と記録用磁化膜とを備える磁気記録媒体おいて、
常温で面内磁化性の再生用磁化膜が垂直磁化に転移する
臨界温度Tcr2が、前記記録用磁化膜と前記再生用磁化
膜との間に備える、室温で垂直磁化の補助磁化膜の面内
磁化に転移する臨界温度Tcr1より高く、前記記録用磁
化膜のキュリーポイントTc0及び補助磁化膜のキュリー
ポイントTc1より低くく、且つ前記記録用磁化膜のキュ
リーポイントTc0は、前記補助磁化膜のキュリーポイン
トTc1及び前記再生用磁化膜のキュリーポイントTc2より
も低く構成されることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 基板上に少なくとも記録用垂直磁化膜を
備える光磁気記録媒体おいて、前記基板と前記記録用垂
直磁化膜との間に、室温では面内磁化であるが、再生光
によって垂直磁化へ転移する臨海温度Tcr2を持つ再生
用磁化膜を備えると共に、室温では垂直磁化であるが、
再生光によって面内磁化へ転移する臨海温度Tcr1を持
つ補助磁化膜を前記再生用磁化膜と前記記録用垂直磁化
膜との間に備えることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記補助磁化膜は前記記録用磁化膜に積
層されており、該補助磁化膜と前記再生用磁化膜との間
に非磁性膜を備えることを特徴とする特許請求の範囲第
1項、第2項、及び第3項に記載された光磁気記録媒
体。 - 【請求項5】 前記補助磁化膜には臨界温度Tcr1が前
記再生用磁化膜の臨界温度Tcr2よりも高い磁性材料を
用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2
項、及び第3項に記載された光磁気記録媒体。 - 【請求項6】 前記再生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前
記補助磁性膜の臨界温度Tcr1との温度差ΔTの値は、
前記再生用磁化膜に前記記録磁気信号が転写された後
に、前記補助磁性膜が垂直磁化から面内磁化へ転移する
に相当する値であることを特徴とする特許請求の範囲第
5項に記載された光磁気記録媒体。 - 【請求項7】 前記再生用磁化膜の臨界温度Tcr2と前
記補助磁性膜の臨界温度Tcr1との温度差ΔTの値は、
前記再生用磁化膜に転写された磁区が拡大された後、前
記補助磁性膜の面内磁化が消失される値であることを特
徴とする特許請求の範囲第5項に記載された光磁気記録
媒体。 - 【請求項8】 前記記録用磁化膜のキュリー温度Tcと
前記補助磁性膜のキュリー温度Tc1及び臨界温度Tcr1と
前記再生用磁化膜のキュリー温度Tc2及び臨界温度Tcr2
との間には、室温<Tcr2<Tcr1<Tc<Tc1、Tc2の関
係があることを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載
された光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19341497A JPH1139737A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19341497A JPH1139737A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1139737A true JPH1139737A (ja) | 1999-02-12 |
Family
ID=16307571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19341497A Withdrawn JPH1139737A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1139737A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999039341A1 (fr) * | 1998-01-30 | 1999-08-05 | Hitachi Maxell, Ltd. | Support d'enregistrement optomagnetique, procede de reproduction associe et dispositif de reproduction associe |
WO2002077987A1 (fr) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Hitachi Maxell, Ltd. | Support d'enregistrement magneto-optique et procede de reproduction |
-
1997
- 1997-07-18 JP JP19341497A patent/JPH1139737A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999039341A1 (fr) * | 1998-01-30 | 1999-08-05 | Hitachi Maxell, Ltd. | Support d'enregistrement optomagnetique, procede de reproduction associe et dispositif de reproduction associe |
US6633514B1 (en) | 1998-01-30 | 2003-10-14 | Hitachi Maxell, Ltd. | Magneto-optical reproducing method using a plural of different reproducing beams |
WO2002077987A1 (fr) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Hitachi Maxell, Ltd. | Support d'enregistrement magneto-optique et procede de reproduction |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20040428 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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