JPH09505729A - 核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物 - Google Patents

核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物

Info

Publication number
JPH09505729A
JPH09505729A JP7510426A JP51042695A JPH09505729A JP H09505729 A JPH09505729 A JP H09505729A JP 7510426 A JP7510426 A JP 7510426A JP 51042695 A JP51042695 A JP 51042695A JP H09505729 A JPH09505729 A JP H09505729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
nucleic acid
sequence
labeled
length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7510426A
Other languages
English (en)
Inventor
ドゥルマナク,ラドジェ
Original Assignee
アーチ・デヴェロップメント・コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アーチ・デヴェロップメント・コーポレイション filed Critical アーチ・デヴェロップメント・コーポレイション
Publication of JPH09505729A publication Critical patent/JPH09505729A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6869Methods for sequencing
    • C12Q1/6874Methods for sequencing involving nucleic acid arrays, e.g. sequencing by hybridisation

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 配列が分かっている2セットの小さなオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリッド形成に基づく、核酸分子の極めて効率的な配列決定を可能にする新しい方法と組成物を開示する。クローニングおよびサブクローニング段階を経ることなく、染色体および非増幅RNAを含む非常に大きな核酸分子の配列の決定を行うことができる。本発明の方法により、例えば、ノイズ対信号比が高い、識別の困難性、表面への多くの核酸断片の付着、多くのより長く、さらに複雑なプローブ、より多くの物質の標識化といった配列決定技術における種々の現存の問題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物 本出願は、1994年9月8日に申請された同時出願の米国特許出願第08/303,058号 の部分継続出願である。前記出願は、1993年9月27日に申請された米国特許出願 第08/127,420号の部分継続出願である、その本文と図面の全ては、権利放棄する ことなく、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。エネルギー省 補助金LDRD 03235と、米国エネルギー省と、Argonne 国立研究所を代表するシカ ゴ大学との間の契約番号第W-31-109-ENG-38号に従って、米国政府が本発明にお ける権利を所有する。発明の背景 1. 発明の分野 本発明は、一般に分子生物学の分野に関する。本発明は、特に、核酸分子の極 めて効率的な配列決定を可能にする新しい方法と組成物を提供する。発明の方法 は、クローニングおよびサブクローニング段階を含まない染色体およびRNAを含 む長い核酸分子の配列決定に適している。 2. 関連技術の説明 核酸配列の決定は、今日の科学の発展の不可欠な部分を形成している。核酸分 子と断片の配列、すなわち一次構造の決定は、特定の目標領域の範囲を検討する 個々のプロジェクトに関して重要である。配列決定から得られた情報は、科学、 医学、農業、バイオテクノロジーのあらゆる領域に影響を与える。勿論、核酸配 列決定は、ヒトゲノムプロジェクトと、生物の進化と機能に関する我々の理解と 、種々の疾病の原因に関する洞察を更に深めることを目的とするその他の大規模 なプロジェクトにとっても不可欠である。 核酸配列決定の有用性は明らかで、例えば、ヒトゲノムプロジェクト(HGP) 、すなわちヒトゲノム全体の配列決定に向けて、多くの国々が現在様々な施設で 研究を進めている。しかし、この領域の進歩には概して時間と費用がかかる。核 酸配列決定は、1つのヌクレオチドによって長さが異なる1から500bpの範囲のDN Aフラグメントを分離するポリアクリルアミドゲル上で通常決定される。配列、 すなわち個々のA、G、C、Tヌクレオチドの順序の実際の決定は、2つの方法で達 成される。第一に、DNAフラグメントを特定のヌクレオチドにおいて化学的に分 解するMaxam and Gilbert法を使用するか、あるいは第二に、Sangerと共同研究 者により報告されたジデオキシ鎖末端配列決定法(Sanger et al.,1977)を使 用する。いずれの方法も時間と手間がかかる。 より最近、電気泳動法を使用しない他の核酸配列決定法が提案された。これら の方法は、ハイブリッド形成による配列決定またはSBH(sequencing by hybridiz ation)と総称される(Drmanac et al.,1991; Cantor et al.,1992; Drmanac & Crkvenjakov,米国特許第5,202,231号)。これらの方法の幾つかの開発により 、配列決定チップとして知られる新しい固体支持体タイプの型配列決定手段が生 まれた。一般的なSBHの有用性は、この技術に関して米国特許が認められたとい う事実によって証明される。しかし、SBHは、核酸配列決定速度をアップするこ とはできるが、現行のSBH法はいずれもなお幾つかの欠点を有している。 SBHは、しばしば方式1および方式2(Cantor et al.,1992)と呼ばれる2つ の基本的方法により実施できる。方式1においては、一般に約100〜1000ヌクレ オチド長の、配列が分かっていないオリゴヌクレオチドが、未知試料そのものが 固定されるように固体支持体またはフィルターに整列される(Strezoska et al. ,1991; Drmanac & Crkvenjakov,米国特許第5,202,231号)。次に、約6から8残 基長の標識プローブセットを用いるハイブリッド形成によって、そのレプリカの アレイを調査する。方式2において、配列決定チップは、約6から8残基長の既知 の 配列を持つオリゴヌクレオチドのアレイから形成される(Southern,WO89/10977 ;Khrapko et al.,1991; Southern et al.,1992)。次に、未知配列の核酸を 標識し、固定されたオリゴとハイブリッド形成させることができる。 残念ながら、これらのSBH方式には幾つかの限界があり、特に前もってDNAクロ ーニング段階を必要とする。方式1における他の重大な問題としては、配列決定 のために種々の核酸断片を個体表面支持体に付着させる、あるいはより長いプロ ーブの大きなセットを調製すること等が挙げられる。方式2における主な問題点 としては、未知配列の核酸を標識すること、ノイズ対シグナル比が一般に高いこ と、短い配列しか決定できないこと等が挙げられる。方式2の更なる問題点とし て、幾つかの標的へのアクセスを妨害する二次構造が形成される、GC含量が異な るプローブが必要なため条件が多様となること等が挙げられる。従って、本技術 にとって、核酸配列決定のための新しい手順、特に時間がかかるクローニングま たはサブクローニングのプロセスを回避する新しい手順が有用であることは明白 である。 発明の概要 本発明は、核酸配列を決定するための新しい方法と組成物を提供することによ って、以前の技術に固有の種々の欠点を解決することを目的としている。ここに 報告される新しい技術は、発明者等によって一般に方式3と呼ばれ、既存の方式 1と方式2のSBH法を大幅に改善したものである。本発明によって提供される方 式3の配列決定においては、2セットの既知配列の小さなオリゴヌクレオチドプ ローブにより核酸配列が決定される。本発明の方法により、予めクローニング、 サブクローニングまたは増幅を行わずに、染色体物質またはRNAを含む極めて大 きな核酸分子を高い識別力で配列決定することができる。更に、本発明は、多数 のプローブや、より長いプローブの複雑な合成、核酸断片の複雑な混合物の標識 を必要としない。 本発明の方法に従って核酸の配列を決定するには、長さが規定された既知の配 列の2セットの小さなオリゴヌクレオチドプローブ(オリゴ)の相補的配列によ りハイブリッド形成することによって、核酸の配列を同定する。2セットの小さ なオリゴヌクレオチドプローブは、そのプローブの長さの大部分の配列の組み合 わせをカバーする。次に、同定された配列を分析してオーバーラップしている同 定された配列部分を決定し、このようなオーバーラップしている配列の完全な核 酸配列の再構成あるいは組立を行う。 配列決定方法は、2セットの小さなオリゴの相補的配列による逐次ハイブリッ ド形成を用いて実施することができる。あるいは、「サイクリング」と呼ばれる 方法を用いることができる。この場合、2セットの小さなオリゴを未知配列に同 時にハイブリッド形成させる。この技術の識別部分が、次に温度を上昇させ、非 相補的なハイブリッドを「融解」することによって生じることから、「サイクリ ング」という言葉が使われている。このようなサイクリング技術は、PCRのよう な分子生物学の他の領域で広く用いられており、本技術に精通する者は、本発見 に照らして容易に理解できるであろう。 本発明は、非常に長い核酸分子の配列決定に応用できる。実際問題として、配 列決定される核酸分子は、一般に断片化され、容易に操作できる短い、あるいは 中間の長さの核酸フラグメントを提供する。ここに使用される核酸フラグメント という言葉は、極めて一般的には、約10塩基対(bp)から約100bpの長さの核酸 分子を意味する。本発明の最も好ましい方法は、配列決定される核酸分子を処理 して、中間の長さ、すなわち約10bpから約40bpの核酸分子フラグメントを提供す る方法と考えられる。しかし、本発明は、小さな核酸分子フラグメントの配列を 完璧に決定する方法ではなく、寧ろ核酸分子そのものの配列を決定する方法であ り、分子内の一部の配列を決定するものであることを強調しなくてはならない。 これは、分子全体を使用しても、あるいは簡単にするために、まず分子を約4か ら約1 000個の塩基から成る小さな部分に断片化することによっても達成される。 核酸分子の配列は、配列が分かっている小さなオリゴヌクレオチドプローブに 対してハイブリッド形成することによって決定される。「小さなオリゴヌクレオ チドプローブ」という場合、「小さな」という言葉は、10bp長より短いプローブ を意味し、好ましくは約4bpから約9bp長のプローブを意味する。配列決定の一実 施例において、約6bp長のプローブは、特に有用と考えられる。選択されたプロ ーブの長さの配列の組み合わせ全てをカバーするオリゴのセット数は4Fによって 表される。この場合、Fはプローブの長さを表す。例えば、4-merの場合、セット は256のプローブを含み、5-merの場合、1024のプローブを含み、6-merの場合、4 096のプローブ、7-merでは、16384のプローブと同様に続く。この長さのオリゴ の合成は、本技術分野においては極めてルーチンな技術であり、自動合成法によ り達成される。 本発明の方法において、第一セットと呼ばれる1セットの既知配列の小さなオ リゴヌクレオチドプローブを、固体支持体に付着させる。すなわち、ハイブリッ ド形成反応に参加できるような方法で、第1セットのオリゴをその支持体に固定 する。第二セットと呼ばれるもう1セットの既知配列の小さなオリゴヌクレオチ ドプローブは、溶液中に存在し、検出可能な標識で標識されたプローブである。 オリゴのセットには、同じ、あるいは異なる長さのプローブを含めることができ る。 逐次ハイブリッド形成のプロセスは、未知配列の核酸分子またはフラグメント を、既知配列の異なるオリゴヌクレオチドプローブセットに、時間差をおいてハ イブリッド形成させ得ることを意味する(図1)。核酸分子またはフラグメント は一般に変性され、ハイブリッド形成が可能となり、相補的配列を持つフラグメ ントだけが確実にハイブリッド形成するような、識別のためのハイブリッド形成 条件下で、第一の固定されたプローブセットに加えられる。非相補的配列を持つ フラグメントを除去する。そして、溶液に含まれる第二の標識されたプローブセ ットを、既に形成されたフラグメントとプローブの組み合わせに加えることによ って、次の識別のためのハイブリッド形成段階が実施される。固定されたプロー ブに隣接してハイブリッド形成した標識プローブは、支持体に付着して残り、検 出することができるが、固定されたプローブと標識プローブの間に間隙がある場 合はそのようにならない(図1)。 同時ハイブリッド形成のプロセスは、未知配列の核酸分子を既知配列の異なる オリゴヌクレオチドプローブセットと同時に接触させ得ることを意味する。ハイ ブリッド形成は、識別のためのハイブリッド形成条件下で発生する。非相補的配 列を持つフラグメントは、「融解」され、すなわち温度を上げることによって除 去され、次の識別のためのハイブリッド形成が実施され、相補的な第二のプロー ブのいずれかにハイブリッド形成される。次に固定プローブに隣接してハイブリ ッド形成した標識プローブが同様の方法で検出される。 「相補的な」核酸配列は、標準的なワトソン−クリック相補性規則に従って塩 基対を形成できるもので、修飾塩基に適用する場合には、この規則の変形が使用 される。これは、より大きなプリンまたは修飾プリンは常に、より小さなピリミ ジンと塩基対を形成し、公知の組み合わせのみを形成する。これらには、グアニ ンとシトシン(G:C)の塩基対、アデニンと、DNAの場合にはチミン(A:T)、RNA の場合にはウラシル(A:U)の標準的な塩基対が含まれる。修飾塩基またはいわ ゆる普遍塩基(Universal Base)(M.Nichols et al.,1994)の使用も考えられる 。 ここに使用されるように、「相補的配列」という言葉は、その全長にわたり実 質的に相補的で、適合しない塩基対は殆どない核酸配列を意味する。例えば、6 塩基長の核酸配列が6箇所中5箇所でハイブリッド形成し、1箇所においてのみ塩 基対が適合していない場合には、その核酸配列は相補的と呼ばれる。当然、「完 全に相補的な」核酸配列は、その全長にわたって完全に相補的で、適合していな い塩 基対は1つも無い核酸配列である。 既知配列のオリゴにハイブリッド形成させることによって同定後、核酸フラグ メントの一部である種々の配列を個々に分析し、オーバーラップしている配列の 範囲(ストレッチ)を同定する。例えば、配列の一部の5'末端が別の核酸分子の 3'末端と同じである場合、またはその逆の場合が同定される。そこで、核酸分子 またはフラグメントの完全な配列を描く、すなわち、オーバーラップしている配 列から再構成し、決定することができる。 オーバーラップしている配列の同定と、完全な配列の再構成は、一般に演算分 析により達成される。例えば、標識プローブ5'-TTTTTT-3'を、固定されたプロー ブ5'-AAAAAA-3'を含むスポットにハイブリッド形成した場合には、核酸分子内の 12-mer配列、即ち5'-AAAAAATTTTTT-3'(配列番号1(SEQ ID NO: 1))が規定され る。すなわち、2つのハイブリッド形成されたプローブの配列が組み合わされて 、それまで未知であった配列が明らかとなる。次に解決すべき問題は、新たに決 定された5'-AAAAAATTTTTT-3'(配列番号1)配列の次にどのヌクレオチドが来る かという問題である。4つの可能性がある。それは、固定されたプローブが5'-A AAAAT-3'で、Aの場合には標識プローブが5'-TTTTTA-3'; Tの場合には5'-TTTTTT- 3'; Cの場合には5'-TTTTTC-3'; Gの場合には5'-TTTTTG-3'である。例えば、もし 、プローブ5'-TTTTTC-3'がポジティブで、他の3つがネガティブの場合、組み立 てられる配列は、5'-AAAAAATTTTTTC-3'(配列番号2)まで延びる。次のステップ において、アルゴリズムにより、固定されたプローブAAAATTを含むスポットにお いて、TTTTCA、TTTTCT、TTTTCC、またはTTTTCGのいずれがポジティブであるかを 決定する。全てのポジティブの(F+P)オリゴヌクレオチド配列が使用されるか 、あるいは誤ったポジティブ(偽ポジティブ)と判定されるまで、このプロセス が繰り返される。 従って、本発明は長い核酸フラグメントおよび分子の配列を決定するための、 非常に効率的な方法を提供する。ここに定義される大きな核酸分子は、配列決定 前に断片化する必要がある分子である。これらは長さが一般に少なくとも約45ま たは50塩基対(bp)で、それより長いことが非常に多い。事実、本発明の方法は 殆ど上限の無い核酸分子の配列決定に使用できるため、約100bp、1キロベース( kb)、100kb、1メガベース(Mb)、50Mb以上の配列決定が可能で、約100Mbの長 さのヒトの染色体のような完全な染色体まで可能である。このような大きな数も 同様に本発明の範囲内であり、このような数の塩基の配列決定には、8-merまた は DNA、ゲノムDNA、微小に砕片化された染色体バンド、コスミドDNAまたはYAC挿入 断片といったDNA、あるいはmRNA、rRNA、tRNAまたはsnRNAを含むRNAが可能であ る。 長い核酸分子の配列を決定するプロセスは、単に、適切なアルゴリズムを使用 して、F+Pの長さの配列を同定し、配列を組み合わせることである。実際には、 まず配列決定する核酸分子を、中位の長さの核酸フラグメントのような、より小 さなフラグメントに断片化することになるであろう。