JPH1049831A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH1049831A
JPH1049831A JP20218296A JP20218296A JPH1049831A JP H1049831 A JPH1049831 A JP H1049831A JP 20218296 A JP20218296 A JP 20218296A JP 20218296 A JP20218296 A JP 20218296A JP H1049831 A JPH1049831 A JP H1049831A
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JP
Japan
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layer
magnetoresistive
head
electrode
magnetic
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JP20218296A
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Toru Katakura
亨 片倉
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果安定化層とセンス電流を供給す
る電極とが確実に非接触とされ、磁気抵抗効果素子の磁
気抵抗効果特性が向上した磁気抵抗効果型磁気ヘッド及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気抵抗
効果層上に非磁性絶縁層を介して磁気抵抗効果安定化層
が積層されてなる磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗
効果素子2の磁気記録媒体摺動面と反対側に位置する一
端部側に形成される第1の電極6と、この磁気抵抗効果
素子2の他端部側に形成される第2の電極5とを備え、
磁気抵抗効果素子2の一端部側が上記第1の電極上に形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置等に用いて好適な、磁気抵抗効果によって再生信号を
検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置等の磁気記録再生装
置においては、磁気記録媒体の面記録密度をより向上さ
せるために、更なる高密度記録が求められている。そこ
で、近年、高密度記録を進めるために、高い磁界感度を
有する磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドである磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッド(以下、MRヘッドとい
う。)が採用されるようになってきている。
【0003】例えば、図13に示すように、このような
高密度記録化が達成されたMRヘッド100では、磁気
記録媒体からの信号磁界に対する感磁部となる磁気抵抗
効果素子101が用いられている。このMRヘッド10
0は、下部ギャップ102上に略矩形に形成された磁気
抵抗効果素子101と、この磁気抵抗効果素子101の
長手方向の両端部に接続された先端部電極103及び後
端部電極104とを備え、磁気記録媒体に記録された信
号磁界を再生する際、この後端部電極104から一定の
センス電流を磁気抵抗効果素子101に対して供給す
る。この磁気抵抗効果素子101は、センス電流が供給
される磁気抵抗効果層105と、この磁気抵抗効果層1
05の下層に配される非磁性絶縁層106と、この非磁
性絶縁層106の下層に配される磁気抵抗効果安定化層
107とから構成されている。そして、MRヘッド10
0では、後端部電極104が磁気抵抗効果層105のみ
に接続されているため、センス電流が磁気抵抗効果層1
05のみに供給されることとなる。
【0004】以上にように構成されたMRヘッド100
においては、下部ギャップ102上に磁気抵抗効果安定
化層107、非磁性絶縁層106、磁気抵抗効果層10
5及び保護層108をこの順で成膜し、エッチングする
ことにより略矩形になるように磁気抵抗効果素子101
を形成する。次に、この磁気抵抗効果素子101を埋め
込むように非磁性絶縁層109を形成する。そして、磁
気抵抗効果層105上に形成された保護層108及びこ
の保護層108上に形成された非磁性絶縁層109に、
後端部電極104を形成するための開口部110を形成
する。そして、後端部電極104は、この開口部110
に形成され、図示しない電源に接続される。
【0005】上述のように後端部電極104が形成され
ることによって、センス電流は、磁気抵抗効果層105
にのみ供給される。このMRヘッド100は、磁気記録
