JP3557770B2 - 高密度光ディスク、および、その再生方法 - Google Patents

高密度光ディスク、および、その再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気光学効果(カー効果)を利用して読み出しを行なう再生専用の高密度光ディスクとその再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、画像など大容量情報を低コストで頒布する手段として光ディスクが広く採用されている。しかしデジタルビデオディスク(DVD)に見られるように、高品質の動画情報を扱うためには光ディスクのさらなる高容量化が望まれている。書き換え可能な光磁気記録方式では磁気的超解像による信号再生が発明されたため(Aratani et Al. Optical Data Strage 1991)、レーザービームの回折限界を越えて高容量化を達成する道筋が見えてきている。、特に磁気的超解像において、磁性層として室温で面内磁化、高温で垂直磁化となるGdFeCoを用いた技術がMurakamiらによって報告されている(J. Magn. Soc. Jpn., 17 Suppl. S1(1993)
201 )。
【0003】
しかし、プリピットを用いた再生専用の光ディスクにおいては、超解像による信号再生の手法がいくつか提案されてはいるが、最適な技術手法はいまだに確立されていない。例えば、再生専用光ディスクの超解像技術の手法には、マスク材料で分けると以下の2つがある。
【0004】
【表1】
Figure 0003557770
【0005】
相変化材料、有機色素材料いずれの方式も、レーザービームスポット内の一部領域を、ビーム照射による昇温で反射率を変え、実効的なアパチャーを回折限界以下にしぼり、プリピットの超解像再生を実現する。しかしどちらの材料も繰り返し耐久性が低いという欠点を抱えている。例えば相変化材料では、溶融状態を実現するために薄膜の温度を信号再生のたびに500℃付近にまであげる。このため組成の偏析が発生する。また有機色素材料では、薄膜の温度は200℃前後ではあるが色素の分解が発生する。このために現在までのところ1万回以上の再生実験はなされていない。再生専用の光ディスクであれば、少なくとも10の8乗回以上の再生耐久性を満たす必要がある。
【0006】
レーザービームスポット内に形成されるアパチャーの位置により、再生方式を分類をすることができる。ビームの中心に対して進行方向側にアパチャーがあいていればフロントアパチャーという。ビームの中心に対して進行方向側とは逆側にアパチャーがあいていればリアアパチャーという。ビームの中心付近にアパチャーがあいていればセンターアパチャーという。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
超解像による高容量のDVDが、市場に広く受け入れられるために満たさなければならない条件として、以下の2点即ち
1.安価であること。
【0008】
2.繰り返し耐久性が高いこと。
【0009】
が必要である。そのためには、現在すでに市場に受け入れられている希土類−遷移金属アモルファス合金を用いた光磁気ディスク技術を、超解像の手法として盛り込むことが最も好ましい。それは既存の生産ラインを転用できるからであり、またその繰り返し耐久特性も10の8乗回以上をクリアすることが保証されているからである。そこで、本発明は、再生専用光ディスクの高密度化を達成するために、希土類−遷移金属アモルファス合金を用いて、再生専用光ディスクの超解像再生を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は下記の構成を特徴とする。
【0011】
a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
b)前記ピット部は凹状または凸状で、
c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
e)少なくとも1層の磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
g)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
θ1≠θ2
としたことを特徴とする。
【0012】
前記情報信号を再生する方法において、再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキュリー温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域とすることで波形干渉をとりのぞいて磁気的超解像を達成し、磁気光学信号のカー回転角として前記情報信号を再生することことを特徴とする。ここでマスク領域とは情報信号が再生されない領域のことである。
【0013】
さらに前記情報信号を再生するもう一つの方法として、再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とすることで波形干渉をとりのぞいて磁気的超解像を達成し、磁気光学信号のカー回転角として前記情報信号を再生することことを特徴とする。ここでアパチャー領域とは情報信号が再生される領域のことである。
【0014】
マスク領域とアパチャー領域は互いに相補的な関係にあり、両者を加えた領域がビームスポットになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下の実施例は以下のアウトラインに従って述べる。
【0016】
実施例1は、基本的なメカニズムの説明に関するものである。
【0017】
実施例2は、ディスク構成(1)のフロントアパチャーに関するものである。
【0018】
実施例3は、ディスク構成(2)のリアアパチャーに関するものである。
【0019】
実施例4は、ディスク構成(3)のリアアパチャーに関するものである。
