JP2001123473A - 建設機械の作業機制御装置 - Google Patents

建設機械の作業機制御装置

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JP2001123473A
JP2001123473A JP30157899A JP30157899A JP2001123473A JP 2001123473 A JP2001123473 A JP 2001123473A JP 30157899 A JP30157899 A JP 30157899A JP 30157899 A JP30157899 A JP 30157899A JP 2001123473 A JP2001123473 A JP 2001123473A
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複し
て設定されることを防止できる建設機械の作業機制御装
置の提供。 【解決手段】 制限領域設定スイッチ12aが操作され
ると、制限領域演算部7dが異なる2つの姿勢における
バケット先端の座標を姿勢演算部7aより読み込み、判
定部7eではこの2つの位置座標より制限領域の境界を
算出し、干渉回避領域記憶部7bに格納されている干渉
回避領域と算出された制限領域とが重複しているかどう
か判別し、重複している場合には制限領域記憶部への書
込みを禁止するとともに、ランプ13に対し書込みがで
きなかったことを知らせる信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機が本体と干
渉することを回避する干渉防止制御と、作業機の動作範
囲を任意に制限できる領域制限制御との両制御機能を併
せ持つ建設機械の作業機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械として例えば油圧ショベルで
は、運転室を有する本体と、この本体に回動可能に接続
されるブームとアームおよびバケットなどの複数の可動
部材から形成される作業機と、各可動部材をそれぞれ駆
動する複数の油圧アクチュエータと、各油圧アクチュエ
ータの作動を指示する操作レバーとパイロット圧を減圧
する減圧弁とからなる複数の操作手段を備えている。
【0003】このような油圧ショベルでは、例えば特開
平6−294150号公報に記載されているように、オ
ペレータが各操作レバーを操作して作業機を運転室に近
づけた場合に、作業機の一部が運転室に干渉する可能性
があり、作業機と本体との干渉を防止するために干渉防
止制御が採用されている。この干渉防止制御は、運転室
の周囲に干渉回避領域を設定しておき、複数の角度セン
サからの出力信号に基づいて作業機の所定部位における
位置座標を演算し、この作業機の所定部位が干渉回避領
域内に侵入したときに、作業機を減速させる、あるい
は、停止させるようになっている。
【0004】また、例えば特開平9−53259号公報
に記載されているように、作業機の深さ方向あるいは高
さ方向に対し、作業機が動き得る領域を規制する領域制
限制御が知られている。この領域制限制御では、オペレ
ータが例えば領域制限設定スイッチを用いて作業機の侵
入を禁止する動作制限領域の境界を任意に設定する。そ
して、複数の角度センサからの出力信号に基づいて作業
機の所定部位における位置座標を演算し、作業機の所定
部位と動作制限領域の境界との位置関係を算出し、この
結果に応じて作業機の動作速度を制御するようになって
いる。したがって、例えば地中の任意深さに動作制限領
域を設定した場合、掘削作業時に動作制限領域の境界よ
りも深い位置に設置された配管などがバケット先端によ
って損傷されるのを防止することができ、また、地面か
ら任意の高さに動作制限領域を設定した場合、動作制限
領域の境界よりも上方に設置された電線等が作業機によ
って損傷されるのを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した干
渉防止制御による作業機の制御と領域制限制御による作
業機の制御とを1台の機械で併用し、動作制限領域の境
界が干渉回避領域と重なるように設定された場合には次
のような問題が生じる。
【0006】(1)干渉防止制御よりも領域制限制御を
優先させると、作業機と運転室とが干渉する可能性があ