次に、例えば逐次ハイブリ ッド形成のように、フラグメントを、既知配列の2セットの小さなオリゴヌクレ オチドプローブの相補的配列に、上記のように、ハイブリッド形成させることに よって、F+Pの長さの配列を同定する。この方法において、巨大分子の完全な核 酸の配列を、F+Pの長さのオーバーラップしている配列から再構成することがで きる。 配列決定される核酸そのものが中位の長さのフラグメントであろうと、あるい は、このような長さのフラグメントを生成するためにまず処理が必要な場合であ ろうと、既知配列の2セットの小さなオリゴヌクレオチドプローブにハイブリッ ド形成することによって、このような核酸フラグメントの配列を同定するプロセ スは、ここに明らかにされている配列決定方法の中核を成す。このプロセスは一 般に以下のステップから成る。すなわち、 (a) 相補的配列を有するフラグメントをプローブと十分にハイブリッド形成さ せるのに有効な条件下で、付着あるいは固定されたオリゴヌクレオチドプローブ のセットまたはアレーを、核酸フラグメントに接触させ、これによって、ハイブ リッド形成された配列と、ハイブリッド形成されていない、すなわち「フリー」 の配列との両者を該フラグメントが有する一次複合体(primary complexes)を形 成するステップと、 (b) 相補的配列を有するプローブをハイブリッド形成されたフラグメント配列 またはハイブリッド形成されていない、すなわち「フリー」のフラグメント配列 とハイブリッド形成させるのに有効な条件下で、該一次複合体を溶液に含まれる 標識オリゴヌクレオチドプローブのセットに接触させ、これによって、該フラグ メントが付着(固定)されたプローブと標識プローブの両者にハイブリッド形成 している二次複合体を形成するステップと、 (c) 該二次複合体から、固定プローブに隣接してハイブリッド形成していない 標識プローブを除去し、これによって隣接する二次複合体だけを残すステップと 、 (d) 標識プローブ中の標識の存在を検出することによってこの隣接する二次複 合体を検出するステップと、 (e) ハイブリッド形成された固定標識プローブの既知配列を結合または接続す ることによって、隣接する二次複合体中の核酸フラグメントのオリゴヌクレオチ ド配列を同定するステップである。 上記ハイブリッド形成ステップのどちらか一方または両方を実施するために、 選択されるハイブリッド形成または「ウォッシング条件」は、選択された特定の 配列決定の具体的方法に従って実施される。例えば、ハイブリッド形成条件は、 両方とも、相補的配列を含んでいる場合、オリゴヌクレオチドプローブを特定の 核酸フラグメントとハイブリッド形成させることが可能なように考案されている 。この場合、相補的配列を含んでいるとは、例えば6箇所中5箇所においてハイブ リ ッド形成できるような、配列が実質的に適合していることである。ハイブリッド 形成ステップは、好ましくは、現在、配列決定手順として通常使用されている簡 単な自動機器を使用して実施される。 あるいは、ハイブリッド形成条件を、完全に相補的な配列を有するオリゴヌク レオチドプローブおよびフラグメントだけがハイブリッド形成できるようにする こともできる。これらのより識別力の高い、あるいは「厳格な」条件は、逐次ハ イブリッド形成プロセスの異なるステップの両方に、あるいはどちらか1つのス テップだけに使用される。このような場合、固定または標識プローブのいずれで あろうと、オリゴヌクレオチドプローブは、フラグメントと完全に相補的な配列 を共有する場合に限り、特定の核酸フラグメントとハイブリッド形成される。 選択されるハイブリッド形成条件は、得られるデータの分析に必要な複雑さの 程度を決定する。同様に、得られたデータを分析するために利用できるコンピュ ータプログラムは、特定の実験室で使用しなくてはならないハイブリッド形成条 件を決定する。例えば、最も識別力の高いプロセスにおいては、ハイブリッド形 成ステップはいずれも、完全に相補的な配列を持つオリゴまたはフラグメントだ けがハイブリッド形成できる条件で実施されることになる。組み合わせが不適合 の塩基は存在しないので、この方法では最も複雑でないコンピューター分析が行 われるため、現在本発明の実施に好ましい方法である。しかし、どちらか一方あ るいは両方のハイブリッド形成ステップに、識別力の低い条件を用いることも、 本発明の範囲に含まれる。 いずれか一方あるいは両方のステップに適したハイブリッド形成条件は、手順 の至適化または「パイロットスタディ」によって、通常のやり方で決定される。 作業手順を確立する際、また特定の実験室で使用するために手順を変更する際、 核酸配列決定の技術に精通する者によって、種々のパイロットスタディが通常に 実施されている。例えば、温度、各成分の濃度、ステップの所要時間、使用され る緩衝液とそれらのpHとイオン強度を変化させて、至適化する。 好ましい実施例において、本発明の核酸配列決定方法は、すぐに隣りに隣接す る固定プローブと標識プローブを含む二次ハイブリッド形成複合体を、すぐ隣に 隣接しておらず、1個、2個またはそれ以上の塩基によって隔てられているもの と異なるものとして、選択する識別ステップが含まれる。種々のプロセスが、固 定プローブのすぐ隣に隣接してハイブリッド形成されていない、すなわち背中合 わせにハイブリッド形成されていない標識プローブを除去するために利用するこ とができ、それらのプロセスはいずれも、すぐ隣に隣接している二次複合体だけ を残す。 このような識別プローブは、コントロールされた厳格なウォッシングステップ に専ら依存している。このような厳格なウォッシングステップにおいては、使用 されるハイブリッド形成条件を、すぐ隣に隣接するプローブが、隣接するヌクレ オチドの相互作用が重なるため安定性が強化されることによって、ハイブリッド 形成状態を保てるようにする。ここでも、温度、濃度、時間、緩衝液、pH、イオ ン強度等のウォッシング条件は、すぐ隣に隣接していない標識プローブの除去を 至適化するために変化させることができる。 好ましい実施例において、非結合プローブを除去するウォッシングステップを 実施する前に、隣接する固定プローブと標識プローブは連結(ライゲーション) される、すなわち共有結合により連結される。この連結は、水溶性カルボジイミ ドまたは臭化シアンのような化学的結合剤を含む溶液で処理することによって達 成される。より好ましくは、多くの供給源(例えば、Biolabs)から市販されて いるT4バクテリオファージ由来のT4DNAリガーゼのようなリガーゼ酵素を使用で きる。いずれの場合にも、共有結合された標識プローブと固定プローブに影響を 与えないより厳格なウォッシング条件により、すぐ隣に隣接しない標識プローブ を除去することができる。 残った隣接する二次複合体は、複合体の中に存在する標識プローブの標識の位 置を観察することによって、検出される。オリゴヌクレオチドプローブは、蛍光 色素、または化学蛍光発色法により検出される十分修飾された蛍光色素のような 化学的に検出可能な標識、または35S、3H、32Pまたは33Pのような放射能標識で 標識され、現在の所、33Pが好ましい。プローブは非放射性同位体で標識するこ ともでき、質量分析法により検出できる。 現在、本発明の実施に最も好ましい方法は、完全に相補的な配列を持つオリゴ ヌクレオチドプローブおよびフラグメントだけがハイブリッド形成でき、隣接す るプローブだけがハイブリッド形成された状態で残るように考案された条件下で ハイブリッド形成を実施する方法である。この方法は、続いて実質的に最も簡易 なコンピューター分析しか必要としない。 未知配列の核酸分子が約45または50bpよりも長い場合、その配列を決定する有 効な方法の1つは、一般に分子を処理し、中位の長さの核酸分子フラグメントを 生成し、そのフラグメントから配列決定する方法である。DNAでもRNAでも、核酸 分子は種々の方法の1つによって断片化される。例えば、制限酵素消化により切 断され、超音波処理等の物理的手段により剪断され、NaOH処理によって、あるい は低圧剪断により切断される。 例えば、約4bpから約9bpの長さの小さなオリゴヌクレオチドプローブが関与す る特定の実施例においては、約10bpから約40bpの長さの核酸フラグメントを生成 することが目的となる。当然、より長い核酸フラグメントの配列決定には、より 長いプローブが一般に使用され、その逆もまた同様である。特定の好ましい実施 例において、使用される小さなオリゴヌクレオチドプローブの長さは約6bpで、 配列決定される核酸フラグメントの長さは一般に約20bpである。所望により、フ ラグメントは、適切な長さのフラグメントを得るためにサイズによって分離する ことができる。例えば、フラグメントをアガロースゲルのようなゲルにかけ、所 望 の長さに近いフラグメントを切り取ることができる。 核酸分子の配列を決定する方法は、以下のように具体的に例示することもでき る。まず、配列決定する核酸を無作為に断片化し、長さTの核酸フラグメントの 混合物を提供する。配列が知られた長さFの固定されたオリゴヌクレオチドプロ ーブのアレイと、長さPの、配列が知られた溶液中の標識オリゴヌクレオチドプ ローブ 次に、ハイブリッド形成された長さFの相補的配列と長さT-Fのハイブリッド形 成していないフラグメント配列を持つ一次複合体を形成できる有効なハイブリッ ド形成条件下で、固定されたオリゴヌクレオチドプローブのアレイを、核酸フラ グメント混合物と接触させる。好ましくは、長さFのハイブリッド形成された配 列は、完全に相補的な配列のみを含む。 次に、長さFのハイブリッド形成された相補的配列と、長さPの隣接してハイブ リッド形成された相補的配列を持つ二次複合体を形成できる有効なハイブリッド 形成条件下で、この一次複合体を、標識されたオリゴヌクレオチドプローブのセ ットに接触させる。好ましい実施例においては、完全に相補的な配列を持つ標識 プローブをハイブリッド形成させることが可能で、固定プローブに隣接してハイ ブリッド形成したプローブだけがハイブリッド形成されたまま残ることができる 。最も好ましい実施例において、隣接する固定オリゴヌクレオチドプローブと標 識オリゴヌクレオチドプローブを、この段階で連結(ライゲーション)すること もできる。 次に、標識の存在を検出することによって二次複合体を検出し、ハイブリッド 形成された固定および標識プローブを組み合わせることによって、二次複合体中 の核酸フラグメントから長さF+Pの配列を同定する。次にオーバーラップしてい る長さF+Pの配列の範囲を同定し、決定されたオーバーラップしている配列から 分子の完全な核酸配列を、再構成または組み立てることができる。 本発明の方法において、第一セットのオリゴヌクレオチドを、本技術に精通す る者にとって公知の方法のいずれかにより、固体支持体に付着、すなわち固定さ せることができる。例えば、付着は、方向付けできるレーザーにより活性化され る光脱防御(photodeprotection)により可能である(Fodor et al.,1991; Pease et al.,1994)。一般的に好ましい1つの方法は、Southern & Maskos(PCT特 許出願公開第WO90/03382号、引用することにより本明細書の一部をなすものとす る)ヌクレオシドホスフォルアミダイトまたはヌクレオシド燐酸水素等の試薬を 使用し、燐酸基を介してオリゴを付着させる方法で、ガラス、ナイロンまたはテ フロン製支持体を使用する。別の好ましい方法は、Pease et al.(1994; 引用 することにより本明細書の一部をなすものとする)によって報告された光によっ て引き起こされる合成法である。支持体に結合させたオリゴヌクレオチド・アレ イを、例えばAffymetrixとBeckmanによって販売されているように、購入するこ ともできる。 固定されるオリゴヌクレオチドは、一定の長さ(約4ないし10塩基長が好まし い)の全てのプローブまたはプローブのサブセットから成るアレイに形成され、 より好ましくは、固定されたオリゴヌクレオチドの複数のアレイに形成され、所 謂「配列決定」チップを形成する。チップの一例は、異なる空間部分を作りだす ために、疎水性断片を使用するものである。配列決定チップは、マッピング、部 分配列決定、診断を目的とした標的領域の配列決定、mRNAの配列決定、大規模な ゲノムの配列決定のように異なる応用例に合わせてデザインできる。それぞれの 応用例に合わせ、異なるサイズのプローブまたはプローブの不完全なセットによ り、特定のチップをデザインすることができる。 一実施例において、両セットのオリゴヌクレオチドプローブは、6塩基長のプ ローブ、すなわち6-merである。この場合、各セットのオリゴは4096個の異なる プローブを含む。第一セットのプローブは、マイクロチップ上にアレイを形成し て固 定され、最も好都合には、64列64行に整列される。第二セットの4096個のオリゴ は、検出可能な標識で標識され、異なる試験管セットに分配される。この具体例 において、4096個のチップは1つの大きなアレイ、または幾つかのアレイに組み 合わされる。核酸フラグメントとハイブリッド形成後、2回目のハイブリッド形 成ステップのために少量の標識オリゴヌクレオチドが各マイクロチップに加えら れる。4096個のヌクレオチドのそれぞれの内1つだけが、各マイクロチップに加 えられる。 本発明の更なる実施例として、核酸の配列決定に使用するためのキットが含ま れる。このようなキットは一般に、図2A、図2B、図2Cに示すように、ハイ ブリッド形成反応に参加できる既知配列のオリゴヌクレオチドプローブのアレイ が付着された固体支持体と、既知配列の標識オリゴヌクレオチドプローブの溶液 を含む容器のセットとから成る。図4に示すような装置も考えられる。これは、 付着法として、あるいはフラグメントのハイブリッド形成に大きさを加えるため の末端として、普遍塩基(Universal Base)の使用を示している。 キットにおいては、付着されたオリゴヌクレオチドプローブと溶液中のオリゴ ヌクレオチドプローブは、約4bpから約9bpの長さが可能で、約6bpの長さのもの が好ましい。オリゴ(オリゴヌクレオチドプローブ)は、化学的に検出可能な、 あるいは放射性標識によって標識され、32P標識プローブが一般に好ましく、33P 標識プローブが更に好ましい。キットには、化学的結合剤あるいはDNAリガーゼ 酵素のようなその他の結合剤も含めてよい。96-チップまたは96-ピン装置、緩衝 液、長い核酸分子を切断するための試薬およびDNAフラグメントのサイズ選択装 置等の種々の他の追加組成物および材料をキットに含めてよい。キットは、リボ ヌクレアーゼ処理によりプローブを除去し、配列決定チップを再使用できるよう に、標識RNAプローブさえ含めることができる。 図面の簡単な説明 図1。ハイブリッド形成プロセスの基本的ステップ。ステップ1:配列決定さ れる未標識の標的DNA(T)が、識別のための条件下で、固定されたオリゴヌクレ オチドプローブのアレイにハイブリッド形成される。プローブFxとFyが付着した スポットが図示されている。FxとFYの相補的配列は、Tの異なる部位に存在して いる。ステップ2:標識プローブPi(チップあたり1つのプローブ)がアレイに ハイブリッド形成される。図示されているのは、Fxには隣接するが、Fyには隣接 していないT上に相補的標的を持つプローブである。ステップ3:識別のための 条件下または試薬を適用することによって、隣接するプローブを持たない複合体 が選択的に融解される。特殊な具体例では、標識プローブが、固定されたプロー ブと「背中合わせ」にハイブリッド形成している場合には、標識プローブと固定 プローブを結合する。FxとPiのようにプローブが隣接している場合に限り、また 特殊な具体例では、プローブが結合された場合に限り、ポジティブシグナルが検 出される。 図2A、図2B、図2Cは、配列決定キットの具体例の成分を示す。 図2A。配列決定チップで、4P個の同一区分のアレイを示し、各区分は同一の (または異なる)オリゴヌクレオチドのアレイを含む。区分は物理的バリアーに より、あるいは疎水性小片によって分離できる。4,000〜16,000個のオリゴチッ プが、アレイの中に入っていると考えられる。 図2Bは、その部分で合成またはスポットされた特定のオリゴヌクレオチドプ ローブ(4,000〜16,000)をそれぞれに含む4F個のスポットを含む1つのチップ 区分を拡大したものである。スポットは、数ミクロンと小さく、区分の大きさは 約1mmから約10mmである。 図2Cは、1セットの試験管または、適当な数のウェル(この場合4P個のウェ ル)を有する1つまたはそれ以上のマルチウェルプレートを示す。各ウェルは、 一定量の特定の標識オリゴヌクレオチドを含む。追加量のプローブは、合成中に 標識が行われない場合には未標識で保存できる。この場合、配列決定キットは、 プローブの標識に必要な成分を含んでいる。試験管/ウェルとチップ区分を結ぶ 線は、一定量の標識プローブがチップ区分に移される配列決定手順の1段階を示 している。移す作業はピペッティング(単腔または複数腔)によって、あるいは 表面張力によりピンアレイで移される液体によって可能である。移すための器具 も、配列決定キットに含めることができる。 図3A、図3B、図3C。一定量のDNA分子の無作為切断によって生成されたD NAフラグメントの配列決定。図3Aにおいて、DNAフラグメントT1は、固定プロ ーブと固定されていない標識プローブの両方に対する完全な標的を含んでいる。 図3Bは、DNAフラグメントTが適切に切断されていない場合を示している。図3 Cでは、プローブPがハイブリッド形成するためのスペースは十分あるが、隣接 する配列は、プローブPに対し相補的でない。Bの場合も、Cの場合も、固定プ ローブFの分子が飽和しているため、シグナルは低下する。DNAフラグメントと標 識プローブの同時ハイブリッド形成、およびハイブリッド形成プロセスのサイク リングが、適切な隣接するハイブリッド形成の収率を高める方法としての可能性 がある。 図4。リンカーとして、あるいはハイブリッド形成の末端部位における普遍塩 基(Universal Base)の使用。普遍塩基(M塩基、Nichols et al.,1994)または 4個の塩基全てをプローブ合成に加えることができる。これは、プローブの長さ を延長し、これによってプローブの数を増やさずに、二重らせんの安定性を増大 する方法である。プローブのフリー末端における普遍塩基の使用は、異なるフレ ームにおける配列の読み取りを可能にするスペーサーを提供する。 好ましい実施例の詳細な説明 核酸分子のハイブリッド形成は、基本的生物学と応用生物学の研究の全領域に おいて不可欠である(Drmanac & Crkvenjakov,1990)。