JPH1021510A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法

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JPH1021510A
JPH1021510A JP17001396A JP17001396A JPH1021510A JP H1021510 A JPH1021510 A JP H1021510A JP 17001396 A JP17001396 A JP 17001396A JP 17001396 A JP17001396 A JP 17001396A JP H1021510 A JPH1021510 A JP H1021510A
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JP
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head
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magnetoresistive
layer
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JP17001396A
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Mizuki Togashi
みづき 冨樫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果膜の磁気的な安定性を維持する
ことを可能とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法
の提供を目的とする。 【解決手段】 磁気抵抗効果型磁気ヘッド1の製造方法
は、最上層に保護層7を有し、非磁性膜11を介して一
対の磁気抵抗効果膜10,12が厚み方向に重ね合わさ
れてなる磁気抵抗効果素子4を形成する工程と、上記磁
気抵抗効果素子4の保護層7に対して、ウエット・エッ
チングにより電極を接続するための開口部を穿設する工
程と、上記保護層7に穿設された開口部に対して電極を
配設する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置等に好適な、磁気抵抗効果によって再生信号を検出す
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置等の磁気記録再生装
置においては、大容量化を図るために、更なる高密度記
録が求められている。そこで、近年、高密度記録を進め
るために、狭トラック化に適した磁気ヘッドである磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッド(以下、MRヘッドとい
う。)が採用されるようになってきている。
【0003】このMRヘッドには、図22に示すよう
に、2層型の磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とい
う。)を用いたMRヘッド100がある。このMRヘッ
ド100は、第1の磁気抵抗効果膜101(以下、第1
のMR膜101という。)と第2の磁気抵抗効果膜10
2(以下、第2のMR膜102という。)とが非磁性絶
縁膜103を介して積層されてなるMR素子104を備
える。また、このMRヘッド100は、このMR素子1
04の長手方向の先端部104Aに電気的に接続される
先端部電極105と、後端部104Bに電気的に接続さ
れる後端部電極106とを備える。さらに、MRヘッド
100は、MR素子104上に保護層107が配設さ
れ、MR素子104の上方にMR素子104を横切るよ
うにバイアス導体層108が配設されてなる。さらにま
た、MRヘッド100は、その最上層に上層シールド1
09が配設され、MR素子104の下層側に下部ギャッ
プ110を介して下層シールド111が配設されてな
る。
【0004】以上のように構成された従来のMRヘッド
100において、第2のMR膜102は、磁気記録媒体
に記録された磁気信号から発生する磁界に応じて抵抗値
が変化する。そして、磁気記録媒体の磁気信号を再生す
る際、第2のMR膜102に対して後端部電極106か
ら所定のセンス電流が供給される。これにより、MRヘ
ッド100は、第2のMR膜102の抵抗変化を電圧変
化として出力する。
【0005】このとき、第1のMR膜101は、センス
電流が供給されず、第2のMR膜102の磁気的な安定
化に寄与する。すなわち、第1のMR膜101は、第2
のMR膜102と静磁結合することにより第2のMR膜
102を磁気的に安定化するように作用する。
【0006】一方、上述したようなMRヘッド100
は、スパッタリング等の薄膜形成法やエッチング等の手
法を用いて形成される。このとき、MRヘッド100で
は、図23に示すように、周囲を非磁性絶縁層112に
より埋め込まれたMR素子104に対して、図24に示
すように、その非磁性絶縁層112に開口部113を形
成し、この開口部113に後端部電極106を形成す
る。
【0007】この後端部電極106を形成する工程は、
