【発明の詳細な説明】発明の名称
エンケファリナーゼ阻害剤として有用な新規なインダン-2-メルカプトアセチ
ルアミドジスルフィド誘導体類
発明の背景
エンケファリナーゼ、又はより特定的にはエンドペプチダーゼ-24.11は、ある
循環性調節ペプチド類の代謝的分解に関与している哺乳類のエクトエンザイム(
細胞表層にあり活性部位を細胞外に向けている酵素)である。Zn+2金属ペプチダ
ーゼであるこの酵素は、疎水性残基のアミノ基において細胞外ペプチド類を切断
することによってその効果を発揮し、調節メッセンジャーとしてのペプチド類を
不活性化する。
エンケファリナーゼは、β-エンドルフィンやエンケファリン類のようなエン
ドルフィン類、心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide,
ANP)、及びその他の循環性調節ペプチド類を含めた種々の循環性調節ペプチド
類の代謝的分解に関与している。
エンドルフィン類は天然のポリペプチド類であり、脳のさまざまな領域でアヘ
ン受容体に結合し、苦痛域値を上げることで鎮痛効果を与える。エンドルフィン
類はα-エンドルフィン、β-エンドルフィン、γ-エンドルフィン、並びにエン
ケファリン類を含めた種々の形で存在する。エンケファリン類、すなわちMet-エ
ンケファリンと
Leu-エンケファリンは、脳組織の神経終末部、脊髄、及び胃腸管に存在するペン
タペプチド類である。他のエンドルフィン類のように、エンケファリン類は脳の
アヘン受容体に結合することにより、鎮痛効果を与える。エンケファリナーゼを
阻害することで、天然のエンドルフィン類とエンケファリン類の代謝的分解が抑
制され、それによってエンドルフィンやエンケファリンで媒介される強力な鎮痛
効果を提供する。従って、エンケファリナーゼの阻害は、急性又は慢性の痛みに
悩む患者に有用である。エンケファリナーゼの阻害はまた、抗うつ効果の提供や
、アヘン又はモルヒネ投与停止と関連する禁断症状の程度を軽減する上でも有用
である。更に、エンケファリナーゼの阻害は過敏性腸症侯群の処置にも有用であ
る。
ANPは血圧と、ナトリウム及び水の水準の恒常性調節に関与する天然ペプチ
ド類の一族である。ANPは約21から約126アミノ酸まで、長さが変化すること
がわかっており、共通する構造的特長は1個以上のジスルフィドでループされた
17アミノ酸の配列であり、シスチン部分には種々のアミノ-及びカルボキシ-末端
配列が結合されている。ANPは腎臓、副腎、大動脈、及び血管平滑筋を含めた
種々の組織で特定的な結合位置に結合することがわかっており、親和性は約50ピ
コモル(pM)から約500ナノモル(nM)の範囲にある[ニードルマン(Needleman
)、Hypertension 7巻469頁(1985年)]。更に、
ANPは脳内の特定の受容体に結合すると考えられ、恐らくは神経モジュレータ
ー並びに慣用の末梢ホルモンとしての働きがある。
ANPの生物学的性質は、強力な利尿性/ナトリウム利尿性効果と血管拡張/
血圧低下効果、並びにレニンとアルドステロン分泌への抑制効果を伴っている[
デボルド(deBold)、Science 230巻767頁(1985年)]。エンケファリナーゼを
阻害することにより、天然ANPの代謝的分解が抑制され、そのため、強力なA
NP媒介性の利尿、ナトリウム利尿、血圧低下、アルドステロン低下効果を提供
する。従って、エンケファリナーゼの阻害は、体液、電解質、血圧、眼球内圧、
レニン、又はアルドステロンの恒常性の異常を特長とする病状、例えば高血圧、
腎臓病、高アルドステロン症、心臓肥大、緑内障、及びうっ血性心不全にかかっ
た患者に有用である。
発明のまとめ
本発明は式
の新規な化合物類、その立体異性体類、又は製薬上受け
入れられるその塩類を提供している。
式中、nは整数0〜3であり、
R1とR2は各々独立に、水素、ヒドロキシ、-OR3(又はAr-Y-基)からなる群
から選択され、ここでR3はC1-C4アルキル又はAr-Y-基であって、Arはアリール
であり、YはC0-C4アルキルであるか、又はR1とR2が隣接する炭素原子に付い
ている場合はR1とR2はそれらの隣接炭素と一緒にベンセン環又はメチレンジオ
キシを形成し、
Xは、-(CH2)p-、O、S、NH4、又はNC(O)R5であって、ここでpは整数0又は1、
R4は水素、C1-C4アルキル、又はAr-Y-基であり、R5は -CF3、C1-C10ルキル、
又はAr-Y-基であり、
Qは以下の群から選ばれるアルキレン基であり、
ここでqは整数1-5、ZはO、S、NHであり、
Gは
の群から選ばれる基であり、ここでmは整数1-3であり、
R6は水素、C1-C6アルキル、-CH2CH2S(O)kCH3、又はAr-Y-基であり、ここでk
は整数0〜2であり、
R7は水素、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキル、N-メチルアミノ、N,N-ジメ
チルアミノ、-CO2R8(ここでR8は水素、-CH2O-C(O)C(CH3)3、又はC1-C4アルキ
ル)、又は-OC(O)R9(ここでR9は水素、C1-C6アルキル、又はフェニル)であり
、
R10は水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、又はハロゲンからなる群から
独立に選ばれる1個又は2個の置換基であり、
R11は水素、C1-C6アルキル、又はAr-Y-基であり、
R12は水素又はC1-C4アルキルであり、
V1はO、S、又はNHであり、
V2はN又はCHであり、
V3は直接結合又は-C(O)-である。
更に本発明は、必要な患者でエンケファリナーゼを阻害する方法を提供してお
り、この方法は式(I)化合物のエンケファリナーゼ阻害有効量を上記の患者に投
与することからなる。
更に本発明は、不活性担体と混合又はそれ以外の方法で組合せた式(I)化合物
の検定可能量を含めてなる組成物を提供している。本発明はまた、一つ以上の製
薬上受入れられる担体又は付形剤と混合又はそれ以外の方法で組合せた式(I)化
合物の阻害有効量を含めてなる製剤組成物を提供している。
発明の詳細な記載
本明細書で使用される用語について。
a)「C1〜C6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子の飽和直鎖又は分枝
鎖ヒドロカルビル基を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル・イソブチル、第三ブチル、n-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シク
ロヘキシル等を包含する。
b)「C1〜C4アルキル」という用語は、1〜6個(1〜4個の誤記)の炭素原子の
飽和直鎖又は分枝鎖ヒドロカルビル基を指し、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、第三ブチル等を包含する。
結合を指す。
を指す。
結合を指す。
f) 「ハロゲン」という用語は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原
子をさす。
g)「C1〜C8アルキル」及び「C1〜C10アルキル」という用語は、それぞれ1
〜8個の炭素原子の飽和直鎖又は分枝鎖ヒドロカルビル基を指し、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ヘキシル、2,3-ジメチル-2-ブチル、ヘプチル、2,2-シメチル-3-
ペンチル、2-メチル-2-ヘキシル、オクチル、4-メチル-3-ヘプチル等を包含する
。
h)「C1〜C4アルコキシ」という用語は1-4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ア
ルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、イソブトキシ、第三ブトキシ等をさす。
i)「−C(O)-」という記号は式
のカルボニル基をさしている。
j)「Ar-Y-」という用語は、Arがアリール基で、YがC0-C4アルキルである場
合の基を指す。
k)「C0-C4アルキル」という用語は、0〜4個の炭素原子の飽和直鎖又は分枝
鎖ヒドロカルビル基を指し、結合、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
n-ブチル、イソブチル、第三ブチル等を包含する。
l)「Ar」又は「アリール」という用語はメチレンジオキシ、ヒドロキシ、C1 -4
アルコキシ、フルオロ、及びクロロからなる群から選ばれる1〜3個の置換基で
置換された、又は未置換のフェニル又はナフチル基をさし、「アリールアルキル
」という用語の範囲に特定的に含まれるものは、フェニル、ナフチル、ナフチル
メチル、フェニルメチル又はベンジル、フェニルエチル、p-メトキシペンジル、
m-アミノフェニル、m-ニトロフェニル、p-アミノフェニル、p-ニトロフェニル、
3,4-メチレンジオキシペンジル、p-フルオロベンジル、及びp-クロロベンジルで
ある。
m) 用語「保護アミノ」は、-NHPg1又は-NPg2Pg3を指し、ここでPg1、Pg2、
及びPg3は、当業者によく知られ認められているように、ティー・グリーンの「
有機合成の保護基」に記載されているような、アミノ保護基であり、これはジス
ルフィドの生成を可能とし、除去されるとR9がアミノである場合の式(I)化合物
類を生ずる。
n) 用語「Pg」は保護基を指す。
o) 「製薬上受け入れられる塩類」は、酸付加塩類又は塩基付加塩類を指す。
「製薬上受け入れられる酸付加塩」という表現は、式(I)の化合物及び任意の
中間体の任意の無毒の有機又は無機酸付加塩に適用されることが意図される。適
当な塩を形成する無機酸の例は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸及び酸金
属塩、例えばオルト燐酸一水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムである。適当な
塩を形成する有機酸の例には、モノ、ジ、及びトリカルボン酸が含まれる。その
ような酸の例は、例えば酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン
酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェ
ニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、及び2-フェノキシ安息香酸、及びスルホン酸、
例えばp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン
酸等である。これらの塩は水和形又は実質的に無水形で存在できる。
「製薬上受入れられる塩基付加塩」という表現は、式Iで表わされる化合物類
又はその中間体類の任意のものの任意の無毒性の有機又は無機塩基付加塩類に適
用する意図がある。適当な塩類を形成する塩基類の例は、アルカリ金属又はアル
カリ土類金属水酸化物、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、又は水
酸化バリウム;アンモニア;及び脂肪族、脂環式又は芳香族有機アミン類、例え
ばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプ
ロピルジエチルアミン、ピリジン、及びピコリンを包含する。
当業者に認められるように、式(I)化合物類は立体異性体として存在しうる。
本出願で、式(I)化合物類の一つを指す場合に常に、特定の立体異性体類の一つ
、又は立体異性体類の混合物を包含することが意図される。特定的な立体異性体
類は、立体特異的な合成によって調製されるか、又は「エナンチオマー類、ラセ
ミ体類、及び分割」ジェイ・ジャック、エイ・コレット、及びエス・エッチ・ウ
ィレン,ウィリー,1981年)に記載されているように、この技術分野で知られた
手法、例えばクロマトグラフィ、キラル静止相でのクロマトグラフィ、この目的
で使用される試薬によって形成される付加塩類の分別結晶化によって、分離回収
できる。
本発明に包含される化合物類の例として、以下のものがある。
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオ
ピリジンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンベンジ
ルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンエチル
チオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ヒド
ロキシエチルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ピリ
ジルメチルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオ
酢酸モルホリンカルボキサミドジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンL-シ
ステインエチルエステルジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンN-アセ
チル-L-システインジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンL-シ
ステインジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-
(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(R)-1-
(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-チオ-エチル)-2-オキソインダン)メチル
アミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズア
ゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-メチル-2-オキソインダン)メチルアミ
ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ
ン(S)-
N-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ
ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ
ン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-シクロペント
イミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-
オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチ
ルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]
-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチ
ルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[
1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-
エチルアミンシスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6,-テトラヒドロ-シ
クロペンタ[c]ピロール)メチルア
ミノ]−3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベ
ンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6,-テトラヒドロ-シクロペ
ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,4,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピ
ロロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルア
ミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1
,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-
1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
式(I)化合物類を調製するための一般的な合成手順が、反応経路1に説明され
ている。反応経路1で、他に指示がなければ、すべての置換基はすでに定義され
たとおりである。反応経路1で使用される出発材料、試薬、手法、及び手順は周
知であり、当業者に認められている。
反応経路1
構造(b)のジスルフィドは、この技術で知られた方法によって、又はこの技術
で類推的に知られた方法によって得ることができる[ビー・ピー・ロックス(B.
