JPH0946082A - 電気・電子機器用筐体およびその製造法 - Google Patents

電気・電子機器用筐体およびその製造法

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JPH0946082A
JPH0946082A JP17203595A JP17203595A JPH0946082A JP H0946082 A JPH0946082 A JP H0946082A JP 17203595 A JP17203595 A JP 17203595A JP 17203595 A JP17203595 A JP 17203595A JP H0946082 A JPH0946082 A JP H0946082A
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layer
resin
electric
fibers
molding
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JP17203595A
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English (en)
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Koji Kozuka
興治 小塚
Kazumasa Kato
一政 加藤
Shuji Ishikawa
修司 石川
Shiyuuichi Igakura
周一 猪ケ倉
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭素繊維織物または一方向にシート状に並べた
炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる第1層と、
樹脂、もしくは補強用短繊維を含む樹脂からなる第2層
との層状構造を有することを特徴とする電気・電子機器
用筐体。 【効果】電磁波シールド特性と薄肉・軽量化を達成する
ための高強度・高弾性率を有する連続繊維の炭素繊維層
とボス、リブを含む複雑な形状を薄肉流動性の良い樹脂
層で形成し、両層を一体化することにより、従来品より
軽量で優れた性能を持つ電気・電子機器用筐体とするこ
とができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁波シールド特性、難
燃性、薄肉で強度、剛性の優れた複合材料製の電気・電
子機用筐体またはキーボード支持体、および、これらを
安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばノート型パソコン筐体用材
料としては、1994年10月3日日本経済新聞社発行
の「日経メカニカル」P58〜P61に示されているよ
うに、炭素繊維で補強されたABS樹脂ブレンドのポリ
カーボネイト樹脂を射出成形されたものが使用されてい
る。
【0003】しかし、この材料は流動性が悪く、強度・
弾性率が低いため薄肉化が困難で1.2mm後の肉厚にと
どまり、十分な軽量化が達成されていない。また、射出
成形時に炭素繊維が0.1mm前後の長さまで切断され、
炭素繊維による十分な補強効果が得られないばかりか、
電磁波シールド性能が十分でなく、射出成形後、表面を
鍍金するなどの後加工が必要であった。
【0004】また、薄肉成形性と電磁波シールド性能を
改良した材料として特開平3−10661号公報に示さ
れているように、繊維長が10〜100mmの炭素繊維を
2次元ランダムに分布した不織布に熱硬化性樹脂を含浸
した材料をプレス成形する方法も提案され、一部に実用
化されている。
【0005】しかし、本方法も射出成形品よりも薄肉化
が可能であること、電磁波シールド性能に優れ、鍍金が
不要であるという利点があるものの、比較的繊維長が長
いため、性能時に繊維の配向による異方性が出易く、そ
のため反りが出易いこと、ウエルド強度が低いこと、製
造工程が多く、コストが高いことが難点で一部に使用さ
れているに過ぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消せんとするものであり、電磁波シールド
特性、難燃性、薄肉で強度、剛性の優れた複合材料製の
電気・電子機器用筐体およびキーボード支持体を提供す
ることを目的とし、および、これらの電気・電子機器用
筐体およびキーボード支持体を安価に製造する方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成は以下の通りである。
【0008】(1)炭素繊維織物または一方向にシート
状に並べた炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる
