JPH0944818A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JPH0944818A
JPH0944818A JP18930895A JP18930895A JPH0944818A JP H0944818 A JPH0944818 A JP H0944818A JP 18930895 A JP18930895 A JP 18930895A JP 18930895 A JP18930895 A JP 18930895A JP H0944818 A JPH0944818 A JP H0944818A
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JP
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magnetoresistive effect
layer
film
magnetic
head
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Withdrawn
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JP18930895A
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English (en)
Inventor
Takuji Shibata
拓二 柴田
Akio Takada
昭夫 高田
Tadayuki Honda
忠行 本田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果膜の磁気的安定性に優れてお
り、且つ高い再生出力を得ることができる磁気抵抗効果
型の薄膜磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 本発明の薄膜磁気ヘッドは、軟磁性膜等
からなる磁気抵抗効果安定化層11と、非磁性絶縁層1
2と、上記磁気抵抗効果安定化層11よりもトラック幅
方向の幅が狭く形成された磁気抵抗効果層13とが積層
された磁気抵抗効果素子3を備えるとともに、上記磁気
抵抗効果素子3の側面に配された非磁性絶縁層4と、上
記磁気抵抗効果素子3の上面の両端部において、それぞ
れ上記磁気抵抗効果層13と接続された一対の電極とを
備えており、上記磁気抵抗効果層13の磁気抵抗効果に
よって再生信号を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置等に好適な、磁気抵抗効果によって再生信号を検出す
る磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置等のような磁気記録
装置においては、大容量化を図るために、更なる高密度
記録が求められている。そこで、近年、高密度記録を進
めるために、挟トラック化に適した磁気ヘッドである磁
気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド(以下、「MRヘッド」と
いう。)が採用されるようになってきている。
【0003】MRヘッドは、基本的には、図28に示す
ように、磁界の大きさによって抵抗率が変化する磁気抵
抗効果膜101の両端に電極102が取り付けられて構
成される。そして、この磁気抵抗効果膜101に対して
両端の電極102からセンス電流を供給することによ
り、磁気記録媒体からの信号磁界による磁気抵抗効果膜
101の抵抗変化が検出され、この抵抗変化に基づいて
再生出力が得られる。このようなMRヘッドは、再生出
力が媒体速度に依存せず、媒体速度が遅くても高再生出
力が得られるという特徴を有している。
【0004】ところで、磁気抵抗効果膜は一般に磁気的
に不安定であり、磁気抵抗効果膜に磁壁が存在している
と、外部磁界によって磁気抵抗効果膜内の磁壁が移動し
てしまうことがある。そのため、MRヘッドでは、磁気
抵抗効果膜の磁壁の移動に起因して、バルクハウゼンノ
イズが生じてしまうという問題がある。そこで、MRヘ
ッドでは、磁気抵抗効果膜の磁気的安定性を確保して、
バルクハウゼンノイズを低減することが大きな課題とな
っている。
【0005】そこで、磁気抵抗効果膜の磁気的安定性を
確保するために、磁気抵抗効果膜を2層構造にした、い
わゆる2層型MRヘッドが開発されている。この2層型
MRヘッドは、例えば、図28のG−G線における断面
図である図29に示すように、第1の磁気抵抗効果膜1
03と、非磁性絶縁膜104と、第2の磁気抵抗効果膜
105とを積層して2層型磁気抵抗効果素子106を構
成し、この2層型磁気抵抗効果素子106の両端を覆う
ように電極102を取り付けて構成される。このように
磁気抵抗効果膜が2層構造とされた2層型MRヘッドで
は、第1の磁気抵抗効果膜103及び第2の磁気抵抗効
果膜105に供給されるセンス電流によるセルフバイア
ス効果により、第1の磁気抵抗効果膜103と第2の磁
気抵抗効果膜105との間に静磁結合作用が生じる。そ
の結果、第1の磁気抵抗効果膜103及び第2の磁気抵
抗効果膜105が磁気的に安定なものとなり、バルクハ
ウゼンノイズが低減されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように磁
気抵抗効果膜を2層構造としても、磁気抵抗効果膜のう
ち電極が取り付けられた部分、すなわち磁気抵抗効果膜
の感磁部以外の部分には、セルフバイアス効果が働かな
