JPH0943449A - 多心テープ型光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents

多心テープ型光ファイバカプラおよびその製造方法

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JPH0943449A
JPH0943449A JP7196875A JP19687595A JPH0943449A JP H0943449 A JPH0943449 A JP H0943449A JP 7196875 A JP7196875 A JP 7196875A JP 19687595 A JP19687595 A JP 19687595A JP H0943449 A JPH0943449 A JP H0943449A
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tape
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文生 鈴木
Kenji Nishide
研二 西出
Hideki Sasaki
佐々木  秀樹
Ryozo Yamauchi
良三 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融着延伸時の加熱不均一による融着延伸部の
形状歪を抑えることができるようにして、損失特性に優
れたテープカプラを提供する。 【解決手段】 第1の光ファイバテープ心線1および第
2の光ファイバテープ心線2の中途部分で光ファイバ1
a,2aを露出させ、両光ファイバテープ心線1,2を
光ファイバテープ心線の幅方向にずらして重ね合せた
後、第1の光ファイバテープ心線1の光ファイバ1aお
よび第2の光ファイバテープ心線2の光ファイバ2aを
光ファイバテープ心線の厚さ方向に垂直な同一平面上に
配置させるとともに、両光ファイバテープ心線1,2の
光ファイバ1a,2aを2本1組として周面を接触させ
る。接触部分を加熱して融着延伸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信、光機器にお
いて光の分岐、あるいは合流の目的で使用される光ファ
イバカプラに係り、特に光ファイバの高密度実装に有効
な多心テープ型の光ファイバカプラに関する。
【0002】
【従来の技術】融着延伸型光ファイバカプラを製造する
際に、複数の光ファイバを被覆層にてテープ状に一体化
した多心の光ファイバテープ心線(以下、単にテープ心
線という)を重ね合わせて用いた多心テープ型のもの
が、特開昭63−205615号公報等によって提案さ
れている。従来の多心テープ型光ファイバカプラ(以
下、単にテープカプラという)は、例えば次のようにし
て製造されていた。図14〜16は従来のテープカプラ
の製造方法を説明するためのものであり、図14(a)
は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。ま
た図中符号51,52はテープ心線、51a,52aは
光ファイバ(光ファイバ裸線)である。まず図14に示
すようにテープ心線51,52の中途部分で被覆層を除
去して光ファイバ51a,52aを露出させ、これら2
枚のテープ心線51,52を重ね合わせる。
【0003】次に図15に示すように、上下に重なり合
っている光ファイバ51a,52aどうしを、プラスチ
ック製の棒などの治具53を用いてそれぞれ接触させ
る。そして図16に示すように、光ファイバ51a,5
2aの接触部分をガスバーナー54で加熱して融着さ
せ、さらに融着部を延伸する。この延伸の際には一方の
テープ心線51の各光ファイバ51aの一端を光源55
にそれぞれ接続して、ここから光を入射させるととも
に、両方のテープ心線51,52の各光ファイバ51
a、52aの他端から出射される光を光パワーメーター
56でそれぞれ測定する。そして延伸に伴って結合率が
変化するので、所望の光学特性が得られた時点で延伸を
止める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
(a)に示すように、従来の方法における融着および延
伸の際の加熱は、上下に重なり合っている光ファイバ5
1a,52aの下方、すなわち2本の光ファイバ51
a,52aに対して、これらの中心を結ぶ軸線A上から
行なわれる。したがって、ガスバーナー54の炎は一方
の光ファイバ52aにのみ直接あたるので、2本の光フ
ァイバ51a,52aにおける加熱時の温度分布は、ガ
スバーナー54に近い一方の光ファイバ52aが高く、
他方の光ファイバ51aは低くなる。このように加熱時
の温度分布が不均一となることから、図17(b)に示
すように、融着延伸後の融着延伸部の断面形状は非対称
となってしまう。このため、融着延伸部で光が光ファイ
バ外に洩れる現象が生じ、結果として光ファイバカプラ
における重要な特性である損失が増加するという問題が
あった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、融着延伸部における形状歪を抑えることができるよ
うにして、損失特性に優れたテープカプラを提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1記載のテープカプラは、中途部分で
光ファイバを露出させた第1のテープ心線と第2のテー
プ心線とを重ね合わせ、該第1のテープ心線の光ファイ
バと第2のテープ心線の光ファイバとをそれぞれ融着延
伸してなり、少なくとも融着延伸部で、前記第1のテー
プ心線の光ファイバと第2のテープ心線の光ファイバと
が、光ファイバテープ心線の厚さ方向に垂直な同一平面
上に配されていることを特徴とするものである。前記課
題を解決するために本発明の請求項2記載のテーカプラ
は、中途部分で光ファイバを露出させた第1のテープ心
線と第2のテープ心線とを重ね合わせ、該第1のテープ
心線の光ファイバと第2のテープ心線の光ファイバとを
それぞれ融着延伸してなり、融着延伸部で第1のテープ
心線の光ファイバと前記第2のテープ心線の光ファイバ
とが交差され、該融着延伸部を挟んで前記第1のテープ
心線と第2のテープ心線とがトランス状配置されてなる
ことを特徴とするものである。前記請求項1または2記
載のテープカプラにおいて、少なくとも融着延伸部にお
ける第1のテープ心線の光ファイバと前記第2のテープ
心線の光ファイバとの外径が異なるように構成すること
もできる。
【0007】本発明の請求項4記載のテープカプラの製
造方法は、第1のテープ心線の中途部分で光ファイバを
露出させる工程と、第2のテープ心線の中途部分で光フ
ァイバを露出させる工程と、第1のテープ心線と第2の
テープ心線とをテープ心線の幅方向にずらして重ね合せ
た後、該第1のテープ心線の光ファイバおよび第2のテ
ープ心線の光ファイバをテープ心線の厚さ方向に垂直な
同一平面上に配置させるとともに、両テープ心線の光フ
ァイバの周面をそれぞれ接触させる工程と、該接触部分
を加熱して融着延伸する工程とを有することを特徴とす
るものである。また本発明の請求項5記載のテープカプ
ラの製造方法は、第1のテープ心線の中途部分で光ファ
イバを露出させる工程と、第2のテープ心線の中途部分
で光ファイバを露出させる工程と、該第1のテープ心線
および第2のテープ心線の光ファイバが露出された部分
に隣接する被覆層にテープ心線の長さ方向に平行な切込
みを入れる工程と、第1のテープ心線と第2のテープ心
線とを重ね合せた後、該第1のテープ心線の光ファイバ
