JP2000107692A - 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置 - Google Patents

音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置

Info

Publication number
JP2000107692A
JP2000107692A JP10282849A JP28284998A JP2000107692A JP 2000107692 A JP2000107692 A JP 2000107692A JP 10282849 A JP10282849 A JP 10282849A JP 28284998 A JP28284998 A JP 28284998A JP 2000107692 A JP2000107692 A JP 2000107692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound wave
speaker
sound
amplifying
drive coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10282849A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Tada
利雄 多田
Kazuhiro Sakuyama
和弘 作山
Yoichi Kanisawa
洋一 蟹沢
Ryoji Takahashi
良次 高橋
Teruaki Matsumoto
曜明 松本
Ryosuke Yamaguchi
良祐 山口
Koujirou Yamada
紘二郎 山田
Tomoyuki Fujimura
朋之 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Tohoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK, Tohoku Electric Power Co Inc filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP10282849A priority Critical patent/JP2000107692A/ja
Publication of JP2000107692A publication Critical patent/JP2000107692A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的使用に有効な高出力の音圧レベルに増
幅でき、連続使用ができる。 【解決手段】 音波発生装置3は、スピーカ5およびス
ピーカボックス24と、スピーカボックス24に延設さ
れスピーカ5から発振される音波を増幅する共鳴筒29
と、サイレンサ26と、共鳴筒29の外側に設けられ冷
却用の空気を共鳴筒29の先端に位置する空間に排出す
るバランス管33とを備える。スピーカ5は駆動コイル
6に空気を供給し冷却する冷却用ノズル22を有し、ス
ピーカボックス24は長さが直径の2.5倍以上に形成
され、冷却用の空気の排気速度が5m/s以下にする排
気口25を有する。共鳴筒29はスピーカ5の発振音圧
を広帯域にわたり増幅するイコライザ31を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物に音波を加
える音波発生装置およびこれを用い燃焼炉の伝熱部、た
とえば伝熱管に堆積した灰を除去する燃焼炉の灰除去装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、従来技術に係る低音用コーン
スピーカを示す断面図である。従来、40Hzから30
0Hzに使用されるスピーカ(音波発振手段)5は、極
低周波領域の音波を発生するが、スピーカを駆動する駆
動コイル6には冷却装置が設けられていない。これは音
楽を発振する場合は、極低周波領域の使用頻度が低いた
め駆動コイル6に起動用電流が流れても一時的なものと
なり駆動コイル6の発熱も自然と冷却されスピーカとし
ての問題は発生しない。このため音楽用に製作されたス
ピーカを工業的な運転(または「運用」ともいう)とし
ての高出力、連続運転時に発生する駆動コイルの発熱に
対し対策がとられていない。
【0003】ここで、上記スピーカ5の構造は、上記駆
動コイル6の外側に配置されるマグネット8と、このマ
グネット8の前後に設けられるプレート9およびバック
プレート11と、スピーカの中心軸上に配置されるポー
ルピース12とを有する。さらに、コーン14、フレー
ム18およびエッジ20を有する。なお、符号15はセ
ンタキャップ、17はダンパである。
【0004】図13は、ボイラの概略構成を示す概略断
面図である。同図に示されているように、火炉101の
後部に設置されている後部伝熱前壁102と、後部伝熱
