JPH0943458A - 光送受信モジュ−ル - Google Patents

光送受信モジュ−ル

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JPH0943458A
JPH0943458A JP7211166A JP21116695A JPH0943458A JP H0943458 A JPH0943458 A JP H0943458A JP 7211166 A JP7211166 A JP 7211166A JP 21116695 A JP21116695 A JP 21116695A JP H0943458 A JPH0943458 A JP H0943458A
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美樹 工原
Naoyuki Yamabayashi
直之 山林
Yasuhiro Inoguchi
康博 猪口
Yasushi Fujimura
康 藤村
Hiroo Kanamori
弘雄 金森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基地局に光ファイバによってつながれたON
U用光モジュールは、電話、ファクシミリなどのデジタ
ル光信号を送受信し、TVのアナログ光信号を受信す
る。受信系において従来は1.3μm光と1.55μm
光を分離するために波長分波器を必須としていた。波長
分波器の波長分離がなお不完全であるから不要光をカッ
トするための誘電体多層膜等も必要であった。波長分波
器、多層膜を省き、ONU用光モジュールの構造を単純
化し低コスト化する事が目的である。 【構成】1.3μm光を完全に吸収し1.3μm光を感
受し、1.55μm光を透過させるようにした第1PD
と、1.55μm光を感じる第2PDを前後に直列に並
べる。基地局からの光信号を1.3μm光と1.55μ
m光に分離せず直列PDに入射させる。第1PDによっ
て1.3μm光を、第2PDによって1.55μm光を
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種類の波長の光
を用い双方向通信を行う光通信システムにおいて、二つ
のフォトダイオードと光源とを組み合わせて2種類の波
長の光を分離できるようにした光送受信モジュールに関
する。
【0002】初めに双方向光通信について説明する。光
ファイバの伝送損失が低減し、半導体レ−ザ(以下LD
と略すことがある)や半導体受光素子(PDと略す事も
ある)の特性が向上した。このため光信号を用いた通信
の試みが盛んになされている。これを光通信という。特
に、1.3μmと1.55μmの長波長の光を用いた光
信号による通信の研究が精力的に行われている。例え
ば、電話、ファクシミリ、テレビなどの信号を光信号に
よって伝送する試みである。
【0003】光通信にも多様な様態がある。特に最近
は、電話、ファクシミリのように双方向に信号をやり取
りする低速のデジタル通信と、アナログのTV信号を有
線で伝送する光CATVの高速アナログ通信を1本の光
ファイバによって同時に行うシステムの可能性が検討さ
れている。この方式の利点は、光ファイバが1本で済む
事である。
【0004】図1はこのような双方向通信の原理図であ
る。基地局1では、電話やTV信号を増幅した後1本の
光ファイバによって送り出し、家庭の近くまで光のまま
伝送し、分岐器2において例えば、16本に分割する。
分岐器2から各家庭(加入者側端末3)を1本の光ファ
イバによって結ぶ。このようにするのは、基地局1の光
ファイバ本数を減らし、設備コストを下げる為である。
このように各家庭へ光によって信号伝送するシステムを
光加入者系という。
【0005】このようにして伝送されてきた光信号は、
加入者側端末(ONUと呼ぶ:OPTICAL NETWORK UNITの
略)において電気信号に変換される。変換機構を説明す
る。加入者側端末3の波長分波器4において、デジタル
信号を担う1.3μm光と、アナログ信号を担う1.5
5μm光を分離する。分離された1.55μm光は、ア
ナログ信号を正確に再現するフォトダイオード(PD)
5に入射する。光信号が電気信号に変換される。信号処
理部6において各種の信号処理が施されてTVセット7
に導かれる。
【0006】デジタル信号を運ぶ1.3μm光は、1:
1の分合波器(光カップラ8と呼ぶ)に導かれる。これ
がデジタルPD9によって電気信号に変換される。これ
は信号処理部10による処理を経て電話・ファクシミリ
11に導かれる。基地局から送信された信号が家庭の電
話やファクシミリによって受信される。
【0007】電話やファクシミリは双方向通信であるか
ら、端末から局へ信号を送る機能も必要である。電話や
ファクシミリからの送信信号は信号処理部10による処
理を受けて、デジタルLD12によって光信号に変換さ
れる。この光信号は光カップラ8と波長分波器4を通り
光ファイバに入り分岐器2で他の信号に合一し基地局1
に送信される。光カップラ8は、このような1.3μm
光による、双方向通信を可能にする為に挿入されてい
る。
【0008】以上まとめると、このようなONUシステ
ムには、1.3μm光と、1.55μm光とを分離する
波長分波器4と、双方向通信のための光カップラ8と、
光/電気変換のためのPD5、9、電気/光変換のため
のLD12が必要である。これらを組み合わせたものを
ONU用光モジュールという。本発明はこのONU用光
モジュールの構成形態の改良に関する。
【0009】
【従来の技術】初めにONU用光モジュールの従来技術
を概観する。先にONU用光モジュールには、二つの波
長の光を分離し或いは結合するための波長分波器、同じ
波長の光を送受信するための光カップラが必要である事
を説明した。これらの素子についていくつかの提案がな
されている。いずれも提案に過ぎず、実用化されている
ものはない。それぞれ利点があるが、尚固有の難点を持
つからである。
【0010】[ONU用光モジュールの構成例1:ミラ
ー式波長分波器・光カップラ]図2にミラー式の波長分
波器・光カップラを用いた光モジュールの例を示す。誘
電体多層膜をガラス基板に蒸着して製作したミラーを波
長分波器、光カップラとして利用している。屈折率の異
なる2種類の材料の薄膜を交互に積層し、45゜の角度
で切断し、端面が多層膜に対して45゜の角度をなすよ
うになっている。薄膜の厚みと屈折率と傾斜角の余弦の
積が実効的な光路長を与える。異なる膜の境界において
光の反射と屈折が起こる。多重反射光が互いに強めあう
ような波長の光は、より強く反射される。
【0011】多重反射光が互いに打ち消しあうような波
長の光の場合は、殆どの光エネルギーが透過する。そこ
で図2のミラー式波長分波器は、1.3μm光は透過
し、1.55μm光は反射するように、薄膜が組み合わ
されている。これによって1.3μm光と1.55μm
光を分離することができる。1.3μm光は直進しミラ
ー式光カップラ8に入る。
【0012】光カップラ8も同様に屈折率の異なる2種
類の誘電体を重ねた多層膜よりなる。膜面と端面が45
゜をなすようにしてある。特定の波長の光を半ば透過
し、半ば反射する。光ファイバは光コネクタ13に結合
される。この後光は自由空間を伝搬するが、光コネクタ
13からデジタルPD9、LD12、アナログPDまで
の距離が長いのでコリメータレンズ14によって平行光
にしてからミラー式波長分波器4に導く。これに応じ
て、平行光を集束光に変換するためにレンズ17、1
8、19が設置される。
【0013】このようなミラー式の波長分波器やカップ
ラを用いた方式は、例えば、1990年電子情報通信学
会春期全国大会予稿講演番号C−203(P4−25
8)、1990年電子情報通信学会秋期全国大会予稿講
演番号C−222(p4−264)などに提案されてい
る。
【0014】この方式の難点は、ミラー式の波長分波器
によって、1.3μm光と1.55μm光を分離するの
が難しいということである。アナログ信号を通すべき光
路aには1.3μm光が入ってはならないし、デジタル
信号を通すべき光路bには1.55μm光が入ってはな
らない。もしも両者の分離比が悪いと、電話やテレビに
ノイズが入る。それぞれの光路において、相手の光のエ
ネルギーが10-4以下でないと、ノイズは無視できず、
画質、音質を損なうようになる。ミラー式波長分波器だ
けでは所望の分離比が得られない。
【0015】そこで、光路aには多層膜フィルタ15を
入れて1.3μm光を完全に遮断するような工夫がなさ
れる。光路bにも1.55μm光を遮断する多層膜フィ
ルタ16を挿入する。
【0016】[ONU用光モジュールの構成例2:導波
路型波長分波器・光カップラ]図3に導波路型の光モジ
ュールの構成を示す。石英系の平面光導波路によって、
波長分波器と光カップラを構成している。これは部品点
数を少なくすることができる。モジュールを小型化する
可能性があるので有望である。平面光導波路(PLCと
呼ぶ)はSi基板22の上に石英のクラッド層23を堆
積させ、クラッド層23に、屈折率を増大させる不純物
(例えばGe)を線状にドープして光導波路を作製した
ものである。端面から導波路24が真っ直ぐに延び、f
点で2本の導波路25、26に分かれる。これは光カッ
プラ8に該当する。
【0017】これらの導波路は途中で曲がり平行な導波
路27、28になる。さらにg点では、導波路24に近
接して他の導波路29が形成される。これは導波路3
0、31につながる。導波路24の前端には、シングル
モード光ファイバ32の端面が接合される。g点近傍の
導波路24、29は、1.3μm光と1.55μm光を
分離する波長分波器4として機能する。図3の例は、N
TT R&D vol.42,No.7,1993,p
903−912に公表されている。
【0018】光ファイバ32から導波路24に信号光が
入り、g点において、1.3μm光と、1.55μm光
に分離される。1.3μm光は直進して光カップラ8に
よって導波路25、26に分配される。導波路25を通
る光は、多層膜フィルタ34を通り、デジタル用PD9
に入射する。これが受信光の伝搬である。送信光である
デジタル用レ−ザLD12の光は集光レンズ33によっ
て絞られて、導波路28に入り、導波路26、24を経
て、光ファイバ32に入る。
【0019】1.55μm光は、分岐点gにおいて、導
波路30に移り、光路aを進行し多層膜フィルタ35を
通過してアナログ出力シングルモードファイバ36に入
る。多層膜フィルタ35、34を光路a、光路bに設け
