JP2003286344A - ポリアルキレンイミン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアルキレンイミン誘導体およびその製造方法

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JP2003286344A JP2002092834A JP2002092834A JP2003286344A JP 2003286344 A JP2003286344 A JP 2003286344A JP 2002092834 A JP2002092834 A JP 2002092834A JP 2002092834 A JP2002092834 A JP 2002092834A JP 2003286344 A JP2003286344 A JP 2003286344A
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卓哉 佐伯
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義一 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば洗剤組成物等の用途において優れた性
能を発揮しうる新規なポリアルキレンイミン誘導体およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリアルキレンイミン誘導体は、ポリア
ルキレンイミン鎖に2種以上の不飽和カルボン酸が付加
したものである。ポリアルキレンイミン誘導体の製造方
法は、ポリアルキレンイミンと2種以上の不飽和カルボ
ン酸とを反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば洗剤組成物
等の用途において優れた性能を発揮しうる新規なポリア
ルキレンイミン誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ポリアルキレンイミン鎖に不
飽和カルボン酸が付加したポリマーとしては、特公昭4
8−20203号公報に、洗剤成分として、ポリエチレ
ンイミンのアミノ基の一部がカルボン酸によってアルキ
ル化されたN−アルキルカルボン酸−エチレンイミンポ
リマーが開示されているのみである。該公報において開
示されているポリマーに用いられているカルボン酸は1
種のみであり、2種以上の異なるカルボン酸がポリアル
キレンイミン鎖に付加したポリマーについては報告され
た例はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、例
えば洗剤組成物等の用途において優れた性能を発揮しう
る新規なポリアルキレンイミン誘導体およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるポリアル
キレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミン鎖に2種
以上の不飽和カルボン酸が付加したものである。本発明
にかかるポリアルキレンイミン誘導体の製造方法は、ポ
リアルキレンイミンと2種以上の不飽和カルボン酸とを
反応させる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリアルキレンイミン誘
導体は、ポリアルキレンイミン鎖に2種以上の不飽和カ
ルボン酸が付加したものである。本発明における前記ポ
リアルキレンイミン鎖としては、例えば、ポリエチレン
イミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミ
ンが挙げられる。これらは1種のみであってもよいし2
種以上であってもよい。前記ポリアルキレンイミンの重
量平均分子量は、300〜500,000であることが
好ましく、工業的には、500〜300,000である
ことがより好ましく、1,000〜100,000であ
ることがさらに好ましい。ポリアルキレンイミンの重量
平均分子量が大きすぎると、不飽和カルボン酸の反応率
が低下する傾向があり、一方、小さすぎると、例えば洗
剤組成物等の用途において優れた性能を発現し得ない恐
れがある。
【0006】本発明における前記不飽和カルボン酸とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−ヒドロ
キシアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
クロトン酸、シトラコン酸およびこれらの塩等が挙げら
れ、2種以上の不飽和カルボン酸はこれらの中から異な
る2種以上を選択すればよい。前記塩としては、ナトリ
ウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム
塩やカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩、エタノールアミンやトリエチルアミン等の有機ア
ミン塩等が挙げられる。なお、2種以上の不飽和カルボ
ン酸のうちの各不飽和カルボン酸の割合は、特に制限さ
れるものではなく、例えば、2種以上の不飽和カルボン