い。すなわち、磁気抵抗効果膜のうち、センス電流を流
すために取り付けられた電極の下にある部分に対して
は、セルフバイアス効果を与えることができず、この部
分は磁壁が生じやすくなってしまう。したがって、2層
型磁気抵抗効果素子を用いても、電極が取り付けられて
セルフバイアス効果が得られない部分が原因となって、
バルクハウゼンノイズが生じる恐れがある。したがっ
て、MRヘッドでは、電極が取り付けた部分も含めて磁
気抵抗効果膜に磁壁が生じないようにして、バルクハウ
ゼンノイズを低減することが大きな課題となっている。
【0007】また、MRヘッドには、再生出力の向上が
望まれている。ここで、磁気抵抗効果膜に供給されるセ
ンス電流量をIs、磁気記録媒体からの磁界に強さによ
って変化する磁気抵抗効果膜の比抵抗の変化量をΔρ、
磁気抵抗効果膜の感磁部の長さをL、磁気抵抗効果膜の
感磁部の断面積をSとすると、その再生出力は、Is×
Δρ×L/Sで表される。したがって、MRヘッドの再
生出力を高くするには、磁気抵抗効果膜を薄膜化して磁
気抵抗効果膜の感磁部の断面積Sを小さくし、磁気抵抗
効果膜に供給されるセンス電流の電流密度を高くすれば
よい。
【0008】ただし、磁気抵抗効果膜を薄膜化しすぎる
と、磁気抵抗効果膜の比抵抗が大幅に増大してしまう。
そして、このような比抵抗の増大は、磁気抵抗効果膜の
インピーダンスの増加を意味し、MRヘッドの特性の劣
化を招いてしまう。ここで、磁気抵抗効果膜の比抵抗の
増大は、特に膜厚が約20nm以下の領域において顕著
である。また、磁気抵抗効果膜を薄膜化しすぎると、磁
気抵抗効果膜の磁気的特性が不安定になる恐れもある。
そこで、MRヘッドに使用される磁気抵抗効果膜の膜厚
は、約20nm以上とすることが好ましい。
【0009】しかし、上述したような2層型MRヘッド
では、磁気抵抗効果膜が2層となるため、再生出力に寄
与する磁気抵抗効果膜の合計の膜厚が、磁気抵抗効果膜
が1層のときに比べて、約2倍になってしまう。したが
って、従来の2層型MRヘッドでは、高い再生出力を得
ることが困難になっている。
【0010】すなわち、従来の2層型MRヘッドにおい
て、例えば、各磁気抵抗効果膜の膜厚を20nmとした
場合、磁気抵抗効果膜の合計の膜厚は40nmとなって
感磁部の断面積Sが大きくなってしまうため、センス電
流の電流密度が低くなり、再生出力が低下してしまう。
一方、感磁部の断面積Sを小さくするために、例えば、
各磁気抵抗効果膜の膜厚を10nmとした場合、磁気抵
抗効果膜の合計の膜厚は20nmとなって感磁部の断面
積Sは小さくなるが、上述したように、磁気抵抗効果膜
のインピーダンスが増加してしまうとともに、磁気抵抗
効果膜の磁気的特性が不安定になってしまう。
【0011】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、磁気抵抗効果膜を用いた
磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドについて、磁気抵抗効
果膜の磁気的安定性を向上して再生出力をより安定なも
のとするとともに、その再生出力を向上すること目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、軟磁性
膜を含む磁気抵抗効果安定化層と、非磁性絶縁層と、上
記磁気抵抗効果安定化層よりもトラック幅方向の幅が狭
く形成された磁気抵抗効果膜を含む磁気抵抗効果層とが
積層された磁気抵抗効果素子とを備えるとともに、上記
磁気抵抗効果素子の側面に配された非磁性絶縁層と、上
記磁気抵抗効果素子の上面の両端部において、それぞれ
上記磁気抵抗効果層と接続された一対の電極とを備え、
上記磁気抵抗効果層の磁気抵抗効果によって再生信号を
検出することを特徴とするものである。
【0013】このような本発明に係る薄膜磁気ヘッドで
は、磁気抵抗効果安定化層と磁気抵抗効果層との間で静
磁結合作用が生じ、これにより、感磁部である磁気抵抗
効果層の磁気的安定性が高まる。しかも、この薄膜磁気
ヘッドに用いられる磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果
安定化層の幅が磁気抵抗効果層の幅よりも広いため、磁
気抵抗効果安定化層と磁気抵抗効果層との間での静磁結
合作用が非常に強いものとなる。
【0014】また、この薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵抗
効果層にだけ電極が接続されており、この磁気抵抗効果
層だけが感磁部として作用する。したがって、この薄膜
磁気ヘッドでは、再生出力に寄与する磁気抵抗効果層の
厚さを、従来の2層型MRヘッドに比べて、大幅に薄く
することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、形状、材質等を
任意に変更することが可能であることは言うまでもな
い。
【0016】第1の実施の形態 本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果安
定化層を有する磁気抵抗効果素子を備えたMRヘッドで
あり、図1に示すように、下層シールド1と、下層シー
ルド1上に形成された下部ギャップ層2と、下部ギャッ
プ層2上に形成された磁気抵抗効果素子3及び非磁性絶
縁層4と、磁気抵抗効果素子3上の先端部3a及び後端
部3b以外の部分に形成された保護層5と、磁気抵抗効
果素子3と後端部3bにおいて接続するように、磁気抵
