JPH0950950A - 露光方法 - Google Patents

露光方法

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JPH0950950A
JPH0950950A JP7199676A JP19967695A JPH0950950A JP H0950950 A JPH0950950 A JP H0950950A JP 7199676 A JP7199676 A JP 7199676A JP 19967695 A JP19967695 A JP 19967695A JP H0950950 A JPH0950950 A JP H0950950A
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shot
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wafer
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミックス・アンド・マッチ方式で例えばクリ
ティカルレイヤとミドルレイヤとが混在するような基板
に露光を行う場合に、それら2層間のパターンの重ね合
わせ精度を高める。 【解決手段】 クリティカルレイヤのショット領域SC
q,SC(q+1),SC(q+2)にそれぞれウエハ
マーク及びバーニアマークの像を露光し、それらのショ
ット領域上のミドルレイヤのショット領域SDr,SD
(r+1)にバーニアマークの像を露光する。2層のシ
ョット領域が跨ることなく重なった領域、即ちショット
領域SCq及びSC(q+1)をそれぞれ基準計測領域
として、例えば基準計測領域SCq内の2つの計測点3
6A,36Bで2層のバーニアマークの位置ずれ量を計
測して、X方向のショット倍率の補正値を求め、この補
正値を用いて結像特性を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等をフォトリソグラフィ工程で製造する際にマ
スクパターンを感光基板上に転写するための露光方法に
関し、特に1つの感光基板上に異なる露光装置を用いて
所謂ミックス・アンド・マッチ方式で重ね合わせ露光を
行う場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子等を製造するため
のフォトリソグラフィ工程において、縮小投影型露光装
置(ステッパー等)が使用されている。一般に、超LS
I等の半導体素子は、ウエハ上に多数層のパターンが重
ねて形成されるが、それらの層の内、最も高い解像度が
必要な層はクリティカルレイヤと呼ばれている。これに
対して、例えば半導体メモリ等を製造する際に使用され
るイオン注入層のように、高い解像度を必要としない層
はミドルレイヤと呼ばれている。
【0003】また、例えば最近の超LSIの製造工場で
は、製造工程のスループット(単位時間当りのウエハの
処理枚数)を高めるため、1種類の超LSIの製造プロ
セス中で異なる層間の露光を別々の露光装置を使い分け
て行うことが多くなって来ている。そこで、クリティカ
ルレイヤとミドルレイヤとの両方を有する超LSIを製
造する場合、クリティカルレイヤへの露光は例えば縮小
倍率が1/5倍程度の高い解像度を有する投影露光装置
で行い、ミドルレイヤへの露光は例えば縮小倍率が1/
2.5倍程度の比較的粗い解像度の投影露光装置で行う
という所謂ミックス・アンド・マッチ方式での露光が行
われることがある。
【0004】このようにミックス・アンド・マッチ方式
で露光を行う場合でも、それまでに形成された各ショッ
ト領域内のチップパターンと、これから露光するレチク
ルのパターン像とを高精度に重ね合わせるためのアライ
メントが実行される。従来のアライメント方法の内で、
スループットが高く、且つ高い重ね合わせ精度の得られ
る方法として、例えば特開昭61−44429号公報で
開示されているエンハンスト・グローバル・アライメン
ト(以下、「EGA」という)方式が知られている。こ
のEGA方式では、ウエハ上から予め選択された所定個
数のショット領域(サンプルショット)の配列座標を計
測することにより、全ショット領域の設計上の配列座標
からウエハステージが位置決めされるステージ座標系で
の配列座標を算出するための、例えば6個の座標変換パ
ラメータを求めている。
【0005】しかしながら、例えばクリティカルレイヤ
上にミックス・アンド・マッチ方式でミドルレイヤのパ
ターンを露光する際には、使用する投影露光装置が異な
るため、EGA方式で求めた座標変換パラメータ(以
下、「EGAパラメータ」とも呼ぶ)をそのまま使用す
ると、所定の重ね合わせ誤差が残存していることがあ
る。これは、EGAパラメータに残留誤差が残っている
ことを意味する。このような残留誤差の補正を行うた
め、従来は次のように重ね合わせ精度計測用マーク(以
下、「バーニアマーク」と呼ぶ)を用いてテストプリン
トによって重ね合わせ誤差の計測を行っていた。
【0006】即ち、図7(a)は、クリティカルレイヤ
露光用の投影露光装置によってバーニアマークの形成さ
れたウエハWを示し、この図7(a)において、ウエハ
W上で直交座標系(X,Y)のX軸及びY軸に沿ってそ
れぞれ所定ピッチでショット領域SA1,SA2,…,
SAM(Mは例えば12以上の整数)が配列され、各シ
ョット領域SAm(m=1〜M)内にそれぞれ位置合わ
せ用マーク(ウエハマーク)、及び重ね合わせ精度計測
用のバーニアマークが形成されている。
【0007】図7(b)はそのショット領域SAm内の
マーク配置を示す拡大図であり、この図7(b)におい
て、ショット領域SAmの端部にX方向に所定ピッチの
ライン・アンド・スペースパターンよりなるX軸用のウ
エハマーク21X、及びY方向に所定ピッチのライン・
アンド・スペースパターンよりなるY軸用のウエハマー
ク21Yが形成されている。これらウエハマーク21
X,21Yはそれぞれ撮像方式(FIA方式)で検出さ
れるマークである。また、ショット領域SAm内には十
字型に分布する位置にバーニアマーク22A〜22Eが
形成されている。バーニアマーク22A〜22Eとして
は、一例として撮像方式(画像処理方式)で検出される
ボックス・イン・ボックスマークを使用している。
【0008】次に、その図7(a)のウエハW上にミド
ルレイヤ用の投影露光装置を使用して所定のバーニアマ
ークを重ね合わせ露光する。この際のアライメントを行
うために、図7(a)のウエハW上から選択された例え
ば10個のショット領域(サンプルショット)SAa,
SAb,SAc,…,SAjに付設されたウエハマーク
21X,21Yの、ミドルレイヤ用の投影露光装置のス
テージ座標系での配列座標をそれぞれ計測する。それら
サンプルショットSAa〜SAjは、ウエハWの表面で
ほぼ正多角形の頂点位置、又は一様にばらつきを持たせ