酸のなかで最も割合の少ない不飽和カルボン酸が、2種
以上の不飽和カルボン酸全量に対して1モル%以上、好
ましくは5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以
上であるのがよい。
【0007】本発明においては、前記2種以上の不飽和
カルボン酸(塩)がアクリル酸(塩)とマレイン酸
(塩)であることが、合成のし易さ等の点から好まし
い。また、このとき、アクリル酸(塩)とマレイン酸
(塩)の比率は、アクリル酸(塩):マレイン酸(塩)
=1:99〜99:1(モル比)であることが好まし
い。より好ましくはアクリル酸(塩):マレイン酸
(塩)=5:95〜95:5(モル比)、さらに好まし
くはアクリル酸(塩):マレイン酸(塩)=10:90
〜90:10(モル比)であるのがよい。前記ポリアル
キレンイミン鎖に対する前記2種以上の不飽和カルボン
酸の合計付加量は、ポリアルキレンイミン鎖中の全窒素
原子の1〜80%に不飽和カルボン酸が付加しているこ
とが好ましい。より好ましくは、ポリアルキレンイミン
鎖中の全窒素原子の5〜70%に不飽和カルボン酸が付
加しているのがよく、さらに好ましくは、ポリアルキレ
ンイミン鎖中の全窒素原子の10〜60%に不飽和カル
ボン酸が付加しているのがよい。2種以上の不飽和カル
ボン酸の合計付加量が多すぎると、残存する不飽和カル
ボン酸の量が多くなる傾向があり、一方、少なすぎる
と、例えば洗剤組成物等の用途において優れた性能を発
現し得ない恐れがある。
【0008】本発明のポリアルキレンイミン誘導体にお
いては、付加した前記不飽和カルボン酸の一部もしくは
全部が中和されてカルボン酸塩の形になっていてもよ
い。中和されている場合の塩としては、前述の不飽和カ
ルボン酸塩と同様のものが挙げられる。本発明のポリア
ルキレンイミン誘導体の製造方法は、ポリアルキレンイ
ミンと2種以上の不飽和カルボン酸とを反応させるもの
である。具体的には、前記ポリアルキレンイミンに前記
2種以上の不飽和カルボン酸をマイケル付加させればよ
い。なお、マイケル付加反応において用いる前記ポリア
ルキレンイミンと前記不飽和カルボン酸との使用割合
は、得られるポリアルキレンイミン誘導体のポリアルキ
レンイミン鎖に対する2種以上の不飽和カルボン酸の合
計付加量が前記範囲になるように、適宜設定すればよ
い。
【0009】前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カ
ルボン酸をマイケル付加させる際の付加方法としては、
特に制限はないが、溶液反応が好ましく、この場合、攪
拌下、静置下のいずれでもよい。前記溶液反応の際の溶
媒は、水系溶媒が好ましく、さらに好ましくは水である
のがよい。また、水系溶媒以外の溶媒を10重量%以下
の範囲で適宜加えてもよい。水系溶媒としては、具体的
には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のア
ミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類;等から1種または2種以上を適宜選択して用いるこ
とができる。
【0010】前記溶液反応を行う際の原料濃度は、特に
限定されないが、反応時間の短縮化という観点からは、
前記ポリアルキレンイミンと不飽和カルボン酸との合計
量が、10〜90重量%となるようにすることが好まし
く、20〜80重量%となるようにすることがより好ま
しく、30〜70重量%となるようにすることがさらに
好ましい。前記溶液反応を行う際の反応溶液のpHは、
特に限定されないが、マイケル付加反応では一般的にp
Hが高い方が反応性がよいので、原料の溶解性にもよる
が、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、さらに
好ましくは10以上とするのがよい。pHの調整は、例
えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、エタノー
ルアミンやトリエチルアミン等の有機アミン等で行うの
が好ましく、アルカリ金属水酸化物を用いるのが特に好
ましい。
【0011】前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カ
ルボン酸をマイケル付加させる際には、前記ポリアルキ
レンイミンと前記2種以上の不飽和カルボン酸とを全て
一括仕込みしてもよいし、いずれかを初期仕込みして残
りを滴下するようにしてもよいし、全てを滴下してもよ
い。好ましくは、ジカルボン酸等の反応性が比較的低い
不飽和カルボン酸を用いる場合には、これらは初期仕込
みしておくのがよい。前記ポリアルキレンイミンに前記
不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際には、触媒は
基本的に不要であるが、必要に応じて反応に悪影響を及
ぼさないものであれば適宜使用してもよい。
【0012】前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カ
ルボン酸をマイケル付加させる際には、重合禁止剤を用
いてもよい。特に、重合性の高い不飽和カルボン酸を用
