JPH0953094A - 生分解性ビルダー及びその製造方法 - Google Patents

生分解性ビルダー及びその製造方法

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JPH0953094A
JPH0953094A JP20877995A JP20877995A JPH0953094A JP H0953094 A JPH0953094 A JP H0953094A JP 20877995 A JP20877995 A JP 20877995A JP 20877995 A JP20877995 A JP 20877995A JP H0953094 A JPH0953094 A JP H0953094A
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polymer
group
mol
graft
carboxylic acid
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JP20877995A
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English (en)
Inventor
Seiji Takahashi
誠二 高橋
Shigeru Matsuo
松尾  茂
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する
経済的に有利なビルダー及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)アシル基の炭素数が2〜6の脂肪
族カルボン酸ビニル重合体のケン化率20〜100モル
%のケン化物又は(b)上記ケン化物の水酸基10〜5
0モル%をメチルカルボニルエトキシ基及び/又はビニ
ルカルボニルオキシ基で置換してなる変性体に、エチレ
ン性不飽和結合1個を含む脂肪族カルボン酸をグラフト
共重合させて得られた、グラフト化率50〜800重量
%及び数平均分子量1万〜50万の重合体からなる生分
解性ビルダーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性ビルダー及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する経済的に有
利なビルダー、及びこれを効率よく製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤を主成分とする洗浄剤
においては、該界面活性剤の補助成分としてビルダーを
配合することにより、洗浄性能を高めることが行われて
いる。このビルダーとしては、水に添加した際にアルカ
リ性を示す無機化合物や不飽和脂肪族カルボン酸の重合
体などが知られている。前者の例としては、ナトリウム
やカリウムの炭酸塩,炭酸水素塩,リン酸塩,ポリリン
酸塩,ケイ酸塩あるいはゼオライトなどが挙げられ、後
者の例としては、ポリアクリル酸,ポリマレイン酸,ポ
リイタコン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げら
れる。これらのビルダーの中で、効果,経済性及び作業
性などの面から、従来、主としてリン酸塩、特にトリポ
リリン酸塩が使用されていたが、河川,湖沼などの富栄
養化の問題のため、無リン化が検討され、現在ではリン
酸塩の代わりに合成ゼオライトが主に使用されている。
しかしながら、この合成ゼオライトは水不溶性であるた
め河川や湖沼などに堆積するなどの欠点を有している。
また、ポリアクリル酸,ポリマレイン酸,ポリイタコン
酸及びこれらのアルカリ金属塩などの水溶性有機ビルダ
ーは、生分解性が著しく劣るという問題がある。
【0003】一方、生分解性を向上させた有機系ビルダ
ーとして、生分解性を有する基幹ポリマー、例えばポリ
エチレングリコールやポリオキシエチレンなどの特定の
生分解性高分子化合物(特開平3−177406号公
報,特開平7−53993号公報など)、あるいは各種
糖類(特開昭61−31497号公報,特開平6−29
8866号公報など)に、アクリル酸などの酸官能性モ
ノエチレン系不飽和単量体をグラフト共重合させたもの
が知られている。しかしながら、これらのビルダーは、
キレート能力及び生分解性の両方を、同時に必ずしも充
分に満足しうるものではなく、まだ実用化に至っていな
いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する
経済的に有利なビルダー、及びこれを効率よく製造する
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の基幹ポ
リマーに、エチレン性不飽和結合1個を含む脂肪族カル