媒体に記録された信号磁界を再生する際、磁気抵抗効果
層105が感磁部となり、磁気抵抗効果層105の抵抗
変化をセンス電流の電圧変化として検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のMRヘ
ッド100においては、後端部電極104を形成するた
めに、非磁性絶縁層109及び保護層108をエッチン
グして開口部110を形成していた。そして、この開口
部110を形成するエッチングにおいては、いわゆるオ
ーバーエッチングが起こり易かった。これにより、従来
のMRヘッド100では、開口部110の深さ寸法が磁
気抵抗効果安定化層107にまで達してしまい、その結
果、後端部電極104が磁気抵抗効果安定化層107と
接続されてしまう虞れがあった。
【0007】ところで、上述した従来のMRヘッド10
0では、磁気抵抗効果層105に対してのみセンス電流
が供給され、磁気抵抗効果層105が信号磁界に対する
感磁部となっていた。そして、磁気抵抗効果安定化層1
07は、この磁気抵抗効果層105を磁気的に安定化し
ていた。しかしながら、磁気抵抗効果安定化層107
は、センス電流が供給されると、磁気抵抗効果層105
の磁気的安定性を劣化させてしまう。また、このMRヘ
ッド100では、磁気抵抗効果安定化層107にセンス
電流が供給されると、感磁部である磁気抵抗効果層10
5に対して供給されるセンス電流の密度が減少してしま
い、磁気抵抗効果素子101の感度が低下してしまうこ
ととなる。
【0008】このように、従来のMRヘッド100にお
いて、後端部電極104と磁気抵抗効果安定化層105
とが接続されてしまうと、磁気抵抗効果素子101が磁
気記録媒体からの信号磁界を感度よく検出することがで
きなかった。したがって、樹来のMRヘッド100で
は、磁気記録媒体からの信号磁界を感度よく再生するこ
とが困難であるといった問題点があった。
【0009】一方、従来のMRヘッド100では、磁気
抵抗効果安定化層107、非磁性絶縁層106及び磁気
抵抗効果層105がこの順序で積層されて磁気抵抗効果
素子101が構成されている。この場合、感磁部である
磁気抵抗効果層105の磁気抵抗効果特性は、その下層
に配される非磁性絶縁層106の表面性に影響をうけ
る。そして、従来のMRヘッド100では、非磁性絶縁
層106の表面性が良好でない場合、磁気抵抗効果層1
05の磁気抵抗効果特性が悪くなってしまうといった問
題点があった。
【0010】また、上述した従来のMRヘッド100の
製造方法では、開口部110を形成するためのエッチン
グをする際、上述のような理由からエッチングが高度に
制御されて行われなくてはならなかった。しかしなが
ら、従来のMRヘッド100の製造方法において、エッ
チング工程を高度に制御することは、大変困難であり、
熟練を要することであった。さらに、従来のMRヘッド
100の製造方法では、このエッチング工程に長時間を
必要とし、したがって、作業効率が悪いといった問題点
があった。
【0011】そこで、本発明は、上述した問題点を鑑み
て提案されたものであり、磁気抵抗効果安定化層とセン
ス電流を供給する電極とが確実に非接触とされ、磁気抵
抗効果層がその下層の表面性を反映することにより磁気
抵抗効果素子の磁気抵抗効果特性が向上した磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの提供を目的とする。
【0012】また、本発明は、上述した問題点を鑑みて
提案されたものであり、センス電流を供給する電極を形
成するための開口部を形成する必要がなく、磁気抵抗効
果層にのみ確実にセンス電流を供給することができる磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法の提供を目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気記録媒
体に対してセンス電流が略直交方向に供給され、磁気抵
抗効果層上に非磁性絶縁層を介して磁気抵抗効果安定化
層が積層されてなる磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗
効果素子の磁気記録媒体摺動面と反対側に位置する一端
部側に形成される第1の電極と、この磁気抵抗効果素子
の他端部側に形成される第2の電極とを備える。
【0014】この磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、上記
磁気抵抗効果素子の一端部側が上記第1の電極上に形成
され、センス電流が上記第1の電極から磁気抵抗効果層
に供給される。
【0015】以上のように構成された本発明に係る磁気
抵抗効果型磁気ヘッドでは、第1の電極が磁気抵抗効果
層とのみ接続されているために、磁気抵抗効果安定化層
にはセンス電流が供給されることがない。このため、こ
