JPH0953259A - 建設機械の領域制限掘削制御装置 - Google Patents

建設機械の領域制限掘削制御装置

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JPH0953259A
JPH0953259A JP7205697A JP20569795A JPH0953259A JP H0953259 A JPH0953259 A JP H0953259A JP 7205697 A JP7205697 A JP 7205697A JP 20569795 A JP20569795 A JP 20569795A JP H0953259 A JPH0953259 A JP H0953259A
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    • E02F3/04Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven
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    • E02F3/36Component parts
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    • E02F3/435Control of dipper or bucket position; Control of sequence of drive operations for dipper-arms, backhoes or the like
    • E02F3/437Control of dipper or bucket position; Control of sequence of drive operations for dipper-arms, backhoes or the like providing automatic sequences of movements, e.g. linear excavation, keeping dipper angle constant

Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧ショベルの領域制限掘削制御装置におい
て、領域を制限した掘削を能率良く円滑に行えるように
し、更に、オペレータの意志で精度優先の作業モードと
速度優先の作業モードとを選択できるようにする。 【解決手段】フロント装置1Aが動き得る領域を予め設
定しておき、モードスイッチ20がONのときはフロン
ト装置が設定領域内でその境界近傍にあると操作レバー
装置4a〜4cの操作信号を減じた信号に基づき、モー
ドスイッチ20がOFFのときは、操作信号をそのまま
用いて、フロント装置の目標速度ベクトルを設定領域の
境界に接近する方向の成分を減じるように補正し、フロ
ント装置が設定領域外にあるときにはフロント装置が設
定領域に戻るように目標速度ベクトルを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建設機械の領域制限
掘削制御装置に係わり、特に、多関節型のフロント装置
を備えた油圧ショベル等の建設機械においてフロント装
置の動き得る領域を制限した掘削が行える領域制限掘削
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例として油圧ショベルが
ある。油圧ショベルは垂直方向にそれぞれ回動可能なブ
ーム、アーム及びバケットからなるフロント装置と、上
部旋回体及び下部走行体からなる車体とで構成され、フ
ロント装置のブームの基端は上部旋回体の前部に支持さ
れている。このような油圧ショベルではブームなどのフ
ロント部材をそれぞれの手動操作レバーによって操作し
ているが、これらフロント部材はそれぞれが関節部によ
って連結され回動運動を行うものであるため、これらフ
ロント部材を操作して所定の領域を掘削することは、非
常に困難な作業である。そこで、このような作業を容易
にするための領域制限掘削制御装置が特開平4−136
324号公報に提案されている。この領域制限掘削制御
装置は、フロント装置の姿勢を検出する手段と、この検
出手段からの信号によりフロント装置の位置を演算する
手段と、フロント装置の侵入を禁止する侵入不可領域を
教示する手段と、フロント装置の位置と教示した侵入不
可領域の境界線との距離dを求め、この距離dがある値
より大のときは1で、それより小のときは0から1の間
の値をとるように距離dによって決まる関数をレバー操
作信号に乗じたものを出力するレバーゲイン演算手段
と、このレバーゲイン演算手段からの信号によりアクチ
ュエータの動きを制御するアクチュエータ制御手段とを
備えている。この提案の構成によれば、侵入不可領域の
境界線までの距離に応じてレバー操作信号が絞られるた
め、オペレータが誤って侵入不可領域にバケット先端を
移動しようとしても、自動的に境界上で滑らかに停止
し、また、その途中でオペレータがフロント装置の速度
の減少から侵入不可領域に近づいていることを判断して
バケット先端を戻すことが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0004】特開平4−136324号公報に記載の従
来技術では、レバーゲイン演算手段においてレバー操作
信号にそのまま距離dによって決まる関数を乗じたもの
をアクチュエータ制御手段に出力するため、侵入不可領
域の境界に近づくと徐々にバケット先端の速度は遅くな
り、侵入不可領域の境界上で停止する。このため、侵入
不可領域にバケット先端を移動しようとしたときのショ
ックは回避される。しかし、この従来技術では、バケッ
ト先端の速度を遅くするとき、バケット先端の移動方向
に係わらずそのまま速度を遅くしている。このため、侵
入不可領域の境界に沿って掘削をする場合、アームを操
作して侵入不可領域に近づくにつれて侵入不可領域の境
界に沿った方向の掘削速度も遅くなり、その度にブーム
レバーを操作してバケット先端を侵入不可領域から離
し、掘削速度が遅くなるのを防止しなければならない。
その結果、侵入不可領域に沿って掘削する場合には、極
端に能率が悪くなる。また、能率を上げるには侵入不可
領域から離れた距離を掘削しなければならず、所定の領
域を掘削することができなくなる。
【0005】本発明の第1の目的は、領域を制限した掘
削を能率良く円滑に行える建設機械の領域制限掘削制御
装置を提供することである。
【0006】本発明の第2の目的は、操作手段を急激に
操作したときでも領域を制限した掘削を正確に行える建
設機械の領域制限掘削制御装置を提供することである。
【0007】本発明の第3の目的は、領域を制限した掘
削を行うとき、オペレータの意志で精度優先の作業モー
ドと速度優先の作業モードとを選択できる建設機械の領
域制限掘削制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記第1〜第3の目的を達成するため、本発明
は次の構成を採用する。すなわち、多関節型のフロント
装置を構成する上下方向に回動可能な複数のフロント部
材を含む複数の被駆動部材と、前記複数の被駆動部材を
それぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複
数の被駆動部材の動作を指示する複数の操作手段と、前
記複数の操作手段の操作信号に応じて駆動され、前記複
数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御
する複数の油圧制御弁とを備えた建設機械の領域制限掘
削制御装置において、前記フロント装置の動き得る領域
を設定する領域設定手段と;前記フロント装置の位置と
姿勢に関する状態量を検出する第1検出手段と;前記第
1検出手段からの信号に基づき前記フロント装置の位置
と姿勢を計算する第1演算手段と;前記第1演算手段の
演算値に基づき、前記フロント装置が前記設定領域内で
その境界近傍にあるとき、前記複数の操作手段のうち少
なくとも第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の
操作信号を減じる処理を行う第1信号補正手段と;前記
第1信号補正手段による操作手段の操作信号を減じる処
理を行うかどうかを選択するモード選択手段と;前記モ
ード選択手段で前記第1信号補正手段による処理を行う
ことを選択した場合は、前記第1信号補正手段で減じる
処理を行われた操作信号と前記第1演算手段の演算値に
基づき、前記モード選択手段で前記第1信号補正手段に
よる処理を行わないことを選択した場合は、前記操作手
段の操作信号と前記第1演算手段の演算値に基づき、そ
れぞれ、前記フロント装置が前記設定領域内でその境界
近傍にあるとき、前記フロント装置が前記設定領域の境
界に沿った方向には動き、前記設定領域の境界に接近す
る方向には移動速度が減じられるよう前記複数の操作手
段のうち少なくとも第2の特定のフロント部材に係わる
操作手段の操作信号を補正する第2信号補正手段と;を
備える構成とする。
【0009】以上の本発明において、フロント装置が設
定領域内でその境界近傍にあるときに、フロント装置が
設定領域の境界に沿った方向には動き、設定領域の境界
に接近する方向には移動速度が減じられるよう、第2信
号補正手段が第2の特定のフロント部材に係わる操作手
段の操作信号を補正することにより、特願平6−923
67号及び特願平6−92368号の基本発明と同様、
設定領域の境界に対して接近する方向のフロント装置の
動きを減速する方向変換制御が行われ、設定領域の境界
に沿ってフロント装置を動かすことができる。このた
め、領域を制限した掘削を能率良く円滑に行うことがで
きる。
【0010】また、操作手段の操作信号を減じる処理を
行う第1信号補正手段と、この第1信号補正手段の処理
を行うかどうかを選択するモード選択手段を設けること
により、モード選択手段で第1信号補正手段の処理を行
うことを選択したときは、第1信号補正手段で減じる処
理を行われた操作手段の操作信号と第1演算手段の演算
値に基づき第2信号補正手段は上記のように第2の特定
のフロント部材に係わる操作手段の操作信号を補正し、
モード選択手段で第1信号補正手段の処理を行わないこ
とを選択したときは、操作手段のそのままの操作信号と
第1演算手段の演算値に基づき第2信号補正手段は上記
のように第2の特定のフロント部材に係わる操作手段の
操作信号を補正し、それぞれ上記の方向変換制御がなさ
れる。
【0011】ここで、上記基本発明による方向変換制御
に際しては、当該制御は速度制御であるため、フロント
装置の速度が極端に大きかったり、急激に操作手段を操
作した場合には、油圧回路上の遅れなど制御上の応答遅
れやフロント装置にかかる慣性力などによりフロント装
置が設定領域から大きくはみ出す可能性がある。
【0012】本発明では、モード選択手段で第1信号補
正手段の処理を行うことを選択することにより、特願平
7−122853号の発明と同様、第1信号補正手段で