たランダムな位置に配置されている。そして、それらサ
ンプルショットの設計上の配列座標、及び実際の計測値
を処理して、ウエハW上での設計上の配列座標から、投
影露光装置のステージ座標系上での配列座標を算出する
ための線形の6個の座標変換パラメータ(EGAパラメ
ータ)を求める。これらのEGAパラメータは、スケー
リング(X方向及びY方向への線形伸縮)Rx,Ry、
ウエハ・ローテーション(ウエハの回転)Θ、ショット
直交度(ウエハ上の座標系の交差角の90°からの誤
差)W、及びオフセットOx,Oyよりなる。
【0009】次に、そのようにして求められた6個のE
GAパラメータと、ショット領域SAm(m=1〜M)
の設計上の配列座標値とから、ウエハW上のクリティカ
ルレイヤの各ショット領域SAmのステージ座標系での
配列座標値が求められる。ここで、クリティカルレイヤ
での縮小倍率を1/5倍、ミドルレイヤでの縮小倍率を
1/2.5倍とする、即ちミドルレイヤの投影露光装置
の露光フィールドは、クリティカルレイヤの投影露光装
置の露光フィールドに対してX方向に2倍、且つY方向
に2倍の大きさを有しているものとすると、ミドルレイ
ヤの1つのショット領域内にそれぞれクリティカルレイ
ヤの4つのショット領域が含まれることとなる。
【0010】そのため、ミドルレイヤの投影露光装置で
露光を行う際に、図7(a)のクリティカルレイヤのシ
ョット領域SAm(m=1〜M)をX方向及びY方向に
2×2個ずつの複数のブロックに分け、各ブロック内の
4個のショット領域の計算上の配列座標より各ブロック
の中心のステージ座標系での配列座標を求める。その
後、ウエハW上の各ブロックの中心の配列座標を順次ミ
ドルレイヤの投影露光装置の露光フィールドの中心に合
わせて、それぞれバーニアマークを含むミドルレイヤの
レチクルのパターン像を露光した後、そのウエハWの現
像を行う。
【0011】図8(a)は、ミドルレイヤ用の投影露光
装置によって重ねてバーニアマークが形成されたウエハ
Wを示し、この図8(a)において、X軸及びY軸に沿
ってウエハW上にそれぞれ所定ピッチでミドルレイヤの
ショット領域SB1,SB2,…,SBN(Nは例えば
3以上の整数)が配列され、各ショット領域SBn(n
=1〜N)内にそれぞれ4個のクリティカルレイヤのシ
ョット領域が含まれている。また、各ショット領域SB
nの中心61は、対応する4個のクリティカルレイヤの
ショット領域の中心にほぼ合致し、各ショット領域SB
n内には、それぞれクリティカルレイヤの5個のバーニ
アマーク22A〜22E(図7(b)参照)に対応して
20個(=4×5個)のバーニアマークが形成されてい
る。
【0012】ここで、斜線を施した4個のショット領域
SBa〜SBdを計測対象として、ショット領域SBa
〜SBd内で例えばランダムに選択された計測点62〜
65で、それぞれクリティカルレイヤのバーニアマーク
とミドルレイヤのバーニアマークとの位置ずれ量を計測
する。図8(b)は、それらの内のショット領域SBa
を示し、この図8(b)において、ミドルレイヤのショ
ット領域SBaの下の4個のクリティカルレイヤのショ
ット領域SAp,SA(p+1) ,SAq,SA(q+1) に属
するバーニアマークを囲むようにそれぞれ、ミドルレイ
ヤのバーニアマーク24A〜24E,26A〜26E,
28A〜28E,30A〜30Eが形成されている。従
って、ショット領域SBa内の計測点62では、ショッ
ト領域SA(p+1) のバーニアマーク22Cとミドルレイ
ヤのバーニアマーク26CとのX方向、又はY方向への
位置ずれ量が計測される。同様に、各計測点63〜65
での2つのバーニアマークの位置ずれ量が計測される。
【0013】その結果、図8(a)の全部の計測点62
〜65において、例えばクリティカルレイヤのバーニア
マークが全てミドルレイヤのバーニアマークに対してX
方向に所定量δXだけずれているときには、EGAパラ
メータの内のX軸のオフセットOxに残留誤差δXのあ
ることが分かる。従って、この残留誤差を予め装置定数
としてミドルレイヤの投影露光装置の制御系に記憶して
おき、アライメント結果の補正を行うことにより、クリ
ティカルレイヤ上に高い重ね合わせ精度でミドルレイヤ
のパターンを露光できるようになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、クリテ
ィカルレイヤのバーニアマークとミドルレイヤのバーニ
アマークとの位置ずれ量を計測することにより、EGA
パラメータの残留誤差を補正することができる。しかし
ながら、残留誤差としては、上述のようなウエハ全体と
しての変換パラメータの他に、ショット倍率(各チップ
パターンのX方向及びY方向への線形伸縮)rx,r
y、ショット回転(各チップパターンの回転角)θ、及
びショット直交度(各チップパターン内の座標系のの直
交度誤差)w等からなる所謂ショット内パラメータもあ
る。
【0015】例えばショット倍率rxの補正値を求める
ためには、図8(a)において、ショット領域SBa内
の対向する2個の計測点62及び66で2つのバーニア
マークの位置ずれ量を計測することが考えられる。この
結果得られる計測点62及び66での位置ずれ量のX成
分の差より、残留ショット倍率エラー、即ちショット倍
率rxの補正値が算出されるはずである。同様に、残留
ショット回転エラーも算出されるはずである。
【0016】しかしながら、実際には計測点62及び6
6はクリティカルレイヤで互いに別のショット領域SA
(p+1)及びSApに属しているため、計測点62及
び66におけるクリティカルレイヤのバーニアマークの
位置には、互いに異なるステッピング誤差が混入してい
る恐れがある。即ち、バーニアマークを読む計測点の配
置を考慮しないと、本来はウエハステージのステッピン
グ精度によるばらつきであるにも拘らず、残留ショット
倍率エラーや残留ショット回転エラーであると判断して
しまうことがある。この結果、誤った補正値で対応する
ショット内パラメータの補正を行うと、アライメント精
度が低下するという不都合がある。
【0017】本発明は斯かる点に鑑み、ミックス・アン
ド・マッチ方式で例えばクリティカルレイヤとミドルレ
イヤとが混在するような基板に露光を行う場合に、その
クリティカルレイヤのパターンとミドルレイヤのパター
ンとの重ね合わせ精度を高めることができる露光方法を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の露光
方法は、例えば図1〜図4に示すように、互いに大きさ
の異なる露光フィールド(4A,4B)を有する第1及
び第2の露光装置(1A,1B)を用いて、感光基板上
にマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、
第1及び第2の露光装置(1A,1B)を用いて評価用
