JP2003004221A - 音波式スートブロアとその運用方法 - Google Patents

音波式スートブロアとその運用方法

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JP2003004221A
JP2003004221A JP2001186316A JP2001186316A JP2003004221A JP 2003004221 A JP2003004221 A JP 2003004221A JP 2001186316 A JP2001186316 A JP 2001186316A JP 2001186316 A JP2001186316 A JP 2001186316A JP 2003004221 A JP2003004221 A JP 2003004221A
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soot blower
acoustic
acoustic excitation
frequency
sound wave
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JP2001186316A
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Hidekazu Nishida
英一 西田
Teruaki Matsumoto
曜明 松本
Kiyoshi Aida
清 相田
Noriyuki Sadaoka
紀行 定岡
Masahiro Miki
将裕 三木
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スートブロアに関するランニングコストの問
題、カルマン渦による管群気柱共鳴に関する問題を同時
に解決すること。 【解決手段】 単一、あるいは複数の音響励起装置(加
振機又はスピーカ)3と発振器6、位相調整器10、伝
熱管群1を設けた火炉2内の圧力を検知するセンサ4、
4’等からなる音波式スートブロアの各音響励起装置3
の音響励振力の振動数を火炉2内の伝熱管群1が発生す
るカルマン渦発生周波数に近づけ、併せて、単一、ある
いは複数の音響励起装置3の音響励振力を、音響共鳴モ
ードの位相分布の情報を用いて駆動し、音響励起装置が
生ずる音響励振エネルギーを制御することによりランニ
ングコストが安価で高効率な灰除去を可能とするために
好適な、かつ管群気柱共鳴の抑止機能も有する音波式ス
ートブロアとその運用方法及びスートブロア対象装置を
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばボイラ、各
種熱交換器などに設置されている管群の清掃装置に係わ
り、特に音響共鳴による騒音を抑止するとともに、管群
の表面に付着する粉塵を音波によって除去するに好適な
音波式スートブロアとその運用方法及びスートブロア対
象装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に示すようにボイラ火炉2の後部
伝熱部には、横置き型の過熱器や蒸発器等と称する伝熱
管群1が所定の間隔を置いて燃焼ガスの流れ方向に複数
段設置されている。各伝熱管群1は、多数本の伝熱管が
狭い間隔を置いて水平方向に伸びており、煙道を流れる
高温燃焼ガスと伝熱管内を流れる流体との間で熱交換が
行われる。
【0003】ところで特に微粉炭焚きボイラにおいては
燃焼ガス中に燃焼灰が多く含まれており、それが伝熱管
の表面に付着・堆積する。図3は、この状態を示してい
る。燃焼ガスGは伝熱管109の間を通過する際に、伝
熱管109の後流部で流速が低下するため、隣接する伝
熱管109の間で燃焼灰110が付着・堆積し、それが
進むと上下の隣接伝熱管109の間に燃焼灰110のブ
リッジが形成されるようになる。このような現象は伝熱
管109内の流体に対する燃焼ガスの伝熱性能を著しく
低下させる。
【0004】このような伝熱管109に燃焼灰110が
付着・堆積する現象を防止すべく、定期的に、あるいは
必要に応じて水蒸気Sを噴霧するためのスートブロア
(図示せず)を起動して燃焼灰110を伝熱管109の
表面から除去する方法が用いられている。しかし、スー
トブロアから噴出される水蒸気Sは伝熱管109の上方
から下方へ、あるいは下方から上方に流れるため、図3