ボン酸を所定の割合でグラフト共重合させたものが、キ
レート能力に優れ、かつ生分解性を有し、しかも経済的
にも有利であることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
(a)アシル基の炭素数が2〜6の脂肪族カルボン酸ビ
ニル重合体のケン化率20〜100モル%のケン化物又
は(b)上記ケン化物の水酸基10〜50モル%をメチ
ルカルボニルエトキシ基及び/又はビニルカルボニルオ
キシ基で置換してなる変性体に、エチレン性不飽和結合
1個を含む脂肪族カルボン酸をグラフト共重合させて得
られた、グラフト化率50〜800重量%及び数平均分
子量1万〜50万の重合体からなる生分解性ビルダーを
提供するものである。また、この生分解性ビルダーは、
水性媒体中において、重合開始剤の存在下、(a)上記
ケン化物又(b)上記変性体に、エチレン性不飽和結合
1個を含む脂肪族カルボン酸を、−30〜100℃の温
度でグラフト共重合させることにより、製造することが
できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の生分解性ビルダーは、生
分解性を有する基幹ポリマーに、エチレン性不飽和結合
1個を含む脂肪族カルボン酸をグラフト共重合させて得
られたグラフト共重合体からなるものであって、該基幹
ポリマーとしては、(a)アシル基の炭素数が2〜6の
脂肪族カルボン酸ビニル重合体のケン化物又は(b)こ
のケン化物の変性体が用いられる。上記(a)ポリマー
におけるアシル基の炭素数が2〜6の脂肪族カルボン酸
ビニル重合体としては、例えばポリ酢酸ビニル,ポリプ
ロピオン酸ビニル,ポリ酪酸ビニルなどが挙げられる
が、これらの中で、経済性及び得られるグラフト共重合
体の性能などの点から、特にポリ酢酸ビニルが好適であ
る。本発明においては、(a)ポリマーとして、この脂
肪族カルボン酸ビニル重合体を、ケン化率20〜100
モル%の範囲で部分ケン化又は完全ケン化したものが用
いられる。このケン化率が20モル%未満では、得られ
るグラフト共重合体の生分解性が不充分である。生分解
性の点から、好ましいケン化率は60〜100モル%の
範囲である。また、この(a)ポリマーの数平均分子量
は、得られるグラフト共重合体のキレート能力及び生分
解性などの面から、1万〜30万の範囲が好ましく、特
に2万〜15万の範囲が好適である。この(a)ポリマ
ーは、一般式(I)
【0007】
【化1】
【0008】〔式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基,
xは重合度、aは0.2〜1.0の数(ケン化率×1/10
0)を示す。〕で表すことができる。基幹ポリマーとし
て、このようなポリマーを用いることにより、後述する
ように、主として水酸基が結合している炭素原子にグラ
フトされたグラフト共重合体が得られる。一方、(b)
ポリマーは、上記(a)ポリマーを変性して、その水酸
基10〜50モル%をメチルカルボニルエトキシ基及び
/又はビニルカルボニルオキシ基で置換してなるもの、
すなわち、変性率2〜50モル%の変性体であって、一
般式(II)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、bは0.02〜0.50の数(変性率
×1/100)、Zは−CH2 CH2COCH3 又は−
COCH=CH2 を示し、R,x及びaは上記と同じで
ある。なお、−CH2 CH2 COCH3 及び−COCH
=CH2 は一分子中に同時に含まれていてもよい。〕で
表すことができる。基幹ポリマーとして、このようなポ
リマーを用いることにより、後述するように、主として
Zの位置にグラフトされたグラフト共重合体が得られ
る。変性率が2モル%未満では変性した効果が充分に発
揮されず、また、50モル%を超えると生分解性が低下
する。変性効果、得られるグラフト共重合体のキレート
能力及び生分解性などの面から、好ましい変性率は10
〜30モル%の範囲である。
【0011】この(b)ポリマーの製造方法については
特に制限はなく、様々な方法を用いることができる。次
に、この(b)ポリマーの好適な製造方法について説明
する。まず、Zが−CH2 CH2 COCH3 の場合、例
えば水性媒体中において、水酸化ナトリウムなどのアル
カリの存在下、アシル基の炭素数が2〜6の脂肪族カル
ボン酸ビニル重合体の部分又は完全ケン化物とメチルビ
ニルケトンとを0〜30℃程度の温度で反応させたの
ち、中和後常法に従って生成物を単離することにより、
水酸基の一部がメチルカルボニルエトキシ基で置換され
た変性体が得られる。
【0012】一方、Zが−COCH=CH2 の場合、例
えばジメチルスルホキシドなどの適当な溶媒中におい
て、有機アミンなどの塩化水素捕捉剤の存在下、アシル
基の炭素数が2〜6の脂肪族カルボン酸ビニル重合体の