る。
【0007】(2)逆に、領域制限制御よりも干渉防止
制御を優先させると、操作者が設定した動作制限領域の
領域外(動作可能領域)であっても、干渉回避領域内で
は作業機を動作させることができない。さらに、予め掘
削すべき範囲として動作制限領域を設定し掘削作業を行
っている場合には、干渉防止制御が優先して掘削できな
い部分に対し、一端干渉回避領域から外れるように車体
を移動し、再度動作制限領域を設定し直してから掘削作
業を継続させなくてはならず、作業効率が低下する。
【0008】本発明は、上記した従来技術による問題点
に鑑みてなされたもので、その目的は、干渉防止制御と
領域制限制御とを備えた建設機械の作業機制御装置に関
し、動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複して設定
されることを防止できる建設機械の作業機制御装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る発明は、 運転室を有する
本体と、この本体に回動可能に連結された複数の関節形
可動部材からなる作業機と、前記複数の可動部材をそれ
ぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複数の
油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する
複数の油圧制御弁と、前記複数の可動部材の動作をそれ
ぞれ指示し対応する前記油圧制御弁に対し動作信号を出
力する複数の操作手段と、前記複数の油圧制御弁のうち
所定の可動部材に対応する油圧制御弁に対し前記操作手
段とは別の動作信号を出力する駆動手段と、前記動作信
号を減じる減速手段と、前記複数の可動部材の相対角度
を検出する角度検出器と、この角度検出器の出力信号に
基づいて前記作業機の任意部位における位置を演算する
姿勢演算手段と、前記本体の周囲に設定された干渉回避
領域を記憶する第1の記憶手段を有し、前記姿勢演算手
段によって算出された作業機の任意部位における位置と
前記第1の記憶手段に記憶された干渉回避領域との相対
的な位置関係に基づき、前記減速手段に第1の制御信号
を出力して作業機の動作速度を制御する干渉防止制御手
段と、前記作業機の動作範囲を制限するための動作制限
領域を入力する制限領域設定手段と、この制限領域設定
手段により設定された前記動作制限領域を記憶する第2
の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出され
た作業機の任意部位における位置と前記第2の記憶手段
に記憶された動作制限領域との相対的な位置関係に基づ
き前記減速手段及び前記駆動手段に第2の制御信号を出
力して作業機の動作速度を制御する領域制限制御手段と
を備えた建設機械の作業機制御装置において、前記制限
領域設定手段から新たな動作制限領域が入力されたと
き、この入力された動作制限領域と前記第1の記憶手段
に記憶されている干渉回避領域とを比較し、動作制限領
域の境界と前記干渉回避領域とが重複する場合に、前記
第2の記憶手段に記憶された動作制限領域を書き換える
ことを禁止する判別手段を設けたことを特徴とする。
【0010】本発明による建設機械の作業機制御装置は
上記のように構成されており、操作者が制限領域設定手
段により新たな動作制限領域を入力すると、判別手段
は、この入力された新たな動作制限領域の境界と干渉回
避領域とが重複するかどうかを判別し、重複すると判断
した場合、この入力された領域が新たな動作制限領域と
して第2の記憶手段の内容を書き換えることを禁止す
る。
【0011】したがって、動作制限領域の境界が干渉回
避領域と重複して設定されることを防止でき、これによ
り、作業機と運転室との干渉を確実に防止することがで
きるとともに、掘削すべき範囲として設定された動作制
限領域に対して違和感なく、かつ、作業効率を低下させ
ることなく掘削作業を行うことができる。
【0012】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の発明において、前記領域制限制御手段は
前記制限領域設定手段から複数の位置座標を入力し、こ
れらの位置座標を結ぶ線分を動作制限領域の境界として