および第2のテープ心線の光ファイバをテープ心線の厚
さ方向に垂直な同一平面上に配置させるとともに、両テ
ープ心線の光ファイバの周面をそれぞれ接触させる工程
と、該接触部分を加熱して融着延伸する工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0008】本発明の請求項6記載のテープカプラの製
造方法は、第1のテープ心線の中途部分で光ファイバを
露出させる工程と、第2のテープ心線の中途部分で光フ
ァイバを露出させる工程と、第1のテープ心線と第2の
テープ心線との一方または両方の光ファイバを切断する
工程と、第1のテープ心線と第2のテープ心線とをトラ
ンス状配置させて重ね合わせ、第1のテープ心線の光フ
ァイバと第2のテープ心線の光ファイバとを交差させる
とともに、前記切断された光ファイバの切断面どうしを
突き合わせた後、該切断面どうしを融着接続する工程
と、第1のテープ心線の光ファイバと第2のテープ心線
の光ファイバとの交差部で両テープ心線の光ファイバの
周面をそれぞれ接触させ、該接触部分を加熱して融着延
伸する工程とを有してなることを特徴とするものであ
る。請求項4〜6記載のテープカプラの製造方法におい
て、前記第1のテープ心線または第2のテープ心線のい
ずれか一方の光ファイバに他方の光ファイバよりも外径
が細い細径部を形成する工程をさらに有し、かつ該細径
部で両テープ心線の光ファイバの周面をそれぞれ接触さ
せてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
尚、ここでは4心のテープ心線を用いた例について説明
するが、本発明はこれに限られるものではない。図1は
本発明のテープカプラの第1の実施形態を示したもの
で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図
である。図中符号1および2はテープ心線、1aおよび
2aは光ファイバ、3は融着延伸部、4は非融着部、5
および6は被覆層である。尚、本実施形態において、第
1のテープ心線1の光ファイバ1aの外径と、第2のテ
ープ心線2の光ファイバ2aの外径とは同一である。以
下、この外径をDとする。
【0010】本実施形態のテープカプラは、中途部分で
被覆層5,6が除去されて光ファイバ1a,2aが露出
された第1のテープ心線1と第2のテープ心線2とが重
ね合わせられており、第1のテープ心線1の光ファイバ
1aと第2のテープ心線2の光ファイバ2aとが2本1
組となって光ファイバ対10を構成し、各光ファイバ対
10が融着延伸されて4組の光ファイバカプラを形成し
てなっている。また、2枚のテープ心線1,2は、その
幅方向に光ファイバ1a,2aの外径Dだけずらした状
態で重ね合わされている。そして、2枚のテープ心線
1,2の計8本の光ファイバ1a,2aは、両側の被覆
層5,6からそれぞれ一定距離だけ離れた接着位置7,
7で、テープ心線厚さ方向に垂直な同一平面上で互いに
隣接した状態で並べられ、かつ一括的に接着されてい
る。そして4組の光ファイバカプラの融着延伸部3、お
よびその両側の非融着部4であって融着延伸部3に隣接
する部分は、テープ心線厚さ方向に垂直な同一平面上に
配されている。
【0011】このようなテープカプラは次のようにして
製造することができる。図2〜5は本発明のテープカプ
ラの製造方法の第1の実施形態を工程順に示したもの
で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図
である。まず、2枚のテープ心線1,2を用意する。テ
ープ心線1,2の構成は特に限定されるものではなく、
外径125μmの光ファイバ1a,2aを用いた4心テ
ープ心線を好適に使用することができる。また本実施形
態において用いられるテープ心線1,2は、ファイバピ
ッチが光ファイバ外径Dの2倍以上であるものが好まし
く、さらに好ましくは光ファイバ1a,2aが外径12
5μmで、ファイバピッチが250μmのものが用いら
れる。
【0012】次に、これらテープ心線1,2の中途部分
で被覆層5,6を除去して光ファイバ1a,2aを露出
させる。露出させる光ファイバ1a,2aの長さは光カ
プラの製造に必要な長さに適宜設定することができ、例
えば30mm程度に好ましく設定することができる。次
いで、図2に示すように2枚のテープ心線1,2を重ね
合わせる。このときテープ心線長さ方向においては露出
された光ファイバ1a,2aを一致させるとともに、テ
ープ心線幅方向に光ファイバ1a,2aの外径Dだけず
らした状態で重ね合わせる。すなわち、図2(b)に示
すように、テープ心線厚さ方向から見たときに一方のテ
ープ心線1の各光ファイバ1a…の間に、他方のテープ
心線2の各光ファイバ2a…がそれぞれ位置するように
配置させる。
【0013】続いて、図3に示すように両テープ心線
1,2の全部の光ファイバ1a,2aの、両側の被覆層
5,6からそれぞれ一定距離だけ離れた位置を、テープ
心線厚さ方向から押え治具8によりそれぞれ挟持するこ
とによって、全部の光ファイバ1a,2aをテープ心線
厚さ方向に垂直な同一平面上に配置させる。このとき、
テープ心線1,2のファイバピッチが光ファイバ1a,
2aの外径Dの2倍に等しいか、2倍よりも小さい場合
には、全部の光ファイバ1a,2aの周面どうしが互い
に接触した状態となる。またテープ心線1,2のファイ
バピッチが光ファイバ1a,2aの外径Dの2倍より大
きい場合には、各テープ心線1,2のそれぞれの光ファ
イバ1a,2aからなる2本が周面が接触した状態とな
り、このような2本1組の光ファイバ対10が間隙を有
して4組並列された状態となる。ここで、光ファイバ1
a,2aを挟持する押え治具8としては、光ファイバ1
a,2aに傷をつけないように表面がなめらかなものが
用いられる。この押え治具8としては特に限定されない
が、例えば、外径が3mm程度のプラスチック製の丸棒
であって、表面が滑らかに研磨加工されたものを好適に
用いることができる。
【0014】そして、この状態を保持したまま2つの押
え治具8,8の内側部分(接着位置7,7)にそれぞれ
接着剤を塗付して光ファイバ1a,2aを固定し、固定
後、押え治具8,8を取り外す。これにより全部の光フ
ァイバ1a,2aが同一平面上に配された状態に固定さ
れる。ここで、2つの接着位置7,7の間隔は適宜設定
することができるが、狭過ぎると後の融着延伸工程にお
ける作業が困難になるおそれがあるので、例えば20m
m程度に好ましく設定することができる。
【0015】この後、各テープ心線1,2のそれぞれの
光ファイバ1a,2aを2本1組として光ファイバ対1
0を構成し、各光ファイバ対10を互いに隔離する。す
なわち、図4に示すように、同一平面上にある8本の光
ファイバ1a,2aに対して、2本おきに光ファイバ1
a,2aの間にスペーサ9をそれぞれ挿入する。スペー
サ9は2つの接着位置7,7の内側であって、光ファイ
バ1a,2aの中央部分を挟む両側に挿入され、これに
より光ファイバ1a,2aの2本ずつが互いに接触して
光ファイバ対10を構成するとともに、各光ファイバ対
10が隔離された状態となる。隣合う光ファイバ対10
の間隔は、後の融着延伸時の加熱によって互いに隣合う
光ファイバ対10どうしが融着しないように適宜設定す
ることができる。また光ファイバ1a,2aの中央部分
を挟んで両側に配されるスペーサ9,9の間隔は、光フ
ァイバ1a,2aの中央部分を溶融延伸可能であれば適
宜設定することができるが、例えば14mm程度に好ま
しく設定することができる。スペーサ9としては、光フ