P.Roques)ら、J.Med.Chem.33巻2473-2481頁(1992年)]。
構造(a)のチオールは、反応経路A、B、及ぴCに従って調製される。
反応経路1、段階aで、構造(b)の適当なジスルフィドを構造(a)の適当なチオ
ールと接触させると、式(I)のシスルフィド又は式(I)の保護されたジスルフィド
を生ずる。構造(b)の適当なジスルフィドは、Gが式(I)最終生成物中で所望され
ているとおりである場合のものか、又は脱保護によって、式(I)最終生成物中に
所望されているとおりにGを生ずる場合のものである。構造(a)の適当なチオー
ルは、R1,R2、Q、X、及びnが式(I)最終生成物中で所望されているとおり
である場合のものか、又は脱保護後、式(I)最終生成物中に所望されているとお
りにR1、R2、Q、及びXを生ずる場合のものである。
例えば、構造(b)の適当なジスルフィドを構造(a)の適当なチオールと接触させ
る。反応は、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、又はエタノール又はメ
タノールとシクロロメタンとの混合物などの適当な溶媒中で実施される。溶媒は
、反応を実施する前に、窒素流を15分通して脱気しておく。反応は、構造(b)の
適当な化合物1.0-4.0モル当量を使用して行なわれる。反応は、0℃ないし溶媒の
還流温度で行なわれ、10℃〜30℃の温度が好ましい。反応は、一般に1-48時間を
要する。生成物は抽出、蒸発、及び沈殿など、この技術で周知の手法によって単
離できる。クロマトグラフィや再結晶によって、生成物を精製できる。
反応経路1、行う場合もある段階bで、式(I)の保護されたシスルフィドを脱
保護し、及び/又は官能化すると、式(I)のジスルフィドを生ずる。
ティー・グリーンによる「有機合成の保護基」に記載されたものなどの、保護
基の選択、使用、及び除去、並びに適当な保護基を利用した逐次的な保護基の除
去は、当業者に認められており、周知である。保護基の除去や、必要な場合に逐
次的な方法での保護基の除去は、式(I)のジスルフィドを生ずる。
官能化反応は、アミンのアルキル化又はアシル化と、エステルの形成を包含し
ている。これらの官能化は、この技術で周知の方法によって実施できる。逐次的
なやり方で保護基を使用する選択的な官能化は、この技術で認められた周知のも
のである。
以下の実施例は、反応経路1に記載された典型的な合成を提示している。これ
らの実施例は例示的なものとしてのみ理解され、いかなる形でも発明の範囲を限
定する意図のものではない。以下の実施例で使用される以下の用語は、指定の意
味をもっている。「g」はグラムを指す。「mmol」はミリモルを指す。「mL」は
ミリリットルを指す。「℃」は摂氏の度数を指す。「Rf」は保持係数を指す。「
mp」は融点を指す。「dec」は分解を指す。
「M」はモル濃度を指す。また、「TLC」は薄層クロマトグラフィを指す。実施例1
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]1,2, 3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-( t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフ ィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(0.38
4g,0.94mmol)と(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チ
オ)-エチルアミン2-チオピリジンジスルフィド(0.356g,1.04mmol)を脱気した
エタノール(8mL)中で一緒にする。18時間かきまぜる。真空中で蒸発させる。25
%酢酸エチル/ヘキサン及び次に38%酢酸エチル/ヘキサンで逐次的に溶離する
シリカゲル上のクロマトグラフィにかけると、表題化合物を白色固体として生ず
る。実施例2
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-チオ-エチル)-2-オキソインダン)メチル アミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズア ゼピン (S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミン ジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[2-(2-メルカプトエチル)-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピンを使用して、実施例1と同様な方法で調製する。実施例3
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-メチル-2-オキソインダン)メチルアミ ノ]1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン (S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミン ジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-メルカプトメチル-2-オキソインダン)メチ
ルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2.1-a][2]ベンズ
アゼピンを使用して、実施例1と同様な方法で調製する。実施例4
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ ン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミ ンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ
ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ
ンを使用して、実施例1と同様な方法で調製する。実施例5
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-シクロペント イミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]- オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチ ルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロシクロペント
イミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-
オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを使用して、実施例1と同様な方法で調製
する。実施例
6
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ ンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4] -チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチ ルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジ スルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]
-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを用いて、実施例1と同様の方法で調製す
る。実施例7
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[ 1,4]-チアシノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2- メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[
1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを用いて、実施例1と同様の方法で調
製する。実施例8
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シク ロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H -[1,4]-
アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチル プロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シク
ロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H
-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを用いて、実施例1と同様な方法で
調製する。実施例9
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペ ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロ ロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピ ル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペ
ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロ
ロ[2,1-a][2]ベンズアゼピンを用いて、実施例1と同様な方法で調製する。実施例10
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1 ,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒド ロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1- (2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド
反応経路1、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1
,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ-ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンを
用いて、実施例1と同様な方法で調製する。実施例11
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-1- (2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ-ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N
-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスル
フィド(0.526g,0.825mmol)とトリフルオロ酢酸(1.5mL)をジクロロメタン(
7.5mL)中で一緒にする。3時間かきまぜ、真空中で蒸発させる。繰り返し、四
塩化炭素を加え、真空中で蒸発させると、残留するトリフルオロ酢酸が除かれる
。真空中でヘキサン
/ジクロロメタンから蒸発させると、表題化合物を固体として生ずる。質量スペ
クトラムCl/CH4 M+H+ 538.実施例12
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-チオエチル)-2-オキソインダン)メチル アミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズア ゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドトリフル オロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-チオエチル)-2-オキソインダン)メチル
アミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズア
ゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチル
アミンジスルフィドを用いて、実施例11と同様な方法で調製する。実施例13
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオメチル-2-オキソインダン)メチルアミ ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ ン(S)-N-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドトリフルオ ロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオメチル-2-オキソインダン)メチルアミ
ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタ
ヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル
)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用いて、実施例
11と同様な方法で調製する。実施例14
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ ン(S)
-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドトリフルオロ 酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ
ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ
ン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミ
ンジスルフィドを用いて、実施例11と同様な方法で調製する。実施例15
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-シクロペント イミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]- オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチ ルアミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α.7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-シクロペン
トイミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4
]-オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メ
チルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用い実施例11と同様の
方法で調製する。実施例16 [4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5
,6-トリヒドロ-シクロペン タ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]- チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチル アミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]
-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチ
ルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用い、実施例11と同様な
方法で調製する。実施例17
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6.7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[ 1,4]-
チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチル アミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ
ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[
1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-
メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用いて、実施例11と
同様な方法で調製する。実施例18
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シク ロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H -[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ) -エチルアミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シク
ロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H
-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2
-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルア
ミンジスルフィドを用い、実施例11と同様な方法で調製する。実施例19
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペ ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロ ロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミン ジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路1、行う場合もある段階b:
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペ
ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロ
ロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-(2-メチルプロピ
ル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用いて、実施例11と同様な方法で
調製する。実施例20
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1 ,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)- 1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドトリフルオロ酢酸塩 ;
反応経路1、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1
,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒド
ロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-N-(t-ブトキシカルボニル)-1-
(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドを用いて、実施例11
と同様な方法で調製する。実施例21
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオ ピリジンジスルフィド
反応経路2、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(4.0m
mol)と2,2'-ジチオジピリジン(16.0mmol)を脱気したエタノール(24mL)とジク
ロロメタン(6mL)中で一緒にする。不活性雰囲気下に周囲温度で20時間かきまぜ
る。真空下に蒸発させると、残留物が得られる。残留物をシリカゲル上のクロマ
トグラフィにかけ、表題化合物を生ずる。
式(I)化合物類を調製するための代わりの一般的合成手順が、反応経路2に説
明されている。反応経路2で、他に指示がなければ、すべての置換基はすでに定
義されたとおりである。反応経路2で使用される出発材料、試薬、手法、及び手
順は、当業者に認められた周知のものである。
反応経路2
反応経路2、段階aで、上で反応経路1、段階aで教示されたとおりに、構造
(d)の適当なチオールを構造(c)
の適当なジスルフィドと接触させると、式(I)のジスルフィド又は式(I)の保護さ
れたジスルフィドを生ずる。構造(d)の適当なチオールは、Gが式(I)最終生成物
中で所望されているとおりである場合のものか、又は脱保護後、式(I)最終生成
物中に所望されているとおりにGを生ずる場合のものである。構造(c)の適当な
ジスルフィドは、R1、R2、Q、X、及びnが式(I)最終生成物中で所望されて
いるとおりである場合のものか、又は脱保護及び/又は官能化によって、式(I)
最終生成物中に所望されているとおりにR1、R2、Q、X、及びnを生ずる場合
のものである。構造(c)の適当なジスルフィドは、ビー・ピー・ロックスら、J.
Med.Chem.33巻2473-2481頁(1992年)など、この技術で類推的に知られた方法
によって、反応経路A、B、及びCで下に調製される構造(a)の化合物類から調
製できる。
反応経路2、行う場合もある段階bで、反応経路1、行う場合もある段階bで
上に教示されたとおりに、式(I)の保護されたジスルフィドを脱保護/又は官能
化すると、式(I)のジスルフィドを生ずる。
以下の実施例は、反応経路2に記載された典型的な合成を提示している。これ
らの実施例は例示的なものとしてのみ理解され、いかなる形でも発明の範囲を限
定する意図のものではない。以下の実施例で使用される以下の用語は、指定の意
味をもっている。「g」はグラムを指
す。「mmol」はミリモルを指す。「mL」はミリリットルを指す。「℃」は摂氏の
度数を指す。「Rf」は保持係数を指す。「mp」は融点を指す。「dec」は分解を
指す。「M」はモルを指す。また、「TLC」は薄層クロマトグラフィを指す。実施例22
2-チオール酢酸モルホリンカルボキサミド;反応経路2、段階aの出発材料の 調製
塩化クロロアセチル(2.00mL,25.0mmol)とN-メチルモルホリン(2.76mL,25.
0mmol)をジクロロメタン(100mL)中で一緒にする。氷浴中で冷却する。モルホリ
ン(2.19mL,25.0mmol)を加え、氷浴中で1時間かきまぜる。周囲温度に温め、
1時間かきまぜる。冷たい5%硫酸水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、及び
飽和塩化ナトリウム水溶液で抽出する。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空
中で蒸発させると、クロロ酢酸モルホリンカルボキサミドが得られる。
上で調製されるクロロ酢酸モルホリンカルボキサミド(2.88g,17.6mmol)と
チオール酢酸(1.40mL,20.0mmol)を、脱気したジメチルホルムアミド(10mL)中
で一緒にする。炭酸セシウム(3.26g,10.0mmol)を徐々に加え、反応混合物の
温度を40℃より低温に保つために、必要に応じて冷却を行なう。周囲温度で16時
間かきまぜる。反応混合物を水と酢酸エチルとの間で分配する。有機層
をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させると、残留物を生ずる。残留物を
、40%酢酸エチル/ヘキサンと次に66%酢酸エチル/ヘキサンで逐次溶離するシ
リカゲル上のクロマトグラフィにかけると、2-アセチルチオ酢酸エチルモルホリ
ンカルボキサミドを生ずる。
上で得られる2-アセチルチオ酢酸エチルモルホリンカルボキサミド(2.50g,1
2.0mmol)と脱気したメタノール(50mL)を一緒にする。氷浴中で冷却する。水酸
化リチウム水和物(1.0g,24.0mmol)を加える。3時間かきまぜる。反応混合物
を6M塩酸溶液でpH=1に酸性化する。反応混合物を水とジクロロメタンとの間で分
配する。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で抽出する。有機層をNa2SO4で乾
燥し、濾過し、真空中で蒸発させると、残留物が得られる。残留物を酢酸エチル
で溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィにかけ、表題化合物を生ずる。実施例23
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンN-(t- ブトキシカルボニル)-L-システインエチルエステルジスルフィド
反応経路2、段階a:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-
6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオピリジンジスルフィド(1.4mmo
l)とN-(t-ブトキシカルボニル)-L-システインエチルエステル(2.0mmol)を脱
気したエタノール/ジクロロメタン(10mL)/(2mL)中で一緒にする。18時間かきま
ぜる。真空中で蒸発させると、残留物を生ずる。残留物をシリカゲル上のクロマ
トグラフィにかけると、表題化合物を生ずる。実施例24
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンベンジ ルチオジスルフィド
反応経路2、段階a:
ベンジルチオールを使用して、実施例23と同様な方法で調製する。実施例25
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンエチル チオジスルフィド
反応経路2、段階a:
エチルチオールを使用して、実施例23と同様な方法で調製する。実施例26
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ヒド ロキシエチルチオジスルフィド
反応経路2、段階a:
2-ヒドロキシエチルチオールを使用して、実施例23と同様な方法で調製する
。実施例27
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ピリ ジルメチルチオジスルフィド
反応経路2、段階a:
2-ピリジルメチルチオールを使用して、実施例23と同様な方法で調製する。実施例28
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオ 酢酸モルホリンカルボキサミドジスルフィド
反応経路2、段階a:
チオール酢酸モルホリンカルボキサミドを使用して、実施例23と同様な方法
で調製する。実施例29
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンL-シ ステインエチルエステルジスルフィドトリフルオロ酢酸塩
反応経路2、行う場合もある段階b:
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンN-(t-
ブトキシカルポニル)-L-システインエチルエステルジスルフィド(1.31mmol)
、アニソール(1.4mL,13.0mmol)及ひジクロロメタン(15mL)を一緒にする。氷
浴中で冷却する。トリフルオロ酢酸(3mL)を加える。氷浴中で2時間かきまぜ、
次に周囲温度に温め、更に2時間かきまぜる。真空中で蒸発させると残留物が得
られる。残留物に四塩化炭素を加え、真空中で蒸発させると残留物が得られる。
ヘキサンと共にですり砕き、濾過し、真空中で乾燥すると、表題化合物を生ずる
。
Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-NR4-(ここでR4は水素)である場合の構造(a
)の化合物類は、当業者によく知られ認められた手順及び手法を利用して調製で
きる。これらの化合物を調製するための一般的な合成反応経路は、反応経路Aで
説明されている。式中、別途定義がなければ、全ての置換基は既に定義されたと
おりである。
反応経路A
反応経路Aは、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-NR4-(ここでR4は水素)であ
る場合の構造(a)の化合物類を調製するための一般的な合成手順を提供している
。
段階aで、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(1)の適当
なアミノ三環式化合物を、構造(2)の適当な保護されたチオール化合物と反応さ
せると、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(3)の対応する
チオール保護された三環式化合物を生ずる。例えば、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、
又は-N-Bocである場合の構造(1)の適当なアミノ三環式化合物を、EDC(1-(3-ジメ
チルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド)、DDC(1,3-ジシクロヘキシル
カルボジイミド)、又はジエチルシアノホスホネートのようなカップリング剤の
存在下に、塩化メチレンのような適当な非プロトン性溶媒中で、構造(2)の適当
な保護チオール化合物と反応させると、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocで
ある場合の構造(3)の適当なチオール保護された三環式化合物を生ずる。
その代わりに、構造(2)の保護チオール化合物を対応する酸塩化物に転化し、
続いてXが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(1)の適当なアミ
ノ三環式化合物と反応させると、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場
合の構造(3)の適当なチオール保護された三環式化合物を生ずる。
t-ブチルと4-メトキシベンジルのような適当なチオール保護基の選択と利用は
、「有機合成の保護基」,セオドラ・W・グリーン,ウィリー(1981年)に記載
されているように、当業者に周知である。
段階bで、チオール保護基は当業者に認められた周知の手法及び手順によって
除去される。例えば、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(3
)の適当なチオール保護された三環式化合物を1モル当量の酢酸水銀と接触させ
る。反応体類は、典型的には、トリフルオロ酢酸のような適当な酸性溶媒中で接
触させる。典型的には、反応体類を室温で1-24時間にわたって一緒にかきまぜる
。水銀は、過剰量の硫化水素の添加によって反応混合物から除去される。この技
術で周知のように、酸に不安定な保護基は、中間体生成物の単離後、再導入を要
するかも知れない。Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(a)
のチオール三環式化合物は、この技術で知られたとおりに、抽出法によって反応
帯域から回収される。これをシリカゲル・クロマトグラフィによって精製できる
。
行う場合もある段階cで、Xが-N-Bocである場合の構造(a)のチオール三環式
化合物上のBoc保護基を、希塩酸のような当業者に認められた周知の手法及び手
順によって除去すると、Xが-NR4で、R4が水素の場合の構造(a)の対応するチオ
ール三環式化合物類をを生ずる。
Xが-NR4で、R4が水素以外の場合、又はXが-NCOR5-の場合の構造(a)化合物
類は、当業者に認められた周知の手法及び手順によって調製できる。これらの化
合物類を調製するための一般的な合成手順は、反応経路Bに説明されている。反
応経路Bで、別途指示がない場合は、すべての置換基はすでに定義されたとおり
である。
反応経路B
t-ブチル、p-メトキシベンジル、アセテート、及びベンゾエートのようなチオ
ール保護基を導入すると、Xが-NR4で、R4が水素の場合の構造(a)の三環式化合
物類から構造(8)の化合物類を生ずる。保護基の選択、使用、及び除去、並びに
ティー・グリーンの「有機合成の保護基」に記載されているものなどの、適当な
保護基を利用して逐次的な方法での保護基の導入と除去は、当業者に認められた
周知のものである。
Xが-NR4で、R4が水素の場合の構造(8)のチオール保護三環式化合物は、反応
経路A、行う場合もある段階cですでに述べたとおりに、Xが-N-Bocの場合の構
造(a)のチオール三環式化合物上のBoc保護基を除去することによって調製できる
。
行う場合もある段階aで、Xが-NR4で、R4が水素の場合の構造(8)の適当なチ
オール保護された三環式化合物のアミノ官能基を、この技術で周知のように、水
素化シアノホウ素ナトリウムを使用して構造(9)の適当なアルデヒドとの還元的
アルキル化にかけると、構造(12)の対応するチオール保護されたN-アルキル三環
式化合物を生ずる。
行う場合もある段階bで、Xが-NR4で、R4が水素の場合の構造(8)の適当なチ
オール保護された三環式化合物のアミノ官能基を、この技術で周知のように、構
造(10)の適当なアシル塩化物又は構造(11)の適当な無水物を
使用してアシル化すると、構造(13)の対応するN-アシル三環式化合物を生ずる。
Xが-NR4で、QがZを-NR4とする場合の基である、構造(8)化合物類の官能化
は、当業者に認められ周知であるように、ティー・グリーンの「有機合成の保護
基」に記載されているものなどの適当な保護基を利用して、逐次的な方法での保
護基の使用によって実施できる。逐次的な方法で保護基を使用する選択的な官能
化は、この技術で認められ周知である。保護基の除去、又は必要に応じて逐次的
な方法での保護基の除去によって、構造(13)のアルキル化又はアシル化された化
合物類を生ずる。
化合物(13)のチオール保護基は、反応経路A、段階bですでに述べたとおりに
、又はティー・グリーンの「有機合成の保護基」に記載されている加水分解法に
よって除去できる。
Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は-N-Bocである場合の構造(1)のアミノ三環式化
合物類は、反応経路Cに記載されたとおりに調製できる。反応経路Cで、別途指
示がなければ、すべての置換基はすでに定義されたとおりである。
反応経路C
段階aで、構造(14)の適当なアルデヒドは、酸加水分解によって構造(15)の適
当なエナミンに環化できる。例えば、構造(14)の適当なアルデヒドは、塩化メチ
レンのような適当な非プロトン性溶媒中でトリフルオロ酢酸での処理によって、
構造(15)の適当なエナミンに環化される。
段階bで、構造(15)の適当なエナミンは、酸触媒されたフリーデル=クラフト
反応によって、構造(16)の対応する三環式化合物に転化できる。例えば、構造(1
5)の適当なエナミンは、塩化メチレンのような適当な非プロトン性溶媒中で、ト
リフルオロメタンスルホン酸と無水トリフルオロ酢酸との混合物での処理によっ
て、構造(16)の対応する三環式化合物に転化できる。
段階cで、Xが-(CH2)p-、-O-、又は-S-である場合の構造(16)の三環式化合物
類では、Xが-(CH2)p-、-O-、又は-S-である場合の構造(16)の適当な三環式化合
物のフタルイミド保護基は、この技術で周知の手法及び手順を使用して除去でき
る。例えば、Xが-(CH2)p-、-O-、-S-、又は結合である場合の構造(16)の適当な
三環式化合物のフタルイミド保護基を、メタノールのような適当なプロトン性溶
媒中でヒドラジン一水塩を使用して除去すると、Xが-(CH2)p-、-O-、又は-S-で
ある場合の構造(1)の対応するアミノ三環式化合物を生ずる。
X”が-NCOCF3の場合の構造(16)の三環式化合物類では、
Tetrahedron Letters 32巻(28号)3301-3304頁(1991年)に記載された手順に従
ってトリフルオロアセトアミド官能基を除去すると、X”が-NHの場合の構造(16
)の対応する三環式化合物類を生ずる。X”が-NHの場合の構造(16)の適当な三環
式化合物類のアミノ官能基は、この技術で認められた周知の手法及び手順によっ
てBoc保護基で保護されると、X”が-N-Bocである場合の構造(16)の対応する三
環式化合物類を生ずる。次に、X”が-N-Bocである場合の構造(16)の適当な三環
式化合物類のフタルイミド保護基が、上の段階cで記載されたとおりに、ヒドラ
ジンを使用して除去されると、X”が-N-Bocである場合の構造(1)の対応するア
ミノ三環式化合物を生ずる。
反応経路A〜Cで使用される出発材料は、当業者に容易に入手できる。
以下の実施例は、反応経路A〜Cに記載された典型的な合成を提示している。
これらの実施例は例示的なものとしてのみ理解され、いかなる形でも発明の範囲
を限定する意図のものではない。以下の実施例で使用される以下の用語は、指定
の意味をもっている。「g」はグラムを指す。「mmol」はミリモルを指す。「mL」
はミリリットルを指す。「mol」はモルを指す。「bp」は沸点を指す。「mp」は
融点を指す。「℃」は摂氏の度数を指す。「M」はモル濃度を指す。「N」は規定を
指す。「mm Hg」は水銀のミリメートルを指す。「μL」はミクロリット
ルを指す。「μg」はミクログラムを指す。また、「μM」はミクロモル濃度を指
す。実施例30
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2 ,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
反応経路C、段階a:(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピ リジン
5-ブロモ-1-ペンテン(31.2g,0.209mol)とシアン化カリウム(16.8g,0.257
mol)をエチレングリコール(85mL)中で混合し、100℃に2時間加熱する。冷却し
、水(100mL)で希釈し、エチルエーテル(100mL)で抽出する。飽和炭酸水素ナトリ
ウム(35mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、蒸留すると、5-ヘキセニルニトリルを無
色液体(16.3g,82%)として生ずる。bp 150-156℃。
水素化アルミニウムリチウム(6.5g,0.17mol)をエチルエーテル(350mL)に懸
濁し、5-ヘキセニルニトリル(16.3g,0.171mol)を30分間に滴加する。室温で
2時間かきまぜ、氷浴中で冷却し、非常に緩慢な添加によって、水(6.8mL)、2
0%水酸化ナトリウム(5.2mL)、次に水(24mL)を次々に加える。エーテル相を
傾斜させ、白い塩をエーテルで洗う。エーテル相を一緒にし、大気圧で蒸留する
と、5-ヘキセニルアミンを無色の液体(10.
