JPH0961088A - 管体清掃装置 - Google Patents

管体清掃装置

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JPH0961088A
JPH0961088A JP7216295A JP21629595A JPH0961088A JP H0961088 A JPH0961088 A JP H0961088A JP 7216295 A JP7216295 A JP 7216295A JP 21629595 A JP21629595 A JP 21629595A JP H0961088 A JPH0961088 A JP H0961088A
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曜明 松本
Miyako Imon
美也子 井門
Manabu Orimoto
学 折本
Koujirou Yamada
紘二郎 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置を余り大きくすることなく、清掃効率の
良好な管体清掃装置を提供する。 【構成】 管体群2と隣の管体群2との間に形成される
空洞部3に対向するように音波発生装置4、4を設置
し、その音波発生装置4、4から発せられる音波によっ
て前記管体群2を含む空洞部3を共振モードにして、管
体に付着している塵埃類を除去することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばボイラ、燃焼炉、
焼却炉、独立過熱器、独立節炭器、各種熱交換器あるい
は各種プラントまたは各種産業機器などに設置されてい
る管体の清掃装置に係り、特に管体の壁面に付着、堆積
した粉塵類のまわりのガス体を音波により振動させて管
壁から除去する管体清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、ボイラの概略構成を示す図であ
る。同図に示されているように火炉101の後部に設置
されている後部伝熱前壁102と、後部伝熱側壁103
と、後部伝熱隔壁104と、後部伝熱後壁105によっ
て囲まれている煙道内には、横置過熱器106、横置蒸
発器107、節炭器108などが所定の間隔をおいて燃
焼ガスの流れ方向に沿って設置されている。
【0003】各前記横置過熱器106、横置蒸発器10
7、節炭器108には多数本の伝熱管109が狭い間隔
をおいて水平方向に延びており、煙道を流れる高温燃焼
ガスGと伝熱管109内を流れる流体との間において熱
交換が行われる。
【0004】ところで特に微粉炭焚ボイラにおいては前
記燃焼ガスG中に燃焼灰110等が多く含まれており、
それが伝熱管109の壁面に付着、堆積する。このよう
に伝熱管壁面の周囲に燃焼灰が付着、堆積すると伝熱管
109の伝熱性能が低下するため、定期的あるいは必要
に応じてスートブロワ(図示せず)を起動して、燃焼灰
を伝熱管の壁面から除去する方法がとられている。しか
し同図に示すように、スートブロワから噴出される水蒸
気Sは燃焼ガスの流れと同じく伝熱管109列に沿って
上から下、あるいは下から上へ流れるため、上側の伝熱
管109と下側の伝熱管109の間に除去されない燃焼
灰110の堆積部分が残る。
【0005】図10はこの状態を示しており、燃焼ガス
Gは伝熱管109の間を通過する時に伝熱管109の後
流部でカルマン渦111を発生して流速が低下するた
め、伝熱管109と伝熱管109の間に燃焼灰110の
ブリッジが残る。比較的粒径の大きい燃焼灰は燃焼ガス
Gとともに流れるため、伝熱管109への付着、堆積は
少ないが、最近は脱硝燃焼を行うため粒径の小さい燃焼
灰110が多くなり、それに応じて伝熱管109への付
着、堆積量が多くなってきている。
【0006】従来、熱交換器内の粉塵を除去するため、
例えば特公昭62−27375号公報に記載されている
ような方法が提案されている。図11はこの粉塵除去方
法を説明するための図で、ケーシング121内には伝熱
管群122が水平に配置され、この伝熱管群122と同
一高さの所に音響発生装置(サイレン)123が設置さ
れ、さらにケーシング121の上流側には粒状物質12
4を投入する投入シュート125が設けられている。