前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0013】このように構成した請求項2に係る発明で
は、複数の位置座標を入力することで動作制限領域を設
定することができ、その設定を容易に行うことができ
る。また、動作制限領域の境界として線分を式の形で第
2の記憶手段に記憶することができ、干渉回避領域との
重複を容易に判断することができる。
【0014】また、本発明の請求項3に係る発明は、請
求項1において、前記判別手段により前記第2の記憶手
段に記憶された動作制限領域の書換えが禁止されたかど
うかを識別するための識別手段を備えたことを特徴とす
る。
【0015】このように構成した請求項3に係る発明で
は、操作者によって入力された動作制限領域の境界が干
渉回避領域と重複し、第2の記憶手段への書換えが禁止
された場合、操作者は、識別手段により書換えができな
かったことを知ることができる。これにより、掘削作業
を実行する前に再度動作制限領域を設定し直すことがで
き、結果として作業効率の向上が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による建設機械の作
業機制御装置の実施の形態を図に基づき説明する。本実
施の形態は、建設機械として油圧ショベルを対象に適用
したものであり、図1は建設機械としての油圧ショベル
の側面図、図2は図1に示した油圧ショベルの平面図、
図3は制御ユニットを含む油圧回路図、図4は制御ユニ
ットのブロック図、図5は本発明による制限領域を設定
する際の処理を説明するための説明図、図6は制御ユニ
ットによる処理の内容を示すフローチャートである。
【0017】図1及び図2に示すように、本実施の形態
における油圧ショベルは、左右一対の履帯1f,1gを
有する走行体1Cと、この走行体1Cの上部に設けられ
運転室3hと旋回体1eとを有する上部体1Bと、ロア
ブーム1a,アッパブーム1d,アーム1b,バケット
1cを有する作業機1Aとから形成されている。履帯1
f,1gは、左右一対の走行モータ3f,3gによって
駆動し、旋回体1eは旋回モータ3eにより走行体1C
に対し旋回動作を行う。また、ロアブーム1aはブーム
シリンダ3aにより旋回体1eに対し上下方向に回動
し、アッパブーム1dはオフセットシリンダ3dにより
ロアブーム1aに対し左右方向に回動し、アーム1bは
アームシリンダ3bによりアッパブーム1dに対し上下
方向に回動し、バケット1cはバケットシリンダ3cに
よりアーム1bに対し上下方向に回動する。
【0018】また、ロアブーム1aの回動角を検出する
ためのブーム角センサ6a、ロアブーム1aの回動角を
検出するためのオフセット角センサ6d、アーム1bの
回動角を検出するためのアーム角センサ6b、バケット
1cの回動角を検出するためのバケット角センサ6c
が、各作業部材の接続部近傍に設けられている。
【0019】図3は本実施の形態における制御ユニット
を含む油圧回路を示す図である。同図に示すように、油
圧アクチュエータとしてのブームシリンダ3a,アーム
シリンダ3b,バケットシリンダ3c,オフセットシリ
ンダ3d,旋回モータ3e,左右の走行モータ3f,3
gと主油圧ポンプ2とを連絡する主管路49上には、主
油圧ポンプ2によって供給される圧油の流れを制御する
油圧制御弁としての流量制御弁10a〜10gが設けら
れている。各流量制御弁10a〜10gはパイロット油
圧駆動式であり、操作装置9a〜9gの操作量に応じた
パイロット圧が各パイロット管路40a−1,40a−
2,41a〜46a,40b〜46bを介し各パイロッ
ト油室50a〜56a,50b〜56bに供給され、こ
の供給されたパイロット圧に応じ動作する。操作装置9
a〜9gは、不図示の減圧弁を有し、その操作量に応じ
てパイロットポンプ8から管路47を介し供給された圧
油を減圧する。
【0020】ブームシリンダ3a駆動用のパイロット管
路40a−2,40b、アームシリンダ3b駆動用のパ
イロット管路41a,41b、及び、オフセットシリン
ダ3d駆動用のパイロット管路43a,43bには、電
磁比例弁11a−1,11a−2,11b−1,11b
−2,11c−1,11c−2がそれぞれ設けられてい
る。また、ブームシリンダ3a駆動用のパイロット管路
40a−1と並列に設けた管路48上には電磁比例弁5