の感光基板(W)上に順次、重ね合わせ精度計測用マー
ク(32A,32C,34A,34C)の形成された第
1及び第2のマスクパターンを重ねて転写露光し、評価
用の感光基板(W)上で第1の露光装置(1A)の露光
フィールド(4A)を単位とするショット領域(SC
q)と第2の露光装置(1B)の露光フィールド(4
B)を単位とするショット領域(SDr)とが互いには
み出すことなく(跨ることなく)重なった基準計測領域
(SCq)内の所定の計測点(36A,36B)で、重
ねて転写露光された重ね合わせ精度計測用マークの像
(32A,32C,34A,34C)の位置ずれ量を計
測し、この計測結果に基づいて、第1の露光装置(1
A)で露光された感光基板上に第2の露光装置(1B)
で露光する際の位置合わせ、又は結像特性の補正を行う
ものである。
【0019】本発明によれば、基準計測領域(SCq)
は2つのレイヤ(例えばクリティカルレイヤとミドルレ
イヤ)の何れにおいても複数のショット領域に跨らない
ため、その中の計測点(36A,36B)で計測された
位置ずれ量には露光装置(1A,1B)のステッピング
誤差の影響が含まれていない。従って、その計測された
位置ずれ量に基づいて、位置合わせのためのパラメー
タ、又は結像特性を示すパラメータの補正を行って露光
を行うことにより、高い重ね合わせ精度が得られる。
【0020】本発明による第2の露光方法は、例えば図
1〜図4に示すように、露光対象とする感光基板(W)
上で所定の大きさの第1の露光フィールド(4A)を有
する第1の露光装置(1A)と、その第1の露光フィー
ルドに対して直交する第1、及び第2の方向に対してそ
れぞれM1/N1 倍(M1,N1 はM1 ≠N1 なる整数)、
及びM2/N2 倍(M2,N2 は整数)の大きさの第2の露
光フィールド(4B)を有する第2の露光装置(1B)
とを用いて、感光基板上にマスクパターンを重ねて露光
する露光方法において、第1の露光装置(1A)を用い
て、位置合わせ用マーク(21XA,21YA)及び第
1の重ね合わせ精度計測用マーク(31A〜31E)の
形成された第1のマスクパターン(2A)を、第1の露
光フィールド(4A)を単位として感光基板(W)上に
配列された複数の第1のショット領域(SC1〜SC
Q)に順次露光する第1工程と、第2の露光装置(1
B)を用いて、第2の重ね合わせ精度計測用マーク(3
3A〜33E)の形成された第2のマスクパターン(2
B)を、その第1工程で露光された感光基板(W)上に
位置合わせ用マーク(21XA,21YA)の像の位置
を基準として第2の露光フィールド(4B)を単位とし
て配列された複数の第2のショット領域(SD1〜SD
R)に順次露光する第2工程と、を有する。
【0021】更に本発明は、感光基板(W)上で複数の
第1のショット領域(SC1〜SCQ)中の任意の1つ
と複数の第2のショット領域(SD1〜SDR)中の任
意の1つとがはみ出すことなく重なった複数の領域(S
Cq,SC(q+2))をそれぞれ基準計測領域とし
て、これら複数の基準計測領域から選択された所定個数
の基準計測領域内で互いに同じ位置(計測点)にある第
1の重ね合わせ精度計測用マークの像(31A〜31
E)と第2の重ね合わせ精度計測用マークの像(33A
〜33E)との位置ずれ量を計測し、この計測された位
置ずれ量に基づいて第2の露光装置(1B)で第1の露
光装置(1A)により露光された位置合わせ用マークの
像(21XA,21YA)の位置を検出する際の補正値
を求める第3工程と、を有するものである。
【0022】この場合、例えば第1の露光装置(1A)
をクリティカルレイヤ用、第2の露光装置(1B)をミ
ドルレイヤ用とする。このとき、ショット領域内での線
形伸縮の誤差等を求めるために、各基準計測領域内にそ
れぞれ1対の重ね合わせ精度計測用マークの位置ずれ量
を計測する複数の計測点を設定するものとしても、それ
らの計測点は第1のショット領域(SC1〜SCQ)及
び第2のショット領域(SD1〜SDR)の何れにもま
たがらない。従って、クリティカルレイヤ及びミドルレ
イヤのステッピング誤差に影響されずに、その線形伸縮
の誤差等が正確に求められ、ミドルレイヤでその線形伸
縮の補正を行うことにより、クリティカルレイヤとミド
ルレイヤとの重ね合わせ精度が向上する。
【0023】この場合、位置合わせ用マーク(21X
A,21YA)と第1の重ね合わせ精度計測用マーク
(31A〜31E)とは同一のマークであってもよい。
また、その第3工程において求められる補正値の一例
は、それら位置合わせ用マークの像の位置に基づいて算
出される所定の結像特性を示すパラメータの補正値であ
り、このパラメータの一例は、ショット倍率rx,r
y、ショット回転θ、及びショット直交度wよりなるパ
ラメータ群から選択される少なくとも1つのパラメータ
である。この場合、その後、第1の露光装置(1A)で
露光された感光基板上に第2の露光装置(1B)を用い
て重ね合わせ露光する際に、その第3工程で求めた補正
値(パラメータ)を用いて結像特性の補正を行うことが
望ましい。
【0024】更に、第1の露光装置(1A)の一例は一
括露光方式の投影露光装置であり、第2の露光装置(1
B)の一例は走査露光方式の投影露光装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による露光方法の実
施の形態の一例につき図1〜図4を参照して説明する。
この例では、2台の露光装置として、縮小倍率が1/5
倍の一括露光方式の投影露光装置(ステッパー)と、縮
小倍率が1/4倍のステップ・アンド・スキャン方式の
投影露光装置とを使用する。また、前者の投影露光装置
で露光される各ショット領域からはそれぞれ2個のチッ
プパターンが切り出され(2個取り)、後者の投影露光
装置で走査露光される各ショット領域からはそれぞれ3
個のチップパターンが切り出される(3個取り)場合を
扱う。
【0026】図1は、本例の露光システムを示し、この
図1において、一括露光方式の投影露光装置(以下、
「ファインステッパー」と呼ぶ)1Aと、ステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、「走査型露
光装置」と呼ぶ)1Bとが設置されている。本実施例で
は、ファインステッパー1Aは高解像度、走査型露光装
置1Bは低解像度であり、ファインステッパー1Aを用
いて、ウエハ上のクリティカルレイヤへの露光を行い、
走査型露光装置1Bを用いて、ウエハ上のミドルレイヤ
への露光を行う。但し、製造する半導体素子の種類等に
応じて、ファインステッパー1Aを低解像度用とした
り、又は走査型露光装置1Bを高解像度用とする場合も
有り得る。
【0027】先ずファインステッパー1Aにおいて、レ
チクルRA上のパターン領域2Aが不図示の照明光学系
からの露光光により照明され、パターン領域2A内のパ