減じる処理を行われた操作手段の操作信号に基づき方向
変換制御がなされるので、急激に操作手段を操作した場
合でもフロント装置はゆっくりと動きだし、制御上の応
答遅れの影響が少なくなり、かつフロント装置の慣性が
抑えられる。このため、フロント装置の設定領域外への
侵入量は減じられ、フロント装置を設定領域の境界に沿
って正確に動かすことができる。
【0013】一方、第1信号補正手段で処理された操作
信号に基づき方向変換制御を行う場合は、フロント装置
を速く動かしたい場合でもフロント装置の急激な移動を
抑えるため、作業効率が落ちることが考えられる。本発
明では、モード選択手段で第1信号補正手段の処理を行
うことを選択した場合は、特願平7−122853号の
発明のように設定領域外への侵入量を少なくしてフロン
ト装置を動かせるが、モード選択手段で第1信号補正手
段の処理を行わないことを選択した場合は、操作手段の
そのままの操作信号に基づき方向変換制御がなされるの
で、操作信号の大きさに応じて作業効率を落とさずフロ
ント装置を動かすことができる。
【0014】したがって本発明では、領域を制限した掘
削を行うとき、オペレータの意志で設定領域外への侵入
量の少ない精度優先の作業モードとフロント装置を速く
動かせる速度優先の作業モードとを選択して作業を行う
ことができる。
【0015】(2) 好ましくは、前記第1信号補正手
段は、前記フロント装置と前記設定領域の境界との距離
が小さくなるにしたがって前記第1の特定のフロント部
材に係わる操作手段の操作信号の減少量が大きくなるよ
うに当該操作信号を減じる処理を行う手段である。この
ように操作信号を減じる処理を行うことにより、フロン
ト装置の速度が極端に大きい場合にもフロント装置が設
定領域の境界に近づくとフロント装置の速度が減じられ
るため、制御上の応答遅れの影響が少なくなりかつフロ
ント装置の慣性が抑えられ、フロント装置を設定領域の
境界に沿って滑らかに動かすことができる。また、フロ
ント装置が設定領域の境界に近づくにしたがってフロン
ト装置の速度が減じられるため、フロント装置が設定領
域の境界近傍に近づいたときに急激に操作感が変わるこ
となく、円滑な操作が行える。
【0016】(3) また、前記第1信号補正手段は、
前記第1の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作
信号にローパスフィルタ処理を施すことにより当該操作
信号を減じる処理を行う手段であってもよい。このよう
に操作信号を減じる処理を行うことにより、操作手段を
急激に操作したときの立ち上がり時の操作信号が減じら
れる。これにより上記のように、急激に操作手段を操作
した場合でもフロント装置はゆっくりと動きだし、制御
上の応答遅れの影響が少なくなり、かつフロント装置の
慣性が抑えられる。
【0017】(4) 更に、一例として、前記第1の特
定のフロント部材は例えば油圧ショベルの少なくともア
ームを含み、前記第2の特定のフロント部材は例えば油
圧ショベルの少なくともブームを含む。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施形態を図面を用いて説明する。まず、
本発明の第1の実施形態を図1〜図10により説明す
る。図1において、本発明が適用される油圧ショベル
は、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧油によ
り駆動されるブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の
走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエータ
と、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞれに
対応して設けられた複数の操作レバー装置14a〜14
fと、油圧ポンプ2と複数の油圧アクチュエータ3a〜
3f間に接続され、操作レバー装置14a〜14fの操
作信号Sa〜Sfによって制御され、油圧アクチュエータ
3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流
量制御弁15a〜15fと、油圧ポンプ2と流量制御弁
15a〜15fの間の圧力が設定値以上になった場合に
開くリリーフ弁6とを有し、これらは油圧ショベルの被
駆動部材を駆動する油圧駆動装置を構成している。本実
施形態では、操作レバー装置14a〜14fは操作信号
Sa〜Sfとして電気信号を出力する電気レバー方式であ
り、流量制御弁15a〜15fは両端に電気油圧変換手
段、例えば比例電磁弁を備えた電磁駆動部30a,30
b〜35a,35bを有し、オペレータの操作量と操作
方向に応じて操作レバー装置14a〜14fから対応す
る電気信号Sa〜Sfが流量制御弁15a〜15fの電磁
駆動部30a,30b〜35a,35bに供給される。
【0019】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバ
ケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a、アー
ム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体
1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の
走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動される被駆動
部材を構成し、それらの動作は上記操作レバー装置14
a〜14fにより指示される。
【0020】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる領域制限掘削制御装置が設けられている。この制御
装置は、予め作業に応じてフロント装置の所定部位、例
えばバケット1cの先端が動き得る掘削領域の設定を指
示する設定器7と、速度優先の作業モードにするか精度
優先の作業モードにするかを選択するモードスイッチ2
0と、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cのそれ
ぞれの回動支点に設けられ、フロント装置1Aの位置と
姿勢に関する状態量としてそれぞれの回動角を検出する
角度検出器8a,8b,8cと、操作レバー装置14a
〜14fの操作信号Sa〜Sf、設定器7の設定信号、モ
ードスイッチ20の選択信号及び角度検出器8a,8
b,8cの検出信号を入力し、バケット1cの先端が動
き得る掘削領域を設定すると共に操作信号Sa〜Sfの補
正を行う制御ユニット9Aとから構成されている。
【0021】設定器7は、操作パネルあるいはグリップ
上に設けられたスイッチ等の操作手段により設定信号を
制御ユニット9Aに出力し掘削領域の設定を指示するも
ので、操作パネル上には表示装置等、他の補助手段があ
ってもよい。また、ICカードによる方法、バーコード
による方法、レーザによる方法、無線通信による方法
等、他の方法を用いてもよい。
【0022】モードスイッチ20は例えばオペレータの
操作で選択的にON・OFFするオルタネートのスイッ
チ(切り換え後の状態を保持するスイッチ)であり、O
FFのときは速度優先の作業モードが選択され、ONに
すると精度優先の作業モードが選択される。
【0023】制御ユニット9Aは領域設定部と領域制限
掘削制御部とを有し、領域設定部では、設定器7からの
指示でバケット1cの先端が動き得る掘削領域の設定演
算を行う。その一例を図3を用いて説明する。なお、本
実施形態は垂直面内に掘削領域を設定するものである。
【0024】図3において、オペレータの操作でバケッ
ト1cの先端を点P1の位置に動かした後、設定器7か
らの指示でそのときのバケット1cの先端位置を計算
し、次に設定器7を操作してその位置からの深さh1を
入力して深さにより設定すべき掘削領域の境界上の点P
1*を指定する。次に、バケット1cの先端を点P2の
位置に動かした後、設定器7からの指示でそのときのバ
ケット1cの先端位置を計算し、同様に設定器7を操作
してその位置からの深さh2を入力して深さにより設定
すべき掘削領域の境界上の点P2*を指定する。そし
て、P1*,P2*の2点を結んだ線分の直線式を計算
して掘削領域の境界とする。
【0025】制御ユニット9Aの記憶装置にはフロント
装置1A及び車体1Bの各部寸法が記憶されており、領
域設定部はこれらのデータと、角度検出器8a,8b,
8cで検出した回動角α、β、γの値を用いて2点P
1,P2の位置を計算する。このとき、2点P1,P2
の位置は例えばブーム1aの回動支点を原点としたXY
座標系の座標値(X1,Y1)(X2,Y2)として求
める。XY座標系は本体1Bに固定した直交座標系であ
り、垂直面内にあるとする。回動角α、β、γからXY
座標系の座標値(X1,Y1)(X2,Y2)は、ブー
ム1aの回動支点とアーム1bの回動支点との距離をL
1、アーム1bの回動支点とバケット1cの回動支点と
の距離をL2、バケット1cの回動支点とバケット1c
の先端との距離をL3とすれば、下記の式より求まる。
【0026】X=L1sinα+L2sin(α+β)
+L3sin(α+β+γ) Y=L1cosα+L2cos(α+β)+L3cos
(α+β+γ) 領域設定部では、掘削領域の境界上の2点P1*,P2
*の座標値を、それぞれ、Y座標の下記の計算、 Y1*=Y1−h1 Y2*=Y2−h2 を行うことにより求める。また、P1*,P2*の2点
を結んだ線分の直線式は下記の式により計算する。
【0027】Y=(Y2*−Y1*)X/(X2−X
1)+(X2Y1*−X1Y2*)/(X2−X1) そして、上記直線上に原点を持ち当該直線を一軸とする
直交座標系、例えば点P2*を原点とするXaYa座標
系を立て、XY座標系から当該直交座標系への変換デー
タを求める。
【0028】以上は1本の直線で掘削領域の境界を設定
した例であるが、複数本の直線を組み合わせることによ
り垂直面内で任意の形状の掘削領域を設定できる。図7
はその一例を示すもので、3本の直線A1,A2,A3
を用いて掘削領域を設定している。この場合も、各直線
A1,A2,A3について上記と同様の操作及び演算を
行うことにより掘削領域の境界を設定できる。
【0029】以上のように設定した領域(以下適宜、設
定領域という)に関して、制御ユニット9Aの領域制限
掘削制御部では図5に示すフローチャートによりフロン
ト装置1Aの動き得る領域を制限する制御を行う。以
下、図5に示すフローチャートにより領域制限掘削制御
部の制御機能を明らかにしつつ、本実施形態の動作を説
明する。
【0030】まず、手順200において、操作レバー装
置14a〜14fの操作信号Sa〜Sfを入力し、手順2
10において、角度検出器8a,8b,8cにより検出
したブーム1a,アーム1b及びバケット1cの回動角
を入力する。次に手順250において、検出した回動角
α,β,γと制御ユニット9Aの記憶装置に記憶してあ