に示されているようにブリッジを形成するような部分の
灰除去にはあまり有効でない。
【0005】これに対し、音波によってボイラ火炉2内
に気柱共鳴モードを励起し、その音響エネルギーによっ
て燃焼灰を除去する音波式スートブロアを用いる方法が
提案されている。その代表的な装置構成を図10に示
す。音波式スートブロアは音波発振器6、音波発振器6
の音波発振制御用のマイコン7、音波増幅用のアンプ9
およびスピーカ3’などから構成され、音波発振器6で
火炉2内の音響共鳴周波数に一致する周波数を発生さ
せ、炉壁に設けた複数のスピーカ3’から炉内に音波を
発振させる。その結果、炉内全体に音響共鳴モードが励
起され、そのエネルギーで伝熱管109上の燃焼灰が除
去されるという方法である。
【0006】本発明に最も近い発明として、例えば、特
公昭55−500355号公報記載の発明が挙げられ
る。この方法は、少なくとも2つの音波式スートブロア
のスピーカ3’を所定の間隔を置いてボイラ火炉2の壁
面に配置し、一方の音波式スートブロアから発せられる
圧力波との関連において、他方の音波式スートブロアか
ら発せられる圧力波の位相差を制御することにより増幅
した圧力波を火炉2内に発生させて、その圧力波を清掃
すべき伝熱管などの箇所に集中させる方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
音波式スートブロアは、いずれも音響共鳴モードを励起
する点で共通している。そして音波式スートブロアの音
波励起装置には電磁力で励振する、いわゆるスピーカや
エアホーン型と称する空気ジェットで励振するもの等が
用いられるが、いずれも電気エネルギーあるいは多量の
空気を必要とし、ランニングコストの面で高価格になる
という問題があった。
【0008】一方、これとは別に、前記伝熱管群1から
成る熱交換器共通の問題として、図3に示す伝熱管10
9の後流側で生じるカルマン渦111による音響共鳴
(以下、管群気柱共鳴と称す)で高レベルの騒音が発生
し、最悪の場合には構造的な損傷に至るという問題があ
る。この問題に対処するには伝熱管群1の内部やその前
後の空間を仕切る、防音バッフルと称する構造物を設置
する必要があるが、コストアップ、メンテナンスの作業
性悪化、圧力損失の増大などの問題が生じる。
【0009】本発明の課題は、スートブロアに関するラ
ンニングコストの問題、カルマン渦による管群気柱共鳴
に関する問題を同時に解決することである。また、本発
明の課題は、ランニングコストが安価で高効率な灰除去
を可能とするために好適な、かつ管群気柱共鳴の抑止機
能も有する音波式スートブロアとその運用方法及びスー
トブロア対象装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、部
材が設置されたスートブロア対象装置に配置され、前記
部材上に付着した粉塵を除去または前記部材への粉塵の
付着を抑制する音波式スートブロアであって、音響励起
装置、音波発振器、位相調整器、スートブロア対象装置
内圧力を検知するセンサ及び音響励起装置の音響励振力
の振動数を前記スートブロア対象装置内の部材の周りで
発生するカルマン渦発生周波数近傍にあるダクト内圧力
変動の卓越周波数に一致させ、単一又は複数箇所の炉壁
振動の位相と音響共鳴モードの位相分布の情報を用いて
前記音響励起装置を駆動させて、音響励起装置が供給す
る音響エネルギーEpと前記部材の周りで発生するカル
マン渦が気柱振動に供給するエネルギーEsと炉壁から
の音響放射、管群部での音響的な摩擦等で散逸する音場
の逸散エネルギーEaとの間に Ep>Ea−Es (5) なる関係が成立する音響励振エネルギーを制御する制御
装置を備えた音波式スートブロアである。
【0011】前記音響励起装置は機械的に振動板を振動
させて音波を発生させる加振機又は圧縮気体を使用して
振動板を振動させて音波を発生させるスピーカを用いる
ことができる。
【0012】また、本発明は、前記音波式スートブロア
の音響励起装置の音響励振力の振動数をスートブロア対
象装置内を流れるガスがスートブロア対象装置内の部材
の周りで発生するカルマン渦発生周波数近傍にあるダク
ト内圧力変動の卓越周波数に一致させ、単一又は複数の
箇所の炉壁振動の位相と音響共鳴モードの位相分布の情
報を用いて音響励起装置を駆動して音響励振エネルギー
