JPH0961654A - 光ファイバ接続器用接続工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバが突き合わせ接続された光ファイ
バ接続器においては、接続された一対の光ファイバの接
続特性を長期間維持することが困難であった。 【解決手段】 一対の光ファイバ（Ａ、Ｂ）を接続した
光ファイバ接続器（５）を着脱自在に支持する支持台
（６）が上面に固定された固定台（４）と、該固定台の
一端部に、前記支持台に対して接近離間自在に設けられ
ていて、光ファイバ（Ｂ）を着脱自在に支持する光ファ
イバ支持部材（１１）を有する可動支持手段（１０）と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、メカニカルスプラ
イス等の光ファイバの突き合わせ接続に用いられる、特
に高信頼性の光ファイバ接続器用接続工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ファイバ接続器においては、突
き合わせた一対の光ファイバを同一のハウジング内に固
定する構造が取られている。前記光ファイバ接続器の位
置決め調心構造としては、（１）精密細管（以下、マイ
クロキャピラリーと呼ぶ）内にその両端から光ファイバ
を挿入して突き合わせる構造、（２）位置決め溝におい
て、光ファイバ同士を突き合わせる構造、（３）３本の
精密ロッドまたは３個の精密ボールの中心に光ファイバ
を担持して位置決めする構造などがある。上述の各種位
置決め調心構造を用いた各種の光ファイバの接続器が現
在用いられている。接続切り替えが困難なこれらの接続
器に換えて、光ファイバを２つ割のロッドの中心部に形
成された細孔またはＶ溝内で突き合わせ、このロッドを
外部からネジで締め付けることにより突き合わせ接続す
る光ファイバ接続器が、小型軽量であり、接続切り替え
に対応できるなどの利点のため、光ファイバの接続に多
く用いられるようになった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の２つ
割ロッドを用いた光ファイバ接続器は、長期間の信頼性
に問題があった。すなわち、長期間使用するとその接続
損失が次第に増加し、ついには接続が断続される。接続
損失の増大は、接続されている両光ファイバが機械的接
続であるため、両光ファイバの接続面に加えられる接触
圧が次第に緩和することに起因し、突き合わせられた両
光ファイバが次第に僅かずつ離間することが原因と考え
られた。長期間接続特性を維持するためには、接続部に
突き合わせ力を付与する必要であるが、本光ファイバ接
続器は、小型でありネジの締め込みのみによって、充分
な突き合わせ力を付与することが困難であることが問題
であった。

【０００４】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、光ファイバを切り替え可能に突き合わせ接続し、
かつ長期間その接続特性が維持可能な光ファイバ接続器
用接続工具を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ接続
器用接続工具は、前記課題を解決するため以下の構成を
採用した。すなわち、請求項１に記載の光ファイバ接続
器用接続工具は、光ファイバ接続器を着脱自在に支持す
る支持台が上面に固定された固定台と、該固定台の一端
部に、前記支持台に対して接近離間自在に設けられてい
て、光ファイバを着脱自在に支持する光ファイバ支持部
材を有する可動支持手段とを備えることを特徴としてい
る。

【０００６】また、請求項２によれば、請求項１に記載
の光ファイバ接続器用接続工具の可動支持手段は、ヒン
ジにより前記固定台に連結された可動台と、該可動台の
上部に固定された光ファイバ支持部材からなり、前記ヒ
ンジにより可動台が回動することにより前記支持台に接
近離間自在とされたことを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の光ファイバ接続
器用接続工具の実施の形態を図１から図４を参照して説
明する。図中、符号１は、本発明の光ファイバ接続器用
接続工具である。一対の光ファイバＡ、Ｂの突き合わせ
接続による光ファイバ接続用接続工具１は、図１および
図２に示すように、固定台４の一方の端部に近接して、
光ファイバ接続器５を含む接続部２が載置固定され、一
方前記固定台４の他方の端部は可動支持手段１０と連結
され、この可動支持手段１０上に光ファイバ支持部材１
１が載置固定され、この光ファイバ支持部材１１に接続
部から延出した光ファイバが固定される構造とされてい
る。