いる場合には、重合禁止剤を用いることが好ましい。重
合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、メトキノ
ン、フェノチアジン等が挙げられる。前記ポリアルキレ
ンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる
際の反応温度は、特に制限されないが、20〜120℃
とすることが好ましい。特に、例えばアクリル酸等の重
合性の高い不飽和カルボン酸を用いる場合は、重合によ
る副反応を抑制するためには低い温度の方が好ましく、
例えば、20〜80℃とすることが好ましく、20〜6
0℃とすることがより好ましい。一方、ジカルボン酸等
の反応性が比較的低い不飽和カルボン酸を用いる場合
は、反応を速めるために高い温度の方が好ましく、例え
ば、50〜120℃とすることが好ましく、60〜12
0℃とすることがより好ましい。
【0013】前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カ
ルボン酸をマイケル付加させる際の反応時間は、特に制
限されないが、10分間〜50時間とすることが好まし
く、15分間〜40時間とすることがより好ましく、3
0分間〜30時間とすることがさらに好ましい。前記ポ
リアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル
付加させる際、例えばアクリル酸等の重合性の高い不飽
和カルボン酸を用いる場合には、重合反応を抑制するた
めに空気雰囲気下で反応を行うことが好ましく、また、
得られるポリマーの着色を抑えるためには窒素雰囲気下
で反応を行うことが好ましいので、重合体の使用目的に
応じて適宜設定すればよい。なお、反応は、常圧(大気
圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
【0014】前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カ
ルボン酸をマイケル付加させる際には、前記不飽和カル
ボン酸は、未中和の形で反応させてもよいし、一部もし
くは全部が中和された形で反応させてもよい。また、マ
イケル付加後に中和してもよく、この場合には、例え
ば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等
のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、エタノール
アミンやトリエチルアミン等の有機アミン等を用いれば
よい。本発明のポリアルキレンイミン誘導体の重量平均
分子量は、500〜500,000であることが好まし
く、より好ましくは1,000〜300,000、さら
に好ましくは2,000〜100,000であるのがよ
い。重量平均分子量が大きすぎると、取扱いが煩雑とな
る恐れがあり、一方、小さすぎると、例えば洗剤組成物
等の用途において優れた性能を発現し得ない恐れがあ
る。
【0015】本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、
例えば洗剤組成物等の用途において優れた性能を発揮す
るものであり、具体的には、優れた再汚染防止能等を発
揮するものである。
【0016】
【実施例】以下、実施例によりさらに詳細に本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例で得られたポリマーのゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)分析は、下記の条件で測
定した。 装置:日立社製L-7000シリーズ 検出器:RI、UV(254nm) カラム:SHODEX社製 SB-G+SB-804HQ+SB-803HQ+SB-8
02.5HQ カラム温度:40℃ 検量線:ジーエルサイエンス社製 POLYETHYLENE OXIDE
STANDARD GPCソフト:日本分光社製「BORWIN」 溶離液:0.5M酢酸+0.5M酢酸ナトリウム 流速:0.8ml/min 〔実施例1〕温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器
に、重量平均分子量3600のポリエチレンイミン20
gを仕込み、純水25.6gを加えて溶解させた。他
方、48%水酸化ナトリウム水溶液6.8gと純水4g
とを混合し、37%アクリル酸ナトリウム水溶液7.9
gを加えた後、氷冷しながら無水マレイン酸4.0gを
徐々に加えて溶解させ、アクリル酸・マレイン酸塩水溶
液を調製した。このアクリル酸・マレイン酸塩水溶液
を、反応器に仕込んだポリエチレンイミン水溶液に、攪
拌下に室温で滴下した。滴下終了後、混合物を80℃に
昇温して24時間反応させ、アクリル酸およびマレイン
酸がポリエチレンイミンにマイケル付加したポリエチレ
ンイミン誘導体を得た。
【0017】得られたポリエチレンイミン誘導体の一部
を室温下で減圧乾燥させて得た白色固体を、重水に溶解
させ1H−NMRを測定したところ、以下の通りであっ
た。1 H−NMR(δinD2O):2.1〜2.4ppm(4.
