JPH0955568A - 薄膜配線シート、多層配線基板、およびそれらの製造方法 - Google Patents

薄膜配線シート、多層配線基板、およびそれらの製造方法

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JPH0955568A
JPH0955568A JP7205991A JP20599195A JPH0955568A JP H0955568 A JPH0955568 A JP H0955568A JP 7205991 A JP7205991 A JP 7205991A JP 20599195 A JP20599195 A JP 20599195A JP H0955568 A JPH0955568 A JP H0955568A
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layer
thermal expansion
thin film
adhesive
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JP7205991A
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English (en)
Inventor
Fusaji Shoji
房次 庄子
Hideo Togawa
英男 外川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0296Conductive pattern lay-out details not covered by sub groups H05K1/02 - H05K1/0295
    • H05K1/0298Multilayer circuits
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • H05K3/4673Application methods or materials of intermediate insulating layers not specially adapted to any one of the previous methods of adding a circuit layer
    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜配線シートの耐カール性、および、絶縁層
間の接着性。 【構成】接着性ポリイミド(以下、PIと略す)からな
る第1の接着層203、低熱膨張性PIからなる低熱膨
張層204、および接着性PIからなる第2の接着層2
04を、この順で備える絶縁層21と、該絶縁層21の
両面に形成された第1の平面配線209および第2の平
面配線210と、第1の平面配線および第2の平面配線
を接続するヴィア配線207とを備える薄膜配線シー
ト。該シートを積層させて得られる多層配線基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド樹脂からな
る層間絶縁膜を備える多層配線基板とその製造方法とに
係り、特に、ポリイミド層のカールがなく、層間配線の
接続信頼性の高い多層配線基板と、その製造に用いられ
る薄膜配線シートおよび該シートの固定用治具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSIチップを搭載する多層配線基板と
して、従来から、多層プリント配線板が使用されてき
た。多層プリント配線板は、銅張積層板をコア材に、プ
リプレグをコア材の接着剤として構成され、コア材とプ
リプレグを交互に積層し熱プレスを使用して一体化す
る。積層板間の電気的接続はコア材とプリプレグの一体
化した後、ドリルによって貫通スルーホールを形成し、
貫通スルーホール内壁を銅めっきして製造される。
【0003】しかし、プリント配線板は、配線層を印刷
により形成するため、微細配線を形成することはでき
ず、また、層間接続のためのスルーホールを、ドリル加
工により形成するため微細なヴィア配線を形成すること
もできない。さらに、層間接続が必要な箇所ごとにスル
ーホールを形成しなくてはならず、積層数が増えるほど
信号配線収容性が低下する。このため、プリント配線基
板は、近年の大型計算機用配線基板のような、高配線密
度が要求される基板に用いることはできない。
【0004】そこで、近年では、このような高配線密度
を実現する配線基板として、セラミック基板上に、導体
からなる配線層と、ポリイミド樹脂からなる層間絶縁層
とを備える薄膜・厚膜複合多層配線基板が用いられてい
る。
【0005】このポリイミド・セラミック多層配線基板
は、例えば、セラミック基板上にポリイミド前駆体ワニ
スを塗布、乾燥し、この塗膜にスルーホールを形成した
のち、加熱硬化させるポリイミド樹脂絶縁層形成工程
と、フォトリソグラフィ、真空蒸着法及び/またはめっ
き法により導体配線を形成する配線層形成工程とを、所
望の積層が得られるまで繰り返すことにより製造され
る。
【0006】しかし、このようにして形成する場合、ポ
リイミド前駆体ワニスの塗布、乾燥、開孔、および加熱
の各工程を、積層する膜の数だけ繰返して行わなければ
ならず、下層部分には、その度毎に加熱工程による熱ス
トレスが加わることになり、ポリイミド樹脂が劣化して
しまうという問題があった。
【0007】また、特開平4−206595号公報に記
載されているように、配線を備えるポリイミドシート
を、順次加熱圧着しながら積層することにより、ポリイ
ミド・セラミック多層配線基板を得ることもできる。し
かし、この方法でも、ポリイミドシートを一層ずつ順次
加熱圧着するため、上述の一層ずつ加熱硬化させる場合
と同様に、下層部分に、積層の度毎に加熱工程による熱
ストレスが加わるため、下層のポリイミド樹脂が劣化し
てしまうという問題があった。
【0008】さらに、複数の配線層および絶縁層をそれ
ぞれ有する積層体である配線ユニットを複数作製し、こ
の配線ユニットを接続することにより実装基板を製造す
る方法が提案されている(特開平4−291993号公
報および特開平3−246993号公報)。しかし、こ
の方法では、数層以上をひとつの配線ユニットとするこ
とで、スループットの向上といったメリットを得るにも
かかわらず、配線ユニットの層数を増やせば、配線ユニ
ットの作製に際して、上述の場合と同様の下層部分への
熱ストレスによるポリイミド樹脂の劣化という問題が生
じてしまう。
【0009】また、特開昭63−274199号公報に
記載されているように、配線を備えるポリイミドシート
をセラミック基板上で位置あわせして積層し、一括して
加熱圧着することによりポリイミド・セラミック多層配
線基板を得ることもできる。この方法は、スループット
時間を短縮する上で効果が大きい。しかし、この方法で
は、積層プロセスで薄いポリイミドシートを取り扱うこ
とになり、精度よく位置あわせを行うことが困難である
上に、極めて膨大な数の層間の接続点を一括して接続さ
せなければならず、十分な接続信頼性を得ることができ
なかった。特に、熱可塑性ポリイミドからなる絶縁膜の
表面に導体配線を形成する場合には、熱可塑性ポリイミ
ドの熱膨張が導体のそれに比べてはるかに大きいため、
配線のパターン化に際して、シートがカールしてしまう
という問題が生じる。
【0010】そこで、このシートのカールを抑制するた
め、銅箔/低熱膨張性ポリイミド樹脂層/熱可塑性ポリ
イミド樹脂層からなる片面基板を製造し、この片面基板
の銅箔をパターン化したのち、熱可塑性ポリイミド樹脂
層面と他の基板の銅回路面を熱圧着積層して多層基板を
製造する方法(特開平5−152755号公報)が提案
されている。このような3層構造のシートでは、カール
や、各層間の剥がれは起りにくい。しかし、このような
3層構造のシートを積層して片面金属箔張積層基板を得
る場合には、構成する材料の熱膨張係数の差および樹脂
の硬化収縮(熱硬化も含む)により、成形時や加工時に
反りが発生しやすい。さらに、数層以上の積層では、剥
がれが起こることがある。
【0011】また、両面基板のカール抑制のために、銅
箔/低熱膨張性ポリイミド樹脂層と低熱膨張性ポリイミ
ド樹脂層/銅箔の間に熱可塑性ポリイミド樹脂層を介在
させて両面基板を製造する方法(特開平5−15269
9号公報および特開平6−283866号公報)が提案
されている。この方法によれば、両面基板としてはカー
ルが少なくなるが、積層に際して低熱膨張性ポリイミド
樹脂面を接着面とするため接着性が悪く、多層化が困難
であり、数層以上積層すると剥がれやすい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、カ
ールの抑制された薄膜配線シートおよびその製造方法
と、接着性、接続信頼性に優れ、かつスループットの短
い多層配線基板およびその製造方法とを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、第1の接着性高分子材料からなる第1
の接着層と、上記第1の接着性高分子材料より熱膨張の
少ない第1の低熱膨張性高分子材料からなる第1の低熱
膨張層と、第2の接着性高分子材料からなる第2の接着
層とを、この順で備える絶縁層と、上記絶縁層の表裏一
方の面に形成された第1の平面配線および他方の面に形
成された第2の平面配線と、上記第1の平面配線および
第2の平面配線を導通可能に接続するヴィア配線とを備
える薄膜配線シート、この薄膜配線シートを積層させて
得られる多層配線基板、およびそれらの製造方法が提供
される。なお、平面配線には、接続のための接続パッド
などを含む。
【0014】上記絶縁層は、第1の低熱膨張層と、第2
の接着層との間に、第3の平面配線と、上記第1および
第2の接着性高分子材料より熱膨張の少ない第2の低熱
膨張性高分子材料からなる第2の低熱膨張層とを、この
順でさらに備え、上記第3の平面配線は、ヴィア配線を
介して上記第1の平面配線および上記第2の平面配線の
少なくともいずれかに、導通可能に接続されているよう
にしてもよい。
【0015】また、本発明では、薄膜配線シートの積層
に際して、該シートを固定するための固定用治具とし
て、位置合わせのためのマークを備える枠状部材と、薄
膜配線シートを上記枠状部材に固定するための固定用部
材とを備えることを特徴とする薄膜配線シート固定用治
具が提供される。
【0016】
【作用】表裏両面に配線層を設け、さらに接着層および
低熱膨張層を上下に対称に配置することにより、本発明
の薄膜配線シートでは、カールが効果的に抑制される。
また、このようにカールが抑制された薄膜配線シートを
用いるため、本発明では、容易かつ安価に多層配線基板
を作製することができる。
【0017】本発明の薄膜配線シートの配線(平面配線
およびヴィア配線)には、銅、金、銀、ニッケル、錫、
クロム、タングステン等の金属、または、これらの合金
やはんだなどを用いることができ、また、これらの二種
以上を積層した複合膜を用いてもよい。これらのうち、
銅を用いることが望ましいが、用途によっては他の導体
でもよく、十分な導通が確保できれば、特に制限はな
い。
【0018】本発明において絶縁層に用いられる絶縁材
料(接着性高分子材料および低熱膨張性高分子材料)に
は機械的特性、耐熱性(熱分解開始温度が高い)、接着
性、比誘電率等の諸特性に優れている他に、導体層の加
工時に用いられる薬品に対する耐性に優れたものである
ことが望ましい。
【0019】上記第1および第2の低熱膨張性高分子材
料としては、熱膨張係数が、0.3×10-5〜3.0×
10-5/℃、好ましくは0.5×10-5〜2.5×10
-5/℃の値を有するものを用いることが好ましい。0.