ターンが投影光学系3Aにより1/5倍に縮小されて、
ウエハW上の矩形の露光フィールド4Aに投影露光され
る。その投影光学系3Aの光軸に平行にZ1軸を取り、
Z1軸に垂直な平面の直交座標をX1軸及びY1軸とす
る。レチクルRA上のパターン領域2Aは、Y1方向に
同一の大きさの部分パターン領域12A及び12Bに分
かれ、部分パターン領域12A及び12Bには同一の配
列でアライメントマーク、及び重ね合わせ精度計測用の
マーク(バーニアマーク)の原画パターンが描画されて
いる。
【0028】ウエハWはウエハステージ5A上に保持さ
れ、ウエハステージ5Aは、Z1軸方向にウエハWの露
光面をベストフォーカス位置に設定するZステージ、並
びにX1軸及びY1軸方向にウエハWを位置決めするX
Yステージ等から構成されている。ウエハステージ5A
上には直交するように2枚の移動鏡6A及び8Aが固定
され、外部に設置されたレーザ干渉計7A及び移動鏡6
Aによりウエハステージ5AのX1方向の座標が計測さ
れ、外部に設置されたレーザ干渉計9A及び移動鏡8A
によりウエハステージ5AのY1方向の座標が計測され
ている。レーザ干渉計7A及び9Aにより計測された座
標は、装置全体の動作を統轄制御する制御装置10Aに
供給され、制御装置10Aは、不図示の駆動部を介して
ウエハステージ5AをX1方向及びY1方向にステッピ
ング駆動することにより、ウエハWの位置決めを行う。
この場合、ウエハWのステッピング駆動は、ウエハWの
露光面に設定されたショット領域(パターン領域2Aの
パターン像が投影露光される単位となる領域)の配列、
即ちクリティカルレイヤ用のショットマップに従って行
われ、このショットマップは制御装置10A内のコンピ
ュータよりなるマップ作成部により作成される。
【0029】本実施例のファインステッパー1Aには、
オフ・アクシス方式で且つ撮像方式(FIA方式)のア
ライメント系11Aが備えられている。アライメント系
11Aでは、ウエハW上の位置合わせ用のマーク(ウエ
ハマーク)、又は重ね合わせ精度計測用のバーニアマー
クを撮像し、得られる撮像信号を処理してそのマークの
X1座標、及びY1座標を検出する。検出された座標は
制御装置10Aに供給される。
【0030】なお、アライメント系としては、TTR
(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメント系、又は
投影光学系3Aを介してマークの位置を検出するTTL
(スルー・ザ・レンズ)方式のアライメント系等を使用
してもよく、マークの検出方式としては、スリット状の
レーザビームとマークとを相対走査するレーザ・ステッ
プ・アライメント方式(LSA方式)、又は2光束を回
折格子状のマークに照射して平行に発生する1対の回折
光の干渉信号から位置検出を行う所謂2光束干渉方式等
を使用してもよい。
【0031】次に、本例の走査型露光装置1Bにおい
て、レチクルRBのパターン領域2Bの一部が不図示の
照明光学系からの露光光で照明され、その一部のパター
ン像は、投影光学系3Bを介して1/4倍に縮小され
て、ウエハステージ5B上に保持されたウエハW上のス
リット状の露光領域14に投影露光される。ここで、投
影光学系3Bの光軸に平行にZ2軸を取り、Z2軸に垂
直な平面の直交座標系をX2軸及びY2軸とする。この
状態でレチクルRBを−Y2方向(又は+Y2方向)に
走査するのと同期して、ウエハWを+Y2方向(又は−
Y2方向)に走査することにより、ウエハW上の露光フ
ィールド4BにレチクルRBのパターン領域2B内のパ
ターン像が逐次投影される。
【0032】この場合、レチクルRBのパターン領域2
Bは走査方向であるY2方向に同一の大きさの3個の部
分パターン領域13A〜13Cに分割され、露光フィー
ルド4Bの大きさは走査方向にファインステッパー1A
の露光フィールド4Aに対して3/2倍で、非走査方向
に等しく(1倍に)なっている。また、それらの部分パ
ターン領域13A〜13C内にもそれぞれ同一の配置で
バーニアマークの原画パターンが形成されている。
【0033】走査型露光装置1BのレチクルRBを走査
する不図示のレチクルステージの位置は不図示のレーザ
干渉計により計測され、ウエハステージ5BのX2座標
は、移動鏡6B及びレーザ干渉計7Bにより計測され、
ウエハステージ5BのY2座標は、移動鏡8B及びレー
ザ干渉計9Bにより計測され、それら計測された座標が
制御装置10Bに供給されている。制御装置10Bが不
図示のレチクルステージ、及びウエハステージ5Bの同
期駆動を制御する。ウエハステージ5Bの走査露光は、
ウエハWの露光面に設定されたミドルレイヤ用のショッ
トマップに従って行われ、このショットマップは制御装
置10B内のコンピュータよりなるマップ作成部により
作成される。
【0034】この場合、制御装置10A内のマップ作成
部と、制御装置10B内のマップ作成部とは互いに作成
したショットマップ情報を供給する機能を有している。
そして、例えばクリティカルレイヤ上にミドルレイヤの
露光を行うときには、ファインステッパー1Aに備えら
れた制御装置10Aで作成されたクリティカルレイヤ用
のショットマップ情報が、他方の制御装置10Bに送信
され、制御装置10B内のマップ作成部は、供給された
ショットマップ情報に基づいてミドルレイヤ用のショッ
トマップを作成する。逆に、ミドルレイヤ上にクリティ
カルレイヤの露光を行う際には、制御装置10Bで作成
されたミドルレイヤのショットマップ情報が制御装置1
0Aに供給される。
【0035】また、走査型露光装置1Bにも、オフ・ア
クシス方式で且つ撮像方式(FIA方式)のアライメン
ト系11Bが投影光学系3Bの側面に設けられ、このア
ライメント系11BによりウエハW上のウエハマーク又
はバーニアマークのX2座標及びY2座標が検出され
る。次に、本例においてファインステッパー1Aでクリ
ティカルレイヤのパターンの露光を行った後、走査型露
光装置1Bでミドルレイヤのパターンの露光を行う際
の、ショット内パラメータ(ショット倍率rx,rx、
ショット回転θ、及びショット直交度w)の補正動作の
一例につき第1工程から第3工程に分けて説明する。
【0036】[第1工程]この第1工程では、図1のフ
ァインステッパー1Aのウエハステージ5A上にフォト
レジストが塗布された未露光のウエハWを載置して、ウ
エハW上で露光フィールド4Aを単位として配列された
多数のショット領域に、順次ステップ・アンド・リピー
ト方式でレチクルRAのパターンの縮小像を露光する。
レチクルRAには、2対のアライメントマークの他に所
定配列の2組のバーニアマークの原画パターンが形成さ
れている。その後、そのウエハWの現像を行ってその2
対のアライメントマークを凹凸のウエハマークとして現
出させ、且つそれら2組の原画パターンを凹凸のバーニ
アマークとして現出させる。この現像後のパターンをウ
エハW上のクリティカルレイヤのパターンとみなすこと
