JP2000286565A - 電子機器用筺体 - Google Patents

電子機器用筺体

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JP2000286565A
JP2000286565A JP11309529A JP30952999A JP2000286565A JP 2000286565 A JP2000286565 A JP 2000286565A JP 11309529 A JP11309529 A JP 11309529A JP 30952999 A JP30952999 A JP 30952999A JP 2000286565 A JP2000286565 A JP 2000286565A
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JP
Japan
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housing
resin
resin layer
electronic device
metal layer
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Withdrawn
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JP11309529A
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English (en)
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Morihiko Sugino
守彦 杉野
Katsuya Goto
克也 後藤
Kei Takara
圭 高良
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属層と樹脂層を複合成形した筺体は、剥離
し易い問題がある。そこで金属層と樹脂層の接合面に接
着剤を均一に配したものが提案されているが、ソリを生
じるという問題がある。本発明は、ソリを生じることな
く、また剥離を生じない電子機器用筺体を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 アルミニウム板11と樹脂層12が、不
織布(熱可塑性樹脂製繊維構造物)13を介して接合さ
れている。不織布13は接着剤として作用し、アルミニ
ウム板11と点状もしくは線状に接着している。この様
に非接着部を有することで、不織布の網目構造が変形能
を残し、これによりアルミニウム板11と樹脂層12の
収縮差を緩衝してソリが生じ難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属層と樹脂層が
複合成形された電子機器用筺体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器(事務処理機器)やAV
機器(視聴覚機器)或いは電話等、様々な電子機器の携
帯化が進んでおり、該携帯型電子機器の軽量,小型化が
一層強く求められている。また屋内使用型の電子機器と
しても同様に小型化が求められている。
【0003】従来この様な電子機器用の筺体としては合
成樹脂製筺体が用いられていたが、十分な強度を保証す
る為に樹脂層の厚肉化が必要であり、またリブ構造の採
用が望まれる等の理由により、全体として嵩張った重量
の重いものであった。加えて最近の集積回路の高性能
化,高密度化に伴って実装基盤の熱密度が高くなり、こ
の蓄熱による回路誤動作を防止する目的で冷却ファンが
設けられているが、これにより一層の重量増加となって
いる。
【0004】そこで軽量化を図るべく、金属板(金属
層)と樹脂層を一体成形した成形体が提案されている
(従来例:特開平5−124060,特開平6−29
669)。この従来例の成形体は、金属板により樹脂
層を補強して強度を保ち、樹脂層の薄肉化やリブの不要
化を図って軽量化を実現しようとするものであり、更に
金属板を用いているから成形体の導電性が良好となり、
電磁波遮蔽性にも優れるという利点があり、加えて上記
金属板がヒートシンクとしても作用し、放熱性が良好と
なる。
【0005】尚電磁波遮蔽性の付与を目的として、合成
樹脂製基体に金属のメッキを施すか、或いは導電性塗料
を塗装するものも提案されている(従来例)が、これ
ら従来例は製造コストが高くつき、また使用時に衝撃
等の外力を受けることによって上記メッキ層や塗装層が