側壁103と、後部伝熱隔壁104と後部伝熱後壁10
5によって囲まれる煙道内には、横置過熱器106、横
置蒸発器107、横置再熱器108、横置節炭器109
などが所定の間隔をおいて燃焼ガスの流れ方向に沿って
設置されており、煙道を流れる高温燃焼ガスと伝熱管内
を流れる流体との間で熱交換が行われる。
【0005】ところで、特に微粉炭焚ボイラにおいて
は、燃焼ガス中に燃焼灰が多く含まれており、それが伝
熱管の壁面に付着、堆積する。これらの燃焼灰は、ボイ
ラ運転や定期的あるいは必要に応じて蒸気式スートブロ
ワを起動して伝熱管の壁面から除去される。しかし、ボ
イラが停止し定期検査に入る時、これらの伝熱管には多
くの灰が堆積しており、定期検査中に脱落、落下が繰り
返され定期検査の妨げとなる。このため、ボイラ停止直
後、作業員が炉内に入り伝熱管をハンマリングしたりエ
アブローして灰の除去を行うが、清潔でない困難な作業
であり多くの時間を要する。
【0006】一方、炉内に気柱共振を発生させて灰を除
去する音波洗浄方法(特開平9−61088号公報)
は、音波による気柱共振モードの力で灰を除去する方法
であり、作業員は炉外作業となり、上記清潔でない困難
な作業およびその作業環境は排除できるが、炉内のガス
流動に対する運転については示されていない。ボイラ運
転中の使用であれば問題はないが、定期検査中において
灰除去効果が得られるまでには多くの時間がかかり作業
能率が悪い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図12は、従来、使わ
れているスピーカの出力音圧レベルを示す説明図で、各
スピーカと出力音圧レベルが示されている。SR用スピ
ーカは、コンサート用大規模音響システムに使用される
ものである(SR=Sound Reinforcem
ent)。いずれも、出力音圧レベルは略110dBま
でであることが分かる。低周波領域で音楽用に製作され
たスピーカを工業的音波発生装置に利用するに当って、
スピーカ自身は高出力、連続運転時に発生する駆動コイ
ルの発熱現象に対して対策がなされていない。さらに、
スピーカからの出力音圧レベルも工業的効果を得るため
には低過ぎる。
【0008】また、先に述べたボイラ燃焼炉の灰除去に
おいて、短時間に灰を除去する点については配慮されて
おらず、定期検査を短縮化する時代において多くの時間
を要し、灰の清掃効率の良好な装置を提供する必要に迫
られている。
【0009】本発明の第1の課題は、工業的に音波を利
用する音波発生装置において、工業的使用に有効な高出
力の音圧レベルに増幅でき、連続使用ができることであ
る。
【0010】本発明の第2の課題は、燃焼炉内の伝熱部
に付着する灰を除去する燃焼炉の灰除去装置において、
短時間で効率良く灰除去ができることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、駆動コイルに電流を流し音波を発振する音波
発振手段を備え、該音波発振手段により対象物に音波を
加える音波発生装置において、前記音波発振手段は前記
駆動コイルを冷却する冷却手段を有してなることであ
る。音波発振手段の駆動コイルに電流を流し音波を発振
すると、駆動コイルは発熱する。この発熱する駆動コイ
ルを冷却手段により冷却、たとえば空気により強制冷却
することにより、駆動コイルには大きな電流を流すこと
ができ、音波発生装置は工業的使用に有効な高出力の音
圧レベルに増幅でき、連続使用ができる。
【0012】さらに、前記音波発振手段を内側に保持し
前記音波を発振させる中空保持体と、該中空保持体に延
設され前記音波発振手段から発振される音波を増幅する
筒状の増幅筒状体とを備え、前記冷却手段は前記駆動コ
イルに冷却用の空気を供給してなることである。音波発
振手段は、音波を発振させる方向に向けて中空保持体の
内側に保持される。筒状の増幅筒状体を中空保持体に延
設することにより音波発振手段から発振される音波を増
幅する。冷却手段は駆動コイルに冷却用の空気、たとえ
ば圧縮空気を供給することにより、最も簡便な構造によ
り、かつ音波発振手段に支障を来すことなく駆動コイル
を強制冷却することができる。
【0013】さらに、前記中空保持体は円筒状に形成さ
れ、該中空保持体の長さを直径の2.5倍以上にしてな
ることである。中空保持体の長さを直径の2.5倍以上
にすることにより、冷却空気の排気により音波発振手段
への加圧を防止し、音波発振手段からの発振音圧を最大
限に増加することができる。
【0014】さらに、前記中空保持体は前記冷却用の空
気の排気速度を5m/s以下にする排気口を有してなる
ことである。空気の排気速度を5m/s以下にする排気
口を有することにより、音波発振手段からの発振音圧を
最大限に増加することができる。
【0015】さらに、前記排気口に設ける消音手段と、
前記増幅筒状体の外側に設けられ前記冷却用の空気を前
