JPH095997A - 感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及び回路基板 - Google Patents

感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及び回路基板

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JPH095997A
JPH095997A JP17048395A JP17048395A JPH095997A JP H095997 A JPH095997 A JP H095997A JP 17048395 A JP17048395 A JP 17048395A JP 17048395 A JP17048395 A JP 17048395A JP H095997 A JPH095997 A JP H095997A
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JP
Japan
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formula
coating film
resin composition
photosensitive resin
hydrogen atom
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JP17048395A
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English (en)
Inventor
Makoto Yanagawa
誠 柳川
Masato Hoshino
政人 星野
Kentaro Azuma
建太郎 我妻
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Tamura Kaken Corp
Original Assignee
Tamura Kaken Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可撓性のあるソルダーレジスト膜等を形成でき
る感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及びこれを利用した
例えばフレキシブルプリント配線板を提供する。 【構成】カルボキシル基を有する感光性プレポリマー、
光重合性反応性希釈剤、光重合開始剤、熱硬化性成分を
含有し、感光性プレポリマー中にノボラックエポキシ樹
脂とゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応
生成物を有するようにした感光性樹脂組成物、その硬化
塗膜及びこれを用いた回路基板。 【効果】ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂のゴ
ム成分により例えばソルダーレジスト膜は可撓性が発揮
され、また、その膜は熱硬化成分を加えることにより耐
熱性、耐薬品性等の各種性能を向上し、また、カルボキ
シル基を有することにより現像性も良くできる。そして
信頼性及び生産性の良い回路基板を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフレキシブルプ
リント配線板等のソルダーレジスト膜形成用の感光性樹
脂組成物、その硬化塗膜及びこれを用いた回路基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】回路基板として例えばプリント配線板
は、例えば銅張積層基板に回路配線のパターンを形成し
たものであって、その上に電子部品を搭載して一つの回
路ユニットを形成できるようにしたものであるが、その
電子部品としてコンデンサや抵抗体等を搭載するには、
その回路配線パターンの銅箔ランド、すなわちはんだ付
けランドにこれらの部品をはんだ付けして接続、固着し
ている。このようなプリント配線板には、厚さ1.0m
m程度のエポキシ樹脂含浸ガラス布を積層した板状の基
板を用いたものと、厚さ0.4mm以下のポリエステル
フィルムやポリイミドフィルムを用いたフィルム状の基
板を用いたものがあり、前者はテレビ受像機等の比較的
大型な電子機器に用いられ、後者はカメラなど小型機器
に用いられ、その装着ができるように屈曲自在に形成さ
れ、可撓性を必要とする、いわゆるPPCと言われるフ
レキシブルプリント配線板として用いられている。いず
れのプリント配線板であってもそれに電子部品をはんだ
付けするには、プリント配線板の所定の箇所に例えば両
端に電極を有するチップ状の電子部品をその両端の電極
がはんだ付けランドに位置するように配置して仮り留め
をし、ついでこの仮り留めした電子部品を噴流する溶融
はんだに接触させることによりはんだ付けする、いわゆ
る噴流式はんだ付け方法や、はんだ付けランドにはんだ
ペーストを塗布し、これに上記と同様に電子部品の電極
を位置させて加熱し、はんだペーストのはんだ粉末を溶
融してはんだ付けする、いわゆるリフローはんだ付す方
法が行なわれているが、はんだ付けランド部分を除いた
他の回路配線部分を含む基板の表面全体にいわゆるソル
ダーレジスト膜と言われる絶縁膜を形成してからはんだ
付けを行ない、各配線間の接続されてはならない部分が
はんだにより接続されたり、銅表面が腐食されないよう
にしている。
【0003】フレキシブルプリント配線板の場合にはポ
リイミドフィルムを金型で打ち抜いたものをソルダーレ
ジスト膜とすることも行われているが、製作費のかかる
高価な金型を用いること、打ち抜きのため微細パターン
を精度良く形成することが出来ないこと、自動化し難い
こと等の問題点があるので、これらの問題点のない方法
として板状のプリント配線板の場合と同様にインクを用
いてソルダーレジスト膜を形成することがより多く行わ
れている。このインクによるソルダーレジスト膜として
は、紫外線硬化型樹脂あるいは熱硬化型樹脂による塗膜
が用いられており、最近では、電子機器の小型化、コン
パクト化のために電子部品をプリント基板に高密度に実
装したいという要求に応えるプリント回路基板の高配線
密度化に伴って、はんだ付けランド間の配線密度も高ま
ることに対応して、そのソルダーレジスト膜の形成も高
解像性、高精度化が要求されていることから、液状フォ