【0020】
実施例5は、ディスク構成(4)のリアアパチャーに関するものである。
【0021】
実施例6は、エンハンスメント構造について光学シミュレーションと測定に関するものである。
【0022】
〔実施例1〕
本発明の基本的なメカニズムを以下に説明する。
【0023】
図1は、本発明における基本的なディスク構造の側面断面図である。101は一定の条件(外部磁界、温度)を満たすときに垂直磁化となる磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。102は透明な薄膜(以下ではエンハンスメント層と呼ぶ)、103は基板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体薄膜である。図1では第1の領域(201)と第2の領域(202)の光学的な干渉構造が異なるために、基板側から入射したレーザービームが受けるカー回転角のエンハンスメントが異なる。そのため磁性膜を一様に磁化させた状態では、第1の領域と第2の領域のカー回転角が異なる。これを基板側から模式的に表したのが図2である。基板側から直線偏光を入射したとき反射光の差動検出を行い、第2の領域を、情報信号を有するROMピットに見立てるならば、この情報信号は磁気光学信号として再生することができる。ここで差動検出を行うとき、性能指数Fは
F=(カー回転角)×(反射率)
で表すのが適している。一般的にカー回転角のエンハンスメントと反射率は互いにトレードオフの関係にあることからもこのような性能指数の評価によるディスク構造の最適化が必要である。
【0024】
本発明は4種類のディスク構成からなる。以下に各ディスク構成について、超解像による信号再生のメカニズムを説明する。
【0025】
ディスク構成(1):図3は本構成の側面断面図である。多層薄膜101が含む磁性層として、室温で垂直磁化でありカー回転角を有し、昇温するとキュリー温度に達してカー回転角を失う磁性膜301を用いる。このような磁性膜の1例としてTbFeCoがあげられる。重希土類の組成範囲は15at%から28at%が垂直磁化を得る組成として適切である。302、303は透明な誘電体である。図4は本構成の再生過程を示す図である。最初に磁性層の磁化は1方向にそろえてあるとする。これを初期化状態と呼ぶ。外部磁界を加えながら信号再生のためのレーザーパワーを上げて、ビーム照射領域を温度T1にまで上げるならば、ビームスポット後方の高温部分において磁性層のカー回転角が低下する。ついにはカー回転角を失うマスク領域A(401)が出現する。一方、ビームスポット前方ではいまだ低温であるために、このアパチャー領域B(402)からのカー回転角による信号再生が可能である。領域A、領域Bのカー回転角の絶対値をそれぞれθA、θBとすれば
θA<θB
である。したがって領域Bの信号再生において領域Aの情報信号からの干渉効果を排除することが可能となる。これは磁気的超解像におけるフロントアパチャーに対応している。そのため本発明において情報信号を有するROMピットの超解像再生が実現する。ここで203はROMピット部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を向くことでカー回転角による情報信号を有する領域を示す。レーザービームが通過した後では、磁性層の磁化は外部磁界に応じて一定方向を向くため初期化が自動的に完了している。
【0026】
ディスク構成(2):図5は本構成の側面断面図である。多層薄膜101が含む磁性層として、室温で面内方向の磁化を有し、高温域(温度T1以上)で垂直磁化に遷移する磁性膜501を用いる。このような磁性層は、希土類リッチのGdFeCo膜を用いて実現できることが知られている。Gdは28at%以上、32at%以下の範囲が適切である。302、303は透明な誘電体である。図6は本発明の再生過程を示す図である。外部磁界を加えながら信号再生のためのレーザーパワーを上げて、ビーム照射領域を温度T2にまで上げるならば、ビームスポット後方の高温部分において、磁性層は面内磁化から垂直磁化に遷移し、カー回転角を有するアパチャー領域B(601)が出現する。一方、ビームスポット前方ではいまだ低温であるために、磁性層は面内方向の磁化でありこのマスク領域A(602)からのカー回転角による信号は存在しない。領域A、領域Bのカー回転角の絶対値をそれぞれθA、θBとすれば
θA<θB
である。したがって領域Bの信号再生において領域Aの情報信号からの干渉効果を排除することが可能となる。これは磁気的超解像におけるリアアパチャーに対応している。そのため本発明において情報信号を有するROMピットの超解像再生が実現する。ここで203はROMピット部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を向くことでカー回転角による情報信号を有する領域を示す。
【0027】
さらに図7に示すように、領域Bの中の後方の領域C(703)がキュリー温度付近まで上がるのならば、この領域Cからのカー回転角の信号も存在しない。この場合はビーム中央部の領域B(701)のみが再生信号に寄与し、領域A(702)、領域C(703)がマスクされるため、磁気的超解像におけるセンターアパチャーが実現される。図6、図7いずれが実現するかは、多層薄膜の熱拡散構造、レーザービームのパワー、磁性層の磁気特性(キュリー温度Tc、垂直磁気異方性Ku、原子間の交換結合力A、保磁力Hc)に依存する。
【0028】
ディスク構成(3):前記した(2)の構成において、磁性層501に隣接して交換結合する磁性層502を配置する。これを図8に示す。302、303は透明な誘電体である。磁性層502は室温で垂直磁化であり、501がキュリー温度に達しても垂直磁化を保つとする。例えば1例としてTb20Fe70Co10(at%)があげられる。このようにすると再生時に外部磁界を加えなくても、磁性層502からの交換結合力で磁性層501は、面内磁化から垂直磁化に遷移することができる。またビーム通過後の降温時には、磁性層501は面内磁化にもどる。従って図6に示した磁気的超解像におけるリアアパチャーが実現される。