第1層と、樹脂、もしくは補強用短繊維を含む樹脂から
なる第2層との層状構造を有することを特徴とする電気
・電子機器用筐体。
【0009】本発明において、炭素繊維は、PAN系、
ピッチ系を問わないが、ストランド強度が300kg/mm2
以上、弾性率が20トン/mm2以上の炭素繊維がより薄肉
化が可能となり好ましい。また、織物は目開きの少ない
平織物が表面平滑性、低い反り性の点で好ましい。朱子
織物の場合は、1プライでは反りが発生しやすく、表裏
対称にするなどの配慮が必要である。
【0010】また、第1層、第2層のマトリックス樹脂
はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂、もしく
はポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、PBT樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂(以下、PPS樹脂という)などの熱可塑性樹脂が
使用可能であるが、第1層のマトリックス樹脂としては
プリプレグ加工性がよく、難燃化し易い点でフェノール
樹脂、エポキシ樹脂などが特に好ましく、第2層のマト
リックス樹脂としては流動性がよく、難燃化し易い点
で、液晶ポリマー、PPS樹脂、フェノール樹脂等が特
に好ましい。また、必要に応じて難燃剤、顔料、フィラ
ー等の添加剤を加えてもよい。
【0011】(2)上記の電気・電子機器用筐体におい
て、第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊維を含む液
晶ポリマーであることを特徴とする。
【0012】液晶ポリマーは、溶融状態で液晶性を示す
サーモトロピック液晶ポリマーが適用できる。現在市販
されているものはポリエステル系が多く、例えば、米国
ヘキスト・セラニーズ社の“ベクトラ”、ユニチカ
(株)の“ロッドラン”、三菱化学(株)の“ノバキュ
レート”などが知られており、通常ガラス繊維、炭素繊
維、および/または無機フィラーが10〜40重量%含
有されており、いずれも使用可能である。
【0013】ガラス繊維、炭素繊維、無機フィラーの繊
維長は、特に限定されない。通常は1mm以下程度に切断
されるが、それ以上のものであっても構わない。
【0014】(3)前記した本発明の電気・電子機器用
筐体において、第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊
維を含むPPS樹脂からなるものであることを特徴とす
る。PPS樹脂には、架橋型と直鎖型があり、ガラス繊
維、炭素繊維、および/または無機フィラーが10〜4
0重量%添加された各種品種があり、いずれも使用可能
である。ガラス繊維、炭素繊維、無機フィラーの繊維長
についても上記した通りである。
【0015】(4)前記した本発明の電気・電子機器用
筐体において、第1層と第2層とが接着剤もしくは接着
テープにより貼合わされていることを特徴とする。
【0016】上記の接着剤はシアノアクリレート系、エ
ポキシ系、ウレタン系、ゴム系など各種の接着剤が使用
可能である。また、接着テープについては、フィルム、
紙、布帛等のテープ基体の両面に接着剤、粘着剤が塗布
されたものが使用でき、第1層と第2層とを貼り合せる
ものである。テープ基体に塗布される接着剤としてはア
クリル樹脂などが代表的である。
【0017】なお、接着剤を介して第1層、第2層を接
着させる例として、2種の接着テープを用意し、一方の
テープを第1層に貼り付け、他方のテープを第2層に貼
り付けた後、それぞれのテープ基体(剥離紙)を接着剤
から離型させ、ついでそれぞれの接着剤同志を接着させ
るような、2液の接着テープが貼合せたときは粘着の性
質があり、その後硬化が進み、接着硬化が発現するタイ
プのものであってもよい。
【0018】(5)前記した本発明の電気・電子機器用
筐体において、第1層が孔もしくは溝を有し、その孔も
しくは溝に第2層に形成された突起が嵌合されて第1層
と第2層とが結合されていることを特徴とする。
【0019】次に、本発明の電気・電子機器用筐体の好
ましい製造法は次のとおりである。 (6)炭素繊維織物または一方向にシート状に並べた炭
素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形してなる
FRPからなる第1層と、樹脂、もしくは補強用短繊維
を含む樹脂により射出成形、またはトランスファ成形し
てなる第2層とを接着剤もしくは接着テープにより貼合
せることを特徴とする電気・電子機器用筐体の製造法。
【0020】(7)炭素繊維織物または一方向にシート
状に並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス
成形してなる第1層を成形し、この第1層に孔もしくは