本発明は、核酸分子の 配列決定と分析に使用するための新しく、効率的な方法を提供する。この方法の 使 用目的の1つは、他の配列決定技術との併用により、ヒトゲノムプロジェクト( HGP)の研究に使用することである。 現在、ハイブリッド形成による配列決定法(SBH; sequencing by hybridizatio n)として2つ方法がある。方式1では、未知のゲノムDNAまたは約100〜2000ヌク レオチド長までのヌクレオチドを固体支持体上に配列する。次に、これらのDNA を一般に6-から8-merの標識プローブ1セットとハイブリッド形成させることに よって調査する。逆の方法、方式2では、6から8ヌクレオチド長のオリゴマーを 固体支持体に固定し、クローニングされて標識されたDNA断片とアニーリングす る。 どちらのSBH分析にも、最終的な配列に到達するために、多くのステップが含 まれる。現行のSBH法の特殊な問題点は、大量のプローブの合成と、有効な識別 のためのハイブリッド形成が困難であるという点である。完全な適合(マッチ) と不適合(ミスマッチ)を識別することは、2つの主な理由から困難である。第 一に、10塩基長より長いプローブの不適合末端は非常に識別しにくい。第二に、 長いDNAフラグメントの分析により得られる標識DNA断片の複雑な混合物は、高い バックグラウンドを生じる。 本発明は、大量のプローブまたは長さを延長したプローブを使用せずに、有効 な識別のためのハイブリッド形成法を提供すると同時に公知のSBH法のそれぞれ に特有の欠点である多くの標識およびクローニングステップも削減する。方式3 と呼ばれる、開示されている効率の高い核酸配列決定方法は、2セットの既知配 列の小さなオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリッド形成に基づいており 、そのため決定できる配列の長さは少なくとも2倍となる。これらの方法により 、染色体を含む極めて大きな核酸分子の配列決定が可能となり、例えば多くの核 酸フラグメントを付着または標識するというような、種々の他のSBHの問題を解 決することができる。本発明は、RNAの配列決定と、増幅されていないRNA試料の 配列決定にさえ使用できるため、極めて有用である。 米国特許出願第08/127,402号およびDrmanac(1994)に開示されているように 、本願発明に続いて、SBHの別の改変法が位置SBH(PSBH; positional SBH)とし て報告された(Broude et al.,1994)。PSBHは、基本的には方式2のSBHの変法 である(既知配列のオリゴヌクレオチドが固定され、予め標識された未知配列の 核酸とのハイブリッド形成に使用される)。PSBHにおいて、固定されるプローブ は、単純な1本鎖プローブというよりも寧ろ、1本鎖の3'末端のオーバーハング を含む二重らせんである。ビオチニル化された二重らせんプローブがストレプト アビジン-でコーティングされたマグネティックビーズに固定され、1種の固定 プローブを形成し、次に32P標識標的核酸が配列決定される。次に、T4 DNAリガ ーゼを加え、二重らせんプローブのより短い末端に標的DNAを結合させる。 しかし、興味深い方法ではあるものの、PSBH(Broude et al.,1994)は、既 存のSBH技術を上回る顕著な進歩は示していない。例えば、本発明の方式3の方 法と異なり、PSBHは、1回の方法で決定できる配列の長さを延長しない。PSBHは 、方式3では不要の、未知の標的DNAを標識するやっかいな作業もなお必要であ る。一般に、PSBHは、de novoゲノム配列決定よりも寧ろ、比較試験またはマッ ピングでの使用が提案されてりう。従って、これは、配列決定のあらゆる領域に 広く応用できるが、最も大きなゲノムの配列決定にさえ使用できる極めて有用な 手段である方式3とは大きく異なる。 配列決定される核酸wo、まず断片化することができる。これは、特にFitzgera ld et al.(1992)により報告されているCvi JIを用いる制限酵素消化による切 断、超音波処理のような物理的手段による剪断、NaOH処理等のいずれの手段によ っても達成できる。所望により、約10bpから約40bpの適切な長さのフラグメント を、ゲルから切り出すこともできる。ヒト染色体のような元の分子の完全な核酸 配列は、元の分子の中に存在するF+P配列を規定し、F+P配列のオーバーラップ 部分を組み立てることによって決定できる。従って、これはフラグメント配列を 決定 する中間ステップを必要とせず、寧ろ描かれたF+P配列から分子全体の配列が構 成される。 以下の検討を進めるために、一般に、4つの塩基が、配列決定される核酸配列 を構成しているものとする。これらは、DNAではA、G、C、T、RNAではA、G、C、U である。しかし、特定の具体例においては、小さなオリゴヌクレオチドプローブ に修飾塩基を使用するのが有利である。本発明を実施するために、まず、そのプ ローブの長さの配列の組み合わせ全てをカバーする規定された長さの小さなオリ ゴヌクレオチドプローブを多数調製する。この数は4N(4のN乗)によって表され 、この場合プローブの長さはNである。例えば、6-merのプローブは4096通りの配 列が可能である(46=4096)。 長さFのこのようなプローブ(4F)1セットがミクロチップ上の正方形のアレ イに固定される−−1mm2または1cm2。本具体例において、これらは64列64段に配 列される。当然、ハイブリッド形成反応に参加できるように、マイクロチップ表 面にオリゴプローブが付着あるいは固定されたことを確認する。4Pの長さPのオ リゴから成るもう1つのセットも合成される。この「Pセット」の中のオリゴは 、検出可能な標識で標識され、1セットの試験管の中に分配される(図2A、図 2B、図2C)。 4P個のチップを1つの大きなアレイ(あるいは約10〜100cm2の便利なサイズの 幾つかのアレイ)に統合する。この場合Pは、第二のオリゴマーセット(図2A 、図2B、図2C)中のオリゴヌクレオチドの長さと同じである。この場合も、 便利な具体例として、Pは6が選択される(P=6)。 配列決定される核酸は、断片化され、未知配列のより小さな核酸フラグメント を生成する。これらのフラグメントの長さの平均Tは、一般にFとPを合わせた長 さ においては、約20塩基対長の核酸フラグメントを生成することが目標である。こ れらのフラグメントは変性され、相補的配列のハイブリッド形成を促進する条件 下で、大きな列に加えられる。 本発明の最も簡単で現在の所好ましい形態において、ハイブリッド形成条件は 、核酸フラグメントの中の連続する6個のヌクレオチドが、Fオリゴヌクレオチ ドプローブの6個のヌクレオチドの全てに対し相補的な場合に限り、顕著なハイ ブリッド形成を起こすことができる条件が選択される。このようなハイブリッド 形成条件は、通常の至適化のためのパイロットスタディによって決定される。こ のパイロットスタディにおいて、温度、種々の成分の濃度、ステップ所要時間、 pHを含む使用される緩衝液のような条件が決定される。 この段階で、各マイクロチップには特定のハイブリッド形成された複合体が含 まれている。これらは、プローブ:フラグメント複合体の形態で、この中でプロ ーブの全配列が、複合体とハイブリッド形成されているが、より長いフラグメン トは、幾つかのハイブリッド形成されていない配列を持ち、これがフラグメント に「末尾」を形成する。この具体例において、相補的なハイブリッド形成された 配列は、長さFで、ハイブリッド形成されていない配列の長さ全体はT-Fである。 フラグメントの相補的部分は、適切な末端に存在するか、その方向に向かってお り、従って1つのより長いハイブリッド形成されていない末尾が形成される。あ るいは、フラグメントの相補的部分は、反対側の末端に向かっていることもあり 、その結果2つのハイブリッド形成されていない末尾が形成される(図3A、図 3B、図3C)。 ハイブリッド形成しなかった非相補的核酸フラグメントを除去するためのウォ ッシングに後、セットP中の少量の標識されたオリゴヌクレオチドが、プローブ :フラグメント複合体から突出している未知配列の核酸フラグメント末尾にハイ ブリッド形成させるために、各マイクロチップに加えられる。4Pのヌクレオチド のそれぞれの内1つだけが、各マイクロチップに加えられる。ここでも、標識プ ロ ーブの6個のヌクレオチドが、核酸分子フラグメント末尾の6個の連続するヌク レオチドと相補的である場合に限り、顕著な結合が発生し得るハイブリッド形成 条件を使用することが現在の所好ましい。上述のように、ハイブリッド形成条件 は、温度、濃度、時間、緩衝液等が至適化されるパイロットスタディによって決 定される。 この段階で、各マイクロチップには、幾つかの「二次ハイブリッド形成複合体 」が含まれる。これらは、プローブ:フラグメント:プローブ複合体の形態を取 り、各プローブの配列全体が、複合体にハイブリッド形成されており、フラグメ ントにはハイブリッド形成されていない配列も幾つか含まれている可能性がある 。これらの二次ハイブリッド形成複合体において、固定プローブと標識プローブ は、2つのプローブがすぐ隣に隣接するように、すなわち「背中合わせ」になる ようにフラグメントにハイブリッド形成されている。しかし、フラグメントがプ ローブの長さの合計よりも一般に長いとすると、固定プローブと標識プローブは 、隣接する位置にハイブリッド形成されず、1つまたはそれ以上の塩基によって 隔てられる場合がある。 次に大きなアレイを、ハイブリッド形成されていない標識プローブを除去する プロセスによって処理する。好ましい実施例において、実施されたプロセスは、 ハイブリッド形成されていない標識プローブだけを除去するのではなく、隣接し てハイブリッド形成されていない標識プローブもアレイから除去する。このプロ セスは、隣接する固定および標識プローブを含むこれらの二次ハイブリッド形成 複合体を、核酸フラグメントは2つのプローブにハイブリッド形成されているが 、プローブが隣接していない二次ハイブリッド形成複合体から識別できる、識別 条件を使用する。これは、固定プローブと標識プローブの配列の組み合わせに対 応するフラグメント配列部分を最終的に描写できる点で、本発明の重要な点であ る。 ハイブリッド形成されていないプローブと、隣接せずにハイブリッド形成され たプローブをアレイから除去し、隣接してハイブリッド形成され、付着されたプ ローブはそのまま残すために実施された識別プロセスは、この場合もコントロー ルされたウォッシングプロセスである。隣接してハイブリッド形成されたプロー ブは、隣接するヌクレオチドのスタッキング反応により安定性が増大するため、 選択された条件により影響を受けない。しかし、好ましい実施例において、例え ば、化学的結合剤を含む溶液で処理することによって、あるいはより好ましくは 、T4DNAリガーゼのようなリガーゼ酵素によって(Landergren et al.,1988; Wu & Wallace,1989)隣接するプローブを共有結合させるように、大きな列を処理 することが考えられる。 いずれの場合でも、列全体を厳格なウォッシングに供し、アレイに結合した状 態で残る唯一の標識が、隣接するハイブリッド形成された部分のF+Pの長さ(す なわち本具体例においては12ヌクレオチド長)で二重らせんのプローブ-フラグ メント-プローブ複合体の形態を取るようにする。この2ステップハイブリッド 形成反応を用いることによって、非常に高度の識別が可能である。なぜならば、 3つ、または4つの独立した識別プロセスが考慮に入れられているからである。 フラグメントTをF塩基長のプローブにハイブリッド形成させることによる識別、 P塩基長のプローブをフラグメントTにハイブリッド形成させることによる識別、 完全適合(F+T+P)ハイブリッドの安定性を、Pハイブリッドまたは隣接してい ないF+Pプローブを含む不適合ハイブリッドとの比較による識別、FおよびPの2 つの末端塩基の切断による識別。 次に、アレイに残っている標識の位置を観察することによって、いわゆる隣接 する二次フラグメントを検出する。標識の位置から、固定および標識プローブの 既知配列を組み合わせることによって、フラグメントのF+P(例えば12)ヌクレ オチド長の配列を決定できる。次に、ヒト染色体のような元の分子の完全な核酸 配列を、オーバーラップしているF+P配列から再構成または組み立てて、決定す る。 現在好ましい方法である配列決定プロセスに結合が使用される場合には、通常 のオリゴヌクレオチドチップを再使用することはできない。種々の方法が再生利 用のために利用できるため、このことが限定要因になるとは発明者は考えていな い。例えば、プローブの間に特異的に切断可能な結合を作り、検出後その結合を 切断することができる。あるいは、第二のプローブ、プローブPにリボヌクレオ チドを使用するか、あるいはプローブPの構成塩基にリボヌクレオチドを使用し 、それによってこのプローブを、その後リボヌクレアーゼまたはウラシル-DNAグ リコシレート処理によって除去することができる(Craig et al.,1989)。他の 考えられる方法は、選択的に切断可能な化学的結合により結合を確立することで ある(Dolinnaya et al.,1988)。 この配列決定方法の更なる改変と改善も考えられ、これらも本発明の範囲に入 る。これには、本法の特異性または効率を増大するための修飾オリゴヌクレオチ ドの使用が含まれ、これはHoheisel & Lehrach(1990)によって報告された方法 と類似している。サイクリングハイブリッド形成も、PCR技術に使用されている ように、ハイブリッド形成シグナルを増大するために使用できる。これらの場合 、特定のプローブを再度ハイブリッド形成するには、異なる温度でサイクルを使 用する。本発明は、末端部位に異なる塩基を持つ等モル量のプローブを使用する ことによって、読み枠におけるシフトも決定できる。例えば、最初の6個の塩基 は同じと規定された配列で、最後の位置がA、T、C、Gのいずれかである等モル量 の7-merを使用する。 以下の具体例は、本発明の好ましい実施例を示すために記載されている。本技 術に精通する者は、発明者によって発見された代表的技術に従った例に開示され た技術が、本発明の実施において十分機能し、その実施にあたり好ましい方式を 構成すると見なすことができることを理解するであろう。しかし、本技術に精通 する者は、本発見に照らして、開示されている特定の例に多くの変更が可能であ り、なおかつ本発明の意図と範囲を逸脱せずに、同様の結果を得ることができる ことを理解するであろう。 具体例I 支持体に結合されたオリゴヌクレオチドの調製 オリゴヌクレオチド、すなわち小さな核酸断片は、自動オリゴヌクレオチド合 成装置を使用して広く実施されているように、例えば化学的方法によりオリゴヌ クレオチドを直接合成することによって簡単に調製できる。 支持体に結合されたオリゴヌクレオチドは、ガラス、ポリスチレンまたはテフ ロンのような適当な支持体のいずれかを使用する、本技術に精通する者にとって 公知の方法にいずれかにより調製できる。1つの方法は、標準合成装置によって 合成されたオリゴヌクレオチドを正確にスポットする方法である。固定は、受動 吸着(Inouye & Hondo,1990)を用いて、紫外線を用いて(Nagata et al.,198 5; Dahlen et al.,1987; Morriey & Collins,1989)または塩基修飾DNAの共有 結合により(Keller et al.,1988; 1989)達成できる。これらの文献は、全て 、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。 実施可能な別の方法は、強力なビオチン-ストレプトアビジン相互作用をリン カーとして使用する。例えば、Broude et al.(1994)は、ビオチニル化された プローブの使用を報告しているが、これらは二重らせんプローブで、ストレプト アビジンでコーティングされたマグネティックビーズに固定されている。ストレ プトアビジンでコーティングされたマグネティックビーズは、Dynal、オスロか ら購入できる。勿論、この同じ結合化学は、ストレプトアビジンによりどのよう な表面をコーティングする場合にも応用できる。ビオチニル化されたプローブは 、種々の供給源から購入できる。例えば、Operon Techonologies(アラメダ、カ リフォルニア州)から購入できる。 Nunc Laboratories(ネイパービル、イリノイ州)も、使用できる適切な材料 を販売している。Nunc Laboratoriesは、DNAをCovaLink NHと呼ばれるマイクロ ウェル表面に共有結合させる方法を開発した。CovaLink NHは、更なる共有結合 のブリッジヘッドとして作用する第二アミノ基(>NH)を付着させたポリスチレ ン表面である。CovaLinkモジュールは、Nunc Laboratoriesから購入できる。DNA 分子は、5'-末端においてのみ、ホスフォルアミデート結合によりCovaLinkに結 合され、1pmol以上のDNAを固定することができる(Rasmussen et al.,1991) 。 5'-末端でDNA分子を共有結合するためにCovaLink NHストリップの使用が報告 されている(Rasmussen et al.,1991)。この技術において、ホスフォルアミデ ート結合が使用されている(Chu et al.,1983)。1つの共有結合だけを使用す る固定法が好ましいため、これは有利である。ホスフォルアミデート結合は、DN Aを、CovaLink NH第二アミノ基に結合させる。CovaLink NH第二アミノ基は、長 さ2nmのスペーサーアームを介してポリスチレン表面上に共有結合させられたス ペーサーアームの末端に位置する。ホスフォルアミデート結合によりオリゴヌク レオチドをCovaLink NHに結合するために、オリゴヌクレオチド末端は5'-末端燐 酸基をもたなくてはならない。ビオチンをCovaLink NHに共有結合させ次にスト レプトアビジンを使用してプローブに結合させることも恐らく可能である。 より具体的には、結合法には、DNAを水に溶解し(7.5ng/μL)、95℃で10分間 変性させ、氷上で10分間冷却する。次に氷温の0.1M 1-メチルイミダゾール、pH7 .0(1-MeIm7)を、最終濃度10mM 1-MeIm7となるまで加える。次にssDNA溶液を、 氷上のCovaLink NHストリップに分配する(75μL/ウェル)。 