記増幅筒状体の先端に位置する空間に排出する排出管と
を備えてなることである。排気口に設ける消音手段によ
り音波発振手段の音圧を抑制する冷却空気を排出管を介
して増幅筒状体の先端近傍に位置する空間に排出するこ
とにより、上記速度を満足させ、音波発振手段からの発
振音圧を最大限に増加できる。
【0016】そして、前記増幅筒状体は前記音波発振手
段の発振音圧を広帯域にわたり増幅する増幅手段を有し
てなることである。増幅手段により音波発振手段からの
発振音圧を広帯域にわたり、たとえば約15〜20dB
増幅できる。
【0017】また、本発明は、燃焼炉の炉内に音波を加
え、前記炉内の伝熱部に堆積した灰を除去する燃焼炉の
灰除去装置において、請求項1ないし6のいずれかに記
載の音波発生装置と、該音波発生装置を制御する制御装
置とを備え、該制御装置は、個々の前記音波発振手段を
駆動するアンプ内に演算手段および発振器を有し、前記
音波発振手段を同期的に制御してなることである。
【0018】個々の音波発振手段を駆動するアンプ内に
演算手段および発振器を設けることで中央制御盤からの
デジタル指令により自律的に行い、音波発振手段により
炉内に発振する音波の周波数、出力、位相を厳密に同期
制御する。伝熱部に堆積する灰に音波を当てると、ある
しきい値(約120dB)以上で伝熱部に堆積する灰
は、振動し伝熱部の外側方向に移動し灰粒子の安息角以
上となり伝熱部より自然落下し除去される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る音波発生装置
および燃焼炉の灰除去装置の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。なお、図1〜10において、同一又
は同等部分には同一符号を付けて示す。
【0020】図1は、本発明に係る音波発生装置の一実
施形態を示す断面図である。本実施形態の音波発生装置
3は、駆動コイル(駆動用コイル)6に電流を流し音波
を発振する音波発振手段としてスピーカ5を備え、この
スピーカ5によって対象物、たとえば燃焼炉内の伝熱部
などに音波を加えるスピーカ駆動方式のものである。ス
ピーカ5は、駆動コイル6を冷却する冷却手段として冷
却用ノズル22を有し、スピーカの駆動コイル6に冷却
空気59が吹き付けられる。従来、自然冷却用として利
用したスピーカの孔の1つに直接冷却空気59である圧
縮空気を吹き付け他の孔からその排気空気60を排気し
駆動コイル6を強制冷却する。
【0021】さらに、スピーカ5を内側に保持し音波を
発振させる中空保持体としてのスピーカボックス24
と、このスピーカボックス24に延設され、かつスピー
カ前面にスピーカ5から発振される音波の出力音圧を増
幅する筒状の増幅筒状体としての共鳴筒29とを備え
る。ここで、スピーカボックス24は、円筒状に形成さ
れ、排気空気60の排気口25(後述の図3)を有す
る。そして、スピーカボックス24の長さ(L)は直径
(D)の2.5倍以上にとり、かつ、排気口25の排気
速度を5m/s以下にする。また、共鳴筒29は、スピ
ーカ5の発振音圧を広帯域にわたり増幅する増幅手段と
してのイコライザ31を有する。
【0022】さらに、音波発生装置3は、排気口25に
設ける消音手段としてサイレンサ26と、共鳴筒29の
外側に設けられ冷却用空気を共鳴筒29の先端に位置す
る空間37に排出する排出管であるバランス管33とを
備える。
【0023】図2は、図1の I部詳細図である。先に
記したように、スピーカ5は駆動コイル6を冷却する冷
却手段として冷却用ノズル22を有し、駆動コイル6に
冷却用空気59(圧縮空気)を吹き付ける。
【0024】図3は、図1のサイレンサを示し、(A)
は断面図、(B)は(A)の II−II 線断面図、(C)
はサイレンサの作用を説明する説明図である。サイレン
サは、孔28のあいた仕切り板27が複数枚設けられ、
しかも孔28は互いにずらして設けられるので、図3
(C)に示すように、冷却用空気の排気空気60がそこ
を流通するときに消音または遮音される。また、たとえ
ば25mm厚さのグラスウールなど消音材26aを内張
りして、消音、振動エネルギーを吸収する。
【0025】図4は、図1で使用されるスピーカの断面
図である。スピーカの駆動コイル6に冷却用空気として
圧縮空気を吹き出す冷却用ノズル22を設置し、スピー
カの駆動コイル6全体を冷却する。スピーカの駆動コイ
ル6を冷却した排気空気60は、図示していないスピー
カボックス内を通ってサイレンサに入り、さらにバラン
ス管を通って共鳴筒から音波を発振する同一雰囲気空間
へ排出される。なお、図4において、その他の部分は図
11に示したものと同じであるので同じ符号を付けて説
明を省略する。
【0026】以上の構造を有する音波発生装置3は、次
のように作用する。
【0027】図1において、スピーカの駆動コイル6に
電流を流し音波を発振すると、駆動コイル6は発熱す
る。この発熱する駆動コイル6を冷却用ノズル22から