5×10-5/℃未満では膜の機械的特性が十分ではなか
ったり、ハンドリング性が悪いことがある。また、3.
0×10-5/℃より大きいと、導体層(例えば銅)の熱
膨張係数との差がかなり大きくなるため、耐カール性が
得られにくくなる。
【0020】なお、本発明では、低熱膨張性高分子材料
には、耐薬品性、耐熱性の観点から、ポリイミドを用い
ることが望ましく、下記一般式(化1)で表される繰返
し単位を有するポリイミドを用いることが特に望まし
い。
【0021】
【化1】
【0022】(式中、R1は、
【0023】
【化2】
【0024】のうちのいずれかであり、R2は、
【0025】
【化3】
【0026】のうちのいずれかである。) これらの低熱膨張性ポリイミドは、酸二無水物成分とし
て、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、ピロメリット酸二無水物、および3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物のうちの少なくとも一種を用い、ジアミン成分とし
て、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトル
エン、3,5−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,6,
6’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
4,4’−ビス〔4−アミノフェノキシ〕ビフェニル、
および2,2’−ジトリフロロメチル−4,4’−ジア
ミノビフェニルのうちの少なくとも一種を用いて、重合
反応させて得られる。なお、本明細書では、ポリイミド
の前駆体という用語は、この酸二無水物およびジアミン
と、それらを重合させて得られるポリアミド酸との両方
を指すものとする。
【0027】本発明で用いられるポリイミドの重量平均
分子量は、機械特性の観点から、約2万〜10万である
ことが望ましく、約3万〜5万であることが特に望まし
い。また、本発明で用いられるポリイミドの熱分解開始
温度は、耐熱性の観点から、400℃〜550℃である
ことが望ましい。なお、これらのポリイミドの他、ポリ
イミド樹脂の機械的特性を制御するためにポリイミド分
子に屈曲性を付与するジアミン成分および/またはテト
ラカルボン酸二無水物成分や、接着性を良くするための
公知のシリコン系のジアミンおよび/またはテトラカル
ボン酸二無水物成分を、上述のポリイミドの前駆体に一
部混合し、該混合物を重合させて得られるポリイミドを
用いてもよい。
【0028】上記第1および第2の接着性高分子材料と
しては、熱可塑性高分子材料などの、加熱により接着性
が発現し、接着性に優れるものを用いることが望まし
い。また、配線導体との熱膨張係数の差ができるだけ少
ないことが望ましく、具体的には、熱膨張係数が、1.
5×10-5〜7.0×10-5/℃、好ましくは2.0×
10-5〜6.0×10-5/℃の値を有するものを用いる
ことが好ましい。熱膨張係数が1.5×10-5/℃未満
では、該材料の溶融温度(または軟化温度)が高くなる
ため、十分な接着性が得られないことがある。また、熱
膨張係数が7.0×10-5/℃を超えると、耐カール性
が得られにくくなる、あるいは、位置合わせ精度が得ら
れにくくなるといった問題を生じることがある。ただ
し、一般に、熱可塑性高分子材料などの接着性高分子材
料は熱膨張が大きいが、本発明の薄膜配線シートでは、
この熱膨張の大きい接着性高分子材料からなる層の間に
低熱膨張性高分子材料からなる層を挟み込むことによ
り、シート全体の熱膨張を抑制することができる。
【0029】なお、本発明では、接着性高分子材料に
は、耐薬品性、耐熱性の観点から、ポリイミド系樹脂、
芳香族系ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポ
リベンゾオキサジノン樹脂を用いることが望ましい。こ
れらのうち、ポリイミド系樹脂を用いることが特に望ま
しい。
【0030】このポリイミド系樹脂のうち、特に、酸二
無水物成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物等のうちの少なくとも一種を
用い、ジアミン成分として、3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ビス〔3−アミノフェノキシ〕ビフェニ
ル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’−ジアミノジフ
ェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスル
ホン等のうちの少なくとも一種を用い、重合反応させて
得られるポリイミドが、本発明に適している。
【0031】なお、熱膨張係数を調整するために、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,
2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル等のジアミン成分を一部共重
合させても良い。また、接着性を良くするために、3−
アミノプロピルアルコキシアルキルシシラン、4−アミ
ノフェニルアルコキシアルキルシシラン等のモノアミン
成分や、メチル基またはフェニル基置換シロキサン結合
を有するジアミン成分、あるいは、メチル基またはフェ
ニル基置換シロキサン結合を有するテトラカルボン酸二
無水物成分を、一部共重合しても良い。これらの化合物
の量は、耐熱性を考慮すると、共重合される全ジアミン
成分またはテトラカルボン酸二無水物の10モル%以下
とすることが望ましい。
【0032】なお、該接着性ポリイミドの前駆体に、上
述の低膨張性ポリイミド樹脂の前駆体を混合し、共重合
させて得られるポリイミドを用いてもよく、該接着性ポ
リイミドの前駆体溶液に、ビスマレイミド系の化合物ま
たは樹脂など(溶剤に溶解し、かつ加熱処理で接着性ポ
リイミド前駆体の末端アミノ基と反応するような基を有
する樹脂)を加えて、ポリイミドの形成用いてもよい。
あるいは、該接着性ポリイミドの前駆体溶液に、上述の
低熱膨張性ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹
脂、芳香族系ポリアミド樹脂またははポリキノキサリン
樹脂の粉末または短繊維を混合したものを重合させて得
られるポリイミドを用いてもよい。このようにすれば、
接着性ポリイミドの熱膨張を抑制することができる。
【0033】第1の接着層、第2の接着層、第1の低熱
膨張層、および第2の低熱膨張層の膜厚は、それぞれ約
4〜50μmであれば、耐カール性、多層化時の接着性
などを担保するのに十分であり、絶縁層全体の膜厚は、
多層配線基板の電気的な特性から、8〜100μmであ
ることが好ましく、10〜50μmであればさらに好ま
しい。
【0034】また、本発明では、(a−1)支持体に支
持された導体箔の表面に、第1の接着性高分子材料から
なる第1の接着層、第1の接着性高分子材料より熱膨張
の少ない第1の低熱膨張性高分子材料からなる第1の低
熱膨張層、および第2の接着性高分子材料からなる第2
の接着層を、この順で形成する第1の絶縁層形成工程
と、(a−2)上記第1の接着層、上記低熱膨張層、お
よび上記第2の接着層を貫通し、上記導体箔に達する穴
をあけ、この穴を導体で充填してヴィア配線とするヴィ
ア配線形成工程と、(a−3)上記第2の接着層表面
に、導体からなる第1の平面配線を形成する工程と、
(a−4)上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン
化して第2の平面配線を形成する工程とを、この順で備
えることを特徴とする薄膜配線シートの製造方法が提供
される。この方法によれば、第1の接着層、第1の低熱
膨張層、および第2の接着層をこの順で有する絶縁層
と、該絶縁層の両面に形成された配線と、配線間を接続
するヴィア配線とを備える薄膜配線シートが得られる。
【0035】また、本発明では、(b−1)支持体に支
持された導体箔の表面に、第1の接着性高分子材料から
なる第1の接着層、および、第1の接着性高分子材料よ
り熱膨張の少ない第1の低熱膨張性高分子材料からなる
第1の低熱膨張層を、この順で形成する第1の絶縁層形
成工程と、(b−2)上記第1の接着層および上記第1
の低熱膨張層を貫通し、上記導体箔に達する穴をあけ、
この穴を導体で充填してヴィア配線とする第1のヴィア
配線形成工程と、(b−3)上記第2の低熱膨張層表面
に、導体からなる第1の平面配線を形成する工程と、
(b−4)上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン
化して第3の平面配線を形成する工程と、(b−5)上
記第3の平面配線上に、第2の低熱膨張性高分子材料か
らなる第2の低熱膨張層、および、第2の接着性高分子
材料からなる第2の接着層を、この順で形成する第2の
絶縁層形成工程と、(b−6)上記第2の低熱膨張層お
よび上記第2の接着層を貫通し、上記第2の平面配線に
達する穴をあけ、この穴を導体で充填してヴィア配線と
する第2のヴィア配線形成工程と、(b−7)上記第2
の接着層表面に、導体からなる第2の平面配線を形成す
る工程とを、この順で備えることを特徴とする薄膜配線
シートの製造方法が提供される。この方法によれば、第
1の接着層、第1の低熱膨張層、第3の平面配線、第2
の低熱膨張層および第2の接着層をこの順で有する絶縁
層と、該絶縁層の両面に形成された配線と、配線間を接
続するヴィア配線とを備える薄膜配線シートが得られ
る。
【0036】なお、支持体には、ポリオレフィン系樹脂
(ポリオレフィン/低ガラス転移温度のポリオレフィ
ン、ポリエチレン/アクリル樹脂、ポリエチレン/エチ
レン−酢酸ビニル樹脂)、または塩化ビニル系樹脂(P
VC/アクリル樹脂)などからなるフィルムを用いるこ
とができる。この支持体は、導体箔の保護膜としても機
能する。