10mM 1-MeIm7に溶解されたカルボジイミド0.2M 1-エチル-3-(3-ジメチルアミ ノプロピル)-カルボジイミド(EDC)を新しく調製し、ウェル当たり25μLを加え る。インキュベーション後、例えば、Nunc-Immuno Washを用いてストリップを洗 浄する。まずウェルを3回洗浄し、次にウェルを洗浄液に5分間浸し、最後に3回 洗浄す る(この場合洗浄液は0.4N NaOH、0.25%SDSは50℃まで加熱される)。 本発明に使用するための更に適切な方法は、PCT特許出願公開第WO90/03382号 (Southern & Maskos)によって報告されており、引用することにより本明細書 の一部をなすものとする。この支持体に結合されたオリゴヌクレオチドの調製方 法は、支持体によって保持されている脂肪族水酸基に対するホスホジエステル共 有結合により、燐酸基を介してヌクレオシド3'-試薬を付着させる。次に、オリ ゴヌクレオチドが支持されているヌクレオシドにおいて合成され、支持体からオ リゴヌクレオチドを切断しない標準条件下で、合成オリゴヌクレオチド鎖から保 護基が除去される。適切な試薬には、ヌクレオシドホスフォルアミダイトおよび ヌクレオシド燐酸水素が含まれる。 より詳細には、この方法に使用するために、ガラスプレートのような支持体に 、90℃で一晩、キシレン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、微量のジ イソプロピルエチルアミンを接触させることによって誘導する。次にメタノール 、エーテルで十分洗浄し、風乾する。次に誘導された支持体を、80℃にてアルゴ ンガス中で一晩、触媒作用を発揮する量の濃硫酸を含むヘキサエチレングリコー ル中で撹拌しながら加熱し、アルキルヒドロキシル誘導された支持体が生成され る。メタノールとエーテルで洗浄後、支持体を真空下に乾燥し、−20℃にてアル ゴンガス中で保存する。 誘導されたガラスプレートを固体支持体として使用し、標準条件下に、オリゴ ヌクレオチドの合成が実施される。最初のヌクレオチドは、3'-燐酸水素で、ト リエチルアンモニウム塩の形態で使用される。 DNAプローブのアレイを調製するためにオン-チップ法を使用できる。引用する ことにより本明細書の一部をなすものとするFodor et al.(1991)によって報告 されているように、例えば、方向付け可能なレーザーにより活性化される光脱保 護作用を、直接ガラス表面上でオリゴヌクレオチドの化学合成に使用することが できる。プローブは、Van Ness et al.(1991)によって報告されているように ナイロン支持体に固定することも可能である。あるいはDuncan & Cavalier(198 8)の方法を使用してテフロンに結合することができる。これらの文献は、特に 、引用することにより本明細書の一部となすものとする。 Fodor et al.(1991)は、ジヌクレオチドの光指示型合成を報告しており、こ れは装置の微小な製造に利用するための複雑な化合物の空間指示型合成に応用で きる。これは、光を利用して、固体支持体上で化学的化合物の同時合成を指示さ せる。マスクを通した、あるいは他の空間的に方向付け可能な手段による光また は他のエネルギー形態のばく露パターンは、支持体のどの領域を活性化し、化学 結合を生じさせるかを決定する。光による活性化は、選択された領域から光に不 安定な保護基を除去することによって生じる。脱保護後、光に不安定な保護基を 付けた第一の化合物の全表面に接触させるが、反応は、前段階で光によって特定 された領域のみに生じる。次に、第二のマスクを通して基質が照射され、これに よって第二の保護された構成体と反応させるために、異なる領域が活性化される 。これらの照射に利用されるマスクパターンと反応の順番によって、最終的な生 成物とその局在が規定される。Fodorの方法により高度な微細化が可能である。 なぜならば、合成部位の密度は、空間的方向付けの物理的限界、すなわち光の回 折によってのみ限定されるからである。全ての化合物がアクセス可能であり、そ の位置は正確に判明している。従って、この方法で製造されたオリゴチップは、 SBHに容易に利用できる。 Fodor et al.(1991)は、光により活性化されるジヌクレオチドの形成を以下 のように記述している。5'-ニトロベラトリルチミジンが、3'-O-チミジンアセテ ートから合成された。塩基により脱保護後、5'-ニトロベラトリルチミジンを、 3'-水酸基との結合を介してアミノ化された基質に付着させた。500μmチェッカ ー盤マスクを通して照射することによって、ニトロベルトリル保護基を除去した 。 次にホスフォルアミダイトにより活性化される2'-デオキシシチジンにより基質 を処理した。反応を蛍光光度法により追跡するために、デオキシシチジンは、環 外のアミンに付着されたFMOCで保護されたアミノヘキシルリンカーにより修飾さ れた。塩基によりFMOC保護基を除去後、ジヌクレオチドを含む領域を、FITCによ り基質を処理することによって蛍光標識した。従って、この方法に準じて、支持 体に結合されたオリゴヌクレオチドを合成することができる。 ナイロン支持体にオリゴヌクレオチドを結合させるには、Van Ness et al.(1 991)によって報告されているように、アルキル化によるナイロン表面の活性化 と、塩化シアヌリルによるオリゴヌクレオチドの5'-アミンの選択的活性化が必 要である。ナイロン表面は、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレートを 使用してエチル化し、ナイロンの表面にアミン反応性イミデートエステルを形成 する。1-メチル-2-ピロリドンを溶媒として使用する。ナイロン表面は研磨せず 、表面積を可能な限り最大とする。 次に、活性化された表面をポリ(エチレンイミン)(Mr〜10K-70K)と反応さ せ、ポリマーコーティングを形成し、オリゴが付着するためのアミン表面を拡大 する。アミン-末尾を持つオリゴヌクレオチドは、アミン末尾においてのみ過剰 の塩化シアヌリルと選択的に反応し、4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジニル-オリゴ ヌクレオチドを定量的収率で生成する。塩化シアヌリルの1つの塩素基をアミノ 基により置換することによって、残りの塩素基の反応性は顕著に低下する。これ によって、4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジニル-オリゴヌクレオチドの加水分解に 関する安定性は増大し、緩衝液中で長時間安定で(pH8.3、4℃、1週間)、サイ ズ溶出クロマトフラフィーまたは限外濾過により容易に分離精製できる。 この反応はアミン末尾に特異的で、ヌクレオチド部分に反応は見られない。次 に、PEI-コーティングされたナイロン表面を塩化シアヌリルで活性化されたオリ ゴヌクレオチドと反応させる。高濃度の「捕捉」配列は容易に表面に固定され、 未反応のアミンは、誘導の最終段階で無水コハク酸によりキャップを形成される 。 支持体に結合されたオリゴヌクレオチドを調製する特別な方法は、Pease et a l.(1994,引用することにより本明細書の一部をなすものとする)によって報告 された光による合成法を利用するものである。これらの著者等は、現行のフォト リトグラフ技術を利用して、固定されたオリゴヌクレオチドプローブのアレイを (DNAチップ)を精製する。これらの方法は、オリゴヌクレオチドプローブの高 密度の産生を指示するために、光を利用するものであるが、アレイを微細化し、 光に不安定な5'-保護 N-アシルデオキシヌクレオシドホスフォルアミダイト、表 面リンカー化学と多目的の化合による合成法を利用している。256の空間的に規 定されたオリゴヌクレオチドプローブをこの方法で調製し、ここに記述されてい るように、有利な方式3の配列決定に利用することができる。 Pease et al.(1994)は、光指示型オリゴヌクレオチド合成法での使用に適し た方法を提示した。この方法においては、光に不安定な保護基により修飾された 固体支持体の表面が、フォトリトグラフのマスクを通して照射され、照射領域に 反応性の水酸基を生成する。次に3'O-ホスフォルアミダイトにより活性化された デオキシヌクレオシド(5'-水酸基において光に不安定な基により保護されてい る)を表面に供すると、光を照射された部位で結合が起こる。キャッピングと酸 化の後、基質を洗い流し、第二のマスクを通して表面を照射し、更なる水酸基を 結合させる。第二の5'-が保護された3'O-ホスフォルアミダイトにより活性化さ れたデオキシヌクレオシドを表面に供する。選択的光脱保護とカップリングサイ クルが、所望の生成物のセットが得られるまで繰り返される。フォトリトグラフ 法が利用されているため、このプロセスを微細化し、各部位で配列が判明してい るオリゴヌクレオチドプローブの高密度のアレイを調製することができる。 必要な5'O-(α-メチル-6-ニトロピペロニルオキシカボニル)-N-アシル-2'-デ オキシヌクレオシドホスフォルアミダイト(MeNPoc-N-アシル-2'-デオキシヌク レオ シドホスフォルアミダイト)の合成経路は、第一段階でN-アシル-2'-デオキシヌ クレオシドが関与し、これは、1-(2-ニトロ-4,5-メチレンジオキシフェニル)エ チル-1-クロロホルメートと反応し、5'-MeNPoc-N-アシル-2'-デオキシヌクレオ シドを生成する。第二段階において、標準法により、3'-水酸基が2-シアノエチ ルN,N'-ジイソプロピルクロロホスフォルアミダイトと反応し、5'-MeNPoc-N-ア シル-2'-デオキシヌクレオシド-3'-O-(2-シアノエチル-N-N-ジイソプロピル)ホ スフォルアミダイトを生成する。光保護基は通常のホスフォルアミダイト合成条 件下で安定で、塩基水溶液により除去できる。これらの試薬は、アルゴンガス中 で4℃で長時間保存できる。 光分解の半減期は、MeNPoc-dT、MeNPoc-dCibu、MeNPoc-dGPAC、MeNPoc-dAPAC でそれぞれ28秒、31秒、27秒、18秒であることが報告されている(Pease et al. ,1994)。従って、リトグラフ合成法において、MeNPoc-保護基の99%以上の除 去を保証するために、照射時間4.5分(9×t1/2MeNPoc-dC)が推奨される。 適切な合成支持体は、濃NaOH中で洗浄し、続いて水で十分に洗い流して調製さ れた5.1×7.6cmのガラス基質である。次に、95%エタノールに溶解された10%( 容量/容量)ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン(Pe trarch Chemicals,ブリストル、ペンシルバニア州)溶液により、2時間誘導し 、エタノールとエーテルで十分洗い流し、40℃で真空乾燥し、100℃で15分間加 熱した。このような研究において、誘導された基質を4,4'-ジメトキシトリチル( DMT)-ヘキサエチルオキシ-O-シアノエチルホスフォルアミダイトと反応させるこ とによって、合成リンカーを付着させる。 要約すると、オリゴヌクレオチドプロセスの合成の開始には、適切なデオキシ ヌクレオシドホスフォルアミダイト誘導体をリンカーを介して合成支持体に付着 させる。次に、支持体の領域は、例えばフォトリトグラフマスクの800×12800μ mの穴から照射することによって、合成のために活性化される。ホスフォルアミ ダ イトの合成サイクルを更に実施し(DMT-で保護されたデオキシヌクレオシド)、 4-、5-、6-、7-、8-、9-または10-mer配列のような必要な配列を生成することが できる。濃NHCOHを4時間作用させ、燐酸塩と環外アミンホスフォルアミデートを 除去後、すぐに使用できるように、水冷式サーモスタットコントロールハイブリ ッド形成チャンバーに設置する。 勿論、市販の上記の光により活性化されるチップの1つのように、DNAチップ は簡単に購入できる。 具体例II ブローブに使用するための修飾オリゴヌクレオチド ハイブリッド形成の特異性または効率を高めるために、本発明の手順を通して 、修飾オリゴヌクレオチドを使用できる。これを達成する方法は、塩基修飾によ る天然ヌクレオチドの置換である。例えば、C5-位にハロゲンが付いたピリミジ ンを使用できる。これは、塩基スタッキングに影響することにより二重らせんの 安定性を改善すると考えられている。2,6-ジアミノプリンも利用でき、そのチミ ンとの塩基対に第三の水素結合を与え、これによって熱安定性をDNA二重らせん に提供する。2,6-ジアミノプリンの使用も、短いオリゴマーの二重らせんの安定 性を顕著に改善することが報告されている。プライマーアニーリングにより厳格 な条件を使用し、それによって二重らせん形成の特異性を改善し、バックグラウ ンドの問題またはより短いオリゴマーの使用を抑制するために、2,6-ジアミノプ リンを組み入れることが提案されている。 これらの修飾ヌクレオチドの三燐酸塩の合成が、Hoheisel & Lehrach(1990, 引用することにより本明細書の一部をなすものとする)によって開示されている 。簡単に述べると、5-アクロロ-2'-デオキシウリジンと2,6-ジアミノプリン2'- デオキシヌクレオシドを、例えばSigmaから購入する。燐酸化を以下のように実 施する。50mgの乾燥2-NH2-dAdoを500μLの乾性トリエチル燐酸に溶解し、アルゴ ンガス中 で撹拌する。25μLのPOCl3を加え、混合物を−20℃でインキュベーションする。 その間に、1mmolピロリン酸を、0.95mLのトリ-n-ブチルアミンと2mLのメタノー ルに溶解し、回転蒸発装置内で乾燥する。その後、5mLのピリジンから2回蒸発に より乾燥させ、2回目の前に70μLのトリ-n-ブチルアミンも加える。最後に、2mL の乾性ジメチルホルムアミドに溶解する。 −20℃で90分後、燐酸化混合物を蒸発させ、余分なPOCl3を除去し、ジメチル ホルムアミドに溶解されたトリ-n-ブチルアンモニウムピロ燐酸を加える。室温 で1.5分間インキュベーションする。0.2M重炭酸トリエチルアンモニウム(pH7.6 )を0.5mL加えて反応を停止し、氷上で4時間維持する。5-Cl-dUrdの場合、50μL のPOCl3を加え、室温にて4時間で燐酸化を実施する以外、条件は同じである。 加水分解後、混合物を蒸発させ、pHを7.5に調整し、1容量のジエチルエーテル で抽出する。生成物の分離は、例えば、0.15Mから0.8M重炭酸トリエチルアンモ ニウムの直線購買を用いて、(2.5×20cm)Q-Sepharoseカラムで行う。凍結保存 すれば、ヌクレオチドは長時間にわたり安定である。 Nichols et al.(1994)によって考案されたように、非識別塩基類似体または 普遍塩基も使用できる。この新しい類似体、1-(2'-デオキシ-β-D-リボフラノシ ル)-3-ニトロピロール(Mと呼ぶ)は、遺伝子コードの同義性の結果生じたデザ イン上の問題を解決するために、あるいは断片的なペプチド配列データしか入手 できない場合に、オリゴヌクレオチドプローブとプライマーに使用するために生 成された。この類似体は、スタッキングを最大にし、DNA二重らせんを立体障害 せずに、水素結合相互作用を最小にする。 Mヌクレオシド類似体は、複素環式芳香環に結合された非プロトン性極性置換 基を使用して、スタッキング相互作用を最大にするようにデザインされ、鎖内と 鎖間のスタッキング相互作用を増強し、塩基対特異性における水素結合の役割を 減少させた。Nichols et al.(1994)は、構造および電気特性がp-ニトロアニリ ン に類似していることから、3-ニトロピロール2'-デオキシリボヌクレオシドを好 んだ。p-ニトロアニリンの類似体は、二重らせんDNAの挿入物質として最小であ ることが知られている。 ヌクレオシドMのジメトキシトリチル基が保護されたホスフォルアミダイトも 、配列決定とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のためのプライマーとして使用され るヌクレオチドに組み込むために利用可能である。Nichols et al.(1994)は、 プライマーの特異性を喪失せずに、多数のヌクレオチドがMで置換されることを 示した。 Mのユニークな特性は、連続するヌクレオシドの長い列を置換でき、なお機能 する配列決定プライマーを生成できる点である。3、6、9個のMで置換された配列 は、全て読み取り可能な配列決定用ラダーを提供することが報告されており、3 つの異なるM-を含むプライマーによるPCRは全て正しい生成物の増幅を引き起こ した(Nichols et al.,1994)。 3-ニトロピロールを含むオリゴヌクレオチドがプライマーとして作用できるこ とは、二重らせん構造は、相補的鎖によって形成されなくてはならないことを強 く示唆している。オリゴヌクレオチド塩基対d(5'-C2-T5XT5G2-3')とd(5'-C2A5 YA5G2-3')(この場合XとYは、A、C、G、T、またはMが可能である)に関して得 られた光学的熱特性は、DNA二重らせんから1本鎖へのトランジッションに観察 される通常のS字型に適合することが報告された。X・M塩基対(この場合、XはA 、C、GまたはT、YはMであった)を含むオリゴヌクレオチドのTm値は全て3℃の範 囲内にあったことが報告された(Nichols et al.,1994)。 具体例III 配列決定チップとアレイの調製 本発明の具体例は、発明者によって考案された配列決定チップの物理的実施例 を記述する。 基本的具体例は、50ミクロンの表面に付着させた6-merを使用して、3×3mmの 大 きさのチップを調製することで、チップをまとめて20×20cmのアレイを作製する ことができる。別の具体例は、10×10ミクロンの表面に付着させた9-merオリゴ ヌクレオチドを使用して、大きさ5×5mmの9-merチップを作製する。このような チップ4000単位を使用して、30×30cmのアレイを調製することができる。図2A 、図2B、図2Cは更に別の具体例を示しており、この場合4,000から16,000の オリゴチップが正方形のアレイに配列されている。図示されているように、1枚 のプレートまたは試験管のセットも、配列決定キットの一部としてアレイと共に 包装されている。 アレイは、物理的に、あるいは疎水性表面により互いに分離することができる 。疎水性ストリップによる分離法を利用するための1つの可能な方法は、QA Lab oratories、トロント、カナダによって製造されているIso-Grid Microbiology S ystemのような技術の利用である。 