JPH0959768A - スパッタリングターゲット材及びその製造方法 - Google Patents
スパッタリングターゲット材及びその製造方法Info
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- JPH0959768A JPH0959768A JP21748595A JP21748595A JPH0959768A JP H0959768 A JPH0959768 A JP H0959768A JP 21748595 A JP21748595 A JP 21748595A JP 21748595 A JP21748595 A JP 21748595A JP H0959768 A JPH0959768 A JP H0959768A
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Abstract
モリブデン合金を用いたスパッタリングターゲット材を
提供すること。 【解決手段】 プレス工程でモリブデン中にクロムを1
〜5[wt%]の範囲で含有させて成るクロム・モリブ
デン粉末を圧力条件196〜294[MPa]の範囲で
プレスして得られるクロム・モリブデン圧粉体に対し、
焼結工程で焼結して得たクロム・モリブデン焼結体を加
工率30〜80[%]の範囲で圧延又は鍛造して相対密
度が90〜98[%]の範囲のクロム・モリブデン合金
を得ている。このクロム・モリブデン合金をスパッタリ
ングターゲット材として使用してスパッタリングを行う
と、その成膜に発生する異物が顕著に低下する。又、成
膜自体の比抵抗も小さくなり、成膜特性が向上する。
Description
パネルディスプレイ等に使用されるスパッタリングター
ゲット材及びその製造方法に関する。
ラットパネルディスプレイの生産が急激に拡大してい
る。これに伴って例えばディスプレイに用いられる透明
導電膜や電解トランジスタ(FET)類のゲート,ソー
ス,及びドレインに供する金属配線膜等の需要も急速に
増大しており、その特性上における高速化も要求されて
いる。
使用されるスパッタリングターゲット材としては、イン
ジウム・スズ酸化膜,アルミニウム,クロム,タンタ
ル,タングステン,モリブデン等が挙げられるが、最近
ではクロム・モリブデン合金の使用が検討されている。
グターゲット材として特性が優れる反面、加工性が悪い
ため、製造に際してはホットプレス,HIP(熱間等方
圧静水圧プレス)を行った試料か、或いは静水圧プレス
を行った後に熱処理を行った試料を用いるのが一般的で
ある。因みに、スパッタリングターゲット材としてのク
ロム・モリブデン合金は相対密度が60〜80[%]の
範囲となっている。
ブデン合金の場合、スパッタリングターゲット材に使用
してスパッタリングを行うと、相対密度が60〜80
[%]の範囲であるために内部にポアー(点空洞)が点
在し、放電特性に影響を及し、スパッタリングした成膜
に異物(パーティクル)の発生頻度が高く、又ターゲッ
ト電圧も高電圧が必要となり成膜の比抵抗が大きくなっ
てしまう。こうした理由によりフラットパネルディスプ
レイの製品歩留りを悪化させる問題があった。
なされたもので、その技術的課題は、スパッタリング時
の成膜特性の良いクロム・モリブデン合金を用いたスパ
ッタリングターゲット材及びその製造方法を提供するこ
とにある。
的課題を達成し得るスパッタリングターゲット材を提供
するもので、本発明によれば、モリブデン中にクロムを
1〜5[wt%]の範囲で含有すると共に、相対密度が
90〜98[%]の範囲にあるクロム・モリブデン合金
を用いて成るスパッタリングターゲット材が得られる。
ムを1〜5[wt%]の範囲で含有させて成るクロム・
モリブデン粉末を圧力条件196〜294[MPa]の
範囲でプレスしてクロム・モリブデン圧粉体を得るプレ
ス工程と、クロム・モリブデン圧粉体を焼結してクロム
・モリブデン焼結体と成す焼結工程と、クロム・モリブ
デン焼結体を温度条件1400〜1600[℃]の加熱
範囲で圧延又は鍛造して相対密度が90〜98[%]の
範囲にあるスパッタリングターゲット材としてのクロム
・モリブデン合金を形成する合金形成工程とを含むスパ
ッタリングターゲット材の製造方法が得られる。
法において、合金形成工程で、圧延又は鍛造の加工率を
30〜80[%]の範囲で行うことは好ましい。
造,圧延性が悪くて加工が困難であるが、本発明のよう
にモリブデン中にクロムを1〜5[wt%]の範囲で含
有するクロム・モリブデン焼結体を加工率30〜80
[%]の範囲で圧延又は鍛造すると、相対密度を90〜
98[%]の範囲とすることができる。このようなクロ
ム・モリブデン合金をスパッタリングターゲット材に使
用してスパッタリングを行うと、その成膜時に発生する
異物が顕著に低下する。又、成膜自体の比抵抗も小さく
なる。
パッタリングターゲット材及びその製造方法について、
図面を参照して詳細に説明する。
ト材の概要について簡単に説明する。このスパッタリン
グターゲット材は、モリブデン中にクロムを1〜5[w
t%]の範囲で含有すると共に、相対密度が90〜98