先ず、図24に示すように、反応性イオンエッチングに
よりMR素子104の後端部側104Bに開口部113
を穿設する。この開口部113は、その深さが第1のM
R膜101に達するまでとされる。次に、図25に示す
ように、この開口部113内にTa/Cu等の導電材料
が埋め込まれる。そして、この導電材料は、図示しない
電源部と接続されるように引き出されることにより後端
部電極106となる。
【0008】このように形成された後端部電極106
は、非磁性絶縁体により埋め込まれる。そして、詳細は
省略するが、バイアス導体層108、先端部電極105
及び上層シールド109がそれぞれ形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したM
Rヘッド100の製造方法において、後端部電極106
を形成する反応性イオンエッチングの際には、先ず、非
磁性絶縁層112をエッチングし、次に、非磁性絶縁層
112をエッチングした後に露出する保護層107をエ
ッチングすることとなる。この非磁性絶縁層112のエ
ッチング際には、目視することによって、エッチングの
終了が決定されていた。また、その後、保護層107の
エッチングの際には、保護層107を構成する材料に固
有のエッチングレートより算出された時間によって、エ
ッチングの終了が決定されていた。
【0010】このように、従来のMRヘッド100の製
造方法では、各層のエッチングの終了が正確に判定し難
く、正確に深さ寸法を制御して開口部113を穿設する
ことが困難であった。すなわち、従来の手法において、
特に、保護層107をエッチングする際にエッチングの
終了を正確に判定できないと、図26に示すように、開
口部113は、第1のMR膜101に達するまで穿設さ
れてしまう。そして、このMRヘッド100では、この
開口部113に導電材料が埋め込まれて後端部電極10
6を形成すると、第1のMR膜101と後端部電極10
6とが電気的に接続されてしまう。これにより、このM
Rヘッド100では、第1のMR膜101と第2のMR
膜102とに対してセンス電流がそれぞれ供給されてし
まうこととなる。
【0011】従来のMRヘッド100の製造方法では、
上述したように、第1のMR膜102に対してセンス電
流が供給されることによって、第2のMR膜101を磁
気的に安定化するといった第1のMR膜102の特性が
発現されないMRヘッドを製造してしまうといった問題
点があった。
【0012】そこで、本発明は、上述のような問題点に
鑑みてなされたものであり、電極を一対の磁気抵抗効果
膜のうちで上方に配される磁気抵抗効果膜にのみ接続さ
せるとともに、下方に配される磁気抵抗効果膜の絶縁状
態を維持することによって、通電される磁気抵抗効果膜
の磁気的な安定性を維持することを可能とする磁気抵抗
効果型磁気ヘッドの製造方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法は、
最上層に保護層を有し、非磁性膜を介して一対の磁気抵
抗効果膜が厚み方向に重ね合わされてなる磁気抵抗効果
素子を形成する工程と、上記磁気抵抗効果素子の保護層
に対して、ウエット・エッチングにより電極を接続する
ための開口部を穿設する工程と、上記保護層に穿設され
た開口部に対して電極を配設する工程とを有する。
【0014】以上のように構成された本発明に係る磁気
抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法では、電極を配するた
めの開口部をウエット・エッチングにより穿設した後、
電極を形成することとなる。このウエット・エッチング
によれば、そのエッチングレートが遅いために、磁気抵
抗効果素子上に形成された保護層のみをエッチングする
ことができる。これにより、この手法では、電極を配す
るための開口部が、磁気抵抗効果素子を傷つけることな
く穿設されることとなる。このため、この手法によれ
ば、磁気抵抗効果素子に配される電極が、一対の磁気抵
抗効果膜のうちで保護層の直下に配される磁気抵抗効果
膜にのみ接続されることとなる。
【0015】したがって、この手法によれば、磁気抵抗
効果型磁気ヘッドは、電極から供給されるセンス電流が
一対の磁気抵抗効果膜のうちで保護層の直下に配される
磁気抵抗効果膜にのみ供給されるようなものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気抵抗効果
型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)の製造方法
の好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0017】本実施の形態に係るMRヘッドの製造方法
は、磁気記録媒体に記録された信号磁界の感磁部となる
磁気抵抗効果素子を有するるMRヘッドを製造するもの
である。このMRヘッド1は、図1に示すように、下層
シールド2と、この下層シールド2上に積層された下部
ギャップ3と、この下部ギャップ3上に積層された磁気
抵抗効果素子4(以下、MR素子4という。)と、この
MR素子4に電気的に接続された先端部電極5と後端部
電極6とからなる一対の電極と、このMR素子4上で一