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果安定化
層が確実に磁気抵抗効果層を磁気的に安定化することが
できる。また、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、磁
気抵抗効果安定化層にセンス電流が供給されることがな
いため、磁気抵抗効果層に供給されるセンス電流の電流
密度が低下することがない。
【0016】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドは、第1の電極の磁気抵抗効果素子と接続する部分
が傾斜面とされていることが好ましい。
【0017】このように構成された磁気抵抗効果型磁気
ヘッドでは、第1の電極と磁気抵抗効果素子とが接続さ
れる部分において、磁気抵抗効果層と磁気抵抗効果安定
化層との絶縁状態が、非磁性絶縁層により確実に保持さ
れる。これにより、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、磁気抵抗効果層に供給されるセンス電流が磁気抵抗
効果安定化層に供給されることがない。したがって、こ
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果層のみ
が感磁部として機能することとなる。
【0018】さらに、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドでは、第1の電極が磁性体からなることが好まし
い。
【0019】このように構成された本発明に係る磁気抵
抗効果型磁気ヘッドでは、第1の電極がセンス電流を供
給すると同時に、磁気記録媒体からの信号磁界を磁気抵
抗効果素子側に引き込むように作用する。すなわち、こ
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、第1の電極
が、いわゆるフラックスガイドとして機能することとな
る。
【0020】また、上述した目的を達成した本発明に係
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法は、第1の電極
を形成し、この第1の電極上に、磁気抵抗効果層上に非
磁性絶縁層を介して磁気抵抗効果安定化層が積層されて
なる磁気抵抗効果素子を形成し、この磁気抵抗効果素子
の第1の電極が接続された端部とは反対の端部側に第2
の電極を形成することを特徴とする。
【0021】以上のように構成された本発明に係る磁気
抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法では、第1の電極を形
成した後に、この第1の電極と磁気抵抗効果層とが接触
するように磁気抵抗効果素子を形成する。すなわち、こ
の磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法では、第1の電極を
形成するためにエッチングを行う必要がなく、製造工程
が簡略化される。そして、この手法を用いれば、磁気抵
抗効果型磁気ヘッドは、磁気抵抗効果安定化層にセンス
電流が供給されることがなく磁気抵抗効果素子が信号磁
界を高感度に検出することができるために、良好な再生
感度を有するものとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気抵抗効果
型磁気ヘッド及びその製造方法の好適な実施の形態を図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッド1
(以下、MRヘッド1と称する。)は、図1に示すよう
に、磁気記録媒体に記録された信号磁界を検出する磁気
抵抗効果素子2を有するものである。このMRヘッド1
は、磁気抵抗効果素子2の長手方向が磁気記録媒体の信
号磁界記録面に対して略垂直となるように配され、セン
ス電流が磁気抵抗効果素子2の長手方向に供給されてな
る、いわゆる縦型磁気抵抗効果型磁気ヘッドである。こ
こで、センス電流とは、詳細を後述するが、信号磁界を
再生するために磁気抵抗効果素子に供給される一定の電
流である。
【0024】このMRヘッド1は、図1に示すように、
下層シールド3と、この下層シールド3上に積層された
下部ギャップ4と、この下部ギャップ4上に略矩形に形
成される磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗効果素子
2の長手方向の両端部2A,2Bにそれぞれ形成され、
先端部電極5と後端部電極6とからなる一対の電極と、
この先端部電極5上に積層される上層シールド7とを備
える。また、このMRヘッド1は、磁気抵抗効果素子2
の上方に、その長手方向と略直交するように形成された
バイアス磁界導体層8を備える。さらに、このMRヘッ
ド1は、磁気抵抗効果素子2及びバイアス磁化導体層8
が非磁性絶縁層9により埋め込まれるように構成されて