ァイバ1a,2aに傷をつけないように表面がなめらか
なものが用いられる。スペーサ9は特に限定されない
が、例えば、テープ心線長さ方向の幅が約2mmで、テ
ープ心線幅方向の厚さが約0.2〜0.5mm程度のプ
ラスチック製の板であって、表面が滑らかに研磨された
ものを好適に用いることができる。
【0016】このようにしてスペーサ9が挿入された状
態で、図5に示すように、4対の光ファイバ対10の好
ましくは中央部分をテープ心線厚さ方向から加熱して、
それぞれの光ファイバ1a,2aを融着させる。この加
熱手段としては、酸素・水素バーナを好適に用いること
ができるほか、その他のガスバーナーあるいは電気放電
装置を適宜使用することもできる。この加熱手段は4対
の光ファイバ対10を同時に加熱できるように構成され
る。そして全部の光ファイバ対10の融着が確認された
ならば、加熱を弱め、融着部分がガラス溶融点以上の温
度で軟化している状態を維持しつつ、4対の光ファイバ
対10に同時に張力をかけて融着部分を延伸する(符号
3は融着延伸部)。この延伸の際には、図16と同様な
方法で、光源からの光を光ファイバ1aまたは2aの一
方の端部に入射させ、融着延伸部3を通過して光ファイ
バ1aまたは2aの他方の端部から出射した光をパワー
メータで測定することによって光結合度をモニターす
る。そして、光結合度が目標の値に達したら延伸を停止
し、図1に示すようなテープカプラが完成する。尚、ス
ペーサ9は、融着終了後、延伸を開始して、融着延伸部
3における光ファイバ1a,2aの外径が細くなり、隣
合う光ファイバ対10どうしが融着するおそれがなくな
ったならば、適宜取り外すことができる。
【0017】このようにして作製されたテープカプラ
は、好ましくは、図6に示すように融着延伸部3を角形
の補強ケース11内に収容し、接着剤で固定して用いら
れる。この補強ケース11は特に限定されないが、石英
ガラスや、熱膨張率が小さい金属、プラスチック、セラ
ミックス等を用いて形成されたものが好ましい。本実施
形態のテープカプラは、クラッド径が等しい2本の光フ
ァイバを融着延伸して光ファイバカプラが構成されてい
る。通常、このような構成によれば単一波長型もしくは
波長分割多重型(WDM型)テープカプラが得られる。
【0018】本実施形態の製造方法によれば、2枚のテ
ープ心線1,2をテープ心線幅方向にずらして重ねるこ
とにより、両方のテープ心線1,2の光ファイバ1a,
2aをテープ心線厚さ方向から挟持して、これらをテー
プ心線厚さ方向に垂直な同一平面上に容易に配すること
ができる。したがって、光ファイバ対10を加熱して融
着延伸する際に、テープ心線厚さ方向から加熱すること
によって、各光ファイバ対10を構成している2本の光
ファイバ1a,2aにおける温度分布を均等にすること
ができるので、融着延伸部3における形状歪は抑えら
れ、ほぼ対称な断面形状が得られる。よって損失特性に
優れたテープカプラが得られるとともに、4組の光ファ
イバカプラのそれぞれの融着延伸部3における光結合度
のばらつきも小さくなる。
【0019】また、2枚のテープ心線1,2をテープ心
線幅方向にずらして重ねる際に、そのずらす量を光ファ
イバ1a,2aの外径Dと等しくすることによって、両
テープ心線1,2の光ファイバ1a,2aを同一平面上
に配したときに、特に外力を加えなくても光ファイバ1
a,2aの周面を接触させることができる。さらに光フ
ァイバ1a,2aを挟持する押え治具8、および隣合う
光ファイバ対10の間に挿入するスペーサ9として、表
面がなめらかな部材を用いることにより、光ファイバの
表面の傷発生を防止し、信頼性の高いテープカプラを得
ることができる。
【0020】また本実施形態のテープカプラにおいて、
各光ファイバカプラを、外径が異なる2本の光ファイバ
を融着延伸して構成することもできる。各光ファイバカ
プラにおいて、2本の光ファイバの外径は少なくとも融
着延伸部3で異なっていればよく、このように構成する
ことにより、融着延伸後の2本の光ファイバのクラッド
径が異なる結果、広帯域にわたって光分岐比の波長依存
性が少ない波長無依存型のテープカプラが得られる。こ
のようなテープカプラの製造に際しては、一方のテープ
心線の光ファイバの少なくとも融着延伸部3に相当する
部分を、予め細径化しておけばよい。一方のテープ心線
の光ファイバを細径化する方法としては、まず、テープ
心線を得ようとするテープカプラの長さに切断した後、
その中間部の被覆層を所定の長さだけ除去して光ファイ
バを露出させ、さらに、その中間部を所定の長さだけ細
径化すればよい。細径化の方法は、フッ酸を使用したエ
ッチンング法や、周面を研磨する方法など適宜の方法を
用いることができる。 ここで、細径化される部分(細
径部)の光ファイバの外径は、得ようとする光カプラの
光学特性によって適宜設定することができるが、例えば
100μm程度とすることができる。さらに細径部の長
さは、光カプラの製造の際に必要な長さに応じて適宜設
定することができるが、例えば10mm程度に好ましく
設定することができる。
【0021】また一方のテープ心線の光ファイバを細径
化する他の方法として、得ようとするテープカプラと長
さが等しいテープ心線の中途部分で、被覆層を除去して
光ファイバを露出させ、光ファイバを加熱延伸して細径
化してもよい。さらに他の方法として、得ようとするテ
ープカプラの半分の長さのテープ心線を2枚用意して、
それぞれの片端部を前記と同様の方法により細径化して
もよい。この場合、他のテープ心線との接触、融着延伸
作業の前に、両テープ心線の端部を突き合わせて融着接
続する必要があるが、接触、融着延伸作業と同時に行な
うこともできる。
【0022】図7は本発明のテープカプラの第2の実施
形態を示したもので、(a)は正面図、(b)は平面
図、(c)は側面図である。本実施形態のテープカプラ
が上記第1の実施形態と大きく異なる点は、2枚のテー
プ心線1,2の被覆層5,6の光ファイバ1a,2aに
隣接する部分(被覆端部5a,6a)にテープ心線長さ
方向に平行な切込み19が形成されている点である。本
実施形態のテープカプラも、上記第1の実施形態のもの
と同様に、中途部分で被覆層5,6が除去されて光ファ
イバ1a,2aが露出された第1のテープ心線1と第2
のテープ心線2とが重ね合わせられており、第1のテー
プ心線1の光ファイバ1aと第2のテープ心線2の光フ
ァイバ2aとが2本1組となって光ファイバ対10を構
成し、各光ファイバ対10が融着延伸されて4組の光フ
ァイバカプラを形成してなっている。
【0023】また、2枚のテープ心線1,2は、その幅
方向にずらした状態で重ね合わされている。さらに2枚
のテープ心線1,2の被覆端部5a,6aには、テープ
心線長さ方向に平行な切込み19が形成されており、こ
の切込み19によって被覆端部5a,6aが各光ファイ
バ1a,2a毎に分岐されている。そして、2枚のテー
プ心線1,2の被覆端部5a,6aはテープ心線厚さ方
向に垂直な同一平面上に交互に隣接した状態で並べら
れ、かつ接着剤17により一括的に接着されている。ま
た4組の光ファイバカプラの融着延伸部3、およびその
両側の非融着部4も、テープ心線厚さ方向に垂直な同一
平面上に配されている。
【0024】このようなテープカプラは次のようにして
製造することができる。図8〜10は本発明のテープカ
プラの製造方法の第2の実施形態を工程順に示したもの
で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図
である。まず、2枚のテープ心線1,2を用意する。テ