圧縮空気を噴射することにより強制冷却するので、駆動
コイル6には大きな電流を流すことができ、音波発生装
置3は工業的使用に有効な高出力の音圧レベルに増幅で
き連続使用ができる。そして、スピーカ5は、音波を発
振させる方向に向けてスピーカボックス24の内側に保
持される。筒状の共鳴筒29をスピーカボックス24に
延設することによりスピーカ5から発振される音波を増
幅する。さらに、冷却用ノズル22により駆動コイル6
に冷却用空気としての圧縮空気を供給することにより、
最も簡便な構造で、かつスピーカの音波発振に支障を来
すことなく駆動コイル6を強制冷却することができる。
【0028】図5は、スピーカボックスのL/Dと発振
音圧変化の関係曲線図である。スピーカ5の駆動コイル
を圧縮空気で冷却した時にスピーカ本来の音圧を発揮す
るためのスピーカボックス24の条件、スピーカボック
スからの冷却された排気空気の流速条件を示し、冷却用
空気使用時にスピーカボックス24の長さLがスピーカ
の直径Dに対しL/D≧2.4の時に初めてスピーカ単
位と同レベルの音波を発振できる。実用的にはスピーカ
ボックス24の長さLを直径Dの2.5倍以上にするこ
とにより、冷却空気の排気によりスピーカ5への加圧を
防止し、スピーカ5からの発振音圧を最大限に増加する
ことができる。
【0029】ところで、スピーカの駆動コイル6の発熱
は、駆動コイル6の電気抵抗を増加させが、一定出力で
スピーカ5を使用した場合、入力電流が一定のため電圧
増加となって表われる。定格出力1kwの低音スピーカ
において連続使用は、約300〜400Wが限界とな
り、この時の冷却空気量は最大1m3/min程度であ
れば電圧一定、すなわち駆動コイル6の電気抵抗が一定
で連続使用が可能となる。この時のスピーカ直径は40
0mm程度の大きさとなるが、スピーカボックス24の
長さLとスピーカボックス24からの冷却空気排気口2
5がある条件を満足しないとスピーカ5から発振される
音圧が低下する現象が発生する。
【0030】図6は、スピーカボックスからの冷却空気
排気流速と発振音圧変化の関係曲線図である。スピーカ
駆動コイル6を圧縮空気で冷却した時にスピーカ本来の
音圧を発揮するためのスピーカボックス条件、スピーカ
ボックスからの冷却された排気空気の流速条件を示す。
冷却空気使用時、スピーカボックス24からの冷却空気
排気流速が5m/s以上になるとスピーカ単体から発振
する音圧より音圧が低下する。これらの現象は、スピー
カボックス24内に排気された排気空気が十分に膨張す
ることができず、さらに排出のためのシステムロスが発
生することによりスピーカのコーンの振動に対しコーン
背面から圧力が加わることとなりスピーカコーンの振幅
が押えられ結果として発振音圧が低下する現象となった
と考えられる。実用的には空気の排気速度を5m/s以
下にする排気口25を有することにより、スピーカ5か
らの発振音圧を最大限に増加させる。
【0031】さらに、図1、3に示すように、排気口2
5に設けるサイレンサ26によりスピーカの音圧を抑制
する冷却空気をバランス管33を介して共鳴筒29の先
端近傍に位置する空間37に排出することにより、上記
速度を満足させ、スピーカ5からの発振音圧を最大限に
増加できる。
【0032】図7は、共鳴筒単体とイコライザ設置の場
合の周波数に対する音圧特性を示す曲線図である。図示
していない共鳴筒29は、それ自身共鳴周波数を持つた
め、工業的に必要とする周波数を発振させるには、共鳴
筒29の長さを変化させる必要がある。イコライザ31
(図1)を設置することにより共鳴筒29からの発振音
波を高音圧に増幅し、しかも高音圧での周波数を広帯域
化する。イコライザ31によりスピーカ5からの発振音
圧を広帯域にわたり、たとえば曲線61と曲線62の差
に示すように、約15〜20dB増幅できる。
【0033】さらに、イコライザ31は、コーンスピー
カ5において最も振幅面積が大きくなる外周部からの音
波を直接放出できることを特徴とし、振幅面積の小さな
センタキャップ15の径の約1.5倍の径を持つイコラ
イザ31とすることが効果的である。その場合円筒タイ
プの音波を選択的に発振させることで同位相の音波とな
り、発振音圧を高めることができる。センタキャップ1
5からの音波は多少位相が異なり円筒内では音圧低下を
もたらす。なお、イコライザ31の径が大きすぎると音
波が通過できる面積が減少し音圧を低下させる。また、
イコライザ31の径を小さくしすぎるとイコライザ本来
の目的である音波通過面積の均一化の防止作用しない。
【0034】図8は、図1の音波発生装置を停缶中の燃
焼炉のマンホールに設置した燃焼炉の灰除去装置を示す
説明図である。スピーカ駆動方式の音波発生装置3を運
用停止した燃焼炉としてのボイラ50のマンホールに設
置する状態を示す。燃焼炉の灰除去装置1は、燃焼炉5
0の炉内に音波を加え、炉内の伝熱部、特に伝熱管51