るのは、先述のようにそれぞれ不要な1.3μm光、
1.55μm光を完全に遮断するためである。これは導
波路を相互に近接させたり(g点)、分岐させたりして
(f点)、1枚の石英基板の上に波長分波器、光カップ
ラを製作することができる。このような導波路型の光モ
ジュールは、NTT R&D vol.43,No.1
1,1994,p1273−1280に提案されてい
る。
【0020】この例では、導波路27、31と、デジタ
ルPD9、アナログファイバ36の間には集光レンズが
ない。ファイバ36の場合は、ファイバ36を直接に導
波路23に接着するからである。PD9の場合は、これ
が導波路23に十分に近いので光が広がらないからであ
る。デジタルLD12と導波路28の間もレンズを省く
ことができる。しかし高効率で導波路28に送信光を入
れたい時はレンズ33を設ける。
【0021】この方式の長所は、全体が1枚の基板の上
に作製でき、小型にできるということである。また部品
点数を削減する事ができるという利点もある。さらに平
面導波路が光ファイバと同じ材料であり、ほぼ同じサイ
ズであるから、光ファイバとのなじみが良いと言われ
る。
【0022】[ONU用光モジュールの構成例3:光フ
ァイバ型波長分波器・光カップラ]光ファイバを用いた
波長分波器は既に実用化されている。光ファイバWDM
と呼ばれる。光ファイバを用いたカップラも実用化され
ている。これは光カップラと呼ばれる。さらに2本の光
ファイバの間に多層膜フィルタを挿入した光ファイバフ
ィルタも製造されている。これらの光ファイバを用いた
部品を用いてもONU用光モジュールを構成することが
できる。図4は光ファイバ式のONU用光モジュールを
示す。
【0023】入力シングルモードファイバ39は光コネ
クタ40によってONU端末につながる。光ファイバ4
1、42は近接して設けられ光ファイバ波長分波器43
を構成する。波長分波器43は両光ファイバをエバネッ
セント結合し、波長によって光エネルギーが交換され或
いは交換されないようにする作用がある。この例では、
1.55μm光は、分岐側の光ファイバ42に移動し、
1.3μm光はそのまま光ファイバ41を進む。これが
コネクタ44を通り、光ファイバ45につながる。光フ
ァイバ45は同等の光ファイバ46、47に分岐する。
この分岐が光ファイバカップラ48となる。カップラ4
8は2本の光ファイバを近接させるか捻り合わせてコア
間距離を短くしエネルギーを交換できるようになってい
る。
【0024】受信光用の光ファイバ46は、多層膜フィ
ルタ59を通り、光ファイバ50を通り、デジタルPD
モジュール51に入射する。光信号が電気信号に変換さ
れ電話などにつながる。電話などからのデジタル信号は
デジタルLDモジュール53から光ファイバ54を通
り、光コネクタ52から光ファイバ47、カップラ48
を通過し、波長分波器43を通って、光ファイバ39へ
と出てゆく。
【0025】一方1.55μm光は、光ファイバ波長分
波器43によって、光ファイバ42に分離され、多層膜
55、光コネクタ56を通過し、光ファイバ57から、
アナログPDモジュール58に至り、ここで光電変換さ
れる。この例では波長分波器もカップラも光ファイバの
みよって構成される。光ファイバは自在に曲げられるの
で、アナログ、デジタルそれぞれの回路を電気的に好都
合の位置に配置することができる。また光ファイバを融
着することにより各構成部品をつなぎ合わせることがで
きるから、自由にモジュールを構成できる。機能を分散
させることもできる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ミラー型、光導波路
型、光ファイバ型のONU用光モジュールの例を説明し
た。これらはいずれも1.3μm光と1.55μm光を
分離するための波長分波器と、送信光と受信光の経路を
1本にするためにカップラが必要であった。このため、
極めて多くの部品を設けなければならなかった。そのた
め、ONU用光モジュールは複雑で高価なものになる。
波長分波器或いはカップラを省くことができれば、簡単
な構造でより安価な光送受信モジュールとすることがで
きる筈である。本発明は波長分波器をなくして、より簡
単な構造の光送受信モジュールを提供することを目的と
する。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ONU用光
モジュールがなぜこのように複雑な構成になるのか?も
っと単純化することはできないものであろうか?と考え
た。その結果次のことが分かった。何れのモジュール
も、1.3μm光と1.55μm光を前もって分離しな
ければならないという先入観に捕らわれており、このた
めに複雑な構成にならざるを得なかったということであ
る。より単純な構造とするためには、波長分波器、カッ
プラを除く必要がある。もしも1.3μm光と1.55
μm光を分離する必要がなければ、波長分波器を省くこ
とができる。これは当然である。ではどうして、従来は
両波長の光を分離しなければならなかったのか?これに
ついて考察しよう。
【0028】これは実は受光素子の構造に問題があるの
である。思いもよらない事であるが受光素子がONU用
光モジュールを複雑なものにしているのである。本発明
者は初めてこの点に思い至った。分かり難い事であるの
で、従来の受光素子の構造を説明する。
【0029】図5は従来のモジュールに用いられるフォ
トダイオードチップの断面図である。n型InP基板6
0の上に、n型InPバッファ層61、n型InGaA
s受光層62(光吸収層)、n型InP窓層63がエピ
タキシャル成長法によって形成される。InP窓層63
の上部の外周部には絶縁体のパッシベーション膜66が
設けられる。窓層63の中央部からn型InGaAs受
光層62の半ばまでp型不純物である亜鉛(Zn)が拡
散されている。InGaAs層の半ばにpn接合ができ
る。
【0030】亜鉛拡散領域64の周辺部にはp電極65
がオーミック接続するように設けられる。環状電極であ
る。環状電極65によって囲まれる部分69に光が入
る。光入射部分69には反射防止膜67が被覆してあ
る。反対側のn型InP基板60の底面にはn電極68
が形成される。こちら側から光を入れないので面の全体
を電極が覆っている。
【0031】p電極65を負に、n電極68を正にバイ
アスする。入射光がInGaAs層に入ると、ここで吸
収され電子正孔対を生成する。電子はn電極に向かっ
て、正孔はp電極に向かって流れる。これが光電流であ
る。光吸収層にInGaAsを用いるのは、赤外光に大
きい感度を持つからである。
【0032】図6はこの受光素子の受光感度を示す。横
軸は波長(μm)である。縦軸は感度(A/W)であ
る。波長が1.0μm〜1.6μmまでの広い範囲で高
い感度を有する。つまりこの受光素子は1.3μmにも
1.55μmにも高い感度を持っている。高い感度を持
つ波長範囲は光吸収層の材料によって決まる。この場合
は、InGaAsの材料特性によって決まるのである。
【0033】またこの受光素子が高感度を持つ波長の下
限λaはInGaAs吸収層62の直上の窓層の吸収特
性によって決まる。窓層はこの場合InPであるので、
そのバンドギャップからλaが決まる。感度を持つ波長
の上限λbは、吸収層によって決まる。この理由を説明
する。半導体はバンドギャップEgによって特徴付けら
れる。入射光のエネルギーhc/λがバンドギャップE
gよりも小さい場合(λ>hc/Eg)、この光は電子
正孔対を生成できないのでそのまま透過する。理想的に
は透過率が100%である。この光に対してこの半導体
は透明である。
【0034】反対に、入射光のエネルギーhc/λがバ
ンドギャップEgよりも大きい場合(λ<hc/E
g)、この光は電子正孔対を作り消滅する。つまりこの
光は吸収される。バンドギャップに相当する波長がhc
/Egによって与えられる。これをλgと表現する。バ
ンドギャップEgを基礎吸収端ともいう。λgは基礎吸
収端に相当する波長ということもできる。簡単に吸収端
波長λgということもできる。まとめると、入射光の波
長λが吸収端波長λgよりも短い(λ<λg)と完全に
吸収され、λgより長い(λ>λg)と完全に透過す
る。吸収から透過への遷移はかなり急峻である。しかし
温度によってカーブが少し鈍る。
【0035】絶対0゜(0K)であれば、価電子帯に正
孔はなく、伝導帯に電子がないので、λgを境に全吸収
と全透過に分かれる。しかし有限温度では熱のために、
価電子帯に正孔が、伝導帯に電子が幾らか励起されてい
る。このために、λgの近くで透過曲線、或いは吸収曲
線がカーブを描く。受光素子は、窓層と吸収層の2種類
の半導体を組み合わせて作る。入射光は窓層を透過し、
吸収層に入るのであるから、窓層のバンドギャップEg
1は、吸収層(受光層)のバンドギャップEg2よりも
広くなければならない。Eg1>Eg2である。その理
由は次のようである。
【0036】入射光のエネルギーをEp=hc/λとす
ると、これが窓層(Eg1)を通るためにはEp<Eg
1である必要がある。これが吸収層(Eg2)によって
吸収されるためには(感度があるためには)Ep>Eg
2でなければならない。これが両立するために、Eg1
>Eg2である必要があるのである。つまり吸収層のバ
ンドギャップより大きいバンドギャップを持つものを窓
層に使う必要がある。窓層をInPとすると、吸収層は
それよりもバンドギャップの狭い半導体を使う必要があ
る。このために吸収層はInGaAsを用いる。
【0037】窓層を通り、吸収層に至りここで吸収され
る光のみをこの受光素子は検出する事ができる。つまり
Eg1>Ep>Eg2の不等式を満たす光のみがこの検
出器によって検出される。同じ事を波長によって表現す
ると、λg1<λ<λg2であればこの光は、受光素子
によって検出されると言う事である。高感度領域の下限
λa=λg1であり、上限λb=λg2である。InG
aAsを吸収層に、InPを窓層に持つ受光素子は、λ
g1<1.3μm<1.55μm<λg2であるから、
1.3μm光にも1.55μm光にも高感度を持つ。I
nP窓層の吸収端波長λg1は0.92μm、InGa
Asの吸収層の吸収端波長λg2は1.67μmであ
る。
【0038】図1においてアナログPD5にも、デジタ
ルPD9にも同じ半導体の組み合わせになる受光素子を
用いる。つまり1.3μmにも1.55μmにも感度を
持つ受光素子を両方に用いている。そのために、アナロ
グPD5に1.3μm光が混ざるとこの受光素子は1.