部分又は完全ケン化物とアクリロイルクロリドとを10
〜80℃程度の温度で反応させたのち、常法に従って生
成物を単離することにより、水酸基の一部がビニルカル
ボニルオキシ基で置換された変性体が得られる。
【0013】本発明においては、基幹ポリマーとしての
上記(a)又は(b)ポリマーにエチレン性不飽和結合
1個を含む脂肪族カルボン酸(以下、エチレン性不飽和
カルボン酸と略称する。)をグラフト共重合させるが、
この際用いられるエチレン性不飽和カルボン酸として
は、例えば一般式(III)
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R1 は水素原子,メチル基又はカ
ルボキシル基,R2 は水素原子,メチル基又は−CH2
−COOHを示す。〕で表される化合物又はその酸無水
物を好ましく挙げることができる。上記一般式(III) で
表される化合物の例としては、アクリル酸,メタクリル
酸,フマル酸,マレイン酸,無水マレイン酸,イタコン
酸,無水イタコン酸,クロトン酸などが挙げられるが、
これらの中で、得られるグラフト共重合体のキレート能
力及び生分解性などの面から、特にアクリル酸が好適で
ある。また、これらは単独で用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0016】このエチレン性不飽和カルボン酸をグラフ
トさせて得られたグラフト共重合体のグラフト化率は5
0〜800重量%の範囲である。このグラフト化率が5
0重量%未満ではキレート能力が不充分であり、また8
00重量%を超えると生分解性が低下する。キレート能
力及び生分解性のバランスの面から、好ましいグラフト
化率は100〜500重量%の範囲であり、特に100
〜300重量%の範囲が好適である。なお、このグラフ
ト化率は、基幹ポリマーに対し、枝ポリマーとして導入
されたエチレン性不飽和カルボン酸重合体の重量割合を
百分率で表したものである。
【0017】また、グラフト共重合体の数平均分子量は
1万〜50万の範囲である。この数平均分子量が1万未
満ではキレート能力が不充分であり、また50万を超え
ると生分解性が低下する。キレート能力及び生分解性の
バランスの面から、好ましい数平均分子量は1万〜30
万の範囲であり、特に2万〜15万の範囲が好適であ
る。なお、この数平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)法により、ポリエチレン
グリコールを標準物質として測定した値である。グラフ
ト共重合させる方法については特に制限はないが、以下
に示すような本発明の方法に従えば、所望のグラフト共
重合体が効率よく得られる。すなわち、水性媒体中にお
いて、重合開始剤の存在下、基幹ポリマーである前記
(a)又は(b)ポリマーに、エチレン性不飽和カルボ
ン酸を−30〜100℃の範囲の温度においてグラフト
共重合させることにより、効率よく所望のグラフト共重
合体を得ることができる。
【0018】この反応において用いられる水性媒体とし
ては、例えば水をはじめ、メタノール,エタノール,n
−プロパノール,イソプロパノールなどの低級アルコー
ル,ジメチルスルホキシド、あるいはこれらの混合物な
どが挙げられる。また、重合開始剤としては、基幹ポリ
マーとして(a)ポリマーを用いる場合には、例えばペ
ルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウ
ムなどの過硫酸塩、あるいは硝酸セリウムアンモニウム
や硫酸セリウムなどのセリウム塩などが好ましく用いら
れる。一方、基幹ポリマーとして、(b)ポリマーで、
Zが−CH2 CH2 COCH3 であるものを用いる場合
には、重合開始剤として紫外線などの活性光線が好まし
く用いられる。さらに、(b)ポリマーで、Zが−CO
CH=CH2 であるものを用いる場合には、重合開始剤
としてレドックス系触媒、例えば過酸化水素などの水溶
性無機過酸化物と、エチレンジアミン四酢酸又はそのナ
トリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと鉄,銅,ク
ロムなどの重金属との錯化合物、スルフィン酸又はその
ナトリウム塩やカリウム塩、L−アスコルビン酸又はそ
のナトリウム塩,カリウム塩,カルシウム塩,ピロリン
酸第一鉄、塩化第一鉄,硫酸第一鉄,硫酸第一鉄アンモ
ニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホ
ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類な
どの水溶性還元剤との組合せが好ましく用いられる。
【0019】また、このグラフト共重合反応における反
応系の固形分濃度は、1〜30重量%程度が反応面から