8が設けられ、シャトル弁57によってパイロット管路
40a−1内のパイロット圧と管路48内のパイロット
圧のうち高圧側のパイロット圧が選択され、パイロット
管路40a−2に供給される。これらの電磁比例弁11
a−1〜11c−2,58は、制御ユニット7から出力
される駆動電流によって駆動する。
【0021】制御ユニット7は、角度センサ6a〜6
d、及び、制限領域設定スイッチ12a、領域制限制御
の実行を指示するスイッチ12b、干渉防止制御の実行
を指示するスイッチ12cからの信号に基づき、干渉防
止制御及び領域制限制御に関する演算処理を行う。
【0022】図4は、制御ユニット7の構成を示すブロ
ック図である。
【0023】この制御ユニット7は、姿勢演算部7a,
干渉回避領域記憶部7b,干渉防止制御部7c,制限領
域演算部7d,判定部7e,制限領域記憶部7f,領域
制限制御部7g,出力部7hを有している。
【0024】姿勢演算部7aは、角度センサ6a〜6d
から入力される角度信号に基づき、作業機1Aの所定箇
所、例えば図5に示すバケット1cの先端の座標P0
(X0,Y0)を演算する。
【0025】干渉回避領域記憶部7bは、図5に斜線部
35で示す領域、すなわち、運転室3hの周囲に対し設
定されたバケット1cの侵入を禁止する干渉回避領域3
5を記憶する。
【0026】干渉防止制御部7cは、姿勢演算部7aに
よって算出されたバケット1cの先端座標P0と干渉回
避領域35との相対的な位置関係に基づき、各電磁比例
弁11a−1〜11c−2への駆動信号を演算する。
【0027】制限領域演算部7dは制限領域設定スイッ
チ12aからの設定信号に基づき、例えばバケット1c
の掘削深さに対する動作領域を制限するための制限領域
を演算する。この制限領域は、例えば図5に示す斜線部
36である。
【0028】制限領域記憶部7fは、制限領域演算部7
dによって算出された制限領域36を記憶する。
【0029】判定部7eは、制限領域演算部7dによっ
て算出された制限領域36の境界L1と干渉回避領域3
5とを比較し、制限領域記憶部7fの内容を書き換える
べきかどうかを判断する。
【0030】領域制限制御部7gは、姿勢演算部7aに
よって算出されたバケット1cの先端座標P0と制限領
域36との相対的な位置関係に基づき、各電磁比例弁1
1a−1〜11c−2,58への駆動信号を演算する。
【0031】出力部7hは、干渉防止制御部7cと領域
制限制御部7gによる演算結果に基づき各電磁比例弁1
1a−1〜11c−2,58へ駆動電流を出力する。
【0032】13は、判定部7eによる判定結果、すな
わち制限領域記憶部7fの内容を書き換えるかどうかを
表示する識別手段としてのランプである。
【0033】12bは、領域制限制御の実行を指示する
指示スイッチ、12cは干渉防止制御の実行を指示する
指示スイッチである。
【0034】以上のように構成した本実施の形態による
建設機械の作業機制御装置では、作業者が指示スイッチ
12cの操作により干渉防止制御の実行を指示すると、
角度センサ6a〜6dからの信号に基づき姿勢演算部7
aによりバケット1cの先端座標P0が演算される。
【0035】干渉防止制御部7cは姿勢演算部7aから
バケット1c先端の座標値P0を入力するとともに、干
渉回避領域記憶部7bから設定された干渉回避領域35
を読み込み、バケット1cの先端座標P0と干渉回避領
域35との相対的な位置関係を演算する。この演算の結
果、バケット1cの先端が干渉回避領域35に侵入して
いると判断した場合には、電磁比例弁11a−1〜11
c−2に対しパイロット管路40a−2,40b,41
a,41b,43a,43bを遮断するための信号を出
力する。また、演算の結果、バケット1cの先端と干渉
回避領域35との距離が所定以内の場合には、その距離
に応じて動作中のアクチュエータを減速させるために対
応する電磁比例弁への駆動信号を算出する。この場合、
例えばアーム1bが運転室3h側に動作中(クラウド動
作)であれば電磁比例弁11b−1に対し、スプール開
度が小さくなる(絞り勝手)ための信号を算出する。
【0036】次に、作業者が指示スイッチ12bを操作
し、領域制限制御の実行を指示した場合、領域制限制御
部7gは姿勢演算部7aよりバケット1cの先端座標P
0を入力するとともに制限領域記憶部7fより制限領域
36を読み込み、両者の相対的な位置関係を演算する。