7g,63%)として生ずる。bp 125-135℃。
5-ヘキセニルアミン(0.88g,8.9mmol)を塩化メチレン(50mL)に溶解し、始め
にN-フタロイル-(S)-フェニルアラニン(2.95g,10.0mmol)、次にEEDQ(2.47g
,10.0mmol)で処理し、室温で6時間かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、残
留物を酢酸エチル(75mL)に溶解し、5%硫酸(25mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(2
5mL)、及び塩水(25mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロ
マトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジ
オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル-5-ヘキセニ
ルアミンを白色固体(1.8g,55%)として生ずる。
2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェ
ニルプロピル-5-ヘキセニルアミン(1.2g,3.19mmol)を塩化メチレン(40mL)と
メタノール(4mL)に溶解し、窒素雰囲気下に-78℃に冷却する。青色が持続するま
でオゾンで処理し、窒素で20分間脱気し、ピリジン(0.2mL)を加える。ジメチ
ルスルフィド(4mL)で停止させ、室温で一夜かきまぜる。塩化メチレン(75mL)
で希釈し、5%硫酸(40mL)と塩水(40mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空
中で蒸発させ、クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると
、2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェ
ニルプロピル-5-オキソ-ペンチ
ルアミンを白色固体(972mg,80%)として生ずる。
2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェ
ニルプロピル-5-オキソ-ペンチルアミン(153mg,0.404mmol)を無水塩化メチレ
ン(7mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.04mL,0.5mmol)で処理する。室温で3
時間かきまぜ、塩化メチレン(25mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)との間で分
配する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィ(ヘキ
サン/酢酸エチル)で精製すると、表題化合物を白色固体(623mg,83%)とし
て生ずる。
反応経路C、段階b:[4α,7α(R *),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ -2H-イソインドール-2-イル)]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリ ド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オ
キソ-3-フェニルプロピル]-1.2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジン(623mg,1.73mmo
l)を塩化メチレン(14mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(7mL)に滴加
する。室温で4.5時間かきまぜ、氷浴中で冷却し、水(3mL)で停止させる。酢酸エ
チル(100mL)と水(30mL)との間で分配する。有機相を分離し、飽和炭酸水素ナト
リウム(30mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグ
ラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、表題化合物を白色固体(60
0mg,96%)として生ずる。
反応経路C、段階c:[4α,7α(R *),12bβ]]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b -オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
[4α,7α(R*),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼ
ピン(669mg,1.86mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、ヒドラジン水和物(1.0
Mメタノール溶液4.6mL,4.6mmol)で処理する。室温で2.5日かきまぜ、濾過助剤
に通して濾過し、濃縮する。濾過助剤とMgSO4との混合物に通して再び濾過し、
溶媒を真空中で蒸発させると、表題化合物を白色固体(407mg,95%)として生
ずる。
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(2-(4-メトキシベンジル チオ)-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オ キソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
ジエチルマロネート(15.2mL,0.100mol)をテトラヒドロフラン(800mL)に溶
解する。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol,鉱油中80%)で
処理する。溶液が得られるまでかきまぜ、α,α’-ジブロモ-o-キシレン(26.4g
,0.100mol)を加える。30分かきまぜてから、追加の水素化ナトリウム(3.0g,
0.10mol)を加える。室温で20時間かきまぜ、濾過助剤に通して濾過
し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製す
ると、2,2-(ジカルボエトキシ)インダンを薄い黄色の油(16.0g,61.5%)とし
て生ずる。
2,2-(ジカルボエトキシ)インダン(15.9g,60.6mmol)をジメチルスルホキシド(
140mL)に溶解する。水(14mL)と塩化リチウム(7.0g,0.16mol)を加える。還流
下に4時間加熱し、冷却し、水(150mL)と塩化メチレン(2x150mL)との間で分配
する。有機相を水(150mL)で洗い、乾燥(MgSO4)し、シリカゲルプラグに通すと
、2-(カルボエトキシ)インダンをコハク色の油(6.49g,56%)として生ずる。
2-(カルボエトキシ)インダン(6.49g,34.1mmol)をエタノール(95%、150mL
)と水(75mL)に溶解する。水酸化カリウム(9.5g,0.17mol)を加え、室温で1
時間かきまぜる。水(150mL)とエチルエーテル(2x150mL)との間で分配する。水
相を塩酸でpH 1まで酸性化する。塩化メチレン(2x150mL)で抽出し、乾燥(Na2
SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、2-インダンカルボン酸を淡褐色の固体
(3.82g,69%)として生ずる。
2-インダンカルボン酸(3.82g,23.5mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、ジ
メトキシプロパン(5.8mL,47mmol)と硫酸(0.8mL)で処理する。室温で6日間
かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、塩化メチレン(75mL)で
希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(35mL)で洗う。水相を塩化メチレン(30mL)で抽
出し、一緒にした有機相を塩水(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を真空
中で蒸発させ、シリカゲルのプラグに通すと、2-(カルボメトキシ)インダンを黄
色の油(3.98g,96%)として生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(3.0g,19mmol)を水酸化ナトリウム(2.5M水溶
液20mL)とメタノール(10mL)中に混合する。飽和硫酸銅水溶液(1.5mL)を加え
、室温で2時間かきまぜ、混合物上面に空気を流す。固体を濾過し、水洗、乾燥
すると、4-メトキシベンジルジスルフィドを薄い黄色の粉末(2.71g,91%)と
して生ずる。
リチウムヘキサメチルジシラザン(4.2mL,4.2mol,テトラヒドロフラン中1.0M
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中の2-(カルボメトキシ)インダン
(625mg,3.55mmol)の溶液で処理する。1時間かきまぜ、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(0.93mL,5.3mmol)を加え、5分かきまぜる。テトラヒドロフラン(10
mL)中の4-メトキシベンジルジスルフィド(1.6g,5.2mmol)を加える。-78℃で
5時間かきまぜ、塩化アンモニウム溶液で停止させる。酢酸エチル(75mL)と塩水
(30mL)の間で分配する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲ
ル・クロマトグラフィ(4:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、2-(カルボメ
トキシ)-2-(4-メトキシベンジルチオ)インダン(2.20g)を生ずる。
95%エタノール(25mL)、水(12mL)、及びテトラヒドロフラン(15mL)中に2-(カ
ルボメトキシ)-2-(4-メトキシベンジルチオ)インダン(2.20g,3.55mmol)を溶
解する。水酸化カリウム(1.3g,23mmol)で処理し、室温で1時間かきまぜる。
濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。水(125mL)とエーテル(75mL)との間で分配
する。水相を分離し、冷たい濃塩酸で酸性化する。塩化メチレン(75mL)で抽出し
、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフ
ィ(2:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、2-カルボキシ-2-(4-メトキシベ
ンジルチオ)インダンを黄色の固体(0.48g,43%)として生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキ
ソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mm
ol)をテトラヒドロフラン(5mL)中に溶解する。2-カルボキシ-2-(4-メトキシベ
ンジルチオ)インダン(232mg,0.74mmol)で処理する。室温でアルゴン雰囲気下
に20時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(30mL)中に
溶解し、5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2
SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ(2:1ヘキ
サン/酢酸エチルから3:2ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、表題化合物を
薄い黄色のフォーム(205m
g,65.9%)として生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダ ン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2] ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(4-メトキシベンジルチオ)-2-オキソインダ
ン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]
ベンズアゼピン(200mg,0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷却
する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol)、及び酢酸水銀
(155mg,0.49mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶
液に15分吹込む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥
(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ(3:
2ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、表題化合物(128mg,83%)を生ずる。実施例31
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-メルカプトエチル)-2-オキソインダン) メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベ ンズアゼピン
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-(4-メトキシベン ジルチオ)エタン-2-オキソイン ダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][ 2]ベンズアゼピン
リチウムヘキサメチルジシラザン(4.2mL,4.2mmol)をドライアイス/アセト
ン浴中で冷却し、テトラヒドロフラン(6mL)中の2-(カルボメトキシ)インダン(6
25mg,3.55mmol)の溶液を滴加する。30分かきまぜてから、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(1.0mL,5.7mmol)を加える。45分かきまぜ、次に1-ブロモ-2-クロロ
エタン(0.37mL,4.44mmol)を加える。3時間かきまぜ、氷浴を除き、室温に温
める。塩化アンモニウム水溶液(30mL)で停止させ、酢酸エチル(75mL)で抽出する
。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲルプラグ(6:1ヘキ
サン/酢酸エチル)に通すと、2-(カルボメトキシ)-2-(2-クロロエタン)インダ
ン(0.62g)を生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(0.7mL,5mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に
溶解し、アルゴン雰囲気下に置く。水素化ナトリウム(鉱油中80%懸濁液144mg
,4.8mmol)で処理する。懸濁液を10分かきまぜ、ヨウ化テトラブチルアンモニ
ウム(40mg,0.11mmol)を加える。10分かきまぜ、次にテトラヒドロフラン(5mL
)中の2-(カルボメトキシ)-2-(2-クロロエタン)インダン(0.6g,3.55mmol)の溶
液を加える。18時間かきまぜ、塩化アンモニウム水溶液(15mL)と酢酸エチル(50m
L)との間で分配する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカ
ゲル・クロマトグラフィ(6:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、2-(カルボ
メトキシ)-2-[2-(4-メトキシベンジルチオ)エタン]インダン(0.75g)を生ずる
。
2-(カルボメトキシ)-2-[2-(4-メトキシベンジルチオ)エタン]インダン(0.75g
,3.55mmol)を95%エタノール(16mL)、水(8mL)及ひテトラヒドロフラン(10mL)
に溶解する。水酸化カリウム(1.3g,23mmol)で処理する。1時間かきまぜ、溶
媒を真空中で蒸発させる。水(50mL)とエチルエーテル(2x35mL)との間で分配す
る。水相を氷浴中で冷却し、濃塩酸でpH 1に酸性化する。塩化メチレン(75mL)で
抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、2-カルボキシ-2-[2-
(4-メトキシベンジルチオ)エタン]インダンを白色固体(147mg)として生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキ
ソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mm
ol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解する。2-カルボキシ-2-[2-(4-メトキシベ
ンジルチオ)エタン]インダン(0.74mmol)で処理する。室温でアルゴン雰囲気下
に20時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶
解し、5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4
)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製
すると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(2-メルカプトエチル )-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-[2-(4-メトキシベンジルチオ)エタン-2-オ
キソインダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド
[2,1-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷
却する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸水銀
(155mg,0.49mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶
液に15分吹込む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥
(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精
製すると、表題化合物を生ずる。実施例32
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-メルカプトメチル-2-オキソインダン)メチ ルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズ アゼピン
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(t-ブチルチオ)メタ ン-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキ ソピリ ド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
ジエチルマロネート(7.6mL,50mmol)を無水テトラヒドロフラン(500mL)に溶
解し、アルゴン雰囲気下に置く。5℃に冷却し、水素化ナトリウム(1.2g,50mmo
l)を加え、均質になるまで短時間かきまぜる。α,α'-ジブロモ-o-キシレン(1
3.2g,50mmol)を加え、更に15分かきまぜる。追加の水素化ナトリウム(1.2g,
50mmol)を加え、室温に温めながら16時間かきまぜる。濾過し、溶媒を真空中で
蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラフィ(1:1塩化メチレン/ヘキサン)で精
製すると、2,2-ジカルボエトキシ-インダン(9.64g,74%)を生ずる。
2,2-ジカルボエトキシ-インダン(5.67g,21.7mmol)をエタノール(150mL)に
溶解する。1N水酸化リチウム(50mL)を加え、室温で一夜かきまぜる。1時間還流
させ、溶液を真空中で濃縮する。酢酸エチルと6N塩酸との間で分配する。有機相
を分離し、塩水で洗う。乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、オフ
ホワイト色の固体を生ずる。蒸留(120-160℃@0.2-0.5mmHg)すると、2-カルボ
キシ-インダン(2.5g,71%)を生ずる。
2-カルボキシ-インダン(2.5g,15.4mmol)をメタノールに溶解し、0℃に冷却
する。塩化水素ガスで飽和させ、2,2-ジメトキシプロパン(2-3mL)を加える。一
夜かきまぜてから、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ
(2:1塩化メチレン/ヘキサン)で
精製すると、2-カルボメトキシ-インダンを水白色の油(2.04g,75%)として
生ずる。
ジイソプロピルアミン(1.90mL,7.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(8mL)に
溶解し、-20℃に冷却し、アルゴン雰囲気下に置く。n-ブチルリチウム(2.5Mヘ
キサン溶液3.12mL,7.8mmol)を滴加し、-70℃に冷却しながら、20分かきまぜる
。無水テトラヒドロフラン(8mL)中の2-カルボメトキシ-インダン(1.34g,7.8mm
ol)の溶液を滴加する。-70℃で更に30分かきまぜ、次いで塩化トリメチルシリ
ル(酸化バリウムから新しく蒸留、1.0mL,7.8mmol)を加える。10℃に温め、溶
媒を真空中で蒸発させ、残留物を真空下に30分乾燥する。残留物を塩化メチレン
(30mL)中に懸濁し、臭化亜鉛(300mg,1.3mmol)に続いてt-ブチルクロロメチル
スルフィド(1.08g,7.8mmol)を加える。室温で15分かきまぜ、追加の臭化亜鉛
(500mg,2.2mmol)を加える。過剰の飽和炭酸水素ナトリウムを注ぎ、激しく振
とうする。有機相を分離し、水相を塩化メチレン(30mL)で抽出する。有機相を一
緒にし、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、粗製生成物を茶色の
油(2.12g,98%)として生ずる。シリカゲル・クロマトグラフィ(30:70塩化メ
チレン/ヘキサン)で精製し、再結晶(メタノール)させると、2-カルボメトキ
シ-2-(t-ブチル)チオメチル-インダンを結晶固体(1.3g,61%)として生ずる。
2-カルボメトキシ-2-(t-ブチル)チオメチル-インダン(557mg,2.0mmol)をメ
タノール(15mL)に溶解し、1N水酸化リチウム(3.5mL)を加える。溶液にするた
めに短時間温め、次いで室温でアルゴン雰囲気下に1時間かきまぜる。6時間還
流させ、真空中に3mLまで濃縮し、15mLの量まで水で希釈する。塩化メチレンで
洗い、過剰な2N塩酸で水相を酸性化する。5分後、生ずる白色沈殿物を濾過によ
って集め、乾燥すると、2-カルボキシ-2-(t-ブチル)チオメチル-インダン(506m
g,95%)を生ずる。
mp 158-163℃。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ
ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mmol
)をテトラヒドロフラン(5mL)中に溶解する。2-カルボキシ-2-(t-ブチル)チオメ
チル-インダン(0.74mmol)で処理する。室温でアルゴン雰囲気下に20時間かき
まぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、5%硫
酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒
を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、表題化合
物を生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(メルカプトメチル-2 -オキソインダン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピ リド [2,1-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(t-ブチルチオ)メタン-2-オキソインダン)
メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベ
ンズアゼピン(0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷却する。トリ
フルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸水銀(155mg,0.4
9mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶液に15分吹込