抗効果素子3の後端部3b上から非磁性絶縁層4上にわ
たって形成されたセンス電流用導体層6と、磁気抵抗効
果素子3及びセンス電流用導体層6上に形成された非磁
性絶縁層7と、磁気抵抗効果素子3の上部を横切るよう
に非磁性絶縁層7内に形成されたバイアス電流用導体層
8と、磁気抵抗効果素子3と先端部3aにおいて接続す
るように、磁気抵抗効果素子3の先端部3a上から非磁
性絶縁層7上にわたって形成された上部ギャップ層9
と、上部ギャップ層9上に形成された上層シールド10
とから構成される。
【0017】上記MRヘッドにおいて、下層シールド1
と上層シールド10は磁性材料からなり、下部ギャップ
層2は非磁性絶縁材料からなり、上部ギャップ層9は電
気的に良導体である非磁性材料からなる。そして、下層
シールド1、上層シールド10、下部ギャップ層2及び
上部ギャップ層9は、磁気記録媒体からの信号磁界のう
ち、再生対象外の磁界が磁気抵抗効果素子3に引き込ま
れないように機能する。すなわち、下層シールド1及び
上層シールド10が、磁気抵抗効果素子3の上下に下部
ギャップ層2及び上部ギャップ層9を介して配されてい
るため、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再生対象
以外の磁界は下層シールド1及び上層シールド10に導
かれ、再生対象の磁界だけが磁気抵抗効果素子3に引き
込まれる。
【0018】一方、センス電流用導体層6及び上部ギャ
ップ層9は、磁気抵抗効果素子3の両端にそれぞれ接続
された一対の電極となり、磁気抵抗効果素子3にセンス
電流を供給するように機能する。すなわち、磁気抵抗効
果素子3は、後端部3bにおいてセンス電流用導体層6
と電気的に接続されており、先端部3aにおいて上部ギ
ャップ層9と電気的に接続されている。そして、磁気記
録媒体から信号磁界を検出する際に、これらを介して磁
気抵抗効果素子3にセンス電流が供給される。ここで、
磁気抵抗効果素子3は、後述するように、磁気抵抗効果
安定化層と、非磁性絶縁層と、磁気抵抗効果層とが積層
されてなり、センス電流は磁気抵抗効果層にだけ供給さ
れる。
【0019】また、磁気抵抗効果素子3上を横切るよう
に非磁性絶縁層7内に形成されたバイアス電流用導体層
8は、磁気抵抗効果素子3にバイアス磁界を印加するた
めものである。すなわち、磁気記録媒体から信号磁界を
検出する際に、このバイアス電流用導体層8に電流を流
すことにより、より高い磁気抵抗効果が得られるよう
に、磁気抵抗効果素子3にバイアス磁界が印加される。
【0020】このようなMRヘッドを図1中矢印Aで示
すように媒体摺動面側から見た図を図2に示す。この図
2に示すように、磁気抵抗効果素子3は、磁気抵抗効果
安定化層11と、非磁性絶縁層12と、磁気抵抗効果層
13とが積層されてなる。ここで、磁気抵抗効果安定化
層11のトラック幅方向の幅t1は、磁気抵抗効果層1
3のトラック幅方向の幅t2よりも広く形成される。そ
して、磁気抵抗効果層13は、上述したように、センス
電流が供給されて、磁気記録媒体からの信号を検出する
感磁部として機能する。一方、磁気抵抗効果安定化層1
1は、磁気抵抗効果層13と静磁結合し、磁気抵抗効果
層13の磁気的安定性の向上に寄与する。
【0021】上記非磁性絶縁層12は、磁気抵抗効果安
定化層11と磁気抵抗効果層13との絶縁を図るための
ものであり、Al23等のような電気的に絶縁性を有す
る非磁性材料からなるものであればよい。この非磁性絶
縁層12の膜厚は、挟ギャップ化を図るためにはより薄
い方が好ましいが、磁気抵抗効果安定化層11と磁気抵
抗効果層13との絶縁を保つ必要があるため、例えば、
Al23を用いるときには約10nm以上の膜厚とする
必要がある。なお、この非磁性絶縁層12は、磁気抵抗
効果安定化層11と磁気抵抗効果層13との絶縁を図る
ためのものであるので、この非磁性絶縁層12のトラッ
ク幅方向の幅は、磁気抵抗効果層13のトラック幅方向
の幅t2以上となっていればよい。すなわち、この非磁
性絶縁層12のトラック幅方向の幅は、例えば、図2に
示したように、磁気抵抗効果安定化層11のトラック幅
方向の幅t1と同じ幅としてもよいし、あるいは、図3
に示すように、磁気抵抗効果層13のトラック幅方向の
幅t2と同じ幅としてもよい。
【0022】このような非磁性絶縁層12の上層に配さ
れる磁気抵抗効果層13は、磁気抵抗効果を有する磁性
膜、すなわち磁気抵抗効果膜を含んでいればよく、例え
ば、NiFe等からなる磁気抵抗効果膜だけからなるも
のであっても、あるいは、Ta等からなる下地膜上にN
iFe等からなる磁気抵抗効果膜が成膜されたものであ
ってもよい。ここで、Ta等からなる下地膜上にNiF
e等からなる磁気抵抗効果膜を成膜した場合には、磁気
抵抗効果膜を(111)配向させることができ、これに
より磁気抵抗効果膜の比抵抗を下げることができる。そ
して、磁気抵抗効果膜の比抵抗の低下は、上述したよう
に磁気抵抗効果膜のインピーダンスの低下となるため、
このように下地膜を設けることによってMRヘッドの再
生出力を向上することができる。
【0023】一方、非磁性絶縁層12の下層に配される
磁気抵抗効果安定化層11は、磁気抵抗効果層13の磁
気的安定性を向上させるために配される層であり、上述
したように、この磁気抵抗効果安定化層11のトラック
幅方向の幅t1は、磁気抵抗効果層13のトラック幅方
向の幅t2よりも広く形成される。この磁気抵抗効果安
定化層11は、磁気抵抗効果層13と静磁結合作用が生
じるものであればよく、磁気抵抗効果層13と同じよう