7H)、2.5ppm(82.7H)、3.25ppm(1
H) この結果から、得られたポリエチレンイミン誘導体は、
ポリエチレンイミンの全窒素原子の7%にアクリル酸
が、5%にマレイン酸が、それぞれ付加したものである
ことが明らかであった。また、GPC分析結果から、重
量平均分子量は3800、未反応の残存マレイン酸二ナ
トリウムは3.5重量%、残存アクリル酸ナトリウムは
検出限界以下であり、得られたポリエチレンイミン誘導
体の有効成分濃度は38.5重量%であった。
【0018】〔実施例2〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミン16gと純水19.1gとを反応器に
仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液11g、純水4
g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液12.7g、無
水マレイン酸6.4gを用いてアクリル酸・マレイン酸
塩水溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様に反応
を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエチレンイ
ミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘導体を得
た。得られたポリエチレンイミン誘導体について実施例
1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエチレンイ
ミンの全窒素原子の13%にアクリル酸が、9%にマレ
イン酸が、それぞれ付加したものであり、重量平均分子
量は4000、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは
6.5重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検出限界以
下であり、得られたポリエチレンイミン誘導体の有効成
分濃度は37.2重量%であった。
【0019】〔実施例3〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミン12gと純水12.7gを反応器に仕
込み、48%水酸化ナトリウム水溶液16.4g、純水
4g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液19.1g、
マレイン酸11.3gを用いてアクリル酸・マレイン酸
塩水溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様に反応
を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエチレンイ
ミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘導体を得
た。得られたポリエチレンイミン誘導体について実施例
1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエチレンイ
ミンの全窒素原子の26%にアクリル酸が、11%にマ
レイン酸が、それぞれ付加したものであり、重量平均分
子量は4500、未反応の残存マレイン酸二ナトリウム
は13.3重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検出限
界以下であり、得られたポリエチレンイミン誘導体の有
効成分濃度は32.3重量%であった。
【0020】〔実施例4〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200の
ポリエチレンイミンを用いたこと以外は、実施例1と同
様に反応を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエ
チレンイミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘
導体を得た。得られたポリエチレンイミン誘導体につい
て実施例1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエ
チレンイミンの全窒素原子の7%にアクリル酸が、6%
にマレイン酸が、それぞれ付加したものであり、重量平
均分子量は2400、未反応の残存マレイン酸二ナトリ
ウムは2.7重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検出
限界以下であり、得られたポリエチレンイミン誘導体の
有効成分濃度は39.4重量%であった。
【0021】〔実施例5〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200の
ポリエチレンイミンを用いたこと以外は、実施例2と同
様に反応を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエ
チレンイミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘
導体を得た。得られたポリエチレンイミン誘導体につい
て実施例1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエ
チレンイミンの全窒素原子の3%にアクリル酸が、11
%にマレイン酸が、それぞれ付加したものであり、重量
平均分子量は2700、未反応の残存マレイン酸二ナト
リウムは4.8重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検
出限界以下であり、得られたポリエチレンイミン誘導体
の有効成分濃度は39.0重量%であった。
【0022】〔実施例6〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500の
ポリエチレンイミンを用いたこと以外は、実施例2と同
様に反応を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエ
チレンイミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘
導体を得た。得られたポリエチレンイミン誘導体につい
て実施例1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエ
チレンイミンの全窒素原子の13%にアクリル酸が、6
%にマレイン酸が、それぞれ付加したものであり、重量
平均分子量は11400、未反応の残存マレイン酸二ナ
トリウムは9.0重量%、残存アクリル酸ナトリウムは
0.2重量%であり、得られたポリエチレンイミン誘導
体の有効成分濃度は34.9重量%であった。
【0023】〔実施例7〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミン16gと純水16gを反応器に仕込
み、48%水酸化ナトリウム水溶液20.6g、純水1
3.6g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液1.7
g、無水マレイン酸12.1gを用いてアクリル酸・マ
レイン酸塩水溶液を調製したこと以外は、実施例1と同
様に反応を行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエ
チレンイミンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘
導体を得た。得られたポリエチレンイミン誘導体につい
て実施例1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエ
チレンイミンの全窒素原子の2%にアクリル酸が、17
%にマレイン酸が、それぞれ付加したものであり、重量
平均分子量は4200、未反応の残存マレイン酸二ナト
リウムは10.7重量%、残存アクリル酸ナトリウムは
検出限界以下であり、得られたポリエチレンイミン誘導
体の有効成分濃度は32.8重量%であった。
【0024】〔実施例8〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミン20gと純水16gを反応器に仕込
み、48%水酸化ナトリウム水溶液2.7g、純水4.
2g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液38g、無水
マレイン酸1.6gを用いてアクリル酸・マレイン酸塩
水溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様に反応を
行い、アクリル酸およびマレイン酸がポリエチレンイミ
ンにマイケル付加したポリエチレンイミン誘導体を得
た。得られたポリエチレンイミン誘導体について実施例
1と同様に分析したところ、該誘導体はポリエチレンイ
ミンの全窒素原子の32%にアクリル酸が、2%にマレ
イン酸が、それぞれ付加したものであり、重量平均分子
量は4300、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは
1.4重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検出限界以
下であり、得られたポリエチレンイミン誘導体の有効成
分濃度は42.8重量%であった。
【0025】〔実施例9〕重量平均分子量3600のポ
リエチレンイミン12gと純水8.3gを反応器に仕込
み、48%水酸化ナトリウム水溶液3.7g、37%ア
クリル酸ナトリウム水溶液52.1g、無水マレイン酸
2.2gを用いてアクリル酸・マレイン酸塩水溶液を調
製したこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、アク
リル酸およびマレイン酸がポリエチレンイミンにマイケ
ル付加したポリエチレンイミン誘導体を得た。得られた
ポリエチレンイミン誘導体について実施例1と同様に分
析したところ、該誘導体はポリエチレンイミンの全窒素
原子の70%にアクリル酸が、2%にマレイン酸が、そ
れぞれ付加したものであり、重量平均分子量は490
0、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは3.0重量