溝の形成加工を行い、他方、樹脂もしくは補強用短繊維
を含む樹脂により射出成形、またはトランスファ成形し
て第2層に上記第1層の孔もしくは溝に嵌合する突起を
成形し、上記第1層の孔もしくは溝に第2層の突起を嵌
合して両者を一体化したのち、加熱により突起部を溶融
させ、第1層と第2層とを結合することを特徴とする電
気・電子機器用筐体の製造法。
【0021】(8)炭素繊維織物または一方向にシート
状に並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス
成形することにより第1層を成形し、接着剤を塗布する
か、または接着テープを貼るか、もしくは孔、あるいは
溝を設けた後、射出成形金型の可動型にセットし、樹脂
もしくは補強用短繊維を含む樹脂を注入し、第2層を成
形すると同時に第1層と第2層を一体化させることを特
徴とする電気・電子機器用筐体の製造法。
【0022】本発明に係る電気・電子機器用キーボード
支持体の構成は下記のとおりである。
【0023】(9)炭素繊維織物または一方向にシート
状に並べた炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる
第1層と、樹脂、もしくは補強用短繊維を含む樹脂から
なる第2層との層状構造を有することを特徴とする電気
・電子機器用キーボード支持体。
【0024】(10)上記の電気・電子機器用キーボー
ド支持体において、第2層がガラス短繊維もしくは炭素
短繊維を含む液晶ポリマーからなることを特徴とする。
【0025】(11)上記の電気・電子機器用キーボー
ド支持体において、第2層がガラス短繊維もしくは炭素
短繊維を含むPPS樹脂からなることを特徴とする。
【0026】(12)上記の電気・電子機器用キーボー
ド支持体において、第1層と第2層とが接着剤、もしく
は接着テープにより貼合わされていることを特徴とす
る。
【0027】(13)上記の電気・電子機器用キーボー
ド支持体において、第1層が孔もしくは溝を有し、その
孔もしくは溝に第2層に形成された突起が嵌合されて第
1層と第2層とが結合されていることを特徴とする。
【0028】本発明における電気・電子機器用キーボー
ド支持体の好ましい製造方法は次の構成からなる。
【0029】(14)炭素繊維織物または一方向にシー
ト状に並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレ
ス成形してなるFRPからなる第1層と、樹脂、もしく
は補強用短繊維を含む樹脂により射出成形、またはトラ
ンスファ成形してなる第2層とを接着剤もしくは接着テ
ープにより貼合せることを特徴とする電気・電子機器用
キーボード支持体の製造法。
【0030】(15)炭素繊維織物または一方向にシー
ト状に並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレ
ス成形してなる第1層を成形し、この第1層に孔もしく
は溝の形成加工を行い、他方、樹脂もしくは補強用短繊
維を含む樹脂により射出成形、またはトランスファ成形
して第2層に上記第1層の孔もしくは溝に嵌合する突起
を成形し、上記第1層の孔もしくは溝に第2層の突起を
嵌合して両者を一体化したのち、加熱により突起部を溶
融させ、第1層と第2層とを結合することを特徴とする
電気・電子機器用キーボード支持体の製造法。
【0031】(16)炭素繊維織物または一方向にシー
ト状に並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレ
ス成形することにより第1層を成形し、接着剤を塗布す
るか、または接着テープを貼るか、もしくは孔、あるい
は溝を設けた後、射出成形金型可動型にセットし、樹脂
もしくは補強用短繊維を含む樹脂を注入し、第2層を成
形すると同時に第1層と第2層を一体化させることを特
徴とする電気・電子機器用キーボード支持体の製造法。
【0032】上記の如く、本発明は炭素繊維の織物また
は一方向にシート状に並べた炭素連続繊維を補強材とす
るFRPからなる第1層と、樹脂、もしくは補強用短繊
維を含む樹脂からなる第2層との層状構造にすることに
よって達成される。
【0033】炭素繊維の織物または一方向にシート状に
並べた炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる層
は、強度・弾性率に優れ、薄肉・軽量化が達成できるば
かりでなく、優れた電磁波シールド性能を有する。ま
た、フェノール樹脂若しくは、難燃剤を添加したエポキ
シ樹脂と組合せることにより、優れた難燃性を有する。
【0034】第1層の補強材は、炭素繊維の織物であっ
てもよいし、一方向に互いに並行かつシート状に並べた
炭素連続繊維そのまま使用してもよく、あるいは該炭素
連続繊維シートを複数層積層してもよい。その場合、こ