な構成としてもよいし、あるいは、磁気抵抗効果層13
とは異なる構成としてもよい。ここで、磁気抵抗効果安
定化層11の材料としては、例えば、NiFe、NiF
e−X(ここでXはTa,Cr,Nb等である。)等の
軟磁性材料、あるいは、Co−Zr−Pa−Mo又はC
o−Nb−Mo系等のアモルファス合金等の軟磁性材料
が挙げられる。
【0024】以上のような磁気抵抗効果素子3の両側面
には、図2又は図3に示すように、非磁性絶縁層4が配
されており、磁気抵抗効果素子3は、この非磁性絶縁層
4に埋め込まれたような状態となっている。ここで、非
磁性絶縁層4は、媒体摺動面に露出するため、摺動特性
に優れた材料からなることが好ましく、例えば、Al2
3、SiO2、SiNx(Si34等)のような材料が
好適である。
【0025】そして、この磁気抵抗効果素子3の上面の
両端部において、磁気抵抗効果層13と電極とが接続さ
れている。すなわち、磁気抵抗効果素子3の先端部3a
において、磁気抵抗効果層13の上面と上部ギャップ層
9とが電気的に接続されるとともに、磁気抵抗効果素子
3の後端部3bにおいて、磁気抵抗効果層13の上面と
センス電流用導体層6とが電気的に接続されている。こ
こで、磁気抵抗効果安定化層11は、側面及び上面が非
磁性絶縁層4及び非磁性絶縁層12によって絶縁されて
いるので、センス電流が流れるようなことはない。
【0026】そして、このような磁気抵抗効果素子3で
は、磁気抵抗効果層13と磁気抵抗効果安定化層11と
の間に静磁結合作用が生じるので、磁気抵抗効果層13
の磁気的安定性が高まり、バルクハウゼンノイズが低減
される。特に、この磁気抵抗効果素子3では、磁気抵抗
効果層13の両端部よりも外側に位置する部分にまで磁
気抵抗効果安定化層11が存在しているので、図4に示
すように、磁気抵抗効果安定化層11と磁気抵抗効果層
13との間の静磁結合がより確実なものとなっている。
【0027】さらに、この磁気抵抗効果素子3では、磁
気抵抗効果層13だけにセンス電流が供給され、この磁
気抵抗効果層13だけが感磁部として作用する。したが
って、この磁気抵抗効果素子3において、再生出力に寄
与する部分の厚さは、磁気抵抗効果層13の厚さだけと
なる。そのため、このような磁気抵抗効果素子3を用い
た本実施の形態に係るMRヘッドでは、再生出力に寄与
する部分の厚さを、従来の2層型MRヘッドに比べて半
減することができる。そして、再生出力に寄与する磁気
抵抗効果層13の厚さを薄くすることにより、センス電
流の電流密度を上げることができるので、このMRヘッ
ドでは高い再生出力を得ることが可能である。
【0028】ところで、このような磁気抵抗効果素子3
において、磁気抵抗効果安定化層11と磁気抵抗効果層
13との間の静磁結合作用の強さは、磁気抵抗効果安定
化層11の磁気的エネルギーや、磁気抵抗効果安定化層
11と磁気抵抗効果層13との間の距離等によって定ま
る。そして、磁気抵抗効果安定化層11の磁気的エネル
ギーは、磁気抵抗効果安定化層11の膜厚や飽和磁化量
等によって制御することができ、磁気抵抗効果安定化層
11と磁気抵抗効果層13との間の距離は、非磁性絶縁
層12の厚みによって制御することができる。したがっ
て、この磁気抵抗効果素子3では、磁気抵抗効果安定化
層11と磁気抵抗効果層13との間の静磁結合作用の強
さを容易に制御することができる。そして、この磁気抵
抗効果素子3では、磁気抵抗効果安定化層11の膜厚や
飽和磁化量等や、非磁性絶縁層12の厚み等を制御する
ことにより、磁気抵抗効果安定化層11と磁気抵抗効果
層13との間の静磁結合作用の強さを制御できるので、
この静磁結合作用の強さに依存している磁気抵抗効果素
子3の感度ΔV/H、すなわち、外部磁界の強さHに対
する磁気抵抗効果層13の両端に接続される電極間の電
圧変化ΔVを、容易に制御することができる。
【0029】つぎに、以上のようなMRヘッドの製造方
法の一例について詳細に説明する。
【0030】上記MRヘッドを製造する際は、先ず、図
5に示すように、下層シールド41上に、Al23等の
ような非磁性絶縁体からなる下部ギャップ層42を形成
する。ここで、下部ギャップ層42は、後工程で形成す
る磁気抵抗効果素子の下部を電気的に絶縁するととも
に、磁気抵抗効果素子の下部に磁気的ギャップを形成す
るものである。
【0031】次に、図6に示すように、下部ギャップ層
42上に、軟磁性膜を含む磁気抵抗効果安定化層43a
と、非磁性絶縁層43bとを形成する。
【0032】次に、磁気抵抗効果安定化層43a及び非
磁性絶縁層43bを所定の形状とするために、図7に示
すように、非磁性絶縁層43b上に所定の形状にパター
ニングされたフォトレジスト44を形成した後、図8に
示すように、磁気抵抗効果安定化層43a及び非磁性絶
縁層43bをエッチングする。ここで、磁気抵抗効果安
定化層43a及び非磁性絶縁層43bのトラック幅方向
の幅は、後工程で形成する磁気抵抗効果層の幅よりも広
く形成する。
【0033】次に、図9に示すように、全面に磁気抵抗
効果層43cを形成するとともに、この磁気抵抗効果層
43c上にAl23等からなる保護層45を形成する。
【0034】次に、磁気抵抗効果層43c及び保護層4
5を所定の形状とするために、図10に示すように、保
護層45上に所定の形状にパターニングされたフォトレ
ジスト46を形成した後、図11に示すように、磁気抵
抗効果層43c及び保護層45をエッチングする。ここ
で、磁気抵抗効果層43c及び保護層45は、磁気抵抗