3μm光をも検出してしまう。このために1.3μm光
がノイズになる。反対にデジタルPD9に1.55μm
光が混ざるとこの受光素子はこれを検出してしまい、ノ
イズになるのである。図2〜図4の従来例でも同じこと
である。
【0039】デジタル信号(1.3μm光)用のフォト
ダイオードにも、アナログ信号(1.55μm光)用の
フォトダイオードにも、同様に1.3μmと、1.55
μmに感度を有するフォトダイオードを使うから、1.
3μmと1.55μmの光路を分離しなければならなく
なるのである。波長分波器は光路の分離のために必要に
なる。しかし現存する波長分波器はいずれも、分離比が
不十分である。相手側の波長の光が幾分混ざるのを防ぐ
ことができない。このために多層膜フィルタ15、1
6、34、35、59、55を各光路に介挿しなければ
ならなかったのである。1.3μm光と1.55μm光
の光路を分離しようとするからこのような複雑な構成に
なるのである。
【0040】反対に光路を分けなければ格段に構造が単
純化されるはずである。1.3μm光と1.55μm光
を同じ光路を進行させて、しかも別々に検出できれば良
いのである。このような手品のような事が果たして可能
であろうか?それが可能なのである。そもそも従来例が
空間的に1.3μm光と1.55μm光を分離するの
は、つまり光路を分けるのは、受光素子に波長の選択性
がないからである。受光素子が1.3μm光も1.55
μm光も感受してしまうから、光路を分離する必要があ
る。
【0041】もしも、1.3μm光のみを吸収し感受し
1.55μm光を通す受光素子があれば、光路を空間的
に分離する必要などないのである。このような受光素子
自身新規なものである。もしこのような受光素子が存在
すれば、この受光素子と同一光路であってこれよりも後
方の位置に、1.55μm光を感受する受光素子を設け
る事によって、1.3μm光と1.55μm光を他者の
影響を全く受けないで独立に検出することができる。本
発明の骨子はここにある。
【0042】本発明の受光系は第1受光素子と第2受光
素子を同一光路上に直列に置き、第1受光素子は1.3
μm光を全て吸収し1.3μm光を検出し、1.55μ
m光は全て透過するようにする。第2受光素子は1.5
5μm光を感受する。結局本発明の重要な点は二つあ
り、ひとつは、受光素子二つを直列に配置するという事
である。もうひとつは第1受光素子が1.3μm光を全
部吸収し、1.55μm光には感度を持たず、1.55
μm光を全て透過するという事である。第1受光素子が
特別の性質を持たなければならない。その特性を箇条書
きにすると、
【0043】1.3μm光を感受すること。 1.3μm光を全て吸収する事。 1.55μm光に感度を持たない事。 1.55μm光を全て通す事。
【0044】である。これ自体新規な性質である。この
ような条件を満たす受光素子はこれまで存在しなかった
と言って良い。受光素子自体新規である。新規な受光素
子と、1.55μm光を検出できる受光素子を直列に組
み合わせたものが本発明の光送受信モジュールである。
【0045】先に半導体のバンドギャップと光の吸収に
ついての関係を説明した。上記のと、とは本来
別異の性質である。従って全ての条件を満足するために
4つのパラメータが必要である。しかし半導体の場合は
先述の性質があるので、と、との性質はひとつ
のパラメータを指定するだけで同時に満足する事ができ
るのである。本発明者はこのような半導体の特殊性には
じめて気づいた。
【0046】先述のように半導体はバンドギャップ以上
のエネルギーの光は吸収し、それ以下のエネルギーの光
は全て透過する。ために受光素子の感度領域の上限波長
λbは吸収層(受光層)の吸収端波長λg2によって決
まり(λb=λg2)、下限波長λaは窓層の吸収端波
長λg1によって決まる(λa=λg1)。
【0047】上限波長λbをもっと短くし、1.3μm
より長く、1.55μmより小さくする事によって、
の条件を満足できる。つまり吸収層のバンドギャップE
g2を、1.55μm光のエネルギー以上、1.3μm
光のエネルギー以下にする事によって、1.3μm光を
感受し、1.55μm光に感じない受光素子とすること
ができる。1.55μm光を全く吸収しないからであ
る。吸収層の吸収端波長λgによって表現すると、
【0048】 1.3μm<λg2<1.55μm (1)
【0049】ということである。これが本発明を最も端
的に表現している。また厚みを適当なものにすることに
よって、1.3μm光を全て吸収し漏らさないようにで
きる。また基板裏のn電極の中央に孔を空ける事によっ
て、1.55μm光を全て透過させる事ができる。これ
によっての条件をも満たす事ができる。窓層の材料も
問題である。窓層のバンドギャップEg1が1.3μm
光より短いようにする。1.3μmよりも短い波長が入
射してはいけないので、窓層のバンドギャップはこれよ
りも少し高いものに設定する。これは簡単に
【0050】λg1<1.3μm (2)
【0051】と表現する事ができる。このように1.3
μmを感じ1.3μm光を全て吸収し1.55μm光を
通す第1の受光素子に、1.55μm光を感受する第2
受光素子を直列につないだものが本発明の光受信モジュ
ールである。これは受信系の改良である。この改良によ
って、1.3μm光と1.55μm光は光路を分離する
必要がないので、波長分波器が不要になる。ただしデジ
タル光を送信するためのレ−ザは別個に必要である。カ
ップラによってレ−ザ光を光ファイバに導入するという
構成は変わらない。
【0052】本発明の第一の長所は波長分波器を省くこ
とができるということである。簡単な構成になるので小
型化、低価格化が可能になる。光加入者系の進展を大い
に促す事ができる。しかしそれだけではない、受光素子
自体に波長の選択性を賦与しているので、1.3μm光
の信号に1.55μm光が混信することはないし、1.
55μm光に1.3μm光が入る事はない。つまりノイ
ズを大幅に低減する事ができ、高品質の画像、音声など
を受信できるという長所がある。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の最も重要な点は第1フォ
トダイオードにある。これは1.3μm光を全て吸収し
1.3μm光を検出し、1.55μm光には不感であっ
て、1.55μm光を通す受光素子である。このような
フォトダイオードの構造を説明する。図7はこのような
フォトダイオードの断面図である。n型InP基板70
の上に、n型InPバッファ層71、n型InGaAs
P受光層(吸収層)72、n型InGaAsP窓層73
がエピタキシャル成長によって形成されている。InG
aAsP受光層72の吸収端波長λg2は1.42μm
である。InGaAsP窓層73の吸収端波長λg1は
1.15μmである。
【0054】InGaAsP窓層73とInGaAsP
受光層72の中央部には亜鉛拡散によりp型領域79が
形成される。InGaAsP窓層73の上面のp型領域
79には環状のp電極74がオーミック接続するように
設けられる。環状電極74の外部はパッシベ−ション膜
75によって覆われる。環状p電極74の内部は反射防
止膜76によって被覆される。入射光80は反射防止膜
76を通過して、p型領域79に入る。
【0055】n型InP基板70の裏面は、環状のn電
極77がオーミック接続するように形成してある。これ
は基板の底面の全体を覆うのではない。周辺部のみに環
状に形成されている。中央部には電極がなく光が通るよ
うになっている。光が通る部分は反射防止膜78が形成
されている。
【0056】このような受光素子は図5の従来例のもの
に比べて次の3点において異なる。 窓層がInP(λg=0.92μm)から、InGa
AsP(λg=1.15μm)に変わっている。 受光層(吸収層)がInGaAs(λg=1.67μ
m)から、InGaAsP(λg=1.42μm)に変
わっている。
【0057】基板の底部に1.55μm光を通す広い
開口81がある。 図8は吸収層(1.3μm帯選択エピタキシャル層)の
光透過率を示すグラフである。横軸は波長(μm)であ
り、縦軸は透過率(相対%)である。吸収層のλgが
1.42μmであるから、これより長い波長の光は全て
透過する。これより短い波長の光は吸収される。受光層
(吸収層72)によって、1.3μm光は吸収され、
1.55μm光は透過するということである。但し1.