【0037】第1の接着層および第2の接着層の形成
は、それぞれ、接着性高分子材料またはその前駆体を含
む溶液(ワニスを含む)を塗布し、乾燥したのち、熱硬
化させることにより行われる。また、第1の低熱膨張層
および第2の低熱膨張層の形成は、それぞれ、低熱膨張
性高分子材料またはその前駆体を含む溶液(ワニスを含
む)を塗布し、乾燥したのち、熱硬化させることにより
行われる。
【0038】低熱膨張性高分子の前駆体の溶液、あるい
は、接着性高分子またはその前駆体の溶液の塗布には、
ロールコータやドクターブレード、ナイフコータ、スピ
ンコータ等を用いることができる。これらの高分子材料
がポリイミドの場合、加熱硬化は、一部キュアおよび完
全キュアの2段階で行われる。一部キュアは、通常、1
00〜200℃で約30分〜60分保持することにより
行われる。また、完全キュアは、通常、200℃以上、
好ましくは250℃〜400℃で、約30分〜60分保
持することにより行われる。また、これらの加熱工程
は、導体(特に銅)が酸化して樹脂層に拡散するのを防
ぐため、酸素濃度が5000ppm(vol/vol)
以下、好ましくは1000ppm(vol/vol)以
下の雰囲気(窒素、不活性ガスなど)中で行うことの望
ましい。
【0039】低熱膨張層および接着層の両方をポリイミ
ド層とする場合、両層の完全キュアは、同時に行っても
よく、逐次的に行ってもよい。
【0040】同時に行う場合、第1の絶縁層および/ま
たは第2の絶縁層は、導体箔または第3の平面配線の表
面に、接着性高分子材料またはその前駆体を含むワニス
を塗布し、加熱乾燥または一部キュアさせて接着性高分
子前駆体層を形成したのち、この接着性高分子前駆体層
の表面に、上記低熱膨張性高分子材料またはその前駆体
を含むワニスを塗布し、加熱乾燥または一部キュアさせ
て低熱膨張性高分子前駆体層を形成し、さらに必要な
ら、接着性高分子材料またはその前駆体を含むワニスを
塗布し、加熱乾燥または一部キュアさせて接着性高分子
前駆体層を形成して、最後に、接着性高分子前駆体層、
および低熱膨張性高分子前駆体層全体を乾燥温度および
部分キュア温度より高温でさらに加熱して完全キュアさ
せることにより得られる。
【0041】完全キュアを逐次的に行う場合、第1の絶
縁層および/または第2の絶縁層は、導体箔または第3
の平面配線の表面に、接着性高分子材料またはその前駆
体を含むワニスを塗布し、加熱して乾燥および部分キュ
アさせたのち、該乾燥温度および部分キュア温度より高
温でさらに加熱して完全キュアさせて接着層を形成し、
この接着層の表面に、低熱膨張性高分子材料またはその
前駆体を含むワニスを塗布し、加熱して乾燥および部分
キュアさせたのち、該乾燥温度および部分キュア温度よ
り高温でさらに加熱して完全キュアさせ、低熱膨張層を
形成し、さらに必要ならば、この低熱膨張層の表面に、
接着性高分子材料またはその前駆体を含むワニスを塗布
し、加熱して乾燥および部分キュアさせたのち、該乾燥
温度および部分キュア温度より高温でさらに加熱して完
全キュアさせて接着層を形成することにより得られる。
【0042】なお、樹脂層(低熱膨張層または接着層)
表面に、ポリイミドからなる層(低熱膨張層または接着
層)を形成する場合には、低熱膨張層と接着層との接着
性を保持するため、ポリイミド樹脂の前駆体溶液を塗布
し、これを加熱してイミド化することが望ましい。さら
に、樹脂層表面を酸素等のプラズマエッチング処理を施
すか、または、エチレンジアミン、ヒドラジン等のアミ
ン系や硫酸等のエッチング液で処理してから成膜するこ
とが望ましい。
【0043】第1の平面配線の形成(a−3,b−3)
および第3の平面配線の形成(b−7)は、例えば、接
着層または低熱膨張層表面に、蒸着法、スパッタ法、電
気めっき法、無電解めっき法などにより導体(例えば銅
など)層を形成し、この導体層をフォトリソグラフィ法
等によりパターン化することにより行われる。また、導
体箔のパターン化も、同様にフォトリソグラフィ法等に
より行うことができる。なお、配線形成後に、導体を腐
食する溶液を用いる等、導体を損なう工程がある場合に
は、配線(接続用金属材料で覆われたものを含む)を保
護フィルムなどで覆って保護することが望ましい。
【0044】絶縁層と導体層、特に銅層の密着強度を向
上させるには、絶縁層の表面に、バイアメタルとして
0.01〜0.5μmのクロム、またはニッケルおよび
その合金やその酸化物の膜を形成し、該膜表面に、銅な
ど電気伝導性の優れた導体層を形成することが望まし
い。銅層と絶縁層との界面にニッケルやクロムなどの金
属バリア層を設けることにより、樹脂層への導体の拡散
を防ぐことができる。また、このようにすれば、絶縁層
(特にポリイミド樹脂)と導体との反応を抑え、導体の
表面層の劣化を防ぐことができる。
【0045】また、絶縁層を導体(配線または導体箔)
表面に形成する場合、絶縁層と導体との接着性を良くす
るために、絶縁層形成の前処理として、導体表面を、チ
タン系、アルミニウム系の金属キレート剤、シリコン系
のカップリング剤、またはベンズトリアゾール等の防錆
剤等を用いて処理しておくか、あるいは、アルミナゾ
ル、アルミナ−シリコン系ゾル、チタン系ゾルを塗布
し、加熱処理しておくことが望ましい。また、絶縁層
を、これらのゾルをポリイミド前駆体に対して5重量%
以下添加したポリイミド前駆体溶液を用いて形成しても
よい。
【0046】ヴィア配線の形成は、絶縁層に、エキシマ
レーザ法、炭酸ガスレーザ法、アルカリ溶液などによる
ウエットエッチング法、反応性イオンエッチング等を照
射するドライエッチング法等により、下層の導体箔また
は配線に達する穴を形成し、この穴に導体を充填するこ
とにより行われる。この導体の充填方法としては、スパ
ッタ法、蒸着法、めっき(電気、無電解)法が挙げられ
る。
【0047】これらの穴あけ方法のうち、樹脂によるエ
ッチング性の差の少ないエキシマレーザ法、炭酸ガスレ
ーザ法が好ましい。加工精度や加工速度などの点からは
400nm以下の波長のレーザ光を用いたアブレーショ
ン加工、特にエキシマレーザの照射方法が好ましい。
【0048】また、絶縁層を感光性ポリイミド前駆体組
成物(炭素−炭素二重結合をイオン結合または共有結合
により備えるポリイミド前駆体、感光剤、および、モノ
またはジビニル系化合物等からなる組成物)等の感光性
耐熱芳香族系樹脂、すなわち低熱膨張性ポリイミド前駆
体、接着性耐熱性樹脂等に感光性を付与したものを用
い、フォトリソグラフィ法によって所定の穴を備えるパ
ターンに形成し、この穴を導体で充填することにより、
ヴィア配線を形成してもよい。
【0049】なお、第1の平面配線および第2の平面配
線のうち、外部との電気的接続に用いられる接続パッド
として働く部分には、接続用導体材料(例えばはんだな
ど)を付着させておくことが望ましい。接続パッド部を
覆う接続用導体材料の厚さは、接続信頼性が保持できる
厚さであればよく、特に制限がないが、通常、0.5〜
50μm程度にする。配線の接続パッド部に、接続用導
体材料の層またはボールバンプを形成しておけば、この
薄膜配線シートを積層して多層配線基板を作製する際
に、シート間の導通がさらに確実になる。なお、接続用
導体材料層は、配線のパターン化の前後いずれに形成し
てもよい。
【0050】接続用導体材料には、配線と同様に、銅、
金、銀、ニッケル、錫、クロム、タングステン等の金
属、または、これらの合金や、はんだなどを用いること
ができ、比較的低温で配線の導体と接合するものを用い
ることが望ましい。例えば、Sn/Pb(重量比)=
1.5〜10/98.5〜90(融点約300〜330
℃付近)、Sn/Ag(重量比)=98.5〜97/
1.5〜3(融点約310〜250℃)、Au/Sn
(重量比)=80/20(共晶温度280℃)などの合
金を用いることができる。
【0051】あるいは、接合する一方の接合パッド部表
面に蒸着またはめっきなどにより金層を形成し、他方の
接合パッド部表面に、蒸着またはめっきにより、金と共
晶反応を起こす金属の層(金の厚さ0.5〜4μmに対
して、共晶する金属の厚さ7.5〜3.0μm)を形成
してもよい。金と共晶反応を起こす金属には、例えば、
錫(金との共晶温度265℃)、ケイ素(金との共晶温
度370℃)、ゲルマニウミム(金との共晶温度356
℃)がある。
【0052】このように、接合する一方に金の層を、他
方に金と共晶する金属の層を備えている薄膜配線シート
を加熱圧着すれば、共晶接合法(例えば、金−錫共晶接
合法。錫濃度90%では、217℃の第一低温共晶点が
存在する。この温度より高温では、さらに錫が拡散し、
錫濃度60%では融点が300℃以上にまで上昇する)
によって配線を接合することができる。
【0053】また、本発明では、上述の薄膜配線シート
が複数積層された薄膜積層体を備える多層配線基板が提
供される。この多層配線基板は、上述の薄膜配線シート
を作製する工程と、複数の上記薄膜配線シートを、第1
の平面配線と他の上記薄膜配線シートの第2の平面配線
とが対向するように積層する工程と、積層した薄膜配線
シートを加熱圧着する工程とにより作製される。
【0054】第1の平面配線および上記他の薄膜配線シ
ートの第2の平面配線、および/または、硬質基板の配
線および薄膜配線シートの配線は、接続用導体材料を介
して接続されていることが望ましい。接続信頼性が増す
からである。そこで、薄膜配線シートの接続パッド部分
が接続用導体材料に覆われていない場合は、薄膜配線シ
ートの積層に際して、接続部分に接続用導体材料を挟み
込むことが望ましい。
【0055】なお、この多層配線基板は、導体配線と、
セラミック、シリコン、または硬質有機絶縁体からなる
基材とを備える硬質基板上に上述の薄膜積層体を搭載し
たものであってもよい。上記硬質基板上に薄膜配線シー
トを積層し、加熱圧着すれば、このような薄膜・厚膜複
合多層配線基板を得ることができる。この場合、硬質基
板の配線の接合パッド部と、薄膜配線シートの配線(第
1の平面配線または第2の平面配線)の接合パッド部と
の接続は、接続信頼性の向上のため、接続用導体材料を
介して行われることが望ましい。そこで、硬質基板の配
