JPH0948875A - 導電性分散液、その製造方法、導電性塗料及び導電性塗膜 - Google Patents

導電性分散液、その製造方法、導電性塗料及び導電性塗膜

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JPH0948875A
JPH0948875A JP20083495A JP20083495A JPH0948875A JP H0948875 A JPH0948875 A JP H0948875A JP 20083495 A JP20083495 A JP 20083495A JP 20083495 A JP20083495 A JP 20083495A JP H0948875 A JPH0948875 A JP H0948875A
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JP
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dispersion
conductive
antimony
tin oxide
doped tin
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JP20083495A
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Tomoko Oka
トモ子 岡
Kazumi Sudo
一巳 須藤
Hiroki Hirata
寛樹 平田
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アンチモンドープ酸化スズ粉末を分散媒
中に分散させてなる導電性分散液中に、水溶性セルロー
ス誘導体をアンチモンドープ酸化スズ粉末に対し5重量
%以下の割合で添加する。 【効果】 粉末に対して少量使用するだけで水系、有機
系塗料中での分散性が向上したアンチモンドープ酸化ス
ズ粉末分散液が提供される。優れた導電性、透明性を有
する透明導電膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた導電性及び
優れた分散性を示すアンチモンドープ酸化スズ系導電性
分散液、その製造方法、導電性塗料及び導電性塗膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】導電性粉末として、アンチモンを含有す
る酸化スズ粉末、即ち、アンチモンドープ酸化スズ粉末
が使用されるようになってきた。アンチモンドープ酸化
スズ粉末は、プラスチック、ゴム、塗料などの媒体に混
入、配合されても可視光線を透過させるので、これらの
媒体の色調、透明性を損なうことなく導電性を付与でき
るものである。
【0003】従来、アンチモンドープ酸化スズ粉末は、
スズとアンチモンの塩を溶解した液に、アルカリを加え
て反応させることによりスズアンチモン水酸化物混合物
を析出させ、不要な塩を洗浄した後、濾過回収し、更に
400℃以上で焼成することにより製造されている。
【0004】得られたアンチモンドープ酸化スズ粉末を
各種分散媒に分散させることにより導電性分散液を得、
この導電性分散液に樹脂を配合して導電性塗料とし、こ
れを各種基材の表面に塗布することにより、帯電防止用
塗膜或いは導電性塗膜が形成される。
【0005】これら帯電防止用塗膜或いは導電性塗膜の
形成に当っては、導電性分散液中のアンチモンドープ酸
化スズ粉末の分散性を高めることにより、形成される塗
膜の透明性を高めることができる。
【0006】従来、水系導電性分散液中のアンチモンド
ープ酸化スズ粉末の分散性の向上のために、アンチモン
ドープ酸化スズ粉末をシリカにより表面処理することが
提案されている(特開平4−79104号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法によっ
て表面処理を行なって得られるアンチモンドープ酸化ス
ズ粉末は、その担持成分の影響により、塗膜の導電性、
透明性、塗膜強度が著しく低いものとなる。また、経時
分散安定性についてもその効果は十分でない。さらに、
水性媒体については、塗料化の際、媒体にピロリン酸ナ
トリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの分散剤を
添加する方法があるが、多量添加が必要なため、その特
性へ悪影響を及ぼすという問題がある。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、優れ
た導電性及び分散性を有した導電性分散液、その製造方
法、導電性塗料及び導電性塗膜を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性分散液
は、アンチモンドープ酸化スズ粉末を分散媒中に分散さ
せてなる導電性分散液において、該液中に水溶性セルロ
ース誘導体が該アンチモンドープ酸化スズ粉末に対し5
重量%以下の割合にて添加されていることを特徴とする
ものである。
【0010】本発明の導電性分散液の製造方法は、この
導電性分散液を製造する方法であって、アンチモンドー
プ酸化スズ粉末を分散媒中に分散させて得られた分散液
に水溶性セルロース誘導体を該アンチモンドープ酸化ス
ズ粉末に対し5重量%以下の割合にて添加してアンチモ
ンドープ酸化スズ粉末をさらに高度に分散させることを
特徴とするものである。
【0011】本発明の導電性塗料は、この導電性分散液
を含むことを特徴とするものである。
【0012】本発明の導電性塗膜は、この導電性塗料を