【0007】前記音響発生装置(サイレン)123によ
って音響的な振動を発生させて、伝熱管群122に付
着、堆積している燃焼灰を除去する際に、燃焼灰よりも
かなり大きい粒径を有する例えば砂などの粒状物質12
4をシュート125から投入して清掃面に付加せしめ、
振動を受ける面積を実質的に増加することにより、燃焼
灰が伝熱管122から脱落するのを促進させる方法であ
る。
【0008】この他、特表昭55−500355号公報
に記載されているような音波洗浄方法も公知である。こ
の方法は、少なくとも2つの音波発生装置を所定の間隔
おいて配置し、一方の音波発生装置から発せられる圧力
波との関連において、他方の音波発生装置から発せられ
る圧力波の位相差を制御することにより増幅した圧力波
を発生させて、その圧力波を清掃すべき面に集中させる
方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図11に示した熱交換
器内の粉塵除去方法では、使用済の粒状物質を粉塵から
分離して回収する機構が必要となり、また投入した粒状
物質が熱交換器の内部の凹部や隙間などに溜まることが
あるから、それを除去する作業も必要となり、そのため
に装置の大型化、粉塵除去後の作業の煩雑化し、またコ
スト高を招く。
【0010】また、音響発生装置123が伝熱管群12
2と同一高さの所に設置されているため、音響発生装置
123から発せられた音波が直ちに伝熱管群122に当
たって乱される。そのためケーシング121内全体を共
振モードにすることが難しく、各伝熱管群122に付
着、堆積した燃焼灰を振動によって確実に落下させるた
めには各伝熱管群122に対応して音響発生装置123
を設置する必要があり、音響発生装置123の設置個数
が増え、この点からも装置の大型化とコスト高を招く。
【0011】一方、後者の音波洗浄方法では、増幅した
圧力波を清掃すべき面に集中させ局部的に清掃すること
は可能であるが、例えばボイラ装置の煙道内のように広
い空間内に多数の熱交換器が設置され、各熱交換器の伝
熱管群に燃焼灰が堆積している場合には、増幅される圧
力波の指向方向を変えて圧力波を清掃すべき面に対して
走査させる必要があり、そのために走査時間が長くかか
り、作業能率が悪い。
【0012】また、この圧力波の走査は2つ以上の圧力
波の位相差制御によってなされるが、走査個所によって
音波発生装置と清掃すべき面との距離が逐次変化するた
め、圧力波の位相差制御が非常に難しいなどの問題点を
有している。
【0013】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を有効に解消し、装置を余り大きくすることなく、清
掃効率の良好な管体清掃装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、例えば伝熱管群などの管体群と隣の管体
群との間に形成される空洞部に対向するように音波発生
装置を設置し、その音波発生装置から発せられる音波に
よって前記管体群を含む空洞部を共振モードにして、管
体に付着している例えば燃焼灰などの塵埃類を除去する
ことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】例えば図11に示すように音波発生装置から発
振された音波を管体群中に直接発振すると、数多くの管
体からの小さな反射音が多数発生し、発振音波のエネル
ギーが音波の進向とともに減少する。また面積の大きな
壁からの反射波が発生することで発振音波のエネルギー
が減少することになる。
【0016】これらの減少を回避するため、本発明では
管体が無く減衰の少ない空洞部(キャビティ)に反射音
と同期する周波数(音波発生装置の設置位置と壁との距
離、さらに音波が通過する雰囲気温度に対応した同期モ
ードにより決定される周波数)を発振させ、発振波エネ
ルギーと反射波エネルギーを重畳させて、大きな共振エ
ネルギーを空洞部内に連続的に保持し、その後、小さな
反射波が多数発生する管体群内に増幅された振動エネル
ギーを徐々に拡大させ、管体群全体を空洞部内と同じ振
動を発生させることで、管体の間の空間にも大きな振動
が発生し、管体壁面上に堆積した粉塵を効果的に除去す
ることができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図とともに説明する。図1