るフロント装置1Aの各部寸法とに基づき、フロント装
置1Aの所定部位の位置、例えばバケット1cの先端位
置を計算する。このとき、バケット1cの先端位置は、
まず上記領域設定部と同様な方法でXY座標系の値とし
て計算し、次にこの値を領域設定部で求めた変換データ
を用いてXaYa座標系の値へ変換することにより、X
aYa座標系の値として求める。
【0031】次に手順255において、バケット1cの
先端が上記のように設定した図6に示すような設定領域
内の境界近傍の領域である減速領域にあるか否かを判定
し、減速領域にある場合には手順257に進み、モード
スイッチ20がONかOFFを判断し、ONの場合は手
順260に進み、OFFの場合は手順270に進む。
【0032】手順260では、フロント装置1A用の操
作レバー装置14a〜14cの操作信号Sa〜Scを減じ
る処理(以下、適宜「レバー信号減速処理」という)を
行い、手順270に進む。
【0033】手順270では、手順260で減速処理さ
れた操作レバー装置14a〜14cの操作信号Sa〜Sc
が指令するバケット1cの先端の目標速度ベクトルVc
を計算する。ここで、制御ユニット9Aの記憶装置に
は、更に操作レバー装置14a〜14cの操作信号Sa
〜Scと流量制御弁15a〜15cの供給流量との関係
が記憶されており、操作レバー装置14a〜14cの操
作信号Sa〜Scから対応する流量制御弁15a〜15c
の供給流量を求め、この供給流量の値から油圧シリンダ
3a〜3cの目標駆動速度を求め、この目標駆動速度と
フロント装置1Aの各部寸法を用いてバケット先端の目
標速度ベクトルVcを演算する。このとき、目標速度ベ
クトルVcは、手順250でのバケット先端位置の計算
と同様、まずXY座標軸の値として計算し、次いでこの
値を領域設定部で求めた変換データを用いてXaYa座
標系の値へ変換することにより、XaYa座標系の値と
して求める。ここで、XaYa座標系での目標速度ベク
トルVcのXa座標値Vcxは目標速度ベクトルVcの
設定領域の境界に平行な方向のベクトル成分となり、Y
a座標値Vcyは目標速度ベクトルVcの設定領域の境
界に垂直な方向のベクトル成分となる。
【0034】次に手順280において、フロント装置1
Aの減速を行うよう目標速度ベクトルVcを補正し、手
順290に進む。また、手順255において、バケット
1cの先端が減速領域にないと判定されたときも、手順
270Aで操作レバー装置14a〜14cの元の操作信
号Sa〜Scが指令するバケット1cの先端の目標速度ベ
クトルVcを計算した後、手順290に進む。手順27
0Aでの目標速度ベクトルVcの計算は、操作レバー装
置14a〜14cの操作信号として減速処理されていな
い元の操作信号Sa〜Scを用いる点を除いて手順270
と同じである。
【0035】次に手順290において、バケット1cの
先端が上記のように設定した図6に示すような設定領域
外にあるか否かを判定し、設定領域外にある場合には手
順300に進み、バケット1cの先端が設定領域に戻る
ように目標速度ベクトルVcを補正し、設定領域外にな
いときには手順210に進む。次に手順310におい
て、手順280または300で得た補正後の目標速度ベ
クトルVcaに対応する流量制御弁15a〜15cの操
作信号Sa〜Scを計算する。これは、手順260におけ
る目標速度ベクトルVcの計算の逆演算である。
【0036】次に手順320において、手順200で入
力した操作信号Sa〜Sfまたは手順310で計算した操
作信号Sa〜Scと手順200で入力した操作信号Sd〜
Sfを出力し、はじめに戻る。
【0037】ここで、手順255における減速領域にあ
るか否かの判定、手順260における操作信号Sa〜Sc
の減速処理、手順280における減速制御のための目標
速度ベクトルVcの補正について、図7〜図12を用い
て説明する。
【0038】制御ユニット9Aの記憶装置には、減速領
域の範囲を設定する値として図6に示すような設定領域
の境界からの距離Ya1が記憶されている。手順255
では、手順250で得たバケット1cの先端位置のYa
座標値から設定領域内における当該先端位置と設定領域
の境界との距離D1を求め、この距離D1が距離Ya1
より小さくなると減速領域に侵入したと判定する。
【0039】また、制御ユニット9Aの記憶装置には、
図7に示すようなバケット1cの先端との距離D1と時
定数tgとの関係及び図8に示すような距離D1とレバ
ー信号減速係数hgとの関係が記憶されている。この距
離D1と時定数tgとの関係は、距離D1が距離Ya1
よりも大きいときはtg=0であり、D1がYa1より
も小さくなると、距離D1が減少するにしたがって時定
数tgが増大し、距離D1=0でtg=tgmaxとな
るように設定されている。また、距離D1と減速係数h
gとの関係は、距離D1が距離Ya1よりも大きいとき
はhg=1であり、D1がYa1よりも小さくなると、
距離D1が減少するにしたがって減速係数hgが下記の
式、 hg=Csin(θg)・D1+hgmin にしたがって小さくなり、距離D1=0でhg=hgm
inとなるように設定されている。ここで、Cは定数で
あり、θgは図3に示すようにバケット1cの先端とア
ーム1bの回動中心であるアームピン(角度検出器8b
が取り付けられている箇所)とを結ぶ線分が掘削領域の
境界とのなす角である。
【0040】手順260では、図9に示すように、ま
ず、手順261において、手順255で求めた距離D1
と図7及び図8に示す関係とからそのときの時定数tg
と減速係数hgを計算する。このとき、係数hgは上記
のようにバケット1cの先端とアーム1bの回動中心と
を結ぶ線分が掘削領域の境界とのなす角θgの関数であ
るので、係数hgを計算するにはまずこの角度θgを求
める。角度θgは、検出した回動角α,β,γと制御ユ
ニット9Aの記憶装置に記憶してあるフロント装置1A
の各部寸法とに基づきバケット1cの先端位置とアーム
1bの回動中心の位置を求め、この位置の値と上記領域
設定部で求めたP1*,P2*の2点を結んだ線分の直
線式とから求める。
【0041】次いで手順262で、時定数tgを用いて
操作信号Sa〜Scに対してローパスフィルタ処理を行い
第1減速操作信号Sa1〜Sc1を生成し、手順263にお
いて、 第1減速操作信号Sa1〜Sc1に減速係数hgを
掛けて第2減速操作信号Sa2〜Sc2を生成する。
【0042】ここで、手順262で行われるローパスフ
ィルタ処理の計算式は以下のようである。
【0043】 出力=xn-1+(1−e-aT)(xn−xn-1) ただし、xn:今回のサンプリングタイムで入力した操
作信号 xn-1:前回のサンプリングタイムでの出力値 a=1/tg T=刻み時間 このように手順262において操作信号Sa〜Scに対し
てローパスフィルタ処理を行うことは、図10に示すよ
うにステップ状の操作信号Sa〜Scの入力に対して第1
減速操作信号Sa1〜Sc1の立ち上がりを遅くすることで
あり、見かけ上、レバー操作はゆっくり行われたことに
なる。また、ローパスフィルタ処理を行う際の時定数t
gを距離D1が減少するにしたがって大きくすること
は、バケット1cの先端が掘削領域の境界に近づくにつ
れて第1減速操作信号Sa1〜Sc1の立ち上がりを遅くす
ることであり、バケット1cの先端が掘削領域の境界に
近づくにしたがって操作信号Sa〜Scの立ち上がり時の
減少量は大きくなる。また、手順263において第1減
速操作信号Sa1〜Sc1に減速係数hgを掛けることは、
hgが距離D1が減少するにしたがって小さくなる値で
あるので、バケット1cの先端が掘削領域の境界に近づ
くにしたがって第2減速操作信号Sa2〜Sc2が小さくな
ることであり、この場合もバケット1cの先端が掘削領
域の境界に近づくにしたがって操作信号Sa〜Scの減少
量は大きくなる。更に、hgは上記のようにバケット1
cの先端とアーム1bの回動中心とを結ぶ線分が掘削領
域の境界とのなす角θgのsin関数であり、θgが小
さくなるにしたがってhgは小さくなるので、フロント
装置1Aが伸びるにしたがって第2減速操作信号Sa2〜
Sc2は小さくなり操作信号Sa〜Scの減少量は大きくな
る。このため、バケット1c先端の速度ベクトルの掘削
領域の境界に向かう方向の成分が大きくフロント先端が
掘削領域の外に出やすいフロント装置1Aが伸びた状態
での操作でより大きく操作信号Sa〜Scが減じられる。
【0044】また、制御ユニット9Aの記憶装置には、
図11に示すようなバケット1cの先端との距離D1と
減速ベクトル係数hとの関係が記憶されている。この距
離D1と係数hとの関係は、距離D1が距離Ya1より
も大きいときはh=0であり、D1がYa1よりも小さ
くなると、距離D1が減少するにしたがって減速ベクト
ル係数hが増大し、距離D1=0でh=1となるように
設定されている。
【0045】手順280では、手順260で計算したバ
ケット1cの先端の目標速度ベクトルVcの設定領域の
境界に接近する方向のベクトル成分である設定領域の境
界に対し垂直方向のベクトル成分、すなわちXaYa座
標系におけるYa座標値Vcyを減じるように目標速度
ベクトルVcを補正する。具体的には、制御ユニット9
Aの記憶装置に記憶した図11に示す関係から手順25
5で求めた距離D1に対応する減速ベクトル係数hを計
算し、この減速ベクトル係数hを目標速度ベクトルVc
のYa座標値(垂直方向のベクトル成分)Vcyに乗
じ、更に−1を乗じて減速ベクトルVR(=−hVc
y)を求め、VcyにVRを加算する。ここで、減速ベ
クトルVRはバケット1cの先端と設定領域の境界との
距離D1がYa1より小さくなるにしたがって大きくな
り、D1=0でVR=−VcyとなるVcyの逆方向の
速度ベクトルである。このため、減速ベクトルVRを目
標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分Vcyに
加算することにより、距離D1がYa1より小さくなる
にしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyの減少量が
大きくなるようベクトル成分Vcyが減じられ、目標速
度ベクトルVcは目標速度ベクトルVcaに補正され
る。
【0046】バケット1cの先端が上記のような補正後
の目標速度ベクトルVcaの通りに減速制御されたとき
の軌跡の一例を図8に示す。目標速度ベクトルVcが斜
め下方に一定であるとすると、その平行成分Vcxは一
定となり、垂直成分Vcyはバケット1cの先端が設定
領域の境界に近づくにしたがって(距離D1がYa1よ
り小さくなるにしたがって)小さくなる。補正後の目標
速度ベクトルVcaはその合成であるので、軌跡は図8
のように設定領域の境界に近づくにつれて平行となる曲
線状となる。また、D1=0でh=1、VR=−Vcy
となるので、設定領域の境界上での補正後の目標速度ベ
クトルVcaは平行成分Vcxに一致する。
【0047】このように手順280における減速制御で
は、バケット1cの先端の設定領域の境界に接近する方
向の動きが減速されることにより、結果としてバケット