【0029】
ディスク構成(4):本構成を図9に示す。磁性層901として垂直磁化膜であるGdFeCoを使う。垂直磁化を実現するGdの組成範囲は15at%以上、28at%以下が好ましい。これに隣接して交換結合する磁性層902、磁性層903を順に配置する。302、303は透明な誘電体である。磁性層903は室温から高温にかけて面内磁化膜である。また磁性層902は、磁性層901、903と比較して低いキュリー温度を有する。このようにすると、室温において磁性層901は、磁性層903からの交換結合のために面内磁化となる。これはGdの垂直磁気異方性が低いからである。しかし昇温すると磁性層902がキュリー温度に達するため、磁性層901と磁性層903の間の交換結合力が切れて、磁性層901は垂直磁化に遷移する。このような構成をとれば図6に示した磁気的超解像におけるリアアパチャーが実現される。またビーム通過後の降温時には、磁性層903からの交換結合力が復活して磁性層901は面内磁化にもどる。
【0030】
以下の実施例の中でnは屈折率の実数部、kは虚数部を表す。
【0031】
〔実施例2〕
ここでは実施例1で述べたディスク構成(1)に関して具体的な実施例を述べる。
ディスク構成
図3は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、103は基板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmのプリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表2に示した。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォトレジストを用いた。
【0032】
【表2】
Figure 0003557770
【0033】
磁性層で用いたTbFeCoは、アモルファスの垂直磁化膜で、Tcは200℃、Hcは800kA/mである。エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0034】
【表3】
Figure 0003557770
【0035】
このときピット部と平坦部のエンハンスメント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K×Rは次の表のようになる。
【0036】
【表4】
Figure 0003557770
【0037】
また平坦部におけるカー回転角の温度変化を図10に示した。測定は24 kA/mの外部磁界のもとで行った。図10より、室温のカー回転角の絶対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
θ1>θ2
が成り立つ。例えば150℃でのカー回転角は室温の約1/2である。従って150℃以上に昇温した領域からの信号は室温の領域に比べて(1/2)2の強度に抑圧されている。
【0038】
再生方法
また再生条件は以下のとおりである。
【0039】
【表5】
Figure 0003557770
【0040】
ただし、再生磁界は基板に対して垂直方向であり、この方向を第1の方向とする。
【0041】
再生信号の評価結果
再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示す。
【0042】
【表6】
Figure 0003557770
【0043】
表6によれば3.0mW以上でC/Nが高くなることがわかる。この3.0mWという値は、通常の光磁気記録を行ったとき、磁区が形成される温度に対応するレーザーパワーである。また再生磁界を0 A/mにして5.0mWで同一トラックを読み続けると、C/Nは32dBとなってしまう。再生磁界が0 A/mであれば、高パワーの再生レーザービームがそのトラックをスキャンしても、ビーム内には外部磁界が存在しないためにメイズ磁区が形成され、見かけのカー回転角を失い本発明の効果を失ってしまうからである。
【0044】
次に比較例として以下の構成を有するディスクを作製した。
【0045】
【表7】
Figure 0003557770
【0046】
5.0mWの再生パワーで比較例を評価すると、C/Nは
【0047】
【表8】
Figure 0003557770
【0048】
であった。これらの比較例から、本発明の必要条件として次のことが要求される。
【0049】
(1)104の誘電体薄膜が必要である。
【0050】
(2)多層膜には、基板側からの測定において磁気光学的に活性な磁性層を含むことが必要である。
【0051】
(3)ピット深さは0ではない有限の値が必要である。
【0052】
なお本実施例1において、エンハンスメント層としてフォトレジストのかわりにSiO2系被膜形成用塗布液をもちいても、本発明におけるエンハンスメント層の効果を有する。そこで実施例2ー1として、実施例2の樹脂層のかわりにSiO2系被膜形成用塗布液をエンハンスメント層として用いた。このときSiO2層の屈折率は1.5である。この実施例2ー1に対して表5の再生条件において信号再生を行った時、3.0mWの再生パワーで47dBが得られた。したがって実施例2と同等の効果を有する。
【0053】
なお本発明の磁性層は、室温で垂直磁化膜、再生レーザービームを照射して昇温したときの温度でカー回転角が低下する特性を持つものであれば本発明と同等の効果を有する。従ってこの特性を満たす範囲で本実施例の磁性層組成のTb量を変えても、Tbを他の希土類(Gd、Dy)で置き換えても、あるいはCo量を変えても本発明の効果は失われない。
【0054】
また本実施例において、ピットは凸形状でも本発明の効果を有する。
【0055】
〔実施例3〕
ここでは実施例1で述べたディスク構成(2)に関して具体的な実施例を述べる。
【0056】
ディスク構成