トソルダーレジスト組成物を使用することが提案されて
いる。例えば特開昭50−144431号公報、特開昭
51−40451号公報には、ビスフェノール型エポキ
シアクリレート、増感剤、熱硬化性エポキシ化合物、そ
の硬化剤などからなる感光性樹脂組成物をプリント回路
基板にスクリーン印刷により全面塗布し、溶剤を揮発さ
せた後、配線パターンのネガフィルムを当てて露光し、
ついで未露光部分を溶剤で溶解除去する現像を行なって
ソルダーレジスト膜を形成する方法が開示されており、
さらにその現像を行う際の溶剤はそれがそのまま大気中
に排出されると環境汚染の問題を生じるのでその溶剤に
代えて希アルカル水溶液を現像液に用いることも行われ
ている。このソルダーレジストのインクはプリント配線
板表面に対する印刷性が良く、希アルカリ水溶液による
現像の解像性が良く、回路基板表面によく密着し、はん
だ耐熱性の優れたソルダーレジスト膜を形成することが
でき、プリント配線板の基板の厚さが1.0mmもある
板状のものでは実用性があると言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その硬
化塗膜は可撓性にさらに改善の余地があり、特にその硬
化塗膜をフレキシブルプリント配線板のソルダーレジス
ト膜として用いた場合には、可撓性が不足し、カメラ等
の小型機器に装着されるときに屈曲されるとクラックが
発生するという問題を生じることがあり、このようなク
ラックが発生すると、ソルダーレジスト膜としての機
能、すなわち、プリント配線板の配線の腐食を防止し、
配線間のゴミ等による短絡を防止するという機能を果た
すことができなくなる。
【0005】本発明の第1の目的は、可撓性がある例え
ばソルダーレジスト膜等の硬化塗膜を形成できる感光性
樹脂組成物、その硬化塗膜及びその硬化塗膜を利用した
回路基板を提供することにある。本発明の第2の目的
は、塗布面に対する印刷性、耐熱性、塗布面との密着
性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性、機械的特性に優れ
た例えばソルダーレジスト膜等を形成することができる
感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及びその硬化塗膜を利
用した回路基板を提供することにある。本発明の第3の
目的は、例えば高解像力、高精度にソルダーレジスト膜
等を形成することができる感光性樹脂組成物、その硬化
塗膜及びその硬化塗膜を利用した回路基板を提供するこ
とにある。本発明の第4の目的は、希アルカリ溶液で現
像することができることにより例えはソルダーレジスト
膜等を形成することができる感光性樹脂組成物、その硬
化塗膜及びその硬化塗膜を利用した回路基板を提供する
ことにある。本発明の第5の目的は、環境汚染を生じ難
く、火災の危険の少ない感光性樹脂組成物、その硬化塗
膜及びその硬化塗膜を利用した回路基板を提供すること
にある。本発明の第6の目的は、はんだ付け生産性や信
頼性を良くできる電子部品搭載前の回路基板を提供する
ことにある。本発明の第7の目的は、回路機能の信頼性
を損なわず、しかも生産性が良く、安価に得られる電子
部品搭載後の回路基板を提供することにある。本発明の
第8の目的は、上記第1〜7の目的を達成できるソルダ
ーレジスト膜付きフレキシブルプリント配線板を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、(A)下記一般式〔化1〕で示
されるノボラックエポキシ樹脂及び下記一般式〔化2〕
で示されるゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の
混合物と該混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.2
モルのエチレン性不飽和カルボン酸との反応生成物と、
上記混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.0モルの
多塩基酸及び/又はその無水物との反応生成物であって
カルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(B)光
重合性反応性希釈剤、(C)光重合開始剤及び(D)熱
硬化性成分を含有する感光性樹脂組成物を提供するもの
である。
【0007】
【化1】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n
は1以上の整数である。)
【0008】
【化2】(式中、Axは下記一般式〔化3〕及び/又は
下記一般式〔化4〕で示される構成を有し、Rは水素原
子又はメチル基を示す。)
【0009】
【化3】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n
及びmはそれぞれ1以上の整数である。)
【0010】
【化4】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n
及びmはそれぞれの1 以上の整数である。)
【0011】また、本発明は、(2)、ゴム変性ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂が下記一般式〔化5〕のピス
フェノールA型エポキシ樹脂にエポキシ基1当量あた
り、下記一般式〔化6〕又は〔化7〕のいずれかのゴム
状ポリマーをそのカルボキシル基当たり0.8〜1.1
当量反応させた樹脂である請求項1記載の感光性樹脂組
成物を提供するものである。
【0012】
【化5】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
【0013】
【化6】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n
及びmはそれぞれ1以上の整数である。)
【0014】
【化7】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n
及びmはそれぞれ1以上の整数である。)
【0015】(3)、平均粒径が2μm〜20μmの無
機質粉末を含有する上記(1)又は(2)の感光性樹脂
組成物、(4)、回路基板用ソルダーレジストインクで
ある上記(1)ないし(3)のいずれかの感光性樹脂組
成物、(5)、上記(1)ないし(4)のいずれかの感