効果層43cのトラック幅方向の幅が、磁気抵抗効果安
定化層43aのトラック幅方向の幅よりも狭くなるよう
に形成する。以上の工程により、下部ギャップ層42上
に、上面に保護層45が形成された所定の形状の磁気抵
抗効果素子43、すなわち、磁気抵抗効果安定化層43
aと、非磁性絶縁層43bと、磁気抵抗効果安定化層4
3aよりもトラック幅方向の幅が狭い磁気抵抗効果層4
3cとが積層されてなる磁気抵抗効果素子43が形成さ
れる。
【0035】次に、図12に示すように、フォトレジス
ト46を残したまま、フォトレジスト46、保護層45
及び磁気抵抗効果素子43を覆うように非磁性絶縁層4
7を形成し、その後、フォトレジスト46をフォトレジ
スト46上に形成された非磁性絶縁層47と共に剥離し
て除去する。そして、フォトレジスト46をフォトレジ
スト46上に形成された非磁性絶縁層47と共に剥離し
て除去した後、非磁性絶縁層47及び保護層45の表面
を研磨して平坦化する。これにより、図13、及び図1
3のA−A線における断面図である図14に示すよう
に、磁気抵抗効果素子43及び保護層45が非磁性絶縁
層47に埋め込まれたような状態となる。
【0036】このようにフォトレジスト46をフォトレ
ジスト46上に形成された非磁性絶縁層47と共に剥離
して除去する、いわゆるリフトオフ法によれば、非常に
容易に、磁気抵抗効果素子43及び保護層44を非磁性
絶縁層47に埋め込まれたような状態とすることができ
る。ただし、このようなリフトオフ法では、フォトレジ
ストを剥離したときに非磁性絶縁層47のエッジの部分
にバリ等が生じて表面粗度が悪くなり、磁気抵抗効果素
子43の磁気特性や絶縁性等に悪影響を及ぼしたり、後
工程で形成される上部ギャップ層や上層シールド等の形
状を悪化させることがある。そこで、フォトレジスト4
6を剥離した後は、上述したように、非磁性絶縁層47
及び保護層45の表面を研磨して表面性を向上させた方
がよい。
【0037】ここで、フォトレジスト46を剥離した
後、非磁性絶縁層47及び保護層45の表面を研磨する
場合には、本工程での研磨量を考慮して、予め保護層4
5の膜厚を厚くしておく必要がある。具体的には、例え
ば、保護層45としてAl23を使用する場合、保護層
45の最終的な膜厚は20nm程度が好適であり、ま
た、本工程での研磨によって表面が充分に平坦となるた
めには50nm程度の研磨が必要である。したがって、
フォトレジスト46を剥離した後、非磁性絶縁層47及
び保護層45の表面を研磨する場合には、例えば、Al
23からなる保護層45を、70nm程度の膜厚で予め
成膜しておき、本工程において50nm程度研磨して表
面を平坦化して、保護層45の最終的な膜厚が20nm
程度となるようにすればよい。
【0038】そして、このように非磁性絶縁層47及び
保護層45の表面を研磨することにより、磁気抵抗効果
素子43の磁気特性や絶縁性等が向上するとともに、後
工程で形成される上層シールド等の形状が理想的なもの
となり、MRヘッドの周波数特性等が向上する。
【0039】次に、図15に示すように、保護層45及
び非磁性絶縁層47上に新たな非磁性絶縁層48を形成
した上で、磁気抵抗効果素子43の後端部43A上の非
磁性絶縁層48及び保護層45をエッチングして、磁気
抵抗効果素子43の後端部43Aが露出するように開口
部49を設ける。
【0040】次に、図16に示すように、磁気抵抗効果
素子43の後端部43A及び非磁性絶縁層48上に、前
工程で形成した開口部49を通じて磁気抵抗効果素子4
3の上面と接続するように、センス電流用導体層50を
形成するととともに、磁気抵抗効果素子43の上部を横
切るように非磁性絶縁層48上にバイアス電流用導体層
51を形成する。そして、これらの上に更に非磁性絶縁
層52を形成する。
【0041】次に、図17に示すように、磁気抵抗効果
素子43の先端部43B上の非磁性絶縁層52、非磁性
絶縁層48及び保護層45をエッチングして、磁気抵抗
効果素子43の先端部43Bが露出するように開口部5
3を設けた上で、磁気抵抗効果素子43の先端部43B
及び非磁性絶縁層52上に、開口部53を通じて磁気抵
抗効果素子43の上面と接続するように、上部ギャップ
層54を形成し、更にその上に上層シールド55を形成
する。
【0042】以上の工程の後、所定の形状に切り出すこ
とによって、磁気抵抗効果安定化層43aを有する磁気
抵抗効果素子43を備えたMRヘッドが完成する。ここ
で、MRヘッドは再生専用の磁気ヘッドであるため、記
録再生用の磁気ヘッドとするために、このMRヘッドの
上又は下に記録用のインダクティブヘッド等を積層して
もよいことは言うまでもない。
【0043】上述したように、以上のような磁気抵抗効
果素子3を用いたMRヘッドは、従来の2層型磁気抵抗
効果素子を用いたMRヘッドに比べて、高い感度が得ら
れる。すなわち、上記磁気抵抗効果素子3の磁気抵抗効
果層13の膜厚と、2層型磁気抵抗効果素子の磁気抵抗
効果膜の1層当たりの膜厚とを同じにしたとき、上記磁
気抵抗効果素子3では磁気抵抗効果安定化層11にセン
ス電流が流れないので、上記磁気抵抗効果素子3につい
てセンス電流が流れる部分の断面積Sは、2層型磁気抵
抗効果素子についてセンス電流が流れる部分の断面積S
の約半分となる。したがって、上記磁気抵抗効果素子3
に流れるセンス電流の電流密度は、2層型磁気抵抗効果
素子に流れるセンス電流の電流密度の約2倍となる。そ
の結果、同じ量のセンス電流を流したときには、図18
に示すように、上記磁気抵抗効果素子3を用いたMRヘ