ープ心線1,2の構成は特に限定されるものではなく、
外径125μmの光ファイバ1a,2aを用いた4心テ
ープ心線を好適に使用することができる。
【0025】次に、これらテープ心線1,2の中途部分
で被覆層5,6を除去して光ファイバ1a,2aを露出
させる。露出させる光ファイバ1a,2aの長さは光カ
プラの製造に必要な長さに適宜設定することができ、例
えば30mm程度に好ましく設定することができる。次
いで図8に示すように、2枚のテープ心線1,2の被覆
層5,6の光ファイバ1a,2aに隣接する部分、すな
わち被覆端部5a,6aにテープ心線長さ方向に平行な
切込み19を形成する。切込み19は隣合う光ファイバ
間の被覆端部5a,6aを切断するもので、これにより
被覆端部5a,6aが各光ファイバ1a,2a毎に分岐
される。切込み19のテープ心線長さ方向の長さは、被
覆端部5a,6aを必要に応じて分岐できるように適宜
設定することができ、例えば5mm程度に好適に設定す
ることができる。
【0026】この後、2枚のテープ心線1,2を重ね合
わせる。このときテープ心線長さ方向においては露出さ
れた光ファイバ1a,2aを一致させるとともに、好ま
しくはテープ心線幅方向にずらした状態で重ね合わせ
る。テープ幅方向にずらす量は、テープ心線1,2のフ
ァイバピッチよりも大きくならない範囲で設定され、好
ましくはファイバピッチの半分とされる。あるいは2枚
のテープ心線1,2をテープ幅方向にずらさなくてもよ
い。
【0027】続いて、図9に示すように重なり合ってい
るテープ心線1,2の光ファイバ1a,2aを挟んだ両
側の被覆端部5a,6aを、テープ心線厚さ方向から押
え治具20,20でそれぞれ挟持することによって、一
方のテープ心線1の被覆端部5aと他方のテープ心線2
の被覆端部6aとが、テープ心線厚さ方向に垂直な同一
平面上に交互に隣接した状態で並べられる。ここで、被
覆端部5a,6aを挟持する押え治具20としては、被
覆端部5a,6aに傷をつけないように表面がなめらか
なものが用いられる。この押え治具20としては特に限
定されないが、例えば、プラスチック製または金属製の
丸棒または角棒等を好適に用いることができる。そし
て、この状態を保持したまま両方の押え治具20,20
の内側部分にそれぞれ接着剤17,17を塗付して被覆
端部5a,6aを固定し、固定後、押え治具20,20
を取り外す。このようにして両側の被覆端部5a,6a
がそれぞれ同一平面上に固定されたことにより、全部の
光ファイバ1a,2aが同一平面上に互いに間隙を有し
て並列された状態となる。
【0028】この後、各テープ心線1,2のそれぞれの
光ファイバ1a,2aを2本1組の光ファイバ対10と
し、2本の光ファイバ1a,2aの互いの周面を接触さ
せる。すなわち、図10に示すように、同一平面上にあ
る8本の光ファイバ1a,2aに対して、2本ずつの光
ファイバ1a,2aをそれぞれテープ心線幅方向から挟
持する挟持治具21を、光ファイバ1a,2aの間に挿
入する。挟持治具21は光ファイバ1a,2aの中央部
分を挟む両側にそれぞれ配置させ、この挟持治具21で
2本の光ファイバ1a,2aを挟持することによって、
それらの周面を接触させる。挟持治具21としては、光
ファイバ1a,2aに傷をつけないように表面がなめら
かなものが用いられる。挟持治具21は特に限定されな
いが、例えば、表面が滑らかに研磨されたプラスチック
製の丸棒等を好適に用いて構成することができる。そし
て、この状態を保持したまま、光ファイバ1a,2aの
中央部分を挟む両側の挟持治具21,21の内側部分に
それぞれ接着剤18,18を塗付し、光ファイバ1a,
2aを固定する。固定後、挟持治具21,21を取り外
す。これにより、テープ心線厚さ方向に垂直な同一平面
上に、2本の光ファイバ1a,2aが接触してなる4対
の光ファイバ対10が、互いに間隙を有して並列した状
態となる。
【0029】この後、4対の光ファイバ対10の好まし
くは中央部分をテープ心線厚さ方向から加熱して、それ
ぞれの光ファイバ1a,2aを融着させる。この加熱手
段としては、酸素・水素バーナを好適に用いることがで
きるほか、他のガスバーナーあるいは電気放電装置を適
宜使用することもできる。そして全部の光ファイバ対1
0の融着が確認されたならば、加熱を弱め、融着部分が
ガラス溶融点以上の温度で軟化している状態を維持しつ
つ、4対の光ファイバ対10に同時に張力をかけて融着
部分を延伸する。この延伸の際には、図16と同様な方
法で、光源からの光を光ファイバ1aまたは2aの一方
の端部に入射させ、融着延伸部3を通過して光ファイバ
1aまたは2aの他方の端部から出射した光をパワーメ
ータで測定することによって光結合度をモニターする。
そして、光結合度が目標の値に達したら延伸を停止し、
図7に示すようなテープカプラが完成する。
【0030】このようにして作製されたテープカプラ
は、上記第1の実施形態と同様に、好ましくは、図6に
示すように融着延伸部3を角形の補強ケース11内に収
容し、接着剤で固定して用いられる。本実施形態のテー
プカプラは、クラッド径が等しい2本の光ファイバを融
着延伸して光ファイバカプラを構成しているものであ
り、通常、単一波長型もしくは波長分割多重型(WDM
型)テープカプラが得られる。
【0031】本実施形態の製造方法によれば、被覆端部
5a,6aに切込みを入れることにより、この被覆端部
をテープ心線厚さ方向から挟持して、両テープ心線1,
2の光ファイバ1a,2aをテープ心線厚さ方向に垂直
な同一平面上に容易に配することができる。またこのと
き、被覆端部5a,6aを押圧して光ファイバを同一平
面上に配列できるので、光ファイバに傷が付きにくく、
光ファイバが折れるのを防止できる。したがって、光フ
ァイバ対10を加熱して融着延伸する際に、テープ心線
厚さ方向から加熱することによって、各光ファイバ対1
0を構成している2本の光ファイバ1a,2aにおける
温度分布を均等にすることができる。したがって、融着
延伸部3における形状歪は抑えられ、ほぼ対称な断面形
状が得られる。よって損失特性に優れたテープカプラが
得られるとともに、4組の光ファイバカプラのそれぞれ
の融着延伸部3における光結合度のばらつきも小さくな
る。さらに被覆端部光ファイバ1a,2aを挟持する挟
持治具21として、表面がなめらかな部材を用いること
により、光ファイバの表面の傷発生を防止し、信頼性の
高いテープカプラを得ることができる。
【0032】また本実施形態のテープカプラにおいて
も、上記第1の実施形態と同様に、各光ファイバカプラ
が外径が異なる2本の光ファイバを融着延伸してなる構
成とすることもできる。各光ファイバカプラにおいて、
2本の光ファイバの外径は少なくとも融着延伸部3で異
なっていればよく、このように構成することにより波長
無依存型のテープカプラが得られる。
【0033】図11は本発明のテープカプラの第3の実
施形態を示したもので、(a)は正面図、(b)は平面
図、(c)は側面図である。本実施形態のテープカプラ
は、中途部分で被覆層5,6が除去されて光ファイバ1
a,2aが露出された第1のテープ心線1と第2のテー
プ心線2とが、テープ心線幅方向にずらした状態で重ね
合わせられており、第1のテープ心線1の光ファイバ1
aと第2のテープ心線2の光ファイバ2aとが2本1組
となって光ファイバ対10を構成し、各光ファイバ対1
0が融着延伸されて4組の光ファイバカプラを形成して
なっている。
【0034】本実施形態のテープカプラにあっては、第
2のテープ心線2の光ファイバ2aの融着延伸部3およ