光性組成物の塗布膜を光硬化及び熱硬化させた感光性樹
脂組成物の硬化塗膜、(6)、上記(1)又は(2)の
感光性樹脂組成物の塗布膜であって、光硬化及び熱硬化
されたソルダーレジスト膜を有する回路基板、(7)、
上記(3)の感光性樹脂組成物の塗布膜であって、光硬
化及び熱硬化されたソルダーレジスト膜を有する回路基
板、(8)、ソルダーレジスト膜の表面が粗面化されて
いる上記(7)の回路基板、(9)、電子部品搭載前又
は電子部品搭載後である上記(6)ないし(8)のいず
かの回路基板、(10)フレキシブルプリント配線板で
ある上記(9)の回路基板を提供するものである。
【0016】本発明において、「一般式〔化1〕で示さ
れるノボラックエポキシ樹脂」としては、上記一般式
〔化1〕で示されるエポキシ当量が1000以下、好ま
しくは200〜500の多官能性エポキシ樹脂が挙げら
れる。また、「一般式〔化2〕で示されるゴム変性ビス
フェノールA型エポキシ樹脂」としては、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂と、共役ジエン系ビニルモノマー及
びアクリルニトリルを含有する複数モノマーの共重合体
であって好ましくはその分子の両末端にカルボキシル基
を有する上記一般式〔化6〕及び/又は〔化7〕で示さ
れるゴム状ポリマーとの反応によって得られる樹脂であ
って、一般式〔化2〕のAxで示される一般式〔化3〕
及び/又は〔化4〕で示される構成を有し、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量当たり、ゴム
状ポリマーをカルボキシル基当たり、0.8〜1.1当
量反応させ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキ
シ基の半分を残した樹脂が挙げられ、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂とゴム状ポリマーの合計に対するゴム状
ポリマーの割合は3〜60重量%であることが、本発明
の感光性樹脂組成物による塗膜のプリント回路基板の配
線銅箔に対する密着性、可撓性、はんだ耐熱性、耐溶剤
性、絶縁抵抗等の電気特性などの諸特性に優れる点で好
ましい。ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得
る際に使用するビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリン等の
エピハロヒドリンとを反応させて得られる上記一般式
〔化5〕で示されるエポキシ樹脂、あるいはさらにビス
フェノールAを反応させた高分子量タイプのエポキシ樹
脂等が挙げられるが、特に融点が50℃以上のエポキシ
樹脂であって、エポキシ当量が250〜40,000g
/eqであることが本発明の感光性樹脂組成物の硬化塗
膜をタックのない塗膜として得ることができる点で好ま
しい。また、上記ゴム状ポリマーとしては、上記一般式
〔化6〕で示されるブタジエン−アクリロニトリル共重
合体の分子の両末端にカルボキシル基を有するポリマ
ー、あるいは下記一般式〔化7〕で示されるブタジエン
−アクリロニトリル共重合体の分子両末端に水酸基を有
するポリマーと無水マレイン酸などの多塩基酸無水物又
はその加水物とのハーフエステル等が挙げられる。前者
の製造方法としては、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体に酸を反応させ、後者の製造方法としては、水酸
基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体に多
塩基酸無水物やその加水物を反応させて得られる。
【0017】上記一般式〔化6〕、〔化7〕のポリマー
を得る際に用いるブタジエンの代わりに、イソプレン、
クロロプレン等の共役ジエン化合物を単独又は2種以上
併用しても良いが、ブタジエンが好ましく、併用する場
合もブタジエンを1成分として使用することが好まし
い。上記一般式〔化7〕のポリマーを得る際に用いる多
塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水イタコン酸、ドデシル無水コハク酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジ
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−(4−メチル−
3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、3−ブテ
ニル−5,6−ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸、
3,6−エンドメチレン−テトラヒドロ無水フタル酸、
7−メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、
テトラブロモ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボ
ン酸無水物などが挙げられる。ゴム状ポリマー中の1高
分子中のカルボキシル基の数は1〜3個、より好ましく
は、1.5〜2.5個である。
【0018】本発明において、上記一般式〔化1〕で示
されるノボラックエポキシ樹脂と、上記一般式〔化2〕
で示されるゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
の混合物にこの混合物の1エポキシ当量当たり、0.2
〜1.2モルのエチレン性不飽和カルボン酸を反応さ
せ、さらにその混合物の1エポキシ当量当たり、0.2
〜1.0モルの多塩基酸無水物及び/又はその加水物を
反応させて感光性プレポリマーが得られるが、上記一般
式〔化1〕と〔化2〕の樹脂の混合物の混合割合は、3
〜7:7〜3が好ましく、これより前者が多いと本発明
の感光性樹脂組成物の最終的に得られる硬化塗膜の可撓
性が十分でなく、これより少ないとその硬化塗膜のはん
だ耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性等が十分でない。上記エ
チレン性不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、
モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチ
ルマレート、モノ(2−エチルヘキシル)マレート、ソ
ルビン酸などが挙げられ、なかでも(メタ)アクリル酸
が好ましい。また、多塩基酸無水物及び/又はその加水
物としては、上述のものが用いられるが、なかでも電食
性に優れる点からテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸が好ましい。
【0019】上記感光性プレポリマーにはカルボキシル
基を有する成分が含まれ、その酸価は、30〜140m
gK0H/gの範囲のものが好ましく、なかでも本発明
の感光性樹脂組成物の塗膜がアルカリ溶液、特に希アル
カリ水溶液に対して溶解性に優れて現像性に優れ、最終
的に得られる硬化塗膜の物性も良くなるには、その酸価
は40〜120mgK0H/gが好ましい。酸価が低過
ぎると本発明の感光性樹脂組成物の塗膜を光硬化させた
後、希アルカリ水溶液による現像処理で未露光部分の皮
膜を除去する除去性が悪くなり、一方高過ぎると最終的
に得られる本発明の感光性樹脂組成物の硬化皮膜の絶縁
抵抗等の電気特性や耐湿特性が悪くなる傾向がある。上
記(1)の発明の「含有する感光性樹脂組成物。」を
「含有し、希アルカリ水溶液に現像可能な塗膜を形成す
る感光性樹脂組成物。」とすることもできる。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物は、無機質粉末
を含有することが好ましく、その代表的なものとして
は、例えば非結晶シリカ、アモルファスシリカ、高純度
結晶シリカ、タルク、クレー、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、硫酸バリウム、
含水珪酸、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、マイ
カ粉、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等が挙げら
れ、その他の機質フィラーとして用いられるものが挙げ
られる。無機質粉末の平均粒子径は2μmないし20μ
mが好ましく、より好ましくは5μm〜15μmであ
り、2μm未満では本発明の感光性樹脂組成物の最終的
な硬化塗膜の粗面化が十分ではなく、その感光性樹脂組
成物の溶液の貯蔵安定性(ポットライフ)等の点でこの
範囲のものよりは良くなく、また、20μmより大きい
とその感光性樹脂組成物の塗膜を露光し、現像する際の
解像性、最終的に得られる硬化塗膜の硬度、密着性の点
でこの範囲のものより良くない。複数の無機質粉末を用
いる場合には、その平均粒径は、各無機質粉末の平均粒
径とその使用した重量%を乗算し、それを全使用無機質
粉末について加えた値である。また、平均粒子径が2μ
mないし20μmの無機質粉末の混合割合は、本発明の
感光性樹脂組成物中、5重量%以上が好ましく、これ未
満では、最終的な硬化塗膜の粗面化が十分ではなく、そ
の硬化塗膜の硬度の点でこれ以上のものよりは良くな
く、また、多すぎると、本発明の感光性樹脂組成物の塗
膜を露光し、現像する際の解像性、最終的に得られる硬
化塗膜の可撓性の点で良くないので、5重量%以上20
重量%以下が好ましい。無機櫃粉末は感光性組成物中に
均一に分散されていることが好ましく、そのためには三
本ロールミル等でミリングすることが好ましい。無機質
粉末のうちでも、平均粒径が2μm〜12μmの非結晶
シリカが特に好ましく、また、これが本発明の感光性樹
脂組成物中5重量%以上が好ましく、10重量%以上含
有されることがより好ましく、5重量%以上、より好ま
しくは10重量%以上の非結晶シリカが配合されておれ
ば、他の無機質粉末を併用しても、上記した例えば硬化
塗膜の粗面化等においてその効果を他の無機質粉末それ
のみの場合より顕著に良くすることができる。平均粒子
径が2〜20μmの無機質粉末を含有する感光性樹脂組
成物からなる硬化塗膜の表面は粗面化され、例えば無洗
浄・低残渣型フラックスを塗布した場合でも、その塗布
面の表面積が多くなっているためフラックスの接触面積
が大きくなり、しかもその凹凸面に入り込んだフラック
スははじかれ難く、液滴になり難いと考えられる。ま
た、このように、例えばソルダーレジスト膜に固形分濃
度の低いフラックスが隈なく塗布されると、例えば噴流
はんだ装置の噴流はんだはそのフラックス膜を介してソ
ルダーレジスト膜に接触し、フラックス膜に接触した溶
融はんだは軟化点の低いフラックス膜とともに噴流はん
だの流れに取り込まれれ易く、そのためはんだボールが
生じ難く、生じてもその酸化物は還元されるので、溶融
はんだ金属そのもののボールとなるため噴流はんだの流
れに合流し易く、はんだボールとして残留することを少
なくできると考えられる。なお、詳細は明らかでなく、
これらの考え方に限定されるものではない。
【0021】本発明に用いる光重合性反応性希釈剤は、
上記感光性プレポリマーの希釈溶剤になるとともに、そ
の塗膜の光硬化を十分にしてその硬化塗膜、さらには後
の工程の熱硬化を加えた最終的に得られる硬化塗膜の耐
酸性、耐熱性、耐薬品性、耐アルカリル性等を得るため
に必要な成分である。その光重合性反応性希釈剤の代表
的なものとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アク
リレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテ
ニルジ(メタ)アクリレート、EO変性燐酸ジ(メタ)
アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アク
リレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロ
ピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の光重合
性反応性希釈剤が挙げられ、1分子中に2個以上の重合
性二重結合を有する(メタ)アクリレート、すなわちア
クリレート及び/又はメタクリレートであるものが好ま
しい。上記2官能〜6官能等の多官能光重合性反応性希
釈剤は単独あるいは混合して使用可能である。また、こ
れらの光重合性反応性希釈剤の好適な添加量は、上記プ
レポリマー100重量部に対して2.0〜40重量部、
好ましくは4.0〜20重量部である。添加量が2.0