ッドによる再生出力Cは、従来の2層型磁気抵抗効果素
子を用いたMRヘッドによる再生出力Dの約2倍とな
る。
【0044】なお、上述のMRヘッドの製造方法におい
ては、非磁性絶縁層43bのトラック幅方向の幅が、磁
気抵抗効果安定化層43aのトラック幅方向の幅と同じ
となるように、非磁性絶縁層43bを磁気抵抗効果安定
化層43aと共にエッチングしたが、上述したように、
非磁性絶縁層43bのトラック幅方向の幅は、磁気抵抗
効定層43cのトラック幅方向の幅と同じとなるように
してもよい。
【0045】このように非磁性絶縁層43bのトラック
幅方向の幅と、磁気抵抗効定層43cのトラック幅方向
の幅とが同じとなるようにするときは、非磁性絶縁層4
3bを、磁気抵抗効果安定化層43aと共にエッチング
するのではなく、磁気抵抗効果層43cと共にエッチン
グすればよい。すなわち、図6乃至図8に示した工程に
おいては、磁気抵抗効果安定化層43aだけを形成する
ようにして、その後の工程、すなわち図9乃至図11に
示した工程において、磁気抵抗効果安定化層43a上に
非磁性絶縁層43bを形成するようにすればよい。この
ように、磁気抵抗効果安定化層43aを所定に形状にエ
ッチングした後、非磁性絶縁層43b、磁気抵抗効果層
43c及び保護層45を形成し、これら非磁性絶縁層4
3b、磁気抵抗効果層43c及び保護層45をまとめて
エッチングすることにより、非磁性絶縁層43bのトラ
ック幅方向の幅と、磁気抵抗効果層43cのトラック幅
方向の幅とが同じ幅となる。
【0046】ところで、磁気抵抗効果層13の感度は、
外部磁界の強さHに対する磁気抵抗効果層13の両端に
接続される電極間の電圧変化ΔV、すなわちΔV/Hで
表され、これが大きいほど磁気抵抗効果層13の感度は
高くなる。しかしながら、従来の2層型磁気抵抗効果素
子では、センス電流によるセルフバイアス効果によって
感度が決定されてしまい、これを制御することはできな
かった。これに対して、上記磁気抵抗効果素子3では、
磁気抵抗効果安定化層11の膜厚や材料を変化させた
り、非磁性絶縁層12の膜厚を変化させたりすることに
より、磁気抵抗効果層13に供給される磁気的エネルギ
ーの大きさを制御することができる。したがって、上記
磁気抵抗効果素子3では、磁気抵抗効果層13に最適な
磁気的エネルギーが供給されるように磁気エネルギーを
制御することができ、その結果、磁気抵抗効果層の感度
を高めることができる。
【0047】しかも、この磁気抵抗効果素子3では、磁
気抵抗効果安定化層11を用いているので、セルフバイ
アス効果を利用する2層型磁気抵抗効果素子とは異な
り、磁気抵抗効果層13の両端部分、すなわち電極が取
り付けられた部分に対しても、磁気抵抗効果層13を安
定化させるように磁気的エネルギーが供給される。した
がって、磁気抵抗効果安定化層11を用いた上記磁気抵
抗効果素子では、電極が取り付けられ部分も含めて、磁
気抵抗効果層13が磁気的に安定なものとなる。
【0048】第2の実施の形態 本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第1の実施の形
態に係る薄膜磁気ヘッドと同様に、磁気抵抗効果安定化
層を有する磁気抵抗効果素子を備えたMRヘッドであ
り、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果安定化層の部分以
外については、図1に示したMRヘッドと同様に構成さ
れる。
【0049】すなわち、このMRヘッドの磁気抵抗効果
素子は、このMRヘッドを媒体摺動面側から見た図19
に示すように、磁気抵抗効果安定化層11が、軟磁性膜
11aと、上記軟磁性膜11aのトラック幅方向の両端
上に積層された磁化方向固定用磁性膜11bとから構成
されている。
【0050】ここで、磁化方向固定用磁性膜11bは、
磁化方向が所定の方向とされた硬磁性膜又は反強磁性膜
からなり、軟磁性膜11aの磁化方向を所定の方向に固
定するように作用する。ここで、磁化方向固定用磁性膜
11bを硬磁性膜とするときには、CoPt、CoPt
Cr又はCoNi等の硬磁性材料を用いればよく、反強
磁性膜とするときには、FeMn、NiO又はNiMn
等の反強磁性材料を用いればよい。
【0051】そして、磁化方向固定用磁性膜として硬磁
性膜を用いるときには、この硬磁性膜及び軟磁性膜によ
ってMRヘッドのトラック幅方向に静磁場が発生するよ
うに、図20に示すように、磁化方向固定用磁性膜11
bとして、磁化方向Jbがトラック幅方向となるように
着磁された硬磁性膜を用いる。このとき、軟磁性膜11
aの磁化方向Jaは、交換相互作用により、硬磁性膜か
らなる磁化方向固定用磁性膜11bの磁化方向Jbと同
じ向きとなり、この軟磁性膜11aは、磁化方向固定用
磁性膜11bの磁極及び磁気抵抗効果層13との磁気的
カップリングを起こすように働く。これにより、磁気抵
抗効果層13の磁化方向Jはトラック幅方向に揃い、磁
気抵抗効果層13は単磁区化する。その結果、磁気抵抗
効果層13は、磁壁の移動等によるノイズが生じること
なく、安定に動作することとなる。
【0052】また、図21に示すように、磁化方向固定
用磁性膜11bとして反強磁性膜を用いるときには、反
強磁性膜からなる磁化方向固定用磁性膜11bと軟磁性
膜11aとの交換相互作用により、軟磁性膜11aの磁
化方向Jaが固定される。ここで、軟磁性膜11aの磁
化方向Jaは、MRヘッドのトラック幅方向となるよう
に固定する。このように磁化方向Jaを固定するには、