ができる。但し、現像を行うことなく、ウエハW上の潜
像のままで以後のアライメントや、2つのバーニアマー
クの位置ずれ量の計測等を行うようにしてもよい。
【0037】[第2工程]第1工程でウエハマーク及び
バーニアマークの形成されたウエハW上にフォトレジス
トを塗布し、このウエハWを図1の走査型露光装置1B
のウエハステージ5B上に載置する。この際に、ファイ
ンステッパー1Aの制御装置10Aから、第1工程で使
用されたクリティカルレイヤのショットマップの情報が
走査型露光装置1Bの制御装置10Bに供給されてい
る。これにより制御装置10Bでは、クリティカルレイ
ヤのウエハマーク、及びバーニアマークのウエハW上で
の設計上の配列座標を求めることができる。
【0038】図2(a)は、そのウエハステージ5B上
に載置されたウエハWを示し、この図2(a)におい
て、走査型露光装置1BのX2軸、及びY2軸を改めて
それぞれX軸、及びY軸として表してある。この場合、
ウエハWは不図示のプリアライメント機構により大まか
な位置合わせがしてあり、ウエハWの表面はほぼX方
向、及びY方向に沿ってQ個(図2(a)では、Q=3
2)のクリティカルレイヤのショット領域SC1,SC
2,…,SCQに分割されている。実際には各ショット
領域SCq(q=1〜Q)間には所定幅のスクライブラ
イン領域があるが、それは図示省略してある。また、そ
のスクライブライン領域を含めて各ショット領域SCq
のX方向の幅(ピッチ)はb、Y方向の幅(ピッチ)は
2aであり、本例では各ショット領域SCqはほぼ正方
形(2a≒b)である。また、各ショット領域SCqは
それぞれY方向に2個の同一形状の第1及び第2の部分
ショット領域15A,15Bに分かれ、これらの部分シ
ョット領域15A,15Bには互いに同一の回路パター
ンが形成されるようになっている。
【0039】図2(b)はショット領域SCqを代表的
に示し、この図2(b)において、ショット領域SCq
内の第1の部分ショット領域には、1対のX軸用のウエ
ハマーク21XA、及びY軸用のウエハマーク21YA
と、1組の十字型に分布する4個のバーニアマーク31
A,31C,31D,31Eとが形成され、ショット領
域SCq内の第2の部分ショット領域にも、対称にウエ
ハマーク21XB,21YBと、バーニアマーク32
A,32C,32D,32Eとが形成されている。この
場合、図2(b)のように分布するマークの原画パター
ンが、図1のファインステッパー1AのレチクルRAの
パターン領域2A内に形成されている。
【0040】なお、本例で使用されるウエハマーク21
XA,21YA等はそれぞれ図1のアライメント系11
Bにより撮像方式で検出される1次元のライン・アンド
・スペースパターンであり、バーニアマーク31A〜3
1E等はそれぞれ、そのアライメント系11Bにより撮
像方式で検出される2次元のボックス・イン・ボックス
マークであるが、バーニアマークとして例えば1次元の
ライン・アンド・スペースパターンを2つ直交するよう
に組み合わせたマーク、又はウエハマーク21XA,2
1YA等そのものを使用してもよい。逆にバーニアマー
クをウエハマークとして使用してもよいため、本例では
一例としてバーニアマーク31A〜31E,32A〜3
2Eの一部をショット領域内の多点のウエハマーク(ア
ライメントマーク)として使用する。また、バーニアマ
ークとして例えばレーザ・ステップ・アライメント(L
SA)方式で検出されるマーク等を使用してもよく、更
にウエハマーク、及びバーニアマークの分布は、図2
(b)以外の分布でもよい。
【0041】次に、図1の走査型露光装置1Bの制御装
置10BはEGA方式でアライメントを行う。そのた
め、制御装置10Bは、クリティカルレイヤのショット
マップに従ってウエハステージ5Bを駆動して、アライ
メント系11Bの観察視野を順次移動させることによ
り、図2(a)において、ウエハW上から選択された例
えば9個のショット領域(サンプルショット)S1,S
2,…,S9に付設されたウエハマーク21XA,21
YAの、ステージ座標系(走査型露光装置1Bのレーザ
干渉計7B,9Bの計測値により定まる座標系)での配
列座標をそれぞれ計測する。そして、各サンプルショッ
トのウエハマーク21XA,21YAの設計上の配列座
標から計算される配列座標値と実測値との差分の自乗和
である残留誤差成分が最小となるように、6個のウエハ
上でのEGAパラメータ(スケーリングRx,Ry、ウ
エハ・ローテーションΘ、ショット直交度W、オフセッ
トOx,Oy)の値を決定する。
【0042】次に、制御装置10Bは、それら6個のE
GAパラメータと、クリティカルレイヤのショット領域
SCq(q=1〜Q)の設計上の配列座標値とから各シ
ョット領域SCqのステージ座標系での配列座標値を求
める。ここで、走査型露光装置1Bの露光フィールド4
Bは、ファインステッパー1Aの露光フィールド4Aに
対してX方向に等倍、且つY方向に3/2倍の大きさで
あるため、制御装置10Bは、図2(a)のショット領
域SCq(q=1〜Q)内の欠けの無い各部分ショット
領域をそれぞれX方向に1個、及びY方向に3個ずつの
複数のブロックに分け、各ブロック内に少なくとも1つ
含まれているショット領域SCqの計算上の配列座標よ
り、各ブロックの中心のステージ座標系での配列座標を
求める。これによってミドルレイヤのショット領域の配
列(ショットマップ)が定まる。
【0043】一例として、走査型露光装置1Bにより露
光されるミドルレイヤのショットマップでは、図3
(a)に示すように、ウエハWのクリティカルレイヤ上
にX方向、及びY方向に沿ってR個(図3(a)では、
R=20)のショット領域SD1,SD2,…,SDR
が配列されている。スクライブライン領域を含めて各シ
ョット領域SDr(r=1〜R)のX方向の幅(ピッ
チ)はb、Y方向の幅(ピッチ)は3aである。従っ
て、クリティカルレイヤのショット領域SCqに対して
ミドルレイヤのショット領域SDrの大きさを、X方向
及びY方向にそれぞれM 1/N1 倍、及びM2/N2 倍とす
ると、本例ではM1/N1 =1/1、M2/N2 =3/2と
なっている。また、各ショット領域SDrは、それぞれ
Y方向(走査方向)に同一の大きさの3個の部分ショッ
ト領域16A〜16Cに分割され、これら3個の部分シ
ョット領域16A〜16Cには、互いに同一のパターン
が形成されるようになっている。
【0044】本例では、6個のEGAパラメータ(R
x,Ry,Θ,W,Ox,Oy)には誤差がなく、4個
のショット内パラメータ(ショット倍率rx,ry、シ
ョット回転θ、ショット直交度w)に誤差があるものと
する。そこで、これらショット内パラメータの誤差(補
正値)を求めるために重ね合わせ露光を行う。即ち、走
査型露光装置1Bでは、図3(a)のミドルレイヤの各
ショット領域SDrに順次、走査露光方式でレチクルR