図5は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、103は基板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmのプリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表9に示した。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォトレジストを用いた。
【0057】
【表9】
Figure 0003557770
【0058】
磁性層で用いたGdFeCoは、室温で希土類の副格子磁化が優勢(希土類リッチ)であり、室温とキュリー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、
Gd32Fe59Co9
でありアモルファス膜である。このGdFeCoは単独で、室温では面内磁化膜、昇温すると垂直磁化膜に遷移し、200℃では垂直磁化膜である。この理由は、垂直磁気異方性の大きさより、磁化による反磁界が優勢なときには面内磁化膜であり、補償温度近傍でみかけの磁化が低下すると反磁界が低下し、垂直磁気異方性が優勢となり垂直磁化となるからである。垂直磁化膜を示す温度領域では、面に垂直な方向にかけた外部磁界と同じ方向にみかけの磁化は向き、垂直磁化膜特有の角形のヒステリシスループをえがく。
【0059】
エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0060】
【表10】
Figure 0003557770
【0061】
このときピット部と平坦部のエンハンスメント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温において磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定した。
【0062】
【表11】
Figure 0003557770
【0063】
また平坦部におけるカー回転角の温度変化を図11に示した。24 kA/mの外部磁界のもとでカー回転角の測定を行った。図11より室温のカー回転角の絶対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
θ1<θ2
が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角は0°であるが、150℃でのカー回転角は0.7°である。従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃以上の領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃以上の領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び信号強度が低下する。従って、150℃から300℃付近までがアパチャー領域に対応する。
【0064】
製造方法
製造方法を図18に示す。図18(a)で示したように、厚み1.2mmの透明でフラットなPC基板1801上に、2P法で情報信号を有する凹状のプリピット1803を形成する。1802は2P樹脂である。この状態が図5の符号103に相当する。プリピットの直径は0.4μm、深さは50nmの円筒である。ピット底面は平坦である。プリピットはトラック方向に0.8μmのピッチで形成される。隣接トラックとの距離は1.6μmである。次に図18(b)で示したようにスパッタリングによりZnSを50nm成膜し104の誘電体薄膜とする。100nm程度までの誘電体薄膜はピットの凹凸構造をそのまま再現することができる。次に図18(c)で示すようにエンハンスメント層102として樹脂をスピンコートにより塗布する。フォトレジストは紫外線で硬化させる。フォトレジストの厚みは平坦部において710nmである。図18(c)に示したようにピットはフォトレジストにより充填されており、フォトレジストの大気側表面は平坦になっている。この平坦性に関して、5nm以下の凹凸であれば、再生信号に悪影響を与えない。またフォトレジストの厚みが2.0μm以内であれば、本実施例でPC基板上に形成した構造は再生レーザー光のビームウエストにおさまり、レーザー光の多重反射を引き起こして本発明の効果を発揮することができる。次にフォトレジストの上に前記多層薄膜101をスパッタリングにより順に形成する。こうして図5で示したディスク構造ができる。
【0065】
再生方法
信号再生条件は以下のとおりである。
【0066】
【表12】
Figure 0003557770
【0067】
ただし、再生磁界は基板に対して垂直方向であり、この方向を第1の方向とする。
【0068】
再生信号の評価結果
再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示す。
【0069】
【表13】
Figure 0003557770
【0070】
表6によれば3.0mW以上でC/Nが高くなることがわかる。この3.0mWという値は、通常の光磁気記録を行ったとき、磁区が形成される温度に対応するレーザーパワーである。また再生磁界を0 A/mにして5.0mWで同一トラックを読み続けると、C/Nは32dBとなってしまう。再生磁界が0 A/mであれば、高パワーの再生レーザービームがそのトラックをスキャンしても、ビーム内には外部磁界が存在しないためにメイズ磁区が形成され、見かけのカー回転角を失い本発明の効果を失ってしまうからである。
【0071】
次に比較例として以下の構成を有するディスクを作製した。
【0072】
【表14】
Figure 0003557770
【0073】
5.0mWの再生パワーで比較例を評価すると、C/Nは
【0074】
【表15】
Figure 0003557770
【0075】
であった。これらの比較例から、本発明の必要条件として次のことが要求される。
【0076】