疎水性グリッド膜フィルター(HGMF)は、食品微生物分析に約10年間使用され ており、コロニーの広い範囲の自動計数にユニークな長所を示してきた。市販の グリッドの1つは、QA Laboratories Ltd.(トロント、カナダ)製のISO-GRIDTM で、正方形(60×60cm)のポルスルホンポリマー(Gelman Tuffryn HT-450、孔 サイズ0.45μ)で作られ、その上に1600(40×40)の正方形の小室から成る黒い 疎水性インクグリッドがプリントされている。HGMFには、前もって真空濾過によ り細菌懸濁液が接種されており、最適な識別または選択培地でインキュベーショ ンされる。 微生物の成長は、膜上の位置と大きさが判明しているグリッドの小室によって 制限されるので、HGMFは従来のプレートまたは膜フィルターよりも、MPN装置に 似た働きをする。Peterkin et al.(1987)は、これらのHGMFを、HGMFレプリケ ータと共に使用すれば、ゲノムライブラリの増殖と保存に使用できることを報告 した。このような装置の1つは、ISO-GRIDの1600個の小室のそれぞれからの成長 を複製 し、マスターHGMFの多くのコピーを調製することができる(Peterkin et al.,1 987)。 Sharpe et al.(1989)も、QA Laboratories Ltd.のISO-GRID HGMFと自動HGMF カウンター(MI-100インタープリター)とRP-100レプリケーターを使用した。彼 らは、多くの微生物培養を維持し、スクリーニングする技術を報告した。 Peterkinと共同研究者等は後に、疎水性グリッド-膜フィルターを使用するDNA プローブのスクリーニング方法を報告した(Peterkin et al.,1989)。これら の著者等は、HGMF上で直接コロニーをハイブリッド形成する有効な方法を報告し た。以前は、HGMFがプリントされているポリスルホンポリマーのDNA結合能が低 いため、得られた成績は不良であった。しかし、Peterkin et al.(1989)は、 膜表面へのDNAの結合力は、DNAと接触させる前に、複製され、インキュベーショ ンされたHGMFを、ポリカチオンであるポリエチレンイミンで処理することによっ て改善されると報告した。この初期の研究では、細胞のDNA付着物を使用してお り、本発明の目的とは異なるが、記述されている方法は、容易に方式3のSBHに 改変できる。 有用な配列を迅速に同定するために、Peterkin et al.(1989)は、種々のク ローン由来の放射能標識プラスミドDNAを使用し、調製されたHGMF上のDNAに対す るその特異性を検査した。この方法で、組み換えプラスミド由来のDNAは、簡単 かつ再現性を持って調製可能なHGMF複製の100個の細菌に対するコロニーのハイ ブリッド形成によって、迅速にスクリーニングされた。 2つの基本的な問題を解決しなくてはならない。小さな(2〜3mm)のチップに よる操作と、無数の反応を平行して実施するという問題である。本発明の解決方 法は、チップとプローブを対応するアレイに保持するというものである。一具体 例において、間に1mMの溝を有する8×12フォーマット(96チップ)に配列された 8×8mMプレートの形態の(15μM/オリゴヌクレオチド、Pease et al.1994)シ リコンウエハ上で、250,000の9-merを含むチップを合成する。プローブは、多腔 ピペットまたはピンアレイのどちらかによって添加され、1つのプローブに1つ のチップが対応する。4000の6-merを評価するには、42のチップのアレイを使用 しなくてはならない。チップのアレイは異なる物を使用しても、1つのチップア レイセットを数回再利用してもよい。 上記の場合、本出願の最初の用語を使用して、F=9;P=6;F+P=15である。 チップは式BxNnのプローブを持ち、この場合xは特定された塩基Bの数、nは特定 されていない塩基の数であり、x=4から10、n=1から4である。ハイブリッド形成 の効率を更に高め、支持体のオリゴヌクレオチドの影響の可能性を回避するため に、特定された塩基を、特定されていない塩基で囲むことができ、従って、(N)n Bx(N)mのような式で表される(図4)。 具体例IV 核酸フラグメントの調製法 配列決定される核酸は、cDNA、ゲノムDNA、染色体DNA、微細切断された染色体 バンド、コスミドDNAまたはYAG挿入断片、mRNAを含むRNA等の適切な供給源から 得られ、増幅段階は不要である。例えば、Sambrook et al.(1989)は、哺乳類 の細胞から高分子量DNAを分離するための3つのプロトコールを報告している(p .9.14-9.23)。 次に、Sambrook et al.(1989)の9.24-9.28に報告されている制限酵素を使用 する、超音波による剪断およびNaOH処理等の、本技術に精通する者にとって公知 の方法のいずれかにより、核酸を断片化する。 Schrieger et al.(1990,引用することにより本明細書の一部をなすものとす る)により報告されているように、低圧剪断も適切である。この方法において、 DNA試料を種々の低圧から中程度の圧において、小径の圧セルを通過させる。レ バー装置は、低圧から中程度の圧を調節しながらかけることができる。これらの 研究の結果は、低圧剪断が、音波と酵素によるDNA断片化法に変わる有用な代替 法で あることを示している。 DNAの断片化に特に適した1つの方法は、Fitzgerald et al.によって報告さ れた2つの塩基認識エンドヌクレアーゼ、CviJIを使用する方法と考えられる。 これらの著者等は、DNAをショットガンクローニングと配列決定に適していると 考えられる特定のサイズに迅速に断片化し、分画する方法を報告した。本発明者 等は、これは本発明の配列決定技術に使用する無作為であるが、比較的小さなDN Aフラグメントの生成にも特に有用であると予想している。 制限エンンドヌクレアーゼCviJIは、通常GとCの間で認識配列PuGCPyを切断し 、平滑末端を残す。非典型的な反応条件により、この酵素(CviJI**)の特異性 は変化するが、小さな分子pUC19(2688塩基対)からDNAフラグメントの準無作為 分布が生じる。Fitzgerald et al.(1992)は、大きさにより分画され、末端修 復せずに、直接lacZマイナスM13クローニングベクターに直接結合されたpUC19の CviJI**消化物を使用して、この断片化法の無作為性を定量評価した。76のクロ ーンの配列分析により、CviJI**は、PuGCPy部位の他に、PyGCPyとPuGCPuを切断 することが明らかにされ、無作為断片化と一致する率で、新しい配列データが蓄 積されている。 文献に報告されているように、音波処理とアガロースゲル分画と比較したこの 方法の長所には以下が含まれる。必要なDNAがより少量で済む(2〜5μgの代わり に0.2〜0.5μg)、関与するステップが少ない(予備結合、末端修復、化学的抽 出、またはアガラオースゲル電気泳動、溶出が不要である)。これらの長所は、 方式3による配列決定のためのDNA調製の際も、有用であることが提唱されてい る。 核酸フラグメントを得る、あるいは調製する方法に関わりなく、ハイブリッド 形成に利用できる1本鎖断片を得るためにDNAを変性させることが重要である。 これは、DNA溶液を80〜90℃で2〜5分間インキュベーションすることによって達 成される。次に溶液は速やかに2℃まで冷却し、チップに接触させる前に、DNAフ ラグ メントが復元するのを予防する。具体例IVに記述されているように、ゲノムDNA から燐酸基も除去されなくてはならない。 具体例V 標識プローブの調製 オリゴヌクレオチドプローブは、本技術に精通する者が通常行う自動合成法に より、例えばApplied Biosystemsシステムを使用して調製できる。あるいは、プ ローブは、多孔性テフロンウエハーの積み重ねを使用して、Genosys Biotechnol ogies Inc.法により調製できる。 オリゴヌクレオチドプローブは、例えば100〜200μmまたは100〜400μmのスポ ットを有するアレイには放射能標識(35S、32P、33Pおよび好ましくは33P)、非 放射性同位体(Jacobsen et al.,1990)、または発蛍光団(Brumbaugh et al. ,1988)等により標識できる。Sambrook et al.(1989)の関連部分により、ま たShubert et al.(1990)、Murakami et al.(1991)、Cate et al.(1991)等 の更なる引用文献に例証されているように、このような標識方法は全て本技術に おいてよく知られたものである。これらの文献は、具体的に、引用することによ り本明細書の一部となすものとする。 放射能標識に関して、一般法は、T4ポリヌクレオチドキナーゼを使用する末端 標識、あるいはKlenowまたはT7ポリメラーゼをも使用する高比活性標識である。 これらは以下に記述されている。 合成オリゴヌクレオチドは、5'末端の燐酸基無しに合成され、従って酵素バク テリオファージT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して、[γ-32P]ATPまたは[γ -33P]ATPからγ-32Pまたはγ-33Pを転移させることによって容易に標識される。 下記に述べる反応は、10pmoleのオリゴヌクレオチドを高比活性で標識するため にデザインされたものである。異なる量のオリゴヌクレオチドの標識は、全ての 成分の濃度を一定に保ちながら、反応の大きさを増減することによって、容易に 達 成される。 反応混合物は1.0μLのオリゴヌクレオチド(10pmoles/μL)、10倍のバクテリ オファージT4ポリヌクレオチドキナーゼ緩衝液2.0μL、5.4μLの[γ-32P]ATPま たは[γ-33P]ATP(比活性5000Ci/mmole;10mCi/mL水溶液)(10mmol)、および1 1.4μLの水を使用して調製される。8単位(〜1μL)のバクテリオファージT4ポ リヌクレオチドキナーゼを反応混合物を混合したウェルに加え、37℃で45分間イ ンキュベーションする。反応物を68℃で10分間加熱し、バクテリオファーT4ポリ ヌクレオチドキナーゼを不活化する。 32Pまたは33Pのオリゴヌクレオチドへの転移効率とその比活性を次に決定する 。プローブの比活性が許容可能であれば、プローブは精製されている。比活性が 低すぎる場合には、更に8単位の酵素を加え、更に37℃で30分間インキュベーシ ョンしてから、反応物を68℃で10分間インキュベーションして、酵素を不活化す る。 放射能標識オリゴヌクレオチドの精製は、エタノールによる沈殿、セチルピリ ジニウムブロマイドによる沈殿、バイオ-ゲルP-60によるクロマトグラフィー、 またはSep-Pak C18カラムによるクロマトグラフィーにより達成できる。 比活性が高いプローブは、E.Coli DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメント を使用して得ることができ、合成オリゴヌクレオチドに相補的なDNAの鎖を合成 する。短いプライマーが、配列が目的の放射能標識プローブと相補的であるオリ ゴヌクレオチドの鋳型とハイブリッド形成させる。次にE.Coli DNAポリメラー ゼIのKlenowフラグメントを使用してプライマーが延長され、鋳型によって指示 される方式で、[α-32P]dNTPまたは[α-33P]dNTPを組み込む。反応後、鋳型と生 成物を、変性とその後の変性条件下におけるポリアクリルアミドゲルによる電気 泳動によって分離する。この方法により、所望により、オリゴヌクレオチドの分 子当たり数個の放射性原子含むオリゴヌクレオチドプライマーを生成することが 可能である。 本方法を利用するために、所望の比活性を達成するのに必要で、かつ鋳型の鎖 全てを完全に合成するのに十分な[α-32P]dNTPまたは[α-33P]dNTPの計算量をミ クロ遠沈管内で混合する。dNTPの濃度は、反応中のどの段階においても1μM以下 であってはならない。次に、ミクロ遠沈管に適量のプライマーと鋳型DNAを加え る。プライマーは、鋳型の3から10倍のモル量とする。 10倍Klenow緩衝液の0.1容量を加え、十分混合する。反応容量5μL当たり2〜4 単位のE.Coli DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントを次に加える。混合し 、4℃で2〜3時間インキュベーションする。所望であれば、反応の進行状態は、 少量(0.1μL)の部分標本を取り出し、10%トリクロロ酢酸(TCA)によって沈 殿を生じる放射能の比率を測定することによって、監視することも可能である。 反応溶液を等量のゲル-ローディング緩衝液で希釈し、80℃で3分間加熱し、次 に試料全体を変性ポリアクリルアミドゲルに加える。電気泳動後、ゲルをオート ラジオグラフで測定し、プロープを局在化し、ゲルから取り出すことができる。 以下に示す種々の疎蛍光標識法も利用可能である。Brumbaugh et al.(1988)は 、蛍光標識プライマーの合成を記述している。C-5に付着された12個の原子の第 一アミン「リンカーアーム」を持つデオキシウリジン類似体が合成される。類似 体の合成は、有機金属中間体を介して2'-デオキシウリジンを誘導し、5'(メチル プロペノイル)-2'-デオキシウリジンを得る。ジメトキシトリチル-クロライドと の反応により、対応する5'-ジメトキシトリチルアダクトが生成される。メチル エステルを加水分解し、活性化し、適当にモノアシル化されたアルキルジアミン と反応させる。精製後、得られたリンカーアームヌクレオシドは、化学的オリゴ ヌクレオチド合成に適したヌクレオシド類似体に変換される。 次に、修飾ホスフォリダイト化学を使用して、1つあるいは2つのリンカーア ーム塩基を含むオリゴヌクレオチドが調製される。500mM重炭酸ナトリウム(pH9 .4)の25μLに溶解された50nmolのリンカーアームオリゴヌクレオチド溶液に、 ジ メチルスルホキシド中の300mM FITC 20μLを加える。混合物を室温で6時間撹拌 する。20mM酢酸アンモニウム(pH6)により1×30cm Sephadex G-25カラムから溶 出することによって、オリゴヌクレオチドを、遊離FITCから分離し、最初のUV吸 収ピークにある分画を合わせる。 一般にオリゴヌクレオチドの5'末端の蛍光標識は、まず2つの段階が関与する 。まず、自動DNA合成中に、N-保護アミノアルキルホスフォルアミダイト誘導体 が、オリゴヌクレオチドの5'末端に付加される。全ての保護基を除去後、適当な 蛍光色素のNHSエステルを5'アミノ基に一晩かけて結合され、続いて逆層HPLCま たはPAGEを利用して、過剰量の色素から標識されたオリゴヌクレオチドが精製さ れる。 Schubert et al.(1990)は、自動DNA合成中に、フルオレセインにより標識さ れたオリゴヌクレオチドの生成を可能とするホスフォルアミダイトの合成を報告 している。フルオレセインメチルエステルは、DMF中のK2CO3とKIの存在下に17時 間かけて4-クロロ(4,4'-ジメトキシトリチル)ブタノール-1によりアルキル化さ れる。トリチル基をクロロホルム中の1%TFAにより除去後、生成物はビス(ジイ ソプロピルアミノ)メトキシホスフィンを用いる標準法により亜燐酸化される。 上記の得られたフルオレセイン誘導体の燐酸化により、合理的な収率でH-燐酸塩 が得られる。得られたアミダイト(乾性アセトニトリルの0.1M溶液)を、β-シ アノエチルホスフォルアミダイト化学とDNA合成装置を使用する異なるプライマ ーの自動合成に使用する。支持体からの切断と脱保護を、25%アンモニア水によ り室温で36時間かけて実施する。粗生成物を、PAGEにより生成する。標識プライ マーは、310nmで淡い緑の蛍光として観察される。RP18カートリッジを使用して 溶出と脱塩を行い、所望の生成物を得る。 Schubert法におけるプローブの5'-末端の蛍光標識は、最後のカップリングサ イクルにおいてDNA合成中に直接達成できる。カプリングによる収率は、通常の ホスフォルアミダイトと同程度に高い。高速真空を用いる凍結乾燥により、ある いは エタノール沈殿法により脱塩とアンモニアを除去後、方式3のSBHにおけるDNAの 配列決定に蛍光標識オリゴヌクレオチドを直接利用することが可能である。 Murakami et al.も、蛍光標識オリゴヌクレオチドの調製法を記述している。 この合成法は、ポリマー-によって支持されるホスフォルアミダイトと水素ホス オン酸の方法に基づく。エチレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンを、結 合在として使用する。これらは、CCI4溶液中の水素-ホスホン酸中間体により形 成されるホスフォルアミデート結合を介して導入された。第一アミン指向性試薬 、FITCを使用して、ビーズ上で修飾オリゴヌクレオチドを標識する。得られた修 飾オリゴヌクレオチドをビーズから切断し、続いてRPLCで精製する。 Cate et al.(1991)は、プローブを検出できるように、直接化学蛍光基質(A MPPD)と共にアルカリホスファターゼに直接結合させたオリゴヌクレオチドプロ ーブの利用を記述している。アルカリホスファターゼを、オリゴヌクレオチドの 修飾塩基と共有結合させる。ハイブリッド形成後、オリゴをAMPDDと共にインキ ュベーションする。アルカリホスファターゼ酵素はAMPDDを分解し、励起しなく ても、すなわちレーザーを使用しなくても、蛍光を発する化合物を生成する。こ のような技術を利用して、強いシグナルを発生することができると考えられる。 標識プローブは、合成するよりも、GENsETを含む種々の市販品を容易に購入で きる。 具体例VI 燐酸基の除去 細菌アルカリホスファターゼ(BAP)と子牛小腸のアルカリホスファターゼ(C IP)は、DNAとRNAからの5'-燐酸残基の除去を触媒する。従って、これらは、結 合と不適切なハイブリッド形成を防止するために、DNAまたはRNAから5'燐酸基を 除去するのに適している。Sambrook et al.(1989)によって報告されているよ うに、燐酸除去はゲノムDNAの切断または剪断後に実施される。 BAPは、2つのアルカリホスファターゼの中でより活性が高いが、熱とデター ジェントに対する抵抗性がより高い。従って、脱燐酸反応の最後に、BAPを完全 に阻害することは困難である。