Bに形成されたバーニアマークの原画パターン像を露光
する。この際に、算出されたショット倍率rx,ryに
応じて、投影光学系3Bの投影倍率、及び走査速度を調
整し、ショット回転θに応じてレチクルRBを回転さ
せ、ショット直交度wに応じて走査方向を調整してお
く。これにより、クリティカルレイヤのチップパターン
にミドルレイヤのチップパターンを合わせておく。その
後、現像を行うことにより、ウエハW上のクリティカル
レイヤのバーニアマーク上にミドルレイヤのバーニアマ
ークが現出する。なお、既に説明したように潜像のまま
で以下の計測を行ってもよい。
【0045】[第3工程]この第3工程では、図2
(a)のクリティカルレイヤのショット領域SCqのバ
ーニアマークと、図3(a)のミドルレイヤのショット
領域SDrのバーニアマークとの位置ずれ量を計測す
る。そのため、第2工程で現像が行われた図3(a)に
示すウエハWを、例えば図1の走査型露光装置1Bのウ
エハステージ5B上に載置して、アライメント系11B
により2層のバーニアマークの位置ずれ量を計測する。
但し、2層のバーニアマークの位置ずれ量は、別の高精
度な計測装置で計測してもよい。
【0046】この場合、図2(a)及び図3(a)に示
すように、クリティカルレイヤのショット領域SCqの
+Y方向の端部とミドルレイヤのショット領域SDrの
+Y方向の端部とが一致しているものとする。また、ミ
ドルレイヤMのショット領域SD1〜SDR内には、そ
れぞれクリティカルレイヤのショット領域SCq内の8
個のバーニアマークに対応して12個(=4×3個)の
バーニアマークが形成されている。
【0047】図3(b)はそのミドルレイヤのショット
領域SDrを示し、この図3(b)において、ショット
領域SDr内の第1の部分ショット領域には、クリティ
カルレイヤのバーニアマーク31A〜31E(図2
(a)参照)を囲むように4個のバーニアマーク33A
〜33Eが形成され、同様にショット領域SDr内の第
2及び第3の部分ショット領域内にもそれぞれ、クリテ
ィカルレイヤのバーニアマークを囲むように4個のバー
ニアマーク34A〜34E、及び35A〜35Eが形成
されている。本例では4個のショット内パラメータ(r
x,ry,θ,w)の誤差によって、一例としてクリテ
ィカルレイヤの所定のショット領域内のバーニアマーク
31Eに対して、ミドルレイヤのバーニアマーク35E
はX方向及びY方向にそれぞれΔx及びΔyだけ位置ず
れしている。そこで、所定の計測点にある2層のバーニ
アマークの位置ずれ量を検出することにより、それらシ
ョット内パラメータの誤差(補正値)を求める。
【0048】例えば図3(a)で斜線を施して示すよう
に、Y方向に2個連続するショット領域SDr,SD
(r+1)内での計測点の設定方法につき、図4を参照
して説明する。図4において、クリティカルレイヤのシ
ョット領域SCq,SC(q+1),SC(q+2)
と、ミドルレイヤのショット領域SDr,SD(r+
1)とが跨ることなく完全に重なっている領域、即ち斜
線を施して示すように、2個のショット領域SCq,S
C(q+2)をそれぞれ基準計測領域として、第1の基
準計測領域SCq内に4個の計測点36A〜36Dを設
定する。同様に、第2の基準計測領域SC(q+2)内
にも、計測点36A〜36Dと対応する位置に4個の計
測点36E〜36Hを設定する。
【0049】そして、計測点36Aでは、クリティカル
レイヤのバーニアマーク32Aとミドルレイヤのバーニ
アマーク34AとのX方向及びY方向への位置ずれ量を
計測し、同様に他の計測点36B〜36D、及び36E
〜36Hでもそれぞれ2層のバーニアマークの位置ずれ
量を計測する。なお、図3(a)において、他にもクリ
ティカルレイヤのショット領域とミドルレイヤのショッ
ト領域とが跨ることなく完全に重なっている領域を基準
計測領域としてもよい。
【0050】次に、各計測点での2つのバーニアマーク
の位置ずれ量の計測結果から、4個のショット内パラメ
ータの誤差を求める方法の一例につき説明する。ここ
で、第1の基準計測領域SCq内において、X方向に離
れた2つの計測点36A,36Bでの2つのバーニアマ
ークの位置ずれ量をそれぞれ(Δxa,Δya),(Δ
xb,Δyb)として、Y方向に離れた2つの計測点3
6C,36Dでの2つのバーニアマークの位置ずれ量を
それぞれ(Δxc,Δyc),(Δxd,Δyd)とす
る。この場合、位置ずれ量Δxa,Δxbの差よりX方
向のショット倍率rxの誤差Δrxが求められ、位置ず
れ量Δyc,Δydの差よりY方向のショット倍率ry
の誤差Δryが求められ、位置ずれ量Δya,Δybの
差分よりショット回転θの誤差Δθが求められ、位置ず
れ量Δxc,Δxdの差分、及びその誤差Δθよりショ
ット直交度wの誤差Δwが求められる。
【0051】更に、その他の基準計測領域内で求めたシ
ョット内パラメータの誤差Δrx,Δry,Δθ,Δw
の平均値を求め、これらの平均値をショット内パラメー
タの補正値Δrx’,Δry’,Δθ’,Δw’として
走査型露光装置1Bの制御装置10B内の記憶部に記憶
する。この場合、本例の各基準計測領域は、クリティカ
ルレイヤでもミドルレイヤでも2つのショット領域に跨
っていないため、求められたショット内パラメータの補
正値は、クリティカルレイヤでのステッピング誤差、及
びミドルレイヤでのステッピング誤差の影響が除去され
た正確な値である。
【0052】これに対して、例えば図4で2つのショッ
ト領域SDr及びSD(r+1)に跨る中央のショット
領域SC(q+1)を基準計測領域として、この基準計
測領域内の2つのショット領域SDr及びSD(r+
1)上に計測点37B及び37Aを設定する場合を想定
する。この場合、2つの計測点37B及び37Aでの2
つのバーニアマークの位置ずれ量にはミドルレイヤのス
テッピング誤差が独立に混入しているため、例えばそれ
らの位置ずれ量の和からY方向のショット倍率ryの誤
差を算出しても、その誤差にはステッピング誤差も混入
していることになる。この意味では、仮に基準計測領域
が何れかの層の複数のショット領域に跨っていても、そ
の基準計測領域内の複数の計測点を複数のショット領域
に跨らないように設定するようにしても、ステッピング
誤差の混入を防止できる。なお、バーニアマークの位置
ずれ量が別の計測装置で計測され、別のコンピュータ等
によってそれらのショット内パラメータの補正値が求め
られたときには、オペレータが入力装置を介して、又は
その別のコンピュータからのオンライン通信によって制
御装置10Bにそれらの補正値を入力することになる。
これによって第3工程が終了する。
【0053】その後、図1のファインステッパー1A、
及び走査型露光装置1Bを用いてミックス・アンド・マ
ッチ方式で露光を行う場合、ウエハ上にファインステッ
パー1Aでクリティカルレイヤのパターンを形成した