いる。さらにまた、MRヘッド1では、この非磁性絶縁
層9によって、先端部電極5と後端部電極6とが絶縁さ
れるように構成されている。
【0025】上述のように構成されたMRヘッド1にお
いて、磁気抵抗効果素子2は、図2に示すように、全体
形状が略矩形に形成されるとともにその長手方向の一端
部2Aが外方へ臨むように形成されている。そして、こ
の磁気抵抗効果素子2は、磁気抵抗効果層10と、この
磁気抵抗効果層10上に積層された非磁性絶縁層11
と、この非磁性絶縁層11上に積層された磁気抵抗効果
安定化層12とから構成されている。
【0026】そして、この磁気抵抗効果素子2は、その
長手方向の他方端部2B側に後端部電極6が電気的に接
続されている。この後端部電極6は、下部ギャップ4上
に形成され、導電性の磁性体から形成されている。そし
て、この後端部電極6は、磁気抵抗効果素子2と接続す
る一方の端部に傾斜面6Aが形成されており、他方の端
部が図示しないセンス電流の電源と接続されるように構
成されている。
【0027】磁気抵抗効果素子2は、この後端部電極6
の傾斜面6A上にその他方端部2B側が積層されるよう
に構成されている。すなわち、この磁気抵抗効果素子2
は、その他方端部2B側が後端部電極6上に積層され、
それ以外の部分が下部ギャップ4上に積層されるように
構成されている。なお、この磁気抵抗効果素子2には、
磁気抵抗効果安定化層12の上層に、Al23等の非磁
性絶縁材料からなる保護層13が形成されている。
【0028】また、この磁気抵抗効果素子2には、媒体
摺動面Aに露出する一方端部2A側に先端部電極5が接
続されている。この先端部電極5は、非磁性の導電材料
からなり、磁気抵抗効果素子2を覆うように形成されて
いる。すなわち、先端部電極5は、磁気抵抗効果素子2
の一方端部2Aにおいて、磁気抵抗効果層10及び磁気
抵抗効果安定化層12と電気的に接続されるように構成
されている。そして、この先端部電極5は、磁気抵抗効
果素子2と接続された反対側の端部が接地されるように
構成されており、磁気抵抗効果素子2に供給されたセン
ス電流をアースする。
【0029】この磁気抵抗効果素子2において、磁気抵
抗効果層10は、磁気抵抗効果を有する磁性薄膜を含ん
でいればよく、例えば、NiFe等の軟磁性膜からなる
ものであってもよいし、Ta等からなる下地膜上にNi
Fe等の軟磁性膜を形成してなるような構成であっても
よい。
【0030】また、この磁気抵抗効果素子2において、
非磁性絶縁層11は、Al23等の電気的に絶縁性を有
する非磁性材料からなるものであればよい。
【0031】この磁気抵抗効果素子2において、磁気抵
抗効果安定化層12は、磁気抵抗効果層12を静磁結合
作用により磁気的に安定化するようなものであればよ
く、例えば、Co,NiFe又はNiFe−X等(X
は、Ta,Cr,Nb等とする。)からなる磁性膜とF
eMn又はNiO等の反強磁性膜とが積層されてなるよ
うな構成であってもよい。あるいは、磁気抵抗効果安定
化層12は、CoPt,CoPtCr又はCoNi等の
硬磁性膜からなるような構成であってもよい。あるい
は、磁気抵抗効果安定化層12は、CoPt,CoPt
Cr又はCoNi等の硬磁性膜とNiFe又はNiFe
−X等(Xは、Ta,Cr,Nb等とする。)の軟磁性
膜とが積層されてなるような構成であってもよい。ある
いは、磁気抵抗効果安定化層12は、CoPt,CoP
tCr又はCoNi等の硬磁性膜とCo−Zr−Pa−
Mo又はCo−Nb−Mo系等のアモルファス合金とが
積層されてなるような構成であってもよい。
【0032】そして、このMRヘッド1では、図1中矢
印Aで示す側面に磁気記録媒体が摺動し、磁気記録媒体
に記録された信号磁界が入力する。このとき、MRヘッ
ド1では、図1中矢印Aで示す側面に磁気抵抗効果素子
2の長手方向の一方端部2Aが露出しているために、こ
の信号磁界がこの磁気抵抗効果素子2に印可される。こ
れによって、磁気抵抗効果素子2は、磁気記録媒体から
の信号磁界に対する感磁部となる。
【0033】また、MRヘッド1において、下層シール
ド3と上層シールド7とは磁性材料からなり、下部ギャ
ップ4は非磁性絶縁材料からなり、後端部電極6は電気
的に良導体である磁性材料からなる。そして、下層シー
ルド3、上層シールド7、下部ギャップ4及び先端部電
極5は、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再生対象
外の磁界が磁気抵抗効果素子2に引き込まれないように
機能する。すなわち、このMRヘッド1では、下部ギャ
ップ4及び先端部電極5がMR素子1の上下方向に配さ
れているため、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再
生対象外の磁界は下層シールド3及び上層シールド7に
導かれる。これにより、磁気抵抗効果素子2は、再生対