れらシートを互いに必要な方向にクロス状態に積層させ
てもよいし、あるいはクロスさせずに積層したものであ
ってもよい。
【0035】一般に電気・電子機器部品は単純な箱状の
ものは少なく、内部にボス、リブ部を伴うことが多い。
炭素繊維の織物もしくは一方向に並べた連続繊維からな
る材料は単純な箱状に成形することは可能であるが、内
部にボス、リブ部を伴う形状に形成することは困難であ
るか、もしくは多大な工数を必要とし、経済的に達成す
ることは困難である。
【0036】そこで第2層は複雑な形状にも対応できる
薄肉成形性の良い材料で一体化することにより達成され
る。
【0037】薄肉成形性の良い材料としては、例えば、
ガラス繊維、もしくは炭素繊維の短繊維で補強したポリ
エステル液晶ポリマー、もしくはPPS樹脂であり、こ
れを射出成形して第2層が得られる。また、ガラス繊
維、もしくは炭素繊維の短繊維と微粒子の無機質を充填
した不飽和ポリエステルからなるBMC(バルク・モル
ディング・コンパウンド)をトランスファ成形、もしく
はプレス成形することによっても第2層が得られる。
【0038】第1層と第2層を一体化する方法として
は、接着剤もしくは接着テープにより貼り付ける方
法、第1層に孔を開けておき、第2層の対応する位置
に突起を設け、第1層の孔を通して第2層の突起を嵌合
突出させた後、突出部を溶着させリベット接合させる方
法、予め成形した第1層を金型にセットして第2層を
形成する樹脂を溶かし、型内一体化させる方法等が採用
できる。
【0039】本発明を以下の実施例によって詳述する。
【0040】
【実施例】
実施例1 東レ(株)製の炭素繊維織物CO6343(平織物、目
付200g/m2 )に住友デュレズ(株)製のフェーノ
ール樹脂“スミライトレジン”(登録商標)PR514
06を含浸乾燥し、プリプレグを作成した。本プリプレ
グを所定形状に切断し、2Plyを積層して金型温度1
50℃、圧力100kg/cm2面圧で図3に示すノート型パ
ソコン筐体の第1層1a(外層)を成形した。
【0041】次に東レ(株)製の液晶ポリマー“シベラ
ス”(登録商標)L204G35(ガラス短繊維35重
量%入り)を用いてシリンダー温度330℃、金型温度
120℃にて、図2に示すノート型パソコン筐体の第2
層2a(内層)を成形した。なお、図2において、3は
リブ部、4はボス部を示す。
【0042】表面を洗浄した後、ノーテープ工業(株)
製のウレタン接着剤“5310SP”を表面に塗布し、
図1に示すように、第1層1aと第2層2aとを接着、
貼合わせした。ボス部、リブ部を除くトータル肉厚0.
8mm軽量、高強度・高剛性のノート型パソコン筐体を得
た。
【0043】実施例2 東レ(株)製の炭素繊維織物CO6343(平織物、目
付200g/m2 )に住友デュレズ(株)製のフェノー
ル樹脂“スミライトレジン”PR51406を含浸さ
せ、乾燥し、プリプレグを作成した。本プリプレグを所
定形状に切断し、1Plyで平板を成形した(金型温度
150℃、圧力20kg/cm2、硬化時間30分)。さらに
第2層と接合するための内層用樹脂を通す孔6を打ち抜
きにより開け、図5に示すように、ノート型パソコン用
キーボード支持体(第1層)を作成した。この第1層1
bを射出成形金型の可動型にセットし、東レ(株)製の
液晶ポリマー“シベラス”L204G35(ガラス短繊
維35重量%入り)を用いて、シリンダー温度330
℃、金型温度120℃にて図4に示すノート型パソコン
用キーボードを支持体第2層2bを成形すると同時に、
図6に示すように前記第1層と一体化した。成形品のボ
ス部、リブ部、ヒンジ部を除くトータル肉厚は0.8mm
で軽量、高強度・高剛性のノート型パソコン用キーボー
ド支持体を得た。なお、図4において、5はヒンジ部を
示す。
【0044】実施例3 東レ(株)製の炭素繊維織物CO6341(平織物、目
付200g/m2 )に住友デュレズ(株)製のフェノー
ル樹脂“スミライトレジン”PR51406を含浸さ
せ、乾燥し、プリプレグを作成した。本プリプレグを所
定形状に切断し、1Plyで平板を成形した(金型温度
150℃、圧力20kg/cm2、硬化時間30分)。さらに
第2層(内層部)を接合するため、第2層の突起部を通
す孔を打ち抜きにより開け、ノート型パソコン用キーボ
ード支持体第1層1cを作成した。次に、東レ(株)製
の液晶ポリマー“シベラス”L204G35を用いて、
シリンダー温度330℃、金型温度120℃にて上記第
1層の孔に対応する位置に突起部を設けたノート型パソ
コン用キーボード支持体第2層を成形した。
【0045】次いで、図7に示すように、第1層1cの
孔6に、第2層の突起部7を嵌合した後、突起部7先端
を超音波ウェルダー等により溶融させ、図8に示すよう
に、変形させて冷却し、締結一体化する。成形品のボス
部、リブ部、ヒンジ部を除くトータル肉厚は0.8mmで