びその近傍が細径化されて細径部2bが形成されてい
る。すなわち、テープカプラの各光ファイバカプラは外
径が異なる2本の光ファイバを融着延伸して構成されて
いる。このような光ファイバカプラにおいて、2本の光
ファイバの外径は少なくとも融着延伸部3で異なってい
ればよく、このように構成することにより波長無依存型
光ファイバカプラが得られる。また、融着延伸部3で第
1のテープ心線1の光ファイバ1aと第2のテープ心線
2の光ファイバ2aとが交差され、融着延伸部3を挟ん
で一方のテープ心線1と他方のテープ心線2とがトラン
ス状配置されている。ここでトランス状配置とは、露出
されている光ファイバ1a,2aを挟んだテープ心線長
さ方向の一方と他方とで、重なっている2枚のテープ心
線1,2の上下が逆に配置されていることをいう。さら
に4組の光ファイバカプラの融着延伸部3は、テープ心
線厚さ方向に垂直な同一平面上に配されている。
【0035】このようなテープカプラは次のようにして
製造することができる。図12および13は本発明のテ
ープカプラの製造方法の第3の実施形態を工程順に示し
たもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は
側面図である。本実施形態で用いられるテープ心線1,
2の構成は特に限定されるものではなく、外径125μ
mの光ファイバ1a,2aを4本用いた汎用の4心テー
プ心線を好適に使用することができる。まず、図12に
示すように、一端部で被覆層5が除去されて光ファイバ
1aが露出された第1のテープ心線1、および一端部で
被覆層6が除去されて光ファイバ2aが露出され、かつ
光ファイバ2aの先端部に細径部2bが形成された第2
のテープ心線2を、それぞれ2枚ずつ用意する。これら
のテープ心線1,2において、露出されている光ファイ
バ1a,2aの長さはいずれも等しく、また切断面は垂
直に形成されている。
【0036】上記のような第1のテープ心線1は、ま
ず、テープ心線1を得ようとするテープカプラの長さの
半分に切断した後、その一端部の被覆層5を所定の長さ
だけ除去して光ファイバ1aを露出し、光ファイバ端面
を長さ方向に対して垂直に切断することによって得られ
る。ここで、露出される光ファイバ1aの長さは光カプ
ラの製造に必要な長さの半分に適宜設定することがで
き、例えば15mm程度に好ましく設定することができ
る。また上記の第1のテープ心線1を得る他の方法とし
て、得ようとするテープカプラと長さが等しいテープ心
線1の中途部分で、被覆層5を除去して光ファイバ1a
を露出させた後、該光ファイバ1aをその中央で長さ方
向に対して垂直に切断してもよい。
【0037】また上記のような第2のテープ心線2は、
まずテープ心線2を得ようとするテープカプラの長さの
半分に切断した後、その一端部の被覆層6を所定の長さ
だけ除去して光ファイバ2aを露出させ、さらに、光フ
ァイバ2aの先端部を所定の長さだけ細径化して細径部
2bとすることによって得られる。細径化の方法は、フ
ッ酸を使用したエッチンング法や、周面を研磨する方法
など適宜の方法を用いることができる。ここで、露出さ
れる光ファイバ2aの長さは第1のテープ心線1の光フ
ァイバ1aの長さと等しく設定され、好ましくは15m
m程度とすることができる。また、細径部における光フ
ァイバ2aの外径は、得ようとする光カプラの光学特性
によって適宜設定することができるが、例えば100μ
m程度とすることができる。さらに細径部2bの長さ
は、光カプラの製造の際に必要な長さに応じて適宜設定
することができるが、例えば10mm程度に好ましく設
定することができる。また上記の第2のテープ心線2を
得る他の方法として、得ようとするテープカプラと長さ
が等しいテープ心線2の中途部分で、被覆層6を除去し
て光ファイバ2aを露出させ、光ファイバ2aを加熱延
伸して細径化した後、光ファイバ2aおよび細径部2b
が所定の長さとなるように切断してもよい。
【0038】次に、第1のテープ心線1と第2のテープ
心線2とを重ね合わせる。このときテープ心線長さ方向
においては露出された光ファイバ1a,2aを一致させ
るとともに、テープ心線幅方向にずらした状態で重ね合
わせる。このずらす量は第1のテープ心線1の光ファイ
バ1aの外径をD、第2のテープ心線2の光ファイバ2
aの細径部2bの外径をdとするとき、(D+d)/2
とする。これにより、図12(b)に示すように、テー
プ心線厚さ方向から見たときに第1のテープ心線1の各
光ファイバ1a…の間に、第2のテープ心線2の各光フ
ァイバ2a…がそれぞれ並列し、かつ隣り合う第1のテ
ープ心線1の光ファイバ1aと第2のテープ心線2の光
ファイバ2aとが、テープ心線幅方向に垂直な同一平面
の一面と他面にそれぞれ接している状態となる。
【0039】また、2枚の第1のテープ心線1,1の一
方と2枚の第2のテープ心線2,2の一方とを重ね合わ
せるときと、他方の第1のテープ心線1と他方の第2の
テープ心線2とを重ね合わせるときとでは、テープ心線
幅方向の異なる方向にそれぞれずらすようにする。そし
て、重なり合った一方の第1のテープ心線1および第2
のテープ心線2と、他方の第1のテープ心線1および第
2のテープ心線2とを、図12(b)に示すように、光
ファイバ1a,2aの切断面が向い合うように、かつ第
1のテープ心線1と第2のテープ心線2とがトランス状
配置となるように対向させることにより、先端部の外径
が等しい光ファイバどうしがテープ心線幅方向に垂直な
同一平面上に位置する状態となる。
【0040】このようにして、第1のテープ心線1と第
2のテープ心線2とを重ね合わせたものを、光ファイバ
1a,2aの切断面が向い合うように、かつ第1のテー
プ心線1と第2のテープ心線2とがトランス状配置とな
るように対向させた後、図13に示すように、外径が等
しい光ファイバの切断面どうしを突き合わせる。このと
き、互いに突き合わされた第1のテープ心線1の光ファ
イバ1a,1aおよび第2のテープ心線の光ファイバ2
a,2aがそれぞれ一直線状となり、かつ両テープ心線
1,2の光ファイバ1a,2aが突き合わせ位置で互い
に交差するように、各テープ心線1,1,2,2を保持
する。すなわち、重なり合っていた第1のテープ心線1
および第2のテープ心線2は、一方が他方に対してテー
プ心線長さ方向に傾斜した状態となるようにそれぞれ好
ましく保持される。
【0041】この状態で、第1のテープ心線1と第2の
テープ心線2とがテープ心線幅方向に(D+d)/2だ
けずらした状態で重ね合わされているので、突き合され
てなる2本の光ファイバ1a,2aは、それらが交差し
ている位置(交差部)で周面が互い接触して光ファイバ
対10を構成するとともに、4対の光ファイバ対10が
互いに間隙を有して並列した状態となる。また交差して
いる光ファイバ1a,2aが、その交差部においてテー
プ心線厚さ方向に垂直な同一平面上に配置されるととも
に、4対の光ファイバ対10の交差部がテープ心線厚さ
方向に垂直な同一平面上に配置された状態となる。
【0042】この後、4つの光ファイバ対10における
交差部をテープ心線厚さ方向から加熱して、突き合され
ている光ファイバどうしを融着接続する。また周面が互
いに接触している2本の光ファイバ1a,2aをそれぞ
れを融着させる。加熱手段としては、酸素・水素バーナ
を好適に用いることができるほか、他のガスバーナーあ
るいは電気放電装置を適宜使用することもできる。この
突き合されている光ファイバどうしの融着接続と、隣接
する光ファイバ1a,2aの融着とは同時に行なうこと