む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し
、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製する
と、表題化合物を生ずる。実施例33
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ-1-オキソシクロペンタン)メチルアミ ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ ン
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-(4-メトキシベンジル チオ)-1-オキソ-シクロペンタン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒド ロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
ジイソプロピルアミン(0.46mL,3.3mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶
解し、氷浴中で冷却する。n-ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液1.8mL,2.9mmol
)を滴加する。15分かきまぜ、-78℃に冷却する。テトラヒド
ロフラン(5mL)中のシクロペンタンカルボン酸メチル(322mg,2.51mmol)の溶液
を加える。1時間かきまぜ、ヘキサメチルホスホルアミド(0.66mL,3.8mmol)
で処理する。15分かきまぜ、テトラヒドロフラン(13mL)中の4-メトキシベンジル
ジスルフィド(1.0g,3.3mmol)を加える。-78℃で更に3時間かきまぜ、飽和塩
化アンモニウム(5mL)で停止させる。水(2x50mL)と酢酸エチル(100mL)との間で
分配する。乾燥(Na2SO4)し、シリカゲルプラグ(塩化メチレン)に通すと、1-
(カルボメトキシ)-1-(4-メトキシベンジルチオ)シクロペンタンを薄い黄色の油
として生ずる。
1-(カルボメトキシ)-1-(4-メトキシベンジルチオ)シクロペンタン(3.3mmol)
を95%エタノール(18mL)、水(9mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)中に溶解する
。水酸化カリウム(0.91g,16mmol)で処理する。室温で2時間かきまぜ、溶媒
を真空中で蒸発させる。水(50mL)とエチルエーテル(30mL)の間で分配する。水相
を冷たい濃塩酸で酸性化し、塩化メチレン(50mL)で抽出する。乾燥(MgSO4)し
、溶媒を真空中で蒸発させると、1-(カルボキシ)-1-(4-メトキシベンジルチオ)
シクロペンタンを薄い黄色の油(483mg,72%)として生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキ
ソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mm
ol)を
テトラヒドロフラン(5mL)に溶解する。1-(カルボキシ)-1-(4-メトキシベンジル
チオ)シクロペンタン(0.74mmol)で処理する。室温でアルゴン雰囲気下に20時
間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、
5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し
、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、表
題化合物を生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-チオ−1-オキソシク ロペンタン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2 ,1-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(1-(4-メトキシベンジルチオ)-1-オキソ-シク
ロペンタン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8.12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2
,1-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷却
する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸水銀(
155mg,0.49mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶液
に15分吹込む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(
Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィによっ
て精製すると、表題化合物を生ずる。実施例34
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-シクロペント イミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]- オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
反応経路C、段階a:(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-オキサ ジン
水素化ナトリウム(7.75g,59%パラフィン分散液191mmol)を窒素雰囲気下に
乾燥ヘキサン(2X)で2回洗う。無水ジメチルホルムアミド(90mL)を加え、氷/
メタノール浴で冷却する。エタノールアミン塩酸塩(96.7mmol)を少量ずつ加え
、5分かきまぜ、ヨウ化カリウム(5.2g,32mmol)を加える。ブロモアセトアル
デヒドジエチルアセタール(14.5mL,96.7mmol)を滴加し、氷浴を除き、室温で
8時間かきまぜる。無水テトラヒドロフラン(40mL)中のN-フタロイル-(S)-フェ
ニルアラニン(14.2g,48mmol)とN-カルボエトキシ-2-エトキシ-1,2-ジヒドロ
キノリン(11.98,48mmol)の溶液に混合物を加える。室温で18時間かきまぜ、
水(200mL)とジエチルエーテル(200mL)との間で分配し、有機相を分離する。水相
をジエチルエーテル(200mL)で抽出し、有機相を一緒にし、1N塩酸(2x200mL)、次
に飽和炭酸水素ナトリウム(2x200mL)、次に塩水(50mL)で洗う。乾燥(MgSO4)し
、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させると、中間体アセタールを生ずる。
中間体アセタール(30.3mmol)をクロロホルム(500mL)に溶解し、トリフルオ
ロ酢酸(4.5mL)を加える。窒素雰囲気下に4時間還流させ、冷却し、飽和炭酸
水素ナトリウム(300mL)で洗い、無水MgSO4に通して濾過する。溶媒を真空中で蒸
発させ、クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路C、段階b:[4α,7α(R*),12bβ]-7-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2 H-イソインドール-2-イル)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-オ キサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オ
キソ-3-フェニルプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-オキサジン(1.73mmol)を塩
化メチレン(14mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(7mL)に滴加する。
室温で4.5時間かきまぜ、氷浴中で冷却し、水(3mL)で停止させる。酢酸エチル(1
00mL)と水(30mL)との間で分配する。有機相を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム(
30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィ
によって精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路C、段階c:[4α,7α(R *),12bβ]-7-(アミノ)-3,4,6,7,8,12b-ヘキ サヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-
2H-イソインドール-2-イル)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-
オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(1.86mmol)をメタノール(15mL)に溶解し
、ヒドラジン水和物(1.0Mメタノール溶液4.6mL,4.6mmol)で処理する。室温で
2.5日かきまぜ、濾過助剤に通して濾過し、濃縮する。濾過助剤とMgSO4との混合
物に通して再び濾過し、溶媒を真空中で蒸発させると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジル チオ)-5-オキソ-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダゾ ール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-オキサジ ノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
4,5-イミダゾールジカルボン酸(31.2g,0.2mol)をエターノール(500mL)に溶
解し、濃硫酸(0.5mL)で処理する。60℃で16時間加熱し、冷却し、溶媒を真空
中で50%減らす。エチルエーテル(500mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムと
次に塩水で洗う。乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、4,5-(ジカル
ボエトキシ)イミダゾールを生ずる。
4,5-(ジカルボエトキシ)イミダゾール(1.06g,5mmol)とトリエチルアミン(
1.5mL,7.5mmol)を50/50ジオキサン/水(25mL)中に溶解する。[2-(t-ブチロキ
シカルボニロキシイミノ)-2-フェニルアセトニトリル](1.36g,
5.5mmol)を加え、室温で2時間かきまぜる。水(7.5mL)と酢酸エチル(10mL)を
加え、水相を分離し、酢酸エチル(10mL)で洗う。有機相を一緒にし、乾燥(MgSO4
)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで残留物を
精製すると、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジカルボエトキシ)イミダゾールを
生ずる。
N-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジカルボエトキシ)イミダソール(3.128,10m
mol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、-20℃に冷却する。水素化ホウ
素リチウム(2N溶液7mL)で処理し、窒素雰囲気下に数日間かきまぜる。注意ぶ
かく水を加え、酢酸エチルと5%塩酸との間で分配する。有機相を分離し、塩水
で洗い、乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマト
グラフィで精製すると、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジヒドロキシメチル)イ
ミダソールを生ずる。
N-ブロモサクシンイミド(1.78g,0.01mol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶
解し、テトラヒドロフラン中のトリフェニルホスフィン(2.62g,0.01mol)の溶
液を加える。テトラヒドロフラン(25mL)中のN-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジ
ヒドロキシメチル)イミダゾール(1.14g,5mmol)の溶液を加え、固体のほとんど
が溶解されるまでかきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を水とエチルエ
ーテルとの間で分配する。有機相を分離し、
水洗する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマ
トグラフィで精製すると、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジブロモメチル)イミ
ダゾールを生ずる。
ジエチルマロネート(15.2mL,0.100mol)をテトラヒドロフラン(800mL)に溶
解する。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol,鉱油中80%)で
処理する。溶液が得られるまでかきまぜ、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-(ジブ
ロモメチル)イミダゾール(35.4g,0.100mol)を加える。30分かきまぜ、次に追
加の水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol)を加える。室温で20時間かきまぜ、濾
過助剤に通して濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラ
フィで精製すると、5,5-(ジカルボエトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジ
ヒドロ-シクロペントイミダゾールを生ずる。
5,5-(ジカルボエトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペン
トイミダゾール(21.3g,60.6mmol)をジメチルスルホキシド(140mL)に溶解する
。水(14mL)と塩化リチウム(7.0g,0.16mol)を加える。還流下に4時間加熱し、
冷却し、水(150mL)と塩化メチレン(2x150mL)との間で分配する。有機相を水(150
mL)で洗い、乾燥(MgSO4)し、シリカゲルプラグに通して濾過すると、5-(カル
ボエトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダゾー
ルを生ずる。
5-(カルボエトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイ
ミダゾール(9.5g,34.lmmol)をエタノール(95%,150mL)と水(75mL)に溶解
する。水酸化カリウム(9.5g,0.17mol)を加え、室温で1時間かきまぜる。水(
150mL)とエチルエーテル(2x150mL)との間で分配する。水相を塩酸でpH 1に酸
性化する。塩化メチレン(2x150mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空
中で蒸発させると、5-(カルボキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シ
クロペントイミダゾールを生ずる。
5-(カルボキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダ
ゾール(5.9g,23.5mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、ジメトキシプロパン(
5.8mL,47mmol)と硫酸(0.8mL)で処理する。室温で1日かきまぜる。溶媒を真
空中で蒸発させ、塩化メチレン(75mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(35mL)
で洗う。水相を塩化メチレン(30mL)で抽出し、一緒にした有機相を塩水(30mL)で
洗い、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲルプラグに通す
と、5-(カルボメトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペント
イミダゾールを生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(3.0g,19mmol)を水酸化ナトリウム(2.5N水溶
液20mL)とメタノール(10mL)に混合する。飽和硫酸銅水溶液(1.5mL)を加え、
室温で
2時間かきまぜ、混合物上面に空気を流す。濾過し、固体を水で洗い、乾燥する
と、4-メトキシベンジルジスルフィドを薄い黄色の粉末(2.71g,91%)として
生ずる。
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中の5-(カルボメトキシ)-1-(カル
ボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロシクロペントイミダゾール(944mg,3.55mmol)
の溶液で処理する。1時間かきまぜてから、ヘキサメチルホスホルアミド(0.93
mL,5.3mmol)を加え、5分かきまぜる。テトラヒドロフラン(10mL)中の4-メト
キシベンジルシスルフィド(1.6g,5.2mmol)を加える。-78℃で5時間かきまぜ
、塩化アンモニウムで停止させる。酢酸エチル(75mL)と塩水(30mL)との間で分配
する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラ
フィによって精製すると、5-(カルボメトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-
メトキシベンジルチオ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダゾールを生ずる。
5-(カルボメトキシ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-
4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダゾール(1.43g,3.55mmol)を95%エタノール
(25mL)、水(12mL)、及びテトラヒドロフラン(15mL)に溶解する。水酸化カリウム
(1.3g,23mmol)で処理し、室温で1時間かきまぜる。濾過し、溶媒を真空中で
蒸発させる。水
(125mL)とエーテル(75mL)との間で分配する。水相を分離し、冷たい濃塩酸で酸
性化する。塩化メチレン(75mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸
発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、5-(カルボキシ)-1-(カ
ルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-4,5-ジヒドロ-シクロペント
イミダゾールを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ
ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mmol
)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解する。5-(カルボキシ)-1-(カルボ-t-ブチロ
キシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダゾール(
0.74mmol)で処理する。室温でアルゴン雰囲気下に20時間かきまぜ、溶媒を真空
中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、5%硫酸(15mL)と次に飽
和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5- ジヒドロ-シクロペントイミダゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒド ロ-6-オキソ-1H-[1,4]-オキサジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジ
ルチオ)-5-オキソ-1-(カルボ-t-ブチロキシ)-4,5-ジヒドロ-シクロペントイミダ
ゾール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-オキサ
ジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃
に冷却する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸
水銀(155mg,0.49mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガス
を溶液に15分吹込む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、
乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ
によって精製すると、表題化合物を生ずる。実施例35
[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ ンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4] -チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
反応経路C、段階a:(R *,R *)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-チアジ ン
水素化ナトリウム(7.75g,59%パラフィン分散液191mmol)を窒素雰囲気下に
乾燥ヘキサン(2X)で2回洗う。無水ジメチルホルムアミド(90mL)を加え、氷/
メタノール浴で冷却する。エタノールアミン塩酸塩(96.7mmol)を少量ずつ加え
、5分かきまぜ、ヨウ化カリウム(5.2g,
32mmol)を加える。ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(14.5mL,96.7
mmol)を滴加し、氷浴を除き、室温で8時間かきまぜる。無水テトラヒドロフラ
ン(40mL)中のN-フタロイル-(S)-フェニルアラニン(14.2g,48mmol)とN-カルベト
キシ-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(11.9g,48mmol)の溶液に加える。室
温で18時間かきまぜ、水(200mL)とジエチルエーテル(200mL)との間で分配し、有
機相を分離する。水相をジエチルエーテル(200mL)で抽出し、有機相を一緒にし
、1N塩酸(2x200mL)、次に飽和炭酸水素ナトリウム(2x200mL)、次に塩水(50mL)
で洗う。乾燥(MgSO4)し、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させると、中間体アセ
タールを生ずる。
中間体アセタール(30.3mmol)をクロロホルム(500mL)に溶解し、トリフルオ
ロ酢酸(4.5mL)を加える。窒素雰囲気下に4時間還流させ、冷却し、飽和炭酸
水素ナトリウム(300mL)で洗い、無水MgSO4に通して濾過する。溶媒を真空中で蒸
発させ、クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路C、段階b:[4α,7α(R*),12bβ]-7-(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ- 2H-イソインドール-2-イル)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]- チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オ
キソ-3-フェニルプロピル]-3,
4-ジヒドロ-2H-1,4-チアジン(1.73mmol)を塩化メチレン(14mL)に溶解し、トリ
フルオロメタンスルホン酸(7mL)に滴加する。室温で4.5時間かきまぜ、氷浴中で
冷却し、水(3mL)で停止させる。酢酸エチル(100mL)と水(30mL)との間で分配する
。有機相を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、
溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を
生ずる。
反応経路C、段階c:[4α,7α(R *),12bβ]-7-(アミノ)-3,4,6,7,8,12b-ヘキ サヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベ
ンズアゼピン(1.86mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、ヒドラシン水和物(1.