軽量、高強度・高剛性のノート型パソコン用キーボード
支持体を得た。
【0046】実施例4 東レ(株)製の炭素繊維織物CO6343(平織物、目
付200g/m2 )に住友デュレズ(株)製のフェノー
ル樹脂“スミライトレジン”PR51406を含浸さ
せ、乾燥し、プリプレグを作成した。本プリプレグを所
定形状に切断し、1Plyで平板を成形(金型温度15
0℃、圧力20kg/cm2、硬化時間30分)し、図10に
示す肉厚約0.2mmのノート型パソコン用キーボード支
持体第1層1dを作成した。
【0047】次に、東レ(株)製のPPS樹脂“トレリ
ナ”ガラス繊維20重量%入りを用いて、シリンダー温
度320℃、金型温度125℃にて図9に示すノート型
パソコン用キーボード支持体第2層2dを成形した。
【0048】表面を洗浄した後、ノーテープ工業(株)
製のウレタン接着剤“5310SP”を表面に塗布し、
5分間放置した後、40℃に加熱したホットプレスにて
0.5kg/cm2の圧力で1時間加熱加圧して貼合せ、図1
1に示すノート型パソコン用キーボード支持体を得た。
【0049】
【発明の効果】本発明は、上記の構成とすることによ
り、電磁波シールド特性と薄肉・軽量化を達成するため
の高強度・高弾性率を有する連続繊維の炭素繊維層とボ
ス、リブを含む複雑な形状を薄肉流動性の良い樹脂層で
形成し、両層を一体化することにより、従来品より軽量
で優れた性能を持つ電気・電子機器用筐体およびキーボ
ード支持体とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で成形したノート型パソコン筐体の斜
視図である。
【図2】実施例1で成形したノート型パソコン筐体の第
2層の斜視図である。
【図3】実施例1で成形したノート型パソコン筐体の第
1層の斜視図である。
【図4】実施例2で成形したノート型パソコン用キーボ
ード支持体の第2層の斜視図である。
【図5】実施例2で成形したノート型パソコン用キーボ
ード支持体の第1層の斜視図である。
【図6】実施例2で成形したノート型パソコン用キーボ
ード支持体の斜視図である。
【図7】実施例3で成形した第1層と第2層との係合関
係突起部溶融加工前の断面図である。
【図8】実施例3で成形した第1層と第2層との係合関
係突起部溶融加工後の断面図である。
【図9】実施例4で成形したノート型パソコン用キーボ
ード支持体の第2層の斜視図である。
【図10】実施例4で成形したノート型パソコン用キー
ボード支持体の第1層の斜視図である。
【図11】実施例4で成形したノート型パソコン用キー
ボード支持体の斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d :第1層 2a,2b,2c,2d :第2層 3 :リブ部 4 :ボス部 5 :ヒンジ部 6 :孔 7 :突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪ケ倉 周一 滋賀県大津市園山一丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維織物または一方向にシート状に並
    べた炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる第1層
    と、樹脂、もしくは補強用短繊維を含む樹脂からなる第
    2層との層状構造を有することを特徴とする電気・電子
    機器用筐体。
  2. 【請求項2】第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊維
    を含む液晶ポリマーからなることを特徴とする請求項1
    に記載の電気・電子機器用筐体。
  3. 【請求項3】第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊維
    を含むポリフェニレンサルファイド樹脂からなることを
    特徴とする請求項1に記載の電気・電子機器用筐体。
  4. 【請求項4】第1層と第2層とが接着剤もしくは接着テ
    ープにより貼合わされていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の電気・電子機器用筐体。
  5. 【請求項5】第1層が孔もしくは溝を有し、その孔もし
    くは溝に第2層に形成された突起が嵌合されて第1層と
    第2層とが結合されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の電気・電子機器用筐体。
  6. 【請求項6】炭素繊維織物または一方向にシート状に並
    べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形し
    てなるFRPからなる第1層と、樹脂、もしくは補強用