線と接続される薄膜配線シートの接続パッド部分が接続
用導体材料に覆われていない場合は、硬質基板と薄膜配
線シートとの接続に際して、接続部分に接続用導体材料
を挟み込んでから加熱圧着することが望ましい。
【0056】本発明の多層配線基板の製造において、加
熱圧着の温度は、接続する導体の融点や共晶温度、接着
性高分子材料の接着温度(軟化温度、溶融温度、または
ガラス転移温度)、接着性高分子材料および低熱膨張性
高分子材料の熱分解開始温度などを考慮して定められ、
通常、200〜400℃程度とすることが望ましい。加
熱圧着は、ラミネートロールや熱圧プレスなどを用いて
行われ、その際の圧力は、通常、1〜500kg/cm
2とする。
【0057】加熱圧着は、導体および高分子材料(特に
ポリイミド樹脂)の酸化劣化を防止するため、酸素濃度
5000ppm(vol/vol)以下、好ましくは1
000ppm(vol/vol)以下の雰囲気(窒素雰
囲気、不活性ガス雰囲気、もしくは真空中)中でて行な
うのが好ましい。
【0058】なお、接続信頼性をさらに向上させるに
は、薄膜配線シートの積層に際して、薄膜配線シートを
固定用に固定しておくことにより、接着位置精度を確保
することが望ましい。固定用治具としては、例えば、枠
状部材(平たい円筒あるいは多角筒など)と、位置合わ
せのための部材(ガイドピンを備える筐体など)とを用
いることができる。枠状部材の材質は、熱膨張係数が小
さく、プロセス温度(加熱圧着の温度および/または接
続用金属材料層(またはバンプ)を形成する温度)で軟
化せず、かつ、熱膨張係数が1×10-6/℃〜2×10
-5/℃である金属または合金とすることが望ましく、例
えば、Fe−Ni合金を用いることができる。Fe−N
i合金のうち、63.5Fe−36.5Ni合金は、熱
膨張係数が1.2×10-6/℃であって、特に好まし
い。
【0059】
【実施例】
<実施例1>本実施例では、低熱膨張性ポリイミド層と
接着性ポリイミド層とからなる2層構造の層間絶縁膜を
有する薄膜配線シートを作製した。本実施例における配
線構造体の製造プロセスを、図1(a)〜(l)に示
す。
【0060】(1)低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液の
調製 p−フェニレンジアミン75.700g(0.7mo
l)および3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル63.680g(0.3mol)とを、240
0gのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、この溶液
に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物294.222g(1.0mol)を少量ずつ
添加した後、反応容器の器壁に付着した酸二無水物を、
57gのN−メチル−2−ピロリドンで流し入れ、温度
を10℃以下として重合させて、低熱膨張性ポリイミド
前駆体のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分濃度
15重量%)を得、これを低熱膨張性ポリイミド前駆体
溶液Aとした。
【0061】(2)接着性ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.241
g(1.0mol)をN−メチル−2−ピロリドン29
00gに溶解し、この溶液に、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.233
g(1.0mol)を少量ずつ添加したのち、反応容器
の器壁に付着した酸二無水物を60.7gのN−メチル
−2−ピロリドンで洗い入れ、重合温度10℃以下で重
合させて、接着性ポリイミド前駆体のN−メチル−2−
ピロリドン溶液(固形分濃度15重量%)を得、これを
接着性ポリイミド前駆体溶液Aとした。
【0062】(3)銅箔の表面処理 まず、支持板101(表面保護テープであって、配線構
造体の裏面保護膜として働く。本実施例では、50μm
のポリオレフィン接着フィルム(三井石油化学工業
(株)製「アドマー」)を用いた)付き銅箔102(3
50mm角、厚さ12μm)表面に、ベンゾトリアゾー
ルのキシレン溶液(0.3重量%)を塗布し、窒素雰囲
気下(酸素含有量100ppm(vol/vol)以
下)で80℃〜100℃に保持して乾燥した。
【0063】(4)第1の絶縁層の形成 このベンゾトリアゾールを塗布した銅箔102表面に、
低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液Aを加熱硬化後の膜厚
が14μmになるように塗布し、100℃〜150℃の
温度で30分加熱して、第1の低熱膨張性ポリイミド前
駆体層を得た。
【0064】つぎに、この第1の低熱膨張性ポリイミド
前駆体層表面に、接着性ポリイミド前駆体溶液Aを、加
熱硬化後の膜厚が8μmになるように塗布し、100℃
〜150℃の温度で30分加熱し第1の接着性ポリイミ
ド前駆体層を形成したのち、さらに約350℃〜400
℃で60分加熱して、ポリイミド前駆体のイミド化を行
った。これにより、図1(a)に示すように、第1の低
熱膨張性ポリイミド層103および第1の接着性ポリイ
ミド層104からなる第1の絶縁層11が得られた。
【0065】なお、低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液A
を上述のように100℃〜150℃の温度で30分加熱
したのち、さらに350℃で60分加熱して低熱膨張性
ポリイミド前駆体をイミド化してから、接着性ポリイミ
ド前駆体溶液Aを塗布し、100℃〜200℃の温度で
30分加熱処理し、さらに約350℃〜400℃で60
分加熱して接着性ポリイミド前駆体のイミド化を行うよ
うにしてもよい。
【0066】(5)第1のヴィアホールの形成 KrFガスを使用するエキシマレーザを用いて、絶縁層
11に、銅箔102表面に達する穴105をあけた。す
なわち、絶縁層11に、25μmのマスクを介して加工
周波数10Hz、エネルギ密度E=1.5J/cm2
エキシマレーザを照射し、図1(b)に示すように、直
径約30μmの、銅箔102に達する加工穴(スルーホ
ール)105を得た。
【0067】つぎに、絶縁層11表面に、スパッタリン
グ法により厚さ0.2μmのニッケル層および厚さ0.
5μmの銅層をこの順に形成し、さらに、この銅層と、
スルーホール105底部に露出している銅箔102とを
下地として、電気銅めっきを行った。これにより、図1
(c)に示すように、スルーホール105が銅で充填さ
れて第1のヴィア配線115が形成されるとともに、絶
縁層11の上に膜厚約10μmの銅めっき層106が形
成された。
【0068】(6)第1の配線パターンの形成 得られた銅めっき層106表面に、ネガ型フォトレジス
ト(東京応化(株)社製「OMR」)を塗布し、露光、
現像、加熱処理を行い所定のパターンのレジスト膜を形
成したのち、エッチングにより銅めっき層106のレジ
ストに覆われていない部分を除去し、フォトレジスト剥
離液を用いてレジストを除去した。これにより、図1
(d)に示すように、第1の配線パターン(第1の平面
配線および接合パッド)107が形成された。得られた
配線パターン107を保護するため、図1(e)に示す
ように、上述の裏面保護膜と同じ表面保護テープ(表面
保護膜108)をパターン107に接着して表面を覆っ
た。
【0069】(7)第2の配線パターンの形成 つぎに、裏面保護膜101を剥離し(図1(f))、露
出した銅箔102表面を希塩酸、フラックス等で処理
し、必要に応じて塩化メチレン、イオン交換水等で洗浄
したのち、ネガ型フォトレジスト(東京応化(株)社製
「OMR」)を塗布し、露光、現像、加熱処理を行ない
所定のパターンのレジスト膜を形成し、エッチングによ
り銅箔層102のレジストに覆われていない部分を除去
して、フォトレジスト剥離液によりレジストを除去し
た。これにより、図1(g)に示すように、第2の配線
パターン109(第2の平面配線)が形成された。
【0070】(8)第2の絶縁膜の形成 配線構造体の第2の平面配線109が形成された側の表
面に、ベンゾトリアゾールのキシレン溶液(0.3重量
%)を塗布し、窒素雰囲気下(酸素含有量100ppm
(vol/vol)以下)で、80℃〜100℃に保持
して乾燥した。このベンゾトリアゾールを塗布した表面
に、低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液Aを、加熱硬化後
の膜厚が14μmになるように塗布し、100℃〜15
0℃の温度で30分加熱して、第2の低熱膨張性ポリイ
ミド前駆体層を得た。
【0071】つぎに、この第2の低熱膨張性ポリイミド
前駆体層表面に、接着性ポリイミド前駆体溶液Aを、加
熱硬化後の膜厚が8μmになるように塗布し、100℃
〜150℃の温度で30分加熱し、第2の接着性ポリイ
ミド前駆体層を形成したのち、さらに約350℃〜40
0℃で60分加熱して、ポリイミド前駆体のイミド化を
行った。これにより、図1(h)に示すように、第2の
低熱膨張性ポリイミド層110および第2の接着性ポリ
イミド層111からなる第2の絶縁層12が得られた。
なお、第1の絶縁層11の形成と同様に、低熱膨張性ポ
リイミド前駆体をイミド化してから、接着性ポリイミド
前駆体溶液Aを塗布するようにしてもよい。
【0072】(9)第2のヴィアホールの形成 KrFガスを使用するエキシマレーザを用いて、絶縁層
12に、銅箔102表面に達する穴をあけた。すなわ
ち、絶縁層12に、30μmのマスクを介して加工周波
数10Hz、エネルギ密度E=1.5J/cm2のエキ
シマレーザを照射し、図1(i)に示すように、直径約
30μmの加工穴(スルーホール)112を得た。
【0073】つぎに、無電解めっきにより、スルーホー
ル112を銅で充填してヴィア配線116としたのち、
第2の絶縁層12表面をPd処理液で処理し、さらに無