を制御する音波式スートブロアの運用方法、及び単一、
又は複数の請求項1記載の音波式スートブロアを、その
壁面及び/又はその内部に取り付けたスートブロア対象
装置が含まれる。
【0013】前記スートブロア対象装置としては、ボイ
ラ火炉、脱硝装置、排熱回収ボイラ又は蓄熱式熱交換器
などである。
【0014】
【作用】最初に「カルマン渦による管群気柱共鳴現象」
について図4、図5を用いて説明する。この現象の要因
は、スートブロア対象装置内のガス流れ中にある伝熱管
のような構造物の後流側で発生する渦の周波数(下記の
式(1)で表される渦放出周波数fs)がダクトあるい
は火炉(ケージ部)のような閉空間の気柱共鳴周波数f
a、nと一致することによるものであり、前記渦放出周
波数fsが前記閉空間内部で大振幅の音響振動、言い換
えると圧力変動を引き起こし、大レベルの騒音、あるい
は構造物の損傷を引き起こす。
【0015】前記渦の周波数fsは式(1)で表され
る。 fs=SU/D (1) ここでSはストローハル数、Uはガス流速及びDは伝熱
管等の管径をあらわす。
【0016】このように大振幅となる原因は図4に示す
ように、伝熱管からのはく離渦(渦放出周波数fs)が
火炉(ケージ部)内の圧力変動を誘起し、その圧力変動
が渦の発生を促進するというフィードバック現象が生じ
ているからである。
【0017】火炉(ケージ部)は、そのダクト幅Lと音
速Cで決まる気柱共鳴周波数fa、nと気柱共鳴モード
を有する。簡単のために火炉のダクト幅方向の1次元モ
ードを考えると、その共鳴周波数fa、nは式(2)で
表される。
【0018】fa、n=n・(C/2L) (2) ここでnは1、2、3・・・などの次数であり、気柱共
鳴モードの節の数に等しい。また、1次、2次とこのn
の値が大きくなればなるほど、その共鳴周波数fa、n
も大きくなる。
【0019】一方、渦放出周波数fsは、式(1)に示
すようにガス流速Uに比例し、伝熱管の直径Dに反比例
する。この2つの周波数fa、nと周波数fsの一致が
管群気柱共鳴発生の第1条件であるが、この条件のほか
に、もう一つの条件が存在する。その状況を図5に示
す。ガス流速Uが増加するにつれて渦放出周波数fsも
増大し、気柱共鳴周波数fa、nの1次、2次・・・と
次々と各次数の周波数と一致する。しかし、渦放出周波
数fsと気柱共鳴周波数fa、nが一致したからといっ
て必ずしも気柱共鳴が発生するとは限らない。発生に必
要なもう一つの条件はエネルギー収支に関するもので、
以下、第2条件と称し、これが本発明の拠り所となる条
件である。
【0020】第2条件について以下に詳述する。管群気
柱共鳴現象では、スートブロア対象装置内のガス流れの
運動エネルギー(非周期)が、渦と気柱振動のフィード
バックのメカニズムを通じて大振幅の圧力変動の周期的
なエネルギーに変換される。気柱共鳴は、図5の下部に
示すエネルギー収支条件によって支配される。つまり、
渦が気柱振動に供給するエネルギーEsが、炉壁からの
音響放射、伝熱管群部での音響的な摩擦等で散逸する音
場の逸散エネルギーEaを上回ると成立する。すなわ
ち、次の式(3)が成立すると発生する。
【0021】△E=Es−Ea>0 (3) 気柱に最終的に蓄えられるエネルギー△Eが正となると
きに、この現象(気柱共鳴現象)が不安定化(=発振)
し、気柱共鳴が発生する。
【0022】次にこの現象(気柱共鳴現象)の発生を音
響励起装置によってコントロールする方法を述べる。以
下、音響励起装置として、ダクトあるいは火炉(ケージ
部)に加振装置を取り付けた場合について述べる。この
場合、音響励起装置(以下、単に加振機と称す)が供給
する音響エネルギーをEpとすると、発生条件は式
(3)の代わりに次式(4)となる。
【0023】△E=Es−Ea+Ep>0 (4) つまり、 Ep>Ea−Es (5) とすれば、この現象(気柱共鳴現象)は発生し、また、 Ep<Ea−Es (6) とすれば、たとえ大振幅の圧力変動が発生している場合
でも、この気柱共鳴現象は抑止される。
【0024】こうして、これまでトラブル視されてきた
管群気柱共鳴現象を音響励起装置によって自由にコント
ロールすることができる。
【0025】つぎに、加振機が供給するエネルギーEp
の制御方法について、その基本的な事項を述べる。最初
に図6により、気柱共鳴モードについて説明する。図6
では、ある一つの共鳴モードを、圧力変動で表した場合