もでき、また突き合されている光ファイバどうしの融着
接続後に光ファイバ1a,2aの融着を行なってもよ
い。
【0043】そして全部の光ファイバ対10における隣
接する光ファイバ1a,2aの融着が確認されたなら
ば、加熱を弱め、融着部分がガラス溶融点以上の温度で
軟化している状態を維持しつつ、4つの光ファイバ対1
0に同時に張力をかけて融着部分を延伸する。この延伸
の際には、図16と同様な方法で、光源からの光を光フ
ァイバ1aまたは2aの一方の端部に入射させ、融着延
伸部3を通過して光ファイバ1aまたは2aの他方の端
部から出射した光をパワーメータで測定することによっ
て光結合度をモニターする。そして、光結合度が目標の
値に達したら延伸を停止し、図11に示すようなテープ
カプラが完成する。
【0044】このようにして作製されたテープカプラ
は、上記第1の実施形態と同様に、好ましくは、図6に
示すように融着延伸部3を角形の補強ケース11内に収
容し、接着剤で固定して用いられる。また得られたテー
プカプラは、外径が異なる2本の光ファイバが融着延伸
されたものであるので、広帯域にわたって光分岐比の波
長依存性が少ない波長無依存型テープカプラとなる。
【0045】本実施形態の製造方法によれば、2枚のテ
ープ心線1,2をそれぞれ切断することにより、これら
をトランス状配置させて、第1のテープ心線1の光ファ
イバ1aと第2のテープ心線2の光ファイバ2aとがテ
ープ心線幅方向に交互に配され、かつこれらの光ファイ
バ1a,2aが交差するとともに、その交差部において
2枚のテープ心線1,2の光ファイバ1a,2aが、テ
ープ心線厚さ方向に垂直な同一平面上に配置された状態
とすることができる。したがって、光ファイバ対10を
加熱して融着延伸する際に、交差部をテープ心線厚さ方
向から加熱することによって、交差している2本の光フ
ァイバ1a,2aにおける温度分布を均等にすることが
できる。よって、融着延伸部3における形状歪を抑える
ことができ、ほぼ対称な断面形状となるので、損失特性
に優れたテープカプラが得られるとともに、4対の光フ
ァイバ対10のそれぞれの融着延伸部3における光結合
度のばらつきも小さくなる。
【0046】また2枚のテープ心線1,2を幅方向に
(D+d)/2だけずらして重ねることによって、両テ
ープ心線1,2の光ファイバ1a,2aを交差させたと
きに、特に外力を加えなくても光ファイバ1a,2aの
周面を接触させることができる。さらに第2のテープ心
線2の光ファイバ2aに細径部2bを形成することによ
り、両テープ心線1,2の光ファイバ1a,2aを交差
させ接触させたときに、交差部の位置がその細径部に自
動的に位置合わせされるので、交差位置を制御する手間
が省ける。さらにまた、重ねられた2枚のテープ心線
1,2を一方が他方に対してテープ心線長さ方向に傾斜
した状態となるように保持して、両テープ心線1,2の
光ファイバ1a,2aを交差させ接触させれば、光ファ
イバ1a,2aを直接治具等で押える必要がないので、
光ファイバに傷が発生するおそれがなく、強度低下がな
く、長期にわたって信頼性に優れたテープカプラが得ら
れる。
【0047】尚、本実施形態の製造方法においては、2
枚のテープ心線1,2の両方を切断した後に、これらを
トランス状配置させて、両テープ心線1,2の光ファイ
バ1a,2aを交差させたが、いずれか一方のテープ心
線のみを切断しても、同様にトランス状配置して、両テ
ープ心線1,2の光ファイバ1a,2aが交差した状態
に配置することができる。
【0048】また本実施形態のテープカプラにおいて、
各光ファイバカプラが外径が等しい2本の光ファイバを
融着延伸してなる構成とすることもできる。すなわち本
実施形態の製造方法において、第2のテープ心線2の光
ファイバ2aを細径化しない他は同様にしてテープカプ
ラを製造することができる。この場合、2枚のテープ心
線1,2の光ファイバ1a,2aの外径をDとすれば、
テープ心線1,2をテープ心線幅方向にDだけずらして
重ねることによって、光ファイバ1a、2aを交差させ
たときに、特に外力を加えなくても周面を接触させるこ
とができる。このように構成することにより、通常、単
一波長型もしくは波長分割多重型(WDM型)テープカ
プラが得られる。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。 (実施例1)図1に示す構造の波長1.55μmで結合
度50%の単一波長型のテープカプラを作製した。ま
ず、外径125μmの1.3μm帯単一モード型光ファ
イバを用いた4心テープ心線を2枚用意した。ファイバ
ピッチは250μmであった。次に、これらテープ心線
の中途部分でそれぞれ被覆層を約30mmにわたって除
去して光ファイバを露出させた。次いで2枚のテープ心
線を、テープ心線長さ方向においては露出された光ファ
イバを一致させるとともに、テープ心線幅方向に125
μmだけずらした状態で重ね合わせた。続いて、両テー
プ心線の全部の光ファイバを、テープ心線厚さ方向から
押え治具で挟持して、全部の光ファイバをテープ心線厚
さ方向に垂直な同一平面上に配置させた。そして、この
状態を保持したまま押え治具の内側部分に接着剤を塗付
して光ファイバを固定し、固定後、押え治具を取り外し
た。2つの接着位置の間隔は約20mmとした。
【0050】この後、同一平面上にある8本の光ファイ
バに対して、2本おきにスペーサ9をそれぞれ挿入して
4対の光ファイバ対を互いに隔離した。スペーサのテー
プ心線長さ方向の幅は約2mmで、テープ心線幅方向の
厚さは約0.2mmとした。また光ファイバの中央部分
を挟んで両側に配されるスペーサの間隔は、約14mm
とした。このようにしてスペーサが挿入された状態で、
4対の光ファイバ対の中央部分をテープ心線厚さ方向か
ら加熱して、それぞれの光ファイバ対を融着させ、さら
に延伸した。延伸の途中でスペーサを取り外した。延伸
の際には、光結合度をモニターしつつ光結合度が目標の
値に達するまで延伸を行なった。光結合度の目標値は
1.55μmでの光結合度が50%とした。 延伸長は
約25mmであった。 このようにして得られたテープ
カプラの1.55μmにおける光結合度および過剰損失
を測定した。その結果を下記表1に示す。尚、表1中カ
プラ番号#1,#2,#3,#4は、テープカプラの4
組の光ファイバカプラをそれぞれ示すものである。
【0051】(実施例2)図7に示す構造の波長1.5
5μmで結合度50%の単一波長型のテープカプラを作
製した。まず、外径125μmの1.3μm帯単一モー
ド型光ファイバを用いた4心テープ心線を2枚用意し
た。ファイバピッチは250μmであった。次に、これ
らテープ心線の中途部分でそれぞれ被覆層を約30mm
にわたって除去して光ファイバを露出させた。また2枚
のテープ心線の被覆端部において、テープ心線長さ方向
に隣合う光ファイバ間を切断する切込みを入れた。切込
みの長さは約5mmとした。次いで2枚のテープ心線
を、テープ心線長さ方向においては露出された光ファイ
バを一致させるとともに、テープ心線幅方向に125μ
mだけずらした状態で重ね合わせた。続いて、両テープ
心線の被覆端部をテープ心線厚さ方向から押え治具で挟
持して、一方のテープ心線の被覆端部と他方のテープ心
線の被覆端部とが、テープ心線厚さ方向に垂直な同一平
面上で交互に隣接した状態とした。そして、この状態を
保持したまま押え治具の内側部分に接着剤を塗付して被
覆端部を固定し、固定後、押え治具を取り外した。
【0052】この後、同一平面上にある8本の光ファイ
バに対して、2本ずつの光ファイバをテープ心線幅方向