基材表面に塗着することにより形成されたものである。
【0013】水溶性セルロース誘導体は各種界面活性剤
の中でもアンチモンドープ酸化スズ粉末の分散性向上及
び得られる導電性塗膜の透明性向上に特に優れた効果を
示す。
【0014】従って、少ない添加量で分散安定性を著し
く良好なものとすることができるため、導電性等の特性
に悪影響を及ぼすことがない。また、得られた分散液は
分散安定性が優れているので、分散性に優れた導電性塗
料を製造することができ、透明性に優れた導電性塗膜を
形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明の導電性分散液は、アンチモンドー
プ酸化スズ粉末を分散媒中に水溶性セルロース誘導体に
よって高度に分散させたものである。この水溶性セルロ
ース誘導体は、非イオン系界面活性剤として公知である
が、種々の研究の結果、他の界面活性剤に比べて少量の
添加でもアンチモンドープ酸化スズ粉末を分散させる能
力が極めて高いこと、また、水溶性セルロース誘導体の
添加により得られる導電性塗膜の透明性も向上すること
が見出された。
【0017】この水溶性セルロース誘導体としては、次
式で表わされる化合物が好適である。
【0018】
【化1】
【0019】本発明では、水溶性セルロース誘導体の添
加量は、アンチモンドープ酸化スズ粉末に対し5重量%
以下であり、特に0.01〜2重量%が好適である。添
加量が5重量%を超えると、コスト高になると共に塗膜
の導電性及び透明性が低下する。添加量が0.01重量
%よりも少ない場合には分散性向上効果が低くなる。
【0020】なお、アンチモンドープ酸化スズ粉末の比
表面積は大き過ぎても小さ過ぎても十分な分散性が得ら
れないことから、10〜150m2 /gとするのが好ま
しい。
【0021】本発明の導電性分散液は、このような比表
面積のアンチモンドープ酸化スズ粉末を分散媒中に好ま
しくは0.1〜40重量%、特に10〜30重量%の濃
度で分散させ、これに上記界面活性剤を添加してさらに
撹拌、超音波加振、サンドミル又はボールミル等のメデ
ィアミル、ピンミル等により粉末を高度に分散させるこ
とにより容易に製造される。
【0022】この分散媒としては、水のほか、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、ベンゼン、アセトン、エーテル、トルエン、キシレ
ン、エチレングリコール、ヘキサン等の有機分散媒が用
いられ、これらは2種以上を混合使用しても良い。
【0023】本発明の導電性塗料は、この分散液を塗料
形成用樹脂と混合することにより製造される。分散媒が
水系のものである場合、上記の水系導電性分散液を水溶
性樹脂と混合する。水溶性樹脂としては、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール、水溶性アクリル樹脂等を用いるこ
とができる。この導電性塗料においては、必要に応じ
て、塗膜屈折率向上のためのジルコニウム化合物等を
0.1〜20重量%混合しても良い。
【0024】分散液中の分散媒が有機分散媒である場
合、この有機系導電性分散液と混合される樹脂として
は、フェノール樹脂、アルキド樹脂、スチレンブタジエ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、チタン樹脂、
フッ素樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル、アクリル樹
脂、エチルシリケート、シリコーン等を用いることがで
きる。この導電性塗料においても、塗膜屈折率向上のた
めのジルコニウム化合物等を0.1〜20重量%混合し
ても良い。
【0025】これらの樹脂の添加は、分散処理時であっ
ても、分散処理後であっても良い。
【0026】これらの導電性塗料中のアンチモンドープ
酸化スズ粉末の含有量は樹脂100重量部に対して10
〜300重量部程度とするのが好ましい。
【0027】本発明の導電性塗膜は、このような導電性
塗料を常法に従って、処理対象基板に塗布することによ
り形成される。
【0028】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】(実施例1)市販のアンチモンドープ酸化
スズ粉末(比表面積63m2 /g;三菱マテリアル株式
会社製、商品名T−1)を水に懸濁させてpHを7に調
整し、ビーズミルで30分間処理した。これに、前記化
1の式において、Rが表1に示す置換基で、20℃の2
重量%水溶液の粘度が表1に示す値を示す水溶性セルロ
ース誘導体をアンチモンドープ酸化スズ粉末に対して重
量比で0.5%になる量を懸濁液に添加して撹拌し導電
性水分散液を得た。
【0030】このようにして得られた導電性水分散液を
固形分濃度18.5%の濃度に調整し、この分散液10
0gと13.2重量%ゼラチン水溶液100gとを40
℃で混合して、水系の導電性塗料を調製した。塗料中の
アンチモンドープ酸化スズ粉末の配合量は、バインダー
のゼラチン固形分100重量部当り140重量部であっ
た。この塗料を#3のワイヤーバーでポリエステルフィ
ルム(厚み100μm、ヘーズ2.0%)に塗工し、放
置し乾燥することで塗膜を得た。形成した塗膜につい
て、塗料化による凝集粒子の有無、表面抵抗、ヘイズを
測定した。結果を表1に示す。
【0031】(実施例2〜5)実施例1において、水溶
性セルロース誘導体として化1の式中のR及び20℃,
2%水溶液の粘度が表1に示すものである水溶性セルロ
ース誘導体を用いたほかは実施例1と同様にして導電性
水分散液を得た。得られた導電性水分散液を用いて実施