容易に剥がれ、電磁波遮蔽性能の劣化を招くという問題
がある為、あまり採用されていない。或いは合成樹脂製
筺体の素材として、炭素長繊維を含有した樹脂を採用し
て電磁波遮蔽性を付与することも提案されている(従来
例)が、この炭素繊維強化樹脂では熱伝導性が低く、
よって放熱性に乏しい。またマグネシウムダイキャスト
製の筺体も提案されている(従来例)が、ボスやリブ
或いは嵌合部等の複雑な形状を形成し難いという欠点が
ある。
【0006】この点上記従来例は上述の様に電磁波遮
蔽性に優れる上、良好な放熱性を示し、また上記樹脂層
によりボスやリブ等の複雑な形状を容易に形成できるか
ら好ましいものであるが、該従来例の成形体は金属層
と樹脂層の接合面で剥離する恐れがあるという問題があ
る。
【0007】そこで上記金属板と樹脂層の接着強度を向
上させる為に、金属板と樹脂層の接合面にほぼ均一の厚
さで接着剤を塗布(例えばハケ塗り)したもの(特開平
6−39876)や、フィルム状の接着剤を金属板上に
配置してその上に樹脂層を形成したもの(特開平7−1
24995)が提案されている(従来例)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例のものは、樹脂層の固化収縮に際して金属層と樹脂
層の熱膨張率差(或いは収縮率差)に起因してソリを生
じるという問題がある。
【0009】そこで本発明はソリを生じることなく、ま
た金属層と樹脂層の剥離を生じない電子機器用筺体を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子機器用
筺体は、金属層と樹脂層が、熱可塑性樹脂製繊維構造物
を介して接合されていることを要旨とする(第1の発
明)。
【0011】上記熱可塑性樹脂製繊維構造物は繊維を骨
格主体とする構造物であって、例えば不織布や織編物と
いった布帛、繊維糸条を網状に編んだもの、また登録商
標ゴアテックス等が挙げられ、要は金属層と樹脂層の熱
膨張率の差を繊維骨格の変形能力によって吸収する機能
を有するものであることが望まれる。
【0012】詳述すれば上記熱可塑性樹脂製繊維構造物
が筺体成形時(通常いわゆるインモールド成形法に従っ
て樹脂層が射出成形される)の熱によって軟化し、金属
層と樹脂層とを接着する接着剤として作用するが、この
とき上記繊維構造物は金属層に対して点状若しくは線状
に接着し、繊維構造物における繊維−繊維間の隙間を非
接着部として残して接着する。この様な非接着部が残る
ことによって繊維骨格内の網目構造体が変形能を残し
て、金属層と樹脂層の熱収縮(膨張)差を緩衝すること
によって、ソリが起き難くなるものと考えられる。
【0013】一方、従来例の様にハケ塗りやフィルム
等により接着層を均一且つ全面的に形成したものは、非
常に強力に接着されて剥離の懸念がない反面、金属層及
び樹脂層の熱収縮を緩衝する機能を発揮することができ
ず、ソリを生じるものと考えられる。
【0014】尚、上記繊維構造物の繊維−繊維間の空間
内に射出樹脂が侵入して一種のアンカー効果を発揮する
から、上記繊維構造物と樹脂層は強い接着力を示す。
【0015】上記繊維構造物の軟化点としては170〜
250℃であることが好ましく、また上記樹脂層は軟化
点170〜280℃の素材で構成されたものであること
が好ましい。また上記樹脂層よりも上記繊維構造物の方
が軟化点の高いものを用い、射出成形時において繊維構
造物が溶融しない程度の低めの温度で樹脂層成分(溶融
状態)を金型に注入することにより、繊維構造物が高温
の樹脂層成分に曝されて完全に溶融してしまうという事
態を避けることができる。
【0016】尚上記繊維構造物が熱可塑性であることの
利点として、電子機器用筺体の廃棄に際し、加熱するこ
とによって金属層と樹脂層を容易に分離することがで
き、このとき前記アンカー効果によって接着層(繊維構
造物)が樹脂層側に移行するので、リサイクル処理が簡
便に行えるという点が挙げられる。尚このリサイクル容
易性の観点から、前記樹脂層の素材と前記繊維構造物の
素材として化学的類似構造を有するものを選択すること
が望まれる。
【0017】また本発明において、前記繊維構造物が不
織布であることが好ましく、更に該不織布が目付10〜
300g/m2で、単繊維径5〜30デニールであることが
好ましい。
【0018】単繊維径5〜30デニールの範囲で目付が
10g/m2未満では非接着部分の占める割合が多くなり、
金属層と樹脂層の接着強度が不十分となって剥離の恐れ
があり、一方300g/m2超では接着ポイントの占める割
合が多くなり、ソリを生じる恐れが出てくる。より好ま