重量部より少ないと十分な光硬化が得られず、その硬化
後熱硬化成分を硬化させた場合でもその硬化塗膜の耐酸
性、耐熱性等において十分な特性が得られず、また、添
加量が40重量部を越えるとタックが激しく、露光の際
ネガフィルムへがその塗布膜に付着し、剥がすことがで
きなく、所定の硬化塗膜が得られなくなる。
【0022】本発明の感光性樹脂組成物に含有される光
重合開始剤は、その代表的なものとしては、例えばベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、ベンゾ
フェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、
ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、
2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルア
ントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチル
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロ
ルチオキサントン、2、4−ジメチルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケ
タール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられ、これら
を単独又は組み合わせて用いることができる。このよう
な光重合開始剤の好適な使用量は、上記プレポリマー1
00重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは
2.0〜30重量部である。
【0023】本発明の感光性樹脂組成物には熱硬化性成
分を含有するが、その熱硬化性成分としては、熱硬化性
エポキシ化合物や、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブ
チル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラ
ミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等
のアミノ樹脂が挙げられる。これらの中で、特に熱硬化
性エポキシ樹脂が好適である。その代表的なものとして
は、例えは上記一般式〔化5〕で示される樹脂等のビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、フェノールノラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポ
キシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂(例えばダイセル化学
社製「EHPE−3150」)、「YX−4000」
(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂)、水添ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌ
レート等が挙げられ、特に「YX−4000」、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、「TEPIC−S」
〔日産化学社製のエポキシ樹脂(トリス(2、3−エポ
キシプロピル)イソシアヌレート)〕等が好ましい。熱
硬化性成分としては、上記熱硬化性樹脂のみの場合でも
よいが、その反応促進剤を併用することが好ましく、そ
の反応促進剤としては、メラミン誘導体、イミダゾール
誘導体、フェノール誘導体などの公知のエポキシ硬化促
進剤が挙げられる。このような熱硬化性成分は、上記感
光性プレポリマーに対して5〜40重量部配合すること
が好ましく、これより少ないと最終的に得られる本発明
の感光性樹脂組成物の最終的に得られる硬化塗膜の耐熱
性、耐溶剤性、耐酸性、例えばプリント基板に対する密
着性、絶縁抵抗等の電気特性の十分な性能が得られない
ことがあり、これ以上であると感光性、現像性が下が
る。
【0024】本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応
じて有機溶剤を加えても良く、また、着色剤、シリコン
化合物やアクリレート共重合体、フッ素系界面活性剤等
のレベリング剤、シランカップリング剤等の密着付与
剤、アエロジル等のチクソトロピー剤、また、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロ
ール、ターシャリブチルカテコール、フェノチアジン等
の重合禁止剤、また、各種界面活性剤や高分子分散剤等
の分散安定剤、さらにハレーション防止剤、難燃剤、消
泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤を加えても良い。本発
明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する光重
合性感光性樹脂として上記感光性プレポリマー100部
に対し、光重合性反応性希釈剤4〜20部、光重合開始
剤2〜30部、熱硬化性成分5〜20部、さらに好まし
くは平均粒径2μm〜20μmの無機質粉末5〜20
部、必要に応じて有機溶剤、上記各種添加剤を加えて混
合し、その混合物を三本ロールミルで例えば0.5時間
混合する等により固形分の分散を行い、分散液として完
成させる。その分散液中の固形分は40〜80重量%、
その粘度は0.5〜300d・Pa.S at25℃が好ま
しい。こようにして得られた感光性樹脂組成物は、スク
リーン印刷法、カーテンコート法、ロールコート法、ス
ピンコート法、ディップコート法等によりプリント基板
上に10〜150μm(液膜厚)の厚さに塗布した後、
60〜80℃で15〜60分乾燥した後有機溶剤等の揮
発分を揮発させた後、その乾燥塗膜に所望の回路パター
ンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射
する。それから、ネガフィルムを取り除き、希アルカリ
水溶液を現像液として現像することにより非露光領域の
塗膜は除去されるが、露光部分の塗膜は光硬化している
ので除去されず残留する。この際の希アルカリ水溶液と