1cの先端の移動方向が設定領域の境界に沿った方向に
変換され、この意味で手順280の減速制御は方向変換
制御ということもできる。
【0048】次ぎに、手順290における設定領域外に
あるか否かの判定及び手順300における設定領域外で
の復元制御のための目標速度ベクトルVcの補正につい
て、図13及び図14を用いて説明する。
【0049】手順290では、手順250で得たバケッ
ト1cの先端位置のYa座標値から設定領域外における
当該先端位置と設定領域の境界との距離D2を計算し、
この距離D2の値が負から正に変わったら設定領域外に
侵入したと判断する。
【0050】また、制御ユニット9Aの記憶装置には、
図13に示すような設定領域の境界とバケット1cの先
端との距離D2と復元ベクトルARとの関係が記憶され
ている。この距離D2と復元ベクトルARとの関係は、
距離D2が減少するにしたがって復元ベクトルARが増
大するように設定されている。
【0051】手順300では、手順260で計算したバ
ケット1cの先端の目標速度ベクトルVcの設定領域の
境界に対し垂直方向のベクトル成分、すなわちXaYa
座標系のYa座標値Vcyが設定領域の境界に接近する
方向の垂直成分に変わるよう目標速度ベクトルVcを補
正する。具体的には、垂直方向のベクトル成分Vcyを
キャンセルするようにVcyの逆方向ベクトルAcyを
加算して、平行成分Vcxを抽出する。この補正によっ
てバケット1cの先端は設定領域外を更に進もうとする
動作が阻止される。そして次に、記憶装置に記憶した図
13に示す関係からそのときの設定領域の境界とバケッ
ト1cの先端との距離D2に相当する復元ベクトルAR
を計算し、この復元ベクトルARを目標速度ベクトルV
cの垂直方向のベクトル成分Vcyaとする。ここで、
復元ベクトルARはバケット1cの先端と設定領域の境
界との距離D2が小さくなるにしたがって小さくなる逆
方向の速度ベクトルである。このため、復元ベクトルA
Rを目標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分V
cyaとすることにより、距離D2が小さくなるにした
がって垂直方向のベクトル成分Vcyaが小さくなる目
標速度ベクトルVcaに補正される。
【0052】バケット1cの先端が上記のような補正後
の目標速度ベクトルVcaの通りに復元制御されたとき
の軌跡の一例を図14に示す。目標速度ベクトルVcが
斜め下方に一定であるとすると、その平行成分Vcxは
一定となり、また復元ベクトルARは距離D2に比例す
るので垂直成分はバケット1cの先端が設定領域の境界
に近づくにしたがって(距離D2が小さくなるにしたが
って)小さくなる。補正後の目標速度ベクトルVcaは
その合成であるので、軌跡は図10のように設定領域の
境界に近づくにつれて平行となる曲線状となる。
【0053】このように、手順300における復元制御
では、バケット1cの先端が設定領域に戻るように制御
されるため、設定領域外に復元領域が得られることにな
る。また、この復元制御でも、バケット1cの先端の設
定領域の境界に接近する方向の動きが減速されることに
より、結果としてバケット1cの先端の移動方向が設定
領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でこの復
元制御も方向変換制御ということができる。
【0054】以上において、操作レバー装置14a〜1
4fは複数の被駆動部材であるブーム1a、アーム1
b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体1e
の動作を指示する複数の操作手段を構成し、設定器7と
制御ユニット9Aの領域設定部の機能はフロント装置1
Aの動き得る領域を設定する領域設定手段を構成し、角
度検出器8a〜8cはフロント装置1Aの位置と姿勢に
関する状態量を検出する第1検出手段を構成し、図5の
手順250はフロント装置1Aの位置と姿勢に関する状
態量を検出する第1検出手段である角度検出器8a〜8
cからの信号に基づきフロント装置1Aの位置と姿勢を
計算する第1演算手段を構成し、手順255及び260
は、第1演算手段250の演算値に基づき、フロント装
置1Aが設定領域内でその境界近傍にあるとき、複数の
操作レバー装置14a〜14fのうち少なくとも第1の
特定のフロント部材であるアーム1bに係わる操作レバ
ー装置14bの操作信号Sbを減じる処理を行う第1信
号補正手段を構成し、モードスイッチ20及び図5の手
順257は第1信号補正手段による操作レバー装置14
bの操作信号Sbを減じる処理を行うかどうかを選択す
るモード選択手段を構成し、手順255,270,28
0は、モードスイッチ20で第1信号補正手段による処
理を行うことを選択した場合は、第1信号補正手段で減
じる処理を行われた操作信号Sb2と上記第1演算手段2
50の演算値に基づき、モードスイッチ20で第1信号
補正手段による処理を行わないことを選択した場合は、
操作レバー装置14bの操作信号Sbと上記第1演算手
段250の演算値に基づき、それぞれ、フロント装置1
Aが設定領域内でその境界近傍にあるとき、フロント装
置1Aが設定領域の境界に沿った方向には動き、設定領
域の境界に接近する方向には移動速度が減じられるよう
複数の操作レバー装置14a〜14fのうち少なくとも
第2の特定のフロント部材であるブーム1aに係わる操
作レバー装置14aの操作信号Saを補正する第2信号
補正手段を構成する。
【0055】以上のように構成した本実施形態では、バ
ケット1cの先端が設定領域の境界から離れているとき
は、手順270Aにおいて目標速度ベクトルVcは補正
されず、通常作業と同じように作業できるとともに、バ
ケット1cの先端が設定領域内でその境界近傍に近づく
と、手順280において目標速度ベクトルVcの設定領
域の境界に接近する方向のベクトル成分(境界対して垂
直方向のベクトル成分)を減じるように補正されるの
で、設定領域の境界に対して垂直方向の動きが減速制御
され、設定領域の境界に沿った方向の速度成分は減じら
れず、このため図12に示すように設定領域の境界に沿
ってバケット1cの先端を動かすことができる。このた
め、バケット1cの先端の動き得る領域を制限した掘削
を能率良く行うことができる。
【0056】また、モードスイッチ20で精度優先の作
業モードを選択したときは、手順260においてローパ
スフィルタ処理及びレバー信号減速処理にてバケット1
cの先端位置と掘削領域の境界との距離に応じて操作レ
バー装置14a〜14cの操作信号Sa〜Sc自体を減じ
る処理が行われ、この処理の行われた操作信号Sa2〜S
2cを用いて手順280において上記のように操作信号を
補正し、モードスイッチ20で速度優先の作業モードを
選択したときは、操作レバー装置14a〜14cの操作
信号Sa〜Scをそのまま用いて手順280において上記
のように操作信号を補正し、それぞれ上記の減速制御
(方向変換制御)がなされる。
【0057】ここで、手順280での方向変換制御は速
度制御であるため、フロント装置1Aの速度が極端に大
きかったり、急激に操作レバー装置1bなどを操作した
場合には、油圧回路上の遅れなど制御上の応答遅れやフ
ロント装置1Aにかかる慣性力などによりフロント装置
1Aが設定領域から大きくはみ出す可能性がある。
【0058】本実施形態では、モードスイッチ20をO
Nにして精度優先の作業モードを選択することにより、
手順260でローパスフィルタ処理及びレバー信号減速
処理の行われた操作信号Sa2〜Sc2を用いて手順280
で方向変換制御がなされるので、フロント装置1Aの速
度が極端に大きくてもバケット1cの先端が設定領域の
境界に近づくにしたがってフロント装置1Aの急激な移
動が抑えられる。また、操作レバー装置14a〜14c
が急激に操作されても油圧アクチュエータ3a〜3cは
滑らかに動き出し、しかも動き出してからの速度も遅く
なる。このため、油圧回路上の遅れなど制御上の応答遅
れの影響や慣性の影響が軽減され、上記手順280での
減速制御に際してのフロント装置1Aの設定領域外への
侵入量は減じられ、フロント装置1Aを設定領域の境界
に沿って正確に動かすことができる。
【0059】一方、手順260においてローパスフィル
タ処理及びレバー信号減速処理の行われた操作信号Sa2
〜Sc2を用いて手順280で方向変換制御を行う場合
は、フロント装置1Aを速く動かしたい場合でもフロン
ト装置1Aの急激な移動を抑えるため、作業効率が落ち
ることが考えられる。本実施形態では、モードスイッチ
20をONにして精度優先の作業モードを選択した場合
は、上記のように設定領域外への侵入量を少なくしてフ
ロント装置1を動かせるが、モードスイッチ20をOF
Fにして速度優先の作業モードを選択した場合は、操作
レバー装置14a〜14cの操作信号Sa〜Scをそのま
ま用いて手順280で方向変換制御を行うので、操作信
号Sa〜Scの大きさに応じて作業効率を落とさずフロン
ト装置1Aを動かすことができる。
【0060】したがって本実施形態では、領域を制限し
た掘削を行うとき、モードスイッチ20を切り換えるこ
とにより、オペレータの意志で設定領域外への侵入量の
少ない精度優先の作業モードとフロント装置1Aを速く
動かせる速度優先の作業モードとを選択して作業を行う
ことができる。
【0061】また、上記の手順280における方向変換
制御に際して、仮にバケット1cの先端が設定領域外に
ある程度侵入したとしても、本実施形態では、手順30
0においてバケット1cの先端が設定領域に戻るように
目標速度ベクトルVcが補正されるので、侵入後速やか
に設定領域に戻るよう制御される。このため、領域を制
限した掘削を一層正確に行うことができる。
【0062】また、このとき、モードスイッチ20で精
度優先の作業モードが選択されていた場合は、手順26
0においてローパスフィルタ処理及びレバー信号減速処
理にて操作レバー装置14a〜14cの操作信号Sa〜
Sc自体が減じられているので、設定領域外への侵入量
が減じられ、設定領域に戻るときのショックが大幅に緩
和される。このため、フロント装置1Aを速く動かした
ときでもバケット1cの先端を設定領域の境界に沿って
滑らかに動かすことができ、領域を制限した掘削を円滑
に行うことができる。
【0063】更に、本実施形態では、バケット1cの先
端が設定領域に戻るよう制御されるとき、目標速度ベク
トルVcの設定領域の境界に垂直なベクトル成分を補正
し設定領域の境界に接近する方向のベクトル成分に変え
るので、設定領域の境界に沿った方向の速度成分は減じ
られず、設定領域外においてもバケット1cの先端を設
定領域の境界に沿って滑らかに動かすことができる。ま
た、そのとき、バケット1cの先端と設定領域の境界と
の距離D2が小さくなるにしたがって設定領域の境界に
接近する方向のベクトル成分を小さくするように補正す
るので、図10に示すように補正後の目標速度ベクトル
Vcaによる復元制御の軌跡は設定領域の境界に近づく
につれて平行となる曲線状となり、このため設定領域か
ら戻るときの動きが一層滑らかとなる。