好ましい。重合温度は−30〜100℃の範囲で選ばれ
る。この温度が−30℃未満では反応速度が遅すぎて実
用的でなく、100℃を超えると副反応の割合が大きく
なって、実用的でない。反応速度及び副反応抑制の面か
ら、好ましい重合温度は20〜60℃の範囲である。ま
た、重合時間は、重合温度及び使用する基幹ポリマー,
グラフトする単量体,重合開始剤の種類などにより左右
され、一概に定めることができないが、通常は5分〜2
0時間、好ましくは10分〜5時間の範囲である。この
ようにして得られたグラフト共重合体においては、例え
ば基幹ポリマーとして、(a)ポリマーを用いた場合、
主として一般式(IV)
【0020】
【化4】
【0021】(式中、kは1以上の整数を示し、R1
びR2 は上記と同じである。)で表される構造単位が導
入される。また、基幹ポリマーとして、Zが−CH2
2 COCH3 である(b)ポリマーを用いた場合、主
として一般式(V)
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1 ,R2 及びkは上記と同じで
ある。)で表される構造単位が導入され、Zが−COC
H=CH2 である(b)ポリマーを用いた場合、主とし
て一般式(VI)
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R1 ,R2 及びkは上記と同じで
ある。)で表される構造単位が導入される。これらの構
造単位の導入割合及びグラフト鎖の重合度などは、使用
する基幹ポリマーの組成、重合条件などによって調整す
ることができる。
【0026】本発明においては、(a)ポリマーとして
部分ケン化物を用いた場合、あるいは(b)ポリマーと
して部分ケン化物から誘導された変性体を用いた場合、
生分解性をさらに向上させる目的で、所望により、グラ
フト共重合終了後に、水酸化ナトリウムなどの塩基性化
合物により加水分解処理を施してもよい。ただし、
(b)ポリマーとして、Zが−COCH=CH2 である
ものを用いた場合、グラフト鎖がエステル結合で基幹ポ
リマーと結合しているので、このグラフト鎖が加水分解
により脱離されないような条件を選ぶことが肝要であ
る。このようにして得られたグラフト共重合体からなる
本発明の生分解性ビルダーは、キレート能力に優れると
ともに、生分解性を有し、洗浄剤ビルダーとして好適に
用いられ、また分散剤などとしても有用である。洗浄剤
に本発明の生分解性ビルダーを用いる場合、該ビルダー
と併用する界面活性成分としては、例えば陰イオン性界
面活性剤,陽イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性
剤,両性界面活性剤などが挙げられる。
【0027】ここで、陰イオン性界面活性剤としては、
例えば脂肪酸石ケン,アルキルエーテルカルボン酸塩,
N−アシルアミノ酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸
塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスル
ホコハク酸エステル塩,α−オレフィンスルホン酸塩,
高級アルコール硫酸エステル塩,アルキルエーテル硫酸
塩,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩,脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩,アル
キルエーテルリン酸エステル塩,アルキルリン酸エステ
ル塩などが、陽イオン性界面活性剤としては、例えば脂
肪族アミン塩,脂肪族四級アンモニウム塩,ベンザルコ
ニウム塩,塩化ベンゼトニウム,ピリジニウム塩,イミ
ダゾリニウム塩などが、非イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー,ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンヒマシ油,ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール
脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル,脂肪酸モノグリセリド,ポリグリセリン脂肪酸エス
テル,ソルビタン脂肪酸エステル,脂肪酸アルカノール
アミド,ポリオキシエチレン脂肪酸アミド,ポリオキシ
エチレンアルキルアミン,アルキルアミンオキシドなど
が、両性界面活性剤としては、例えばカルボキシベタイ
ン型化合物,アミノカルボン酸塩,イミダゾリニウムベ
タインなどが挙げられる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、重合体の数平均分子量,Caイ