しては、0.5〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液が一
般的であるが、他のアルカリ溶液も使用可能である。次
いで、130〜160℃、90〜20分熱風循環式乾燥
機等で熱硬化させることによりソルダーレジスト膜が完
成される。このソルダーレジスト膜は、上記無機質粉末
を含有させると、外観は光沢がなく、その表面が粗面化
されていることが観察されるが、後述の実施例の方法に
よるその表面粗さは2.5〜7.0μmとすることがで
き、これは原料の無機質粉末の平均粒子径を2μm〜2
0μmにすることにより得られるが、好ましくは表面粗
さは2.5μm以上、より好ましくは3μm以上、10
μm以下である。また、このソルダーレジスト膜を得る
ために上記一般式〔化1〕と〔化2〕の樹脂の混合物の
混合割合は3〜7:7〜3が好ましく、これによりその
膜の可撓性は後述の試験法による値で3.5以上が得ら
れるが、より好ましくは4.0以上である。
【0025】本発明は、その感光性樹脂組成物は、例え
ばプリント回路基板等の回路基板のソルダーレジストイ
ンクとして使用され、その硬化塗膜はソルダーレジスト
膜とすることができ、その膜を有する電子部品搭載前の
回路基板、その膜を有する電子部品搭載後の回路基板は
その生産性が良く、信頼性も高くできるが、これらに限
らず、一般用塗料、感光性接着剤、印刷版材等の幅広い
用途に適用できる。特に、基板の厚さが0.4mm以下
のフレキシブルプリント配線板用のソルダーレジスト膜
としてはその可撓性は十分である。
【0026】
【作用】上記一般式〔化2〕で示される樹脂はAxで示
されるゴム状ポリマーを分子中に有するので、可撓性が
あり、上記一般式〔化2〕で示される樹脂との混合樹脂
の硬化塗膜は可撓性を持つことができる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。まず、ゴム
変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を次のようにして
製造した。 (イ)合成例1 エポキシ当量が260のビスフェノールA型エポキシ樹
脂「エピクロン860」(大日本インキ化学工業社製)
260部と、分子量3500、結合アクリルニトリルが
27重量%、カルボキシル基1.9個/分子のブタジエ
ンとアクリルニトリルの共重合体の分子両末端にカルボ
キシル基を有するゴム状ポリマー「HYCAR CTB
N 1300X13(B.F.Doodrich Ch
emical社製)100部とを反応させて、ゴム変性
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a−1)を合成し
た。エポキシ当量を過塩素酸法により測定したところ3
80であった。エポキシ当量の測定は以下同様である。 (ロ)合成例2 エポキシ当量が475のビスフェノールA型エポキシ樹
脂「エピクロン4050」(大日本インキ化学工業社
製)475部と、上記「HYCAR CTBN1300
X13」80部とを反応させて、ゴム変性ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(a−2)を合成した。エポキシ当
量は580であった。 (ハ)合成例3 エポキシ当量が188のビスフェノールA型エポキシ樹
脂「エピクロン850」(大日本インキ化学工業社製)
188部と、上記「HYCAR CTBN 1300X
13」321部とを反応させて、ゴム変性ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(a−3)を合成した。エポキシ当
量は630であった。次に、感光性プレポリマーを次の
ようにして製造した。
【0028】(ニ)合成例4 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化
学工業社製エピクロンN−665、エポキシ当量20
7)103部と、上記合成例1で得たゴム変性ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(a−1)189部とを混合し
(エポキシ当量380)、これら混合物にアクリル酸7
2部(1モル)をカルビトールアセテートを溶媒として
還流させながら反応させ、その反応生成物にさらにヘキ
サヒドロフタル酸無水物を76部(0.5モル)加え、
酸価が理論値(加えたアクリル酸のエステル化により生
じた水酸基のほぼ全量をエステル化する)になるまで還
流下に反応させることによって固形分70%の感光性プ
レポリマー溶液を得た。以下これを感光性プレポリマー
溶液RC−1とする。 (ホ)合成例5 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化
学工業社製エピクロンN−665、エポキシ当量20
7)103部と、上記合成例2で得たゴム変性ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(a−2)290部とを混合し
(エポキシ当量580)、これら混合物にアクリル酸7
2部をカルビトールアセテートを溶媒として還流させな
がら反応させ、その反応生成物にさらにヘキサヒドロフ
タル酸無水物を76部加え、酸価が理論値になるまで還
流下に反応させることによって固形分70%の感光性プ
レポリマー溶液を得た。以下これを感光性プレポリマー
溶液RC−2とする。 (ヘ)合成例6 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化
学工業社製エピクロンN−665、エポキシ当量20
7)103部と、上記合成例3で得たゴム変性ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(a−3)312部とを混合し
(エポキシ当量623)、これら混合物にアクリル酸7
2部をカルビトールアセテートを溶媒として還流させな
がら反応させ、その反応生成物にさらにヘキサヒドロフ
タル酸無水物を76部加え、酸価が理論値になるまで還
流下に反応させることによって固形分70%の感光性プ
レポリマー溶液を得た。以下これを感光性プレポリマー
溶液RC−3とする。
【0029】実施例1 表1の実施例1の欄の配合により、容器にソルベッソ#
150(シエル化学社製の芳香族系溶剤)を入れ、これ