3μm光が全て吸収されるには吸収層の厚みがある程度
大きくなくてはならない。
【0058】受光素子の検出できる光の波長の上限は、
吸収層のλg2(1.42μm)により、下限は窓層の
λg1(1.15μm)により決まる。この受光素子は
狭い範囲(1.15μm〜1.42μm)の波長の光し
か感受できない。図9はこのフォトダイオードの波長感
度特性を示すグラフである。1.15μm〜1.42μ
mの範囲の光にしか感じないので、1.55μm光は全
く検出しない。1.55μm光はこのフォトダイオード
を通るのであるが感度がないので1.55μm光がノイ
ズにならない。反対に1.3μm光を検出できる。
【0059】図8の透過率の曲線から、この受光素子を
1.55μm光が完全に透過できるという事が分かる。
これらの性質は、感度領域の上限λbを、1.55μm
より下へ移動させたことによって得られる。前記のが
この特性を与えている。吸収層のλg2は一般には、
1.3μmと1.55μmの中間であれば良い。ここで
は一例として1.42μmを選んでいる。丁度中間値で
ある。
【0060】窓層のλg1は一般に1.3μmより小さ
ければ良い。ここでは1.15μmを選んでいる。しか
しInPのλg=0.92μmでも差し支えない。さら
に基板の裏面の開口80は、1.55μm光を取り出す
ために不可欠である。開口を出るのは1.55μm光の
みであり、1.3μm光は全て吸収層によって吸収され
ている。
【0061】本発明の1.3μm光選択受光素子は、I
nGaAsPの4元混晶を用いる。三元混晶では自由に
バンドギャップを与えることができないからである。4
元混晶はIn1-x Gax As1-yy と書く事ができ
る。組成を決めるパラメ−タが二つある。xとyであ
る。バッファ層、光吸収層、窓層ともに基板であるIn
Pに格子整合しなければならないので、これによって拘
束条件が一つ与えられる。しかしもう一つの自由度があ
るから、バンドギャップを自在に与えることができるの
である。混晶の組成とバンドギャップ、格子定数などに
ついては、今井哲二他「化合物半導体デバイス(I)」
株式会社工業調査会発行1984年、P56,P87に
述べられている。バンドギャップを波長によって表すこ
ともできる(Eg=hc/λg)。
【0062】吸収層をλg=1.42μmとすると、組
成はx=0.34、y=0.24に決まる。In0.66
0.34As0.760.24 が吸収層の組成である。こうす
ると1.55μm光は吸収せず透過する。1.3μm光
は完全に吸収してしまう。窓層λg=1.15μmとす
ると、組成はx=0.18、y=0.60に決定され
る。In0.82Ga0.18As0.400.60 が窓の組成にな
る。これは1.3μm光も、1.55μm光も透過す
る。窓であるから当然である。しかしこれはより短い波
長の光が入らないようにしている。
【0063】図7のPDチップの製造方法を説明する。
厚さ350μmのInP基板の上に、厚さ2.5μmの
InPバッファ層、4.5μmのInGaAsP(λg
=1.42μm)受光層、厚さ1.5μmのInGaA
sP(λg=1.15μm)窓層をこの順に、液相エピ
タキシャル法によって形成する。図8はこのようにして
形成したエピタキシャルウエハの光透過率を測定した結
果を示すグラフである。1.42μm以下の波長の光は
全部吸収し、これ以上の波長の光は高い透過率をもって
いる。1.42μmにおいて透過率は急峻な変化をす
る。
【0064】このウエハに亜鉛(Zn)を拡散しPN接
合を作る。さらにフォトリソグラフィ法によって、パッ
シベーション膜、反射防止膜、p電極、n電極などを形
成する。但しチップの裏面には環状にn電極を形成す
る。中央部を光が通る開口にする。さらにn電極によっ
て囲まれる裏面中央部には1.55μm光に対する反射
防止膜(例えばSiO2 )を被覆する。表面には、1.
3μm光と1.55μm光の両方に対する反射防止膜を
形成する(例えばSiO2 とSiNの多層膜)。
【0065】こうして作製した本発明のPDを、パッケ
ージに組み込み、逆バイアスとして5Vの電圧を印加し
波長感度特性を測定した。図9は測定結果である。1.
3μm光に対して高い感度を有し、1.55μm光は吸
収せず透過していることが分かる。前述の受光素子は、
液相エピタキシャル法によって薄膜層を作っているが、
その他にクロライドVPE法をも用いることができる。
【0066】
【実施例】
[実施例1:ミラー式カップラを用いる場合:その1]
次にミラー式カップラを用いる実施例を二つ示す。図1
0はカップラとしてミラー式のものを用いる実施例を示
している。基地局から送られてきた1.3μm光/1.
55μm光は、光コネクタ91を通った後、自由空間c
を伝搬し、コリメータレンズ92によって平行光にな
り、ミラー式光カップラ93を通過し或いは反射され
る。反射光はLD94に向かうが、この光は役割を持た
ない。このカップラ93は受信光と送信光を同一光路に
通すためのものである。波長選択性を持たない。
【0067】電話やファクシミリからのデジタル送信信
号はデジタルLD94によって電気/光変換され集光レ
ンズ95によって平行光dになる。これがミラー式カッ
プラ93によって反射されて光路cに入る。これが光コ
ネクタ91を経て、光ファイバに入射し、基地局に送信
される。
【0068】さて受信光信号は光路eを進行し、集光レ
ンズ96によって絞られて1.3μm光選択PD97に
入射する。1.3μm光選択PDというのは図7、図
8、図9によって説明したものである。1.3μm光を
全部吸収しこれを検出し、1.55μm光は全て透過す
るのである。このPD97によって1.3μm光のデジ
タル信号を検出する。
【0069】1.55μm光はPD97を透過し、光路
fを通り、軸線上後方にある1.55μm光用のアナロ
グPD98に入射する。PD98は1.55μm光の強
度を検出する。1.55μm光用アナログPD98は従
来のフォトダイオードを用いることができる。例えば従
来のInGaAsを吸収層とするフォトダイオードは、
1μm〜1.6μmの広い範囲において感度を有する。
しかし光路fにおいて既に1.3μm光は除去されてい
るから、このPD98に入射するのは1.55μm光だ
けである。
【0070】このように1.3μm光用のPD97と
1.55μm光用のPD98を同一軸線上に直列に並
べ、前者によってデジタル用1.3μm光を、後者によ
ってアナログ用1.55μm光を検出するようにしてい
る。従来は両者を波長分波器によって光路a、光路bに
分離していた。本発明ではこれを光路eにまとめること
ができる。波長分波器がなく、光路が単純化されている
ので、構造は極めて単純になる。
【0071】波長分波器によって1.3μm光/1.5
5μm光を分離すると分離比が不足し誘電体多層膜が必
要であったが、本発明は誘電体多層膜は不要である。
1.3μm光選択PDが1.3μm光を全て吸収できる
からである。これによっても構成が簡単になる。部品点
数を減らす事ができ小型、低コストのONU用光モジュ
ール99とすることができる。これはモジュール内にア
ナログPDを内蔵するものである。
【0072】[実施例2:ミラー式カップラを用いる場
合:その2]ミラー式カップラを用いる他の実施例を図
11に示す。デジタルLD94の送信光をミラー式光カ
ップラ93によって反射し光ファイバに導くこと、光フ
ァイバからの受信光がカップラ93を通り、直列に並べ
た二つのPD97、98に導かれる事は、前例と変わら
ない。前例と違う点はアナログPDの位置である。1.
55μm光アナログPD98のあった位置に光ファイバ
100があって、1.55μm光を別の位置にある機器
に送り、ここに設けた1.55μm光PDによって検出
するようになっている。ONU用光モジュール101の
外部にアナログ信号を検出するものがある場合にこのよ
うなものが適する。
【0073】実施例1、2共に誘電体多層膜フィルタを
持たない。これは既に述べたように1.3μm光りPD
97が1.3μm光を全て吸収し、光路fには1.3μ
m光が存在しないからである。しかし1.3μm光PD
97の後ろにも1.3μm光がもしも出ているならばP
D97の直後に1.3μm光をカットするフィルタを挿
入しても良い。
【0074】[実施例3:平面光導波路を用いる場合:
その1]図12に光カップラとして平面光導波路を用い
る実施例を示す。基地局につながるシングルモード光フ
ァイバ110からの光信号が、石英基板上に形成された
光導波路111に入り、ここに形成されている光カップ
ラ120によって2分割される。導波路112は分岐導
波路113と114につながる。導波路112〜114
は図3の(b)に示したものと同様である。石英系クラ
ッド層に屈折率のわずかに高い部分が不純物ドープによ
って連続線上に形成されたものである。
【0075】導波路113を通過した受信光は、光導波
路111の外部において、直列に設置されている1.3
μm光選択PD115に入射する。ここで1.3μm光
が、光/電気変換され電気信号になる。1.55μm光
のみが1.3μm光選択PD115の背後から1.55
μm光PD116に入る。1.55μm光はこのPDに
よって光電変換される。これはパッケージ119の内部
に、1.3μm光用フォトダイオード115も、1.5
5μm光用フォトダイオード116の両方を収容したも
のである。
【0076】送信系は従来例と同様である。電話、ファ
クシミリのデジタル信号が、レ−ザLD118によっ
て、電気/光変換される。送信信号は、集光レンズ11
7によって絞られて、導波路114の端面に入射し、導
波路112から光ファイバ110に導かれる。これは基
地局に送られる。受信光の内、導波路114に進んだも
のはLD118に至るがこれは単に吸収されるだけで役