オンキレート能及び生分解率は、以下の方法により求め
た。 (1)数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により、ポリエチレングリコールを標準物質として測定
した。 (2)Caイオンキレート能 50ミリリットルビーカーに、ポリマー10mgを入
れ、さらに塩化カルシウム0.001モル/リットルと塩
化カリウム0.08モル/リットルとを含有する水溶液5
0ミリリットルを入れ、25℃の恒温槽中で混合し、水
溶液中の二価のCaイオン濃度をイオンメーターにより
測定した。Caイオンキレート能は、ポリマー100g
によってキレートされたCaイオン量(g/100g)
として表した。 (3)生分解率 生物化学的酸素要求量(BOD)は、JIS規格K01
02−1993に準じて25℃で14日間攪拌させた際
に消費される溶存酸素の量から求め、次式に従って生分
解率を算出した。 生分解率(%)=(BOD/TOD)×100 BOD:試料の生物化学的酸素要求量 TOD:試料の理論的酸素要求量
【0029】実施例1 1リットルフラスコに、水500g及び数平均分子量1
5万のポリビニルアルコール(ケン化率80モル%;ビ
ニルアルコール単位80モル%,酢酸ビニル単位20モ
ル%)50gを入れ溶解したのち、ペルオキソ二硫酸カ
リウム10gとアクリル酸100gを加え、40℃で6
0分間反応を行った。反応終了後、ポリマーを溶剤沈殿
法により回収し、さらに交互抽出法によりグラフト共重
合体を単離したのち、凍結乾燥によりアクリル酸グラフ
ト共重合体135gを得た。この共重合体は、 1H−N
MR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)の測定により、
3〜4ppmにグラフト鎖のポリアクリル酸の吸収が、
またIR(赤外吸収スペクトル)の測定により、171
8cm-1及び1274cm-1にカルボキシル基の吸収が
認められ、さらに元素分析により、式(VII)で表される
構造を有することが分かった。
【0030】
【化7】
【0031】このアクリル酸グラフト共重合体は、数平
均分子量が28万であり、グラフト化率が170重量%
であった。このもののCaイオンキレート能及び生分解
率を第1表に示す。
【0032】実施例2 実施例1において、数平均分子量26000、ケン化率
80モル%(ビニルアルコール単位80モル%,酢酸ビ
ニル単位20モル%)のポリビニルアルコールを用いた
以外は、実施例1と同様にしてアクリル酸グラフト共重
合体を得た。このグラフト共重合体の性状を第1表に示
す。
【0033】実施例3 実施例1において、数平均分子量22000、ケン化率
100モル%(ビニルアルコール単位100モル%)の
ポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様
にしてアクリル酸グラフト共重合体を得た。このグラフ
ト共重合体の性状を第1表に示す。
【0034】実施例4 実施例1において、数平均分子量9000、ケン化度1
00%のポリビニルアルコール50g及びペルオキソ二
硫酸カリウム20gを用いた以外は、実施例1と同様に
してアクリル酸グラフト共重合体を得た。また、この共
重合体のIRの測定結果により、ポリビニルアルコール
の2級水酸基が酸化され部分的にカルボニル基に変性し
ていることが分かった。このグラフト共重合体の性状を
第1表に示す。
【0035】実施例5 (1)ポリビニルアルコールの変性 滴下ロートを装着した1リットルフラスコに、水600
g及びポリビニルアルコール(数平均分子量2200
0,ケン化率100モル%)50gを入れ、溶解したの
ち、水酸化ナトリウム2.0gを加えた。次いで、滴下ロ
ートからメチルビニルケトン100ミリリットルを滴下
しながら、5℃で反応を行った。3時間反応したのち、
酢酸水溶液で中和し、これをアセトンで再沈殿すること
により、式(VIII)
【0036】
【化8】
【0037】で表されるメチルカルボニルエチル基が導
入されたポリビニルアルコール変性体が得られた。変性
率は21モル%であった。 (2)グラフト共重合 500ミリリットルフラスコに、水400g及び上記
(1)で得られたポリビニルアルコール変性体20gと
アクリル酸40gを加え、高圧水銀ランプ(250〜4
00nm)を照射しながら、20℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、ポリマーを溶剤沈殿法により回収し、
アクリル酸グラフト共重合体を得た。このアクリル酸グ
ラフト共重合体は、 1H−NMR及びIRの測定、元素
分析結果から、式(IX)
【0038】
【化9】
【0039】で表される構造を有するものであった。こ
のグラフト共重合体の数平均分子量は30000、グラ
フト化率は135重量%であった。このもののCaイオ