に上記(ニ)で得られた感光性プレポリマー溶液RC−
1、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イル
ガキュアー907(チバガイギー社製の光重合開始剤で
ある2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モノホリノプロパノン−1)、カヤキュアーDE
TX(日本化薬社製の光重合開始剤である2,4−ジエ
チルチオキサンソン)を加えて撹拌し、その撹拌を継続
しながら、非結晶シリカ(平均粒径10μm)、硫酸バ
リウム(平均粒径0.3μm)、タルク(平均粒径2μ
m)の無機質粉末を加え、さらにモダフロー(モンサン
ト社製のレベリング剤)、フタロシアニングリーン(顔
料)の助剤を加えた後、TEPIC−S(日産化学社製
熱硬化型エポキシ樹脂)、ジシアンジアミド(エポキシ
樹脂の熱硬化促進剤)を加え、20分撹拌する。この得
られた混合組成物を三本ロールミルにより30分さらに
良く混合し、感光性樹脂組成物の溶液を製造した。この
感光性樹脂組成物の固形分は75重量%、粘度(測定器
リオン社製ビスコテスターVT−04型)は200d・
a.s at25℃であった。次に、基板上の銅箔面のエ
ッチングにより回路を形成したプリント回路基板を脱
脂、ソフトエッチング、洗浄、乾燥等の工程からなる前
処理を行った後のいわゆる面処理済みのプリント回路基
板に、上記感光性樹脂組成物の溶液をスクリーン印刷に
より塗工し(35μmの液膜の厚さ)、予備乾燥(80
℃、20分間)を行なう。それから、露光(400mj
/cm2 )を行ない、ついで現像(1%炭酸ナトリウム
水溶液に常温60秒浸漬)を行ない、乾燥後さらにポス
トキュア(150℃、30分間の塗膜の熱硬化処理)を
行ないソルダーレジスト塗膜を形成した。このようにプ
リント回路基板にソルダーレジスト塗膜を形成した試験
片について後述の試験を行った結果を表2に示す。
【0030】実施例2〜6 実施例1において、表1の実施例2〜6のそれぞれの欄
に記載された配合を用いた以外は同様にしてそれぞれの
実施例の感光性樹脂組成物の溶液を製造した。また、実
施例1において、これらの感光性樹脂組成物の溶液を用
いた以外は同様にして実施例2〜6のそれぞれの試験片
を作製し、同様に試験した結果を表2に示す。 比較例1〜3 実施例1において、感光性プレポリマーRC−1を用い
る代わりに、上記合成例(ニ)〜(へ)においてゴム変
性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合を行わなかっ
た以外は同様にして得た感光性プレポリマーRC−1
1、RC−12、RC−13を使用し、表1の比較例1
〜3のそれぞれの欄に記載された配合を用いた以外は同
様にしてそれぞれの実施例の感光性樹脂組成物の溶液を
製造した。また、実施例1において、これらの感光性樹
脂組成物の溶液を用いた以外は同様にして比較例1〜3
のそれぞれの試験片を作製し、同様に試験した結果を表
2に示す。
【0031】試験方法は以下のとおりである。 (a)はんだボール試験 噴流式自動はんだ付け装置SC−30−55(タムラ製
作所社製)を用い、上記試験片の回路面側にフラックス
を塗布し、その回路面側の表面温度を90℃にプリヒー
トした後、噴流はんだに250℃、4秒、そのフラック
ス膜を形成した回路面側を浸漬し、その後空中に移動さ
せて冷却させはんだ付け処理を行った。なお、フラック
スは超低残渣タイプのタムラ化研社製ULF−210R
を使用した。そのはんだ処理を行った回路面側のはんだ
ボール数を30倍の拡大鏡にて視認しながら、はんだボ
ール径が10μm以上のはんだボールを計数した。な
お、試験片の寸法は150mm×100mm×1.6m
mとし、その回路側表面150mm×100mmの面積
におけるはんだボールの個数を測定値とした。 (b)はんだ耐熱性試験 上記試験片の硬化塗膜をJIS C 6481の試験方
法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後セロハ
ンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これ
を1〜3回繰り返した後の塗膜状態を以下のように4段
階評価した。 ◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない
もの ○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認
められるもの △:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められるも
の ×:1サイクル繰り返し後の塗膜に剥離が認められるも
【0032】(c)耐薬品性試験 上記試験片を10%の塩酸に30分浸漬した後の塗膜の
状態を肉眼で観察し、以下のように4段階評価した。 ◎:全く変化が認められないもの ○:ほんの僅か変化が認められるもの △:顕著に変化しているもの ×:塗膜が膨潤して剥離したもの (d)耐溶剤性試験 上記試験片を塩化メチレンに30分浸漬した後の塗膜の
状態を肉眼で観察し、以下のように4段階評価した。 ◎:全く変化が認められないもの ○:ほんの僅か変化が認められるもの △:顕著に変化が認められるもの ×:塗膜が膨潤して剥離が認められるもの (e)電気特性(絶縁抵抗) 上記試験片の塗膜にIPC−SM−840BB−25テ
ストクーポンのくし型電極を置き、60℃、90%RH
の恒温恒湿槽中で直流100Vを印加し、500時間後
の絶縁抵抗を測定する。
【0033】(f)感度試験 コダックのステップタブレットを通った365nmの波
長の紫外線の光量をオーク製作所製の積算光量計を用い
て測定した値が400mJ/cm2 になるうよに、同波
長の紫外線を上記プリント回路基板に塗布した感光性樹
脂組成物の溶液の液膜(35μm)に照射し、その照射
後の塗膜に希アルカリ水溶液(1重量%炭酸ナトリウム
水溶液)を2.0Kg/cm2 のスプレー圧で60秒間
吹き付けた後、露光部分の内除去されない部分の面積を
測定した。 (g)表面粗さ試験 東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aに
て上記試験片の硬化塗膜の表面粗さを測定した。
【0034】(h)可撓性試験 JIS K 5400に準じてエリクセン試験機を用い