対の電極により挟持される領域に形成された保護層7
と、先端部電極5上に積層された上層シールド8とを備
える。また、このMRヘッド1には、MR素子4の上方
にバイアス磁界を発生させるバイアス磁界導体層9が設
けられている。
【0018】そして、このMRヘッド1は、磁気記録媒
体に記録された磁気信号を再生するものである。このM
Rヘッド1では、図1中矢印Aで示す側面に磁気記録媒
体が摺動し、磁気記録媒体に記録された信号磁界が入力
する。このとき、MRヘッド1では、MR素子4がこの
信号磁界の感磁部となる。
【0019】また、MRヘッド1において、下層シール
ド2と上層シールド8は磁性材料からなり、下部ギャッ
プ層3は非磁性絶縁材料からなり、後端部電極6は電気
的に良導体である非磁性材料からなる。そして、下層シ
ールド2、上層シールド8、下部ギャップ層3及び先端
部電極5は、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再生
対象外の磁界がMR素子4に引き込まれないように機能
する。すなわち、このMRヘッド1では、下部ギャップ
層3及び先端部電極5がMR素子4の上下方向に配され
ているため、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再生
対象外の磁界は下層シールド2及び上層シールド8に導
かれる。これにより、MR素子4は、再生対象の磁界だ
けを引き込むことができる。
【0020】このMRヘッド1では、図1のB−B線に
おける断面図である図2に示すように、略矩形に形成さ
れた2層型のMR素子4を備える。この2層型のMR素
子4は、第1の磁気抵抗効果膜10(以下、第1のMR
膜10という。)と、この第1のMR膜10に積層され
た非磁性絶縁層11と、この非磁性絶縁層11を介して
第1のMR膜10に積層された第2の磁気抵抗効果膜1
2(以下、第2のMR膜12という。)とからなる。
【0021】ここで、第2のMR膜12は、磁気抵抗効
果を有する磁気抵抗効果膜を含んでいればよく、例え
ば、NiFe等からなる磁気抵抗効果膜だけからなるも
のであっても、あるいは、Ta等からなる下地膜上にN
iFe等からなる磁気抵抗効果膜が成膜されたものであ
ってもよい。Ta等からなる下地膜上にNiFe等から
なる磁気抵抗効果膜を成膜した場合には、磁気抵抗効果
膜を(111)配向させることができ、これにより磁気
抵抗効果膜の比抵抗を下げることができる。そして、磁
気抵抗効果膜の比抵抗の低下は、上述したように磁気抵
抗効果膜のインピーダンスの低下となるため、このよう
に下地膜を設けることにより、MRヘッド1の再生出力
を向上することができる。
【0022】そして、第1のMR膜10は、第2のMR
膜12の磁気的安定性を向上させるために配される層で
あり、第2のMR膜12と静磁結合が生じるものであれ
ばよく、例えば、CoPt、CoPtCr又はCoNi
等からなる硬磁性膜だけからなるものとしてもよいし、
あるいは、CoPt、CoPtCr又はCoNi等から
なる硬磁性膜と、NiFe又はNiFe−X(ここでX
はTa,Cr,Nb等である。)等からなる軟磁性膜と
を積層したものとしてもよいし、あるいは、FeMn又
はNiO等からなる反強磁性膜と、Co、NiFe又は
NiFe−X(ここでXはTa,Cr,Nb等であ
る。)等からなる磁性膜とを積層したものとしてもよ
い。
【0023】そして、MR素子4は、MRヘッド1に磁
気記録媒体が対接した状態で、その長手方向が磁気記録
媒体に垂直となるように配されている。このMR素子4
は、非磁性絶縁体13により埋め込まれたような状態で
構成されている。また、MRヘッド1では、このMR素
子4の長手方向の両端部に先端部電極5と後端部電極6
とからなる一対の電極が配されている。この一対の電極
は、磁気記録媒体摺動面側の先端部4Aを先端部電極5
とし、その反対側の後端部4Bを後端部電極6とする。
このMR素子4では、これら一対の電極が第2のMR膜
12にのみ接続されている。
【0024】また、このMR素子4には、その最上層に
保護層7が設けられている。この保護層7は、Al23
等の非磁性絶縁体からなり、第2のMR膜12上で先端
部電極5と後端部電極6とで挟持される領域に形成され
ている。この保護層7は、スパッタリング法等の手法に
よりMR素子4の上方に各層が形成される際の衝撃か
ら、MR素子4を保護するために配される層である。
【0025】このように構成されたMR素子4では、そ
の両側面側を非磁性絶縁体13により埋め込まれ、一対
の電極が第2のMR膜12にのみ接続されており、第1
のMR膜10と第2のMR膜12とが非磁性絶縁層11
を介して積層されているために、後端部電極6より供給
される電流は、第2のMR膜12にのみ通電されること
となる。
【0026】このMRヘッド1では、磁気記録媒体から
の信号磁界が印加されると、MR素子4が感磁部とな
る。このとき、第2のMR膜12は、信号磁界に対して
抵抗値が変化する、いわゆる磁気抵抗効果を発生する。
したがって、第2のMR膜12は、後端部電極6より一
定電流のセンス電流が供給されることによって、信号磁
界による抵抗値の変化を示す。これにより、このMRヘ
ッド1では、第2のMR膜12が信号磁界による抵抗値