【0064】本発明の第2の実施形態を図15〜図25
により説明する。図中、図1に示す部材と同等の部材に
は同じ符号を付している。
【0065】図15において、本実施形態に係わる油圧
ショベルに備えられる油圧駆動装置は、油圧アクチュエ
ータ3a〜3fのそれぞれに対応して設けられた複数の
操作レバー装置4a〜4fと、油圧ポンプ2と複数の油
圧アクチュエータ3a〜3f間に接続され、操作レバー
装置4a〜4fの操作信号によって制御され、油圧アク
チュエータ3a〜3fに供給される圧油の流量を制御す
る複数の流量制御弁5a〜5fとを有している。
【0066】操作レバー装置4a〜4fはパイロット圧
により対応する流量制御弁5a〜5fを駆動する油圧パ
イロット方式であり、それぞれ、図16に示すように、
オペレータにより操作される操作レバー40と、操作レ
バー40の操作量と操作方向に応じたパイロット圧を生
成する1対の減圧弁41,42とより構成され、減圧弁
41,42の一次ポートはパイロットポンプ43に接続
され、二次ポートはパイロットライン44a,44b;
45a,45b;46a,46b;47a,47b;4
8a,48b;49a,49bを介して対応する流量制
御弁の油圧駆動部50a,50b;51a,51b;5
2a,52b;53a,53b;54a,54b;55
a,55bに接続されている。
【0067】以上のような油圧ショベルに設けられる本
実施形態の領域制限掘削制御装置は、設定器7、モード
スイッチ20、角度検出器8a,8b,8cに加えて、
車体1Bの前後方向の傾斜角θを検出する傾斜角検出器
8dと、一次ポート側がパイロットポンプ43に接続さ
れ電気信号に応じてパイロットポンプ43からのパイロ
ット圧を減圧して出力する比例電磁弁10aと、ブーム
用の操作レバー装置4aのパイロットライン44aと比
例電磁弁10aの二次ポート側に接続され、パイロット
ライン44a内のパイロット圧と比例電磁弁10aから
出力される制御圧の高圧側を選択し、流量制御弁5aの
油圧駆動部50aに導くシャトル弁12と、ブーム用の
操作レバー装置4aのパイロットライン44b及びアー
ム用の操作レバー装置4a,4bのパイロットライン4
5a,45bに設置され、それぞれ電気信号に応じてそ
れぞれのパイロットライン内のパイロット圧を減圧して
出力する比例電磁弁10b,11a,11bと、シャト
ル弁12の入力側及び比例電磁弁10b,10c,10
dの一次ポート側においてパイロットライン44a,4
4b;45a,45bに設置され、操作レバー装置4
a,4bの操作量としてそれぞれのパイロット圧を検出
する圧力検出器60a,60b;61a,61bと、比
例電磁弁11a,11bの二次ポート側においてパイロ
ットライン45a、45bに設置され、比例電磁弁11
a,11bから流量制御弁5bの油圧駆動部51a,5
1bに与えられるパイロット圧を検出する圧力検出器6
1c,61dと、設定器7の設定信号、モードスイッチ
20の選択信号、角度検出器8a,8b,8c及び傾斜
角検出器8dの検出信号及び圧力検出器60a,60
b;61a,61b;61c,61dの検出信号を入力
し、比例電磁弁10a〜10dに電気信号を出力する制
御ユニット9とを備えている。
【0068】制御ユニット9の制御機能を図17に示
す。制御ユニット9は、領域設定演算部9a、フロント
姿勢演算部9b、目標シリンダ速度演算部9c、目標先
端速度ベクトル演算部9d、方向変換制御部9e、補正
後目標ブームシリンダ速度演算部9f、復元制御演算部
9g、補正後目標ブームシリンダ速度演算部9h、目標
シリンダ速度選択部9i、目標パイロット圧演算部9
j、バルブ指令演算部9k、レバー信号減速処理部9m
の各機能を有している。
【0069】領域設定演算部9aは、設定器7からの指
示でバケット1cの先端が動き得る掘削領域の設定演算
を行うものである。その内容は図3を用いて説明した第
1の実施形態の領域設定部と同じであり、XY座標系か
ら設定領域の境界上に原点と一軸を持つXaYa座標系
への変換データを求める(図3参照)。
【0070】また、図18に示すように車体1Bが傾い
たときは、バケットと先端と地面との相対位置関係が変
化するので、掘削領域の設定が正しく行えなくなる。そ
こで本実施形態では、車体1Bの傾斜角θを傾斜角検出
器8dで検出し、フロント姿勢演算部9bでその傾斜角
θの値を入力し、XY座標系を角度θ回転させたXbY
b座標系でバケット先端の位置を計算する。これによ
り、車体1Bが傾いていても正しい領域設定が行える。
なお、車体が傾いたときには車体の傾きを修正してから
作業するとか、車体が傾斜しないような作業現場で用い
る場合には、必ずしも傾斜角検出器は必要としない。
【0071】フロント姿勢演算部9bでは、制御ユニッ
ト9の記憶装置に記憶したフロント装置1A及び車体1
Bの各部寸法と、角度検出器8a,8b,8cで検出し
た回動角α,β,γの値を用いてフロント装置1Aの所
定部位の位置をXY座標系の値として演算する。
【0072】レバー信号減速制御部9mではバケット1
cの先端が領域設定演算部9aで設定した図6に示すよ
うな設定領域内の境界近傍の領域である減速領域にある
か否かを判定し、減速領域にある場合には、モードスイ
ッチ20が精度優先の作業モードを選択しているとき、
フロント装置1A用のアーム用の操作レバー装置14b
の操作信号(パイロット圧)を減じるレバー信号減速処
理を行う。
【0073】図19にレバー信号減速制御部9mの処理
内容をフローチャートで示す。まず、手順150におい
てバケット1cの先端が減速領域に浸入したかどうかを
判断する。制御ユニット9の記憶装置には、減速領域の
範囲を設定する値として図6に示すような設定領域の境
界からの距離Ya1が記憶されている。手順150で
は、フロント姿勢演算部9bで得たXY座標系でのバケ
ット1cの先端位置を領域設定演算部9aで求めた変換
データを用いてXaYa座標系の値に変換し、そのYa
座標値から設定領域内における当該先端位置と設定領域
の境界との距離D1を求め、この距離D1が距離Ya1
より小さくなると減速領域に侵入したと判定する。手順
150において、バケット1cの先端が減速領域に浸入
したと判断されると手順152に進み、モードスイッチ
20がONかOFFを判断し、ONの場合は手順160
に進む。
【0074】手順160では、時定数tgと減速係数h
gを計算する。このtgとhgの計算は第1の実施形態
と同じであるので、ここでは説明しない。
【0075】次いで手順161に進む。圧力検出器61
a,61bで検出したアーム操作信号としてのパイロッ
ト圧をPa,Pbとすると、手順161では、時定数t
gを用いてそのパイロット圧Pa,Pbに対してローパ
スフィルタ処理を行い補正パイロット圧Pa1,Pb1
を生成する。このローパスフィルタ処理の計算も第1の
実施形態と同じであるので、ここでは説明しない。
【0076】次ぎに、手順162において、 補正パイ
ロット圧Pa1,Pb1に対応するアーム用流量制御弁
5bの吐出流量を求め、更にこの吐出流量からアームシ
リンダ3bの速度VAC1,VAD1を計算する。制御
ユニット9の記憶装置には図20に示すようなパイロッ
ト圧力PBU,PBD,PAC,PADと流量制御弁5
a,5bの吐出流量VB,VAとの関係が記憶されてお
り、手順162ではこの関係を用いて流量制御弁5bの
吐出流量を求め、アームシリンダ速度VAC1,VAD
1を計算する。なお、制御ユニット9の記憶装置に事前
に計算したパイロット圧とシリンダ速度との関係を記憶
しておき、パイロット圧から直接シリンダ速度を求めて
もよい。
【0077】次ぎに、手順163において、図20に示
す関係からアームシリンダ3bのクラウド側のシリンダ
速度の最大値VACmaxとダンプ側のシリンダ速度の
最小値VADmin(絶対値の最大値)を求め、この最
大値VACmax及び最小値VADminに減速係数h
gを掛けてアームシリンダ速度の補正最大値VAC2及
び補正最小値VAD2を生成する。
【0078】次いで、手順164において、VAC1,
VAC2の最小値をアームシリンダ3bのクラウド側の
目標シリンダ速度VACとし、VAD1,VAD2の最
大値(VAD1,VAD2の絶対値の最小値)をアーム
シリンダ3bのダンプ側の目標シリンダ速度VADとす
る。すなわち、VAC1>VAC2、VAD1<VAD
2のときはVAC2,VAD2が選択され、目標シリン
ダ速度VAC,VADの最大値及び最小値がそれぞれ補
正最大値VAC2及び補正最小値VAD2に制限され
る。
【0079】次いで、手順165で目標シリンダ速度V
AC,VADからパイロットライン45a,45bの目
標パイロット圧Pa2,Pb2を演算する。これは手順
162におけるアームシリンダ速度の演算の逆演算であ
る。
【0080】そして、手順166において、手順165
で計算した目標パイロット圧Pa2,Pb2からそのパ
イロット圧を得るための比例電磁弁11a,11bの指
令値を演算する。この指令値は増幅器で増幅され、電気
信号として比例電磁弁11a,11bに出力される。
【0081】一方、手順150において、距離D1が距
離Ya1より大きく、バケット1cの先端位置が減速領
域に侵入していないと判断された場合、手順152にお
いてモードスイッチ20がOFFと判断された場合は、
手順170に進み、比例電磁弁11a,11bの開度を
最大とするバルブ指令値を出力する。
【0082】ここで、手順161においてパイロット圧
Pa,Pbに対してローパスフィルタ処理を行うこと
は、第1の実施形態と同様、図10に示すようにステッ
プ状のパイロット圧Pa,Pbの入力に対して補正パイ
ロット圧Pa1,Pb1の立ち上がりを遅くすることで
あり、見かけ上、レバー操作はゆっくり行われたことに
なる。また、ローパスフィルタ処理を行う際の時定数t
gを距離D1が減少するにしたがって大きくすること
は、バケット1cの先端が掘削領域の境界に近づくにつ
れて補正パイロット圧Pa1,Pb1の立ち上がりを遅
くすることであり、バケット1cの先端が掘削領域の境
界に近づくにしたがってパイロット圧Pa,Pbの減少
量は大きくなる。また、手順163においてシリンダ速
度の最大値VACmax及び最小値VADminに減速
係数hgを掛けてシリンダ速度の補正最大値VAC2及
び補正最小値VAD2を生成することは、hgが距離D
1が減少するにしたがって小さくなる値であるので、バ
ケット1cの先端が掘削領域の境界に近づくにしたがっ
て補正最大値VAC2及び補正最小値VAD2の絶対値
が小さくなることである。また、hgは上記のようにバ
ケット1cの先端とアーム1bの回動中心とを結ぶ線分
が掘削領域の境界とのなす角θgのsin関数であり、
θgが小さくなるにしたがってhgは小さくなるので、
フロント装置1Aが伸びるにしたがって補正最大値VA
C2及び補正最小値VAD2の絶対値は小さくなる。し
たがって、手順164において目標シリンダ速度VA
C,VADとしてVAC2,VAD2が選択されている
ときは、バケット1cの先端が掘削領域の境界に近づく
にしたがってかつフロント装置1Aが伸びるにしたがっ