0Mメタノール溶液4.6mL,4.6mmol)で処理する。室温で2.5日かきまぜ、濾過助
剤に通して濾過し、濃縮する。濾過助剤とMgSO4との混合物に通して再び濾過し
、溶媒を真空中で蒸発させると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジル チオ)-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン)メチルアミノ]- 3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,
4-a][2]ベンズアゼピン
3,4-(ジカルボエトキシ)フラン(21.2g,10mmol)を無水テトラヒドロフラン(
30mL)に溶解し、-20℃に冷却する。水素化ホウ素リチウム(2N溶液7mL)で処理
し、窒素雰囲気下に数日間かきまぜる。注意深く水を加え、酢酸エチルと5%塩
酸との間で分配する。有機相を分離し、塩水で洗い、乾燥(MgSO4)する。溶媒
を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、3,4-(ジヒ
ドロキシメチル)フランを生ずる。
3,4-(ジヒドロキシメチル)フラン(11.9g,0.093mol)を2,4.6-コリジン(12.4g
)に溶解し、ジメチルホルムアミド(80mL)中の臭化リチウム(7.9g,91mmol)の
溶液を加える。-50℃に冷却し、窒素雰囲気下に置く。温度を0℃より低温に保つ
ような速度で、塩化メタンスルホニル(11.8g)を加える。0℃で2時間かきまぜ
、氷水に注ぐ。エチルエーテルで抽出し、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸
発させ、シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、3,4-(ジブロモメチル)フ
ランを生ずる。
ジエチルマロネート(15.2mL,0.100mol)をテトラヒドロフラン(800mL)に溶
解する。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol,鉱油中80%)で
処理する。溶液が得られるまでかきまぜ、3,4-(ジブロモメチル)フラン(23.8g,
0.100mol)を加える。30分かきまぜ、次に追加の水素化ナトリウム(3.0g,0.10
mol)を加え
る。室温で20時間かきまぜ、濾過助剤に通して濾過し、溶媒を真空中で蒸発させ
る。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、5,5-(ジカルボエトキシ)-2,4
,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フランを生ずる。
5,5-(ジカルボエトキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン(15.3
g,60.6mmol)をジメチルスルホキシド(140mL)に溶解する。水(14mL)と塩化リチ
ウム(7.0g,0.16mol)を加える。還流下に4時間加熱し、冷却し、水(150mL)と
塩化メチレン(2x150mL)との間で分配する。有機相を水(150mL)で洗い、乾燥(Mg
SO4)し、シリカゲルプラグに通して濾過すると、5-(カルボエトキシ)-2.4,5,6-
テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フランを生ずる。
5-(カルボエトキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン(6.2g,3
4.1mmol)をエタノール(95%,150mL)と水(75mL)に溶解する。水酸化カリウム
(9.5g,0.17mol)を加え、室温で1時間かきまぜる。水(150mL)とエチルエーテ
ル(2x150mL)との間で分配する。水相を塩酸でpH 1に酸性化する。塩化メチレ
ン(2x150mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、5-(
カルボキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フランを生ずる。
5-(カルボキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン(3.6g,23.5m
mol)をメタノール(60mL)に溶
解し、ジメトキシプロパン(5.8mL,47mmol)と硫酸(0.8mL)で処理する。室温
で1日かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、塩化メチレン(75mL)で希釈し、飽
和炭酸水素ナトリウム(35mL)で洗う。水相を塩化メチレン(30mL)で抽出し、一緒
にした有機相を塩水(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を真空中で蒸発さ
せ、シリカゲルプラグに通すと、5-(カルボメトキシ)-2,4.5,6-テトラヒドロ-シ
クロペンタ[c]フランを生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(3.0g,19mmol)を水酸化ナトリウム(2.5N水溶
液20mL)とメタノール(10mL)に混合する。飽和硫酸銅水溶液(1.5mL)を加え、
室温で2時間かきまぜ、混合物上面に空気を流す。濾過し、固体を水で洗い、乾
燥すると、4-メトキシベンジルジスルフィドを薄い黄色の粉末(2.71g,91%)
として生ずる。
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中の5-(カルボメトキシ)-2,4,5,6
-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン(589mg,3.55mmol)の溶液で処理する。
1時間かきまぜてから、ヘキサメチルホスホルアミド(0.93mL,5.3mmol)を加
え、5分かきまぜる。テトラヒドロフラン(10mL)中の4-メトキシベンジルジスル
フィド(1.6g,5.2mmol)を加える。-78℃で5時間かきまぜ、塩化アンモニウム
で停止させる。酢酸エチル(75mL)と塩水(30mL)との間で分配する。乾燥
(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラフィによっ
て精製すると、5-(カルボメトキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テト
ラヒドロ-シクロペンタ[c]フランを生ずる。
5-(カルボメトキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シ
クロペンタ[c]フラン(1.8g,3.55mmol)を95%エタノール(25mL)、水(12mL)、
及びテトラヒドロフラン(15mL)中に溶解する。水酸化カリウム(1.3g,23mmol)
で処理し、室温で1時間かきまぜる。濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。水(1
25mL)とエーテル(75mL)との間で分配する。水相を分離し、冷たい濃塩酸で酸性
化する。塩化メチレン(75mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発
させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、5-(カルボキシ)-5-(4-メ
トキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フランを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ
ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mmol
)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解する。5-(カルボキシ)-5-(4-メトキシベン
ジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン(0.74mmol)で処理す
る。室温でアルゴン雰囲気下に20時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残
留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、5%硫酸(15
mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真
空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、表題化合物を
生ずる。
反応経路a、段階b:[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6 -トリヒドロ-シクロペンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒド ロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジルチオ)-5-オキソ-2,4,
5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]フラン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキ
サヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol)
を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷却する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニ
ソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸水銀(155mg,0.49mmol)で処理する。0℃
で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶液に15分吹込む。濾過し、塩化メチレ
ンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる
。実施例36
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6-トリヒドロ-シクロペ ンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[ 1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジル チオ
)-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン)メチルアミ ノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベン ズアゼピン
3,4-(ジカルボエトキシ)チオフェン(2.28g,10mmol)を無水テトラヒドロフ
ラン(30mL)に溶解し、-20℃に冷却する。水素化ホウ素リチウム(2N溶液7mL)で
処理し、窒素雰囲気下に数日間かきまぜる。注意深く水を加え、酢酸エチルと5
%塩酸との間で分配する。有機相を分離し、塩水で洗い、乾燥(MgSO4)する。
溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、3,4-(
ジヒドロキシメチル)チオフェンを生ずる。
3,4-(ジヒドロキシメチル)チオフェン(13.4g,0.093mol)を2,4,6-コリジン
(12.4g)に溶解し、ジメチルホルムアミド(80mL)中の臭素化リチウム(7.9g,9
1mmol)の溶液を加える。-50℃に冷却し、窒素雰囲気下に置く。温度を0℃より
低温に保つような速度で、塩化トリフルオロメタンスルホニル(11.8g)を加え
る。0℃で2時問かきまぜ、氷水に注ぐ。エチルエーテルで抽出し、乾燥(MgSO4
)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、
3,4-(ジブロモメチル)チオフェンを生ずる。
ジエチルマロネート(15.2mL,0.100mol)をテトラヒ
ドロフラン(800mL)に溶解する。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(3.0g,0.1
0mol,鉱油中80%)で処理する。溶液が得られるまでかきまぜ、3,4-(ジブロモ
メチル)チオフェン(25.4g,0.100mol)を加える。30分かきまぜ、次に追加の水
素化ナトリウム(3.0g,0.10mol)を加える。室温で20時間かきまぜ、濾過助剤
に通して濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで
精製すると、5,5-(ジカルボエトキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]
チオフェンを生ずる。
5,5-(ジカルボエトキシ)-2.4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン
(16.2g,60.6mmol)をジメチルスルホキシド(140mL)に溶解する。水(14mL)と塩
化リチウム(7.0g,0.16mol)を加える。還流下に4時間加熱し、冷却し、水(15
0mL)と塩化メチレン(2x150mL)との間で分配する。有機相を水(150mL)で洗い、乾
燥(MgSO4)し、シリカゲルプラグに通して濾過すると、5-(カルボエトキシ)-2,
4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェンを生ずる。
5-(カルボエトキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン(6.6
8g,34.1mmol)をエタノール(95%,150mL)と水(75mL)に溶解する。水酸化カリ
ウム(9.5g,0.17mol)を加え、室温で1時間かきまぜる。水(150mL)とエチルエ
ーテル(2x150mL)との間で分配する。水相を塩酸でpH 1に酸性化する。塩化メ
チレン(2x
150mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、5-(カルボ
キシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェンを生ずる。
5-(カルボキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン(3.95g,
23.5mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、ジメトキシプロパン(5.8mL,47mmol
)と硫酸(0.8mL)で処理する。室温で1日かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発さ
せ、塩化メチレン(75mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(35mL)で洗う。水相
を塩化メチレン(30mL)で抽出し、一緒にした有機相を塩水(30mL)で洗い、乾燥(
Na2SO4)する。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲルプラグに通すと、5-(カル
ボメトキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェンを生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(3.0g,19mmol)を水酸化ナトリウム(2.5N水溶
液20mL)とメタノール(10mL)に混合する。飽和硫酸銅水溶液(1.5mL)を加え、
室温で2時間かきまぜ、混合物上面に空気を流す。濾過し、固体を水で洗い、乾
燥すると、4-メトキシベンジルジスルフィドを薄い黄色の粉末(2.71g,91%)
として生ずる。
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中の5-(カルボメトキシ)-2,4,5,6
-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン(646mg,3.55mmol)の溶液で処理す
る。1時間かきまぜてから、ヘキサ
メチルホスホルアミド(0.93mL,5.3mmol)を加え、5分かきまぜる。テトラヒ
ドロフラン(10mL)中の4-メトキシベンジルジスルフィド(1.6g,5.2mmol)を加
える。-78℃で5時間かきまぜ、塩化アンモニウムで停止させる。酢酸エチル(75
mL)と塩水(30mL)との間で分配する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せ、シリカゲル・クロマトグラフィによって精製すると、5-(カルボメトキシ)-5
-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン
を生ずる。
5-(カルボメトキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シ
クロペンタ[c]チオフェン(1.14g,3.55mmol)を95%エタノール(25mL)、水(12m
L)、及びテトラヒドロフラン(15mL)中に溶解する。水酸化カリウム(1.3g,23mm
ol)で処理し、室温で1時間かきまぜる。濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。
水(125mL)とエーテル(75mL)との間で分配する。水相を分離し、冷たい濃塩酸で
酸性化する。塩化メチレン(75mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で
蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、5-(カルボキシ)-5-(
4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェンを
生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソ
ピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(136mg,0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mmol
)をテ
トラヒドロフラン(5mL)に溶解する。5-(カルボキシ)-5-(4-メトキシベンジルチ
オ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン(0.74mmol)で処理する。
室温でアルゴン雰囲気下に20時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物
を酢酸エチル(30mL)に溶解し、5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15
mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロ
マトグラフィで精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路a、段階b:[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-4,5,6 -トリヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサ ヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジルチオ)-5-オキソ-2,4,5
,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]チオフェン)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘ
キサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-チアジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol
)を塩化メチレン(6mL)に溶解し、0℃に冷却する。トリフルオロ酢酸(3mL)、ア
ニソール(0.42mL,3.8mmol)及び酢酸水銀(155mg,0.49mmol)で処理する。0
℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶液に15分吹込む。濾過し、塩化メチ
レンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で
蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を
生ずる。実施例37
[4S-[4α,7α(R *),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シク ロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H -[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
反応経路C、段階a:(R *,R *)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-4-トリフル オロアセチル-1,4-アザジン
エチレンジアミン(30mL,0.45mol)をジオキサン(150mL)に溶解する。無水ジ
オキサン(150mL)中のジ-t-ブチルジカーボネート(12.2g,56.1mmol)の溶液を2
.5時間に滴加する。室温で22時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させ、水(250mL
)を加える。濾過し、水相を塩化メチレン(3x250mL)で抽出する。乾燥(MgSO4
)し、溶媒を真空中で蒸発させると、N-(t-ブチロキシカルボニル)エチレンジア
ミンを無色の油(8.82g,98%)として生ずる。
N-(t-ブチロキシカルボニル)エチレンジアミン(8.82g,55.1mmol)を塩化メ
チレン(150mL)に溶解する。ピリジン(6.7mL,83mmol)で処理する。無水トリフ
ルオロ酢酸(11.7mL,83mmol)を滴加する。室温で2.5時間か
きまぜ、飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で停止させる。有機相を5%硫酸(50mL)
と再び飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で抽出し、洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒
を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィ(2:1酢酸エチル/ヘキサン)で精製す
ると、N-(t-ブチロキシカルボニル)-N'-(トリフルオロアセチル)-エチレンジア
ミンを無色の油(10.1g,72%)として生ずる。
N-(t-ブチロキシカルボニル)-N'-(トリフルオロアセチル)-エチレンジアミン
(500mg,1.95mmol)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、0℃に冷却し
、水素化ナトリウム(56mg,1.85mmol,鉱油中80%懸濁液)で処理する。15分か
きまぜ、臭化アリル(0.25mL,2.9mmol)を加える。2.5時間かきまぜ、酢酸エチ
ル(50mL)で希釈し、水(25mL)で抽出する。有機相を分離し、塩水(2x20mL)で洗
う。一緒にした水相を酢酸エチル(2x5mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒
を真空中で蒸発させる。クロマトグラフィ(2:1ヘキサン/酢酸エチルから3:2ヘ
キサン/酢酸エチル)で精製すると、N-(t-ブチロキシカルボニル)-N'-(トリフ
ルオロアセチル)-N'-(アリル)-エチレンジアミン(562mg,100%)を生ずる。
N-(t-ブチロキシカルボニル)-N'-(トリフルオロアセチル)-N'-(アリル)-エチ
レンジアミン(1.95mmol)を塩化メチレン(7mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2
.6mL)を加える。室温で1時間かきまぜ、次に溶媒を真空中で
蒸発させると、N'-(トリフルオロアセチル)-N'-(アリル)-エチレンジアミントリ
フルオロアセテートを生ずる。
N'-(トリフルオロアセチル)-N'-(アリル)-エチレンジアミントリフルオロアセ
テート(1.95mmol)を塩化メチレン(7mL)に懸濁し、N-フタロイル-(S)-フェニル
アラニン酸塩化物(3mL,2.5mmol)を加える。-30℃に冷却し、N-メチルモルホ
リン(0.46mL,4.2mmol)を滴加する。2時間かきまぜ、酢酸エチル(50mL)で希
釈する。5%硫酸(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)及び塩水(20mL)で洗う
。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトクラフィ(2:1ヘキサ
ン/酢酸エチル)で精製すると、N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ
ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-N'-(トリフルオロアセチル)-
N'-(アリル)-エチレンジアミン(540mg,58%)を生ずる。
N-[2-(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-
フェニルプロピル]-N'-(トリフルオロアセチル)-N'-(アリル)-エチレンジアミン
(600mg,1.27mmol)を塩化メチレン(22mL)とメタノール(22mL)に溶解する。-78
℃に冷却し、青色になるまでオゾンで処理する。過剰なオゾンを窒素流によって
除去し、ピリジン(0.12mL)に続いてジメチルスルフィド(2.5mL)を加え、一
夜に徐々に室温に温める。酢酸エチル(75mL)で希釈し、5%硫酸(30mL)と飽和炭