から挟持する挟持治具を挿入して2本の光ファイバの周
面を接触させて光ファイバ対を構成するとともに、4対
の光ファイバ対が互いに間隙を有して並列した状態とし
た。そして、この状態を保持したまま、光ファイバの中
央部分を挟む両側の挟持治具の内側部分にそれぞれ接着
剤を塗付し、光ファイバを固定した。固定後、挟持治具
を取り外した。この後、4対の光ファイバ対の中央部分
をテープ心線厚さ方向から加熱して、それぞれの光ファ
イバ対を融着させ、さらに延伸した。延伸の際には、光
結合度をモニターしつつ光結合度が目標の値に達するま
で延伸を行なった。光結合度の目標値は1.55μmで
の光結合度が50%とした。 延伸長は約25mmであ
った。このようにして得られたテープカプラの1.55
μmにおける光結合度および過剰損失を測定した。その
結果を下記表1に示す。尚、表1中カプラ番号#1,#
2,#3,#4は、テープカプラの4組の光ファイバカ
プラをそれぞれ示すものである。
【0053】(実施例3)図11に示す構造の波長無依
存型のテープカプラを作製した。まず、外径125μm
の1.3μm帯単一モード型光ファイバを用いた4心テ
ープ心線を2枚用意した(第1のテープ心線および第2
のテープ心線)。第1のテープ心線を半分の長さに切断
した後、その一端部の被覆層を約15mmにわたって除
去して光ファイバを露出させた。一方、第2のテープ心
線を半分の長さに切断した後、その一端部の被覆層を約
15mmにわたって除去して光ファイバを露出させ、さ
らに、光ファイバの先端部を約5mmだけフッ酸を使用
したエッチンング法により細径化して、外径を約100
μmとした。次に、第1のテープ心線と第2のテープ心
線とを、テープ心線長さ方向においては露出された光フ
ァイバを一致させるとともに、テープ心線幅方向に11
2.5μmずらした状態で重ね合わせた。また、2枚の
第1のテープ心線の一方と2枚の第2のテープ心線の一
方とを重ね合わせるときと、他方の第1のテープ心線と
他方の第2のテープ心線とを重ね合わせるときとでは、
テープ心線幅方向の異なる方向にそれぞれずらした。そ
して、重なり合った一方の第1のテープ心線および第2
のテープ心線と、他方の第1のテープ心線および第2の
テープ心線とを、光ファイバの切断面が向い合うよう
に、かつ第1のテープ心線と第2のテープ心線とがトラ
ンス状配置となるように対向させた。
【0054】この後、外径が等しい光ファイバの切断面
どうしを突き合わせるとともに、突き合された光ファイ
バが一直線状となり、かつ外径が異なる2本の光ファイ
バが突き合わせ位置で互いに交差し接触するように、各
テープ心線を保持した。続いて、4つの光ファイバ対の
交差部をテープ心線厚さ方向から加熱して、突き合され
ている光ファイバどうしを融着接続した後、互いに接触
している2本の光ファイバをそれぞれを融着させ、さら
に延伸した。延伸の際には、光結合度をモニターしつつ
光結合度が目標の値に達するまで延伸を行なった。光結
合度の目標値は1.55μmでの光結合度が50%とし
た。 延伸長は約15mmであった。このようにして得
られたテープカプラの1.55μmにおける光結合度お
よび過剰損失を測定した。その結果を下記表2に示す。
尚、表2中カプラ番号#1,#2,#3,#4は、テー
プカプラの4組の光ファイバカプラをそれぞれ示すもの
である。
【0055】(比較例1)従来の製造方法により、波長
1.55μmで結合度50%の単一波長型のテープカプ
ラを作製した。まず、外径125μmの1.3μm帯単
一モード型光ファイバを用いた4心テープ心線を2枚用
意した。ファイバピッチは250μmであった。次に、
これらテープ心線の中途部分でそれぞれ被覆層を約30
mmにわたって除去して光ファイバを露出させた。そし
て2枚のテープ心線を、テープ心線長さ方向およびテー
プ心線幅方向に露出された光ファイバを一致させた状態
で重ね合わせた。次に、上下に重なり合っている光ファ
イバどうしを、プラスチック製の棒などの治具を用いて
それぞれ接触させた。そしてこの状態で、光ファイバの
接触部分をテープ心線厚さ方向から加熱して融着させ、
さらに延伸した。延伸の際には、光結合度をモニターし
つつ光結合度が目標の値に達するまで延伸を行なった。
光結合度の目標値は1.55μmでの光結合度が50%
とした。 延伸長は約15mmであった。このようにし
て得られたテープカプラの1.55μmにおける光結合
度および過剰損失を測定した。その結果を下記表1に示
す。尚、表1中カプラ番号#1,#2,#3,#4は、
テープカプラの4組の光ファイバカプラをそれぞれ示す
ものである。
【0056】(比較例2)従来の製造方法により、波長
1.55μmで結合度50%の波長無依存型のテープカ
プラを作製した。まず、外径125μmの1.3μm帯
単一モード型光ファイバを用いた4心テープ心線を2枚
用意した。ファイバピッチは250μmであった。次
に、これらテープ心線の中途部分でそれぞれ被覆層を約
30mmにわたって除去して光ファイバを露出させた。
続いて、一方のテープ心線の光ファイバ露出部分の中央
部10mmをエッチングによって外径を約120μmと
細くした。そして2枚のテープ心線を、テープ心線長さ
方向およびテープ心線幅方向に露出された光ファイバを
一致させた状態で重ね合わせた。次に、上下に重なり合
っている光ファイバどうしを、プラスチック製の棒など
の治具を用いてそれぞれ接触させた。そしてこの状態
で、光ファイバの接触部分をテープ心線厚さ方向から加
熱して融着させ、さらに延伸した。延伸の際には、光結
合度をモニターしつつ光結合度が目標の値に達するまで
延伸を行なった。光結合度の目標値は1.55μmでの
光結合度が50%とした。 延伸長は約15mmであっ
た。このようにして得られたテープカプラの1.55μ
mにおける光結合度および過剰損失を測定した。その結
果を下記表2に示す。尚、表2中カプラ番号#1,#
2,#3,#4は、テープカプラの4組の光ファイバカ
プラをそれぞれ示すものである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1および表2の結果より、光結合度に関
しては、実施例1〜3のテープカプラの方が比較例1お
よび2のものに比べて、目標値である50%により近い
ものが得られ、4組の光ファイバカプラにおけるばらつ
きも小さかった。また過剰損失に関しては、実施例1〜
3のテープカプラの方が比較例1および2のものに比べ
て低損失であった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1のテープ心線の光ファイバおよび第2のテープ心線の
光ファイバをテープ心線の厚さ方向に垂直な同一平面上
に配置させることによって、あるいは、第1のテープ心
線と第2のテープ心線とをトランス状配置させて重ね合
わせ、第1のテープ心線の光ファイバと第2のテープ心
線の光ファイバとを交差させることによって、第1のテ
ープ心線の光ファイバと第2のテープ心線の光ファイバ
とをテープ心線厚さ方向から加熱して融着延伸を行なう
際に、これらの光ファイバにおける温度分布を均等にす
ることができる。よって融着延伸部における形状歪が小
さく、対称な断面形状となるので、損失特性に優れたテ
ープカプラが得られる。また複数の融着延伸部における
光結合度のばらつきも小さくなり、高精度のテープカプ
ラとなる。また、少なくとも融着延伸部における第1の
テープ心線の光ファイバと第2のテープ心線の光ファイ
バとの外径が異なるように構成すれば、広帯域にわたっ
て光分岐比の波長依存性が少ない波長無依存型テープカ