(1)104の誘電体薄膜が必要である。
【0077】
(2)多層膜には、基板側からの測定において磁気光学的に活性な磁性層を含むことが必要である。
【0078】
(3)ピット深さは0ではない有限の値が必要である。
【0079】
なお本実施例3において、エンハンスメント層としてフォトレジストのかわりにSiO2系被膜形成用塗布液をもちいても、本発明におけるエンハンスメント層の効果を有する。また本実施例において、ピットは凸形状でも本発明の効果を有する。
【0080】
なお本発明の磁性層は、室温で面内磁化膜、再生レーザービームを照射して昇温したときの温度で垂直磁化となる特性を持つものであれば本発明と同等の効果を有する。従ってこの特性を満たす範囲で本実施例の磁性層組成のGd量を変えても、あるいは同時にCo量を変えても本発明の効果は失われない。
【0081】
〔実施例4〕
ここでは実施例1で述べたディスク構成(3)に関して具体的な実施例を述べる。
【0082】
ディスク構成
図8は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、103は基板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmのプリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表16に示した。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォトレジストを用いた。
【0083】
【表16】
Figure 0003557770
【0084】
磁性層で用いたGdFeCoは、室温で希土類の副格子磁化が優勢(希土類リッチ)であり、室温とキュリー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、
Gd32Fe59Co9
でありアモルファス膜である。このGdFeCoは単独で室温では面内磁化膜、昇温すると垂直磁化膜に遷移し、200℃では垂直磁化膜である。磁性層2はキュリー温度300℃を有する垂直磁化膜である。磁性層1が垂直磁化を示す温度領域では、磁性層1の副格子磁化は磁性層2の副格子磁化方向と同じ方向に向き、垂直磁化膜特有の角形のヒステリシスループをえがく。
【0085】
エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0086】
【表17】
Figure 0003557770
【0087】
このときピット部と平坦部のエンハンスメント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温において磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定した。
【0088】
【表18】
Figure 0003557770
【0089】
また平坦部におけるカー回転角の温度変化を図12に示した。各温度ステップごとに800 kA/mの外部磁界で初期化を行った後、24 kA/mの外部磁界のもとでカー回転角の測定を行った。図12より室温のカー回転角の絶対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
θ1<θ2
が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角は0.15°であるが、150℃でのカー回転角は0.7°である。従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃以上の領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃以上の領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び信号強度が低下する。従って、150℃から300℃付近までがアパチャー領域に対応する。
【0090】
再生方法
信号再生条件は以下のとおりである。
【0091】
【表19】
Figure 0003557770
【0092】
信号再生前にはあらかじめ外部磁界を加えて、磁性層2の磁化方向を初期化しておく。
【0093】
再生信号の評価結果
再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示す。
【0094】
【表20】
Figure 0003557770
【0095】
表6によれば1.5mW以上でC/Nが高くなることがわかる。
【0096】
〔実施例5〕
ここでは実施例1で述べたディスク構成(4)に関して具体的な実施例を述べる。
【0097】
ディスク構成
図9は本実施例の側面断面図である。101は垂直磁化を有する磁性層を少なくとも1層含む多層薄膜である。102は透明な樹脂からなるエンハンスメント層、103は基板、104は屈折率が102、103とは異なる誘電体薄膜である。基板は、表面に2P法で深さ50nmのプリピットを形成した屈折率1.6のPC基板を用いた。多層薄膜101の構成も含めて、各薄膜を表21に示した。プリピットは直径0.4ミクロンであり、ピット列のピッチは0.8ミクロンである。またトラック間の間隔は1.6ミクロンである。102の樹脂としてフォトレジストを用いた。
【0098】
【表21】
Figure 0003557770
【0099】
磁性層で用いたGdFeCoは、室温で遷移金属副格子磁化が優勢(遷移金属リッチ)であり、室温とキュリー温度との間に補償温度を持つ。その組成は、
Gd20Fe70Co10
でありアモルファス膜である。このGdFeCoは、室温では垂直磁化膜である。一方、磁性層2はキュリー温度が130℃の面内磁化膜である。また磁性層3はキュリー温度が300℃以上の面内磁化膜である。磁性層1と磁性層2、磁性層2と磁性層3は室温で互いに交換結合している。そのため磁性層1は、この多層膜構成において室温で面内磁化膜となる。しかし昇温すると、磁性層2の交換結合力が失われ、磁性層1の磁化は磁性層3の支配から解き放たれる。そのため昇温時には磁性層1は垂直磁化膜である。