電解めっきを行って、第2の絶縁層表面に、膜厚10μ
mの銅めっき層113を形成した(図1(j))。
【0074】(10)第3の配線パターンの形成 得られた銅めっき層113表面に、ネガ型フォトレジス
ト(東京応化(株)社製「OMR」)を塗布し、露光、
現像、加熱処理を行い所定のパターンのレジスト膜を形
成したのち、エッチングにより銅めっき層113のレジ
ストに覆われていない部分を除去し、フォトレジスト剥
離液を用いてレジストを除去した。これにより、図1
(k)に示すように、第3の配線パターン(第3の平面
配線)114が形成された。
【0075】(11)薄膜配線シートの評価 最後に、表面保護膜108を剥離して、図1(l)に示
す薄膜配線シートを得た。得られた薄膜配線シートの断
面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、第
1の絶縁層11の形成において、低熱膨張性ポリイミド
前駆体のイミド化と接着性ポリイミド前駆体のイミド化
とを同時に行った場合も、順次行った場合も、ポリイミ
ド樹脂どうしの界面は、いずれも良好な状態で接着して
おり、剥離は観察されなかった。また、得られたシート
を350mm×255mmに切断して試料とし、反りを
測定したところ、イミド化を同時に行った場合の反りは
0.8mmであり、イミド化を順次行った場合の反りは
0.5mmであって、いずれも耐カール性は良好であっ
た。
【0076】(12)薄膜配線シートの積層 得られた薄膜配線シートの銅配線107,114表面を
希塩酸、フラックス等で処理し、必要に応じて塩化メチ
レン、イオン交換水等で洗浄した後、銅配線107,1
14の接合パッド部に、98.5Sn−1.5Agはん
だを接合させて接合層を形成したものを3枚用意し、接
合する部分の位置をあわせて積層し、250〜310
℃、10〜30kg/cm2で加熱圧着して、図7
(a)に示す多層配線基板(350mm角)を得た。な
お、各シート間で接合される配線の間隙73には、圧着
時の加熱により軟化した、上層および/または下層の接
着性ポリイミド層104,111のポリイミド樹脂が充
填される。
【0077】この多層配線基板の一方の面の接合パッド
部に、98.5Sn−1.5Agはんだ70を介して半
導体チップ71を搭載し、他方の面の接合パッド部に、
98.5Sn−1.5Agはんだを接合させて入出力ピ
ン72とした(図7(b))。この半導体チップ71を
搭載した基板の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観
察したところ、ポリイミド層界面の接着は、上述の未搭
載の場合と同様、良好な状態であることが観察された。
【0078】<実施例2>本実施例では、実施例1と同
様にして、低熱膨張性ポリイミド層と接着性ポリイミド
層とからなる2層構造の層間絶縁膜を有する薄膜配線シ
ートを作製し、これを積層して多層配線基板を作製し
た。ただし、本実施例では、工程(12)において、5
枚の薄膜配線シートの積層を、固定用治具を用いて積層
した。すなわち、実施例1と同様にして接合層を形成し
た薄膜配線シート(350mm角)を5枚用意し、それ
ぞれ、図9(a)に示す枠状(平たい四角筒形)の固定
用治具90に図9(c)に示すように固定した上で、図
9(d)に示すように、接合部分の位置を合わせて積層
し、250〜310℃に保持しながら、固定用治具90
の枠内に10〜30kg/cm2で加圧し、シートを加
熱圧着した後、圧着された積層体を固定用治具90から
外して、多層配線基板を得た。本実施例でも、実施例1
と同様に良好な多層配線基板が得られた。
【0079】なお、本実施例で用いた固定用治具90
は、63.5Fe−36.5Ni合金製の、外径255
mm角、内径200mm角、厚さ1mmの枠状部材(図
9(a)に図示)である。また、位置あわせには、図9
(b)に示す、63.5Fe−36.5Ni合金製の位
置あわせ部材と、外径255mm角、内径200mm
角、深さ80mmの筐体95を用いる。筐体95の底板
(厚さ5mm)94は、筐体に上下動可能に接続されて
おり、所定の位置にガイドピン(直径4.95〜4.9
7mm)93が設けられている。
【0080】本実施例では、各薄膜配線シートの配線の
ない部位に、あらかじめ位置あわせのためのマークをつ
けておく。この薄膜配線シート96を、図9(c)に示
すように、それぞれ、2枚の固定用治具90の間に挟
み、固定用治具90からはみ出した部分を切除(耳落
し)したのち、位置あわせマーク91をもとにして、薄
膜配線シート96の所定の位置にガイド孔(直径5mm
の貫通孔)92をあけた。なお、位置あわせマーク91
の認識には、CCD(電荷結合素子)カメラなどを用い
てもよい。
【0081】つぎに、固定用治具90に挟んだまま、5
枚の薄膜配線シートを筐体95を用いて積層した。すな
わち、まず、筐体95の底板94を上面まであげ、ガイ
ド孔92にガイドピン93を嵌合させることにより位置
を合わせて、第1のシート96を底板94に載置し(図
9(d))、ガイドピン93の部位に孔を有する平板
(200mm角、図示せず)により第1のシート96を
下方へ押しつつ底板94をシート96の厚さ分だけ下へ
下げることにより、シート96を筐体95内にシート9
6の厚さの分だけ押し込んだ。これにより、シート96
が200mm角に切断されたので、固定用部材90を取
り除いた。同様にして、第2のシートを、ガイド孔92
にガイドピン93を嵌合させることにより位置を合わせ
つつ第1のシート96上に載置し、筐体95内にシート
96の厚さの分だけ押し込んで、200mm角に切断し
た。これをさらに3回繰り返すことにより、5枚のシー
トが筐体95内に積層された(図9(e)に、5枚目の
シートの固定用部材90を取り除く前の状態を図示し
た)。最後に、筐体95内の積層体に10〜30kg/
cm2の圧力を印加しながら、250〜310℃の温度
で加熱して、5枚のシート96を加熱圧着し、5層の多
層配線基板を得た。
【0082】本実施例では、固定用治具90を用いてシ
ート96を固定し、ガイドピン93を有する筐体95を
用いて位置合わせを行なうため、容易に、精度よく、簡
便にシート96を積層することができた。
【0083】<実施例3>本実施例では、1層の低熱膨
張性ポリイミド層と2層の接着性ポリイミド層とからな
る5層構造の層間絶縁膜を有する薄膜配線シートを作製
した。本実施例における配線構造体の製造プロセスを、
図2(a)〜(h)に示す。なお、低熱膨張性ポリイミ
ド前駆体溶液Aは、実施例1と同様にして調製した。
【0084】(1)接着性ポリイミド前駆体溶液の調製 まず、m−フェニレンジアミン32.443g(0.3
mol)および3,4’−ジアミノジフェニルエーテル
140.169g(0.7mol)を、N−メチル−2
−ピロリドン2600gに溶解し、この溶液に、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.222g(1.0mol)を少量ずつ添加し、
反応容器の器壁に付着した酸二無水物を45.4gのN
−メチル−2−ピロリドンで洗い入れた後、常法により
重合させて、接着性ポリイミド前駆体のN−メチル−2
−ピロリドン溶液(固形分濃度15重量%)を得、これ
を接着性ポリイミド前駆体溶液Bとした。
【0085】(2)銅箔の表面処理 まず、実施例1と同様の支持板101付き銅箔102
(350mm角、厚さ12μm)表面に、ベンゾトリア
ゾールのキシレン溶液(0.3重量%)を塗布し、窒素
雰囲気下(酸素含有量100ppm(vol/vol)
以下)で80℃〜100℃に保持して乾燥した。
【0086】(3)絶縁層の形成 このベンゾトリアゾールを塗布した銅箔102表面に、
接着性ポリイミド前駆体溶液Bを、加熱硬化後の膜厚が
5μmになるように塗布し、100℃〜150℃で30
分加熱することにより塗膜を第1の接着性ポリイミド前
駆体層としたのち、この第1の接着性ポリイミド前駆体
膜表面に、低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液Aを、加熱
硬化後の膜厚が10μmになるように塗布し、100℃
〜150℃で30分加熱することにより塗膜を低熱膨張
性ポリイミド前駆体層とし、さらにこの低熱膨張性ポリ
イミド前駆体層表面に、接着性ポリイミド前駆体溶液B
を、加熱硬化後の膜厚が10μmになるように塗布し
て、100℃〜200℃で30分加熱することにより塗
膜を第2の接着性ポリイミド前駆体層としたのち、さら
に約350℃〜400℃で60分加熱して、3層のポリ
イミド前駆体をイミド化して、図2(a)に示すよう
に、第1の接着性ポリイミド層203、低熱膨張性ポリ
イミド層204、および第2の接着性ポリイミド層20
5からなる絶縁層21を得た。
【0087】なお、各層203〜205のイミド化を、
各層ごとに逐次行うようにしてもよい。すなわち、銅箔
表面に接着性ポリイミド前駆体溶液を塗布し、100℃
〜150℃で加熱し、さらに350℃〜400℃で加熱
してこの層の前駆体をイミド化し、第1の接着性ポリイ
ミド層203を形成したのち、低熱膨張性ポリイミド前
駆体溶液を塗布し、100℃〜150℃で加熱し、再度
350℃〜400℃で加熱して低熱膨張性ポリイミド前
駆体をイミド化し、低熱膨張性ポリイミド層204を形
成してから、接着性ポリイミド前駆体溶液を塗布し、1
00℃〜200℃で加熱し、さらに約350℃〜400
℃で加熱して、第2の接着性ポリイミド前駆体層のイミ
ド化して第2の接着性ポリイミド層205を形成するよ
うにしてもよい。
【0088】(4)ヴィアホールの形成 KrFガスを使用するエキシマレーザを用いて、絶縁層
21に、銅箔102表面に達する穴206をあけた。す
なわち、絶縁層21に、50μmのマスクを介して加工
周波数10Hz、エネルギ密度E=1.5J/cm2
エキシマレーザを照射し、図2(b)に示すように、直
径約30μmの、銅箔102に達する加工穴(スルーホ
ール)206を得た。
【0089】つぎに、絶縁層21表面に、スパッタリン
グ法により厚さ0.2μmのニッケル層および厚さ0.