(圧力変動モード)を実線で示し、速度変動で表した場
合(速度変動モード)を点線で示す。図6から明らかな
ように、圧力変動モードと速度変動共鳴モードでは腹と
節の位置が逆転し、また圧力変動モードの方が節の数が
1つだけ多い。以下、圧力変動モードを採用する。
【0026】この共鳴モードの圧力変動波形を△pとす
る。また、加振機が励起する壁の振動速度の波形を△v
で表す。このとき、加振機により供給されるエネルギー
Epと波形△p、△vの関係を図7に、また数式表現を
式(7)に示す。
【0027】Ep=∫△p・△vdt (7) 式(7)によると、両者の波形△p、△vが同位相の場
合はEpが正となり、加振機が気柱振動にエネルギーを
供給し、逆位相の場合はEpが負となり、加振機が気柱
振動のエネルギーを吸収することが分かる。
【0028】こうして、加振機による供給(あるいは吸
収)エネルギーEpの大きさは、加振機が設置される壁
面の振動速度の振幅、あるいは振動速度と圧力変動の位
相差によりコントロールすることができる。
【0029】すなわち、壁の振動速度と圧力変動波形を
モニターし、その位相情報に着目して加振機をコントロ
ールすることにより、加振機が供給、あるいは吸収する
エネルギー、ひいては管群気柱共鳴現象の発生状況並び
に圧力変動の振幅をコントロールすることが可能とな
る。
【0030】こうして本発明によれば、音響励振力を制
御することにより、これまでトラブル視されていた管群
部のカルマン渦による管群気柱共鳴現象を自由にコント
ロールすることができ、この音響エネルギーを利用する
ことによりスートブロウイングに必要な音響励起装置の
電気エネルギー、あるいは空気ジェットの量を著しく低
減できる。また、管群気柱共鳴抑止のための構造物(防
音バッフル)の員数低減が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の装置の構成
とその運用方法を以下に説明する。図1に本実施の形態
の装置構成を示す。本例では加振機3(3−〜3−
)を4箇所に設置する。そして、その近傍に音波受信
機である圧力センサ4(4−〜4−)と壁の振動速
度センサ4’(4’−〜4’−)(圧力センサ4と
振動速度センサ4’を二つ設ける理由は、位相情報(2
つの点が同位相か逆位相か)を知ることにより、共鳴モ
ード形状を推定するためである。)を設置する。各加振
機3毎にアンプ9(9−〜9−)、位相を調整する
位相制御器10(10−〜10−)が設けられ、さ
らにその前段には各加振機3に共通の駆動信号を発生す
る発振器6が組み込まれる。マイコン7は、圧力センサ
4、振動速度センサ4’に基づき、発振器6の出力周波
数を制御する信号あるいは位相制御器10の制御信号を
供給する。
【0032】図2は各加振機3及びセンサ4、4’の詳
細設置状況を示すものである。火炉2(ケージ部)ある
いはダクト部の壁21は一般に断熱材24に覆われてい
る。従って壁を外から加振するため、壁に固定柱22で
支持された固定板23を設置し、それに加振機3を設置
する。加振機3の構造の一例として、この図2に示すよ
うに電動式のアクチュエータ28で付加マス29(重り
の慣性力を利用して壁を加振して加振(重りの重さ)を
得るもの)を加振し、その反力で壁21を加振する装置
を示す。
【0033】一般に大容量ボイラの気柱共鳴周波数は2
0〜60Hzにあるので、この範囲の周波数で加振する
付加マス29の重さは約20kg、振幅は20Hzでは
5mm、60Hzでは0.5mm程度で十分である。こ
の時の壁に作用する動荷重は1500N程度となる。
【0034】壁21の振動速度は固定板23に設置され
た振動センサ32で検出する。圧力の検出は、導圧パイ
プ31とゴムチューブ27によって外部に導かれた圧力
変動を圧力センサ4によって検出する。ゴムチューブ2
7は圧力センサ4のノイズの原因となる振動を絶縁する
ために設置される。また導圧パイプ31は壁21と一緒
に振動しないように、壁21から振動絶縁する必要があ
る。
【0035】つぎに、マイコン7による制御方法を図8
により説明する。まず圧力変動信号を取り込み、そのレ
ベルが、スートブロウィングに十分な値に達している
か、また、壁や内部構造物の損傷、あるいは騒音発生
のおそれが無いかをチェックする。前記、の条件を
満たさない場合には、まず、ガス流速を運転条件から、
あるいは流速センサを設置して評価し、式(1)によっ