[%]の範囲にあるクロム・モリブデン合金を用いて成
るものである。
ングターゲット材に使用してスパッタリングを行うと、
その成膜に発生する異物が顕著に低下され、成膜自体の
比抵抗が小さくなる。結果として、こうした成膜特性の
向上によってフラットパネルディスプレイの製品歩留り
が改善される。
製造するためには、モリブデン中にクロムを1〜5[w
t%]の範囲で含有させて成るクロム・モリブデン粉末
を圧力条件196〜294[MPa]の範囲でプレスし
てクロム・モリブデン圧粉体を得るプレス工程と、クロ
ム・モリブデン圧粉体を焼結してクロム・モリブデン焼
結体と成す焼結工程と、クロム・モリブデン焼結体を温
度条件1400〜1600[℃]の加熱範囲で圧延又は
鍛造することにより、相対密度が90〜98[%]の範
囲にあるスパッタリングターゲット材としてのクロム・
モリブデン合金を形成する合金形成工程とを施行すれば
良い。但し、合金形成工程では圧延又は鍛造の加工率を
30〜80[%]の範囲で行う。
を合わせたスパッタリングターゲット材の製造方法を具
体的に説明する。
ブデン粉末を準備し、モリブデン粉末中に1,3,5,
10[wt%]でクロム粉末を入れて混合して得た4種
の混合粉末をそれぞれ98,196,294[MPa]
の3種類の圧力条件下で静水圧プレスを行い、総計12
種のクロム・モリブデン圧粉体を得た。
粉体を焼結(熱処理)してそれぞれ各クロム・モリブデ
ン焼結体と成した後、合金形成工程の初期的な圧延加工
で各クロム・モリブデン焼結体に対して加熱温度120
0℃,1400℃,1600℃,1800℃の4つの温
度条件でそれぞれ圧延加工を行って圧延加工性を調べた
ところ、図1に示すような結果となった。
℃,1800℃では静水圧プレスの圧力条件に拘らず亀
裂(クラック)や割れが生じ、静水圧プレスのプレス圧
力P(MPc)が98MPaであると温度条件に拘らず
何れも亀裂や割れが生じる(比較的大きなものが生じ
る)ことが判る。又、各クロム・モリブデン焼結体に関
して、モリブデン粉末中に1,3,5[wt%]のクロ
ム粉末を入れて混合したものは加工できるが、10wt
%としたものは全て大きな割れが発生して加工できない
ことも判った。
ともモリブデン粉末中に1〜5[wt%]の範囲でクロ
ム粉末を入れて混合粉末を得ておくこと、静水圧プレス
の圧力条件を196〜294[MPa]の範囲とするこ
と、圧延加工の加熱温度条件を1400〜1600
[℃]の範囲とすることの諸条件を満たせば加工性が保
証されることが判る。又、上述した圧延加工までの工程
の条件で鍛造加工を行っても、圧延加工と行った場合と
同様な結果が得られた。
しない各クロム・モリブデン焼結体に関する圧延条件と
して異なる圧延率30,40,50,60,70,80
[%]と相対密度[%]との関係を調べたところ、図2
に示すような結果となった。図2からは、亀裂や割れが
発生しない圧延率30〜80[%]の範囲における相対
密度は90〜98[%]の範囲となることが判る。
モリブデン焼結体(圧延率がそれぞれ30%,50%,
80%のもの)に対して合金形成工程の後期的な二次加
工として切削,研磨等により加工率30〜80[%]の
範囲で機械加工を施してスパッターターゲット材として
の3種のクロム・モリブデン合金を得た。
金及びこれらと諸条件が合致する合金形成工程前の各ク
ロム・モリブデン焼結体(圧延,鍛造を施さない従来の
クロム・モリブデン合金に相当するもの)を多数スパッ
タリングターゲット材に使用してスパッタリングを行う
ことでスパッタリング特性を比較して調べたところ、図
3に示すような結果となった。
合金をスパッタリングターゲット材に使用すれば、従来
の焼結体を用いた場合に比べてその成膜に発生する異物
数NP が処理枚数NH の増加に拘らず格段に減少してお
り、パーティクルの発生頻度が従来品に比べて低下し
た。
来では圧延,鍛造が困難と考えられていたクロム・モリ
ブデン合金をそのモリブデン中のクロムの含有量とその
プレス圧力条件とを選定することで圧延又は鍛造が可能
であって、相対密度がスパッタリングターゲット材とし
て適当なものとして得られるようにしているので、この
クロム・モリブデン合金をスパッタリングターゲット材
として使用してスパッタリングを行うと、その成膜に発
生する異物が顕著に低下する。又、成膜自体の比抵抗も
小さくなり、成膜特性が向上するようになる。この結
果、スパッタリング時の成膜特性が劣化されず、フラッ
トディスプレイの製品歩留りを顕著に向上し得るように
なる。
法に含まれる合金形成工程における初期的な圧延加工で
幾つかの特性が異なる試料に関する圧延加工性を調べた
結果を示したものである。
発生しない各クロム・モリブデン焼結体に関する圧延条
件として異なる圧延率と相対密度との関係を調べた結果
を示したものである。
工を経て得られた各クロム・モリブデン合金及びこれら
と諸条件が合致する合金形成工程前の各クロム・モリブ
デン焼結体を多数スパッタリングターゲット材に使用し
て調べたスパッタリング特性の比較結果を示したもので
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 モリブデン中にクロムを1〜5[wt