5μmの銅層をこの順に形成し、さらに、この銅層と、
スルーホール105底部に露出している銅箔102とを
下地として、電気銅めっきを行った。これにより、図2
(c)に示すように、スルーホール206が銅で充填さ
れてヴィア配線207が形成されるとともに、絶縁層2
1の上に膜厚約10μmの銅めっき層208が形成され
た。
【0090】(5)第1の配線パターンの形成 得られた銅めっき層208表面に、ネガ型フォトレジス
ト(東京応化(株)社製「OMR」)を塗布し、露光、
現像、加熱処理を行い所定のパターンのレジスト膜を形
成したのち、エッチングにより銅めっき層208のレジ
ストに覆われていない部分を除去し、フォトレジスト剥
離液を用いてレジストを除去した。これにより、図2
(d)に示すように、第1の配線パターン(第1の平面
配線および接合パッド)209が形成された。得られた
配線パターン209を保護するため、図2(e)に示す
ように、上述の裏面保護膜と同じ表面保護テープ(表面
保護膜108)をパターン209に接着して表面を覆っ
た。
【0091】(6)第2の配線パターンの形成 つぎに、裏面保護膜101を剥離し(図1(f))、露
出した銅箔102表面を希塩酸、フラックス等で処理
し、必要に応じて塩化メチレン、イオン交換水等で洗浄
したのち、ネガ型フォトレジスト(東京応化(株)社製
「OMR」)を塗布し、露光、現像、加熱処理を行ない
レジスト膜を形成し、エッチングにより銅箔層102の
レジストに覆われていない部分を除去して、フォトレジ
スト剥離液によりレジストを除去した。これにより、図
2(g)に示すように、第2の配線パターン210(第
2の平面配線)が形成された。
【0092】(7)薄膜配線シートの評価 最後に、表面保護膜108を剥離し、図2(h)に示す
薄膜配線シートを得た。得られたシートの断面をSEM
(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、第1の絶縁層
11の形成において、低熱膨張性ポリイミド前駆体のイ
ミド化と接着性ポリイミド前駆体のイミド化と同時に行
った場合も、順次行った場合も、ポリイミド樹脂どうし
の界面は、いずれも良好な状態で接着しており、剥離は
観察されなかった。また、得られたシートを350mm
×255mmに切断して試料とし、反りを測定したとこ
ろ、3層203〜205のイミド化を同時に行った場合
の反りは0.9mmであり、イミド化を順次行った場合
の反りは0.6mmであって、いずれも耐カール性は良
好であった。
【0093】(8)薄膜配線シートの積層 得られた薄膜配線シートの銅配線209,210表面を
塩化メチレン、イオン交換水等で洗浄した後、銅配線2
09,210の接合パッド部に、80Au−20Snは
んだを接合させて接合層を形成したもの(350mm
角)を3枚用意し、実施例2と同様にして固定用治具を
用いて接合する部分の位置をあわせて積層し、250〜
300℃、10〜30kg/cm2で加熱圧着して、図
8(a)に示す多層配線基板を得た。なお、各シート間
で接合される配線の間隙83には、圧着時の加熱により
軟化した、上層および/または下層の接着性ポリイミド
層203,205のポリイミド樹脂が充填される。
【0094】この多層配線基板の一方の面の接合パッド
部に、80Au−20Snはんだ80を介して半導体チ
ップ71を搭載し、他方の面の接合パッド部に、80A
u−20Snはんだ80を接合させて入出力ピン82と
した(図8(b))。この半導体チップ71を搭載した
基板の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したと
ころ、ポリイミド層界面の接着は、上述の未搭載の場合
と同様、良好な状態であることが観察された。
【0095】<実施例4〜13>種々のポリイミドを用
いて、薄膜配線基板を作製した。なお、各実施例ごと
に、ポリイミド前駆体層のイミド化(350〜400℃
での60分間の加熱処理)を、前駆体層を積層したのち
一括して行う場合(表1では「同時」と表現した)と、
前駆体層を一層毎に行う場合(表1では「逐次」と表現
した)との両方について接着性および耐カール性を検討
した。結果を表1に示す。いずれの実施例において得ら
れた配線構造体も、ポリイミド層どうしの界面の接着性
は良好であり、耐カール性も良好であった。
【0096】なお、ポリイミド前駆体溶液の調製に用い
た原料が異なる以外は、実施例4〜8は実施例2と同様
して作製し、実施例9〜13は実施例4と同様にして作
製した。低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液は、表1に示
した酸二無水物とジアミンとを、N−メチル−2−ピロ
リドンとジメチルアセトアミドとの1:1混合溶媒に溶
解し、常法により重合させて得た。該溶液の固形分濃度
は15重量%である。また、接着性ポリイミド前駆体溶
液は、表1に示した酸二無水物とジアミンとを、N−メ
チル−2−ピロリドンに溶解し、常法により重合させて
得た。該溶液の固形分濃度は15重量%である。各重合
体の合成に用いたモノマの量と溶媒とを表2に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】なお、表1および表2で用いた略号は、 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、 OPDA:ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−
テル二無水物、 p−PDA:p−フェニレンジアミン、 BAPB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、 3DMDAP:3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ンビフェニル、 2DMDAP:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ンビフェニル、 3,4’DDE:3,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、 をそれぞれ示す。
【0100】<比較例1>本比較例では、低熱膨張性ポ
リイミド層と接着性ポリイミド層とからなる2層構造の
層間絶縁膜を有する薄膜配線シートを作製し、これを積
層して多層配線基板を得た。ただし、本比較例では、実
施例1とは異なり、薄膜配線シートの一方の面にしか平
面配線を形成しなかった。本比較例における薄膜配線シ
ートの製造プロセスを図3に示し、多層配線基板の製造
プロセスを図4に示す。なお、低熱膨張性ポリイミド前
駆体溶液Aおよび接着性ポリイミド前駆体溶液Aは、実
施例1と同様にして調製した。
【0101】(1)絶縁層の形成 まず、図3(a)に示した、実施例1と同様の支持板1
01付き銅箔102(350mm角、厚さ12μm)表
面を、実施例1と同様にベンゾトリアゾールで処理した
のち、この銅箔102表面に、低熱膨張性ポリイミド前
駆体溶液Aを加熱硬化後の膜厚が14μmになるように
塗布し、100℃〜150℃の温度で30分加熱して、
低熱膨張性ポリイミド前駆体層を得た。
【0102】つぎに、この低熱膨張性ポリイミド前駆体
層30表面に、接着性ポリイミド前駆体溶液Aを、加熱
硬化後の膜厚が8μmになるように塗布し、100℃〜
150℃の温度で30分加熱し接着性ポリイミド前駆体
層を形成したのち、さらに約350℃〜400℃で60
分加熱して、ポリイミド前駆体のイミド化を行った。こ
れにより、低熱膨張性ポリイミド層32および接着性ポ
リイミド層33からなる絶縁層31が得られた。
【0103】(2)配線パターンの形成 つぎに、裏面保護膜101を剥離し(図3(b))、絶
縁層31上に表面保護テープ(厚さ50μmのポリオレ
フィン接着フィルム、三井石油化学工業(株)製「アド
マー」)をラミネートした後、銅箔102表面を塩化メ
チレン、イオン交換水等で洗浄したのち、ネガ型フォト
レジスト(東京応化(株)社製「OMR」)を塗布し、
露光、現像、加熱処理を行ない所定のパターンのレジス
ト膜を形成し、エッチングにより銅箔層102のレジス
トに覆われていない部分を除去して、フォトレジスト剥
離液によりレジストを除去した。これにより、配線パタ
ーン34(配線または接合パッド)が形成された。最後
に、表面保護テープを剥離して、配線層34と絶縁層3
1とからなる薄膜配線シート(図3(c)に図示)を得
た。
【0104】得れられた薄膜配線シートの断面をSEM
で観察したところ、ポリイミド樹脂どうしの界面は、良
好に接着しており、剥離していなかったが、耐カール性
はよくなかった。すなわち、薄膜配線シートを350m
m×255mmに切断して試料とし、反りを測定したと
ころ、4.0mmであった。
【0105】また、上述の例では低熱膨張性ポリイミド
前駆体層のイミド化と、接着性ポリイミド前駆体層のイ
ミド化とを同時に行ったが、それぞれ毎に逐次的に行っ
て、薄膜配線シートを作製したところ、上述の場合と同
様に、ポリイミド樹脂どうしの界面は良好に接着し、剥
離していなかった。しかし、耐カール性はよくなかっ
た。すなわち、この薄膜配線シートを350mm×25
5mmに切断して試料とし、反りを測定したところ、
3.3mmであった。
【0106】(3)積層体の観察 得られた薄膜配線シート3枚を、配線34と接着性ポリ
イミド層33とが対向するように積層し、加熱圧着し
て、図3(d)に示す積層体を得た。得られた積層体の
断面をSEM観察したところ、低熱膨張性ポリイミド層
と接着性ポリイミド層との界面が一部剥離しているのが
明瞭に確認された。