【０００８】図２（ａ）は、本発明の光ファイバ接続装
置１の側面図、図２（ｂ）は、上面からの平面図、およ
び図２（ｃ）は下面からの平面図である。これらの図に
おいて、符号２は光ファイバ接続部、符号３は前記可動
支持手段１０を含む光ファイバ支持部である。光ファイ
バ接続部２は光ファイバ接続器５と同光ファイバ接続器
を支持する支持台６からなっている。そして、支持台６
は、固定ナット６ｂによって、固定台４に固定されてい
る。ここで、用いられている光ファイバ接続器は、例え
ば、平成７年特許願第２０２５５３号に記述されている
ように、２つ割ロッドを用いる光ファイバ接続器５であ
り、この光ファイバ接続器は中心軸の２つ割ロッドを中
央部および両端からネジ留めする３個のネジ５ａ、５
ｂ、５ｃからなっている。

【０００９】図３は、前記光ファイバ接続器５を含む接
続部２の構成を示している。固定台４上にネジ止めされ
た支持台６は、その両側部に突設された支持板６ｂ、６
ｂを有し、その支持板６ｂの頂部には、それぞれ溝７、
７が形成され、その溝７、７内に、接続器５の縮径部５
ａ、５ａが嵌合される。さらに、光ファイバ接続器５
は、支持台６の外側面にネジ８ａによって固定されてい
るバネ８によって回転が阻止されて支持されている。

【００１０】図４は、固定台４上の光ファイバ接続部２
と反対の端部に設けられた光ファイバ支持部３の構成を
示している。光ファイバ支持部３は、前記固定台４に、
ヒンジ９で連結された可動支持手段１０と、同可動支持
手段１０の上面に載置固定された支持部材１１からなっ
ている。可動支持手段１０は、固定台４とヒンジ９を介
して回動可能に連結されている。ヒンジ９の一方はナッ
ト１２によって固定台４に固定され、他方は固定ナット
１３によって、可動支持手段１０に固定されている。ま
た固定台４の可動支持手段１０と接触する底面には、磁
性体吸着板１４が、可動支持手段には前記吸着板１４に
吸着される磁性体１５が取り付けられている。

【００１１】前記可動支持手段１０の上面には、図５に
図示されるように、光ファイバ支持部材１１が固定され
ている。光ファイバ支持部材１１は、鋼板の支持枠１１
ａ内にスポンジ１１ｂが固く充填されて構成されてい
る。そして、支持部材１１の中央部の上端に、Ｖ溝１１
ｃが形成され、Ｖ溝１１ｃの先端からスポンジ内部に切
れ目１１ｄが設けられている。光ファイバＢは、この切
れ目１１ｄに押し込まれ、クランプされる。なお、図４
の２点鎖線は可動支持手段１０が、磁性体１４、１５の
吸着力を越える力で引き離され、下方に回動した状態を
示している。光ファイバＢのクランプは、可動支持手段
１０が下方に回動された状態において行われる。

【００１２】本接続装置によって、一対の光ファイバを
接続する手順を以下に示す。 （１）光ファイバ接続器５の外部ネジを緩め、図２の左
側ファイバの先端を裸線として、光ファイバ接続器５に
挿入する。裸線光ファイバの先端を光ファイバ接続器の
中央に位置させた状態で、左側ネジ５ａを締めて左側光
ファイバＡの被覆を固定する。 （２）可動支持手段１０を下方に回動させる。そして、
支持部材１１が下方に位置する状態とする。 （３）右側の光ファイバＢの裸線とされた先端が光ファ
イバ接続器５に挿入される。同時に光ファイバの他の部
分が光ファイバ支持部材１１にクランプされる。

【００１３】（４）可動支持手段１０と可動回動手段に
固定されている光ファイバ支持部材を上方に回動せし
め、可動支持手段の磁性体１５が固定台の吸着磁性体１
４に吸着される。この回動と吸着によって、可動支持手
段１０は水平位置に保たれる。 （５）光ファイバ接続器の右側ネジ５ｃを締め、右側光
ファイバの被覆を固定した上で、中央ネジ５ｂを締め
る。 この結果、右側光ファイバＢは、光ファイバ接続器５と
支持部材１１の間に光ファイバＢが撓み、かつ下方から
回動して移動しているため、常に光ファイバ接続器と支
持部材の間の光ファイバＢは上方に向いた撓みを生ず
る。同時に撓みを生じた右側光ファイバＢはその弾性力
によって、左側光ファイバを押圧する突き合わせ力を発
生させ、この力が両ファイバの接続部を常に突き合わせ
た状態で維持する作用をもつ。

【００１４】上述の手順によって、右側光ファイバＢ
は、可動支持手段１０が下方に位置する状態で支持部材
１１に固定され、その後、可動支持手段１０が上方に回
動し、右側光ファイバＢが左側光ファイバＡを押す突き
合わせ力が作用した状態で保持される。