a〜51cの壁面に付着、堆積した灰や粉塵などのまわ
りのガス体を音波により振動させて壁面から除去するも
ので、上記に説明した複数の音波発生装置3と、これら
複数の音波発生装置のスピーカを制御する図示していな
い制御装置とを備える。
【0035】音波式の燃焼炉の灰除去装置1は、炉内の
音圧が120dB以上に音圧を高めた時に炉内の伝熱管
51a〜51cに付着、堆積した灰が音波による空気振
動により除去されるが、この時の炉内へ音波を投入する
装置として使用される。炉内は大気より圧力が数mmA
q低い状況であるが、バランス管によりスピーカ前後の
圧力は均一となり音波発振の妨げにならず運用が可能で
ある。
【0036】さらに、燃焼炉の灰除去装置1は、たとえ
ば直径500mmのマンホールに共鳴筒29を取り付け
て音波を炉内へ発振する。このため共鳴筒29の直径は
300〜400mm程度にしないとマンホールに入りに
くく設置が困難である。低周波数で高出力のスピーカ直
径は400mmとなりスピーカ5へ取り付ける共鳴筒2
9はほとんど円筒となる。円筒形状の筒は、それ自身共
振周波数を持つので円筒形状の共振周波数では大きな音
圧を発振し他の周波数では音圧の低下を発生する。
【0037】一方、炉内の気柱共振周波数は、ボイラサ
イズにより変化する。最も効率的な音波式灰除去装置
は、炉内の気柱共振周波数と共鳴筒から発振される高音
圧周波数が一致することである。このためイコライザ3
1を使用する。イコライザ31は、音波発振振動板から
音波が通る空間断面積を変化させて円筒共振を防止する
ことにより増幅するが、形状に応じ大きく音圧特性が異
なる。
【0038】図9は、図8の燃焼炉の灰除去装置に使用
される制御装置の一実施形態を示す系統図である。図1
0は、図9のパワーアンプ内の要部を示す系統図であ
る。制御装置40は、個々のスピーカ5を駆動するパワ
ーアンプ(アンプ)42内に演算手段としてのコンピュ
ータ44および水晶発振器(発振器)46を有し、複数
のスピーカ5を同期的に制御する。
【0039】個々のスピーカ5を駆動するパワーアンプ
42内にコンピュータ44および水晶発振器46を設け
ることで中央制御盤48からのデジタル指令により自律
的に行い、スピーカ5により炉内に発振する音波の周波
数、出力、位相を厳密に同期制御する。伝熱管51a〜
51cに堆積する灰に音波を当てると、あるしきい値
(約120dB)以上になると、伝熱管51a〜51c
上に堆積する灰が振動を起し伝熱管の外側へ移動し粒子
の安息角以上となり、伝熱管より自然落下し除去され
る。
【0040】図8に示すように、同期制御されるスピー
カ5は、たとえば12〜16個もあり、それぞれを中央
制御盤48から直接ケーブルで制御するためには多くの
ケーブル配線が必要となり短時間に音波発生装置をマン
ホールに設置し灰除去を行うにはあまりにもケーブル敷
設に作業両がかかり過ぎ効率的ではない。そこで、図9
に示すように、個々のスピーカ5を駆動するパワーアン
プ42内にコンピュータ44と水晶発振器46を設置
し、パワーアンプ42で自身が中央制御盤48からのデ
ジタル指令により自律運用を行うシステムとする。この
結果、中央制御盤48内のコンピュータからデジタルの
指令のみ発信し個々のパワーアンプ42は現状の運用状
況をデジタルでアンサーバックするのみで12または1
6個のスピーカ全体の運用は厳密な同期運用を可能とす
る。
【0041】この結果、音波発生装置のマンホール設置
作業におけるケーブル付設は信号ケーブル1本のみとな
りケーブル付設作業を大いに軽減することができる。一
方、運用面においても炉内気柱共振モードを励起させる
ための音波発振周波数も小数点第1位まで厳密に制御す
ることが可能となることにより炉内気柱共振がシャープ
になり高い炉内音圧が得られる。
【0042】従来、スピーカは、音楽鑑賞用として発達
し製造されて来たが、これを工業用に使用する場合、ス
ピーカ単体では出力音圧レベル(低音用)が106dB
程度と音圧レベルが不足で、高出力、連続運用ができな
かったが、本実施形態の音波発生装置3により、出力音
圧レベルを130dB以上に増幅でき、しかも高出力、
連続運転が可能となり、容易に入手できる従来の音楽鑑
賞用スピーカで工業的な運用を可能とする。
【0043】
【発明の効果】本発明の音波発生装置によれば、工業的
使用に有効な高出力の音圧レベルに増幅でき、連続使用
ができる。
【0044】本発明の燃焼炉の灰除去装置によれば、短
時間で効率良く灰除去ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音波発生装置の一実施形態を示す
断面図である。
【図2】図1の I部詳細図である。
【図3】図1のサイレンサを示し、(A)は断面図、
(B)は(A)の II−II 線断面図、(C)はサイレン
サの作用を説明する説明図である。
【図4】図1で使用されるスピーカの断面図である。
【図5】スピーカボックスのL/Dと発振音圧変化の関