酸水素ナトリウム(30
mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィ(2
.5:1酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、2-(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ-2H
-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル-N'-(トリフルオロアセ
チル)-N'-(1-オキソ-エタン)-エチレンジアミンを白いフォーム(489mg,81%)
として生ずる。
2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェ
ニルプロピル−N'-(トリフルオロアセチル)-N'-(1-オキソ-エタン)-エチレンジ
アミン(200mg,0.41mmol)を塩化メチレン(8mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(
0.5mL,0.65mmol)で処理する。室温で2時間かきまぜ、酢酸エチル(50mL)で希
釈する。飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)、次に(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)す
る。溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィ(2:1ヘキサン/酢酸エチル)
で精製すると、表題化合物(90mg,47%)を生ずる。
反応経路C、段階b:[4α,7α(R *),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ -2H-イソインドール-2-イル)]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-ト リフルオロアセチル-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-1-オ
キソ-3-フェニルプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-4-トリフルオロアセチル-1,4-アザ
ジン
(1.73mmol)を塩化メチレン(14mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(7
mL)に滴加する。室温で4.5日間かきまぜ、氷浴中で冷却し、水(3mL)で停止させ
る。酢酸エチル(100mL)と水(30mL)との間で分配する。有機相を分離し、飽和炭
酸水素ナトリウム(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、
クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路C、段階c:[4α,7α(R *),12bβ]-7-(アミノ)-3,4,6,7,8,12b-ヘキ サヒドロ-6-オキソ-1H-4-t-ブチロキシカルボニル-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベ ンズアゼピン
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-トリフルオロアセチル-[1,4
]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(9mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL
)に溶解し、ピロリジン(10mmol)で処理する。室温で48時間かきまぜ、溶媒を
真空中で蒸発させると、[4α,7α(R*),12bβ]-7-[o-ピロリジノカルボニルベン
ズアミド]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-トリフルオロアセチル-
[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-[o-ピロリジノカルボニルベンズアミド]-3,4,6,7,8,1
2b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-トリフルオロアセチル-[1,4]-アザジノ[3,4-a
][2]ベ
ンズアゼピン(1.5mmol)をエタノール(3mL)とアセトン(3mL)の混合物に溶解す
る。水素化ホウ素ナトリウム(1.5mmol)を加え、室温で一夜かきまぜる。水(25
mL)中に注ぎ、1N塩酸で注意ぶかく中和する。酢酸エチル(2X)で抽出し、乾燥
(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、[4α,7α(R*),12bβ]-7-[o-ピロリ
ジノカルボニルベンズアミド]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]
-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-[o-ピロリジノカルボニルベンズアミド]-3,4,6,7,8,1
2b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(1mmol
)をメタノール性塩酸(5mL)に溶解し、室温で一夜かきまぜる。溶媒を真空中で蒸
発させると、[4α,7α(R*),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ
ンドール-2-イル)]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-アザジノ[
3,4-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベ
ンズアゼピン(5mmol)を50/50ジオキサン/水(25mL)に溶解し、1N水酸化ナトリ
ウムでpH 10に緩衝する。10℃でジ-t-ブチルジカーボネート(1.2g,5.5mmol)
のエーテル溶液を滴加する。室温に温め、pH 10を維持するために
時おり緩衝する。クエン酸ナトリウム/クエン酸緩衝液でpH 5に酸性化し、エー
テル(3X)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、[4α,7
α(R*),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)]-3
,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-t-ブチロキシカルボニル-[1,4]-ア
ザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-t-ブチロキシカルボニル-[
1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(1.86mmol)をメタノール(15mL)に溶
解し、ヒドラジン水和物(1.0Mメタノール溶液4.6mL,4.6mmol)で処理する。室
温で2.5日間かきまぜ、濾過助剤に通して濾過し、濃縮する。濾過助剤とMgSO4と
の混合物に通して再び濾過し、溶媒を真空中で蒸発させると、表題化合物を生ず
る。
反応経路A、段階a:[4α,7α(R*),12bβ]-7-[(5-(4-メトキシベンジルチオ) -5-オキソ-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロベンタ[c]ピ ロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-t-ブチロキ シカルボニル-[1,4]-アザシノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
3,4-(ジカルボエトキシ)ピロール(1.06g,5mmol)を50:50ジオキサン/水(25
mL)中に溶解し、1N水酸化ナト
リウムでpH 10まで緩衝する。ジ-t-ブチルジカーボネート(1.2g,5.5mmol)の
エーテル溶液を10℃で滴加する。室温に温め、pH 10を維持するために、時おり
緩衝する。クエン酸ナトリウム/クエン酸緩衝液でpH5に酸性化し、エチルエー
テル(3X)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を
シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-3,4-(
ジカルボエトキシ)ピロールを生ずる。
N-(カルボ−t−ブチロキシ)-3,4-(ジカルボエトキシ)ピロール(3.11g,1
0mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、-20℃に冷却する。水素化ホ
ウ素リチウム(2N溶液7mL)で処理し、窒素雰囲気下に数日間かきまぜる。注意
深く水を加え、酢酸エチルと5%塩酸との間で分配する。有機相を分離し、塩水
で洗い、乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロマト
グラフィで精製すると、N-(カルボ−t−ブチロキシ)-3,4-(ジヒドロキシメ
チル)ピロールを生ずる。
N-ブロモサクシンイミド(1.78g,0.01mol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶
解し、テトラヒドロフラン中のトリフェニルホスフィン(2.62g,0.01mol)の溶
液を加える。テトラヒドロフラン(25mL)中のN-(カルボ-t-ブチロキシ)-3,4-(ジ
ヒドロキシメチル)ピロール(1.14g,5mmol)の溶液を加え、固体のほとんどが溶
解するまでかきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を水とエチ
ルエーテルとの間で分配する。有機相を分離し、水洗する。乾燥(Na2SO4)し、
溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで精製すると、N-(
カルボ-t-ブチロキシ)-3,4-(ジブロモメチル)ピロールを生ずる。
ジエチルマロネート(15.2mL,0.100mol)をテトラヒドロフラン(800mL)に溶
解する。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol,鉱油中80%)で
処理する。溶液が得られるまでかきまぜ、N-(カルボ-t-ブチロキシ)-3,4-(ジブ
ロモメチル)ピロール(35.3g,0.100mol)を加える。30分かきまぜ、次に追加の
水素化ナトリウム(3.0g,0.10mol)を加える。室温で20時間かきまぜ、濾過助剤
に通して濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィで
精製すると、5,5-(ジカルボエトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テト
ラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロールを生ずる。
5,5-(ジカルボエトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シ
クロペンタ[c]ピロール(21.3g,60.6mmol)をジメチルスルホキシド(140mL)に
溶解する。水(14mL)と塩化リチウム(7.0g,0.16mol)を加える。還流下に4時
間加熱し、冷却し、水(150mL)と塩化メチレン(2x150mL)との間で分配する。有機
相を水(150mL)で洗い、乾燥(MgSO4)し、シリカゲルプラグに通して濾過すると
、5-(カルボエトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロ
ペンタ[c]ピロールを
生ずる。
5-(カルボエトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロ
ペンタ[c]ピロール(9.5g,34.1mmol)をエタノール(95%,150mL)と水(75mL)
に溶解する。水酸化カリウム(9.5g,0.17mol)を加え、室温で1時間かきまぜ
る。水(150mL)とエチルエーテル(2x150mL)との間で分配する。水相を塩酸でpH
1に酸性化する。塩化メチレン(2x150mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒
を真空中で蒸発させると、5-(カルボキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-
テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロールを生ずる。
5-(カルボキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペン
タ[c]ピロール(5.9g,23.5mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、ジメトキシプ
ロパン(5.8mL,47mmol)と硫酸(0.8mL)で処理する。室温で1日かきまぜる。
溶媒を真空中で蒸発させ、塩化メチレン(75mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウ
ム(35mL)で洗う。水相を塩化メチレン(30mL)で抽出し、一緒にした有機相を塩水
(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)する。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲルプラ
グに通すと、5-(カルボメトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒ
ドロ-シクロペンタ[c]ピロールを生ずる。
4-メトキシベンジルチオール(3.0g,19mmol)を水酸化ナトリウム(2.5N水溶
液20mL)とメタノール(10mL)に
混合する。飽和硫酸銅水溶液(1.5mL)を加え、室温で2時間かきまぜ、混合物
上面に空気を流す。濾過し、固体を水で洗い、乾燥すると、4-メトキシベンジル
ジスルフィドを薄い黄色の粉末(2.71g,91%)として生ずる。
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中の5-(カルボメトキシ)-2-(カル
ボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール(941mg,3.
55mmol)の溶液で処理する。1時間かきまぜてから、ヘキサメチルホスホルアミ
ド(0.93mL,5.3mmol)を加え、5分かきまぜる。テトラヒドロフラン(10mL)中
の4-メトキシベンジルジスルフィド(1.6g,5.2mmol)を加える。-78℃で5時間
かきまぜ、塩化アンモニウムで停止させる。酢酸エチル(75mL)と塩水(30mL)との
間で分配する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・クロ
マトグラフィによって精製すると、5-(カルボメトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキ
シ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロ
ールを生ずる。
5-(カルボメトキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-
2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール(1.43g,3.55mmol)を95%エ
タノール(25mL)、水(12mL)、及びテトラヒドロフラン(15mL)中に溶解する。水酸
化カリウム(1.3g,23mmol)で処理し、
室温で1時間かきまぜる。濾過し、溶媒を真空中で蒸発させる。水(125mL)とエ
ーテル(75mL)との間で分配する。水相を分離し、冷たい濃塩酸で酸性化する。塩
化メチレン(75mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シ
リカゲル・クロマトグラフィで精製すると、5-(カルボキシ)-2-(カルボ-t-ブチ
ロキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]
ピロールを生ずる。
[4α,7α(R*),12bβ]-7-(アミノ)-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-
4-t-ブチロキシカルボニル-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(136mg,
0.59mmol)とEDC(170mg,0.886mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解する。5
-(カルボキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-メトキシペンジルチオ)-2,4,5,6
-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール(0.74mmol)で処理する。室温でアルゴ
ン雰囲気下に20時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発させる。残留物を酢酸エチル
(30mL)に溶解し、5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で洗う。
乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ
で精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階b:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-チオ-5-オキソ-2,4,5 ,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキ サヒ ドロ-6-オキソ-1H-[1,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(5-(4-メトキシベンジルチオ)-5-オキソ-2-(カ
ルボ-t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール)メチルア
ミノ]-3,4,6,7,8,12b-ヘキサヒドロ-6-オキソ-1H-4-t-ブチロキシカルボニル-[1
,4]-アザジノ[3,4-a][2]ベンズアゼピン(0.38mmol)を塩化メチレン(6mL)に溶
解し、0℃に冷却する。トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.42mL,3.8mmol
)及び酢酸水銀(155mg,0.49mmol)で処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫
化水素ガスを溶液に15分吹込む。濾過し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20m
L)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマ
トグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる。実施例38
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペ ンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロ ロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン
反応経路C、段階a:(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソイ ンドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-1,2,3-トリヒドロ-2-ピロー ル
4-ブロモ-1-ブテン(0.209mol)とシアン化カリウム
(16.8g,0.257mol)をエチレングリコール(85mL)中で混合し、100℃に2時間加
熱する。冷却し、水(100mL)で希釈し、エチルエーテル(100mL)で抽出する。飽和
炭酸水素ナトリウム(35mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、蒸留すると、4-ペンテニ
ルニトリルを生ずる。
水素化アルミニウムリチウム(6.5g,0.17mol)をエチルエーテル(350mL)に懸
濁し、4-ペンテニルニトリル(0.17mol)を30分間に滴加する。室温で2時間か
きまぜ、氷浴中で冷却し、非常に緩慢な添加で、水(6.8mL)、次に20%水酸化
ナトリウム(5.2mL)、次に水(24mL)を加える。エーテル相を傾斜させ、白色塩
をエーテルで洗う。エーテル相を一緒にし、蒸留すると4-ペンテニルアミンを生
ずる。
4-ペンテニルアミン(0.88g,8.9mmol)を塩化メチレン(50mL)に溶解し、始め
にN-フタロイル-(S)-フェニルアラニン(2.95g,10.0mmol)、次にEEDQ(2.47g
,10.0mmol)で処理し、室温で6時間かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、残
留物を酢酸エチル(75mL)に溶解し、5%硫酸(25mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(2
5mL)及び塩水(25mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロ
マトグラフィで精製すると、2-(1.3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール
-2-イル)-3-フェニルプロピオニル-4-ペンテニルアミドを生ずる。
2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)-3-フェニルプロピオニル-4-ペンテニルアミド(3.19mmol)を塩化メチレ
ン(40mL)とメタノール(4mL)に溶解し、-78℃に冷却し、窒素雰囲気下に置く。青
色が持続するまでオゾンで処理する。窒素で20分脱気し、ピリジン(0.2mL)を
加える。ジメチルスルフィド(4mL)で停止させ、一夜に室温でかきまぜる。塩
化メチレン(75mL)で希釈し、5%硫酸(40mL)と塩水(40mL)で洗う。乾燥(Na2SO4
)し、溶媒を真空中て蒸発させ、クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)で
精製すると、2-(1,3-ジヒドロ−1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-3-フ
ェニルプロピオニル-4-オキソブチルアミドを生ずる。
2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-3-フェニルプロ
ピオニル-4-オキソブチルアミド(0.404mmol)を無水塩化メチレン(7mL)に溶解
し、トリフルオロ酢酸(0.04mL,0.5mmol)で処理する。室温で3時間かきまぜ
る。塩化メチレン(25mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)との間で分配する。乾
燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、クロマトグラフィで精製すると、表
題化合物を生ずる。
反応経路C、段階b:[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-[(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ -2H-イソインドール-2-イル)]-
1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロロ [2,1-a][2]ベンズアゼピン
(R*,R*)-N-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソ
インドール-2-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロピル]-1,2,3-トリヒドロ-2-ピロ
ール(1.73mmol)を塩化メチレン(14mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン
酸(7mL)に滴加する。室温で4.5時間かきまぜ、氷浴中で冷却し、水(3mL)で停止
させる。酢酸エチル(100mL)と水(30mL)との間で分配する。有機相を分離し、飽
和炭酸水素ナトリウム(30mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せ、クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路C、段階c:[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-アミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘ プタヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-
イル)]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベンズアゼ
ピン(1.86mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、ヒドラジン水和物(1.0Mメタノ
ール溶液4.6mL,4.6mmol)で処理する。室温で2.5日間かきまぜ、濾過助剤に通
して濾過し、濃縮する。濾過助剤とMgSO4との混合物に通して再び濾過し、溶媒