【0100】
エンハンスメント層は屈折率1.6の樹脂を用いる。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0101】
【表22】
Figure 0003557770
【0102】
このときピット部と平坦部のエンハンスメント層厚み、カー回転角Kと反射率R、さらにその積K×Rは次の表のようになる。ただし測定は、室温において磁性層1を外部磁界により垂直に磁化した状態で測定した。
【0103】
【表23】
Figure 0003557770
【0104】
また平坦部におけるカー回転角の温度変化を図13に示した。24 kA/mの外部磁界のもとでカー回転角の測定を行った。図13より室温のカー回転角の絶対値をθ1、昇温時のカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
θ1<θ2
が成り立つ領域が存在する。例えば室温でのカー回転角は0°であるが、150℃でのカー回転角は0.8°である。従って室温の領域からの信号は抑圧され、150℃以上の領域からの信号が検出可能となる。ただし300℃以上の領域ではカー回転角が急激に低下するため、再び信号強度が低下する。従って、150℃から300℃付近までがアパチャー領域に対応する。
【0105】
再生方法
信号再生条件は以下のとおりである。
【0106】
【表24】
Figure 0003557770
【0107】
再生信号の評価結果
再生時のC/N(狭帯域S/N)を再生パワーごとに以下に示す。
【0108】
【表25】
Figure 0003557770
【0109】
表6によれば1.5mW以上でC/Nが高くなることがわかる。
【0110】
〔実施例6〕
実施例2におけるエンハンスメント層の最適な厚みについて、光学シミュレーションと測定を用いて議論する。シミュレーションは仮想屈折率法に従う。波長は830nmとする。なお本実施例のシミュレーションでは、ピットの形状による反射光の回折は考えず、無限平面を仮定する。また測定はフラット基板に多層薄膜を積層して行った。図14は光学シミュレーション、測定で取り上げるディスクの側面断面図である。1400はフラットなPC基板である。媒体構造を表26に示した。
【0111】
【表26】
Figure 0003557770
【0112】
基板の屈折率を1.6とする。光は基板側から入射する。また各薄膜の屈折率は以下の通りである。
【0113】
【表27】
Figure 0003557770
【0114】
以下にx=50nmのときの光学シミュレーション値と測定結果を示す。以下の図では、横軸がエンハンスメント層厚みy nmである。また実線はシミュレーション値、黒ぬきの正方形は測定値である。またこれらのシミュレーションにおいては、エンハンスメント層の吸収が0であるため、カー回転角、反射率、カー回転角と反射率の積はエンハンスメント層の厚みyに対してそれぞれ周期関数となっている。従って少なくとも1周期分のみを表示すれば、エンハンスメント層厚みy nmに関する光学特性を調べる上では十分である。
【0115】
図15はエンハンスメント層厚みyとカー回転角の関係である。エンハンスメント層厚みの2つの異なる点をとり、この内、小さい方の厚みを情報信号ピット列における平坦部に対応させる。そして大きい方の厚みを情報ピット列におけるピット部に対応させる。ここでカー回転角のプラス領域のピークとマイナス領域のピークをこの2点としてとれば、以下の表に示す2つのエンハンスメント層厚みyの組み合わせにより、情報信号ピットの変調を実現することができる。例えばその1例を表11に示した。
【0116】
【表28】
Figure 0003557770
【0117】
この場合a)よりもb)の組合わせを採用するのが製造技術上有利である。なぜならば深いピットをフォトレジストで平坦に充填することが困難だからである。図16はエンハンスメント層厚みyと反射率の関係である。表11のa)b)の組合わせのとき、同じ反射率間の変調になる。図17はエンハンスメント層厚みyと性能指数の関係である。表11a)b)いずれの組合わせにおいても、性能指数はプラス領域とマイナス領域のあいだの変調をとることができ、良質な信号品質を得ることができる。これは多層薄膜101の構造をセラミックス/磁性層(20nm程度)/セラミックスとしたことに起因する。例えば比較例7として、多層薄膜101の構造をセラミックス/磁性層(20nm程度)/セラミックス/金属反射膜とした場合、あるいは比較例8としてセラミックス/磁性層(100nm程度)/セラミックスとした場合、性能指数はプラス領域のみとなり、その変調量は本実施例と比べて小さいものとなる。比較例7、8においても第0のセラミックス層にSiなどの高屈折率材料をつければ、プラス領域とマイナス領域の変調をつくることができる。しかしこの場合、第0のセラミックス層の膜厚依存性が急峻であるた製造マージンが狭くなってしまう。
【0118】
さらに仮想屈折率のシミュレーション式から明らかなように、x=0 nmであるときカー回転角の周期的な変調は起こらない。またこのシミュレーションにおいては基板とエンハンスメント層の屈折率は等しいとしたので、仮に第0のセラミックス層の屈折率を、基板あるいはエンハンスメント層の屈折率と等しくとればカー回転角の周期的な変調は起こらないことが明らかである。
【0119】
図19は第0セラミックスの膜厚の下限と上限を示した図である。構成は表26と同一である。図19において、横軸は第0セラミックス層の厚みxである。縦軸はTmaxである。ただし、エンハンスメント層の膜厚yをふって最大のカー回転角と最小のカー回転角をもとめ、その差をとってTmaxとした。信号品質を維持する為には、0.5度以上のカー回転角差が好ましい。したがって図19から第0セラミックス層の膜厚xは以下の条件を満たすことを要求される。