%]の範囲で含有すると共に、相対密度が90〜98
[%]の範囲にあるクロム・モリブデン合金を用いて成
ることを特徴とするスパッタリングターゲット材。 - 【請求項2】 モリブデン中にクロムを1〜5[wt
%]の範囲で含有させて成るクロム・モリブデン粉末を
圧力条件196〜294[MPa]の範囲でプレスして
クロム・モリブデン圧粉体を得るプレス工程と、前記ク
ロム・モリブデン圧粉体を焼結してクロム・モリブデン
焼結体と成す焼結工程と、前記クロム・モリブデン焼結
体を温度条件1400〜1600[℃]の加熱範囲で圧
延又は鍛造して相対密度が90〜98[%]の範囲にあ
るスパッタリングターゲット材としてのクロム・モリブ
デン合金を形成する合金形成工程とを含むことを特徴と
するスパッタリングターゲット材の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のスパッタリングターゲッ
ト材の製造方法において、前記合金形成工程では、前記
圧延又は鍛造の加工率を30〜80[%]の範囲で行う
ことを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21748595A JP3863204B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | スパッタリングターゲット材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21748595A JP3863204B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | スパッタリングターゲット材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959768A true JPH0959768A (ja) | 1997-03-04 |
JP3863204B2 JP3863204B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=16704984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21748595A Expired - Lifetime JP3863204B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | スパッタリングターゲット材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3863204B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356733A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Toshiba Corp | 配線形成用材料、配線形成用スパッタリングターゲット、配線薄膜及び電子部品 |
JP2003531289A (ja) * | 2000-04-14 | 2003-10-21 | トーソー エスエムディー,インク. | スパッターリング時の粒子状放出物を少なくするためのスパッターターゲットとそれを製造する方法 |
CN1314504C (zh) * | 2004-02-27 | 2007-05-09 | 日立金属株式会社 | 制备Mo合金制靶材料的方法 |
CN102756126A (zh) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | 日立金属株式会社 | MoCr 靶材的制造方法及MoCr 靶材 |
US8409498B2 (en) | 2004-03-31 | 2013-04-02 | Hitachi Metals, Ltd. | Method of producing a sputter target material |
JP2015501376A (ja) * | 2011-10-18 | 2015-01-15 | プランゼー エスエー | 管状ターゲット |
CN104674170A (zh) * | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 镍靶坯及靶材的制造方法 |
-
1995
- 1995-08-25 JP JP21748595A patent/JP3863204B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN104674170A (zh) * | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 镍靶坯及靶材的制造方法 |
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---|---|
JP3863204B2 (ja) | 2006-12-27 |
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