割を持たない。このONU用光モジュールは、波長分波
器が不要であって、分品点数が少ない。ために構造簡単
であり、製造コストも低減される。光導波路によってカ
ップラを構成するから、いっそう小型化が促進される。
【0077】[実施例4:平面光導波路を用いる場合:
その2]図13によって他の平面光導波路を用いる実施
例を説明する。これはパッケージ内にアナログPDを持
たず、1.55μm光を光ファイバによって外部に取り
出すようにしたものである。その他の構成は図12のも
のと同様である。1.3μm光用のフォトダイオード1
15の背後に集光レンズ122を設け、これによって
1.55μm光を集光し光ファイバ121に入射する。
別異の場所に設けたアナログ用のPDに1.55μm光
を伝送しそこで1.55μm光を検出する。
【0078】[実施例5:光ファイバカップラを用いる
実施例]図14によって光カップラを送受信光の結合の
ために用いた実施例を説明する。入力シングルモード光
ファイバ130が光コネクタ131によってONU用光
モジュールに結合される。光コネクタには光ファイバ1
32が結合されている。光ファイバ132は、光ファイ
バカップラ135において、光ファイバ133と134
に分岐している。光ファイバ133は1.3μm光/
1.55μm光PDモジュール136に接続されてい
る。これは1.3μm光用PDが前段に1.55μm光
用PDが後段に設けられているフォトダイオードのモジ
ュールである。
【0079】他方の光ファイバ134はデジタル信号を
送り出すための1.3μm光LDモジュール137につ
ながっている。入力ファイバ130からの光は、半分が
光ファイバ134にも入るがこれは受信されず役に立た
ない。この実施例は光ファイバによって構成したもので
あるから部品相互の位置に任意性がある。部品の配置に
ついて自由度が高い。
【0080】[実施例6:1.3μm/1.55μmP
Dモジュール]これまでは、ONU用光モジュールの全
体構成について説明した。モジュールに使われる重要な
部品についても説明する。図14の光ファイバカップラ
方式に用いられるPDモジュールの構成例を、図15に
よって説明する。通常の受光素子モジュールと違い、二
つの受光素子が内蔵されている。円形のヘッダー140
には、4本のリードピン141、142、143が取り
付けられる。ヘッダーの隆起台145の上に透明のPD
用サブマウント146が固定される。この上には1.3
μm光波長選択PDチップ147が固定される。
【0081】ヘッダー140の中央部には傾斜面148
が穿たれ、ここにサブマウント149が固定される。サ
ブマウント149の上に1.55μm光PDチップ15
0が取り付けてある。PDチップ150の入射面はビー
ムラインに対して傾いている。これは反射光が元の経路
を戻る事がないようにするためである。ヘッダー140
の上面には、断面コの字型のキャップ151が溶接して
ある。キャップ151は、前記の1.55μm光PDチ
ップ150、1.3μm光PDチップ147を囲む。キ
ャップ151の中央部には球レンズ152が固定されて
いる。レンズ152の中心軸と、1.3μmPDチップ
147の中心、1.55μmPDチップ150の中心は
同一軸線上にある。
【0082】ヘッダー140には、さらに円筒形のフェ
ルールホルダ−153がキャップを囲む位置に溶接され
る。フェルールホルダ−の先端部は細径化しており、細
径部には軸線方向に通し孔154が穿たれている。この
通し孔154には光ファイバ155の先端を保持するフ
ェルール156が差し込まれて適当な高さに固定されて
いる。端面157が軸直角面に対して8゜の角度をなす
ようにカットされている。端面からの反射光が光ファイ
バの中を戻り光源に戻らないようにするためである。
【0083】フェルールホルダ−153の細径部には円
錐形の弾性材料からなるベンドリミッタ158が取り付
けられる。これは光ファイバ155のホルダ−の先端部
での過度の湾曲を防ぐ作用がある。この受光素子モジュ
ールの特徴は、1.3μm光PD147と1.55μm
光PD150を直線的に並べたところにある。二つの受
光素子147、150はレンズ152によって光ファイ
バ155に結合している。
【0084】後段の1.55μm光PD150を斜めに
しているのは反射光が光源に戻らないようにするためで
ある。この例では1.3μm光PD147は軸線に対し
て傾いていない。しかし1.3μm光PDをも傾かせる
こともできる。台145の頂面に傾斜を付ければ良い。
このようにしても透過光が1.55μm光PDに入射す
るようにするのは可能である。以上の構成をもつPDモ
ジュールの製造方法を次に説明する。
【0085】ヘッダー140としては、鉄、コバール、
銅タングステンなどの金属材料が用いられる。ここでは
4本のリードピンを有するコバールのヘッダー140を
用いる。ピンのない方の面の中央部には傾斜面148が
予め形成されている。セラミック(アルミナAl2
3 )製のサブマウントを、傾斜面148に半田剤を用い
て半田付けする。例えば半田は、金錫(AuSn)半
田、錫鉛(SnPb)半田、金ゲルマ(AuGe)半田
などがある。ここでは金錫半田を使用する。
【0086】さらに1.55μm帯に感度のあるフォト
ダイオード(受光層はInGaAsP)をサブマウント
149の上に半田付けする。金線によって、1.55μ
m光PD150のn電極、p電極をそれぞれのリードピ
ンに電気的に接続する。リードピンを通じて、外部にP
Dの電気信号を取り出す事ができる。ヘッダーの4本の
リードピンの内1本のピン141は共通のグランド端子
になっている。以上の工程は従来のフォトダイオードの
製造工程と同じである。サブマウント、半田、ヘッダー
の材料については幾つもの種類がある。電気的な結線方
法についても多様なものがある。ここに示したものは一
例に過ぎない。
【0087】これから述べるものが新規な構造部分の組
立に関する。隆起台145があるヘッダーはレ−ザ用の
ものなどとして既に利用されている。隆起台145の上
に、アルミナ製(窒化アルミニウム(AlN)等でもよ
い)のサブマウント146を取り付ける。サブマウント
146は全面にメタライズした後、その上に金メッキす
る。サブマウントには、1.55μm光を透過させるた
めの切り欠き部が中央部にあり、そのため全体としてコ
の字型になっている。切り欠き部の幅は、1.3μm光
(波長選択)PDチップの受光面積よりも少し広くなっ
ている。
【0088】この例では、200μmの受光径の1.3
μm光PDチップ147を用いる。そこでサブマウント
の切り欠き部の幅は250μmとする。切り欠き部の奥
行きはチップの寸法と同じで500μmとしている。こ
こでは全体にメタライズしたサブマウントを使うが、部
分的にメタライズしたものでも良い。切り欠き部は角型
でなくてもよく、円形の切り欠き部を形成したものであ
っても差し支えない。
【0089】サブマウント146、149の厚みはこの
例では何れも、500μmである。このようなコの字型
の切り欠き部を持つサブマウント146を、切り欠き部
が中心軸線上に位置するように、隆起部145の頂部に
固定する。サブマウント146の上に図7に示した1.
3μm光波長選択PDチップ147を、チップの受光面
が切り欠き部に重なるように位置決めし、金錫半田によ
って半田付けする。このサブマウント146を、PDチ
ップ147が中心軸線上に位置するように、ヘッダー1
40の隆起台(ポール)145の頂部に、錫鉛(SnP
b)半田によって半田付けする。
【0090】全面(表面と裏面)にメタライズしたサブ
マウントを用いるので、サブマウントをヘッダーの隆起
部に半田付けすると同時にn電極側のグランドへの電気
的接続がなされる。この時のサブマウント146の位置
決めは、隆起部145の外側の隅と、サブマウントの隅
が面一になるようにする事によって簡単になされる。p
電極は、隆起部145とほぼ同じ高さまで延びているリ
ードピン143に金線によって接続する。グランドピン
141以外の3つのピンは、絶縁体160によって、ヘ
ッダー140の通し穴に固定される。
【0091】次に、球レンズ152を有するキャップ1
51をヘッダー140に押しつけ不活性ガス(例えば、
窒素、アルゴンなど)を充填した状態で、キャップをヘ
ッダーに溶接する。キャップの周辺部を完全に溶接する
ことによってキャップ内部を気密シ−ルする。この例で
は、BK−7ガラスを用いて球レンズを作り、コバール
のキャップに固定している。このような球レンズ付きの
キャップは、従来からPDを組み立てる時にはよく用い
られている。このようなキャップは電極溶接によってヘ
ッダーに固着できる。この実施例でも電気溶接によって
キャップをヘッダーに固定している。その他にYAG溶
接することもある。
【0092】PDチップは十分広い受光面を持っている
ので、光軸と垂直な面内での位置合わせは全く不要であ
る。このような受光素子モジュールは、図14の実施例
の1.3/1.55μm光PDモジュール136として
利用できる。このような円筒形のPDモジュールは既に
広く利用されているが、いずれも受光素子は一つしかな
い。本発明は受光素子を直列に二つ並べた受光素子モジ
ュールを必要とする。このような受光素子モジュール自
体新規であるから、ここに詳しく説明した。
【0093】[実施例7:ハーフミラー型波長選択カッ
プラを用いる場合]以上に説明した実施例において、光
カップラはいずれも入射光を50%:50%に分割する
ものであった。光カップラには1.3μm光も1.55
μm光も入りこれらがいずれも2等分される。このカッ
プラは1.3μm光をONUが送受信し双方向通信する
ために不可欠である。
【0094】しかし1.55μm光から見ると、カップ
ラの存在は入射光を半減させる邪魔者でしかない。1.