【0107】(4)ヴィア配線の形成 また、工程(2)で得られた薄膜配線シートの絶縁層3
1に、30μmのマスクを介して加工周波数10Hz、
エネルギ密度E=1.5J/cm2のエキシマレーザ
(KrFガス使用)を照射し、銅箔102表面に達する
直径約30μmの加工穴(スルーホール)をあけ、この
穴に、無電解めっきにより銅を充填して、図4(a)に
示すように、ヴィア配線40を形成した。
【0108】(5)薄膜配線シートの積層 このようにしてヴィア配線40を形成した薄膜配線シー
ト(350mm角)を3枚用意し、それらの銅配線3
4,40を、希塩酸、フラックス等で処理し、必要に応
じて塩化メチレン、イオン交換水で洗浄したのち、配線
34と接着性ポリイミド層33とが対向するように積層
し、250〜300℃、10〜30kg/cm2で加熱
圧着して、図4(b)に示す多層配線基板を得た。得ら
れた基板の断面をSEM観察したところ、低熱膨張性ポ
リイミド層と接着性ポリイミド層との界面が一部剥離し
ているのが明瞭に確認された。
【0109】<比較例2>本比較例では、低熱膨張性ポ
リイミド層と接着性ポリイミド層とからなる2層構造の
層間絶縁膜を有する薄膜配線シートを作製し、これを積
層して多層配線基板を得た。ただし、本比較例では、一
旦、比較例1と同様の表裏一方の面のみに配線を有する
薄膜配線シートを作製し、この薄膜配線シート2枚を、
配線のない面を対向させて接着して、表裏両面に平面配
線を有する薄膜配線シートを作製した。本比較例におけ
る薄膜配線シートの製造プロセスを図5に示し、多層配
線基板の製造プロセスを図6に示す。なお、低熱膨張性
ポリイミド前駆体溶液Aおよび接着性ポリイミド前駆体
溶液Aは、実施例1と同様にして調製した。
【0110】(1)絶縁層の形成 まず、図5(a)に示した、実施例1と同様の支持板1
01付き銅箔102(厚さ12μm)表面を、実施例1
と同様にベンゾトリアゾールで処理したのち、この銅箔
102表面に、比較例1と同様に、低熱膨張性ポリイミ
ド前駆体層と、接着性ポリイミド前駆体層とを形成した
のち、さらに約350℃〜400℃で60分加熱して、
ポリイミド前駆体のイミド化を行った。これにより、低
熱膨張性ポリイミド層52および接着性ポリイミド層5
3からなる絶縁層51が得られた。
【0111】(2)ヴィア配線の形成 つぎに、絶縁層51に、30μmのマスクを介して加工
周波数10Hz、エネルギ密度E=1.5J/cm2
エキシマレーザ(KrFガス使用)を照射し、銅箔10
2表面に達する直径約30μmの加工穴(スルーホー
ル)をあけ、この穴に、無電解めっきにより銅を充填し
て、図5(c)に示すように、ヴィア配線50を形成し
た。
【0112】(3)配線パターンの形成 つぎに、比較例1と同様に、裏面保護膜101を剥離し
(図5(b))、絶縁層51を表面保護テープで覆った
後、銅箔102表面を塩化メチレン、イオン交換水等で
洗浄したのち、ネガ型フォトレジスト(東京応化(株)
社製「OMR」)を塗布し、露光、現像、加熱処理を行
ない所定のパターンのレジスト膜を形成し、エッチング
により銅箔層102のレジストに覆われていない部分を
除去して、フォトレジスト剥離液によりレジストを除去
した。これにより、配線パターン54(配線または接合
パッド)が形成された。
【0113】(4)薄膜配線シートの作製 最後に、表面保護テープを剥離して、配線層54と絶縁
層51とからなる配線構造体(図3(d)に図示)を得
た。この配線構造体2枚を、配線のない面を対向させて
加熱圧着し、両面に配線層54を有する薄膜配線シート
を(図3(e)に図示)を得た。なお、シートの接合部
分の配線および接合パッド54の周囲60には、熱圧着
により、低熱膨張性ポリイミド層52の樹脂が一部充填
されたが、不十分であり、得れられた薄膜配線シートの
断面をSEMで観察したところ、低熱膨張性ポリイミド
層52どうしの界面の接着は不十分であって剥離が見ら
れた。また、この薄膜配線シートを350mm×255
mmに切断して試料とし、反りを測定したところ、4.
0mmであって、十分な耐カール性は得られなかった。
【0114】なお、上述の例では低熱膨張性ポリイミド
前駆体層のイミド化と、接着性ポリイミド前駆体層のイ
ミド化とを同時に行ったが、それぞれ毎に逐次的に行っ
て、薄膜配線シートを作製したところ、上述の場合と同
様に、低熱膨張性ポリイミド層52どうしの界面の接着
は不十分であって剥離が見られた。また、この薄膜配線
シートを350mm×255mmに切断して試料とし、
反りを測定したところ、3.3mmであって、十分な耐
カール性は得られなかった。
【0115】(5)薄膜配線シートの積層 得られた薄膜配線シート(350mm角)3枚を、接合
パッド54の位置を合わせて積層し、250〜300
℃、10〜30kg/cm2で加熱圧着して、図6に示
す多層配線基板を得た。得られた基板の断面をSEM観
察したところ、低熱膨張性ポリイミド層52どうしが接
着されず、一部剥離しているのが明瞭に確認された。
【0116】
【発明の効果】本発明の多層配線基板は低熱膨張性ポリ
イミド層及び接着性耐熱性樹脂層からなる特定構造に導
体回路を形成されているポリイミド配線層なので、各ポ
リイミド樹脂層の接着性が良く、しかも耐熱性、耐薬品
性及び耐カール性に優れ、更にはポリイミド配線層を金
属枠に固着するので、接続位置合わせが良く、接続信頼
性に優れるという効果があり、高密度配線、高性能化を
要求されている大形計算機用配線基板にも十分に耐え得
るものである。本発明によれば、高密度高性能多層配線
基板を、短い製造日数で、かつ高歩留りで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の薄膜配線シートの製造プロセスを示
す説明図である。
【図2】実施例3の薄膜配線シートの製造プロセスを示
す説明図である。
【図3】比較例1の、片面のみに配線を有する薄膜配線
シートの製造プロセスを示す説明図である。
【図4】比較例1において作製された多層配線基板の断
面図である。
【図5】比較例2の、両面に配線を有する薄膜配線シー
トの製造プロセスを示す説明図である。
【図6】比較例2において作製された多層配線基板の断
面図である。
【図7】実施例1において作製された多層配線基板の断
面図である。
【図8】実施例3において作製された多層配線基板の断
面図である。
【図9】実施例2における積層工程を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
11…第1の絶縁層、12…第2の絶縁層、101…支
持体(裏面保護膜)、102…導体層(銅箔)、103
…第1の低熱膨張性ポリイミド層、104…第1の接着
性ポリイミド層、105…スルーホール、106…銅め
っき層、107…第1の平面配線、108…表面保護
膜、109…第2の平面配線、110…第2の低熱膨張
性ポリイミド層、111…第2の接着性ポリイミド層、
112…スルーホール、113…銅めっき層、114…
第3の平面配線、115,116…ヴィア配線、21…
絶縁層、203…第1の接着性ポリイミド層、204…
低熱膨張性ポリイミド層、205…第2の接着性ポリイ
ミド層、206…スルーホール、207…ヴィア配線、
208…銅めっき層、209…第1の平面配線、210
…第2の平面配線、31…絶縁層、32…接着性ポリイ
ミド層、33…低熱膨張性ポリイミド層、34…平面配
線、40…ヴィア配線、50…ヴィア配線、51…絶縁
層、52…接着性ポリイミド層、53…低熱膨張性ポリ
イミド層、54…平面配線、70…はんだ、71…半導
体チップ、72…入出力ピン、73…配線の間隙、80
…はんだ、82…入出力ピン、83…配線の間隙、90
…固定用治具、91…位置あわせ用マーク、92…ガイ
ド孔、93…ガイドピン、94…底板、95…筐体、9
6…薄膜配線シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 6921−4E H05K 3/46 T 6921−4E G 6921−4E N

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁材料からなる膜を有する絶縁層と、 上記絶縁層の表裏一方の面に形成された第1の平面配線
    および他方の面に形成された第2の平面配線と、 上記第1の平面配線および第2の平面配線を導通可能に
    接続するヴィア配線とを備え、 上記絶縁層は、 第1の接着性高分子材料からなる第1の接着層と、 上記第1の接着性高分子材料より熱膨張の少ない第1の
    低熱膨張性高分子材料からなる第1の低熱膨張層と、 第2の接着性高分子材料からなる第2の接着層とを、こ
    の順で備えることを特徴とする薄膜配線シート。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記絶縁層は、 第1の低熱膨張層と、第2の接着層との間に、 第3の平面配線と、上記第1および第2の接着性高分子
    材料より熱膨張の少ない第2の低熱膨張性高分子材料か
    らなる第2の低熱膨張層とを、この順でさらに備え、 上記第3の平面配線は、ヴィア配線を介して上記第1の
    平面配線および上記第2の平面配線の少なくともいずれ
    かに、導通可能に接続されていることを特徴とする薄膜
    配線シート。
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記第1の低熱膨張性高分子材料の熱膨張係数は、0.
    3×10-5/℃〜3.0×10-5/℃であることを特徴
    とする薄膜配線シート。
  4. 【請求項4】請求項2において、 上記第2の低熱膨張性高分子材料の熱膨張係数は、0.