例えば、反強磁性膜からなる磁化方向固定用磁性膜11
bを所定の磁場中で成膜するか、または反強磁性膜から
なる磁化方向固定用磁性膜11bの成膜後に所定の磁場
中でアニール処理を施せばよい。そして、このように軟
磁性膜11aの磁化方向Jaをトラック幅方向に固定す
ることにより、磁気抵抗効果安定化層11と磁気抵抗効
果層13との静磁結合作用によって磁気抵抗効果層13
の磁化方向Jもトラック幅方向に揃い、磁気抵抗効果層
13が単磁区化する。その結果、磁気抵抗効果層13
は、磁壁の移動等によるノイズが生じることなく、安定
に動作することとなる。
【0053】このように磁気抵抗効果素子3の磁気抵抗
効果安定化層11に磁化方向固定用磁性膜11bを設け
ることにより、軟磁性膜11aの磁化方向Jaが非常に
安定なものとなり、その結果、第1の実施の形態に係る
MRヘッド以上に、本実施の形態に係るMRヘッドで
は、磁気抵抗効果層13の磁気的安定性が向上すること
となる。
【0054】以上のように、磁気抵抗効果安定化層が軟
磁性膜と磁化方向固定用磁性膜とからなる磁気抵抗効果
素子を備えるMRヘッドの製造工程は、磁気抵抗効果素
子の形成工程以外については、第1の実施の形態に係る
MRヘッドと同様である。そこで、以下にこの磁気抵抗
効果素子の形成工程について説明する。
【0055】上記磁気抵抗効果素子を形成する際は、先
ず、MRヘッドの媒体摺動面となる側から見た断面図で
ある図22に示すように、下層シールド61上に形成さ
れた下部ギャップ層62上に、軟磁性膜63を形成す
る。ここで、軟磁性膜63のトラック幅方向の幅は、後
工程で形成する磁気抵抗効果層の幅よりも広くなるよう
に形成する。
【0056】次に、図23に示すように、軟磁性膜63
上に、軟磁性膜63のトラック幅方向の両端が露出する
ようにフォトレジスト64を形成した上で、図24に示
すように、フォトレジスト64上に、軟磁性膜63を覆
うように、磁化方向固定用磁性膜65を形成する。
【0057】次に、フォトレジスト64を、フォトレジ
スト64上に形成された磁化方向固定用磁性膜65と共
に剥離して除去する。これにより、図25に示すよう
に、軟磁性膜63のトラック幅方向の両端上に磁化方向
固定用磁性膜65が積層された状態となる。
【0058】次に、磁化方向固定用磁性膜65上に非磁
性絶縁層66を形成した上で、図26に示すように、磁
化方向固定用磁性膜65及び非磁性絶縁層66を所定の
形状にエッチングする。ここで、磁化方向固定用磁性膜
65及び非磁性絶縁層66は、軟磁性膜63のトラック
幅方向の両端上に磁化方向固定用磁性膜65が残るよう
にエッチングする。
【0059】次に、図27に示すように、非磁性絶縁層
66上に所定のトラック幅となるように磁気抵抗効果層
67を形成する。
【0060】以上の工程により、下部ギャップ層62上
に、磁気抵抗効果安定化層70と、非磁性絶縁層66
と、上記磁気抵抗効果安定化層70よりもトラック幅方
向の幅が狭く形成された磁気抵抗効果層67とが積層さ
れた磁気抵抗効果素子が形成される。ここで、磁気抵抗
効果安定化層70は、図27に示したように、軟磁性膜
63と、この軟磁性膜63のトラック幅方向の両端上に
積層された磁化方向固定用磁性膜65からなる磁気抵抗
効果安定化層70とから構成されている。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果安定化層と磁
気抵抗効果層との間に静磁結合作用が生じるので、磁気
抵抗効果安定化層及び磁気抵抗効果層の磁気的状態が安
定なものとなる。しかも、本発明に係る薄膜磁気ヘッド
では、再生出力に寄与する磁気抵抗効果膜の膜厚を薄膜
化することが可能であり、高い再生出力を得ることがで
きる。
【0062】したがって、本発明によれば、磁気抵抗効
果膜の磁気的安定性の向上と、再生出力の向上とが両立
された、低ノイズ且つ高再生出力の薄膜磁気ヘッドを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したMRヘッドの一例を示す要部
横断面図である。
【図2】本発明を適用したMRヘッドの一例を媒体摺動
面側から見た要部正面図である。
【図3】本発明を適用したMRヘッドの他の例を媒体摺
動面側から見た要部正面図である。
【図4】磁気抵抗効果層と磁気抵抗効果安定化層との静
磁結合の様子を示す模式図である。
【図5】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示す
ものであり、下部ギャップ層の形成工程を示す要部横断
面図である。
【図6】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示す
ものであり、磁気抵抗効果安定化層及び非磁性絶縁層の
形成工程を示す要部横断面図である。
【図7】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示す
ものであり、フォトレジストの形成工程を示す要部断面
斜視図である。
【図8】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示す
ものであり、磁気抵抗効果安定化層及び非磁性絶縁層を
エッチングした状態を示す要部断面斜視図である。
【図9】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示す
ものであり、磁気抵抗効果層及び保護層の形成工程を示
す要部断面斜視図である。