プロテイナーゼKがCIPの消化に使用されるが、CI Pは、その後の結合の効率を高めるならば、完全に除去されなくてはならない。 代替法としては、5mM EDTA(pH8.0)の存在下に65℃まで1時間(あるいは75℃で 10分間)加熱することによって、CIPを不活化し、続いて脱燐酸されたDNAを、フ ェノール:クロロホルムにより抽出することによって精製する。 具体例VII 2ステップのハイブリッド形成による配列決定 以下は、発明者が考案した配列決定の実施を記述する具体例である。まず、チ ップ全体は、1億の塩基対(1人の人間の染色体)と同程度に複雑なDNAの混合 物とハイブリッド形成されることになる。ハイブリッド形成のガイドラインは、 Drmanac et al.(1990);Khrapko et al.(1991);およびBroude et al.(199 4)等の報告に認められる。これらの報告には、ハイブリッド形成温度の範囲、 緩衝液、方式3のSBHの初期ステップに使用するのに適したウォッシング段階が 記述されている。 本発明者は、提供できる標的DNAが比較的低濃度であることから、ハイブリッ ド形成は、低温(−2℃から5℃)で高い塩濃度で数時間までで実施されると考え ている。この目的のために、燐酸ナトリウム緩衝液の代わりに10℃で沈殿するSS C緩衝液が使用されている(Drmanac et al.,1990)。第二ステップがあるので 、また高度に複雑なDNA試料の配列決定には、ハイブリッド形成サイクリングが 行われるので、ウォッシングを大規模に行う必要はない(数分間)。ハイブリッ ド形成ステップと、標識プローブによる2回目のハイブリッド形成ステップを続 けるためのウォッシングステップには同じ緩衝液を使用する。 例えば8×8mmのアレイ(具体例III)のような各アレイで単純な自動機器を使 用 して適切にウォッシング後、例えば6-merのような1つの標識プローブを加える 。96-チップまたは96-ピンの装置を使用し、42回の操作においてこれを実施する 。以前に科学文献において報告された識別条件範囲を再度使用する。 本発明者は、特に以下の条件の使用を考えている。まず、標識プローブを添加 し、低温で(0〜5℃)数分間だけインキュベーション後(高濃度のオリゴヌクレ オチドが添加されたため)、F+Pの長さに応じて温度を3〜10℃に上げ、ウォッ シング緩衝液を加える。この時点で、使用されるウォッシング緩衝液は、どの結 合反応にも適合するものである(例えば、塩濃度範囲100mM)。リガーゼ添加後 、再び温度を15〜37℃まで上げ、迅速に結合(30分以内)させ、更に完全に適合 しているハイブリッドと適合していないハイブリッドを識別する。 Pontiusu & Berg(1991,引用することにより本明細書の一部をなすものとす る)によって記述されているように、カチオンデタージェントの方式3のSBHに おける利用も考えられる。これらの著者等は、DNA復元に、デデシル-およびセチ ルトリメチルアンモニウムブロミド(DTABおよびCTAB; dedecyl-and cetyltrimet hylammonium bromide)の2つの単純なカチオンデタージェントの利用を報告して いる。 DTABおよびCTABは、メチル基の1つが12-炭素(DTAB)または16-炭素(CTAB) アルキル基で置換されている第4級アミンであるテトラメチルアンモニウムブロ ミド(TMAB)の変種である。TMABは、融解温度のG-C含量の偏りを減少させるた めの核酸の復元実験において使用される試薬であるテトラメチルアンモニウムイ オンの臭化物である。DTABおよびCTABは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と構 造が類似しており、SDSの負の電荷を持つ硫酸塩が正の電荷を持つ第4級アミン に置換されている。SDSは普通、非特異的結合を減少させ、ヌクレアーゼを阻害 するためにハイブリッド形成緩衝液に使用されるが、復元速度に大きな影響を及 ぼさない。 連結反応プロセスに使用する場合、バックグラウンドを減少させるために、酵 素を標識プローブと共に、あるいは適切なウォッシングステップの後に加える。 どのSBH法においても、これまでその利用を提案されたことはなかったが、リ ガーゼ技術は分子生物学の領域で十分確立された方法である。例えば、Hoodと共 同研究者は、リガーゼによって仲介される遺伝子検出技術を報告しており(Land egren et al.,1988)、その方法は方式3のSBHに使用するためにすぐに改変す ることができる。Landegren et al.は、相補的標的DNA分子において、2つのオ リゴヌクレオチドが互いに隣接してアニーリングできる能力に基づく特定のDNA 配列の存在の分析法を記述している。そこで、連結部のヌクレオチドが適切な塩 基対を形成している場合には、DNAリガーゼの作用により、この2つのオリゴヌ クレオチドは共有結合により結合される。以前は予想されなかったが、この状況 は現在方式3の配列決定において認められる。Wu & Wallaceも、2つの隣接する 短い合成ヌクレオチドの結合にバクテリオファージT4リガーゼの使用を報告して いる。彼らのオリゴ結合反応は、50mMトリス塩酸、pH7.6、10mM MgCl2、1mM ATP 、1mM DTT、5% PEGにおいて実施された。結合反応物は、5〜10分間で100℃に加 熱され、T4 DNA リガーゼ(1単位;Bethesda Research Laboratory)を添加する 前に、0℃に冷却された。大部分の結合反応は、30℃で実施され、5分間で100℃ に加熱して終了する。 次に、ハイブリッド形成された隣接する、あるいは結合された長さ(F+P)の オリゴヌクレオチドの識別検出に適した最終ウォッシングが行われる。このウォ ッシングステップは、バックグラウンドを最小限に抑えるため、結合されていな い標識プローブ全てと他の化合物全てを洗い流すために40〜60℃の水中で数分間 行われる。標識プローブは共有結合されているので、検出は簡単になる(時間が かからず、低温に限定されない。) 使用された標識に応じて、異なる装置によりチップの画像化を行う。放射能標 識の場合、リン光体保存スクリーン技術とスキャナーとしてPhosphorImagerが使 用される(Molecular Dynamics、サニーベール、カリフォルニア州)。チップを カセットに入れ、リン光スクリーンで覆う。1〜4時間のばく露後、スクリーンが スキャンされ、画像ファイルがコンピューターハードディスクに保存される。蛍 光標識の検出の場合、CCDカメラとエピ蛍光または同焦点顕微鏡が使用される。C CDカメラのピクセルに直接調製されたチップの場合、検出は、Eggers et al.(1 994、引用することにより本明細書の一部をなすものとする)。 電荷連結装置(CCD)の検出器は、活性固体支持体として作用し、プローブに 基づく分析法において標識標的分子の分布を定量的に検出し、画像化する。これ らの装置は、高度の並列分析、極めて高感度の検出機能、高度のスループット、 統合データ取得、計算機能を備えたマイクロエレクトロニクスの固有の特徴を利 用している。Eggers et al.(1994)は、本発明の方式3のSBHのようなプローブ に基づく分析に、高い感度と直接連結が使用されているため、数秒以内に定量的 評価が可能なCCDの利用を報告している。 統合CCD検出法は、チップ上の分子結合事象の検出を可能にする。検出器は迅 速に試料をユニークに特徴付ける2次元パターンを作製する。CCDに基づく分子 検出器の特殊操作において、異なる生物学的プローブをCCDのピクセルに直接固 定させるか、あるいはCCD表面に設置されたディスポーザブルカバースリップに 付着させることが可能である。試料の分子は放射性同位体、化学蛍光または蛍光 標識により標識できる。 CCDに基づくプローブのアレイに試料が接触すると、方式3の場合には、試料 が2つの相補的プローブに結合したピクセル部位において、光子または放射性同 位元素崩壊産物が放射される。続いて、荷電粒子、または標識試料からの放射線 がCCDゲート上に入射すると、エレクトロン-ホール対がシリコン上に生じる。次 に電子がCCDの近接下方に収集されると、ディスプレイモジュールに連続的に読 みだされる。各ピクセルで生じた光電子の数は、このような近接での分子結合事 象の数と直接比例する。従って、分子結合を定量的に測定できる(Eggers et al .,1 994)。 最近報告されたように、シリコンに基づくCCDは、主に広い波長範囲(1から10 000Å)にわたり装置が高感度を発揮するため、固体検出および画像化センサー としての長所を有する。シリコンは、可視スペクトルから軟エックス線までの電 磁放射線に高感度に反応する。可視光線の場合、1つの光子がCCDゲートに入射 すると、ゲート下に1つの電荷パケットが生じる。1つの軟エックス線ベータ粒 子(典型的にはKeVからMeVの範囲)は数千から数万の電子を生じる。高感度に加 えて、Eggers et al.,(1994)により報告されたCCDは、検出可能な電荷パケッ トが数個から105個の電子までが可能なので、広い動的範囲を提供する(大きさ は4から5のオーダー)。検出反応は、広い動的範囲にわたり直線的である。 試料に近接してイメージングアレイを設置することによって、従来のCCDカメ ラに認められるようなレンズに基づく技術よりも、少なくとも10倍収集効率が改 善される。すなわち、試料(エミッター)が検出器(イメージングアレイ)に近 接しおり、これによってレンズやミラー等の従来の画像化光学装置は削減される 。 放射性同位元素をリポーター基として標的分子に付着させると、エネルギーの 高い粒子が検出される。32P、33P、35S、14C、125L等のエネルギー量の異なる粒 子を放射する幾つかのリポーター基が、超小型検出器と共に利用され、成功して いる。例えば、32Pからのより高エネルギーの粒子は、最高の分子検出感度を提 供するが、例えば35Sからのより低エネルギーの粒子は、より優れた分解能を提 供する。従って、放射性同位元素リポーターの選択は、必要に応じて調整できる 。一旦特定の放射性同位元素標識が選択されれば、Eggers et al.(1994)によ って報告されているように、シグナル対ノイズ比(SNR)を計算することによっ て、検出性能を予測することができる。 別のルミネッセンス検出法は、標的分子に付着させた蛍光または化学蛍光リポ ーター基を使用するものである。蛍光標識は、共有結合または相互作用による付 着が可能である。近紫外線(300〜350nm)範囲に強い吸収バンドと、可視(500 〜650nm)範囲に主要な放射バンドを持つ臭化エチジウムのような蛍光色素が、 使用されるCCD装置に最も適している。と言うのは、蛍光シグナル波長における よりも、励起波長における量子効率が数桁低いためである。 ルミネッセンスを検出するという観点から、ポリシリコンCCDゲートは、紫外 線範囲の入射光線を除去する能力を内蔵しており、なおかつ蛍光リポーター基に よって生じる可視ルミネッセンスに対する感度が極めて高い。このような紫外線 励起に対する固有の高い識別能により、引用することにより本明細書の一部をな すEggers et al.(1994)の報告に組織的に記述されているCCDにより、高いSNR (100以上)を達成することができる。 検出器にプローブを固定する場合、ハイブリッド形成基質を高価でないSiO2ウ ェハー上に調製することができる。これを、ハイブリッド形成と乾燥を行った後 、CCDの表面に設置する。この方法は経済的で効率的である。と言うのは、DNAの ハイブリッド形成が高価でないディスポーザブルのSiO2ウェハーの上で実施され るので、より高価なCCD検出器を再利用することができるからである。あるいは 、プローブをCCDに直接固定し、専用のプローブ基質を作製することができる。 SiO2コーティングにプローブを固定するには、エポキシ-シラン試薬と標準SiO2 修飾化学を使用して、均質のエポキシド層をフィルム表面に結合させる。次に 、エポキシド環により第2アミンを形成することによって、アミン-修飾オリゴ ヌクレオチドプローブをSiO2表面に結合させる。アミンの脱プロトンを完全にす るために、また、カップリング中の二次構造の形成を最小限に抑えるために、反 応は0.1M KOH中で実施し、37℃で6時間インキュベーションする。 一般に方式3のSBHにおいては、シグナルは10億のポイントのそれぞれにつき 、計数される。例えば5×5mmを4000枚のように、全てのアレイを一度にハイブリ ッド形成させる必要はなく、より少数のアレイを逐次使用することも可能である 。 サイクリングハイブリッド形成は、ハイブリッド形成シグナルを増大させる1 つの可能な方法である。1サイクルにおいて、固定プローブの多くが、標識プロ ーブと非相補的な末尾配列を付けたDNAフラグメントとハイブリッド形成する。 温度を上げると、これらのハイブリッドは融解されることになる(図3)。次の サイクルで、これらの一部(〜0.1%)が、適切なDNAフラグメントとハイブリッ ド形成し、標識プローブが結合されることになる。この場合、両方のプローブセ ットに不適合のDNAハイブリッドの識別のための融解反応が同時に起こる。 サイクルハイブリッド形成において、サイクリングを開始する前に、T4の場合 には37℃で、あるいは熱安定性リガーゼの場合にはより高温で、全ての成分を加 える。それから、温度を15〜37℃に下げ、チップを10分間までインキュベーショ ンし、次に温度を37℃以上に数分間上げてから、再び下げる。サイクルは10回ま で繰り返すことができる。一変法において、サイクリングを行わずに、より高い 至適温度(10〜50℃)を使用でき、より長い結合反応を実施することができる( 1〜3時間)。 必要なオリゴヌクレオチドが比較的少数なので、ここに記述されている手順に より、標準合成法と正確なオリゴヌクレオチドのプロッティングを使用して、複 雑なチップを製造することができる。例えば、7-merオリゴ全てが合成されると (16384個のプローブ)、2億5600万の14-merのリストを決定することができる。 本発明の方法の重要な一変法は、基本的アレイあたり1種類以上の異なって標 識されたプローブを使用するものである。これは、2つの目的を考えて実施する ことができる。別々にハイブリッド形成されるアレイの数を減らすために、ある いは3×6または3×7のような更に長いオリゴ配列のリストを決定するために、複 数の標識を付ける。この場合、2つの標識が使用されると、3つの連続するオリ ゴヌクレオチドの特異性は、ほぼ絶対的となり得る。なぜならば、ポジティブ部 位が、両方の標識のシグナルを十分に示さなくてはならないからである。 更なる変法は、yが1から4のBxNyプローブを含むチップを使用する方法である 。これらのチップは、異なるフレームにおける配列読み取りを可能にする。これ は、適切な標識プローブセットによっても達成できる。あるいはFおよびPプロー ブの末端部分が幾つか特定されていない場合でも可能である(すなわち、末端同 義性の要素)。普遍塩基も、規定された配列のプローブを固体支持体に結合する ためのリンカーの一部として使用できる。これによって、プローブはよりハイブ リッド形成し易くなり、構成物はより安定する。プローブが5つの塩基を持つ場 合には、例えば3つの普遍塩基をリンカーとして使用できる(図4)。 具体例VIII データ分析 DOTSプログラム(Drmanac et al.,1993)のような画像分析プログラムにより 画像ファイルを分析し、例えばSCORESプログラム(Drmanac et al.,1994)に含 まれている統計機能により基準化し、評価した。シグナルの分布から、シグナル を+/−出力に変換するために至適閾値を決定する。 検出された標識の位置から、標識された位置に対応する固定および標識プロー ブの既知配列を組み合わせることによって、フラグメントのF+Pのヌクレオチド 配列が決定される。ヒト染色体のような元の分子の完全な核酸配列または配列フ ラグメントを、コンピューターによる演繹により決定されたオーバーラップして いるF+Pの配列から組み立てる。 1つの選択肢として、配列構成プロセス中に例えばスコアのようなハイブリッ ド形成シグナルを+/−出力に変換することである。この場合、組み立ては、非 常に高いスコアを有するF+P配列、例えばF+P配列AAAAAATTTTTT(配列番号1) から開始される。考えられる4つのオーバーラップしているプローブ全てAAAAAT TTTTTA(配列番号3)、AAAAATTTTTTT(配列番号4)、AAAAATTTTTTC(配列番号 5)、AAAAATTTTTTG(配列番号6)と始めの部分が異なる更に3つのプローブ( TAAAAAT TTTTT,配列番号7; CAAAAATTTTTT,配列番号8; GAAAAATTTTTT,配列番号9)を比 較し、3つの結果が規定される。(i)開始プローブと、4つのオーバーラップ しているプローブの1つだけが、他の6つのプローブと比較して有意にポジティ ブである場合、AAAAAATTTTTT(配列番号1)配列は、右側に1つのヌクレオチド が延長される。(ii)開始プローブ以外、有意にポジティブなプローブが無い場 合、組み立ては中止される。例えば、AAAAAATTTTT(配列番号10)が、配列決 定されるDNA分子の末端に位置している。(iii)オーバーラップしているプロー ブまたは他の3つのプローブの中に1つより多く有意にポジティブなプローブが 認められる。エラーまたは分枝のため、組み立ては中止される(Drmanac et al. ,1989)。 コンピューターによる演繹のプロセスは、既存のアルゴリズムを使用するコン ピュータープログラムを使用する(例えば、Pevzner,1989; Drmanac et al.,1 991; Labat and Drmanac,1993; 引用することにより全て本明細書の一部をなす ものとする)。 F+Pに加えて、F(間隙1)P、F(間隙2)P、F(間隙3)PまたはF(間隙4)Pが 決定された場合には、アルゴリズムを使用して全てのデータセットを合わせて、 エラーの可能性を矯正するか、分枝の問題がある状況を解決する(例えば、Drma nac et al,1989; Bains et al.,1988; 引用することにより全て本明細書の一 部をなすものとする)。 具体例IX 配列チップの再利用 配列決定プロセスに結合が利用された場合には、普通のオリゴヌクレオチドチ ップを直ちに再利用することはできない。発明者は、これを様々な方法で解決す ることができると考えている。 