はボイラ装置の後部伝熱部の正面図、図2はその後部伝
熱部の側面図である。
【0018】図1ならびに図2に示すように炉壁1で囲
まれた煙道内には伝熱管群2が幾つかの部分に分かれて
配置され、個々の伝熱管群2の間には点検用に人が通れ
る空洞部(キャビティ)3が形成されている。前記伝熱
管群2は例えば前述の横置過熱器、横置蒸発器、節炭器
などに相当し、各伝熱管が水平方向に配置されている
(図7参照)。
【0019】図2に示すように、炉壁1の前記空洞部3
と対向する所定位置には2個が一対になって音波発生装
置4が設置されている。この実施例の場合、音波発生装
置4が炉幅方向において対向しており、しかも1つおき
の空洞部3a、3cと対向する位置に設置されている
が、他の空洞部3bには設置されていない。
【0020】前記音波発生装置4は、図3に示されてい
るようにスピーカ5と、それの先端部に取りつけられた
共鳴管6とから構成されている。本実施例ではスピーカ
5を使用したが、それ以外に例えば流体的音波発生装置
などの発振装置も使用可能である。
【0021】対になっている音波発生装置4は周波数が
調整可能になっており、図2に示すように対向する両側
の音波発生装置4によりそれに対応する空洞部3内が共
振モード7となり、その共振モードは伝熱管群2が設置
されている領域ならびに音波発生装置4が設置されてい
ない空洞部3にもおよび、最終的には煙道内全体が共振
モードとなる。
【0022】図2に示すように炉壁1に燃焼灰脱落検出
装置(本実施例では監視カメラを使用したが、他の構成
の燃焼灰脱落検出装置を用いることも可能である。)8
を設置し、それによって伝熱管群2からの燃焼灰の脱落
状態を見ながら音波発生装置4の周波数を調整して、燃
焼灰の脱落が激しいところで、すなわち共振モードにな
ったところで音波発生装置4の周波数を固定する。
【0023】図4は、空洞部内を共振させることにより
伝熱管群2を振動させるメカニズムを説明するための図
である。同図に示すように、音波発生装置4により空洞
部3内で音圧が高い部分と低い部分が定常的に発生して
共振モードになると(図中の矢印Xで音圧の高低の方向
を示し、音圧分布を点線波形イで表示)、音圧の高い部
分から伝熱管群2側に空気粒子が移動し、音圧の低い部
分は伝熱管群2側より空気粒子が排出される(図中の矢
印Yで空気粒子の1次移動方向を表示)。さらに伝熱管
群2内においても空洞部3内と同様の周波数で音圧が高
い部分と低い部分が発生し、空気粒子の移動が生じる
(図中の矢印Zで空気粒子の2次移動方向を表示)。こ
のようにして空洞部3ならびに伝熱管群2の領域おいて
共振が生じ、その時の音圧分布は点線波形イとなり、ガ
ス体の振動幅は実線波形ロで表示しており、この共振に
より各伝熱管に付着、堆積している燃焼灰が激しく落下
され、燃焼灰の除去が有効に進行する。
【0024】なお、共振振動が発生していない時には伝
熱管群2中の振動は反射波等との位相差により減衰して
しまうので、伝熱管群2の上下にある空洞部3内の共振
は同位相、同周波数であることが不可欠である。
【0025】図5は本発明の第2実施例を説明するため
の図で、実線波形は振動幅を示すものであり、前記第1
実施例と同様に炉壁1には対向して音波発生装置4a、
4bが設置されている(この図では1対の音波発生装置
4a、4bしか記載されていないが、実際には例えば図
2に示されているように全体としては複数対の音波発生
装置4、4が設置されている)。
【0026】そして音波発生装置4a、4bの起動モー
ドが時間的に変化している。すなわち、最初、同図
(1)に示すように音波発生装置4aの方だけ一例とし
て周波数74.5Hzで音波を発して共振させ、他方の
音波発生装置4bからは音波を発生していない(Aモー
ド)。この状態でしばらく燃焼灰の脱落状態を監視して
燃焼灰の脱落が少なくなると、今度は同図(2)に示す
ように音波発生装置4bの方だけ一例として周波数7
4.5Hzで音波を発して共振させ、他方の音波発生装
置4aからは音波を発生していない(Bモード)。また
この状態でしばらく燃焼灰の脱落状態を監視して燃焼灰
の脱落が次第に少なくなると、次に音波発生装置4a、
4bの両方とも一例として周波数82.7Hzで音波を