を真空中で蒸発させると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階a:[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-(4-メトキシベンジルチオ) -5-オキソ-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-2,4.5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピ ロール)
メテルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベン ズアゼピン
5-(カルボキシ)-2-(カルボ-t-ブチロキシ)-5-(4-メトキシベンジルチオ)-2,4,
5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール)(329mg,0.845mmol)を塩化メチレ
ン(6mL)に溶解し、氷/メタノール浴中で冷却し、塩化オキサリル(0.94mL,11m
mol)で処理する。1.5時間かきまぜ、溶媒を0-5℃で真空中で蒸発させる。塩化
メチレン(3mL)で残留物を希釈し、塩化メチレン(6mL)中の[6α(R*),11bβ]-6-[(
S)-アミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベンズ
アゼピン(0.565mmol)の溶液を加える。ピリジン(68μL,0.85mmol)を加え、
2時間かきまぜる。酢酸エチル(60mL)で希釈し、1N塩酸(30mL)と飽和炭酸水素ナ
トリウム(2x30mL)で洗う。乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ、シリ
カゲル・クロマトグラフィで精製すると、表題化合物を生ずる。
反応経路A、段階b:[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-チオ-5-オキソ-2,4,5,6-テ トラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]-1,2,3,5,6,7,11b-ヘプタ ヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン
[6α(R*),11bβ]-6-[(S)-(5-(4-メトキシベンジルチオ)-5-オキソ-2-(カルボ-
t-ブチロキシ)-2,4,5,6-テトラヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール)メチルアミノ]
-1,2,
3,5,6,7,11b-ヘプタヒドロ-5-オキソ-ピロロ[2,1-a][2]ベンズアゼピン(105mg
,0.163mmol)を塩化メチレン(3mL)に溶解し、0℃に冷却する。トリフルオロ酢
酸(1.5mL)、アニソール(0.19mL,1.7mmol)及び酢酸水銀(65mg,0.2mmol)で
処理する。0℃で3時間かきまぜ、次に硫化水素ガスを溶液に10分吹込む。濾過
し、塩化メチレンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を
真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製すると、表題
化合物を生ずる。実施例39
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-1-オキソ-2-メチル)-2-プロピルアミ ノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピ ン
4-メトキシベンジルチオール(14mL,0.10mmol)を無水ジメチルホルムアミド
(150mL)に溶解し、窒素で脱気し、パージする。ジイソプロピルエチルアミン(2
0mL,0.115mol)を加え、次にブロモ酢酸エチル(11.1mL,0.10mol)で処理する
。冷水を入れた冷却浴中に反応フラスコを入れ、室温に64時間かきまぜる。水(3
00mL)とエーテル(250mL)の間で分配する。水相を分離し、エーテル(250mL)で抽
出する。有機相を一緒にし、水(2x150mL)で洗い、一緒にした水相をエーテル(
125mL)で抽出する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。クロマトグ
ラフィ(6:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、
1-(カルボエトキシ)-1−(4-メトキシベンジルチオ)メタンを黄色の油(22g,92
%)として生ずる。
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中
)を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(4mL)中の1-(カルボエトキシ)-1-(4-メ
トキシベンジルチオ)メタン(1.0g,4.2mmol)の溶液で処理する。45分かきまぜ
てから、ヨウ化メチル(0.26mL,4.2mmol)を加え、3時間かきまぜる。追加の
リチウムヘキサメチルシラザン(4.2mL,4.2mmol,1.0Mテトラヒドロフラン中)
を加え、30分かきまぜ、ヨウ化メチル(0.3mL,4.8mmol)を加える。飽和塩化ア
ンモニウム(30mL)と酢酸エチル(50mL)との間で分配する。有機相を分離し、乾燥
(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ(5:
1ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、2-(カルボエトキシ)-2-(4-メト
キシベンジルチオ)プロパンを薄い黄色の油(1.05g,93.8%)として生ずる。
2-(カルボエトキシ)-2-(4-メトキシベンジルチオ)プロパン(1.05g,3.19mmol
)を95%エタノール(18mL)、水(9mL)、及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合物
中に溶解する。水酸化カリウム(1.4g,25mmol)を加え、室温で2時間、次に55
℃で1時間かきまぜる。溶媒を真空中で蒸発させ、水(50mL)とエーテル(50mL)と
の間で分配する。濃塩酸でpH 1に酸性化し、塩化メチレン(50mL)で
抽出する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させると、2-(カルボキシ)-2
-(4-メトキシベンジルチオ)プロパンを淡褐色の固体(763mg)として生ずる。
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-(アミノ)-1,2,3,4,6,7.8,12b-オクタヒドロ-6-
オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(175mg)、EEDQ(101mg,0.41mmol)、
及び2-(カルボキシ)-2-(4-メトキシベンジルチオ)プロパン(96mg,0.40mmol)
を塩化メチレン(5mL)に溶解する。室温で18時間かきまぜ、溶媒を真空中で蒸発
させる。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、5%硫酸(15mL)と次に飽和炭酸水
素ナトリウム(15mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シ
リカゲル・クロマトグラフィで精製すると、[4S-[4α.7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(
4-メトキシベンジルチオ)-1-オキソ-2-メチル)-2-プロピルアミノ]-1,2,3,4,6,7
,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-(4-メトキシベンジルチオ)-1-オキソ-2-メ
チル)-2-プロピルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,
1-a][2]ベンズアゼピン(260mg)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、0℃に冷却する
。アニソール(0.43mL,4.0mmol)及び酢酸水銀(159mg,0.54mmol)で処理し、
次にトリフルオロ酢酸(2.5mL)で処理する。3時間かきまぜ、次に硫化水素ガ
スを溶液に10分間吹込む。濾過し、塩化メチレ
ンで洗う。有機相を水(20mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せる。シリカゲル・クロマトグラフィによって精製すると、表題化合物を生ずる
。更に一つの態様で、本発明は必要な患者でエンケファリナーゼを阻害する方法
を提供しており、この方法は構造(a)の化合物のエンケファリナーゼ阻害有効量
を上記の患者に投与することからなる。実施例40
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピペリジン)メチルアミノ]-1 ,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
反応経路A、段階a:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-(4-メトキシベンジル チオ)-4-オキソ−1-(カルボ-t-ブチロキシ)ピペリジン)メチルアミノ]-1,2,3,4, 6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン
t-ブチルシカーボネート(14.14g,64.8mmol)を塩化メチレン(600mL)に溶解
し、エチルイソニペコチン酸(10mL,64.8mmol)を加える。1時間かきまぜ、溶
媒を真空中で蒸発させると、1-カルボ-t-ブチロキシ−イソニペコチン酸エチル
エステルを薄い黄色の油(17.5g,99%)として生ずる。
1-カルボ-t-ブチロキシ−イソニペコチン酸エチルエステル(4g,15.546mmol
)を-78℃で、テトラヒドロフラ
ン中のリチウムジイソプロピルアミド(27.96mmol)の溶液に滴加する。-25℃に
温め、テトラヒドロフラン(15mL)中の4-メトキシベンジルジスルフィド(8.56g
,27.96mmol)の溶液を加える。室温で1時間かきまぜ、酢酸エチル(200mL)で希
釈し、10%HCl(2x100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)で洗う。乾燥(Na2
SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させる。シリカゲル・クロマトグラフィ(1:9酢酸
エチル/ヘキサン)で精製すると、(4-(カルボエトキシ)-4-(4-メトキシベンジ
ルチオ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)ピペリジンを生ずる。
(4-(カルボエトキシ)-4-(4-メトキシベンジルチオ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)
ピペリシン(3g,7.5mmol)をメタノール(35mL)、テトラヒドロフラン(35mL)、
及び水(17mL)の混合物中に溶解する。水酸化リチウム一水塩(2.2g,0.053mol)
を加え、45-60℃で5時間加熱する。冷却し、溶媒を真空中で蒸発させ、残留物
を水(200mL)とエーテル(200mL)の間で分配する。水相を分離し、pH 1に酸性化し
、塩化メチレン(200mL)で抽出する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発さ
せ、シリカゲル・クロマトグラフィ(9:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製すると
、(4-(カルボキシ)-4-(4-メトキシベンジルチオ)-1-(カルボ-t-ブチロキシ)ピ
ペリジンを白色固体(0.58,18%)として生ずる。
(4-(カルボキシ)-4-(4-メトキシベンジルチオ)-1-(カ
ルボ-t-ブチロキシ)ピペリジン(0.48,1.046mmol)、EDC(0.302g,1.57mmol)
、及びテトラヒドロフラン(10mL)を混合する。[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-(ア
ミノ)-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼ
ピン(0.242g,1.048mmol)で処理し、室温で24時間かきまぜる。溶媒を真空中で
蒸発させ、残留物を酢酸エチル(60mL)中に取り上げ、5%硫酸、飽和炭酸水素ナ
トリウム、及ひ塩水(30mL)で洗う。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を真空中で蒸発させ
、シリカゲル・クロマトグラフィ(3:2ヘキサン/酢酸エチル、続いて1:1ヘキサ
ン/酢酸エチル)で精製すると、表題化合物を白色固体(320mg,52%)として
生ずる。
反応経路A、段階bとc:[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソピ ペリジン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1 -a][2]ベンズアゼピントリフルオロアセテート塩
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-(4-メトキシベンジルチオ)-4-オキソ-1-(カ
ルボ-t-ブチロキシ)ピペリジン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒド
ロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(320mg,0.54mmol)、アニソール
(0.58mL.5.34mmol)及び酢酸水銀(214mg,0.67mmol)及び塩化メチレン(10mL
)を混合する。氷浴中で冷却し、トリフルオロ酢酸(3.5mL)で処理する。3.5時
間後、硫化水素ガスを10分間吹込み、濾過し、
真空中で溶媒を蒸発させる。残留物をヘキサン(2X)ですり砕き、塩化メチレン
を加え、濾過する。溶媒を真空中で蒸発させ、過剰のトリフルオロ酢酸を除くた
めに四塩化炭素を加える。残留物を最少量の塩化メチレンに溶解し、激しくかき
まぜたヘキサンに注ぐ。沈殿物を真空濾過によって集め、シリカゲル・クロマト
グラフィ(9:1:0.1塩化メチレン/メタノール/水酸化アンモニウム)で精製す
ると、[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(4-チオ-4-オキソ-1-(カルボ-t-ブチロキ
シ)ピペリジン)メチルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリ
ド[2,1-a][2]ベンズアゼピンを生ずる。塩化メチレン(5mL)中に溶解し、トリフ
ルオロ酢酸(0.05mL,0.669mmol)を加えると、濾過後、表題化合物(0.14lmg,
54%)を生ずる。
本明細書で使用される用語の「患者」は、ハツカネズミ、ラット、及びヒトを
含めた温血動物又は哺乳類をさす。患者は、急性又は慢性の痛みがある時に、エ
ンケファリナーゼを阻害するための処置を必要としており、またエンドルフィン
又はエンケファリンで媒介される鎮痛効果を必要としている。更に、患者が体液
、電解質、血圧、眼内圧、レニン、又はアルドステロン恒常性の異常を特徴とす
る症状、例えばこれらに限定はされないが、高血圧、腎臓病、高アルドステロン
血症、心臓肥大、緑内障、及びうっ血性心不全にかかっている時には、エン
ケファリンを抑制するための処置を必要としている。これらの場合に、患者はA
NPで媒介される利尿、ナトリウム利尿、血圧低下、アルドステロン低下等の効
果を必要としている。エンケファリナーゼの阻害は、エンドルフィンとエンケフ
ァリンの代謝的分解を抑制することによって、エンドルフィン又はエンケファリ
ンで媒介される鎮痛効果を提供しよう。エンケファリナーゼの阻害は、ANPの
代謝的分解を抑制することによって、ANPで媒介される利尿、ナトリウム利尿
、血圧低下、血中アルドステロン低下等の効果を提供しよう。エンケファリナー
ゼの阻害はまた腸平滑筋収縮性を調節し、過敏性腸症候群(irritable bowel syn
drome)の処置に有用である。
更に、患者は、抗うつ効果を必要とする時や、アヘン又はモルヒネ投与の停止
に伴う禁断症状の程度を下げる必要のある時に、エンケファリナーゼを阻害する
ための処置を必要としている。
エンケファリナーゼを阻害するための処置を必要としている患者の確認は、当
業者の能力と知識の範囲内に十分ある。この技術の熟練した臨床医は臨床試験、
身体検査、及び既往暦/家族暦によって、エンドルフィン又はエンケファリンで
媒介される鎮痛効果を必要とする患者や、ANPで媒介される利尿、ナトリウム
利尿、血圧低下、血中アルドステロン低下等の効果を必要とする患者を容易に確
認できる。
式(I)化合物のエンケファリナーゼ阻害有効量は、エンケファリナーゼを阻
害するにおいて、かつエンケファリン類を含めたエンドルフィン類とANPのよ
うな天然に生する循環性調節ペプチド類の代謝的分解を抑制するにおいて有効な
量である。処置の成功には、患者への予防処置、例えば患者が近い将来において
急性又は慢性の痛みに苦しむことになるような手術を受ける場合の、手術前の処
置などをも包含すると理解する。
式(I)化合物のエンケファリナーゼ阻害有効量は、必要な患者でエンケファ
リナーゼを阻害するのに有効な量であって、例えばエンドルフィン又はエンケフ
ァリンで媒介される鎮痛効果やANPで媒介される利尿、ナトリウム利尿、血圧
低下、血中アルドステロン低下等の効果をもたらす量である。
エンケファリナーゼ阻害に有効な投与量は、慣用の技法を用いて、また類似の
状況下に得られる結果を観察することによって、容易に決定できる。有効投与量
を決定するには、患者の種類、その年齢、体重、及び全般的健康;関与している
特定の病気;病気の程度や関わりかた;個々の患者の応答;投与される特定化合
物;投与方式;投与される製剤の生物学的利用率特性;選ばれる最適投薬計画;
及び併用薬剤の使用を含めた幾つかの因子が考慮されるが、これらに限定はされ
ない。
式(I)化合物のエンケファリナーゼ阻害有効量は、一
般に1日当たり体重kg当たり約0.01ミリクラム(mg/kg/日)〜約20 mg/kg/日の
範囲にあろう。約0.1 mg/kg〜約10 mg/kgの一日量が好ましい。
患者の処置を行なうには、式(I)化合物類は、経口及び非経口経路を含めて
、有効量で化合物の生物利用を可能とする任意の形式又は方式で投与できる。例
えば、経口、皮下、筋肉内、静脈内、皮膚経由、鼻内、直腸経由などで化合物を
投与できる。経口投与が一般に好ましい。処方剤を調製する当業者は、処置すべ
き病状、病気の段階、その他関連の状況に応じて、適切な投与形式及び方式を容
易に選択できる。
式(I)化合物類は、式(I)化合物類を製薬上受け入れられる担体又は付形
剤と組み合わせることによってつくられる製剤組成物又は薬剤の形で投与でき、
担体や付形剤の割合と性質は選ばれた投与経路及び標準的な製薬実施法によって
決定される。
もう一つの態様で、本発明は一つ以上の不活性担体と混合又はそれ以外の方法
で組み合わせた式(I)化合物を含めてなる組成物類を提供している。これらの
組成物は、例えば検定標準として、ばら荷輸送の都合のよい手段として、又は薬
学組成物として有用である。式(I)化合物の検定可能量は、当業者に周知の認
められた標準的な検定手順及び技法によって容易に測定可能な量である。式(I
)化合物の検定可能量は、一般に組成物の約0.001〜
約75重量%の範囲にあろう。不活性担体は、式(I)化合物を分解しない又は分
解でないにしても共有結合的に反応しないような任意の材料でありうる。適当な
不活性担体の例は、水;高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)分析で一般に有用
な水性緩衝液;アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン等のような有機溶媒;及
び製薬上受け入れられる担体又は付形剤である。
更に詳しくは、本発明は一つ以上の製薬上受け入れられる担体又は付形剤と混
合、又はそれ以外の方法で組み合わせた式(I)化合物の有効量を含めてなる薬
学組成物類を提供している。
製剤組成物類又は薬剤は、製薬技術で周知の方法で調製される。担体又は付形
剤は、活性成分のビヒクル又は媒体としての働きをする固体、半固体、又は液体
材料でありうる。適当な担体又は付形剤はこの技術で周知である。薬学組成物は
経口又は非経口用に適合され、錠剤、カプセル剤、座薬、溶液、懸濁液等の形で
患者に投与できる。
製剤組成物類は、例えば不活性増量剤又は食用担体と一緒に、経口投与できる
。これらをゼラチンカプセルに封入するか、又は錠剤に圧縮できる。経口治療投
与のためには、式(I)化合物を付形剤と混合し、錠剤、トローチ剤、カプセル
剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエハース、チューインガム等の形で
使用できる。これ
らの製剤は少なくとも4%の活性成分である式(I)化合物を含有すべきである
が、特定形式によって変わり、単位の重量の4%〜約70%であるのが好都合であ
る。組成物中に存在する活性成分の量は、投与に適した単位適量形式が得られる
量である。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤等は、一つ又はそれ以上の次の助剤も含
有できる。結合剤、例えば微結晶セルロース、トラガカントガム又はゼラチン;
付形剤、例えば澱粉又は乳糖;崩壊剤、例えばアルギン酸、プライモゲル、トウ
モロコシ澱粉等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はステロテックス
;滑り剤、例えばコロイド状二酸化珪素;及び、甘味剤、例えば蔗糖又はサッカ
リンが加えられる。また香料、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、又はオ
レンジフレーバーが加えられる。適量単位形式がカプセルであるときは、これは
上の種類の物質に加えて液体担体、例えばポリエチレングリコール又は脂肪油を
含有し得る。他の適量単位形式は、適量単位の物理的形態を変更するような他の
種々の材料、例えば被覆剤を含有できる。従って錠剤又は丸薬は、砂糖、シェラ
ック又は他の腸溶被覆剤で被覆され得る。シロップ剤は活性成分のほか、甘味剤
としての蔗糖及びある防腐剤、染料及び着色剤及び香料を含有できる。これらの
種々の組成物を製造するのに使用される材料は、製薬学的に純粋なもので、使用
される量で無毒で
あるべきである。
非経口投与の目的には、式(I)化合物類は溶液又は懸濁液に混入できる。こ
れらの製剤は少なくとも0.1%の本発明化合物を含有すべきであるが、製剤重量
の0.1〜約50%の範囲に及びうる。このような組成物中に存在する化合物の量は
、適当な投与量が得られる量である。
溶液又は懸濁液はまた、一つ又はそれ以上の次の助剤を含有できる。無菌希釈
剤、例えば注射用水、塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセ
リン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコ
ール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は重亜硫酸ナト
リウム;キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸塩
、クエン酸塩、又は燐酸塩;及び張度調整剤、例えば塩化ナトリウムやテキスト
ロース。非経口製剤は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨て可能な
注射器、又は複数投与量バイアル中に封入できる。
特定のゼネリックな用途を有する構造的に関連した化合物の任意の群がそうで
あるように、ある種の群及び立体配置が式(I)化合物類の最終用途にとって好ま
しい。R1が水素又はアルコキシである場合の式(I)化合物類が好ましい。R2が
水素又はアルコキシである場合の式(I)化合物類が好ましい。nが0である場合の
式(I)化合物類が好ましい。R3が水素である式(I)化合物類が好ましい。
Qが
である場合の式(I)化合物類が好ましい。
当然ながら、式(I)化合物類は、構造異性体並びに立体異性体を含めた種々の
異性体構造で存在しうることが理解される。更に、本発明が、個々の異性体とし
て、また異性体類混合物として、種々の構造的、並びに立体的な異性体配置の各
々において、式(I)化合物類を包含することが理解される。
本発明化合物類の最終用途への応用において、式(I)の以下の特定化合物類が
特に好ましい。
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンベンジ
ルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンエチル
チオジ
スルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ヒド
ロキシエチルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ピリ
ジルメチルチオジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-チオ
酢酸モルホリンカルボキサミドシスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピンL-シ
ステインエチルエステルジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(S)-1-
(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド;
[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メチルアミノ]-1,2
,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン(R)-1-
(2-メ
チルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィド。
以下の生体内及び生体外研究は、エンケファリナーゼ阻害剤としての本発明化
合物類の有用性を例示している。これらの研究は、ジェイ・エフ・フレンチ(J.