55μm光のアナログ信号は受信するだけである。TV
信号などを送信するだけの1.55μm光にとって、カ
ップラによりパワ−が半減するのは不都合である。50
%のロスは−3dBのロスである。光ファイバの損失に
換算すると10km近い距離に相当する。これだけの損
失がカップラの挿入によって引き起こされる。
【0095】場合によっては、1.55μm光について
はできるだけ光強度を落とさずに受信したいという要求
があろう。特に遠隔地までTV信号を送るときにはその
ような要求が強いものと思われる。このような要望に応
え、遠距離でも1.55μm光信号を受信することがで
きるようにした実施例を次に与える。
【0096】図16にこの実施例の構成を示す。基本的
な構成は、図10の実施例と同じである。しかし単なる
ハーフミラーではなく、波長選択性のあるハーフミラー
を用いる点が異なっている。図16(a)において、セ
ラミック基板には配線パターンが印刷されている。配線
パターンは、素子を固定するための金属被覆となり、電
気的配線ともなっている。
【0097】基板162の上に、ハーフミラー163、
集光レンズ164、1.3μm光用LD165、集光レ
ンズ167、1.3μm光PD168、1.55μm光
PD169が取り付けてある。1.3μm光用LD16
5は背後にモニタ用PD176を備える。基板162の
周辺のLD165の近傍には、LD/モニタPD用リー
ドピン166が設けられる。発光素子であるLD165
は発光量の時間的揺らぎがあってはいけないのでモニタ
用のPDがLDの背後に設けられており、これによって
発光量をモニタしている。
【0098】基地局につながるシングルモード光ファイ
バ171がハーフミラー163に光学的に結合される。
デジタル送信信号はレ−ザ165から出て、ハーフミラ
ー163によって反射され、光ファイバ171に入射す
る。光ファイバ171からの1.3μm光、1.55μ
m光はハーフミラーを透過し、レンズ167で絞られて
1.3μm光PD168、1.55μm光PD169に
よって検出される。ハーフミラー163は図16の
(b)に示すように、光ファイバに近い方から多層膜1
73、透明基板174、1.3μm/1.55μm反射
防止膜175の三重構造になっている。
【0099】入力側の多層膜173は、1.55μm光
を殆ど完全に透過し、1.3μm光は有限の比率で透過
し反射するようになっている。ここで求められるのは
1.55μm光を反射しないという事である。多層膜は
屈折率の異なる例えば2種類の誘電体薄膜を交互に繰り
返し堆積したものであるが、屈折率と厚みを適当に選ぶ
ことによって任意の波長の光を全部反射したり、半分反
射したり、或いは全部透過したりするようにできる。こ
こでは1.55μm光の反射を小さくするという条件を
課して薄膜の材料、厚みを設計すればよい。
【0100】1.55μm光の反射を0に、1.3μm
光を1:1にという条件を設けると設計製作が難しくな
るように思えよう。しかしこのような条件のハーフミラ
ーを設計することは可能である。さらに1.3μm光は
別段1:1の比率で分割しなければならないということ
は実はないのである。多くの場合、1.3μm光につい
て受信光の強度は十分で、送信光強度が不足するという
事が多い。この場合は、1.3μm光の分岐比を、PD
側に20%、LD側に80%というふうに設定するのが
より望ましい。つまり1.3μm光に関する条件には幅
があるので、1.55μm光を全透過するという目的に
かなう条件を見いだすのは容易なことである。
【0101】翻って考えてみれば、これまで述べたよう
な、1.3μm光も1.55μm光も等しく50%:5
0%に透過、反射するというような条件を満たす事がか
えって難しい。厳しい条件が二つも課される事になるか
らである。実際にはこのようなものを誘電体多層膜によ
って作るのはかなり難しいことである。むしろ1.55
μm光を全透過するミラーを誘電体多層膜によって構成
する方がずっと簡単である。
【0102】多層膜の材料としては、SiO2 、Al2
3 、TiO2 等の誘電体が用いられる。ハーフミラー
の裏面には1.3μm光、1.55μm光の反射防止膜
を形成しておく。このような多層膜ハーフミラーを用い
ると、1.55μm光は殆ど無損失でハーフミラーを透
過でき、より強いアナログ信号として1.55μm光P
Dに至ることができる。ノイズが減少しテレビ画像がよ
り鮮明になる。
【0103】図16(c)に示すように、1.3μm光
PD168は、中央部に光透過窓179を有するセラミ
ック製(Al23 、AlN等)サブマウント178に
半田付けされる。サブマウントは金(Au)のメタライ
ズパターンが設けらており、光学系全体を固定する基板
162の上の配線パターン(図示せず)につながる。こ
のパターンは、金ワイヤによって、PD用リードピン1
70の何れかに接続されている。1.55μm光PD1
69、1.3μm光LD165の各電極も、同様に、基
板162の配線パターンによって、リードピン166、
170などに接続されている。
【0104】1.3μm光LD165は、光信号を生ず
るLD自体とこれを監視するモニタ用PDを含む。この
LDとモニタPDは、ヒートシンクの上に設置される。
これは例えば、熱伝導の良いSiNなどで作製する。ヒ
ートシンクは金属であっても良い。しかし金属の場合は
モニタ用PDとLDの電極を絶縁しなければならないの
で、モニタ用PDはAl23 などの絶縁体のサブマウ
ントに乗せる必要がある。LDはかなり大きい電流を流
すから強く発熱する。それゆえヒートシンクによって放
熱するのである。
【0105】レンズ164、167は、ホルダ−に固定
し、ホルダ−を基板に固定する。これらの部品の全体を
支持するパッケージは金属製である。例えば鉄、コバー
ル、真鍮等である。この実施例は、図2の従来例に対応
するものである。同じようにミラーをカップラに使って
いるが、本発明の実施例の方が格段に単純化された構成
になっている。部品点数が減り、構造が簡単で、安価に
製造できる。しかも性能は図2のものと変わらない。な
ぜこのような大きな効果が得られるのか?それは、今ま
で誰もが、1.3μm光と1.55μm光は光路を分け
るものであると信じきっていたものを、全く反対の発想
から設計したためである。
【0106】[実施例8:波長選択平面導波路を使う場
合]光カップラを波長選択性のある平面導波路によって
構成する実施例を図17によって説明する。図12、図
13のカップラは平面導波路を使うが単純なY分岐を使
っているから波長選択性はない。実施例7において述べ
たように、カップラに波長選択性が要求される場合が予
想される。その場合に本実施例が極めて有効である。導
波路の分岐自体に波長選択性を持たせるものである。
【0107】基板180は例えばセラミックによって作
られた矩形の板である。これの前方には石英系光導波路
181が取り付けてある。図3(b)に断面図を示した
ものと同じような構造をもつ。Si基板の上に石英(S
iO2 )のクラッド層があり、その中に線状に屈折率の
高い部分(コア)が形成される。これが光を導く導波路
になる。
【0108】基板180の後半部にはサブマウント18
2が固定される。サブマウントはセラミック板に配線パ
ターン、部品取付パターン等をメタライズしたものであ
る。サブマウント182の上には、集光レンズ184、
1.3μm光LD185、モニタ用PD186が一直線
上に固定される。さらに1.3μm光PD187、1.
55μm光PD188が前後に配置される。基板180
の外側には、各素子の電極と外部の回路をつなぐために
リードピン189、190、191が設けられる。基地
局につながるシングルモード光ファイバ192の端部
が、石英系光導波路181に受信光を与えるために、直
線の導波路193につながる。その他に屈曲した導波路
195が石英クラッド層の上に形成される。
【0109】この導波路195は一部JHが、前記の直
線導波路に接近している。この部分によって導波路19
3、195が結合する。従ってこの部分はカップラ19
4になる。単にそれだけではない。近接部JHの長さ
L、間隔dによって、波長λの光に対する導波路間の結
合を任意に指定することができる。つまり導波路193
から、193自身へ、或いは195に移動する光のパワ
−を、波長λ、長さL、間隔dによって決定できる。直
線導波路の入口、出口を1、2とし、屈曲導波路の入
口、出口を4、3とする。1から2への遷移パワ−の比
率をF12、1から3への遷移パワ−の比率をF13、3か
ら1への遷移パワ−比率をF31、3から4への遷移比率
をF34などと書くことにする。
【0110】サムルールF12+F13=1、F21+F24
1、F31+F34=1などが成立する。光路の可逆性か
ら、Fmk=Fkmなどの対称性がある。比率Fmkは
光の波長λ、カップラの間隔d、長さLの関数である。
つまり一般にFmk(λ,d,L)と書くことができ
る。1.55μm光は導波路195へ入らないのが望ま
しいので、
【0111】F13(1.55μm,d,L)=0
【0112】が要求される。また1.3μm光は1:1
の分配比より、LDの経路195により多く配分される
方が良い。すると、
【0113】F13(1.3μm,d,L)≧F12(1.
3μm,d,L)>0
【0114】というような不等式が要求される。これに
よって導波路の結合部の長さL,間隔dを決めることが
できる。図17の(c)に示すのはマッハツェンダ型の
カップラである。二つの導波路がA、Cの2カ所で接近
している。中間のBでは、光の波動関数が重ならない程
度に導波路が離隔している。経路ABCは少し湾曲して
いるから直線路よりも長くなる。光路の差Δは一定であ
る。これがある光の波長の整数倍であれば、AとCにお
ける結合は互いに強め合うことになる。別異のある光の
半整数倍であれば、AとCにおける結合は互いに打ち消
し合う。
【0115】このようなわけで、波長によって、直線路
から屈曲路ABCへの遷移の確率が異なる。つまり波長
選択性が与えられるのである。(b)の場合よりもパラ
メ−タの数が多いので、マッハツェンダ型のカップラ
は、1.55μm光の遷移を禁止し(F13(1.55μ
m)=0)、1.3μm光をより強く遷移させる(F13
(1.3μm)>F12(1.3μm))というような目
的には最適である。
【0116】この例は、ファイバとなじみが良く小型化
できる、フォトリソグラフィによってSi基板の上に多
数のチップを同時に作製できる、という利点がある。こ
れはSi基板の上に石英導波路を作るからである。この
ような特長と、前述の波長選択性という利点を合わせて
持つことになる。
【0117】この実施例にとって重要な導波路型の波長
選択カップラの構成例について更に詳しく述べよう。3
つの例を図18に示した。いずれもクラッド内に高屈折
率の不純物を連続的にドープすることによって形成した
高屈折率の経路(コア)を示している。また、この場合
の1.3μm帯のLDの波長は、長距離伝達に適した
1.31μmでの実施例である。
【0118】図18の(a)は、対称方向性結合型のカ
ップラである。直線のコア200と、これに近接して一
部で屈曲したコア201とよりなる。2本のコアは断面
形状も屈折率も等しい。このように平行コアは方向性結
合器を形成する。コアを伝搬する光の波動関数がコアを