後、走査型露光装置1Bでミドルレイヤのパターンを露
光する前に、先ず所定のサンプルショット内の多点のウ
エハマークの座標計測を計測し、この結果より6個のウ
エハ上のEGAパラメータ、及び4個のショット内パラ
メータの値を求める。その後、制御装置10Bでは、求
められたショット内パラメータ(rx,ry,θ,w)
に対して上述の第3工程で記憶された補正値(Δr
x’,Δry’,Δθ’,Δw’)を加算して補正後の
ショット内パラメータを求める。そして、制御装置10
Bは、先ず6個のウエハ上のEGAパラメータを用いて
クリティカルレイヤの各ショット領域の座標位置を算出
し、この座標位置に基づいてミドルレイヤの各ショット
領域の露光位置を算出し、この露光位置に基づいて順次
ミドルレイヤのショット領域の位置決め(例えば走査開
始位置の設定)を行う。そして、走査型露光装置1Bで
は、補正後のショット内パラメータの値に応じて結像特
性の補正を行いつつ、各ショット領域に走査露光方式で
レチクルのパターンを露光する。この場合、本例では補
正後のショット内パラメータの値が正確であるため、ク
リティカルレイヤとミドルレイヤとの重ね合わせ精度が
従来例より向上している。
【0054】次に、本発明による実施の形態の他の例に
つき図5及び図6を参照して説明する。先ず、図5の例
は、図5(a)に示すクリティカルレイヤのショット領
域SA内には1つのチップパターンが配列され、図5
(b)に示すミドルレイヤのショット領域SB内では、
X方向に2列でY方向に2行の合計4個の同一のチップ
パターンが配列される場合である。また、クリティカル
レイヤの露光装置は縮小倍率が1/5倍の一括露光方式
の投影露光装置(ステッパー)であり、ミドルレイヤの
露光装置は縮小倍率が1/2.5倍のステッパーであ
る。
【0055】このとき、クリティカルレイヤのショット
領域SAのX方向の幅をd、Y方向の幅をcとすると、
ミドルレイヤのショット領域SBのX方向の幅は2d、
Y方向の幅は2cとなる。従って、ショット領域SAに
対してショット領域SBはX方向、Y方向にそれぞれ2
/1倍である。従って、図5(c)に示すように、クリ
ティカルレイヤの4個のショット領域と、ミドルレイヤ
の1個のショット領域とが重なった領域39において、
ショット領域SAとショット領域SBとが跨らずに重な
る領域、即ちクリティカルレイヤの各ショット領域SA
そのものが基準計測領域となる。そこで、例えばその内
の1つの基準計測領域39aにおいて、2つの計測点4
0A及び40Bを設定し、これらの計測点40A,40
Bで2層のバーニアマークの位置ずれ量を計測すること
により、ショット内パラメータ内の例えばショット倍率
rx、及びショット回転θの補正値を正確に求めること
ができる。
【0056】更に、図6の例は、図6(a)に示す1層
目のショット領域SE内にはX方向に2列でY方向に3
行の6つの同一のチップパターンが配列され、図6
(b)に示す2層目のショット領域SF内では、Y方向
に3個の同一のチップパターンが配列される場合であ
る。また、ショット領域SEよりなる1層目用の露光装
置はステッパーであり、ショット領域SFよりなる2層
目用の露光装置はステップ・アンド・スキャン方式の投
影露光装置である。
【0057】このとき、ショット領域SEのX方向の幅
を2b、Y方向の幅を3aとすると、ショット領域SF
のX方向の幅はb、Y方向の幅は3aとなる。即ち、シ
ョット領域SEに対してショット領域SFはX方向に1
/2倍、Y方向に1/1倍である。従って、図6(c)
に示すように、1層目の1個のショット領域と、2層目
の2個のショット領域とが重なった領域41において、
ショット領域SEとショット領域SFとが跨らずに重な
る領域、即ち2層目の各ショット領域SFそのものが基
準計測領域となる。そこで、例えばその内の1つの基準
計測領域41aにおいて、2つの計測点42A及び42
Bを設定し、これらの計測点42A,42Bで2層のバ
ーニアマークの位置ずれ量を計測することにより、ショ
ット内パラメータ内の例えばショット倍率ryの補正値
を正確に求めることができる。
【0058】なお、上述の実施の形態では、2台のステ
ッパー、又はステッパーとステップ・アンド・スキャン
方式の投影露光装置との組合せを使用しているが、例え
ば露光フィールドの大きさの異なる2台の露光装置とし
てそれぞれ別のステップ・アンド・スキャン方式の投影
露光装置を使用してもよい。このように本発明は上述の
実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々の構成を取り得る。
【0059】
【発明の効果】本発明の第1の露光方法によれば、設定
された基準計測領域は2層(例えばクリティカルレイヤ
とミドルレイヤ)の何れでも複数のショット領域に跨っ
ていないため、その基準計測領域内の計測点で計測され
る2つの重ね合わせ精度計測用マークの位置ずれ量に
は、ステッピング誤差が含まれていない。従って、その
位置ずれ量に基づいて、位置合わせの際の座標、又は結
像特性の補正を行うことにより、2層間の重ね合わせ精
度を向上できる利点がある。
【0060】本発明の第2の露光方法によれば、複数の
第1のショット領域中の任意の1つと複数の第2のショ
ット領域中の任意の1つとがはみ出すことなく(跨るこ
となく)重なった領域を基準計測領域として、所定の基
準計測領域内に設定された計測点で2層の重ね合わせ精
度計測用のマーク(バーニアマーク)の位置ずれ量を計
測している。従って、第1のショット領域、及び第2の
ショット領域のステッピング誤差の影響を受けることな
く、正確に位置合わせ用マーク(ウエハマーク)の像の
位置を検出する際の補正値を求めることができ、その結
果として、ミックス・アンド・マッチ方式でクリティカ
ルレイヤとミドルレイヤとが混在するような基板に露光
を行う場合に、そのクリティカルレイヤのパターンとミ
ドルレイヤのパターンとの重ね合わせ精度を高めること
ができる利点がある。また、そのステッピング誤差の他
に、第1層目のショット領域間、及び第2層目のショッ
ト領域間の所謂継ぎ合わせ誤差の影響もそれぞれ除去さ
れている利点がある。
【0061】また、第3工程において求められる補正値
が、位置合わせ用マークの像の位置に基づいて算出され
る所定の結像特性を示すパラメータの補正値であり、そ
の所定の結像特性を示すパラメータは、ショット倍率、
ショット回転、及びショット直交度よりなるパラメータ
群から選択される少なくとも1つのパラメータである場
合、所謂ショット内パラメータの補正値を高精度に求め
ることができる。従って、この補正後のショット内パラ
メータを使用することにより、結像特性を高精度に補正
できる。
【0062】また、第1の露光装置が一括露光方式の投
影露光装置であり、第2の露光装置が走査露光方式の投
影露光装置である場合には、特に2つの露光装置の露光