例1と同様にして導電性塗料を調製し、且つ塗膜を得
た。この塗膜について実施例1と同様の測定を行なっ
た。結果は表1の通りである。
【0032】(実施例6〜9、比較例1)実施例1にお
いて、水溶性セルロース誘導体の添加量を表1に示す通
りとしたほかは実施例1と同様にして導電性水分散液を
得た。得られた導電性水分散液を用いて実施例1と同様
にして導電性塗料を調製し、且つ塗膜を得た。この塗膜
について実施例1と同様の測定を行なった。結果は表1
の通りである。
【0033】(比較例2)界面活性剤を全く添加しなか
ったほかは実施例1と同様にして導電性水分散液を得
た。得られた導電性水分散液を用いて実施例1と同様に
して導電性塗料を調製し、且つ塗膜を得た。この塗膜に
ついて実施例1と同様の測定を行なった。結果は表1の
通りである。
【0034】(比較例3〜5)界面活性剤として、非イ
オン系界面活性剤たるポリエチレングリコール(40
0)ラウリル酸モノエステル(比較例3)、ノニルフェ
ノールEO(EO:エチレンオキサイド)7モル付加物
(比較例4)、ソルビタンラウリル酸モノエステルEO
20モル付加物(比較例5)を用いたほかは実施例1と
同様にして塗膜を得、その特性の測定を行なった。結果
を表2に示す。
【0035】(比較例6〜8)界面活性剤として、陽イ
オン系界面活性剤たるラウリルアミン酢酸塩(比較例
6)、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩(比較
例7)、ベンザルコニウムクロライド(比較例8)を用
いたほかは実施例1と同様にして塗膜を得、その特性の
測定を行なった。結果を表2に示す。
【0036】(比較例9〜11)界面活性剤として、陰
イオン系界面活性剤たるピロリン酸ナトリウム(比較例
9)、ヘキサメタリン酸ナトリウム(比較例10)、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(比較例11)を
用いたほかは実施例1と同様にして塗膜を得、その特性
の測定を行なった。結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1,2の通り、本発明の導電性分散液は
分散性にきわめて優れており、また、導電性及び透明性
にもきわめて優れている。
【0040】特に、透明性については、水溶性セルロー
ス誘導体無添加の比較例2がヘイズ1.5であるのに対
し、水溶性セルロース誘導体を添加した実施例のうち、
水溶性セルロース誘導体を少量添加した実施例1〜7で
は0.6以下となっている。このことから、水溶性セル
ロース誘導体の適当量の添加により、水溶性セルロース
誘導体を添加しないものに比べて、分散性のみならず、
透明性も改善できることが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明によると、アンチモンドープ酸化
スズ粉末に対して水溶性セルロース誘導体を少量使用す
るだけで水系、有機系塗料中での分散性が向上したアン
チモンドープ酸化スズ粉末分散液が提供される。これに
より、優れた導電性、高い透明性を有する透明導電膜を
形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/24 PQW C09D 5/24 PQW 201/00 PDD 201/00 PDD (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンチモンドープ酸化スズ粉末を分散媒
    中に分散させてなる導電性分散液において、該液中に水
    溶性セルロース誘導体が該アンチモンドープ酸化スズ粉
    末に対し5重量%以下の割合にて添加されていることを
    特徴とする導電性分散液。
  2. 【請求項2】 請求項1の導電性分散液を製造する方法
    であって、アンチモンドープ酸化スズ粉末を分散媒中に
    分散させて得られた分散液に水溶性セルロース誘導体を
    該アンチモンドープ酸化スズ粉末に対し5重量%以下の
    割合にて添加してアンチモンドープ酸化スズ粉末をさら
    に高度に分散させることを特徴とする導電性分散液の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の導電性分散液を含むことを特
    徴とする導電性塗料。
  4. 【請求項4】 請求項3の導電性塗料を基材表面に塗着
    することにより形成された導電性塗膜。
JP20083495A 1995-08-07 1995-08-07 導電性分散液、その製造方法、導電性塗料及び導電性塗膜 Withdrawn JPH0948875A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001723A (ja) * 2011-07-26 2012-01-05 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 導電性塗料の製造方法及び該導電性塗料を用いた導電性塗膜の形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001723A (ja) * 2011-07-26 2012-01-05 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 導電性塗料の製造方法及び該導電性塗料を用いた導電性塗膜の形成方法

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Effective date: 20021105