発して共振させる(Cモード)。
【0027】同図の振動波形において破線の斜線部分で
示されている領域は振幅の大きい領域(振動の腹の部
分)を示しており、その領域で燃焼灰の脱落が激しく起
こっており、Aモード→Bモード→Cモードと順番に繰
り返したり、あるいはそれらのモードを適宜変更するこ
とにより、燃焼灰の脱落が激しく起こる領域が移行し
て、伝熱管群の略全域にわたって燃焼灰を有効に除去す
ることができる。
【0028】この実施例では燃焼灰の脱落状態を監視し
ながらモードの変更を行ったが、予め時間を設定してモ
ードの切り替えを自動的に行うようにしてもよい。
【0029】図6は本発明の第3実施例を説明するため
の図であり、前記第1実施例と同様に炉壁1の空洞部3
と対応する位置には燃焼ガスGの流れ方向に沿って複数
対の音波発生装置4a〜4fが設置されている。
【0030】この実施例では音速が雰囲気温度によって
変わることを考慮して、燃焼ガスGの温度によって音波
発生装置4の周波数を違わせている。具体的には、燃焼
ガス流れ方向上流側に設置されている音波発生装置4
a、4bに挟まれている空洞部3aのガス温度は約82
5℃であり、音波発生装置4a、4bの周波数は74.
5Hzに設定されている。次の音波発生装置4c、4d
に挟まれている空洞部3bのガス温度は約500℃であ
り、音波発生装置4c、4dの周波数は56.9Hzに
設定されている。さらに次の音波発生装置4e、4fに
挟まれている空洞部3cのガス温度は約340℃であ
り、音波発生装置4e、4fの周波数は47.4Hzに
設定されている。このようにガス温度が低くなるに従っ
て音波発生装置4の周波数も低く設定されている。
【0031】この実施例では1段目の音波発生装置4
a、4bの周波数を74.5Hz、2段目の音波発生装
置4c、4dの周波数を56.9Hz、3段目の音波発
生装置4e、4fの周波数を47.4Hzに設定した
が、本発明者に実験によれば各段の音波発生装置4の周
波数はある範囲内で調整可能である。すなわち、前述の
ような温度分布においては、1段目の音波発生装置4
a、4bの周波数は64〜85Hz、2段目の音波発生
装置4c、4dの周波数は46〜67Hz、3段目の音
波発生装置4e、4fの周波数は37〜58Hzの範囲
内で調整可能である。もちろんこの周波数の調整範囲
は、周波数共振モード数や雰囲気温度によって変更され
る。
【0032】このように燃焼ガスGの温度を考慮して音
波発生装置4の周波数を設定することにより、炉壁1内
をより確実に共振モードにすることができる。
【0033】図7は本発明の第4実施例を説明するため
の図で、空洞部3内に配置されている一方の音波発生装
置4aの周波数を設定し、発信器9aと増幅率が可変の
パワー増幅器10aとにより駆動される。他方の音波発
生装置4bの周波数は音波発生装置4aの設定値に対し
て可変で、発信器9bと増幅率が可変のパワー増幅器1
0bとにより駆動される。
【0034】この音波発生装置4a,4bが配置されて
いる空洞部3より下方の適当な所に燃焼灰の落下状態を
監視するための検出装置(例えば監視カメラ)11が配
置され、それの出力信号は画像処理装置12に入力さ
れ、画像処理装置12にはモニタテレビ13が接続され
ているとともに、画像処理装置12の出力信号は周波数
制御器14に入力され、それに基づいて前記発信器9a
と9bが駆動制御される。
【0035】清掃中、燃焼灰が降下している状態を検出
装置(例えば監視カメラ)11で監視し、その信号を画
像処理装置12に送り、処理された画像データをテレビ
13に入力して降下状態をテレビ13でモニタリングす
る。
【0036】周波数制御器14には燃焼灰の降下量と画
像処理装置12の出力との関係が予め記憶されており、
画像処理装置12からの出力に基づいて燃焼灰の降下量
が最も多いか否か、すなわち煙道内が共振モードになっ
ているか否かの判断が周波数制御器14内でなされ、共
振モードに達していなければ周波数制御器14からの信
号によって発信器9aと9bの発振周波数を逐次自動的
に変更する。そして共振モードに達っすると発信器9
a,9bの発振周波数を固定して、一定時間あるいは検
出装置(例えば監視カメラ)11で監視しながら清掃を
続行するシステムになっている。
【0037】図8は本発明の第5実施例を説明するため