【0120】
20nm≦ x ≦150nm
【0121】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、光磁気記録方式に用いられている単純な薄膜構造と単純な再生方法で、高密度なピット信号を超解像で再生することができる。磁性層として室温で垂直磁化、再生レーザービームを照射して昇温したときに面内磁化あるいはキュリー温度に達する特性を有するものを用いれば、フロントアパチャー再生を実現できる。また磁性層として、室温で面内磁化、再生レーザービームを照射して昇温したときの温度で垂直磁化となる特性を持つものを用いるならば、リアアパチャーの超解像再生を行うことができる。実施例で述べたように磁性層は交換結合多層膜を用いてもよい。このように本発明を用いた超解像再生を行うことで、高密度なROMの再生が可能となる。
【0122】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の側面断面図。
【図2】ピット部でのカー回転角変調を模式的に示した図。
【図3】ディスク構造(1)に関する側面断面図。
【図4】本発明のフロントアパチャーによる超解像再生過程を模式的に示した図。
【図5】ディスク構造(2)に関する側面断面図。
【図6】本発明のリアアパチャーによる超解像再生過程を模式的に示した図。
【図7】本発明のセンターアパチャーによる超解像再生過程を模式的に示した図。
【図8】ディスク構造(3)に関する側面断面図。
【図9】ディスク構造(4)に関する側面断面図
【図10】実施例2でカー回転角の温度依存性を示す図。
【図11】実施例3でカー回転角の温度依存性を示す図。
【図12】実施例4でカー回転角の温度依存性を示す図。
【図13】実施例5でカー回転角の温度依存性を示す図。
【図14】実施例6におけるディスクの側面断面図。
【図15】エンハンスメント層厚みとカー回転角の関係を示す図。
【図16】エンハンスメント層厚みと反射率の関係を示す図。
【図17】エンハンスメント層厚みと性能指数の関係を示す図。
【図18】実施例2でディスクの製造過程を示す図。
【図19】第0セラミックスの膜厚の下限と上限を示した図。
【符号の説明】
101 磁性層を含んだ多層薄膜
102 エンハンスメント層
103 基板
104 誘電体
201 第1の領域(平坦部)
202 第2の領域(ROMピット部)
203 ROMピット部でかつ、磁性層の磁化が垂直方向を向くことでカー回転角による情報信号を有する領域
401 フロントアパチャー再生におけるマスク領域A
402 フロントアパチャー再生におけるアパチャー領域B
601 リアアパチャー再生におけるアパチャー領域B
602 リアアパチャー再生におけるマスク領域A
701 センターアパチャー再生におけるアパチャー領域B
702 センターアパチャー再生におけるマスク領域A
703 センターアパチャー再生におけるもう一つのマスク領域C

Claims (17)

  1. a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
    b)前記ピット部は凹状または凸状で、
    c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
    d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
    e)少なくとも1層の磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
    f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
    g)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
    θ1≠θ2
    としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  2. 請求項1に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキュリー温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  3. 請求項1に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  4. a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
    b)前記ピット部は凹状または凸状で、
    c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
    d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
    e)少なくとも1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
    f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
    g)前記磁性層は室温で垂直磁化であり
    h)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
    θ 1 >θ 2
    としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  5. 請求項4に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aに含まれる前記磁性層をキュリー温度付近まで昇温し、前記領域Aをマスク領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  6. a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