%、残存アクリル酸ナトリウムは1.2重量%であり、
得られたポリエチレンイミン誘導体の有効成分濃度は3
9.9重量%であった。
【0026】〔比較例1〕温度計、攪拌機を備えたガラ
ス製の反応器に、重量平均分子量3600のポリエチレ
ンイミン15gを仕込み、純水25.6gを加えて溶解
させた。このポリエチレンイミン水溶液に37%アクリ
ル酸ナトリウム水溶液62.1gを攪拌下に室温で滴下
した。滴下終了後、混合物を50℃に昇温して24時間
反応させ、アクリル酸がポリエチレンイミンにマイケル
付加した比較用のポリエチレンイミン誘導体を得た。得
られたポリエチレンイミン誘導体について実施例1と同
様に分析したところ、該誘導体はポリエチレンイミンの
全窒素原子の62%にアクリル酸が付加したものであ
り、重量平均分子量は5000、未反応の残存アクリル
酸ナトリウムは2.4重量%であり、得られたポリエチ
レンイミン誘導体の有効成分濃度は34.5重量%であ
った。
【0027】〔参考例〕上記実施例3、4、6〜8およ
び比較例1で得られたポリエチレンイミン誘導体を洗剤
ビルダーとして用いたときの再汚染防止性能を、以下の
ように評価した。結果を表1に示す。なお、比較とし
て、洗剤ビルダー(ポリエチレンイミン誘導体)を用い
ない場合についても同様に評価した。 <再汚染防止能>洗剤ビルダー(ポリエチレンイミン誘
導体)を有効成分換算で17.5ppm含む洗剤水溶液
を、下記洗剤配合で、界面活性剤(SFT−70H、ネ
オペレックスF−25)濃度が350ppmになるよう
に調製した。 (洗剤配合) 非イオン界面活性剤(SFT‐70H)注1):10g アニオン界面活性剤(ネオヘ゜レックスF-25)注2):40g
(有効成分10g) ジエタノールアミン:2.5g エタノール:2.5g プロピレングリコール:2.5g 水:42.5g 注1)SFT-70H:ホ゜リオキシエチレンアルキルエーテル「ソフタノール70H」日本
触媒製 注2)ネオヘ゜レックスF-25:ト゛テ゛シルヘ゛ンセ゛ンスルホン酸ナトリウム「ネオヘ゜レ
ックスF-25」花王製 次に、綿布(JIS−L0803綿布(金巾3号))を
5cm×5cmに裁断した白布8枚を用意した。そし
て、前記洗剤水溶液1Lに、クレー(試験用ダスト11
種(関東ローム、超微粒)日本粉体工業技術協会)0.
5gと白布8枚とを加え、ターゴトメータを用いて、洗
濯時間10分(ターゴトメータ100rpm)、濯ぎ時
間2分(ターゴトメータ100rpm)で、洗濯・濯ぎ
を3回繰り返した後、布をアイロンで乾燥させた。な
お、使用した水の硬度は50ppm(炭酸カルシウム換
算)、水温は25℃であった。
【0028】上記試験前の白布(原布)および試験後の
白布(汚染布)の反射率(ハンター白色度)を色差計(日
本電色工業株式会社製「SE2000」)にて測定し、
原布および汚染布それぞれ8枚の平均値を算出し、該平
均値を用いて次式によって再汚染防止率を求め、再汚染
防止能を評価した。 再汚染防止率(%)=(汚染布の反射率/原布の反射
率)×100
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明におけるポリアルキレンイミン誘
導体は、例えば洗剤組成物等の用途において優れた性能
を発揮するものであり、具体的には、優れた再汚染防止
能等を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 義一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 山口 繁 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4H003 DA01 EB28 EB30 EB32 FA06 FA07 4J043 PA01 PA02 PC066 PC106 RA08 UA761 YB08 YB19 YB24 YB50 ZA01 ZB06 ZB60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアルキレンイミン鎖に2種以上の不飽
    和カルボン酸が付加した、ポリアルキレンイミン誘導
    体。
  2. 【請求項2】ポリアルキレンイミン鎖中の全窒素原子の
    1〜80%に不飽和カルボン酸が付加した、請求項1に
    記載のポリアルキレンイミン誘導体。
  3. 【請求項3】前記2種以上の不飽和カルボン酸がアクリ
    ル酸(塩)とマレイン酸(塩)である、請求項1または
    2に記載のポリアルキレンイミン誘導体。
  4. 【請求項4】前記アクリル酸(塩)とマレイン酸(塩)
    の比率が、アクリル酸(塩):マレイン酸(塩)=1:
    99〜99:1(モル比)である、請求項3に記載のポ
    リアルキレンイミン誘導体。
  5. 【請求項5】重量平均分子量が500〜500,000
    である、請求項1から4までのいずれかに記載のポリア
    ルキレンイミン誘導体。
  6. 【請求項6】ポリアルキレンイミンと2種以上の不飽和
    カルボン酸とを反応させる、ポリアルキレンイミン誘導
    体の製造方法。
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