の図で、前記実施例では共振モードになったか否かを検
知する手段としてカメラを使用したが、本実施例ではレ
ーザ光の透過光強度の変化によって共振モードになった
か否かを検知する。すなわち適当な所に燃焼灰の落下状
態を監視するためのレーザ光源15と光センサ16と
が、炉幅方向(または炉奥方向)に対向して配置されて
いる。
【0038】前記レーザ光源15は一定出力になるよう
に駆動され、降下灰の量が少ない場合にはレーザ光源1
5から照射されたレーザ光は降下灰による散乱を殆ど受
けずに光センサ16に到達するから、光センサ16の出
力は大である。降下灰の量が多くなるとレーザ光は降下
灰によって散乱するから、それに応じて光センサ16の
出力は減少する。
【0039】従って灰の降下量とレーザ光の透過光強度
(光センサ16の出力)との関係を予め求めておき、光
センサ16の出力を周波数制御器14に入力して、光セ
ンサ16の出力が小さくなるように発振器9aと9bの
周波数を微調整することにより、共振モードに導くこと
ができる。
【0040】前記各実施例では音波発生装置4を炉幅方
向において対向させているが、それとは直交する炉奥方
向において対向させることもできるし、また、各空洞部
3に対応させて音波発生装置4を設置することも可能で
ある。
【0041】前記実施例のように音波発生装置4、燃焼
灰脱落検出装置(例えば監視カメラ8、11)、レーザ
光源15、光センサ16などを炉外に設置することで、
清掃すべき装置或いは機器(本実施例の場合はボイラ装
置)の運転中に塵埃類の除去ができ、清掃のために装置
或いは機器の運転を止める必要がない。また運転中に清
掃装置を起動すれば、管体への塵埃類の付着を防止する
ことができる。
【0042】本発明の管体清掃装置をボイラ装置に適用
する場合、音波発生装置の周波数は30〜150Hzの
範囲が適当で、前述のようにガス体の温度などによって
周波数を変えるときには設定周波数の10%の範囲で調
節可能である。
【0043】前記実施例ではボイラ装置の伝熱管に付
着、堆積する燃焼灰の除去について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば各種プラント
または各種産業機器などに設置されている管体の清掃に
も適用可能である。
【0044】
【発明の効果】音波発生装置から発振された音波を管体
群中に直接発振すると、数多くの管体からの小さな反射
音が多数発生し、発振音波のエネルギーが音波の進向と
ともに減少する。また面積の大きな壁からの反射波が発
生することで発振音波のエネルギーが減少することにな
る。
【0045】これらの減少を回避するため、本発明では
管体が無く減衰の少ない空洞部に反射音と同期する周波
数(音波発生装置の設置位置と壁との距離、さらに音波
が通過する雰囲気温度に対応した同期モードにより決定
される周波数)を発振させ、発振波エネルギーと反射波
エネルギーを重畳させて、大きな共振エネルギーを空洞
部内に連続的に保持し、その後、小さな反射波が多数発
生する管体群内に増幅された振動エネルギーを徐々に拡
大させ、管体群全体を空洞部内と同じ振動を発生させる
ことで、管体の間の空間にも大きな振動が発生し、管体
壁面上に堆積した粉塵を効果的に除去することができ
る。
【0046】また従来提案されたような粒状物質投入シ
ュート、粒状物質を再利用するための循環系統、ならび
に落下した塵埃類から粒状物質を分離する機構などが不
要となり、そのために装置の大型化、コスト高などが解
消される。
【0047】さらに周波数を調整して管体を含む空洞内
を共振モードにすれば良いだけであるから、従来提案さ
れたように位相制御により音波に指向性を与えて局部的
に塵埃類を除去する方法に較べて制御が簡単で、しかも
全体的に塵埃類の除去が行われ、そのため効率が高いな
どの特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るボイラ装置の後部伝
熱部の正面図である。
【図2】その後部伝熱部の側面図である。
【図3】この実施例で使用される音波発生装置の側面図
である。
【図4】空洞内を共振させるメカニズムを示す説明図で
ある。
【図5】本発明の第2実施例に係る共振モードの腹の位