ンキレート能及び生分解率を第1表に示す。
【0040】実施例6 (1)ポリビニルアルコールの変性 1リットルフラスコに、ジメチルスルホキシド600
g,ポリビニルアルコール(数平均分子量22000,
ケン化率100モル%)50g,アクリロイルクロリド
10ミリリットル及びピリジン10ミリリットルを加
え、50℃で3時間反応を行った。反応終了後、反応混
合物を溶剤沈殿法により回収し、式(X)
【0041】
【化10】
【0042】で表されるビニルカルボニル基が導入され
たポリビニルアルコール変性体が得られた。変性率は1
7モル%であった。 (2)グラフト共重合 500ミリリットルフラスコに、水400g,上記
(1)で得られたポリビニルアルコール変性体20g,
アクリル酸40g及び触媒として過酸化水素2.0gと塩
化第一鉄20mgを加え、40℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、ポリマーを溶剤沈殿法により回収し、
アクリル酸グラフト共重合体を得た。このアクリル酸グ
ラフト共重合体は、 1H−NMR及びIRの測定、元素
分析結果から、式(XI)
【0043】
【化11】
【0044】で表される構造を有するものであった。こ
のグラフト共重合体の数平均分子量は53000、グラ
フト化率は170重量%であった。このもののCaイオ
ンキレート能及び生分解率を第1表に示す。
【0045】実施例7 1リットルフラスコに、0.2N水酸化ナトリウム水溶液
300ミリリットル,メタノール300ミリリットル及
び実施例2で得られたアクリル酸グラフト共重合体20
gを加え、常温で3時間ケン化反応を行った。反応終了
後、ケン化したポリマーを溶剤沈殿法により回収し、グ
ラフト共重合体を得た。このものの性状を第1表に示
す。
【0046】比較例1〜3 実施例1で用いたポリビニルアルコール(比較例1),
実施例3で用いたポリビニルアルコール(比較例2)及
び数平均分子量29000のポリアクリル酸(比較例
3)のCaイオンキレート能及び生分解率を第1表に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の生分解性ビルダーは、キレート
能力に優れ、かつ生分解性を有し、しかも経済的に有利
であり、洗浄剤ビルダーとして好適に用いられる。ま
た、本発明の方法によれば、該生分解性ビルダーを、簡
単なプロセスで効率よく製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アシル基の炭素数が2〜6の脂肪
    族カルボン酸ビニル重合体のケン化率20〜100モル
    %のケン化物又は(b)上記ケン化物の水酸基10〜5
    0モル%をメチルカルボニルエトキシ基及び/又はビニ
    ルカルボニルオキシ基で置換してなる変性体に、エチレ
    ン性不飽和結合1個を含む脂肪族カルボン酸をグラフト
    共重合させて得られた、グラフト化率50〜800重量
    %及び数平均分子量1万〜50万の重合体からなる生分
    解性ビルダー。
  2. 【請求項2】 アシル基の炭素数が2〜6の脂肪族カル
    ボン酸ビニル重合体がポリ酢酸ビニルである請求項1記
    載の生分解性ビルダー。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和結合1個を含む脂肪族
    カルボン酸がアクリル酸である請求項1記載の生分解性
    ビルダー。
  4. 【請求項4】 水性媒体中において、重合開始剤の存在
    下、(a)アシル基の炭素数が2〜6の脂肪族カルボン
    酸ビニル重合体のケン化率20〜100モル%のケン化
    物又は(b)上記ケン化物の水酸基10〜50モル%を
    メチルカルボニルエトキシ基及び/又はビニルカルボニ
    ルオキシ基で置換してなる変性体に、エチレン性不飽和
    結合1個を含む脂肪族カルボン酸を、−30〜100℃
    の温度でグラフト共重合させることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の生分解性ビルダーの製造方法。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合させたのち、得られた重
    合体を塩基性化合物により加水分解する請求項4記載の
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035633A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Kao Corp 高分子ビルダー

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