の変化を電圧変化として出力することとなる。
【0027】一方、このとき、第1のMR膜10は、周
囲を非磁性絶縁材料13により囲まれているために、セ
ンス電流が供給されることはない。この第1のMR膜1
0は、一定方向に磁化されており、第2のMR膜12と
静磁結合することによって、第2のMR膜12の磁気的
な安定化に寄与する。これにより、第2のMR膜12で
は、バルクハウゼンノイズの発生が防止される。
【0028】また、MR素子4上を横切るように非磁性
絶縁層13内に形成されたバイアス磁界導体層9は、M
R素子4にバイアス磁界を印加するためものである。す
なわち、MRヘッド1では、磁気記録媒体から信号磁界
を検出する際に、このバイアス磁界導体層9に電流を流
すことにより、より高い磁気抵抗効果が得られるよう
に、磁気抵抗効果素子3にバイアス磁界が印加される。
【0029】つぎに、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの製造方法について詳細に説明する。
【0030】上述したようなMRヘッド1を製造する際
は、先ず、図3に示すように、磁性体からなる下層シー
ルド2上に、Al23等のような非磁性絶縁体からなる
下部ギャップ層3を形成する。ここで、下部ギャップ層
3は、後工程で形成するMR素子4の下部を電気的に絶
縁するとともに、MR素子4の下部に磁気的ギャップを
形成するものである。
【0031】次に、図4に示すように、下部ギャップ層
3上に第1のMR膜10、非磁性絶縁膜11及び第2の
MR膜12を順次成膜し、薄膜層20を形成する。ここ
で、薄膜層20は、後工程でエッチングされてMR素子
4となるものであり、上述したような材料を用いて形成
される。その後、薄膜層20上にAl23等の非磁性絶
縁体からなる保護層7を成膜する。
【0032】次に、薄膜層20を所定の形状のMR素子
4とするために、図5に示すように、所定の形状にパタ
ーニングされたフォトレジスト21を形成した後、図6
に示すように、薄膜層20をエッチングして、所定の形
状のMR素子4を形成する。これにより、第2のMR膜
12上に保護層7が形成された略矩形状のMR素子4が
形成される。
【0033】このように、予め第1のMR膜10及び第
2のMR膜12を含む薄膜層20を形成しておき、後か
らエッチングして所定の形状のMR素子4を形成するこ
とにより、第1のMR膜10と第2のMR膜12との相
対的な位置が正確に一致する。したがって、このような
MR素子4では、第1のMR膜10と第2のMR膜12
との間に理想的な静磁結合が生じる。
【0034】次に、図7に示すように、フォトレジスト
21を残したまま、フォトレジスト21、保護層7及び
MR素子4を覆うように非磁性絶縁層13を形成し、そ
の後、フォトレジスト21をその上面に形成された非磁
性絶縁層13と共に剥離して除去する。そして、フォト
レジスト21をその上面に形成された非磁性絶縁層13
と共に剥離して除去した後、非磁性絶縁層13及び保護
層4の表面を研磨して平坦化する。これにより、図8及
び図8のA−A線における断面図である図9に示すよう
に、保護層7及びMR素子4が非磁性絶縁層13に埋め
込まれたような状態となる。
【0035】このようにフォトレジスト21をその上面
に形成された非磁性絶縁層13と共に剥離して除去す
る、いわゆるリフトオフ法によれば、非常に容易に、保
護層7及びMR素子4を非磁性絶縁層13に埋め込まれ
たような状態とすることができる。ただし、このような
リフトオフ法では、フォトレジスト21を剥離したとき
にエッジの部分にバリ等が生じて表面粗度が悪くなり、
MR素子4の磁気特性や絶縁性等に悪影響を及ぼした
り、後工程で形成される先端部電極5等の形状を悪化さ
せることがある。そこで、フォトレジスト21を剥離し
た後は、非磁性絶縁層13及びMR素子4の表面を研磨
して表面性を向上させた方がよい。
【0036】そして、このように非磁性絶縁層13及び
保護層7の表面を研磨することにより、MR素子4の磁
気特性や絶縁性等が向上するとともに、後工程で形成さ
れる先端部電極5等の形状が理想的なものとなり、MR
ヘッド1の周波数特性等が向上する。
【0037】そして、次に、図10及び図10のA−A
線における断面図である図11に示すように、研磨加工
された表面に対して、後端部電極6を形成するためのフ
ォトレジスト22を形成する。すなわち、このフォトレ
ジスト22は、後端部電極6が形成される部分を除く領
域に形成される。
【0038】次に、図12及び図12のA−A線におけ
る断面図である図13に示すように、このフォトレジス
ト22が形成された面に対してウェット・エッチングが
施される。このウェット・エッチングは、例えば、フォ
トレジスト22を現像する際に使用する現像液を用いて
行われる。具体的には、このウェット・エッチングは、
保護層7が約20nmの膜厚のAl23からなる場合、
商品名AZ600MIFデベロッパー(株式会社ヘキス
トジャパン社製)が使用され、AZ600MIFデベロ
ッパー中に保護層が約20分間浸漬されることにより行
われる。
【0039】このとき、ウェット・エッチングは、反応
性イオンエッチングと比較してエッチングレートが遅い
ため、所定の膜厚の保護層7をエッチングする際にMR