この演算の結果、バケット1cの先端が制限領域36に
侵入していると判断された場合には、電磁比例弁58に
対し、そのスプール開度を大きくするための信号を算出
する。すなわち、強制的にアッパブーム1aを上げ動作
させ、制限領域36から動作可能領域に戻すための信号
を算出する。また、両者の相対距離が所定距離以内に接
近している場合には、制限領域へ近づく側への速度を遅
くするために、例えば電磁比例弁11a−2と電磁比例
弁11b−1に対し、スプール開度が小さくなるための
信号を算出する。すなわち、アッパブーム1aの下げ動
作と、アーム1bのクラウド動作の速度を遅くするため
の信号を算出する。
【0037】出力部7hは、干渉防止制御部7cと、領
域制限制御部7gからの信号を入力し、各電磁比例弁1
1a−1〜11c−2への駆動信号を比較し、スプール
開度をより小さくする値を選択し、対応する電磁比例弁
に対しそれぞれ駆動電流を出力する。電磁比例弁58に
対しては、領域制限制御部7gからの信号に基づく駆動
電流をそのまま出力するようになっている。
【0038】なお、指示スイッチ12b,12cによ
り、干渉防止制御及び領域制限制御のいずれも解除され
た状態では、各電磁比例弁11a−1〜11c−2,5
8に対しスプールが全開となる信号を出力する。これに
より、各流量制御弁10a〜10gは、操作装置9a〜
9gから供給されるパイロット圧に応じ動作する。
【0039】次に、制限領域36を設定する場合の制御
ユニット7の動作について、図5及び図6を参照して説
明する。図5は、地山37を直線L1に沿って掘削する
場合を例示したもので、直線L1よりも下の領域、すな
わち斜線部36が制限領域となる。
【0040】この場合、作業者は最初にバケット1cの
先端を座標P1に位置させ、この状態で制限領域設定ス
イッチ12aを操作する。
【0041】制限領域演算部7dは、図6に示すよう
に、手順S1で制限領域設定スイッチ12aからの信号
を入力すると、手順S2に基づき姿勢演算部7aよりバ
ケット1cの先端座標P1(X1,Y1)を読み込む。
【0042】次に、バケット1cを終点座標P2に位置
させた状態で、再度制限領域設定スイッチ12aを操作
する。制限領域演算部7dは、同様に姿勢演算装置7a
より終点座標P2(X2,Y2)を読み込む。
【0043】判定部7eでは、始点座標P1と終点座標
P2を入力すると、次の手順S3により、干渉回避領域
記憶部7bより干渉回避領域35を読み込む。そして、
この干渉回避領域のX方向(車体前後方向)最大値XA
を求める。
【0044】次の手順S4に移行し、終点座標P2のX
座標値X2と、干渉回避領域におけるX方向最大値XAの
値とを比較し、X2≦XAを満足すると次の手順S5に移
行する。すなわち、制限領域36のX座標が干渉回避領
域35と重複するかどうかを判断し、重複している場合
には次の手順に進み、重複しない場合には手順S9に移
行し、制限領域記憶手段7fへの書込みを許可する。
【0045】手順S5では、手順S2で求められた2つ
の座標値P1,P2より、直線L1の算出を行う。この場
合、直線L1の式は、 Y=(Y1−Y2)・(X−X2)/(X1−X2)+Y2 ……… (1) となる。
【0046】次の手順S6では、(1)式に基づきX=
XAにおける直線L1のY座標値YAを算出する。
【0047】手順S7では、手順S6で求めた座標値Y
Aが、干渉回避領域35の最小値Yminと最大値Ymaxの
間にあるかどうかを判断する。この手順S7において、
Ymin≦YA≦YMAXと判断された場合には、手順S8に
移行する。
【0048】手順S8では、入力された制限領域36の
境界(直線L1)が干渉回避領域35と重複すると判断
し、制限領域記憶部7fへの書込みを禁止するととも
に、ランプ13に対し点灯を指示する信号を出力する。
【0049】なお、手順S7において、Ymin≦YA≦Y
MAXが否定された場合には、干渉回避領域35と制限領
域36の境界とが重複しないものとして手順S9に移行
し、制限領域記憶手段7fへの書込みを許可する。
【0050】そして、手順S9により、制限領域記憶部
7fへの書込みが許可されると、上記した2つの座標P
1,P2を端点とし、直線L1よりも下側の領域、すなわ
ち、図5で示す斜線部36が新たな制限領域36として