【図10】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、フォトレジストの形成工程を示す要部断
面斜視図である。
【図11】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、磁気抵抗効果層及び保護層をエッチング
した状態を示す要部断面斜視図である。
【図12】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、非磁性絶縁層の形成工程を示す要部断面
斜視図である。
【図13】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、フォトレジスト及びフォトレジスト上の
非磁性絶縁層を除去した状態を示す要部横断面斜視図で
ある。
【図14】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、フォトレジスト及びフォトレジスト上の
非磁性絶縁層を除去した状態を示す要部断面図である。
【図15】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、非磁性絶縁層及び開口部の形成工程を示
す要部横断面図である。
【図16】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、センス電流用導体層、バイアス電流用導
体層及び非磁性絶縁層の形成工程を示す要部横断面図で
ある。
【図17】図1に示したMRヘッドの製造工程を順次示
すものであり、上部ギャップ層及び上層シールドの形成
工程を示す要部横断面図である。
【図18】MRヘッドの再生出力と外部磁界の強さの関
係について、磁気抵抗効果安定化層を有する磁気抵抗効
果素子を用いたMRヘッドと、従来の2層型磁気抵抗効
果素子を用いたMRヘッドとを比較して示す図である。
【図19】本発明を適用したMRヘッドの他の例を媒体
摺動面側から見た要部正面図である。
【図20】図19に示したMRヘッドについて、磁気抵
抗効果安定化層の磁化の様子の一例を模式的に示す要部
正面図である。
【図21】図19に示したMRヘッドについて、磁気抵
抗効果安定化層の磁化の様子の他の例を模式的に示す要
部正面図である。
【図22】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、軟磁性膜の形成工程を
示す要部断面図である。
【図23】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、フォトレジストの形成
工程を示す要部断面図である。
【図24】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、磁化方向固定用磁性膜
の形成工程を示す要部断面図である。
【図25】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、フォトレジスト及びフ
ォトレジスト上の磁化方向固定用磁性膜を除去した状態
を示す要部断面図である。
【図26】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、非磁性絶縁層の形成工
程を示す要部断面図である。
【図27】図19に示したMRヘッドの磁気抵抗効果素
子の製造工程を示すものであり、磁気抵抗効果層の形成
工程を示す要部断面図である。
【図28】MRヘッドの基本的な構成を示す模式図であ
る。
【図29】従来の2層型MRヘッドの磁気抵抗効果素子
の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下層シールド 2 下部ギャップ層 3 磁気抵抗効果素子 4 非磁性絶縁層 5 保護層 6 センス電流用導体層 7 非磁性絶縁層 8 バイアス電流用導体層 9 上部ギャップ層 10 上層シールド 11 磁気抵抗効果安定化層 12 非磁性絶縁層 13 磁気抵抗効果層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性膜を含む磁気抵抗効果安定化層
    と、非磁性絶縁層と、上記磁気抵抗効果安定化層よりも
    トラック幅方向の幅が狭く形成された磁気抵抗効果膜を
    含む磁気抵抗効果層とが積層された磁気抵抗効果素子
    と、 上記磁気抵抗効果素子の側面に配された非磁性絶縁層
    と、 上記磁気抵抗効果素子の上面の両端部において、それぞ
    れ上記磁気抵抗効果層と接続された一対の電極とを備
    え、 上記磁気抵抗効果層の磁気抵抗効果によって再生信号を
    検出することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記磁気抵抗効果安定化層が、軟磁性膜
    と、上記軟磁性膜のトラック幅方向の両端上に配された
    硬磁性膜とからなることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果安定化層が、軟磁性膜
    と、上記軟磁性膜のトラック幅方向の両端上に配された
    反強磁性膜とからなることを特徴とする請求項1記載の
    薄膜磁気ヘッド。
JP18930895A 1995-07-25 1995-07-25 薄膜磁気ヘッド Withdrawn JPH0944818A (ja)

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