    b)前記ピット部は凹状または凸状で、
    c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
    d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
    e)少なくとも1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
    f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
    g)前記磁性層は室温で面内磁化であり、昇温時に垂直磁化となり
    h)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
    θ1<θ2
    としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  7. 請求項6に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  8. 請求項6記載の高密度光ディスクにおいて、前記磁性層の主たる成分が希土類リッチのGdFeCoからなることを特徴とする高密度光ディスク。
  9. 請求項6記載の高密度光ディスクにおいて、前記磁性層が有すべき、室温で面内磁化であり昇温時に垂直磁化となる前記特性を、以下の構成によって実現する、
    a)前記磁性層を磁性層1と記すとき、前記磁性層1に隣接して少なくとも磁性層2を順に積層し、
    b)前記磁性層2は垂直磁化であり、
    d)前記磁性層1と前記磁性層2は交換結合をする、
    以上のことを特徴とする高密度光ディスク。
  10. 請求項9に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  11. a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
    b)前記ピット部は凹状または凸状で、
    c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
    d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
    e)少なくとも1層の希土類遷移金属アモルファス合金からなる磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
    f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
    g)前記磁性層は、少なくとも3つの磁性層からなり、その内訳は、単独では室温で垂直磁化である磁性層1と、比較的キュリー温度の低い磁性層2と、単独では室温で面内磁化である磁性層3からなり、前記磁性層1と前記磁性層3は室温で前記磁性層2を介して交換結合しており、
    h)前記磁性層1は室温で前記交換結合のために面内磁化であり、
    i)前記磁性層2の交換結合力が失われる温度への昇温時に、前記磁性層1と前記磁性層3の交換結合力が低下し、前記磁性層1は垂直磁化に遷移し、
    j)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
    θ1<θ2
    としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  12. 請求項11に記載の高密度光ディスクを再生する方法において、
    a)再生レーザビームのパワーを一定の値Prに上げ、前記パワーPrによって前記ビームスポット内の一部の領域Aを昇温し、前記領域Aをアパチャー領域とすることで磁気的超解像を達成し、
    b)磁気光学効果の差として前記情報信号を再生することを特徴とする高密度光ディスクの再生方法。
  13. 請求項11記載の高密度光ディスクにおいて、前記磁性層1の希土類の主たる成分がGdからなることを特徴とする高密度光ディスク。
  14. a)透明な基板表面上に情報信号を担うピット部を形成し、
    b)前記ピット部は凹状または凸状で、
    c)前記ピット部を含む前記基板表面上に誘電体層及びエンハンスメント層を形成し、
    d)前記エンハンスメント層の厚みは前記ピット部と前記ピット部以外の場所で異なり、
    e)少なくとも1層の磁性層を有する多層薄膜を前記エンハンスメント層上に積層し、
    f)前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角が異なり、かつ前記ピット部と前記ピット部以外の場所のカー回転角と反射率の積が異なり、
    g)前記多層薄膜は、室温におけるカー回転角の絶対値をθ1とし、温度150℃におけるカー回転角の絶対値をθ2としたとき、
    θ1≠θ2とし、
    h)前記誘電体層の屈折率をn1、前記エンハンスメント層の屈折率をn2、前記多層薄膜の屈折率をn3としたとき
    n2≠n1
    かつ
    n2≠n3
    としたことを特徴とする高密度光ディスク。
  15. 請求項14記載の高密度光ディスクにおいて、前記第3の多層薄膜が、前記ピット部と前記ピット部以外の場所によらず平坦であることを特徴とする高密度光ディスク。
  16. 請求項15記載の高密度光ディスクにおいて、前記平坦な面を形成するために前記ピット部に充填する材料として、フォトレジストを用いることを特徴とする高密度光ディスク。
  17. 請求項15記載の高密度光ディスクにおいて、前記平坦な面を形成するために前記ピット部に充填する材料として、 SiO2系被膜形成用塗布液を用いて形成されるSiO2を用いることを特徴とする高密度光ディスク。
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