素子の周囲にある非磁性絶縁層13をエッチングしても
第1のMR膜10に達するまでエッチングされることは
ない。したがって、このウェット・エッチングでは、外
部に露出している全ての保護層7と、外部に露出してい
る非磁性絶縁層13をエッチングしてなる開口部23を
形成する。
【0040】次に、図14及び図14のA−A線におけ
る断面図である図15に示すように、フォトレジスト2
2を取り除いた後、開口部23が形成された面に、Ta
/Cu等の導電材料からなる導電層24を形成する。こ
の導電層24は、後工程でエッチングされて後端部電極
6となるものである。
【0041】次に、図16及び図16のA−A線におけ
る断面図である図17に示すように、導電層24上に後
端部電極6が形成される領域に、後端部電極6と略同形
のフォトレジスト25を形成する。
【0042】次に、図18及び図18のA−A線におけ
る断面図である図19に示すように、フォトレジスト2
5が形成された面に対して反応性イオンエッチングが施
される。そして、導体層24は、フォトレジスト25が
形成された領域を残してエッチングされる。これによ
り、MR素子4の第2のMR膜12に接続された後端部
電極6が形成される。すなわち、後端部電極6は、上述
したウェット・エッチングにより形成された開口部23
に、導電材料が埋め込まれるように形成されることとな
る。
【0043】次に、図20に示すように、MR素子4及
び後端部電極6が露出した面に対して新たな非磁性絶縁
層26を形成する。そして、この非磁性絶縁層26上に
バイアス磁界導体層9が形成される。このバイアス磁界
導体層9は、MR素子4の長手方向に対して略垂直方向
となるように非磁性絶縁層26上に形成される。さら
に、バイアス磁界導体層9が形成された後にこのバイア
ス磁界導体層9を埋め込むように新たに非磁性絶縁層2
7を形成する。これにより、バイアス磁界導体層9と後
端部電極6とは、電気的に絶縁された状態とされる。
【0044】その後、図21に示すように、MR素子4
の先端部4A上に形成された非磁性絶縁層26,27を
テーパ状にエッチングする。これにより、MR素子4の
先端部4A側は、外方に露出される。そして、この外方
に露出したMR素子4の先端部4Aに対して、導電材料
からなる先端部電極5が形成される。そして、この先端
部電極5上に、磁性体からなる上層シールド8が形成さ
れる。
【0045】以上のようなMRヘッドの製造方法では、
反応性イオンエッチングのエッチングレートと比較して
ウェットエッチングのエッチングレートが遅いため、保
護層7をエッチングする際の制御を容易に行うことが可
能となる。これにより、この手法によれば、保護層7を
エッチングする際に開口部23が第1のMR膜10に達
するまで形成されることはない。したがって、この手法
によれば、開口部23に形成される後端部電極6は、第
2のMR膜12にのみ接続され、第1のMR膜10にセ
ンス電流を供給することはない。
【0046】このため、この手法を用いて形成されたM
Rヘッド1では、第1のMR膜10と第2のMR膜12
との間に形成される静磁結合が確実に形成され、MR素
子4の磁気的な安定化を維持することが可能となる。ま
た、このMRヘッド1では、MR素子4が磁気的に安定
化するために、磁気記録媒体に記録された信号磁界を良
好に再生することができる。
【0047】また、上述した本発明に係る磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの製造方法では、保護層7が形成されたM
R素子4上に後端部電極6を形成した後、非磁性絶縁層
26を形成する。これにより、この手法によれば、後端
部電極6を形成するための開口部23を穿設する際、従
来の手法のように非磁性絶縁層をエッチングする必要が
なく保護層7のみをエッチングすればよい。したがっ
て、この手法では、後端部電極6を形成するための開口
部23を穿設する際に要する時間を大幅に短縮すること
が可能となる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法では、2層の磁
気抵抗効果膜からなる磁気抵抗効果素子上の保護層をウ
ェットエッチングによりエッチングするために、磁気抵
抗効果素子に対して形成する電極が保護層の直下にある
一方の磁気抵抗効果膜にのみ接続することとなる。これ
により、この手法では、他方の磁気抵抗効果膜に対して
電流が供給されることがないために、電流が供給されな
い磁気抵抗効果膜が電流が供給される磁気抵抗効果膜を
磁気的に安定化させることができるような磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを製造することができる。
【0049】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの製造方法では、電極が接続されない磁気抵抗効果
膜が電気的な絶縁状態を確実に維持することが可能とな
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドを製造することができる。
これにより、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッド製