リボヌクレアーゼ処理によりプローブを除去できるように、第2のプローブ、 プローブPとしてリボヌクレオチドを使用できる。リボヌクレアーゼ処理は、ピ リ ミジン残基に対する1本鎖RNA3'を特異的に攻撃し、隣接するヌクレオチドとの 燐酸結合を切断するエンヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼAを利用できる。最終 生成物は、ピリミジン3'P燐酸と末尾ピリミジン3'燐酸を付けたオリゴヌクレオ チドである。リボヌクレアーゼAは、補助因子と二価カチオンが存在しなくても 機能を発揮する。 リボヌクレアーゼを利用するには、Sambrook et al.(1989; 引用することに より本明細書の一部をなすものとする)によって記述されたように、一般にチッ プを、適切なリボヌクレアーゼを含む緩衝液中でインキュベーションする。37℃ で10分から60分間、8×8mmまたは9×9mmのアレイあたり30〜50μLのリボヌクレ アーゼを含む緩衝液が適切である。次にハイブリッド形成緩衝液で洗浄する。 広く応用することはできないが、引用することにより本明細書の一部をなすCr aig et al.(1989)によって報告されているように、ウラシル塩基も特定の実施 例において利用できる。結合されたプローブの組み合わせを分解して、再利用可 能なチップを得るのは、E.Coliの修復酵素、DNAからウラシルを除去するウラシ ル-DNAグリコシラーゼによる消化によって達成される。 プローブの間に特異的に切断可能な結合を作り、検出後にその結合を切断する ことも可能である。例えば、これはShabarova et al.(1991)とDolinnaya et a l.(1988)によって報告されたように、化学的結合により達成される。両者は、 引用することにより特に本明細書の一部をなす。 Shabarova et al.(1991)は、縮合剤として臭化シアンによるオリゴデオキシ リボヌクレオチドの縮合を記述している。彼らの1ステップの化学結合反応にお いて、オリゴヌクレオチドは97℃に加熱され、0℃にゆっくり冷却され、次にア セトニトリル中の10M BrCN 1μLが添加される。 Dolinnaya et al.(1988)は、DNA二重らせん中のホスフォルアミデートとピ ロ燐酸塩のヌクレオチド間結合をどのように組み入れるかを明らかにしている。 彼 らも、カップリング剤として水溶性カルボジイミド(CDI)により、DNAの糖燐酸 塩骨格の修飾に化学的結合法を使用している。燐酸アミド結合の選択的切断には 、95℃で5分間15%CH3COOHによる接触が含まれる。ピロ燐酸塩結合の選択的切断 には、ピリジン-水混合物(9:1)と新しく蒸留された(CF3CO)2Oによる接触が含 まれる。 本発明の組成物および方法は、好ましい実施例の観点から記述されたが、本発 明の概念、意図、範囲を逸脱することなく、ここに記述されている方法の組成物 、方法、ステップまたはステップの順序に変更を加えることができることは、本 技術に精通する者にとって明らかであろう。より具体的には、化学的にも、生理 学的にも関係のある特定の物質を、ここに記述されている物質と置き換えて、同 じまたは類似の結果が達成されることは明らかである。本技術に精通する者にと って明らかなこのような類似の代替物と修飾物は、添付の請求項に規定されてい るように、本発明の意図、範囲、概念の範囲内にあると見なされる。請求項の物 質と方法は、過度の実験を行わずに、作成し、実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT, LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK ,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a) 第一セットのプローブが固体支持体に付着されており、第二セット のプローブが溶液中の標識プローブである、配列がわかっている2セットの小さ なオリゴヌクレオチドプローブの相補的配列に分子をハイブリッド形成させるこ とにより分子の配列を同定するステップと、 (b) ステップ(a)において同定された配列のオーバーラップしている配 列の範囲を同定するステップと、 (c) 同定されたオーバーラップしている前記配列から、分子の核酸配列 を組み立てるステップと、 からなる、核酸分子の配列を決定する方法。 2. 前記ハイブリッド形成がサイクルで実施される、請求項1記載の方法。 3. (a) 中位の長さの核酸フラグメントを提供するために、配列決定される 核酸分子を断片化するステップと、 (b) 第一セットのプローブが固体支持体に付着されており、第二セット のプローブが溶液中の標識プローブである、配列がわかっている2セットの小さ なオリゴヌクレオチドプローブの相補的配列にフラグメントをハイブリッド形成 させることにより前記フラグメントの配列を同定するステップと、 (c) ステップ(b)において同定された前記配列のオーバーラップしてい る配列の範囲を同定するステップと、 (d) 同定されたオーバーラップしている前記配列から、分子の核酸配列 を組み立てるステップと からなる、核酸分子の配列を決定する方法。 4. 前記フラグメントが、配列が分かっている2セットの小さなオリゴヌク レオチドプローブの相補的配列に、逐次ハイブリッド形成される、請求項3記載 の方法。 5. 前記フラグメントが、配列がわかっている2セットの小さなオリゴヌク レオチドプローブの相補的配列に、同時にハイブリッド形成される、請求項3記 載の方法。 6. 中間の長さの前記核酸フラグメントが約10ヌクレオチド長から約40 ヌクレオチド長であり、前記小さなオリゴヌクレオチドプローブが約4ヌクレオ チド長から約9ヌクレオチド長である、請求項3記載の方法。 7. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、前記フラグメントの完全に相補的 な配列とハイブリッド形成される、請求項3記載の方法。 8. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、前記フラグメントのすぐ隣に隣接 する配列とハイブリッド形成する、請求項3記載の方法。 9. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、完全に相補的で前記フラグメント のすぐ隣に隣接する配列とハイブリッド形成される、請求項8記載の方法。 10. 前記のすぐ隣に隣接する2つのオリゴヌクレオチドプローブを、その後 、ライゲーションする、請求項8記載の方法。 11. ステップ(b)が、 (a) 完全に相補的な配列を持つフラグメントだけをプローブとハイブリ ッド形成させるのに有効なハイブリッド形成条件下で、前記第一セットの小さな 付着されたオリゴヌクレオチドプローブを前記の中間の長さの核酸フラグメント に接触させ、これによって、フラグメントがハイブリッド形成された配列とハイ ブリッド形成されていない配列を持つようにしてなる一次複合体を形成するステ ップと、 (b) 完全に相補的な配列を持つプローブだけをハイブリッド形成されて いないフラグメント配列とハイブリッド形成させるのに有効なハイブリッド形成 条件下で、前記一次複合体を前記第二セットの小さな標識オリゴヌクレオチドプ ローブに接触させ、これによって、該フラグメントが固定プローブと標識プロー ブとハイブリッド形成するようにしてなる二次複合体を形成するステップと、 (c) 前記二次複合体から、付着したプローブに隣接していない標識プロ ーブを除去し、これによって隣接している二次複合体のみを残すステップと、 (d) 標識の存在を検出することによって、隣接している前記二次複合体 を検出するステップと、 (e) ハイブリッド形成された、付着したプローブと標識プローブの既知 配列をライゲーションすることによって、隣接する前記二次複合体の核酸フラグ メントの配列を同定するステップと から成る、請求項3記載の方法。 12. (a) 長さTの核酸フラグメントを提供するために、配列決定される核酸 を断片化するステップと、 (b) 配列が分かっている長さFの固定オリゴヌクレオチドプローブのア レイと、溶液中の配列が分かっている長さPの標識オリゴヌクレオチドプローブ のセットを調製する(ここで、F+P≦T)ステップと、 (c) ハイブリッド形成された、長さFの完全に相補的な配列と長さT− Fのハイブリッド形成されていないフラグメント配列との一次複合体の形成のみ を可能にするのに有効なハイブリッド形成条件下で、固定オリゴヌクレオチドプ ローブの前記アレイを、前記核酸フラグメントに接触させるステップと、 (d) 長さFのハイブリッド形成された完全に相補的な配列と長さPの隣 接するハイブリッド形成された完全に相補的な配列との二次複合体の形成のみを 可能にするのに有効なハイブリッド形成条件下で、前記複合体を標識オリゴヌク レオチドプローブの前記セットに接触させるステップと、 (e) 標識の存在を検出することによって前記二次複合体を検出するステ ップと、 (f) ハイブリッド形成された固定プローブと標識プローブの既知配列を 組み合わせることによって、前記二次複合体の核酸フラグメントの長さF+Pの 配列を同定するステップと、 (g) オーバーラップしている長さF+Pの前記配列の範囲を決定するス テップと、 (h) オーバーラップしている前記配列から完全な核酸配列を組み立てる ステップと から成る、核酸配列の決定方法。 13. 長さTが長さFの約3倍である、請求項12記載の方法。 14. 長さTが約10ヌクレオチド長から約40ヌクレオチド長であり、長さ Fが約4ヌクレオチド長から9ヌクレオチド長であり、長さPが約4ヌクレオチ ド長から約9ヌクレオチド長である、請求項12記載の方法。 15. 長さTが約20ヌクレオチド長であり、長さFが約6ヌクレオチド長で あり、長さPが約6ヌクレオチド長である、請求項14記載の方法。 16. すぐ隣に隣接する、固定され、標識された前記オリゴヌクレオチドプロ ーブがライゲーションされている、請求項12記載の方法。 17. (a) 中位の長さの核酸フラグメントを提供するために、配列決定される 核酸分子を断片化するステップと、 (b) 完全に相補的な配列を持つフラグメントだけを、プローブにハイブ リッド形成させるのに有効なハイブリッド形成条件下で、配列がわかっている固 定された小さなオリゴヌクレオチドプローブのアレイを前記核酸フラグメントに 接触させ、これによって、該フラグメントがハイブリッド形成された配列とハイ ブリッド形成されていない配列を持つようにしてなる一次複合体を形成するステ ップと、 (c) 完全に相補的な配列を持つプローブだけを、ハイブリッド形成され ていないフラグメントにハイブリッド形成させるのに有効な条件下で、前記第二 セットの小さな標識オリゴヌクレオチドプローブに前記一次複合体を接触させ、 これによって、該フラグメントが固定プローブと標識プローブにハイブリッド形 成されるようにしてなる二次複合体を形成するステップと、 (d) 前記二次複合体から、固定プローブに隣接していない標識プローブ を除去し、これによって、隣接している二次複合体のみを残すステップと、 (e) 標識の存在を検出することによって隣接する前記二次複合体を検出 するステップと、 (f) ハイブリッド形成された固定プローブと標識プローブの分かってい る配列を組み合わせることによって、隣接する前記二次複合体の核酸フラグメン トの配列を同定するステップと、 (g) オーバーラップしている前記配列の範囲を決定するステップと、 (h) 同定されたオーバーラップしている前記配列から、完全な核酸配列 を組み立てるステップと から成る、核酸配列の決定方法。 18. 前記核酸が、クローン化DNAまたは染色体DNAである、請求項17 記載の方法。 19. 前記核酸がmRNAである、請求項17記載の方法。 20. 前記核酸が制限酵素消化、超音波処理、NaOH処理または低圧剪断に より断片化される、請求項17記載の方法。 21. 前記核酸フラグメントが、約10ヌクレオチド長から約100ヌクレオ チド長である、請求項17記載の方法。 22. 前記オリゴヌクレオチドプローブが約4ヌクレオチド長から約9ヌクレ オチド長である、請求項17記載の方法。 23. 前記オリゴヌクレオチドプローブが約6ヌクレオチド長である、請求項 22記載の方法。 24. 前記の固定されたオリゴヌクレオチドが、ガラス、ポリスチレンまたは テフロン固体支持体に付着されている、請求項17記載の方法。 25. 前記の固定されたオリゴヌクレオチドが、燐酸エステル結合によって固 体支持体に付着されている、請求項17記載の方法。 26. 前記の固定されたオリゴヌクレオチドが、光により活性化される合成機 序により固体支持体に付着されている、請求項17記載の方法。 27. 前記標識オリゴヌクレオチドプローブが、非放射性同位元素または蛍光 色素により標識されている、請求項17記載の方法。 28. 標識オリゴヌクレオチドプローブが、35S、32Pまたは33Pにより蛍光 色素により標識されている、請求項17記載の方法。 29. 前記核酸フラグメントまたは前記オリゴヌクレオチドプローブの1つが 、修飾塩基または普遍塩基を含んでいる、請求項17項の方法。 30. 前記固定プローブに隣接していない標識プローブが、厳格なウォッシン グ条件によって二次複合体から除去される、請求項17記載の方法。 31. 前記固定プローブに隣接している標識プローブが、前記固定プローブに ライゲーションされ、続いてライゲーションされない標識プローブが除去される 、請求項17記載の方法。 32. 前記隣接するプローブが酵素によりライゲーションされる、請求項31 記載の方法。 33. 前記固定されたオリゴヌクレオチドの複数のアレイが、配列決定チッッ プの形態に整列されている、請求項17記載の方法。 34. (a) 約10ヌクレオチド長から約40ヌクレオチド長の核酸フラグメン トを提供するために、配列決定される核酸を断片化するステップと、 (b) 完全に相補的な配列を持つフラグメントだけをプローブにハイブリ ッド形成させるのに有効なハイブリッド形成条件下で、約4ヌクレオチド長から 約9ヌクレオチド長の配列がわかっている固定オリゴヌクレオチドプローブのア レイを、前記核酸フラグメントに接触させ、これによって、該フラグメントがハ イブリッド形成された配列とハイブリッド形成されていない配列を持つようにし てなる一次複合体を形成するステップと、 (c) 完全に相補的な配列を持つ標識プローブだけをハイブリッド形成さ れていないフラグメント配列にハイブリッド形成させるのに有効なハイブリッド 形成条件下で、前記複合体を約4ヌクレオチド長から約9ヌクレオチド長の配列 がわかっている32P標識または33P標識オリゴヌクレオチドプローブのセットに 接触させ、これによって、該フラグメントが固定プローブと32P標識または33P 標識プローブにハイブリッド形成されるようにしてなる二次複合体を形成するス テップと、 (d) DNAリガーゼ酵素を用いて、隣接する固定プローブと標識プロー ブをライゲーションさせ、これによってライゲーションされた二次複合体を形成 するステップと、 (e) 二次複合体から、ライゲーションされていないプローブを除去する ステップと、 (f) 32Pまたは33P標識の存在を検出することによって、ライゲーショ ンされた前記二次複合体を検出するステップと、 (g) ライゲーションされたプローブの既知の配列を組み合わせることに よって、ライゲーションされた前記二次複合体の核酸フラグメントの配列を同定 するステップと、 (h) オーバーラップしている前記配列の範囲を決定するステップと、 (i) オーバーラップしている前記配列から、完全な核酸配列を組み立て るステップと から成る、核酸配列の決定方法。 35. 前記オリゴヌクレオチドがハイブリッド形成反応に参加でき、配列が分 かっているオリゴヌクレオチドプローブの整列を付着させた固体支持体チップと 、配列が分かっている標識オリゴヌクレオチドプローブの溶液から成る容器セッ トから成る、核酸配列決定に使用するためのキット 36. 前記固定オリゴヌクレオチドプローブの複数のチップが、配列決定アレ イの形態に整列されている、請求項35記載のキット。 37. 前記オリゴヌクレオチドプローブが約4ヌクレオチド長から約9ヌクレ オチド長である、請求項35記載のキット。 38. 前記オリゴヌクレオチドプローブが約6ヌクレオチド長である、請求項 37記載のキット。 39. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、ガラス、ポリスチレンまたはテフ ロン固体支持体に付着されている、請求項35記載のキット。 40. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、燐酸エステル結合によって固体支 持体に付着されている、請求項35記載のキット。 41. 前記の固定されたオリゴヌクレオチドが、光により活性化される合成機 序により固体支持体に付着されている、請求項35記載のキット。 42. 前記標識オリゴヌクレオチドプローブが、非放射性同位元素または蛍光 色素により標識されている、請求項35記載のキット。 43. 前記オリゴヌクレオチドプローブが修飾塩基または普遍塩基を含んでい る、請求項35記載のキット。 44. 前記標識オリゴヌクレオチドプローブが35S、32P、または33Pにより 標識されている、請求項35記載のキット。 45. ライゲーション剤をさらに含む、請求項35記載のキット。 46. 前記ライゲーション剤がDNAリガーゼ酵素である、請求項45記載の キット。
JP7510426A 1993-09-27 1994-09-27 核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物 Withdrawn JPH09505729A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12742093A 1993-09-27 1993-09-27
US08/127,420 1993-09-27
US30305894A 1994-09-08 1994-09-08
US08/303,058 1994-09-08
PCT/US1994/010945 WO1995009248A1 (en) 1993-09-27 1994-09-27 Methods and compositions for efficient nucleic acid sequencing