しくは目付15g/m2以上、200g/m2以下である。
【0019】また本発明においては、前記繊維構造物が
金属繊維を含有することが好ましい。
【0020】例えば樹脂層として炭素繊維等を含有する
導電性樹脂を用いる場合においては、上記金属繊維含有
の繊維構造物を用いることにより、上記金属層と上記樹
脂層の導電性を高めるので、電磁波遮蔽層が厚くなって
(金属層の厚さ+樹脂層の厚さ)、電磁波や磁気の遮蔽
が一層良好に行われる。
【0021】上記金属繊維としては、銅繊維,ステンレ
ス鋼繊維等が挙げられ、該繊維は短繊維、長繊維のいず
れであっても良い。
【0022】或いは本発明に係る電子機器用筺体は、金
属層と樹脂層が接合されてなる電子機器用筺体であっ
て、前記金属層が耐力30〜50N/mm2、破断伸び15
%以上であることを要旨とする(第2の発明)。
【0023】この様な金属層を採用することにより、樹
脂層の収縮或いは膨張に上記金属層が追従して伸縮する
から反りを生じ難い。
【0024】上記耐力が30N/mm2未満の場合は、上記
金属層による電子機器用筺体の強度向上が不十分とな
り、また筺体製造加工時の操作性が著しく低下する。一
方筺体に一般的に用いられている樹脂が固化する際に生
じる収縮(或いは膨張)力を鑑みると、上記金属層の耐
力が50N/mm2超の場合は、上記一般的使用樹脂の収縮
(膨張)力よりも大きくなるから、樹脂層の収縮(膨
張)に金属層が追従せずに反りを生じる恐れがある。従
って上述の様に耐力を30〜50N/mm2とする。好まし
くは45N/mm2以下である。尚上記耐力はJIS Z
2241により求められる。
【0025】また上記破断伸びが15%未満の場合は、
樹脂層の収縮量(或いは膨張量)に金属層が追従しきれ
ず、反りを生じる恐れがある。従って上述の様に破断伸
び15%以上とする。好ましくは20%以上、より好ま
しくは35%以上であり、上限としては60%以下であ
ることが好ましい。尚上記破断伸びはJIS Z 22
41により求められる。
【0026】更に本第2の発明においては、前記金属層
と前記樹脂層が、接着剤層を介して接合されたものであ
ることが好ましい。金属層と樹脂層の剥離の恐れが低減
するからである。
【0027】加えて本発明においては、金属層と樹脂層
が熱可塑性樹脂製繊維構造物を介して接合され、且つ前
記金属層が耐力30〜50N/mm2、破断伸び15%以上
であることが好ましい。即ち前記第1の発明と前記第2
の発明を組み合わせたものであることが好ましい。
【0028】前述の様に繊維構造物における繊維−繊維
間の隙間が非接着部として残り、繊維骨格内の網目構造
体が変形能を残すことになるから、金属層と樹脂層の熱
収縮(膨張)差を緩衝・吸収して反りが起き難くなる
上、前述の様に樹脂層の収縮(膨張)に上記金属層が追
従するから極めて反りを生じ難い。
【0029】更に本発明においては、前記樹脂層が、ポ
リアミド,ポリカーボネート,アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂,ポリスチレン,ポリエステル
(例えばポリエチレンテレフタレート),スチレン−ア
クリロニトリル樹脂,スチレン−ブタジエン−スチレン
樹脂よりなる群から選択される1種以上のものであるこ
とが好ましい。
【0030】尚上記2種以上を選択する場合としては、
例えばポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエン
スチレン樹脂のアロイ等が挙げられる。
【0031】また本発明においては、前記樹脂層が繊維
強化樹脂からなることが好ましい。樹脂層の強度が向上
するからである。使用する繊維としては特に限定される
ものではないが、炭素繊維やガラス繊維,金属繊維等が
挙げられる。特に炭素繊維や金属繊維を用いた場合は電
磁波シールド性が向上するのでより好ましい。
【0032】加えて本発明においては、前記金属層が肉
厚0.01〜1mmであることが好ましく、更に該金属層
がアルミニウム或いはアルミニウム合金板であることが
好ましい。
【0033】また本発明においては、前記樹脂層を筺体
の外側表面に配し、前記金属層を筺体の内側面に配する
ものと、或いは前記金属層を筺体の外側表面に配し、前
記樹脂層を筺体の内側面に配するものとのいずれでも良
いが、前者の場合は内側に配した金属層にヒートパイプ
等を接続することによって、放熱性が向上し、また金属
層にアースを接続することによって、電磁波シールド性
・磁気シールド性が向上する。一方後者の場合は、金属