象の磁界だけを引き込むことができる。
【0034】そして、このMRヘッド1では、後端部電
極5が導電性の磁性体から形成されているために、後端
部電極5が磁気記録媒体からの信号磁界を磁気抵抗効果
素子側により強く引き込むように作用する。すなわち、
この後端部電極5は、センス電流を磁気抵抗効果素子2
に対して供給するとともに、信号磁界を引き込む、いわ
ゆるフラックスガイドとして機能する。
【0035】さらに、このMRヘッド1において、バイ
アス磁界導体層8は、信号磁界を再生する際に所定の電
流が供給されることによって、バイアス磁界を発生す
る。そして、バイアス磁界導体層8は、磁気抵抗効果素
子2に対して所定のバイアス磁界を印可することによっ
て、磁気抵抗効果素子2の抵抗変化が大となるようにす
る。これにより、磁気抵抗効果素子2を有するMRヘッ
ド1は、信号磁界に対して高感度なものとなる。
【0036】以上のように構成された本発明に係るMR
ヘッド1は、磁気抵抗効果素子2が感磁部となり磁気記
録媒体からの信号磁界を検出することによって、信号磁
界を再生する。
【0037】このMRヘッド1では、媒体摺動面Aに磁
気記録媒体が摺動し、磁気記録媒体からの信号磁界が後
端部電極6により引き込まれて磁気抵抗効果素子2に印
可される。そして、磁気抵抗効果素子2では、磁気抵抗
効果層10の磁化方向が印可された信号磁界に応じて変
化する。このとき、磁気抵抗効果層10では、その磁化
方向が変化すると、センス電流に対する抵抗値が変化す
る。MRヘッド1では、後端部電極6から磁気抵抗効果
層10に一定のセンス電流が供給されることによって、
信号磁界に応じた抵抗変化を電圧変化として出力する。
【0038】このとき、このMRヘッド1では、後端部
電極6上に磁気抵抗効果素子2の磁気抵抗効果層10が
接するように形成されているために、センス電流が磁気
抵抗効果層10にのみ供給される。すなわち、このMR
ヘッド1において、センス電流は、後端部電極6と磁気
抵抗効果安定化層12とが接触していないために、磁気
抵抗効果安定化層12に対して供給されず、磁気抵抗効
果層10にのみ供給されることとなる。
【0039】このため、本発明に係るMRヘッド1は、
磁気抵抗効果層10に供給されるセンス電流の電流密度
が低下することはない。したがって、このMRヘッド1
では、磁気抵抗効果素子2の感度が劣化することなく、
磁気記録媒体からの信号磁界を高感度に再生することが
できる。また、このMRヘッド1では、磁気抵抗効果安
定化層12と磁気抵抗効果層10との間に静磁結合作用
が良好な状態で作用することとなる。このため、MRヘ
ッド1は、感磁部である磁気抵抗効果層10の磁気的な
安定性を維持することができる。
【0040】一方、上述したMRヘッド1では、信号磁
界に対する感磁部となる磁気抵抗効果層10が下部ギャ
ップ4上に形成されるような構成を有している。一般
に、磁気抵抗効果を有する磁性層の磁気抵抗効果特性
は、その磁性層が形成される基板の表面性に依存する。
すなわち、この磁性層は、基板表面が高度に平坦化され
ているような場合には良好な磁気抵抗効果特性を有し、
基板表面が平坦化されていないような場合には磁気抵抗
効果特性が劣化したものとなる。このMRヘッド1にお
いて、磁気抵抗効果層10が形成される下部ギャップ4
は、高度に平坦化されている。これにより、このMRヘ
ッド1において、磁気抵抗効果素子2は、信号磁界を高
感度に検出することができる。したがって、本発明に係
るMRヘッド1では、磁気記録媒体からの信号磁界を高
感度に再生することができる。
【0041】次に、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの製造方法について、図面を参照して詳細に説明す
る。なお、以下の説明では、上述したMRヘッド1を製
造する際の製造方法として説明する。
【0042】上述したMRヘッド1を製造するために
は、先ず、図3に示すように、磁性体からなる下層シー
ルド3を形成し、この下層シールド3上に、Al23
の非磁性絶縁体からなる下部ギャップ4を形成する。こ
こで、下部ギャップ4は、後述する磁気抵抗効果素子2
の磁気抵抗効果層10を形成する基板となるものである
ために、高度に平坦化されるように形成される。
【0043】次に、図4に示すように、いわゆるリフト
オフ法により後端部電極6を形成するために、レジスト
20を形成する。このレジスト20は、通常、フォトリ
ソグラフィ法に用いられるものであればよく、下部ギャ
ップ4上で後端部電極6が形成される以外の部分に形成
される。
【0044】次に、図5に示すように、レジスト20の
表面及び露出している下部ギャップ4に対して、導電性
の磁性体からなる磁性層21を形成する。このとき、磁
性層21は、スパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法により成膜される。このように成膜された磁性層21