て目標パイロット圧Pa2,Pb2の減少量は大きくな
る。
【0083】目標シリンダ速度演算部9cでは圧力検出
器60a,60b,61c,61dで検出したパイロッ
ト圧の値を入力し、前述した図20に示す関係から流量
制御弁5a,5bの吐出流量を求め、更にこの吐出流量
からブームシリンダ3a及びアームシリンダ3bの目標
速度を計算する。
【0084】目標先端速度ベクトル演算部9dでは、フ
ロント姿勢演算部9bで求めたバケットの先端位置及び
目標シリンダ速度演算部9cで求めた目標シリンダ速度
と、制御ユニット9の記憶装置に記憶してある先のL
1,L2,L3等の各部寸法とからバケット1cの先端
の目標速度ベクトルVcを求める。このとき、目標速度
ベクトルVcは、まず図3に示すXY座標系の値として
求め、次にこの値を領域設定演算部9aで先に求めたX
Y座標系からXaYa座標系への変換データを用いてX
aYa座標系に変換することにより、XaYa座標系の
値として求める。ここで、XaYa座標系での目標速度
ベクトルVcのXa座標値Vcxは目標速度ベクトルV
cの設定領域の境界に平行な方向のベクトル成分とな
り、Ya座標値Vcyは目標速度ベクトルVcの設定領
域の境界に垂直な方向のベクトル成分となる。
【0085】方向変換制御部9eでは、バケット1cの
先端が設定領域内でその境界近傍にあり、目標速度ベク
トルVcが設定領域の境界に接近する方向の成分を持つ
場合、垂直なベクトル成分を設定領域の境界に近づくに
つれて減じるように補正する。換言すれば、垂直方向の
ベクトル成分Vcyにそれよりも小さい設定領域から離
れる方向のベクトル(逆方向ベクトル)を加える。
【0086】図21に方向変換制御部9eでの制御内容
をフローチャートで示す。まず、手順100において、
目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に対して垂直な
成分、すなわちXaYa座標系でのYa座標値Vcyの
正負を判定し、正の場合はバケット先端が設定領域の境
界から離れる方向の速度ベクトルであるので、手順10
1に進み、目標速度ベクトルVcのXa座標値Vcx及
びYa座標値Vcyをそのまま補正後のベクトル成分V
cxa,Vcyaとする。負の場合はバケット先端が設
定領域の境界に接近する方向の速度ベクトルであるの
で、手順102に進み、方向変換制御のため目標速度ベ
クトルVcのXa座標値Vcxはそのまま補正後のベク
トル成分Vcxaとし、Ya座標値Vcyはこれに係数
hを乗じた値を補正後のベクトル成分Vcyaとする。
【0087】ここで、係数hは図22に示すように、バ
ケット1cの先端と設定領域の境界との距離Yaが設定
値Ya1より大きいときは1であり、距離Yaが設定値
Ya1より小さくなると、距離Yaが小さくなるにした
がって1より小さくなり、距離Yaが0になると、すな
わちバケット先端が設定領域の境界上に達すると0とな
る値であり、制御ユニット9の記憶装置にはこのような
hとYaの関係が記憶されている。
【0088】方向変換制御部9eでは、領域設定演算部
9aで先に求めたXY座標系からXaYa座標系への変
換データを用いて、フロント姿勢演算部9bで求めたバ
ケット1cの先端の位置をXaYa座標系に変換し、そ
のYa座標値からバケット1cの先端と設定領域の境界
との距離Yaを求め、この距離Yaから図22の関係を
用いて係数hを求める。
【0089】以上のように目標速度ベクトルVcの垂直
方向のベクトル成分Vcyを補正することにより、距離
Yaが小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分
Vcyの減少量が大きくなるようベクトル成分Vcyが
減じられ、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクトルV
caに補正される。
【0090】バケット1cの先端が上記のような補正後
の目標速度ベクトルVcaの通りに方向変換制御された
ときの軌跡は第1の実施形態で図12を用いて説明した
のと同じとなる。
【0091】図23に方向変換制御部9eでの制御の他
の例をフローチャートで示す。この例では、手順100
において、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に対
して垂直な成分(目標速度ベクトルVcのYa座標値)
Vcyが負と判定されると、手順102Aに進み、制御
ユニット9の記憶装置に記憶してある図24に示すよう
なVcyf=f(Ya)の関数関係からバケット1cの
先端と設定領域の境界との距離Yaに対応する減速した
Ya座標値Vcyfを求め、このYa座標値Vcyfと
Vcyの小さい方を補正後のベクトル成分Vcyaとす
る。このようにすると、バケット1cの先端をゆっくり
と動かしているときは、バケット先端が設定領域の境界
に近付いてもそれ以上は減速されず、オペレータの操作
通りの動作が得られるという利点がある。
【0092】なお、上記のようにバケット先端の目標速
度ベクトルの垂直成分を減じても、流量制御弁、その他
油圧機器の製作公差によるバラツキ等により垂直ベクト
ル成分を垂直方向距離Ya=0で0にするのは極めて難
しく、バケット先端が設定領域外に侵入することがあ
る。しかし、本実施形態では先に説明したようにレバー
信号減速制御を行いかつ後述する復元制御を併用するの
で、バケット先端はほぼ設定領域の境界上で動作するこ
とになる。また、このようにレバー信号減速制御と復元
制御を併用することから、図10及び図13に示す関係
を、垂直方向距離Ya=0で係数hや減速したYa座標
値Vchfが少し残るように設定してもよい。
【0093】また、上記の制御では、目標速度ベクトル
の水平成分(Xa座標値)はそのまま維持したが、必ず
しも維持しなくてもよく、水平成分を増やし増速しても
よいし、水平成分を減らし減速してもよい。
【0094】補正後目標ブームシリンダ速度演算部9f
では、方向変換制御部9eで求めた補正後の目標速度ベ
クトルからブームシリンダ3aの目標シリンダ速度を演
算する。これは目標先端速度ベクトル演算部9dでの演
算の逆演算である。
【0095】ここで、手前方向に掘削しようとしてアー
ムクラウドをする場合(アームクラウド操作)は、ブー
ム1aを上げることで目標速度ベクトルVcの垂直成分
Vcyは減じられるので、演算部9fではブーム1aを
上げ方向に動かす目標シリンダ速度を演算する。また、
ブーム下げ・アームダンプの複合操作でバケット先端を
押し方向に操作した場合(アームダンプ複合操作)は、
アームを車体に近い位置(手前の位置)からダンプ操作
する場合に設定領域の外に出る方向の目標ベクトルを与
えることになる。この場合、ブーム下げをブーム上げに
切換えることにより目標速度ベクトルVcの垂直成分V
cyが減じられるので、演算部9fではブーム下げをブ
ーム上げに切換える目標シリンダ速度を演算する。
【0096】復元制御部9gでは、バケット1cの先端
が設定領域の外に出たとき、設定領域の境界からの距離
に関係して、バケット先端が設定領域に戻るように目標
速度ベクトルを補正する。換言すれば、垂直方向のベク
トル成分Vcyにそれよりも大きな設定領域に接近する
方向のベクトル(逆方向ベクトル)を加える。
【0097】図25に復元制御部9gでの制御内容をフ
ローチャートで示す。まず、手順110において、バケ
ット1cの先端と設定領域の境界との距離Yaの正負を
判定する。ここで、距離Yaは前述したようにXY座標
系からXaYa座標系への変換データを用いて、フロン
ト姿勢演算部9bで求めたフロント先端の位置をXaY
a座標系に変換し、そのYa座標値から求める。距離Y
aが正の場合、バケット先端がまだ設定領域内にあるの
で手順111に進み、先に説明した方向変換制御を優先
するため目標速度ベクトルVcのXa座標値Vcx及び
Ya座標値Vcyをそれぞれ0とする。負の場合はバケ
ット先端が設定領域の境界の外に出たので、手順112
に進み、復元制御のため目標速度ベクトルVcのXa座
標値Vcxはそのまま補正後のベクトル成分Vcxaと
し、Ya座標値Vcyは設定領域の境界との距離Yaに
係数−Kを乗じた値を補正後のベクトル成分Vcyaと
する。ここで、係数Kは制御上の特性から決められる任
意の値であり、−KVcyは距離Yaが小さくなるにし
たがって小さくなる逆方向の速度ベクトルとなる。な
お、Kは距離Yaが小さくなると小さくなる関数であっ
ても良く、この場合、−KVcyは距離Yaが小さくな
るにしたがって小さくなる度合いが大きくなる。
【0098】以上のように目標速度ベクトルVcの垂直
方向のベクトル成分Vcyを補正することにより、距離
Yaが小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分
Vcyが小さくなるよう、目標速度ベクトルVcは目標
速度ベクトルVcaに補正される。
【0099】バケット1cの先端が上記のような補正後
の目標速度ベクトルVcaの通りに復元制御されたとき
の軌跡は第1の実施形態で図14を用いて説明したのと
同じとなる。このように、復元制御部9gではバケット
1cの先端が設定領域に戻るように制御されるため、設
定領域外に復元領域が得られることになる。
【0100】補正後目標ブームシリンダ速度演算部9h
では、復元制御部9gで求めた補正後の目標速度ベクト
ルからブームシリンダ3aの目標シリンダ速度を演算す
る。これは目標先端速度ベクトル演算部9dでの演算の
逆演算である。復元制御ではブーム1aを上げることで
バケット先端を設定領域に戻すため、演算部9hではブ
ームを上げ方向に動かす目標シリンダ速度を演算する。
【0101】目標シリンダ速度選択部9iでは目標ブー
ムシリンダ速度演算部9fで得た方向変換制御による目
標ブームシリンダ速度と目標ブームシリンダ速度演算部
9hで得た復元制御による目標ブームシリンダ速度の値
の大きい方(最大値)を選択し、出力用の目標ブームシ
リンダ速度とする。
【0102】ここで、バケット先端と設定領域の境界と
の距離Yaが正の場合は、図25の手順111で目標速
度ベクトル成分はともには0とされ、図21の手順10
1又は102における速度ベクトル成分の値の方が常に
大となるので、目標ブームシリンダ速度演算部9fで得
た方向変換制御による目標ブームシリンダ速度が選択さ
れ、距離Yaが負で目標速度ベクトルの垂直成分Vcy
が負の場合は、図21の手順102においてh=0で補
正後の垂直成分Vcyaは0となり、図25の手順11
2における垂直成分の値の方が常に大となるので、目標
ブームシリンダ速度演算部9hで得た復元制御による目
標ブームシリンダ速度が選択され、距離Yaが負で目標
速度ベクトルの垂直成分Vcyが正の場合は、図21の
手順101における目標速度ベクトルVcの垂直成分V
cyと図25の手順112における垂直成分KYaの値
の大小に応じて、目標ブームシリンダ速度演算部9f又
は9hで得た目標シリンダ速度が選択される。なお、選
択部9iでは最大値を選択する代わりに両者の和をとる
など、別の方法であってもよい。