外観を享受したり、或いはエッチング等して意匠上の自
由度を楽しむことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係る電子機器用筺体の製
造方法の一例としては、インモールド成形法が代表例と
して挙げられる。
【0035】上記第1の発明(熱可塑性樹脂性繊維構造
物を金属層と樹脂層の間に設けた電子機器用筺体)の場
合は、例えば金属層における樹脂層との接合面に、不織
布等の熱可塑性樹脂製繊維構造物を積層配置し、そのま
ま或いは予め該熱可塑性樹脂製繊維構造物を加熱して金
属層に融着した後、これを金型内に配し、樹脂層構成材
料を例えば射出成形により供給して一体成形する。
【0036】前者の様に単に積層配置する(予め加熱融
着しない)場合であっても、射出注入された溶融樹脂の
熱によって上記繊維構造物が軟化して金属層や樹脂層と
接着する。また前者(単に積層配置する場合),後者
(予め金属層に融着する場合)のいずれも、注入樹脂が
上記繊維構造物内の空隙に侵入して固化することにより
アンカー効果を発揮し、樹脂層と繊維構造物が強く結合
する。
【0037】この成形体(電子機器用筺体)は金属層と
樹脂層が上記繊維構造物を介して接着されているから、
前述の様に該繊維構造物が金属層と樹脂層の伸縮の違い
を緩衝し、よってソリを生じる恐れが少なく、また上記
繊維構造物が接着剤として作用するから金属層と樹脂層
がしっかりと接着され剥離の恐れが少ない。
【0038】また上記第2の発明(所定の耐力及び破断
伸びを示す金属層を用いた電子機器用筺体)の場合の製
造方法は、金属層(好ましくは樹脂層との接合面に接着
剤層を設ける)を金型に配置し、次いで樹脂層構成材料
を例えば射出成形により供給して一体成形する。
【0039】この第2の発明においては、たとえ接着剤
等で金属層と樹脂層を強固に固定しても、反りを生じる
ことがない。
【0040】
【実施例】<実施例1(第1の発明例)>図1は本発明
の実施例1に係る電子機器用筺体を示す斜視図であり、
筺体の内側から見た図である。図2は該電子機器用筺体
の一部断面図である。
【0041】筺体内側にはアルミニウム板(金属層)1
1が配され、外側には樹脂層12が配されており、これ
らアルミニウム板11と樹脂層12はナイロン製不織布
(熱可塑性樹脂製繊維構造物)13を介して接着してい
る。アルミニウム板11表面には樹脂注入部14が表れ
ており、射出成形の際にアルミニウム板11の貫通孔1
6(樹脂注入部14)から樹脂が注入される。また図
中、15はボス、17は金型(図示せず)の樹脂注入孔
である。
【0042】次にこの実施例1の電子機器用筺体の製造
方法について述べる。
【0043】ナイロン製不織布13(単繊維径10デニ
ール,目付60g/m2)をアルミニウム板(肉厚0.2mm)
11における樹脂層との接合側面に配置し、180℃に
加熱して上記ナイロン製不織布13を上記アルミニウム
板11に接着する。
【0044】この不織布13付きのアルミニウム板11
を筺体天井面(或いは底面)面積の30〜100%の大
きさになる様に所定形状に裁断する。次いで機械加工に
より樹脂注入孔17位置に貫通孔16を設け、また立ち
壁やリブ等の形状に合わせるべくプレス加工で成形す
る。
【0045】次いでこの不織布13付きアルミニウム板
11を、金型の筺体内側の位置に固定する。尚固定方法
としては機械的方法や吸引装置による方法、或いはこれ
らを合わせた方法等が挙げられる。
【0046】射出成形法により樹脂注入孔17から金型
内にナイロン系樹脂(200〜300℃)を注入し、筺体を成
形した後、金型から筺体を取り出す。
【0047】<実施例2(第1の発明例)>図4は本発
明の実施例2に係る電子機器用筺体を示す断面図であ
り、図2と同じ構成部分については同一の符号を付して
重複説明を避ける。
【0048】この筺体においてはアルミニウム板(金属
層)11が立ち壁の一部にまで設けられているから、筺
体(成形体)全体の剛性がより高くなる。
【0049】<実施例3(第1の発明例)>図3は電子
機器用筺体の外面に金属層を配した例を示す一部断面図
である。尚図2と同じ構成部分については同一の符号を
付して重複説明を避ける。
【0050】該電子機器用筺体の成形に際しては、射出
成形の際の樹脂注入孔17が樹脂層12側であるから、
アルミニウム板(金属層)11に貫通孔を設ける必要が
ない。
【0051】<実施例4(第2の発明例)>図5は本発
明の実施例4に係る電子機器用筺体を示す断面図であ
り、図2と同じ構成部分については同一の符号を付して
重複説明を避ける。