は、図5に示すように、その膜厚が均一にならず、磁性
層21と下部ギャップ4との境界部分が肉薄になるよう
に成膜される。
【0045】次に、このレジスト20とレジスト20上
に形成された磁性層21とを共に剥離する。このよう
に、いわゆるリフトオフ法を用いてレジスト20とレジ
スト20上に形成された磁性層21とを共に剥離する
と、図6に示すように、傾斜面6Aを有する後端部電極
6が形成される。
【0046】次に、図7に示すように、磁気抵抗効果素
子2を形成すために、磁気抵抗効果層10、非磁性絶縁
層11、磁気抵抗効果安定化層12及び保護層13を下
部ギャップ4及び後端部電極6上に成膜する。このと
き、磁気抵抗効果層10、非磁性絶縁層11、磁気抵抗
効果安定化層12及び保護層13は、上述したような材
料を用いて、例えば、スパッタリング法等の従来公知の
薄膜形成法により成膜される。
【0047】次に、図8に示すように、上述のように成
膜された磁気抵抗効果層10、非磁性絶縁層11、磁気
抵抗効果安定化層12及び保護層13をエッチングする
ことによって、略矩形状の磁気抵抗効果素子2を形成す
る。このとき、磁気抵抗効果素子2は、図9に示すよう
に、一方端部2Aが媒体摺動面Aに臨み、他方端部2B
が後端部電極6の傾斜面6Aに積層されるようにレジス
ト22によりパターニングされ、イオンビームエッチン
グ等の手法を用いて形成される。
【0048】次に、図10に示すように、磁気抵抗効果
素子2を埋め込むように非磁性絶縁体23Aを形成す
る。そして、この非磁性絶縁体23A上にバイアス磁界
導体層8を形成する。このバイアス磁界導体層8は、非
磁性の導電材料を用いて、磁気抵抗効果素子2の長手方
向に対して略直交するように形成される。その後、この
バイアス磁界導体層8を埋め込むように非磁性絶縁層2
3Bを形成し、バイアス磁界導体層8の絶縁性を確保す
る。
【0049】次に、非磁性絶縁体23A,23Bをエッ
チングすることによって、磁気抵抗効果素子2の一方端
部2Aを露出させ、図11に示すように、この部分に先
端部電極5及び上層シールド7を形成する。このとき、
先端部電極5は、図12に示すように、非磁性の導電材
料から形成され、磁気抵抗効果素子2の一方端部2Aを
覆うように成膜されることによって、磁気抵抗効果層1
0及び磁気抵抗効果安定化層12と電気的に接続され
る。また、上層シールド7は、磁性体から形成され、先
端部電極5を覆うように成膜される。
【0050】本発明に係るMRヘッドの製造方法では、
上述したように、下部ギャップ4上に後端部電極6を形
成した後に磁気抵抗効果素子2を形成することとなる。
これにより、この手法では、後端部電極6と磁気抵抗効
果素子2の磁気抵抗効果層10とが電気的に接続され
る。すなわち、上述した手法によれば、後端部電極6と
磁気抵抗効果層10とを電気的に接続するためにエッチ
ング等の長時間を要する製造工程を必要としない。した
がって、本発明に係るMRヘッドの製造方法は、製造工
程に要する時間を短縮することができ、作業効率を向上
させることができる。
【0051】また、本発明に係るMRヘッドの製造方法
では、後端部電極6の磁気抵抗効果層10と接続される
部分に傾斜面6Aを形成している。このため、この手法
を用いて製造されたMRヘッド1では、後端部電極6と
磁気抵抗効果層10との間の電気的な接続がより確実な
ものとなる。すなわち、このMRヘッド1では、傾斜面
6A上に磁気抵抗効果素子2を積層することによって、
磁気抵抗効果層10と磁気抵抗効果安定化層12との間
に短絡が発生し難くなり、磁気抵抗効果安定化層12に
センス電流が供給されることはない。したがって、本発
明に係るMRヘッドの製造方法によれば、磁気抵抗効果
層10に対してのみ確実にセンス電流を供給することが
できるMRヘッド1を製造することができる。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果素子が
磁気抵抗効果層、非磁性絶縁層及び磁気抵抗効果安定化
層をこの順で積層した構成とされ、センス電流を供給す
る電極上にこの磁気抵抗効果素子を積層している。この
ため、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、確実に磁気
抵抗効果層にのみセンス電流を供給することができる。
【0053】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドは、感磁部となる磁気抵抗効果層が高度に平坦化さ
れた下部ギャップ上に形成されてなるような構成となっ
ている。このため、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、磁気抵抗効果層の磁気抵抗効果特性が良好なものと
なる。したがって、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドは、磁気記録媒体からの信号磁界を感度よく再生す