制限領域記憶部7fに書込まれる。
【0051】また、手順S8により、制限領域記憶部7
fへの書込みが禁止され、ランプ13に対し点灯を指示
する信号が出力されると、ランプ13が点灯し、作業者
は設定した制限領域36が不適であったことを知ること
ができ、これにより再設定を行うことができる。
【0052】したがって、本実施の形態によれば、制限
領域36の境界L1が干渉回避領域35と重複して設定
されることを防止でき、これにより、作業機1Aと運転
室3hとの干渉を確実に防止することができるととも
に、掘削すべき範囲として設定された制限領域36に対
して違和感なく、かつ、作業効率を低下させることなく
掘削作業を行うことができる。
【0053】また、2つの位置座標P1,P2を入力し、
これら2つの位置座標を結ぶ直線L1を制限領域36の
境界として、制限領域記憶部7fに記憶するようにした
ために、その設定を容易に行うことができるとともに、
干渉回避領域35との重複を容易に判断することができ
る。
【0054】また、判定部7eにより制限領域記憶部7
fに記憶された制限領域36の書込みが禁止されたかど
うかをランプ13によって識別することができる。これ
により、掘削作業を実行する前に再度制限領域36を設
定し直すことができ、結果として作業効率の向上が図れ
る。
【0055】なお、上記実施の形態において、操作装置
9a〜9gが操作手段に、電磁比例弁58が駆動手段
に、電磁比例弁11a−1〜11c−2が減速手段に、
角度センサ6a〜6dが角度検出器に、姿勢演算部7a
が姿勢演算手段に、干渉回避領域記憶部7bが第1の記
憶手段に、干渉防止制御部7cが干渉防止制御手段に、
制限領域設定スイッチ12aが制限領域設定手段に、制
限領域記憶部7fが第2の記憶手段に、領域制限制御部
7gが領域制限制御手段に、判定部7eが判別手段に、
ランプ13が識別手段に相当する。
【0056】また、上記実施の形態では、干渉回避領域
35を直線で囲まれる領域を例示したが、曲線で囲まれ
る領域であっても良い。また、制限領域36を2点の座
標より直線式を求めるようにしたが、複数点を指示し、
これらに基づき近似式を求めるようにしても良い。さら
に、車体に対し、前後方向(X方向)及び高さ方向(Y
方向)について例示したが、左右方向に対して干渉回避
領域35及び制限領域36を設定するようにしても良
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複して設定され
ることを防止でき、これにより、作業機と運転室との干
渉を確実に防止することができるとともに、掘削すべき
範囲として設定された動作制限領域に対して違和感な
く、かつ、作業効率を低下させることなく掘削作業を行
うことができる。
【0058】また、複数の位置座標を入力し、これらの
位置座標を結ぶ線分を動作制限領域の境界として第2の
記憶手段に記憶するようにしたために、その設定を容易
に行うことができるとともに干渉回避領域との重複を容
易に判断することができる。
【0059】また、判別手段により第2の記憶手段に記
憶された動作制限領域の書込みが禁止されたかどうかを
識別手段によって識別することができる。これにより、
掘削作業を実行する前に再度動作制限領域を設定し直す
ことができ、結果として作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される油圧ショベルの側面図であ
る。
【図2】図1に示す油圧ショベルの平面図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルに備えられる本発明に
よる制御ユニットを含む油圧回路図である。
【図4】本発明による制御ユニットのブロック図であ
る。
【図5】本発明における制限領域を設定する際の処理を
説明するための説明図である。
【図6】本発明における制御ユニットによる処理の内容