【0103】目標パイロット圧演算部9jでは、目標シ
リンダ速度選択部9iで得た出力用の目標シリンダ速度
からパイロットライン44a,44bの目標パイロット
圧を演算する。これは目標シリンダ速度演算部9cでの
演算の逆演算である。
【0104】バルブ指令演算部9kでは、目標パイロッ
ト圧演算部9jで計算した目標パイロット圧からそのパ
イロット圧を得るための比例電磁弁10a,10bの指
令値を演算する。この指令値は増幅器で増幅され、電気
信号として比例電磁弁10a,10bに出力される。
【0105】ここで、方向変換制御(減速制御)を行う
場合、先に述べたようにアームクラウド動作ではブーム
上げを行うが、ブーム上げではブーム上げ側のパイロッ
トライン44aに係わる比例電磁弁10aに電気信号を
出力する。アームダンプ複合操作では、ブーム下げをブ
ーム上げに切換え、アームダンプを減速するが、ブーム
下げをブーム上げに切換えるにはブーム下げ側のパイロ
ットライン44bに設置された比例電磁弁10bへ出力
する電気信号を0にし、比例電磁弁10aに電気信号を
出力する。また、復元制御では、ブーム上げ側のパイロ
ットライン44aに係わる比例電磁弁10aに電気信号
を出力する。なお、それ以外の場合、比例電磁弁10b
には操作レバー装置4aからのパイロット圧に応じた電
気信号が出力され、当該パイロット圧をそのまま出力で
きるようにする。
【0106】以上において、操作レバー装置4a〜4f
は複数の被駆動部材であるブーム1a、アーム1b、バ
ケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体1eの動作
を指示する油圧パイロット方式の複数の操作手段を構成
し、設定器7とフロント領域設定演算部9aはフロント
装置1Aの動き得る領域を設定する領域設定手段を構成
し、角度検出器8a〜8c及び傾斜角検出器8dはフロ
ント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量を検出する第
1検出手段を構成し、フロント姿勢演算部9bは第1検
出手段からの信号に基づきフロント装置1Aの位置と姿
勢を演算する第1演算手段を構成し、レバー信号減速制
御部9m及び比例電磁弁11a,11bは前記第1演算
手段の演算値に基づき、フロント装置1Aが設定領域内
でその境界近傍にあるときに、複数の操作手段のうち少
なくとも第1の特定のフロント部材1bに係わる操作手
段4bの操作信号を減じる処理を行う第1信号補正手段
を構成し、モードスイッチ20及び図19に示す手順1
52は第1信号補正手段による操作手段4bの操作信号
を減じる処理を行うかどうかを選択するモード選択手段
を構成し、目標シリンダ速度演算部9c、目標先端速度
ベクトル演算部9d、方向変換制御部9e、補正後目標
シリンダ速度演算部9f、目標シリンダ速度選択部9
i、目標パイロット圧演算部9j、バルブ指令演算部9
k、比例電磁弁10a及びシャトル弁12は、モードス
イッチ20で第1信号補正手段いよる処理を行うことを
選択した場合は、第1信号補正手段で減じる処理を行わ
れた操作信号と上記第1演算手段の演算値に基づき、モ
ードスイッチ20で第1信号補正手段による処理を行わ
ないことを選択した場合は、操作手段4bの操作信号と
前記第1演算手段の演算値に基づき、それぞれ、フロン
ト装置1Aが設定領域内でその境界近傍にあるとき、フ
ロント装置1Aが設定領域の境界に沿った方向には動
き、設定領域の境界に接近する方向には移動速度が減じ
られるよう複数の操作手段のうち少なくとも第2の特定
のフロント部材1aに係わる操作手段4aの操作信号を
補正する第2信号補正手段を構成する。
【0107】次に、以上のように構成した本実施形態の
動作を説明する。作業例として、先に例示した、手前方
向に掘削しようとしてアームクラウドをする場合(アー
ムクラウド操作)と、ブーム下げ・アームダンプの複合
操作でバケット先端を押し方向に操作した場合(アーム
ダンプ複合操作)について説明する。
【0108】手前方向に掘削しようとしてアームクラウ
ドすると、バケット1cの先端は徐々に設定領域の境界
に近づく。バケット先端と設定領域の境界との距離がY
a1より小さくなると、レバー信号減速制御部9mにお
いてローパスフィルタ処理及びレバー信号減速処理にて
バケット1cの先端位置と掘削領域の境界との距離に応
じてアーム用の流量制御弁5bの油圧駆動部51a,5
1bに与えられるパイロット圧自体を減じるよう比例電
磁弁11aを動作させる。
【0109】これと同時に、方向変換制御部9eにおい
てバケット先端の目標速度ベクトルVcの設定領域の境
界に接近する方向のベクトル成分(境界対して垂直方向
のベクトル成分)を減じるように補正し、バケット先端
の方向変換制御(減速制御)を行う。すなわち、目標ブ
ームシリンダ速度演算部9fではブームシリンダ3aの
伸長方向のシリンダ速度を演算し、目標パイロット圧演
算部9jではブーム上げ側のパイロットライン44aの
目標パイロット圧を計算し、バルブ指令演算部9kでは
比例電磁弁10aに電気信号を出力する。このため、比
例電磁弁10aは演算部9jで演算した目標パイロット
圧に相当する制御圧を出力し、この制御圧がシャトル弁
12で選択され、ブーム用流量制御弁5aのブーム上げ
側油圧駆動部50aに導かれる。このような比例電磁弁
10aの動作により、設定領域の境界に対して垂直方向
の動きが減速制御され、設定領域の境界に沿った方向の
速度成分は減じられず、このため図12に示すように設
定領域の境界に沿ってバケット1cの先端を動かすこと
ができる。このため、バケット1cの先端の動き得る領
域を制限した掘削を能率良く行うことができる。
【0110】また、上記のようにバケット1cの先端が
設定領域内の境界近傍で減速制御されるとき、フロント
装置1Aの動きが速かったり、急激に操作レバー装置4
bを操作したときには、制御上の応答遅れやフロント装
置1Aの慣性によりバケット1cの先端が設定領域の外
にある程度入り込むことがある。このようなとき、本実
施形態では、モードスイッチ20をONにして精度優先
の作業モードを選択することにより、レバー信号減速制
御部9mにおいてアーム用の流量制御弁5bの油圧駆動
部51a,51bに与えられるパイロット圧自体が減じ
られる。このため、操作レバー装置4bが急激に操作さ
れてもアームシリンダ3bは滑らかに動き出し、しかも
動き出してからの速度も遅いので、油圧回路上の遅れの
影響や慣性の影響を軽減できる。このため、上記減速制
御に際してのフロント装置1Aの設定領域外への侵入量
は減じられ、フロント装置1Aを設定領域の境界に沿っ
て正確に動かすことができる。
【0111】また、モードスイッチ20をOFFにして
速度優先の作業モードを選択することにより、レバー信
号減速制御部9mにおいて比例電磁弁11a,11bの
開度を最大とするバルブ指令値が出力され、アーム用の
流量制御弁5bの油圧駆動部51a,51bには操作レ
バー装置4bのパイロット圧がそのまま与えられる。こ
のため、パイロット圧の大きさに応じて作業効率を落と
さずフロント装置1Aを動かすことができる。
【0112】このように本実施形態においても、モード
スイッチ20を切り換えることにより、オペレータの意
志で設定領域外への侵入量の少ない精度優先の作業モー
ドとフロント装置1Aを速く動かせる速度優先の作業モ
ードとを選択して作業を行うことができる。
【0113】また、以上のように方向変換制御を行うと
き、復元制御部9gにおける復元制御との組み合わせに
より、第1の実施形態と同様にフロント装置1Aを速く
動かしたときでも、領域を制限した掘削を正確に行うこ
とができる。
【0114】ブーム下げ・アームダンプの複合操作でバ
ケット先端を押し方向に操作する場合、アームを車体側
の位置(手前の位置)からダンプ操作すると設定領域の
外に出る方向の目標ベクトルを与えることになる。この
場合も、モードスイッチ20をONにして精度優先の作
業モードを選択しておけば、バケット先端と設定領域の
境界との距離がYaより小さくなると、レバー信号減速
制御部9mにおいてローパスフィルタ処理及びレバー信
号減速処理にてバケット1cの先端位置と掘削領域の境
界との距離に応じてアーム用の流量制御弁5bの油圧駆
動部51a,51bに与えられるパイロット圧自体を減
じるよう比例電磁弁11aを動作させる。
【0115】これと同時に、方向変換制御部9eにおい
て目標速度ベクトルVcの補正が行われ、バケット先端
の方向変換制御(減速制御)を行う。すなわち、補正後
目標ブームシリンダ速度演算部9fではブームシリンダ
3aの伸長方向のシリンダ速度を演算し、目標パイロッ
ト圧演算部9jでは、ブーム下げ側のパイロットライン
44bの目標パイロット圧は0にする一方、ブーム上げ
側のパイロットライン44aの目標パイロット圧を計算
し、バルブ指令演算部9kでは比例電磁弁10bの出力
をOFFにし、比例電磁弁10aに電気信号を出力す
る。このため、比例電磁弁10bはパイロットライン4
4bのパイロット圧力を0に減圧し、比例電磁弁10a
は目標パイロット圧に相当する制御圧をパイロットライ
ン44aのパイロット圧として出力する。このような比
例電磁弁10a,10bの動作により、アームクラウド
操作の場合と同様な方向変換制御がなされ、バケット1
cの先端を設定領域の境界に沿って速く動かすことがで
き、バケット1cの先端の動き得る領域を制限した掘削
を能率良く行うことができる。
【0116】また、レバー信号減速制御部9mにおいて
アーム用の流量制御弁5bの油圧駆動部51a,51b
に与えられるパイロット圧自体を減じているため、操作
レバー装置4bが急激に操作されてもアームシリンダ3
bは滑らかに動き出し、しかも動き出してからの速度も
遅いので、油圧回路上の遅れの影響や慣性の影響を軽減
できる。このため、上記減速制御に際してのフロント装
置1Aの設定領域外への侵入量は減じられ、フロント装
置1Aを設定領域の境界に沿って正確に動かすことがで
きる。
【0117】また、モードスイッチ20をOFFにして
速度優先の作業モードを選択することにより、レバー信
号減速制御部9mにおいて比例電磁弁11a,11bの
開度を最大とするバルブ指令値が出力され、アーム用の
流量制御弁5bの油圧駆動部51a,51bには操作レ
バー装置4bのパイロット圧がそのまま与えられる。こ
のため、パイロット圧の大きさに応じて作業効率を落と
さずフロント装置1Aを動かすことができる。
【0118】このように本実施形態においても、モード
スイッチ20を切り換えることにより、オペレータの意
志で設定領域外への侵入量の少ない精度優先の作業モー
ドとフロント装置1Aを速く動かせる速度優先の作業モ
ードとを選択して作業を行うことができる。
【0119】なお、以上の実施形態では、レバー信号減
速制御において時定数tgを用いたローパスフィルタ処
理と操作信号に減速係数hgを掛ける減速処理の両方を
行ったが、それらの一方のみを行ってもよい。例えば、
ローパスフィルタ処理のみを行った場合、操作信号の立
ち上がりが緩やかになるので、操作レバー装置を急操作