置を移行させる運用法を示す説明図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るガス温度が変化した
状況での運用法を示す説明図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る清掃装置の概略構成
図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る清掃装置の概略構成
図である。
【図9】ボイラ装置の概略構成図である。
【図10】そのボイラ装置内の伝熱管に燃焼灰が付着、
堆積する状態を示す説明図である。
【図11】従来提案された清掃装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 炉壁 2 伝熱管群 3 空洞部 4 音波発生装置 5 スピーカ 6 共鳴管 7 共振モード 8 燃焼灰脱落検出装置 9a,9b 発振器 10a,10b パワー増幅器 11 燃焼灰脱落検出装置 12 画像処理装置 13 モニタテレビ 14 周波数制御器 15 レーザ光源 16 光センサ G 燃焼ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 紘二郎 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管体群と隣の管体群との間に形成される
    空洞部に対向するように音波発生装置を設置し、その音
    波発生装置から発せられる音波によって前記管体群を含
    む空洞部を共振モードにして、管体に付着している塵埃
    類を除去することを特徴とする管体清掃装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記音波発生装
    置から発せられる音波の周波数が変更可能になってお
    り、前記空洞部が共振モードになったかどうかを検知す
    る検知手段が設けられ、その検知手段によって空洞部の
    共振モードが検知される周波数領域に前記音波発生装置
    の周波数を調整するように構成されていることを特徴と
    する管体清掃装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、前記空洞部内に
    形成される共振波形の腹の位置が調整できるように構成
    されていることを特徴とする管体清掃装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、前記音波発生装
    置から発せられる音波の周波数が変更可能になってお
    り、前記空洞部の雰囲気温度によって前記音波発生装置
    の周波数が調整できるように構成されていることを特徴
    とする管体清掃装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、前記管体群が熱
    交換用の伝熱管群で、前記塵埃類が燃焼灰であることを
    特徴とする管体清掃装置。
  6. 【請求項6】 伝熱管群が所定の間隔をおいて燃焼ガス
    の流れ方向に沿って配置され、伝熱管群と隣の伝熱管群
    との間に形成される空洞部に対向するように炉外に音波
    発生装置を設置し、その音波発生装置から発せられる音
    波によって前記伝熱管群を含む空洞部を共振モードにし
    て、管体に付着している燃焼灰を除去することを特徴と
    するボイラ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載において、前記空洞部内に
    形成される共振波形の腹の位置が調整できるように構成
    されていることを特徴とするボイラ装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載において、前記音波発生装
    置が燃焼ガスの流れ方向に沿って複数設置され、各音波
    発生装置から発せられる音波の周波数が変更可能になっ
    ており、前記空洞部の雰囲気温度によって前記音波発生
    装置の周波数が調整できるように構成されていることを
    特徴とするボイラ装置。
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