係曲線図である。
【図6】スピーカボックスからの冷却空気排気流速と発
振音圧変化の関係曲線図である。
【図7】共鳴筒単体とイコライザ設置の場合の周波数に
対する音圧特性を示す曲線図である。
【図8】図1の音波発生装置を停缶中の燃焼炉のマンホ
ールに設置した燃焼炉の灰除去装置を示す説明図であ
る。
【図9】図8の燃焼炉の灰除去装置に使用される制御装
置の一実施形態を示す系統図である。
【図10】図9のパワーアンプ内の要部を示す系統図で
ある。
【図11】従来技術に係る低音用コーンスピーカの一例
を示す断面図である。
【図12】従来使用しているスピーカの出力音圧レベル
を示す説明図である。
【図13】ボイラの概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 灰除去装置 3 音波発生装置 5 スピーカ(音波発振手段) 6 駆動コイル 22 冷却用ノズル(冷却手段) 24 スピーカボックス(中空保持体) 25 排気口 26 サイレンサ(消音手段) 29 共鳴筒(増幅筒状体) 31 イコライザ(増幅手段) 33 バランス管(排出管) 37 空間 40 制御装置 42 パワーアンプ(アンプ) 44 コンピュータ(演算手段) 46 水晶発振器(発振器) 50 ボイラ(燃焼炉) 59 冷却用空気(空気)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 作山 和弘 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1号 東北電力株式会社内 (72)発明者 蟹沢 洋一 秋田県能代市字大森山1の6 東北電力株 式会社能代火力発電所内 (72)発明者 高橋 良次 秋田県能代市字大森山1の6 東北電力株 式会社能代火力発電所内 (72)発明者 松本 曜明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 山口 良祐 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 山田 紘二郎 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 藤村 朋之 広島県呉市宝町5番3号 バブ日立工業株 式会社内 Fターム(参考) 3K061 PB07 PB11 PB15 5D107 AA09 BB10 BB11 CC08 CD10 FF03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動コイルに電流を流し音波を発振する
    音波発振手段を備え、該音波発振手段により対象物に音
    波を加える音波発生装置において、前記音波発振手段は
    前記駆動コイルを冷却する冷却手段を有してなる音波発
    生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記音波発振手段を
    内側に保持し前記音波を発振させる中空保持体と、該中
    空保持体に延設され前記音波発振手段から発振される音
    波を増幅する筒状の増幅筒状体とを備え、前記冷却手段
    は前記駆動コイルに冷却用の空気を供給してなる音波発
    生装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記中空保持体は円
    筒状に形成され、該中空保持体の長さを直径の2.5倍
    以上にしてなる音波発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記中空保
    持体は前記冷却用の空気の排気速度を5m/s以下にす
    る排気口を有してなる音波発生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記排気口に設ける
    消音手段と、前記増幅筒状体の外側に設けられ前記冷却
    用の空気を前記増幅筒状体の先端に位置する空間に排出
    する排出管とを備えてなる音波発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかにおいて、
    前記増幅筒状体は前記音波発振手段の発振音圧を広帯域
    にわたり増幅する増幅手段を有してなる音波発生装置。
  7. 【請求項7】 燃焼炉の炉内に音波を加え、前記炉内の
    伝熱部に堆積した灰を除去する燃焼炉の灰除去装置にお
    いて、請求項1ないし6のいずれかに記載の音波発生装
    置と、該音波発生装置を制御する制御装置とを備え、該
    制御装置は、個々の前記音波発振手段を駆動するアンプ
    内に演算手段および発振器を有し、前記音波発振手段を
    同期的に制御してなる燃焼炉の灰除去装置。