てカルマン渦放出周波数fsを算出する。これと圧力変
動信号の周波数分析により得られるパワスペクトルのピ
ーク周波数を元に着目する周波数を設定するとともに、
発振器6の周波数を着目周波数になるように制御する。
なお、着目周波数は、カルマン渦放出周波数近辺にある
圧力変動スペクトルピーク周波数とする。これと並行し
て、壁の振動速度△vと圧力変動速度△pの位相差スペ
クトルを算出し、着目周波数における位相差を検出す
る。
【0036】そして、現時点での圧力変動がスートブロ
アに必要なレベルに達しておらず、圧力変動を増大した
い場合には位相差を低減する方向に位相制御器を調整す
る。また過大な圧力変動が発生して構造物の損傷、ある
いは騒音発生のおそれがある場合には逆の方向に制御を
行い、気柱共鳴を防止する。
【0037】なお、前記、の条件を満たす圧力変動
レベルはフィルタをかけない状態で130〜140dB
程度である。このとき外部では約30dB減音する。騒
音評価で用いるA特性フィルタ評価では80dB程度以
下になり、騒音上問題ない値となる。
【0038】本発明の第2の実施の形態では、音響励起
装置として前記図1の加振機3の代わりに電気駆動のス
ピーカ3’を用いる方法を用いる。
【0039】マイコンによる制御方法は前記図8に示し
た方法とほぼ同じであり、そのフローを図9に示す。
【0040】ガス流速を運転条件から、あるいは流速セ
ンサを設置して評価し、式(1)によってカルマン渦放
出周波数fsを算出する。この周波数fsに発振器6の
出力信号の周波数を設定する。
【0041】次に発振器6の信号から、気柱励振力(言
い換えるとスピーカの振動板速度)信号を算出する。こ
の際に必要な、発振器6からスピーカ振動板までの周波
数応答特性は事前に評価しておく必要がある。この気柱
励振力信号と圧力センサ4からの圧力変動信号の間の位
相差を評価する。この情報と、圧力変動レベルの大きさ
を元に、発振器6の振幅、あるいは位相を制御する。つ
まり、圧力変動が灰除去に必要なレベルに達していない
場合には発振器6の振幅を増大する、あるいは位相差を
小さくする方向に制御し、スピーカ3’が気柱に供給す
るエネルギーを増大して気柱共鳴を助長(不安定化)す
る。また過大な圧力変動が発生して構造物の損傷、ある
いは騒音発生のおそれがある場合には逆の方向に制御を
行い、気柱共鳴を抑止する。複数のスピーカ3’がある
ので、各スピーカ3’の制御は向かい合った圧力センサ
4の信号を用いて制御する。
【0042】ここで対象とする気柱モードの位相の補正
をすることに注意すべきである。すなわち、対象とする
気柱モードの次数が奇数、つまり向かい合う炉壁で位相
が逆なモードに対しては、位相制御量の符号を反転する
必要がある。
【0043】このスピーカ3’を用いる方法は前記加振
機3を用いる場合と同様な効果が生じるが、一般にスピ
ーカ3’は耐熱性に問題があるため、上記の、壁を励振
する方法のほうが実用的であるといえる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば音波式スートブロアのラ
ンニングコストが大幅に低減し、高効率な灰除去が可能
となる。また、これまでトラブル視されていた管群部の
気柱共鳴の抑止機能も有するため、これまでその発生を
避けるために制約されていたガス流速に関する運用の領
域が拡張し、構造的には気柱振動抑止のための防音構造
(防音バッフル)の員数を低減できるという利点があ
る。また、付加的な効果として、ダクト全体にわたって
適度な振幅の圧力変動が発生するため、伝熱管の境界で
の管伝熱率が向上するという効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態になる加振機スートブロ
アをボイラ火炉に適用した場合の構成図を示す。
【図2】 図1の加振機をボイラ火炉に設置した場合の
火炉壁面部分を側面図を示す。
【図3】 燃焼灰が伝熱管に堆積した状況を示す説明図
である。
【図4】 渦放出周波数と気柱共鳴周波数とによる音響
共鳴発生機構の説明図である。
【図5】 渦放出周波数と気柱共鳴周波数とによる音響
共鳴発生機構の説明図である。
【図6】 閉鎖空間内での気柱共鳴モードの説明図であ
る。
【図7】 加振機のエネルギー接受の説明図である。
【図8】 図1の加振機スートブロアの運用方法を示
す。
【図9】 本発明の実施の形態になる加振機スートブロ