    短繊維を含む樹脂により射出成形、またはトランスファ
    成形してなる第2層とを接着剤もしくは接着テープによ
    り貼合せることを特徴とする電気・電子機器用筐体の製
    造法。
  7. 【請求項7】炭素繊維織物または一方向にシート状に並
    べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形し
    てなる第1層を成形し、この第1層に孔もしくは溝の形
    成加工を行い、他方、樹脂もしくは補強用短繊維を含む
    樹脂により射出成形、またはトランスファ成形して第2
    層に上記第1層の孔もしくは溝に嵌合する突起を成形
    し、上記第1層の孔もしくは溝に第2層の突起を嵌合し
    て両者を一体化したのち、加熱により突起部を溶融さ
    せ、第1層と第2層とを結合することを特徴とする電気
    ・電子機器用筐体の製造法。
  8. 【請求項8】炭素繊維織物または一方向にシート状に並
    べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形す
    ることにより第1層を成形し、接着剤を塗布するか、ま
    たは接着テープを貼るか、もしくは孔、あるいは溝を設
    けた後、射出成形金型の可動型にセットし、樹脂もしく
    は補強用短繊維を含む樹脂を注入し、第2層を成形する
    と同時に第1層と第2層を一体化させることを特徴とす
    る電気・電子機器用筐体の製造法。
  9. 【請求項9】炭素繊維織物または一方向にシート状に並
    べた炭素連続繊維を補強材とするFRPからなる第1層
    と、樹脂、もしくは補強用短繊維を含む樹脂からなる第
    2層との層状構造を有することを特徴とする電気・電子
    機器用キーボード支持体。
  10. 【請求項10】第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊
    維を含む液晶ポリマーからなることを特徴とする請求項
    9に記載の電気・電子機器用キーボード支持体。
  11. 【請求項11】第2層がガラス短繊維もしくは炭素短繊
    維を含むポリフェニレンサルファイド樹脂からなること
    を特徴とする請求項9に記載の電気・電子機器用キーボ
    ード支持体。
  12. 【請求項12】第1層と第2層とが接着剤もしくは接着
    テープにより貼合わされていることを特徴とする請求項
    9〜11のいずれかに記載の電気・電子機器用キーボー
    ド支持体。
  13. 【請求項13】第1層が孔もしくは溝を有し、その孔も
    しくは溝に第2層に形成された突起が嵌合されて第1層
    と第2層とが結合されていることを特徴とする請求項9
    〜11のいずれかに記載の電気・電子機器用キーボード
    支持体。
  14. 【請求項14】炭素繊維織物または一方向にシート状に
    並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形
    してなるFRPからなる第1層と、樹脂、もしくは補強
    用短繊維を含む樹脂により射出成形、またはトランスフ
    ァ成形してなる第2層とを接着剤もしくは接着テープに
    より貼合せることを特徴とする電気・電子機器用キーボ
    ード支持体の製造法。
  15. 【請求項15】炭素繊維織物または一方向にシート状に
    並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形
    してなる第1層を成形し、この第1層に孔もしくは溝の
    形成加工を行い、他方、樹脂もしくは補強用短繊維を含
    む樹脂により射出成形、またはトランスファ成形して第
    2層に上記第1層の孔もしくは溝に嵌合する突起を成形
    し、上記第1層の孔もしくは溝に第2層の突起を嵌合し
    て両者を一体化したのち、加熱により突起部を溶融さ
    せ、第1層と第2層とを結合することを特徴とする電気
    ・電子機器用キーボード支持体の製造法。
  16. 【請求項16】炭素繊維織物または一方向にシート状に
    並べた炭素連続繊維に樹脂を含浸した材料をプレス成形
    することにより第1層を成形し、接着剤を塗布するか、
    または接着テープを貼るか、もしくは孔、あるいは溝を
    設けた後、射出成形金型可動型にセットし、樹脂もしく
    は補強用短繊維を含む樹脂を注入し、第2層を成形する
    と同時に第1層と第2層を一体化させることを特徴とす
    る電気・電子機器用キーボード支持体の製造法。
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