て、試験片の裏面から鋼球を押し出して試験片を変形さ
せたときに塗膜の割れ及びはがれを生じるまでの押出局
を測定した。 (i)密着性試験 JIS D 0202に準じ、1mmのごばん目100
個(10×10)を造り、セロハンテープによるピーリ
ング試験(剥離試験)を行い、ごばん目の剥離状態を次
の基準で評価した。 ○:100個中100個剥離が認められないもの △:100個中、50〜90個剥離が認められないもの ×:100個中、0〜50個剥離が認められないもの
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、可撓性がある例えばソ
ルダーレジスト膜等の硬化塗膜を形成できるのみなら
ず、塗布面に対する印刷性、耐熱性、塗布面との密着
性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性、機械的特性に優れ
た例えばソルダーレジスト膜等を形成することができ、
また、例えば高解像力、高精度にソルダーレジスト膜等
を形成することができ、また、希アルカリ溶液で現像す
ることができることにより例えはソルダーレジスト膜等
を形成することができ、さらに環境汚染を生じ難く、火
災の危険の少ない感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及び
その硬化塗膜を利用した回路基板を提供することができ
る。また、ソルダーレジスト膜に可撓性があるとクラッ
クを生じ難いので、はんだ付け生産性や信頼性を良くで
きる電子部品搭載前の回路基板、回路機能の信頼性を損
なわず、しかも生産性が良く、安価に得られる電子部品
搭載後の回路基板を提供することができ、さらに上記諸
性能、特に可撓性を有することによりクラックの生じ難
いソルダーレジスト膜付きフレキシブルプリント配線板
を提供することができる。また、本発明の感光性樹脂組
成物は他の分野の塗料、接着剤、印刷版材等として用い
ることもでき、その硬化塗膜に上記の諸性能を付与する
ことによりその性能を向上させ、その塗膜を用いた物の
機能を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/28 H05K 3/28 D

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式〔化1〕で示されるノ
    ボラックエポキシ樹脂及び下記一般式〔化2〕で示され
    るゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物と
    該混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.2モルのエ
    チレン性不飽和カルボン酸との反応生成物と、上記混合
    物のエポキシ当量当たり0.2〜1.0モルの多塩基酸
    及び/又はその無水物との反応生成物であってカルボキ
    シル基を有する感光性プレポリマー、(B)光重合性反
    応性希釈剤、(C)光重合開始剤及び(D)熱硬化性成
    分を含有する感光性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは1以上
    の整数である。) 【化2】 (式中、Axは下記一般式〔化3〕及び/又は下記一般
    式〔化4〕で示される構成を有し、Rは水素原子又はメ
    チル基を示す。) 【化3】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n及びmは
    それぞれ1以上の整数である。) 【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n及びmは
    それぞれの1 以上の整数である。)
  2. 【請求項2】 ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹
    脂が下記一般式〔化5〕のピスフェノールA型エポキシ
    樹脂にエポキシ基1当量あたり、下記一般式〔化6〕又
    は〔化7〕のいずれかのゴム状ポリマーをそのカルボキ
    シル基当たり0.8〜1.1当量反応させた樹脂である
    請求項1記載の感光性樹脂組成物。 【化5】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。) 【化6】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n及びmは
    それぞれ1以上の整数である。) 【化7】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n及びmは
    それぞれ1以上の整数である。)
  3. 【請求項3】 平均粒径が2μm〜20μmの無機質粉
    末を含有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 回路基板用ソルダーレジストインクであ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の感光性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の感
    光性樹脂組成物の塗布膜を光硬化及び熱硬化させた感光
    性樹脂組成物の硬化塗膜。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成
    物の塗布膜であって、光硬化及び熱硬化されたソルダー
    レジスト膜を有する回路基板。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の感光性組成物の塗布膜
    であって、光硬化及び熱硬化されたソルダーレジスト膜
    を有する回路基板。
  8. 【請求項8】 ソルダーレジスト膜の表面が粗面化され
    ている請求項7の回路基板。
  9. 【請求項9】 電子部品搭載前又は電子部品搭載後であ
    る請求項6ないし8のいずかに記載の回路基板。
  10. 【請求項10】 フレキシブルプリント配線板である請
    求項9に記載の回路基板。
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