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A 作業機 1a ロアブーム(可動部材) 1b アーム(可動部材) 1c バケット(可動部材) 1d アッパブーム(可動部材) 1B 上部体(本体) 3a ブームシリンダ(油圧アクチュエータ) 3b アームシリンダ(油圧アクチュエータ) 3c バケットシリンダ(油圧アクチュエータ) 3d オフセットシリンダ(油圧アクチュエータ) 3h 運転室 6a〜6d 角度センサ(角度検出器) 7 制御ユニット 7a 姿勢演算部(姿勢演算手段) 7b 干渉回避領域記憶部(第1の記憶手段) 7c 干渉防止制御部(干渉防止制御手段) 7e 判定部(判別手段) 7f 制限領域記憶部(第2の記憶手段) 7g 領域制限制御部(領域制限制御手段) 9a〜9g 操作装置(操作手段) 10a〜10g 流量制御弁(油圧制御弁) 11a−1〜11c−2 電磁比例弁(減速手段) 12a 制限領域設定スイッチ(制限領域設定手段) 13 ランプ(識別手段) 35 干渉回避領域 36 制限領域(動作制限領域) 58 電磁比例弁(駆動手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室を有する本体と、 この本体に回動可能に連結された複数の関節形可動部材
    からなる作業機と、 前記複数の可動部材をそれぞれ駆動する複数の油圧アク
    チュエータと、 前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流れ
    を制御する複数の油圧制御弁と、 前記複数の可動部材の動作をそれぞれ指示し対応する前
    記油圧制御弁に対し動作信号を出力する複数の操作手段
    と、 前記複数の油圧制御弁のうち所定の可動部材に対応する
    油圧制御弁に対し前記操作手段とは別の動作信号を出力
    する駆動手段と、 前記動作信号を減じる減速手段と、 前記複数の可動部材の相対角度を検出する角度検出器
    と、 この角度検出器の出力信号に基づいて前記作業機の任意
    部位における位置を演算する姿勢演算手段と、 前記本体の周囲に設定された干渉回避領域を記憶する第
    1の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出さ
    れた作業機の任意部位における位置と前記第1の記憶手
    段に記憶された干渉回避領域との相対的な位置関係に基
    づき、前記減速手段に第1の制御信号を出力して作業機
    の動作速度を制御する干渉防止制御手段と、 前記作業機の動作範囲を制限するための動作制限領域を
    入力する制限領域設定手段と、 この制限領域設定手段により設定された前記動作制限領
    域を記憶する第2の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段
    によって算出された作業機の任意部位における位置と前
    記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域との相対的
    な位置関係に基づき前記減速手段及び前記駆動手段に第
    2の制御信号を出力して作業機の動作速度を制御する領
    域制限制御手段とを備えた建設機械の作業機制御装置に
    おいて、 前記制限領域設定手段から新たな動作制限領域が入力さ
    れたとき、この入力された動作制限領域と前記第1の記
    憶手段に記憶されている干渉回避領域とを比較し、動作
    制限領域の境界と前記干渉回避領域とが重複する場合
    に、前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域を書
    き換えることを禁止する判別手段を設けたことを特徴と
    する建設機械の作業機制御装置。
  2. 【請求項2】 前記領域制限制御手段は前記制限領域設
    定手段から複数の位置座標を入力し、これらの位置座標
    を結ぶ線分を動作制限領域の境界として前記第2の記憶
    手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の建設
    機械の作業機制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判別手段により前記第2の記憶手段
    に記憶された動作制限領域の書換えが禁止されたかどう
    かを識別するための識別手段を備えたことを特徴とする
    請求項1に記載の建設機械の作業機制御装置。
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