【００１５】光ファイバを突き合わせ接続する場合、突
き合わせられた両光ファイバの端面に働く突き合わせ力
が経時的に減少することが問題であった。本発明の光フ
ァイバ接続器用接続工具１によれば、上述のように、撓
みの生じた右側の光ファイバＢが左側の光ファイバＡの
端面を常に押圧する突き合わせ力が作用し、光損失の少
ない良好な接続状態を実現することができ、さらにこの
良好な接続状態を長期間に亘って維持することが可能と
なった。

【００１６】また本発明の光ファイバ接続器用接続工具
によれば、光ファイバ接続器５が固定されているため、
扱いが便利であり、突き合わせ力を容易に付与すること
ができるなどの優れた効果があり、結果として極めて作
業性良く接続作業を行うことのできる効果が得られた。
さらに、突き合わせ力を付与するため、可動支持手段を
回動させることによって、右側光ファイバＢを撓ませる
方法を用いた。この結果、光ファイバは常に一定の方向
（本実施の形態では上方）に撓み、この光ファイバ接続
器用接続工具を多数収納する場合、整然と密に収納する
ことができ、収納性が優れることも認められた。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バ接続器用接続工具は、光ファイバ接続器を着脱自在に
支持する支持台が固定された固定台と、この固定台の一
端部に、前記支持台に対して接近離間自在に設けられ、
光ファイバ支持部材を有する可動支持手段とを備え、こ
の可動支持手段が、ヒンジにより前記固定台に連結され
た可動台と、該可動台の上部に固定された光ファイバ支
持部材からなり、前記ヒンジにより可動台が回動する構
成とされている。従って、本発明の光ファイバ接続器用
接続工具を用いて、一対の光ファイバが接続されると、
右側の光ファイバＢに撓みを生じ、この撓みの弾性力に
よって左側の光ファイバＡの端面を押圧する突き合わせ
力が作用し、光損失の少ない良好な接続状態を実現する
ことができ、さらにこの良好な接続状態が長期間に亘っ
て維持される効果が得られた。

【００１８】また本発明の光ファイバ接続器用接続工具
によれば、光ファイバ接続器が固定されているため、扱
いに便利であり、突き合わせ力を容易に付与することが
できるなどの優れた効果があり、結果として極めて作業
性良く接続作業を行うことのできる効果が得られた。さ
らに、突き合わせ力を付与するため、上述のように可動
支持手段が光ファイバ支持部材を上下に回動させること
によって、右側光ファイバを一定量撓ませる方法を用い
た。この結果、光ファイバは常に上方に撓み、光ファイ
バを接続した多数の光ファイバ接続器用接続工具を収納
する場合、整然と密に収納することができ、収納性が優
れることも認められた。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の光ファイバ接続器用接続工具の構成
を示す斜視図である。

【図２】 本発明の光ファイバ接続器用接続工具の構成
を示す側面図および平面図である。

【図３】 本発明の光ファイバ接続器用接続工具の光フ
ァイバ接続部の構成を示す斜視図である。

【図４】 本発明の光ファイバ接続器用接続工具の光フ
ァイバ可動支持手段の構成を示す側面図である。

【図５】 本発明の光ファイバ接続器用接続工具の光フ
ァイバ支持手段の構成を示す正面図である。

【符号の説明】

Ａ、Ｂ 光ファイバ、 ４ 固定台 ５ 光ファイバ接続器、 ６ 光ファイバ接続
器支持台 １０ 可動支持手段（回動台）、 １１ 光ファイバ支
持部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバ接続器（５）を保持し、該光
   ファイバ接続器に挿入した一対の光ファイバ（Ａ、Ｂ）
   を突き合わせ接続する光ファイバ接続器用接続工具
   （１）であって、 光ファイバ接続器を着脱自在に支持する支持台（６）が
   上面に固定された固定台（４）と、 該固定台の一端部に、前記支持台に対して接近離間自在
   に設けられていて、光ファイバを着脱自在に支持する光
   ファイバ支持部材（１１）を有する可動支持手段（１
   ０）とを備えることを特徴とする光ファイバ接続器用接
   続工具。
2. 【請求項２】 前記可動支持手段（１０）が、ヒンジ
   （９）により前記固定台に連結された可動台（１０）
   と、該可動台の上部に固定された光ファイバ支持部材
   （１１）からなり、前記ヒンジにより可動台が回動する
   ことにより前記支持台に接近離間自在とされたことを特
   徴とする請求項１に記載の光ファイバ接続器用接続工
   具。