アの運用方法を示す。
【図10】 従来のスートブロアをボイラ火炉に適用し
た場合の構成図を示す。
【符号の説明】
1 伝熱管群 2 火炉(ケージ
部) 3 加振機 3’ スピーカ 4 圧力センサ 4’ 壁振動速度
センサ 6 発振器 7 マイコン 9 アンプ 10 位相制御器 21 壁 22 固定柱 23 固定台 24 断熱材 25 外装板 27 ゴムチュー
ブ 28 アクチュエータ 29 付加マス 31 導圧パイプ 32 振動センサ 34 圧力センサ 109 伝熱管 110 燃焼灰 111 カルマン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相田 清 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 定岡 紀行 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 三木 将裕 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 3B201 AA47 AB51 BB83 BB98 BC05 CD41 CD43 3K061 QC00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材が設置されたスートブロア対象装置
    に配置され、前記部材上に付着した粉塵を除去または前
    記部材への粉塵の付着を抑制する音波式スートブロアで
    あって、 音響励起装置、音波発振器、位相調整器、スートブロア
    対象装置内圧力を検知するセンサ及び音響励起装置の音
    響励振力の振動数を前記スートブロア対象装置内の部材
    の周りで発生するカルマン渦発生周波数近傍にあるダク
    ト内圧力変動の卓越周波数に一致させ、単一又は複数箇
    所の炉壁振動の位相と音響共鳴モードの位相分布の情報
    を用いて前記音響励起装置を駆動させて、 音響励起装置が供給する音響エネルギーEpと前記部材
    の周りで発生するカルマン渦が気柱振動に供給するエネ
    ルギーEsと炉壁からの音響放射、管群部での音響的な
    摩擦等で散逸する音場の逸散エネルギーEaとの間に Ep>Ea−Es (5) なる関係が成立する音響励振エネルギーを制御する制御
    装置を備えた音波式スートブロア。
  2. 【請求項2】 音響励起装置は機械的に振動板を振動さ
    せて音波を発生させる加振機又は圧縮気体を使用して振
    動板を振動させて音波を発生させるスピーカであること
    を特徴とする請求項1記載の音波式スートブロア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の音波式スートブロアの音
    響励起装置の音響励振力の振動数をスートブロア対象装
    置内を流れるガスがスートブロア対象装置内の部材の周
    りで発生するカルマン渦発生周波数近傍にあるダクト内
    圧力変動の卓越周波数に一致させ、単一又は複数の箇所
    の炉壁振動の位相と音響共鳴モードの位相分布の情報を
    用いて音響励起装置を駆動して音響励振エネルギーを制
    御することを特徴とする音波式スートブロアの運用方
    法。
  4. 【請求項4】 単一、又は複数の請求項1記載の音波式
    スートブロアを、その壁面及び/又はその内部に取り付
    けたことを特徴とするスートブロア対象装置。
  5. 【請求項5】 スートブロア対象装置がボイラ火炉、脱
    硝装置、排熱回収ボイラ又は蓄熱式熱交換器であること
    を特徴とする請求項4記載のスートブロア対象装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103940287A (zh) * 2014-04-02 2014-07-23 庄朱平 对扣式智能全自动除垢器及除垢方法
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CN113672003A (zh) * 2021-08-23 2021-11-19 南京常荣声学股份有限公司 一种区域控制声波吹灰器及控制方法

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