JP10282849A 1998-10-05 1998-10-05 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置 Pending JP2000107692A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282849A JP2000107692A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282849A JP2000107692A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000107692A true JP2000107692A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17657876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10282849A Pending JP2000107692A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000107692A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105020725A (zh) * 2015-07-08 2015-11-04 南京常荣声学股份有限公司 一种基于复合流的锅炉除灰器
US11076249B2 (en) 2018-11-07 2021-07-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device and control method thereof
CN113375176A (zh) * 2021-07-19 2021-09-10 清远市精旺环保设备有限公司 一种焦炭燃烧炉除灰装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105020725A (zh) * 2015-07-08 2015-11-04 南京常荣声学股份有限公司 一种基于复合流的锅炉除灰器
US11076249B2 (en) 2018-11-07 2021-07-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device and control method thereof
CN113375176A (zh) * 2021-07-19 2021-09-10 清远市精旺环保设备有限公司 一种焦炭燃烧炉除灰装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ITTO940109A1 (it) Silenziatore attivo per gas di scarico.
WO2001053754A1 (fr) Appareil de ramonage acoustique et méthode d'exploitation
JP2005527761A (ja) ガスタービン装置の燃焼室脈動を低減する減衰装置
EP0077364A1 (en) Infrasound generator.
JP2000107692A (ja) 音波発生装置および燃焼炉の灰除去装置
JPH11223328A (ja) 音波式スートブロワ
JP2008095915A (ja) 防塵型消音装置
JPS5969697A (ja) ダスト除去装置
JP6635481B1 (ja) ボイラを備えたストーカ式焼却炉におけるボイラ放射伝熱面のダスト除去方法及びダスト除去装置
JP2003004221A (ja) 音波式スートブロアとその運用方法
JP3301465B2 (ja) スピーカ装置及びこれを使用した消音装置
JP2002081635A (ja) 音波式清掃装置及び音波式清掃方法
JP2006118422A (ja) 電子機器内のファン音低減装置
JPH07212894A (ja) 超音波発生源およびこれを用いた浮遊粒子収集装置
JP3673306B2 (ja) 管体清掃装置およびボイラ装置
WO1990005275A1 (en) Method and arrangement for an enforced heat transmission between bodies and gases
CN207073827U (zh) 一种变频电动声波吹灰装置
JPH09243041A (ja) ごみ焼却炉における熱回収装置
JPH10174829A (ja) 浮遊粒子の収集方法とその装置
CN1267680C (zh) 用于锅炉炉膛的热声声波除灰器
CN216693598U (zh) 一种共振枪吹灰器
JP7026544B2 (ja) 騒音低減装置
JPS591999A (ja) 排ガスエコノマイザの煤吹き方法
CN215863475U (zh) 一种声波震荡吹灰器
JP2011503418A (ja) 乱流エアジェット内の渦構造を制御する装置と方法