【0052】肉厚0.2mmのアルミニウム板に熱処理(340
℃,2時間)を施して耐力30N/mm 2、破断伸び40%
となる様に調整する。このアルミニウム板の樹脂層接合
面に、加熱溶融したナイロン系接着剤の層を均一に形成
する(接着剤層23−アルミニウム板11)。
【0053】この接着剤層23−アルミニウム板11
を、電子機器用筺体の天井面(或いは底面)寸法とほぼ
同じ大きさに裁断し、また金型の樹脂注入孔17に相当
する箇所に機械加工により貫通孔16を設ける等して所
定形状とする。
【0054】次いでこの所定形状にした接着剤層23−
アルミニウム板11を、金型のコア側にセットし、溶融
した炭素長繊維強化ナイロン樹脂組成物(樹脂層12)
を貫通孔16から注入する様にして成形を行う。このと
き、一旦冷却硬化していた前記接着剤層23が前記溶融
樹脂組成物の熱により溶融し、アルミニウム板11と樹
脂層12を接着する様に作用する。尚射出成形条件は、
樹脂温度280℃、金型温度80℃、射出時間1秒である。
【0055】この様にしてアルミニウム板11と樹脂層
12が接合された電子機器用筺体が得られる。この筺体
の反り量は最大で0.5mmであった。
【0056】<実施例5,6(第2の発明例)、比較例
1>金属層として下記表1に示す金属を用い、加熱溶融
したナイロン系接着剤を上記金属に均一に塗布し、該接
着剤塗布面を樹脂層側として金型にセットし、溶融した
炭素長繊維強化ナイロン樹脂組成物(樹脂層)を金型内
に注入して成形を行い、A4サイズノートパソコン用カバ
ーを得る。このとき上記塗布した接着剤層が前記溶融樹
脂組成物の熱により溶融し、上記金属層と樹脂層を接着
する。
【0057】これら実施例5,6及び比較例1に関し、
得られた成形品の反り量の最大値を表1に併せて示す。
尚耐力は、引張試験(JIS Z 2241)を行って
0.2%伸びたときの応力とする。また破断伸びは、板
厚1/16インチのものを用いて引張試験(JIS Z 2
241)を行い、この最大の伸び量とする。反り量は、
得られた成形品を表面がフラットな定盤の上に置き、間
隔ゲージで浮き上がっている量を測定し、これを反り量
とする。
【0058】
【表1】
【0059】表1から分かる様に、比較例1は反り量が
8.0mmと大きく、製品として不適切なものである。これ
に対し実施例5,6は反り量が0.5mm,1.5mmと小さく、
製品として十分良好なものである。上記実施例5,6は
上記インモールド成形時の樹脂層の収縮に追従して金属
層が変形(収縮)したから、反りがあまり発生しなかっ
たものと考えられる。
【0060】尚上記表1から分かる様に、JIS質別記
号Oで規定される金属が本第2の発明の金属層として好
適に用いられる。このJIS質別記号Oで規定される金
属は、焼き鈍しによって得られる一番柔らかい調質のも
のである。
【0061】また金属層としてアルミニウム(或いはア
ルミニウム合金)を用いる場合は、千番系(例えば合金
番号1080,1070,1050,1100,1200,1N00)のアルミニウム
合金や純アルミニウムを用いることがより好ましい。こ
の千番系のアルミニウムは熱伝導率が高いので、電子機
器用筺体内の集積回路から発生する熱を効率良く放熱で
きるからである。
【0062】以上の様に本発明に係る電子機器用筺体に
関して具体的に説明したが、本発明はもとより上記例に
限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で
適当に変更を加えて実施することも可能であり、それら
はいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0063】例えば前記実施例では金属層としてアルミ
ニウム板を用いたが、これに限るものではなく、様々な
金属板を用いることができる。尚、アルミニウム板やア
ルミニウム合金板は軽量高強度で加工し易いという利点
を有するから、電子機器用筺体に用いる金属層として好
適である。
【0064】
【発明の効果】以上の様に本発明に係る電子機器用筺体
は、反りを生じ難いという効果を有する。
【0065】更に本第1の発明(熱可塑性樹脂性繊維構
造物を金属層と樹脂層の間に設けた電子機器用筺体)に
あっては、前記繊維構造物が接着剤として作用し、金属
層と樹脂層が容易に剥離することがない。また廃棄処分
する場合は、加熱することによって金属層と樹脂層及び
繊維構造物とを容易に分離することができ、リサイクル
処理を簡便に行うことができる。
【0066】また本第2の発明(所定の耐力及び破断伸
びを示す金属層を用いた電子機器用筺体)においても、