フィールドの大きさが異なる場合が多いため、本発明の
露光方法は有効である。また、走査露光方式の投影露光
装置では、露光時にショット倍率、ショット回転、及び
ショット直交度を容易に補正できるため、本発明の方法
で補正したパラメータを使用することにより2層間の重
ね合わせ精度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による露光方法の実施の形態の一例で使
用される露光システムの概略を示す斜視図である。
【図2】(a)はその実施の形態の一例のウエハW上で
のクリティカルレイヤのショット配列を示す平面図、
(b)はそのクリティカルレイヤのショット領域内での
バーニアマークの配列を示す拡大平面図である。
【図3】(a)は図2(a)のクリティカルレイヤ上に
露光されるミドルレイヤのショット配列を示す平面図、
(b)はそのミドルレイヤのショット領域内での2層の
バーニアマークの配列を示す拡大平面図である。
【図4】図3(a)のウエハ上に設定される基準計測領
域、及び計測点の一例を示す拡大平面図である。
【図5】クリティカルレイヤのショット領域に比べてミ
ドルレイヤのショット領域がX方向に2倍、且つY方向
に2倍の場合の基準計測領域の定め方の説明に供する図
である。
【図6】1層目のショット領域が一括露光方式で露光さ
れ、2層目のショット領域が走査露光方式で露光され、
且つ1層目のショット領域が2層目のショット領域より
広い場合の基準計測領域の定め方の説明に供する図であ
る。
【図7】(a)は従来のウエハW上でのクリティカルレ
イヤのショット配列を示す平面図、(b)は図7(a)
の1つのショット領域内でのバーニアマークの配列を示
す拡大平面図である。
【図8】(a)は図7(a)のショット領域上に露光さ
れるミドルレイヤのショット配列及び計測点の配列を示
す平面図、(b)はミドルレイヤの1つのショット領域
内での2層のバーニアマークの配列を示す拡大平面図で
ある。
【符号の説明】
1A ファインステッパー 1B 走査型露光装置 3A,3B 投影光学系 4A,4B 露光フィールド 5A,5B ウエハステージ 11A,11B アライメント系 W ウエハ SC1〜SCQ,SCq クリティカルレイヤのショッ
ト領域 SD1〜SDR,SDr ミドルレイヤのショット領域 21XA,21XB X軸用のウエハマーク 21YA,21YB Y軸用のウエハマーク 31A〜31E,32A〜32E クリティカルレイヤ
のバーニアマーク 33A〜33E,34A〜34E,35A〜35E ミ
ドルレイヤのバーニアマーク 36A〜36D,36E〜36H 計測点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに大きさの異なる露光フィールドを
    有する第1及び第2の露光装置を用いて、感光基板上に
    マスクパターンを重ねて露光する露光方法において、 前記第1及び第2の露光装置を用いて評価用の感光基板
    上に順次、重ね合わせ精度計測用マークの形成された第
    1及び第2のマスクパターンを重ねて転写露光し、 前記評価用の感光基板上で前記第1の露光装置の露光フ
    ィールドを単位とするショット領域と前記第2の露光装
    置の露光フィールドを単位とするショット領域とが互い
    にはみ出すことなく重なった基準計測領域内の所定の計
    測点で、重ねて転写露光された前記重ね合わせ精度計測
    用マークの像の位置ずれ量を計測し、 該計測結果に基づいて、前記第1の露光装置で露光され
    た感光基板上に前記第2の露光装置で露光する際の位置
    合わせ、又は結像特性の補正を行うことを特徴とする露
    光方法。
  2. 【請求項2】 露光対象とする感光基板上で所定の大き
    さの第1の露光フィールドを有する第1の露光装置と、
    前記第1の露光フィールドに対して直交する第1、及び
    第2の方向に対してそれぞれM1/N1 倍(M1,N1 はM
    1 ≠N1 なる整数)、及びM2/N2 倍(M2,N2 は整
    数)の大きさの第2の露光フィールドを有する第2の露
    光装置とを用いて、前記感光基板上にマスクパターンを
    重ねて露光する露光方法において、 前記第1の露光装置を用いて、位置合わせ用マーク及び
    第1の重ね合わせ精度計測用マークの形成された第1の
    マスクパターンを、前記第1の露光フィールドを単位と
    して感光基板上に配列された複数の第1のショット領域
    に順次露光する第1工程と;前記第2の露光装置を用い
    て、第2の重ね合わせ精度計測用マークの形成された第
    2のマスクパターンを、前記第1工程で露光された前記
    感光基板上に前記位置合わせ用マークの像の位置を基準
    として前記第2の露光フィールドを単位として配列され
    た複数の第2のショット領域に順次露光する第2工程
    と;前記感光基板上で複数の前記第1のショット領域中
    の任意の1つと複数の前記第2のショット領域中の任意
    の1つとがはみ出すことなく重なった複数の領域をそれ
    ぞれ基準計測領域として、該複数の基準計測領域から選
    択された所定個数の基準計測領域内で互いに同じ位置に
    ある前記第1の重ね合わせ精度計測用マークの像と前記
    第2の重ね合わせ精度計測用マークの像との位置ずれ量
    を計測し、該計測された位置ずれ量に基づいて前記第2
    の露光装置で前記第1の露光装置により露光された前記
    位置合わせ用マークの像の位置を検出する際の補正値を
    求める第3工程と;を有することを特徴とする露光方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の露光方法であって、 前記第3工程において求められる補正値は、前記位置合
    わせ用マークの像の位置に基づいて算出される所定の結
    像特性を示すパラメータの補正値であり、 該所定の結像特性を示すパラメータは、ショット倍率、
    ショット回転、及びショット直交度よりなるパラメータ
    群から選択される少なくとも1つのパラメータであり、 前記第3工程の後、前記第1の露光装置で露光された感
    光基板上に前記第2の露光装置を用いて重ね合わせ露光
    する際に、前記第3工程で求めた補正値を用いて結像特
    性の補正を行うことを特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の露光方法であっ
    て、 前記第1の露光装置は一括露光方式の投影露光装置であ
    り、前記第2の露光装置は走査露光方式の投影露光装置
    であることを特徴とする露光方法。
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