F.French)ら、J.Pharmacol.Exp.Ther.268(1) 180-186頁(1994年)の方法に
よって実施されている。
絶食させたスプラーグ・ドーリー種の雄ラット(チャールズ・リバース・ブリ
ーディング・ラポラトリーズ)に、試験化合物又はビヒクル(99/1、エタノール
/1%重炭酸ナトリウム溶液)を投与する。投与は、腹膜内投与によって行なわ
れる。投与後3時間に、ラットを屠殺し、腎臓を取り出して冷凍する。全腎臓を
ホモジナイズし、微絨毛分画の調製のためにブース(Booth)とケニー(Kenny)
[Biochem.J.142巻575-581頁(1974年)]のプロトコルのP2段階を実行する。
P2材料を、0.3M NaClと0.5%トリトンX-100を含有する50 mM HEPES緩衝液(pH
8.0)に再懸濁し、検定前に-20℃で保存する。酵素活性をフロレンティン(Flore
ntin)ら、Anal.Biochem.141巻62-69頁(1984年)の蛍光測定法によって測定でき
る。酵素は、基質ダンシル-D-AlaGly(p-ニトロ)PheGly-OH(Km=40μM)12μMを含
有する3.0mL反応容量で、50mM HEPES緩衝液(pH 7.4)中25℃で検定される。反応
開始のために少量の酵素を加え、蛍光計(339nmで励起、562nmで発光)を使用し
て、蛍光の増加率を連続的に記録す
る。生体外でのNEP阻害の基準として、チオルファン(シグマ・ケミカル社)を
使用する。試験化合物の有効性は、試験化合物で処理したラットから得た腎臓か
らの酵素活性を測定し、ビヒクル処理されたラットから得た腎臓からの酵素活性
と比較することで決定される。チオルファン処理された動物は陽性対照としての
役目を果たす。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項
【提出日】1995年6月14日
【補正内容】
請求の範囲
1. 式
[式中nは整数0-3であり、
R1とR2は各々独立に、水素、ヒドロキシ、-OR3、(又はAr-Y-基)からなる
群から選択され、ここでR3はC1-C4アルキル又はAr-Y-基であり、ここでArはア
リール、YはC0-C4アルキルであるか、又はR1とR2が隣接する炭素原子に付い
ている場合にはR1とR2はそれらの隣接炭素と一緒にベンゼン環又はメチレンシ
オキシを形成し、
Xは、-(CH2)p-、O、S、NH4、又はNC(O)R5であって、ここでpは整数0又は1、
R4は、水素、C1-C4アルキル、又はAr-Y-基であり、R5は-CF3、C1-C10アルキル
、又はAr-Y-基であり、
Qは以下の群から選ばれるアルキレン基であり、
ここでqは整数1-5、ZはO、S、NHであり、
Gは
の群から選ばれる基であり、ここでmは整数1-3であり、
R6は水素、C1-C6アルキル、-CH2CH2S(O)kCH3、又はAr-Y-基であり、ここでk
は整数0-2であり、
R7は、水素、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキル、N-メチルアミノ、N,N-ジ
メチルアミノ、-CO2R8(ここでR8は水素、-CH2O-C(O)C(CH3)3、又はC1-C4アル
キル)、又は-OC(O)R9(ここでR9は水素、C1-C6アルキル、又はフェニル)であ
り、
R10は水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、又はハロゲンからなる群から
独立に選ばれる1個又は2個の置換基であり、
R11は水素、C1-C6アルキル、又はAr-Y-基であり、
R12は水素又はC1-C4アルキルであり、
V1はO、S、又はNHであり、
V2はN又はCHであり、
V3は直接結合又は-C(O)-である。]
の化合物、又はその立体異性体類、又は製剤上受け入れられる塩類。
2. Qが
である、請求項1の化合物。
3. nが0である、請求項2の化合物。
4. 式
[式中nは整数0-3であり、
R1とR2は各々独立に、水素、ヒドロキシ、-OR3(又はAr-Y-基)からなる群
から選択され、ここでR3は、C1-C4アルキル又はAr-Y-基であり、ここでArはア
リール、YはC0-C4アルキルであるか、又はR1とR2が隣接する炭素原子に付い
ている場合にはR1とR2はそれらの隣接炭素と一緒にベンゼン環又はメチレンジ
オキシを形成し、
Xは、-(CH2)p-、O、S、NH4、又はNC(O)R5であって、ここでpは整数0又は1、
R4は水素、C1-C4アルキル、又はAr-Y-基であり、R5は、-CF3、C1-C10アルキル
、又はAr-Y-基であり、
Qは以下の群から選ばれるアルキレン基であり、
ここでqは整数1-5、ZはO、S、NHであり、
Gは
の群から選ばれる基であり、ここでmは整数1-3であり、
R6は水素、C1-C6アルキル、-CH2CH2S(O)kCH3、又はAr-Y-基であり、ここでk
は整数0-2であり、
R7は、水素、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキル、N-メチルアミノ、N,N-ジ
メチルアミノ、-CO2R8(ここでR8は水素、-CH2O-C(O)C(CH3)3、又はC1-C4アル
キル)、又は-OC(O)R9(ここでR9は水素、C1-C6アルキル、又はフェニル)であ
り、
R10は水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、又はハロゲンからなる群から
独立に選ばれる1個又は2個の置換基であり、
R11は水素、C1-C6アルキル、又はAr-Y-基であり、
R12は水素又はC1-C4アルキルであり、
V1はO、S、又はNHであり、
V2はN又はCHであり、
V3は直接結合又は-C(O)-である。]
の化合物、又はその立体異性体類、又は製剤上受け入れられる塩類、のエンケフ
ァリナーゼ阻害有効量をエンケファリナーゼ阻害の必要な患者に投与することか
らなる、エンケファリナーゼ阻害の必要な患者のエンケファリナーゼを阻害する
方法。
5. 患者が 患者がエンドルフィン又はエンケファリンで媒介される鎮痛効果
を必要としている、請求項4に記載の方法。
6. 患者がANPで媒介される降圧効果を必要としている、請求項4に記載の
方法。
7. 患者がANPで媒介される利尿効果を必要としている、請求項4に記載の
方法。
8. 患者がうっ血性心不全にかかっている、請求項4に記載の方法。
9. 患者が過敏性腸症侯群にかかっている、請求項4に記載の方法。
10. 不活性担体と混合又はそれ以外の方法で組合せた請求項1の化合物の検
定可能量を含むる組成物。
11. 一以上の製薬上受入れられる担体又は付形剤と混合又はそれ以外の方法
で組合せた請求項1の化合物の免疫抑制有効量を含む製剤組成物。
12. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピンベンジルチオジスルフィドである、請求項1の化合物。
13. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズ
アゼピンエチルチオジスルフィドである、請求項1の化合物。
14. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12
b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベンズアゼピン2-ヒドロキシエチル
チオジスルフィドである、請求項1の化合物。
15. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピン2-ピリジルメチルチオジスルフィドである、請求項1の化合物。
16. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピン2-チオ酢酸モルホリンカルホキサミドジスルフィドである、請求項1
の化合物。
17. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピンL-システインエチルエステルジスルフィドである、請求項1の化合
物。
18. 化合物が[4S-[4α,7α(R*),12bβ]]-7-[(2-チオ-2-オキソインダン)メ
チルアミノ]-1,2,3,4,6,7,8,12b-オクタヒドロ-6-オキソピリド[2,1-a][2]ベン
ズアゼピン(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-(チオ)-エチルアミンジスルフィドであ
る、請求項1の化合物。
19. 一以上の不活性担体と混合又はそれ以外の方法
で組合せた請求項1の化合物を含めてなる製剤組成物。
20. 製薬上活性のある化合物として使用される請求項1に記載の化合物。
21. エンケファリナーゼ阻害剤として使用される、請求項1に記載の化合物
。
22. 鎮痛効果、降圧効果、又は利尿効果を生じさせるために使用される、請
求項1に記載の化合物。
23. うっ血性心不全又は過敏性腸症侯群の治療に使用される、請求項1に記
載の化合物。
24. エンケファリナーゼ阻害用の請求項21に記載の製剤組成物。
25. 鎮痛効果、降圧効果、又は利尿効果を生じさせるための、請求項22に
記載の製剤組成物。
26. うっ血性心不全又は過敏性腸症侯群の治療のための、請求項23に記載
の製剤組成物。
27. エンケファリナーゼ阻害用の製剤組成物を調製するための、必要なら製
薬上受入れられる担体と組合せてもよい請求項1の化合物の用途。
28. 鎮痛効果、降圧効果、又は利尿効果を生じさせる製剤組成物を調製する
ための、必要なら製薬上受入れられる担体と組合せてもよい請求項1の化合物の
用途。
29. うっ血性心不全又は過敏性腸症侯群の治療用の製剤組成物を調製するた
めの、必要なら製薬上受入れられる担体と組合せてもよい請求項1の化合物の用
途。
30. 式
[式中nは整数0-3であり、
R1とR2は各々独立に、水素、ヒドロキシ、-OR3(又はAr-Y-基)からなる群
から選択され、ここでR3は、C1-C4アルキル又はAr-Y-基であり、ここでArはア
リール、YはC0-C4アルキルであるか、又はR1とR2が隣接する炭素原子に付い
ている場合にはR1とR2はそれらの隣接炭素と一緒にベンゼン環又はメチレンジ
オキシを形成し、
Xは、-(CH2)p-、O、S、NH4、又はNC(O)R5であって、ここでpは整数0又は1
、R4は水素、C1-C4アルキル、又はAr-Y-基であり、R5は-CF3、C1-C10アルキル
、又はAr-Y-基であり、
Qは以下の群から選ばれるアルキレン基であり、
ここでqは整数1-5、ZはO、S、NHであり、
Gは
の群から選ばれる基であり、ここでmは整数1-3であり、
R6は水素、C1-C6アルキル、-CH2CH2S(O)kCH3、又はAr-Y-基であり、ここでk
は整数0-2であり、
R7は水素、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキル、N-メチルアミノ、N,N-ジメ
チルアミノ、-CO2R8(ここでR8は水素、-CH2O-C(O)C(CH3)3、又はC1-C4アルキ
ル)、又は-OC(O)R9(ここでR9は水素、C1-C6アルキル、又はフェニル)であり
、
R10は水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、又はハロゲンからなる群から
独立に選ばれる1個又は2個の置換基であり、
R11は水素、C1-C6アルキル、又はAr-Y-基であり、
R12は水素又はC1-C4アルキルであり、
V1はO、S、又はNHであり、
V2はN又はCHであり、
V3は直接結合又は-C(O)-である。]
の化合物、又はその立体異性体類、又は製剤上受け入れられる塩類、の製法であ
って、式
[式中R1、R2、Q、n、及びXは上で定義された通り]の化合物を、式
[式中Gは上で定義された通り]の化合物と反応させ、そして必要なら脱保護し
てもよく、そして必要なら受入れられる酸又は受入れられる塩基と更に反応させ
て製薬上受入れられる塩を調製してもよいことからなる製法。
31. 式
[式中nは整数0-3であり、
R1とR2は各々独立に、水素、ヒドロキシ、-OR3(又はAr-Y-基)からなる群
から選択され、ここでR3は、C1-C4アルキル又はAr-Y-基であり、ここでArはア
リール、
YはC0-C4アルキルであるか、又はR1とR2が隣接する炭素原子に付いている場
合にはR1とR2はそれらの隣接炭素と一緒にベンゼン環又はメチレンシオキシを
形成し、
Xは、-(CH2)p-、O、S、NH4、又はNC(O)R5であって、ここでpは整数0又は1、
R4は水素、C1-C4アルキル、又はAr-Y-基であり、R5は-CF3、C1-C10アルキル、
又はAr-Y-基であり、
Qは以下の群から選ばれるアルキレン基であり、
ここでqは整数1-5、ZはO、S、NHであり、
Gは
の群から選ばれる基であり、ここでmは整数1-3であり、
R6は水素、C1-C6アルキル、-CH2CH2S(O)kCH3、又はAr-Y-基であり、ここでk
は整数0-2であり、
R7は水素、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキル、N-メチルアミノ、N,N-ジメ
チルアミノ、-CO2R8(ここで、R8は水素、-CH2O-C(O)C(CH3)3、又はC1-C4アル
キル)、又は-OC(O)R9(ここでR9は水素、C1-C6アルキル、又はフェニル)であ
り、
R10は水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、又はハロゲンからなる群から
独立に選ばれる1個又は2個の置換基であり、
R11は水素、C1-C6アルキル、又はAr-Y-基であり、
R12は水素又はC1-C4アルキルであり、
V1はO、S、又はNHであり、
V2はN又はCHであり、
V3は直接結合又は-C(O)-である。]
の化合物、又はその立体異性体類、又は製剤上受け入れられる塩類、の製法であ
って、式
[式中R1、R2、Q、n、及びXは上で定義された通り]の化合物を、式
[式中Gは上で定義された通り]の化合物と反応させ、そして必要なら脱保護し
てもよく、そして必要なら受入れられる酸又は受入れられる塩基と更に反応させ
て製薬上受入れられる塩を調製してもよいことからなる製法。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/55 ABU 9454−4C A61K 31/55 ABU
ACJ 9454−4C ACJ
ACV 9454−4C ACV
AED 9454−4C AED
AEH 9454−4C AEH
C07D 487/04 150 9271−4C C07D 487/04 150
491/052 9271−4C 491/052
498/04 7822−4C 513/04 373
513/04 373 7822−4C 498/04 112Z
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M
X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 バイト,ダグラス,ダブリュウ.
アメリカ合衆国 45246 オハイオ州 シ
ンシナチ グレンスプリングスドライブ
645
(72)発明者 ワルシャウスキー,アラン,エム.
アメリカ合衆国 45242 オハイオ州 シ
ンシナチ シャドウクレストコート10713
(72)発明者 メーヂ,シュジャース.
アメリカ合衆国 45069 オハイオ州 ウ
エストチェスター ボドフォードドライブ
9259
(72)発明者 ケーン,ジョン,エッチ.
アメリカ合衆国 45246 オハイオ州 シ
ンシナチ イーストシャロンロード430