してもフロント装置がゆっくりと動き始め、領域を制限
した掘削を円滑に行うことができる。また、操作信号に
減速係数hgを掛ける減速処理のみを行った場合には、
操作レバー装置を急操作したときの動き始めの減速に加
えて、フロント装置の動きが速い状態で設定領域の境界
近傍に近づいた場合でもフロント装置の動きを遅くし、
領域を制限した掘削を円滑に行うことができる。
【0120】また、以上の実施形態では、フロント装置
の所定部位としてバケットの先端について述べたが、簡
易的に実施するならばアーム先端ピンを所定部位として
もよい。また、フロント装置との干渉を防止し安全性を
図るために領域を設定する場合は、その干渉が起こり得
る他の部位であってもよい。
【0121】更に、適用される油圧駆動装置はクローズ
ドセンタタイプの流量制御弁15a〜15fを有するク
ローズドセンタシステムとしたが、オープンセンタータ
イプの流量制御弁を用いたオープンセンターシステムで
あってもよい。
【0122】また、バケット先端と設定領域の境界との
距離と減速ベクトルとの関係、時定数tg及び減速係数
hgとの関係及び復元ベクトルとの関係は上記実施形態
の設定に限らず、種々の設定が可能である。
【0123】更に、バケット先端が設定領域の境界から
離れているときは、目標速度ベクトルをそのまま出力し
たが、この場合でも別の目的をもって当該目標速度ベク
トルを補正してもよい。
【0124】また、目標速度ベクトルの設定領域の境界
に接近する方向のベクトル成分は設定領域の境界に対し
垂直方向のベクトル成分としたが、設定領域の境界に沿
った方向の動きが得られれば、垂直方向からずれていて
もよい。
【0125】また、第2の実施形態等、油圧パイロット
方式の操作レバー装置を持つ油圧ショベルに適用した実
施形態では、電気油圧変換手段及び減圧手段として比例
電磁弁10a,10b,11a,11bを用いたが、こ
れらは他の電気油圧変換手段であってもよい。
【0126】更に、全ての操作レバー装置14a〜14
f及び流量制御弁15a〜15fを油圧パイロット方式
としたが、少なくともブーム用とアーム用の操作レバー
装置14a,14b及び流量制御弁15a,15bが油
圧パイロット方式であればよい。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、フロント装置が設定領
域に近づくと設定領域の境界に接近する方向の動きが減
速されるので、領域を制限した掘削を能率良く行うこと
ができる。また、操作手段の操作信号自体を減じるの
で、急激に操作手段を操作したときでも領域を制限した
掘削を円滑に行うことができる。更に、領域を制限した
掘削を行うとき、オペレータの意志で精度優先の作業モ
ードと速度優先の作業モードとを選択することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による建設機械の領域
制限掘削制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図であ
る。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観とその
周囲の設定領域の形状を示す図である。
【図3】本実施形態の領域制限掘削制御で用いる座標系
と領域の設定方法を示す図である。
【図4】本実施形態で設定される領域の一例を示す図で
ある。
【図5】制御ユニットにおける制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】本実施形態の減速領域及び復元領域での目標速
度ベクトルの補正方法を示す図である。
【図7】バケットの先端と設定領域の境界との距離と時
定数との関係を示す図である。
【図8】バケットの先端と設定領域の境界との距離と減
速係数との関係を示す図である。
【図9】レバー信号減速制御の詳細を示すフローチャー
トである。
【図10】ローパスフィルタ処理によるレバー入力の変
化を示す図である。
【図11】バケットの先端と設定領域の境界との距離と
減速ベクトル係数との関係を示す図である。
【図12】バケットの先端が方向変換制御されたときの
軌跡の一例を示す図である。
【図13】バケットの先端と設定領域の境界との距離と
復元ベクトルとの関係を示す図である。
【図14】バケットの先端が復元制御されたときの軌跡
の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態による建設機械の領
域制限掘削制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図で
ある。
【図16】油圧パイロット方式の操作レバー装置の詳細
を示す図である。
【図17】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック
図である。
【図18】傾斜角の補正方法を示す図である。
【図19】レバー減速制御部の制御内容の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図20】パイロット圧と流量制御弁の吐出流量との関
係を示す図である。
【図21】方向変換制御部における処理内容を示すフロ
ーチャートである。
【図22】方向変換制御部におけるバケット先端と設定
領域の境界との距離Yaと係数hとの関係を示す図であ
る。
【図23】方向変換制御部における他の処理内容を示す
フローチャートである。
【図24】方向変換制御部における距離Yaと関数Vc
yf=f(Ya)との関係を示す図である。
【図25】復元制御部における処理内容を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム(第2の特定のフロント部材) 1b アーム(第1の特定のフロント部材) 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a ブームシリンダ(第2の特定のアクチュエータ) 3b アームシリンダ(第1の特定のアクチュエータ) 4a〜4f;14a〜14f 操作レバー装置 5a〜5f;15a〜15f 流量制御弁 7 設定器(領域設定手段) 8a〜8c 角度検出器(第1検出手段) 8d 傾斜角度検出器(第1検出手段) 9;9A 制御ユニット 9a 領域設定演算部(領域設定手段) 9b フロント姿勢演算部(第1演算手段) 9c 目標シリンダ速度演算部 9d 目標先端速度ベクトル演算部 9e 方向変換制御演算部(第2信号補正手段) 9f 補正後目標ブームシリンダ速度演算部 9g 復元制御演算部 9h 補正後目標ブームシリンダ速度演算部 9i 最大値演算部 9j 目標ブームパイロット圧演算部 9k バルブ指令演算部 9m レバー信号減速制御演算部(第1信号補正手段) 10a,10b 比例電磁弁(第2信号補正手段) 12 シャトル弁 20 モードスイッチ 30a〜35f 電磁駆動部 50a〜55b 油圧駆動部 61a〜61d 圧力検出器
フロントページの続き (72)発明者 藤島 一雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多関節型のフロント装置を構成する上下
    方向に回動可能な複数のフロント部材を含む複数の被駆
    動部材と、前記複数の被駆動部材をそれぞれ駆動する複
    数の油圧アクチュエータと、前記複数の被駆動部材の動
    作を指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の
    操作信号に応じて駆動され、前記複数の油圧アクチュエ
    ータに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御
    弁とを備えた建設機械の領域制限掘削制御装置におい
    て、 前記フロント装置の動き得る領域を設定する領域設定手
    段と;前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量を
    検出する第1検出手段と;前記第1検出手段からの信号
    に基づき前記フロント装置の位置と姿勢を計算する第1
    演算手段と;前記第1演算手段の演算値に基づき、前記
    フロント装置が前記設定領域内でその境界近傍にあると
    き、前記複数の操作手段のうち少なくとも第1の特定の
    フロント部材に係わる操作手段の操作信号を減じる処理
    を行う第1信号補正手段と;前記第1信号補正手段によ
    る操作手段の操作信号を減じる処理を行うかどうかを選
    択するモード選択手段と;前記モード選択手段で前記第
    1信号補正手段による処理を行うことを選択した場合
    は、前記第1信号補正手段で減じる処理を行われた操作
    信号と前記第1演算手段の演算値に基づき、前記モード
    選択手段で前記第1信号補正手段による処理を行わない
    ことを選択した場合は、前記操作手段の操作信号と前記
    第1演算手段の演算値に基づき、それぞれ、前記フロン
    ト装置が前記設定領域内でその境界近傍にあるとき、前
    記フロント装置が前記設定領域の境界に沿った方向には
    動き、前記設定領域の境界に接近する方向には移動速度
    が減じられるよう前記複数の操作手段のうち少なくとも
    第2の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号
    を補正する第2信号補正手段と;を備えることを特徴と
    する建設機械の領域制限掘削制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削
    制御装置において、前記第1信号補正手段は、前記フロ
    ント装置と前記設定領域の境界との距離が小さくなるに
    したがって前記第1の特定のフロント部材に係わる操作
    手段の操作信号の減少量が大きくなるように当該操作信
    号を減じる処理を行う手段であることを特徴とする建設
    機械の領域制限掘削制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削
    制御装置において、前記第1信号補正手段は、前記第1
    の特定のフロント部材に係わる操作手段の操作信号にロ
    ーパスフィルタ処理を施すことにより当該操作信号を減
    じる処理を行う手段であることを特徴とする建設機械の
    領域制限掘削制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削
    制御装置において、前記第1の特定のフロント部材は油
    圧ショベルの少なくともアームを含み、前記第2の特定
    のフロント部材は油圧ショベルの少なくともブームを含
    むことを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御装置。
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