造方法によれば、磁気記録媒体からの信号磁界を常に安
定的に検出し再生することが可能となる磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを製造することが可能となる。
【0050】さらに、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの製造方法によれば、電極を形成するための開口
部をウエットエッチングにより穿設するために、電極形
成の工程に要する時間を大幅に短縮することができ、製
造工程を簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気抵抗効果型磁気ヘッドの要部断面図であ
る。
【図2】図1に示すMRヘッドのB−B線における要部
断面図である。
【図3】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面図である。
【図4】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面図である。
【図5】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面斜視図である。
【図6】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面斜視図である。
【図7】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面斜視図である。
【図8】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明する
ための要部断面斜視図である。
【図9】図8のA−A線における要部断面図である。
【図10】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明す
るための要部断面斜視図である。
【図11】図10のA−A線における要部断面図であ
る。
【図12】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明す
るための要部断面斜視図である。
【図13】図12のA−A線における要部断面図であ
る。
【図14】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明す
るための要部断面斜視図である。
【図15】図14のA−A線における要部断面図であ
る。
【図16】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明す
るための要部断面斜視図である。
【図17】図16のA−A線における要部断面図であ
る。
【図18】本発明に係るMRヘッドの製造工程を説明す
るための要部断面斜視図である。
【図19】図18のA−A線における要部断面図であ
る。
【図20】本発明に係るMRヘッドの製造工程を示す要
部断面図である。
【図21】本発明に係るMRヘッドの製造工程を示す要
部断面図である。
【図22】従来のMRヘッドの要部断面図である。
【図23】従来のMRヘッドの製造工程を示す要部断面
図である。
【図24】従来のMRヘッドの製造工程を示す要部断面
図である。
【図25】従来のMRヘッドの製造工程を示す要部断面
図である。
【図26】従来のMRヘッドにおいて、第1のMR膜と
後端部電極とが接触した状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果型磁気ヘッド、4 磁気抵抗効果素
子、5 先端部電極、6後端部電極、7 保護層、10
第1の磁気抵抗効果膜、11 非磁性絶縁層、12
第2の磁気抵抗効果膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最上層に保護層を有し、非磁性膜を介し
    て一対の磁気抵抗効果膜が厚み方向に重ね合わされてな
    る磁気抵抗効果素子を形成する工程と、 上記磁気抵抗効果素子の保護層に対して、ウエット・エ
    ッチングにより電極を接続するための開口部を穿設する
    工程と、 上記保護層に穿設された開口部に対して電極を配設する
    工程とを有することを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記磁気抵抗効果素子は、略矩形に形成
    され、その長手方向を磁気記録媒体に対して垂直に配す
    るとともにセンス電流が磁気記録媒体に対して垂直方向
    に供給されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気
    抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
JP17001396A 1996-06-28 1996-06-28 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法 Withdrawn JPH1021510A (ja)

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