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09505729A true JPH09505729A (ja) 1997-06-10

Family

ID=26825608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7510426A Withdrawn JPH09505729A (ja) 1993-09-27 1994-09-27 核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物

Country Status (17)

Country Link
EP (2) EP0723598B1 (ja)
JP (1) JPH09505729A (ja)
KR (1) KR100346953B1 (ja)
CN (1) CN1128884C (ja)
AT (1) ATE257861T1 (ja)
AU (1) AU694146B2 (ja)
BR (1) BR9407712A (ja)
CA (1) CA2172722C (ja)
CZ (1) CZ90596A3 (ja)
DE (1) DE69433487T2 (ja)
FI (1) FI961283A (ja)
HU (1) HU218597B (ja)
NO (1) NO961165L (ja)
NZ (1) NZ275194A (ja)
PL (1) PL180521B1 (ja)
UA (1) UA48119C2 (ja)
WO (1) WO1995009248A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004536317A (ja) * 2001-07-19 2004-12-02 ナノジェン・レコグノミクス・ゲーエムベーハー 合成結合システムを用いる核酸のための選別および固定化システム
JP2010022384A (ja) * 2002-10-01 2010-02-04 Nimblegen Systems Inc 単一のアレイ特徴部に複数のオリゴヌクレオチドを有するマイクロアレイ
JP2010117167A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Sharp Corp 電気泳動装置およびその構成器具
US7824900B2 (en) 2003-03-10 2010-11-02 Casio Computer Co., Ltd. DNA analyzing apparatus, DNA sensor, and analyzing method

Families Citing this family (73)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270961B1 (en) * 1987-04-01 2001-08-07 Hyseq, Inc. Methods and apparatus for DNA sequencing and DNA identification
US5547839A (en) 1989-06-07 1996-08-20 Affymax Technologies N.V. Sequencing of surface immobilized polymers utilizing microflourescence detection
USRE43097E1 (en) 1994-10-13 2012-01-10 Illumina, Inc. Massively parallel signature sequencing by ligation of encoded adaptors
US6974666B1 (en) * 1994-10-21 2005-12-13 Appymetric, Inc. Methods of enzymatic discrimination enhancement and surface-bound double-stranded DNA
GB9507238D0 (en) 1995-04-07 1995-05-31 Isis Innovation Detecting dna sequence variations
ATE366418T1 (de) 1996-04-25 2007-07-15 Bioarray Solutions Ltd Licht-regulierte, elektrokinetische zusammensetzung von partikeln an oberflächen
AU728805B2 (en) * 1997-01-15 2001-01-18 Xzillion Gmbh & Co. Kg Nucleic acid sequencing
US6297006B1 (en) 1997-01-16 2001-10-02 Hyseq, Inc. Methods for sequencing repetitive sequences and for determining the order of sequence subfragments
US6309824B1 (en) 1997-01-16 2001-10-30 Hyseq, Inc. Methods for analyzing a target nucleic acid using immobilized heterogeneous mixtures of oligonucleotide probes
US20020042048A1 (en) * 1997-01-16 2002-04-11 Radoje Drmanac Methods and compositions for detection or quantification of nucleic acid species
CN1251617A (zh) * 1997-02-21 2000-04-26 伯斯坦恩实验室股份有限公司 基因测序仪和方法
JP4294740B2 (ja) 1997-05-23 2009-07-15 ソレクサ・インコーポレイテッド 分析物の系列的プロセシングのためのシステムおよび装置
AU735546B2 (en) * 1997-07-22 2001-07-12 Qiagen Genomics, Inc. Polyethylenimine-based biomolecule arrays
NZ501776A (en) 1997-07-22 2001-10-26 Qiagen Genomics Inc Spring probe and methods for arraying oligonucleotide and thickening agent to a solid support
US6365731B1 (en) 1997-08-06 2002-04-02 Ambion, Inc. Stripping nucleic acids with iodine and sodium thiosulfate
AU8687098A (en) * 1997-08-05 1999-03-01 Ambion, Inc. Methods and compositions for stripping nucleic acids
EP1012335A4 (en) * 1997-08-15 2004-06-09 Hyseq Inc METHODS AND COMPOSITIONS FOR DETECTION OR QUANTIFICATION OF NUCLEIC ACID SPECIES
US6269846B1 (en) 1998-01-13 2001-08-07 Genetic Microsystems, Inc. Depositing fluid specimens on substrates, resulting ordered arrays, techniques for deposition of arrays
US6722395B2 (en) 1998-01-13 2004-04-20 James W. Overbeck Depositing fluid specimens on substrates, resulting ordered arrays, techniques for analysis of deposited arrays
US6407858B1 (en) 1998-05-14 2002-06-18 Genetic Microsystems, Inc Focusing of microscopes and reading of microarrays
US6428752B1 (en) 1998-05-14 2002-08-06 Affymetrix, Inc. Cleaning deposit devices that form microarrays and the like
GB9805918D0 (en) 1998-03-19 1998-05-13 Nycomed Amersham Plc Sequencing by hybridisation
US7095032B2 (en) 1998-03-20 2006-08-22 Montagu Jean I Focusing of microscopes and reading of microarrays
US6294655B1 (en) 1998-04-03 2001-09-25 Hyseq, Inc. Anti-interleukin-1 receptor antagonist antibodies and uses thereof
US6337072B1 (en) 1998-04-03 2002-01-08 Hyseq, Inc. Interleukin-1 receptor antagonist and recombinant production thereof
US6541623B1 (en) 1998-04-03 2003-04-01 Hyseq, Inc. Interleukin—1 receptor antagonist and uses thereof
US6426191B1 (en) 1998-04-03 2002-07-30 Hyseq, Inc. Assays involving an IL-1 receptor antagonist
US6268210B1 (en) 1998-05-27 2001-07-31 Hyseq, Inc. Sandwich arrays of biological compounds
US6387645B1 (en) 1998-07-16 2002-05-14 Hyseq, Inc. Methods and materials relating to novel CD39-like polypeptides
US6476211B1 (en) 1998-07-16 2002-11-05 Hyseq, Inc. Methods and materials relating to CD39-like polypeptides
US6447771B1 (en) 1999-03-19 2002-09-10 Hyseq, Inc. Methods and materials relating to novel CD39-like polypeptides
JP2002520040A (ja) 1998-07-16 2002-07-09 ハイセック,インコーポレーテッド 新規cd39様ポリペプチドに関する方法および材料
NO986133D0 (no) * 1998-12-23 1998-12-23 Preben Lexow FremgangsmÕte for DNA-sekvensering
US6864052B1 (en) 1999-01-06 2005-03-08 Callida Genomics, Inc. Enhanced sequencing by hybridization using pools of probes
US6780977B1 (en) 1999-01-29 2004-08-24 Nuvelo, Inc. Methods and compositions relating to CD39-like polypeptides and nucleic acids
US6350447B1 (en) 1999-01-29 2002-02-26 Hyseq, Inc. Methods and compositions relating to CD39-like polypeptides and nucleic acids
US6899875B1 (en) 1999-01-29 2005-05-31 Nuvelo, Inc. Methods and compositions relating to CD39-like polypeptides and nucleic acids
US6335013B1 (en) 1999-03-19 2002-01-01 Hyseq, Inc. Methods and materials relating to CD39-like polypeptides
AU4033500A (en) 1999-03-25 2000-10-09 Hyseq, Inc. Solution-based methods and materials for sequence analysis by hybridization
EP1190100B1 (en) 1999-05-20 2012-07-25 Illumina, Inc. Combinatorial decoding of random nucleic acid arrays
AU5497100A (en) * 1999-06-19 2001-01-09 Hyseq, Inc. Improved methods of sequence assembly in sequencing by hybridization
JP3668075B2 (ja) * 1999-10-12 2005-07-06 光夫 板倉 遺伝物質シーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シーケンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs高速スコアリング方法
DE19957319A1 (de) * 1999-11-29 2001-05-31 Febit Ferrarius Biotech Gmbh Dynamische Bestimmung von Analyten
DE19957320A1 (de) * 1999-11-29 2001-05-31 Febit Ferrarius Biotech Gmbh Dynamische Sequenzierung durch Hybridisierung
EP1255772A2 (en) 2000-02-11 2002-11-13 The Texas A & M University System Biosensor compositions and methods of use
AU2001242750A1 (en) 2000-03-24 2001-10-03 Takeda Chemical Industries Ltd. Novel protein, process for producing the same and use thereof
US9709559B2 (en) 2000-06-21 2017-07-18 Bioarray Solutions, Ltd. Multianalyte molecular analysis using application-specific random particle arrays
US7262063B2 (en) 2001-06-21 2007-08-28 Bio Array Solutions, Ltd. Directed assembly of functional heterostructures
JP4377689B2 (ja) 2001-10-15 2009-12-02 バイオアレイ ソリューションズ リミテッド 同時尋問及び酵素仲介検出による多型遺伝子座の複合分析
WO2004047007A1 (en) 2002-11-15 2004-06-03 Bioarray Solutions, Ltd. Analysis, secure access to, and transmission of array images
US8105771B2 (en) 2003-02-26 2012-01-31 Callida Genomics, Inc. Random array DNA analysis by hybridization
EP1664722B1 (en) 2003-09-22 2011-11-02 Bioarray Solutions Ltd Surface immobilized polyelectrolyte with multiple functional groups capable of covalently bonding to biomolecules
US7563569B2 (en) 2003-10-28 2009-07-21 Michael Seul Optimization of gene expression analysis using immobilized capture probes
US20050147976A1 (en) * 2003-12-29 2005-07-07 Xing Su Methods for determining nucleotide sequence information
US7848889B2 (en) 2004-08-02 2010-12-07 Bioarray Solutions, Ltd. Automated analysis of multiplexed probe-target interaction patterns: pattern matching and allele identification
EP2230316A1 (en) 2005-02-01 2010-09-22 AB Advanced Genetic Analysis Corporation Nucleic acid sequencing by performing successive cycles of duplex extension
EP1907571B1 (en) 2005-06-15 2017-04-26 Complete Genomics Inc. Nucleic acid analysis by random mixtures of non-overlapping fragments
SG10201405158QA (en) 2006-02-24 2014-10-30 Callida Genomics Inc High throughput genome sequencing on dna arrays
WO2008070352A2 (en) 2006-10-27 2008-06-12 Complete Genomics, Inc. Efficient arrays of amplified polynucleotides
US20090111706A1 (en) 2006-11-09 2009-04-30 Complete Genomics, Inc. Selection of dna adaptor orientation by amplification
US8592182B2 (en) 2007-10-23 2013-11-26 Stratos Genomics Inc. High throughput nucleic acid sequencing by spacing
US8415099B2 (en) 2007-11-05 2013-04-09 Complete Genomics, Inc. Efficient base determination in sequencing reactions
US8617811B2 (en) 2008-01-28 2013-12-31 Complete Genomics, Inc. Methods and compositions for efficient base calling in sequencing reactions
WO2009073629A2 (en) 2007-11-29 2009-06-11 Complete Genomics, Inc. Efficient shotgun sequencing methods
US8592150B2 (en) 2007-12-05 2013-11-26 Complete Genomics, Inc. Methods and compositions for long fragment read sequencing
US20090247425A1 (en) * 2008-03-28 2009-10-01 Invitrogen Corporation Compositions and methods for reusing arrays
KR20100025328A (ko) * 2008-08-27 2010-03-09 삼성전자주식회사 이중가닥 영역과 말단 단일가닥 영역을 포함하는 이중가닥 핵산 프로브가 고정된 마이크로어레이를 제조하는 방법
EP2987864B1 (en) * 2009-01-29 2018-04-25 Stratos Genomics Inc. Method for detecting an analyte
US9524369B2 (en) 2009-06-15 2016-12-20 Complete Genomics, Inc. Processing and analysis of complex nucleic acid sequence data
WO2013040758A1 (zh) * 2011-09-20 2013-03-28 深圳华大基因科技有限公司 膀胱移行细胞癌易感性的相关基因及其预测方法和系统
CN104136611B (zh) * 2012-02-27 2018-03-27 东丽株式会社 核酸的检测方法
GB201501012D0 (en) * 2015-01-21 2015-03-04 Base4 Innovation Ltd Improved droplet sequencing apparatus and method
RU2587631C1 (ru) * 2015-06-19 2016-06-20 Федеральное бюджетное учреждение науки "Государственный научный центр вирусологии и биотехнологии "Вектор"" (ФБУН ГНЦ ВБ "Вектор") СПОСОБ ОПРЕДЕЛЕНИЯ НУКЛЕОТИДНОЙ ПОСЛЕДОВАТЕЛЬНОСТИ R(5mC)GY В ЗАДАННОМ ПОЛОЖЕНИИ ПРОТЯЖЕННОЙ ДНК

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5202231A (en) * 1987-04-01 1993-04-13 Drmanac Radoje T Method of sequencing of genomes by hybridization of oligonucleotide probes
CA2044616A1 (en) * 1989-10-26 1991-04-27 Roger Y. Tsien Dna sequencing
WO1993005183A1 (en) * 1991-09-09 1993-03-18 Baylor College Of Medicine Method and device for rapid dna or rna sequencing determination by a base addition sequencing scheme
GB9315847D0 (en) * 1993-07-30 1993-09-15 Isis Innovation Tag reagent and assay method

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004536317A (ja) * 2001-07-19 2004-12-02 ナノジェン・レコグノミクス・ゲーエムベーハー 合成結合システムを用いる核酸のための選別および固定化システム
JP2010022384A (ja) * 2002-10-01 2010-02-04 Nimblegen Systems Inc 単一のアレイ特徴部に複数のオリゴヌクレオチドを有するマイクロアレイ
US7824900B2 (en) 2003-03-10 2010-11-02 Casio Computer Co., Ltd. DNA analyzing apparatus, DNA sensor, and analyzing method
JP2010117167A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Sharp Corp 電気泳動装置およびその構成器具

Also Published As

Publication number Publication date
AU694146B2 (en) 1998-07-16
BR9407712A (pt) 1997-02-12
CZ90596A3 (en) 1996-10-16
NO961165L (no) 1996-05-23
CN1136330A (zh) 1996-11-20
EP1408122A2 (en) 2004-04-14
NZ275194A (en) 1997-09-22
AU8072794A (en) 1995-04-18
PL180521B1 (pl) 2001-02-28
EP1408122A3 (en) 2004-10-06
HU218597B (hu) 2000-10-28
HUT75993A (en) 1997-05-28
UA48119C2 (uk) 2002-08-15
EP0723598A1 (en) 1996-07-31
EP0723598B1 (en) 2004-01-14
DE69433487D1 (de) 2004-02-19
FI961283A (fi) 1996-05-22
CN1128884C (zh) 2003-11-26
CA2172722C (en) 2007-04-24
HU9600759D0 (en) 1996-05-28
WO1995009248A1 (en) 1995-04-06
CA2172722A1 (en) 1995-04-06
KR100346953B1 (ko) 2003-01-06
NO961165D0 (no) 1996-03-22
FI961283A0 (fi) 1996-03-20
DE69433487T2 (de) 2004-11-25
PL313735A1 (en) 1996-07-22
ATE257861T1 (de) 2004-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09505729A (ja) 核酸配列の効率的な決定のための方法と組成物
US6401267B1 (en) Methods and compositions for efficient nucleic acid sequencing
US6309824B1 (en) Methods for analyzing a target nucleic acid using immobilized heterogeneous mixtures of oligonucleotide probes
US6297006B1 (en) Methods for sequencing repetitive sequences and for determining the order of sequence subfragments
AU745201B2 (en) Methods and compositions for detection or quantification of nucleic acid species
US7960104B2 (en) Self-assembled single molecule arrays and uses thereof
US20020034737A1 (en) Methods and compositions for detection or quantification of nucleic acid species
KR20010085860A (ko) 핵산 증폭과 서열분석 방법
JPH07505529A (ja) プローブ構成物および方法
CA2300940A1 (en) Methods and compositions for detection or quantification of nucleic acid species
JP2010213709A (ja) 不連続プライマ−伸長による核酸反復配列の長さ決定
US7851159B2 (en) Method for detecting target nucleic acid with specific base sequence and set of nucleic acids for detection
RU2143004C1 (ru) Способ определения последовательности нуклеиновой кислоты (варианты) и набор для использования при определении последовательности нуклеиновой кислоты
CZ254699A3 (cs) Způsoby a kompozice vhodné pro detekci nebo kvantifikaci druhů nukleových kyselin
MXPA01003266A (en) Methods of nucleic acid amplification and sequencing
KR20010022917A (ko) 핵산 종을 감지하고 이를 정량화하는 방법 및 그 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050928

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20051114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060707

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061012

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20061109

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080902