ることができる。
【0054】さらに、詳細に説明したように本発明に係
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法によれば、磁気
抵抗効果素子は、センス電流を供給する電極上に形成さ
れることとなる。したがって、この手法では、この電極
と磁気抵抗効果素子とを接続するために開口部を形成す
る必要がなく、製造工程及び電極を形成するために要す
る時間を大幅に短縮することができる。したがって、本
発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法では、
作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRヘッドの要部断面図である。
【図2】本発明に係るMRヘッドに用いられる磁気抵抗
効果素子と一対の電極とが接続された状態を示す要部斜
視図である。
【図3】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図4】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図5】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図6】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図7】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図8】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部断面図である。
【図9】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明する
ための要部斜視図である。
【図10】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明す
るための要部断面図である。
【図11】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明す
るための要部断面図である。
【図12】本発明に係るMRヘッドの製造方法を説明す
るための要部断面図である。
【図13】従来のMRヘッドの要部断面図である。
【符号の説明】
1 MRヘッド、2 磁気抵抗効果素子、3 下層シー
ルド、4 下部ギャップ、5 先端部電極、6 後端部
電極、7 上層シールド、8 バイアス磁界導体層、1
0 磁気抵抗効果層、11 非磁性絶縁層、12 磁気
抵抗効果安定化層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に対してセンス電流が略直
    交方向に供給され、磁気抵抗効果層上に非磁性絶縁層を
    介して磁気抵抗効果安定化層が積層されてなる磁気抵抗
    効果素子と、 上記磁気抵抗効果素子の磁気記録媒体摺動面と反対側に
    位置する一端部側に形成される第1の電極と、 上記磁気抵抗効果素子の他端部側に形成される第2の電
    極とを備え、 上記磁気抵抗効果素子の一端部側は上記第1の電極上に
    形成され、センス電流は上記第1の電極から磁気抵抗効
    果層に供給されることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記第1の電極は、上記磁気抵抗効果素
    子と接続する部分が傾斜面とされていることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記第1の電極は、磁性体からなること
    を特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 第1の電極を形成し、 上記第1の電極上に、磁気抵抗効果層上に非磁性絶縁層
    を介して磁気抵抗効果安定化層が積層されてなる磁気抵
    抗効果素子を形成し、 上記磁気抵抗効果素子の上記第1の電極が接続された端
    部とは反対の端部側に第2の電極を形成することを特徴
    とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第1の電極は、上記磁気抵抗効果素
    子と接続する部分が傾斜面とされていることを特徴とす
    る請求項4記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記第1の電極は、磁性体からなること
    を特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
    の製造方法。
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