    3×10-5/℃〜3.0×10-5/℃であることを特徴
    とする薄膜配線シート。
  5. 【請求項5】請求項3において、 上記第1の低熱膨張性高分子材料は、ポリイミドである
    ことを特徴とする薄膜配線シート。
  6. 【請求項6】請求項4において、 上記第2の低熱膨張性高分子材料は、ポリイミドである
    ことを特徴とする薄膜配線シート。
  7. 【請求項7】請求項5または6において、 上記ポリイミドは、下記一般式(化1)で表されること
    を繰返し単位を備えることを特徴とする薄膜配線シー
    ト。 【化1】 (式中、R1は 【化2】 のいずれかであり、R2は 【化3】 のいずれかである。)
  8. 【請求項8】請求項1または2において、 上記第1の接着性高分子材料および第2の接着性高分子
    材料の少なくともいずれかの熱膨張係数は、1.5×1
    -5/℃〜7.0×10-5/℃であることを特徴とする
    薄膜配線シート。
  9. 【請求項9】請求項1または2において、 上記第1の接着性高分子材料および第2の接着性高分子
    材料の少なくともいずれかは、ポリイミドまたはポリベ
    ンゾオキサジノンであることを特徴とする薄膜配線シー
    ト。
  10. 【請求項10】請求項1または2において、 上記第1の接着層および上記第2の接着層の少なくとも
    いずれかは、芳香族系高分子の粉末または短繊維をさら
    に含有することを特徴とする薄膜配線シート。
  11. 【請求項11】請求項1または2において、 上記第1の平面配線および第2の平面配線表面の少なく
    とも一部は、接合用導体材料に覆われていることを特徴
    とする薄膜配線シート。
  12. 【請求項12】支持体に支持された導体箔の表面に、第
    1の接着性高分子材料からなる第1の接着層、第1の接
    着性高分子材料より熱膨張の少ない第1の低熱膨張性高
    分子材料からなる第1の低熱膨張層、および第2の接着
    性高分子材料からなる第2の接着層を、この順で形成す
    る第1の絶縁層形成工程と、 上記第1の接着層、上記低熱膨張層、および上記第2の
    接着層を貫通し、上記導体箔に達する穴をあけ、この穴
    を導体で充填してヴィア配線とするヴィア配線形成工程
    と、 上記第2の接着層表面に、導体からなる第1の平面配線
    を形成する工程と、 上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン化して第2
    の平面配線を形成する工程とを、この順で備えることを
    特徴とする薄膜配線シートの製造方法。
  13. 【請求項13】支持体に支持された導体箔の表面に、第
    1の接着性高分子材料からなる第1の接着層、および、
    第1の接着性高分子材料より熱膨張の少ない第1の低熱
    膨張性高分子材料からなる第1の低熱膨張層を、この順
    で形成する第1の絶縁層形成工程と、 上記第1の接着層および上記第1の低熱膨張層を貫通
    し、上記導体箔に達する穴をあけ、この穴を導体で充填
    してヴィア配線とする第1のヴィア配線形成工程と、 上記第1の低熱膨張層表面に、導体からなる第1の平面
    配線を形成する工程と、 上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン化して第3
    の平面配線を形成する工程と、 上記第3の平面配線上に、第2の低熱膨張性高分子材料
    からなる第2の低熱膨張層、および、第2の接着性高分
    子材料からなる第2の接着層を、この順で形成する第2
    の絶縁層形成工程と、 上記第2の低熱膨張層および上記第2の接着層を貫通
    し、上記第2の平面配線に達する穴をあけ、この穴を導
    体で充填してヴィア配線とする第2のヴィア配線形成工
    程と、 上記第2の接着層表面に、導体からなる第2の平面配線
    を形成する工程とを、この順で備えることを特徴とする
    薄膜配線シートの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項12または13において、 上記第1の平面配線および上記第2の平面配線表面の少
    なくとも一部を、接続用導体材料で覆う工程を、さらに
    備えることを特徴とする薄膜配線シートの製造方法。
  15. 【請求項15】積層された複数の薄膜配線シートからな
    る薄膜積層体を備える多層配線基板において、 上記薄膜配線シートは、 絶縁材料からなる膜を有する絶縁層と、 上記絶縁層の表裏一方の面に形成された第1の平面配線
    および他方の面に形成された第2の平面配線と、 上記第1の平面配線および第2の平面配線を導通可能に
    接続するヴィア配線とを備え、 上記絶縁層は、 第1の接着性高分子材料からなる第1の接着層と、 上記第1の接着性高分子材料より熱膨張の少ない低熱膨
    張性高分子材料からなる第1の低熱膨張層と、 第2の接着性高分子材料からなる第2の接着層とを、こ
    の順で備え、 上記第1または第2の平面配線の少なくとも一部は、該
    平面配線を備える薄膜配線シートに接して積層された他
    の薄膜配線シートの備える第1の平面配線または第2の
    平面配線と、導通可能に接続されていることを特徴とす
    る多層配線基板。
  16. 【請求項16】請求項15において、 上記絶縁層は、 第1の低熱膨張層と、第2の接着層との間に、 第3の平面配線と、第1および第2の接着性高分子材料
    より熱膨張の少ない第2の低熱膨張性高分子材料からな
    る第2の低熱膨張層とを、この順でさらに備え、 上記第3の平面配線は、ヴィア配線を介して上記第1の
    平面配線および上記第2の平面配線の少なくともいずれ
    かに、導通可能に接続されていることを特徴とする多層
    配線基板。
  17. 【請求項17】請求項15または16において、 導体配線と、セラミック、シリコン、または硬質有機絶
    縁体からなる基材とを備える硬質基板をさらに備え、 上記薄膜積層体は、上記硬質基板表面に接続されてお
    り、 上記硬質基板の配線の少なくとも一部は、該硬質基板表
    面に接する薄膜配線シートの配線の少なくとも一部に、
    導通可能に接続されていることを特徴とする多層配線基
    板。
  18. 【請求項18】請求項15または16において、 上記第1の平面配線と上記他の薄膜配線シートの第2の
    平面配線との接続は、接続用金属材料を介していること
    を特徴とする多層配線基板。
  19. 【請求項19】請求項19において、 上記硬質基板の配線と、薄膜配線シートの配線とは、接
    続用導体材料を介して接続されていることを特徴とする
    多層配線基板。
  20. 【請求項20】絶縁材料からなる膜を有する絶縁層と、
    上記絶縁層の表裏一方の面に形成された第1の平面配線
    および他方の面に形成された第2の平面配線と、上記第
    1の平面配線および第2の平面配線を導通可能に接続す
    るヴィア配線とを備える薄膜配線シートを作製する工程
    と、 複数の上記薄膜配線シートを、第1の平面配線と他の上
    記薄膜配線シートの第2の平面配線とが対向するように
    積層する積層工程と、 上記積層した薄膜配線シートを加熱圧着する工程とを備
    え、 上記薄膜配線シートを作製する工程は、 支持体に支持された導体箔の表面に、第1の接着性高分
    子材料からなる第1の接着層、低熱膨張性高分子材料か
    らなる低熱膨張層、および第2の接着性高分子材料から
    なる第2の接着層を、この順で形成する第1の絶縁層形
    成工程と、 上記第1の接着層、上記低熱膨張層、および上記第2の
    接着層を貫通し、上記導体箔に達する穴をあけ、この穴
    を導体で充填してヴィア配線とするヴィア配線形成工程
    と、 上記第2の接着層表面に、導体からなる第1の平面配線
    を形成する工程と、 上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン化して第2
    の平面配線を形成する工程とを、この順で備えることを
    特徴とする多層配線基板の製造方法。
  21. 【請求項21】第1の接着性高分子材料からなる第1の
    接着層と、該第1の接着層の表裏一方の面に形成された
    第1の平面配線と、該第1の接着層の他方の面に形成さ
    れた、上記第1の接着性高分子材料より熱膨張の少ない
    低熱膨張性高分子材料からなる第1の低熱膨張層と、該
    第1の低熱膨張層表面に形成された第3の平面配線と、
    該第3の平面配線上に形成された、上記第1の接着性高
    分子材料より熱膨張係数の小さい第2の低熱膨張性高分
    子材料からなる第2の低熱膨張層と、該第2の低熱膨張
    層表面に形成された、上記第2の低熱膨張性高分子材料
    より熱膨張係数の大きい第2の接着性高分子材料よりな
    る第2の接着層と、該第2の接着層表面に形成された第
    3の平面配線と、上記第1の平面配線および第3の平面
    配線を導通可能に接続するヴィア配線と、上記第3の平
    面配線および第2の平面配線を導通可能に接続するヴィ
    ア配線とを備える薄膜配線シートを作製する工程と、 複数の上記薄膜配線シートを、第1の平面配線と他の上
    記薄膜配線シートの第2の平面配線とが対向するように
    積層する積層工程と、 上記積層した薄膜配線シートを加熱圧着する工程とを備
    え、 上記薄膜配線シートを作製する工程は、 支持体に支持された導体箔の表面に、第1の接着性高分
    子材料からなる第1の接着層、および、第1の低熱膨張
    性高分子材料からなる第1の低熱膨張層を、この順で形
    成する第1の絶縁層形成工程と、 上記第1の接着層および上記第1の低熱膨張層を貫通
    し、上記導体箔に達する穴をあけ、この穴を導体で充填
    してヴィア配線とする第1のヴィア配線形成工程と、 上記第2の接着層表面に、導体からなる第1の平面配線
    を形成する工程と、 上記支持体を剥離し、上記導体箔をパターン化して第3
    の平面配線を形成する工程と、 上記第3の平面配線上に、第2の低熱膨張性高分子材料
    からなる第2の低熱膨張層、および、第2の接着性高分
    子材料からなる第2の接着層を、この順で形成する第2
    の絶縁層形成工程と、 上記第2の低熱膨張層および上記第2の接着層を貫通
    し、上記第2の平面配線に達する穴をあけ、この穴を導
    体で充填してヴィア配線とする第2のヴィア配線形成工
    程と、 上記第2の接着層表面に、導体からなる第2の平面配線
    を形成する工程とを、この順で備えることを特徴とする
    多層配線基板の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項20または21において、 上記積層工程は、 上記薄膜配線シートを、Fe−Ni合金からなる固定用
    治具を用いて積層することを特徴とする多層配線基板の
    製造方法。
  23. 【請求項23】絶縁材料からなる膜を有する絶縁層と、
    上記絶縁層の表裏一方の面に形成された第1の平面配線
    および他方の面に形成された第2の平面配線と、上記第
    1の平面配線および第2の平面配線を導通可能に接続す
    るヴィア配線とを備える薄膜配線シートを作製する工程
    と、 複数の上記薄膜配線シートを、第1の平面配線と他の上
    記薄膜配線シートの第2の平面配線とが対向するように
    積層する積層工程と、 上記積層した薄膜配線シートを加熱圧着する工程とを備
    え上記積層工程は、 上記薄膜配線シートを、Fe−Ni合金からなる固定用
    治具を用いて積層することを特徴とする多層配線基板の
    製造方法。
  24. 【請求項24】請求項22または23において、 上記固定用治具は、 63.5Fe−36.5Ni合金からなる枠状部材を備
    えることを特徴とする薄膜配線シート固定用治具。
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