越えて滲み出すので、光がコアを伝搬するに従い光のパ
ワーが隣のコアに移動して行く。2本の平行コアが同一
の断面、同一の屈折率である場合は、一方のコア200
からパワーが他方のコア201へ徐々に移り、やがて完
全に他方のコア201に移ってしまう。さらに今度はコ
ア201から初めのコアにパワーが移動し始める。この
ように光は交互に二つのコアを移動して行く。近接部の
長さL、間隙dを適当に決めると光パワーP0を、コア
200、201に任意の比率P1:P2に配分できる。
配分比はL、d、λに依存する。
【0119】そこで、1.55μm光に対してはP0=
1のパワーをコア200の端部202に入力したとき、
P1=1,P2=0となり、しかも、1.31μm光に
対しては、P0=1のパワーを端部202に入れたと
き、P1=0.5、P2=0.5と当分に分配するよう
にL、dを決める。
【0120】図19はそのようにL、dを定めたとき
の、P1,P2の挿入損失の波長依存性を表すグラフで
ある。●がP1の挿入損失である。挿入損失が0という
のは全部通るということである。1.55μm光はP1
に対して0dB、P2に関しては無限大の損失がある。
つまりP1=1、P2=0ということである。1.31
μm光はP1も、P2も同じ損失であるからP1:P2
=1:1となる。勿論このように完全に1:1であるこ
とは必須でない。先にも説明したように、送信側に強く
結合するものの方が好都合の場合もある。この場合は、
P1/P2<0.5とする。
【0121】このように1.31μm光と1.55μm
光のパワーを別々に制御できるのは、波長が異なるとコ
ア中の光の伝搬定数が異なるという原理による。平行な
2本の導波路間のパワーの移行については、例えば、西
原浩他、「光集積回路」オーム社、昭和60年2月発行
p55−63に解説されている。
【0122】図18の(b)は、非対称方向性結合型カ
ップラを示している。前例と同様に、直線導波路210
に近接して屈曲導波路211が設けられる。近接部分2
12においてそのコアの幅S1 が小さくなっている。こ
の場合213から入った光のパワーは全部が導波路21
1に移行しない。最大限移行した場合でも元のコアにパ
ワーが一部残る。211が得る最大パワーは、各導波路
が単独に存在した時の各々の伝搬定数の差によって決ま
る。伝搬定数は、導波路の断面形状と屈折率差によって
決定されるので、211が得る最大パワーは、各導波路
の幅S1 、S2を適宜選択することで任意に調節可能で
ある。そこで1.3μm光に対しては、端部213から
入射したとき、211に移行する最大パワーの比を50
%と設定し、1.55μm光に対しては、端部213か
ら入射したときに211には全く移行しないように設定
する。
【0123】つまり前例と同じように、P0=1の時、
1.31μm光にたいしては、P1:P2=0.5:
0.5とし、1.55μm光に対しては、P1=1、P
2=0とするのである。図20は非対称方向性結合型カ
ップラのP1、P2に対する挿入損失のグラフである。
1.31μm光に対して、P1:P2=1:1になって
いるが、波長がどちらに外れてもP1の挿入損失の方が
小さいので、エネルギーがより多くP1に配分されると
いう事になる。
【0124】(b)の非対称方向性結合型カップラは、
λ=1.31μmで、挿入損失がP1,P2の何れにつ
いても極値を取るので、1.31μmをP1:P2=
0.5:0.5とする波長範囲をより広くできるという
長所がある。反対に(a)の対称方向性結合型カップラ
は1.55μmに対してP2=0とできる波長範囲をよ
り広く取れるという長所がある。P2が1.55μmで
極値を取るからである。目的によって、対称、非対称の
方向性接合型カップラを使い分けるようにする。
【0125】図18(c)はマッハツェンダ型のカップ
ラであり、図17(c)にも示している。これは近接部
において、コア相互が図18(a)、(b)のようなパ
ワーの交換をする。さらに、2カ所の近接部(方向性結
合部)218、219があり、この間の距離がコア21
6、217において異なるからこれが新たなパラメータ
L、L+Δlとなり設計の自由度が増える。
【0126】[実施例9:波長選択光カップラを用いる
実施例]実施例8は平面導波路によって波長選択性を与
えるカップラを用いていた。同じような波長選択性をも
つカップラを光ファイバによって構成することもでき
る。図21によって光ファイバ型波長選択カップラを用
いた実施例を説明する。
【0127】ONU用光モジュールの入口に設けられる
光コネクタ230に基地局につながるシングルモード光
ファイバ231が接続される。光ファイバ型波長選択カ
ップラ232は、2本の光ファイバ233、234の一
部をある近接位置235に設置することによって、光フ
ァイバを伝搬する光がそのパワ−を交換するようにした
ものである。交換の比率が波長に依存するので波長選択
性と呼ぶ。その原理は、平面導波路に形成したコア間の
結合と同等であるから、ここでは説明しない。
【0128】分配比は目的によって任意に決めればよい
が、ここでは1.3μm光は50%:50%の分配比に
している。1.55μm光は100%:0%の分配比と
している。光ファイバ233は1.3μm光PD/1.
55μm光PDを内蔵するPDモジュール236につな
がる。これはリードピン237を持ち、外部の電源回路
や、増幅回路などに接続されている。他方の光ファイバ
234は送信用の1.3μm光LDモジュール238に
接続される。電話、ファクシミリからの送信信号は、リ
ードピン239からレ−ザダイオードに与えられ、ここ
で1.3μm光の光信号になる。これは光ファイバ23
4からカップラ232を通り、シングルモード光ファイ
バ231に伝搬し基地局に至る。
【0129】1.3μm光の分配比は、50:50に限
らず、レ−ザモジュール238の出力によって、適当な
分配比を与えるべきである。受信信号が十分な強さを持
つ場合は、30:70とか、20:80というふうに送
信側に負担のかからないように、光ファイバ234の結
合を強めるのがよい。この実施例では、PDモジュール
に二つの受光素子を収容している。しかしそうでなく
て、1.55μm光PDは外部に移し、1.3μm光P
Dの透過光を光ファイバによって外部の1.55μm光
PDに入射させるようにしても良い。
【0130】
【発明の効果】本発明は、1.3μm光と1.55μm
光を分離してから検出しなくてはいけないという従来か
らの常識を覆し、1.3μm光と1.55μm光の光路
を分離しないONU用光モジュールを初めて与える。
1.55μm光を感受しないで透過するように1.3μ
m光PDに工夫をすることによって光路分離しないで
も、1.3μm光、1.55μm光を独立に受光できる
ようする。
【0131】波長分波器のような素子が不要になる。ま
た波長分波器の能力が不完全のために従来は誘電体多層
膜を設けて不要な波長の光をカットする必要があった。
本発明は、1.3μm光PD自身に1.3μm光を吸収
する機能を賦与するので、このような多層膜は不要であ
る。本発明は従来提案されているモジュールよりもはる
かに少ない分品点数で、組立が簡単で、しかも安価な光
送受信モジュールを提供することができる。光加入者系
の普及に大きく寄与することであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】1.3μm光のデジタル光信号と1.55μm
光のアナログ光信号を用いる双方向通信の原理構成図。
【図2】波長分波器とカップラにミラーを用いる従来例
に係るミラー式ONU用光モジュールの概略構成図。
【図3】波長分波器とカップラに石英系平面導波路を用
いる従来例に係るONU用光モジュールの概略構成図。
(a)は全体構成図、(b)は(a)のAB断面図。
【図4】波長分波器やカップラを光ファイバによって製
作した従来例に係るONU用光モジュールの概略構成
図。
【図5】従来例に係る近赤外用InP基板フォトダイオ
ードチップの断面図。光吸収層がInGaAsであり、
窓層がInPである。
【図6】従来例に係る近赤外用InP基板フォトダイオ
ードの受光感度の波長依存性を表すグラフ。
【図7】本発明において用いられる1.3μm光のみに
感度を有し、1.55μm光は底面に通り抜けるように
した1.3μm帯選択フォトダイオードチップの断面
図。
【図8】本発明において用いる1.3μm帯選択フォト
ダイオードの光吸収層をなすInGaAsP(λg=
1.42μm)層の光透過率の波長依存性を示すグラ
フ。
【図9】本発明において用いる1.3μm帯選択フォト
ダイオードの受光感度の波長依存性を示すグラフ。
【図10】ミラー式カップラを用い1.55μm光PD
を内蔵する本発明の第1の実施例に係るONU用光モジ
ュールの概略構成図。
【図11】ミラー式カップラを用い1.55μm光は光
ファイバによって外部のPDに導くようにした本発明の
第2の実施例に係るONU用光モジュールの概略構成
図。
【図12】石英系平面導波路カップラを用い1.55μ
m光PDを内蔵する本発明の第3の実施例に係るONU
用光モジュールの概略構成図。
【図13】石英系平面導波路カップラを用い1.55μ
m光は光ファイバによって外部のPDに導くようにした
本発明の第4の実施例に係るONU用光モジュールの概
略構成図。
【図14】光ファイバカップラと1.3μm光/1.5
5μm光PDモジュールを用いた本発明の第5の実施例
に係るONU用光モジュールの概略構成図。
【図15】本発明の第6の実施例に係る1.3μm光/
1.55μm光PDモジュールの断面斜視図。
【図16】ハーフミラー型波長選択カップラを用いる本
発明の第7の実施例に係るONU用光モジュールの構成
図。(a)は全体の構造、(b)はハーフミラーの構
造、(c)は1.3μm光選択PDの取付構造を示す。
【図17】導波路型波長選択カップラを用いた本発明の
第8の実施例に係るONU用光モジュールの概略構成
図。(a)は全体を、(b)は導波路の近接部の平面
図、(c)はマッハツエンダ型のカップラの平面図を示
す。
【図18】導波路型波長選択カップラの構成例図。
(a)は対称方向性結合型を、(b)は非対称方向性結
合型を、(c)はマッハツェンダ型の波長選択カップラ
を示す。
【図19】対称方向結合器型導波路型波長選択カップラ
の波長選択特性例を示すグラフ。横軸は波長(μm)、
縦軸は挿入損失(dB)である。黒丸は出力P1を、白
丸は出力P2を示す。P1は1.55μmのみで極小値
をとる。
【図20】非対称方向結合器型導波路型波長選択カップ
ラの波長選択特性例を示すグラフ。横軸は波長(μ
m)、縦軸は挿入損失(dB)である。黒丸は出力P1
を、白丸は出力P2を示す。P1は1.55μmで極小
値を、1.31μmで極大値をとる。P2は1.31μ
mで極小値をとる。
【図21】光ファイバ型波長選択カップラを用いた本発
明の第9の実施例に係るONU用光モジュールの概略構
成図。
【符号の説明】