樹脂層と金属層の収縮差に起因する力が吸収されて剥離
力として働かないから、金属層と樹脂層が剥離する恐れ
が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る電子機器用筺体を示す
斜視図。
【図2】図1に示す電子機器用筺体の一部断面図。
【図3】本発明の実施例3に係る電子機器用筺体を示す
一部断面図。
【図4】本発明の実施例2に係る電子機器用筺体を示す
断面図。
【図5】本発明の実施例4に係る電子機器用筺体を示す
断面図。
【符号の説明】
11 アルミニウム板 12 樹脂層 13 不織布 14 樹脂注入部 15 ボス 16 貫通孔 17 樹脂注入孔 23 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高良 圭 神戸市中央区御幸通6丁目1番12号 株式 会社神戸製鋼所内 Fターム(参考) 4E360 GA12 GC02 GC08 4F100 AB01A AB01B AB31A AK01B AK01C AK12C AK12J AK25C AK27J AK29C AK29J AK41C AK43C AK46C AK48 AK74C AL01C BA03 BA07 BA10A BA10C CB00 DG01B DG15B DH02C GB41 JB16B JK01A JK06 JK08A JL04 JL11 YY00A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属層と樹脂層が、熱可塑性樹脂製繊維
    構造物を介して接合されていることを特徴とする電子機
    器用筺体。
  2. 【請求項2】 前記繊維構造物が不織布である請求項1
    に記載の電子機器用筺体。
  3. 【請求項3】 前記不織布は、目付が10〜300g/m2
    で、単繊維径が5〜30デニールである請求項2に記載
    の電子機器用筺体。
  4. 【請求項4】 前記繊維構造物が、金属繊維を含有する
    請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器用筺体。
  5. 【請求項5】 前記繊維構造物の素材と前記樹脂層の素
    材が化学的類似構造を有するものによって構成されたも
    のである請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器用筺
    体。
  6. 【請求項6】 前記金属層が、耐力30〜50N/mm2
    破断伸び15%以上である請求項1〜5のいずれかに記
    載の電子機器用筺体。
  7. 【請求項7】 金属層と樹脂層が接合されてなる電子機
    器用筺体において、前記金属層が、耐力30〜50N/mm
    2、破断伸び15%以上であることを特徴とする電子機
    器用筺体。
  8. 【請求項8】 前記金属層と前記樹脂層が、接着剤層を
    介して接合されたものである請求項7に記載の電子機器
    用筺体。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層は、ポリアミド,ポリカーボ
    ネート,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹
    脂,ポリスチレン,ポリエステル,スチレン−アクリロ
    ニトリル樹脂,スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂よ
    りなる群から選択される1種以上によって構成されたも
    のである請求項1〜8のいずれかに記載の電子機器用筺
    体。
  10. 【請求項10】 前記樹脂層が、繊維強化樹脂からなる
    請求項1〜9のいずれかに記載の電子機器用筺体。
  11. 【請求項11】 前記金属層が、肉厚0.01〜1mmの
    アルミニウム或いはアルミニウム合金板である請求項1
    〜10のいずれかに記載の電子機器用筺体。
  12. 【請求項12】 前記樹脂層を筺体の外側表面に配し、
    前記金属層を筺体の内側面に配したものである請求項1
    〜11のいずれかに記載の電子機器用筺体。
  13. 【請求項13】 前記金属層を筺体の外側表面に配し、
    前記樹脂層を筺体の内側面に配したものである請求項1
    〜11のいずれかに記載の電子機器用筺体。
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