1 基地局 2 分岐器 3 加入者側端末 4 波長分波器 5 アナログPD 6 信号処理部 7 TV 8 光カップラ 9 デジタルPD 10 信号処理部 11 電話・ファクシミリ 12 デジタルLD 13 光コネクタ 14 コリメータレンズ 15 多層膜フィルタ 16 多層膜フィルタ 17 集光レンズ 18 集光レンズ 22 Si基板 23 石英クラッド層 24 導波路 29 導波路 30 導波路 31 導波路 39 入力シングルモード光ファイバ 40 光コネクタ 43 光ファイバ波長分波器 44 光コネクタ 48 光カップラ 51 デジタルPDモジュール 53 デジタルLDモジュール 58 アナログPDモジュール 60 n型InP基板 61 n型InPバッファ層 62 n型InGaAs受光層(光吸収層) 63 n型InP窓層 64 Zn拡散領域 65 p電極 66 パッシベーション膜 67 反射防止膜 68 n電極 69 入射領域 70 n型InP基板 71 n型InPバッファ層 72 n型InGaAsP受光層(λg=1.42μ
m) 73 n型InGaAsP窓層(λg=1.15μm) 74 p電極 75 パッシベーション膜 76 反射防止膜 77 n電極 78 反射防止膜 79 p型領域 80 入射光 81 開口 91 光コネクタ 93 ミラー式光カップラ 94 デジタルLD 97 1.3μm光選択PD 98 1.55μm光アナログPD 100 出力光ファイバ 110 入力シングルモード光ファイバ 111 光導波路 115 1.3μm光選択PD 116 1.55μm光アナログPD 118 1.3μm光LD 119 パッケージ 120 光カップラ 121 出力光ファイバ 130 入力シングルモード光ファイバ 131 光コネクタ 135 光ファイバカップラ 136 1.3μm光/1.55μm光PDモジュール 137 1.3μm光LDモジュール 140 ヘッダー 141 リードピン 142 リードピン 143 リードピン 145 隆起部 146 サブマウント 147 1.3μm光波長選択PDチップ 148 傾斜面 149 サブマウント 150 1.55μm光PDチップ 151 キャップ 152 球レンズ 153 フェルールホルダ− 154 通し孔 155 シングルモード光ファイバ 156 フェルール 157 傾斜端面 158 ベンドリミッタ 163 ハーフミラー 164 集光レンズ 165 1.3μm光LD 166 LD/モニタPD用リードピン 167 集光レンズ 168 1.3μm光PD 169 1.55μm光PD 170 PD用リードピン 171 入力シングルモード光ファイバ 172 パッケージ 173 多層膜 174 基板 175 反射防止膜 178 サブマウント 179 開口 180 基板 181 石英系光導波路 182 サブマウント 185 1.3μm光LD 186 モニタPD 187 1.3μm光PD 188 1.55μm光PD 192 入力シングルモード光ファイバ 194 導波路型波長選択カップラ 230 光コネクタ 231 入力シングルモード光ファイバ 232 光ファイバ型波長選択カップラ 236 1.3μm光/1.55μm光PDモジュール 238 1.3μm光LDモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 康 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住 友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 金森 弘雄 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地住友電気 工業株式会社横浜製作所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの波長帯λ1、λ2(λ1<λ2)
    の光による双方向通信を行うために用いる光送受信モジ
    ュールにおいて、受信する第1の波長帯λ1に感度を有
    しそれより長い第2の波長帯λ2の光を透過させる第1
    のフォトダイオードと、その透過する波長帯λ2を受光
    する第2のフォトダイオードと、第1の波長帯λ1で発
    光する半導体レ−ザと、送信光と受信光を一つの光路に
    まとめる光カップラとよりなり、前記第1のフォトダイ
    オードを構成する半導体層の基礎吸収端のバンドギャッ
    プエネルギーEg1が前記第2のフォトダイオードの基
    礎吸収端のバンドギャップエネルギーEg2よりも大き
    く、かつ受信すべき光の進行方向に沿って順に、光カッ
    プラ、前記第1のフォトダイオード、さらにその後方に
    前記第2のフォトダイオードが配置されており、さらに
    半導体レ−ザの発光光が光カップラを通じて送信される
    ように配置された事を特徴とする光送受信モジュール。
  2. 【請求項2】 2つの波長帯λ1、λ2(λ1<λ2)
    の光による双方向通信を行うために用いる光送受信モジ
    ュールにおいて、受信する第1の波長帯λ1に感度を有
    しそれより長い第2の波長帯λ2の光を透過させる第1
    のフォトダイオードと、その透過する波長帯λ2の光を
    後段に送るための光ファイバと、第1の波長帯λ1で発
    光する半導体レ−ザと、送信光と受信光を一つの光路に
    まとめるための光カップラとよりなり、前記第1のフォ
    トダイオードを構成する半導体層の基礎吸収端のバンド
    ギャップエネルギーEg1が後段で受信するために用い
    るフォトダイオードの基礎吸収端のバンドギャップエネ
    ルギーEg2より大きく、かつ受信すべき光の進行方向
    に沿って順に、光カップラ、前記第1のフォトダイオー
    ド、さらにその後方に前記光ファイバが配置されてお
    り、さらに半導体レ−ザの発光光が光カップラを通じて
    送信されるように配置された事を特徴とする光送受信モ
    ジュール。
  3. 【請求項3】 光カップラとしてガラス基板上に多層膜
    を形成してなるミラー型のカップラを用いる事を特徴と
    する請求項1又は2に記載の光送受信モジュール。
  4. 【請求項4】 上記ミラー型光カップラが、第1の波長
    帯λ1の光を所定の比率で分配し、第2の波長をほぼ1
    00%透過するようにしたミラー型波長選択カップラを
    用いる事を特徴とする請求項3に記載の光送受信モジュ
    ール。
  5. 【請求項5】 光カップラとして平面光導波路に形成さ
    れた光カップラを用いる事を特徴とする請求項1又は2
    に記載の光送受信モジュール。
  6. 【請求項6】 上記光導波路光カップラが、第1の波長
    を所定の比率で分配し、第2の波長をほぼ100%透過
    するようにした導波路型波長選択カップラを用いる事を
    特徴とする請求項5に記載の光送受信モジュール。
  7. 【請求項7】 光カップラとして光ファイバにより形成
    された光カップラを用いる事を特徴とする請求項1又は
    2に記載の光送受信モジュール。
  8. 【請求項8】 上記光ファイバ型光カップラが、第1の
    波長を所定の比率で分配し、第2の波長をほぼ100%
    透過するようにした光ファイバ型波長選択カップラを用
    いる事を特徴とする請求項7に記載の光送受信モジュー
    ル。
  9. 【請求項9】 リードピンを有するパッケージと、パッ
    ケージの中心軸線上に固定された第1のフォトダイオー
    ドと、パッケージの中心軸線上において第1のフォトダ
    イオードよりも後方に固定された第2のフォトダイオー
    ドと、透明の窓又はレンズを有しパッケージに取り付け
    られ二つのフォトダイオードを気密封止するキャップ
    と、キャップを囲んでパッケージに固定され光ファイバ
    とフェルールを固定するフェルールホルダ−とよりな
    り、第1と第2のフォトダイオードの電極とリードピン
    を接続するワイヤとよりなる受光モジュールを用いる事
    を特徴とする請求項7又は8に記載の光送受信モジュー
    ル。
  10. 【請求項10】 第1の受信用フォトダイオードが、
    1.3μm帯に感度を有し、1.55μm帯に感度を有
    せずその光を透過するものとし、第2の受信用フォトダ
    イオードが1.55μmに感度を有し、半導体レ−ザが
    1.3μm帯の光を発光する事を特徴とする請求項1〜
    9のいずれかに記載の光送受信モジュール。
  11. 【請求項11】 第1の受信用フォトダイオードチップ
    が、InGaAsP(λg=1.42μm)の受光層を
    持つ事を特徴とする請求項10に記載の光送受信モジュ
    ール。
  12. 【請求項12】 第1の受信用フォトダイオードチップ
    が、InP基板の上にInPバッファ層、InGaAs
    P(λg=1.42μm)受光層、InGaAsP(λ
    g=1.15μm)窓層又はInP(λ=0.92μ
    m)窓層からなり、p/n電極が光の透過を妨げないよ
    うに中心部を除いた部分に形成されている事を特徴とす
    る請求項10に記載の光送受信モジュール。
  13. 【請求項13】 第1の受信用フォトダイオードチップ
    の光の入射面に1.3μm〜1.55μmの光を透過さ
    せ反射を防ぐ反射防止膜を形成し、基板面に1.55μ
    mを透過させ反射を防ぐ反射防止膜を形成した事を特徴
    とする請求項12に記載の光送受信モジュール。
  14. 【請求項14】 光導波路型波長選択カップラの構成
    が、断面積が等しい2本のコアを、伝搬する光のエネル
    ギーが相互に交換できるように平行に接近させて形成し
    てある対称方向性結合器である事を特徴とする請求項5
    又は6に記載の光送受信モジュール。
  15. 【請求項15】 光導波路型波長選択カップラの構成
    が、断面積の異なる2本のコアを、伝搬する光のエネル
    ギーが相互に交換できるように平行に接近して形成して
    ある非対称方向性結合器である事を特徴とする請求項5
    又は6に記載の光送受信モジュール。
  16. 【請求項16】 光導波路型波長選択カップラの構成
    が、2本のコアを、伝搬する光のエネルギーが相互に交
    換できるように2カ所において平行に接近して形成して
    あるマッハツェンダ型結合器である事を特徴とする請求
    項5又は6に記載の光送受信モジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010100477A (ko) * 2000-05-02 2001-11-14 손병태 초고속망 광통신에 따른 가입자 onu장치
JP2007531899A (ja) * 2003-07-15 2007-11-08 太田 祐介 多波長の双方向光マルチプレクサ
JP2008263300A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Mitsubishi Electric Corp 加入者側終端装置
JP2011511314A (ja) * 2008-01-31 2011-04-07 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 回路基板に実装される光導波路のための光タップ

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