プラも得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの第
1の実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は
平面図、(c)は側面図である。
【図2】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図3】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図である。
【図4】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図である。
【図5】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図である。
【図6】 補強ケースの例を示した斜視図である。
【図7】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの第
2の実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は
平面図、(c)は側面図である。
【図8】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第2の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図9】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第2の実施形態を説明するもので、(a)は正
面図、(b)は平面図である。
【図10】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの
製造方法の第2の実施形態を説明するもので、(a)は
正面図、(b)は平面図である。
【図11】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの
第3の実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)
は平面図、(c)は側面図である。
【図12】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの
製造方法の第3の実施形態を説明するもので、(a)は
正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図13】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの
製造方法の第3の実施形態を説明するもので、(a)は
正面図、(b)は平面図である。
【図14】 従来の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法を説明するもので、(a)は平面図、(b)は正
面図、(c)は側面図である。
【図15】 従来の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の説明図である。
【図16】 従来の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の説明図である。
【図17】 従来の多心テープ型光ファイバカプラの融
着延伸部を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2…光ファイバテープ心線、1a,2a…光ファイ
バ、2b…細径部、3…融着延伸部、4…非融着延伸
部、5,6…被覆層、19…切込み。
フロントページの続き (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中途部分で光ファイバを露出させた第1
    の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ心線
    とを重ね合わせ、該第1の光ファイバテープ心線の光フ
    ァイバと第2の光ファイバテープ心線の光ファイバとを
    それぞれ融着延伸してなり、 少なくとも融着延伸部で、前記第1の光ファイバテープ
    心線の光ファイバと第2の光ファイバテープ心線の光フ
    ァイバとが、光ファイバテープ心線の厚さ方向に垂直な
    同一平面上に配されていることを特徴とする多心テープ
    型光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】 中途部分で光ファイバを露出させた第1
    の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ心線
    とを重ね合わせ、該第1の光ファイバテープ心線の光フ
    ァイバと第2の光ファイバテープ心線の光ファイバとを
    それぞれ融着延伸してなり、 融着延伸部で第1の光ファイバテープ心線の光ファイバ
    と前記第2の光ファイバテープ心線の光ファイバとが交
    差され、該融着延伸部を挟んで前記第1の光ファイバテ
    ープ心線と第2の光ファイバテープ心線とがトランス状
    配置されてなることを特徴とする多心テープ型光ファイ
    バカプラ。
  3. 【請求項3】 少なくとも融着延伸部における第1の光
    ファイバテープ心線の光ファイバと前記第2の光ファイ
    バテープ心線の光ファイバとの外径が異なっていること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の多心
    テープ型光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 第1の光ファイバテープ心線の中途部分
    で光ファイバを露出させる工程と、 第2の光ファイバテープ心線の中途部分で光ファイバを
    露出させる工程と、 第1の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ
    心線とを光ファイバテープ心線の幅方向にずらして重ね
    合せた後、該第1の光ファイバテープ心線の光ファイバ
    および第2の光ファイバテープ心線の光ファイバを光フ
    ァイバテープ心線の厚さ方向に垂直な同一平面上に配置
    させるとともに、両光ファイバテープ心線の光ファイバ
    の周面をそれぞれ接触させる工程と、 該接触部分を加熱して融着延伸する工程とを有すること
    を特徴とする多心テープ型光ファイバカプラの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第1の光ファイバテープ心線の中途部分
    で光ファイバを露出させる工程と、 第2の光ファイバテープ心線の中途部分で光ファイバを
    露出させる工程と、 該第1の光ファイバテープ心線および第2の光ファイバ
    テープ心線の光ファイバが露出された部分に隣接する被
    覆層に光ファイバテープ心線の長さ方向に平行な切込み
    を入れる工程と、 第1の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ
    心線とを重ね合せた後、該第1の光ファイバテープ心線
    の光ファイバおよび第2の光ファイバテープ心線の光フ
    ァイバを光ファイバテープ心線の厚さ方向に垂直な同一
    平面上に配置させるとともに、両光ファイバテープ心線
    の光ファイバの周面をそれぞれ接触させる工程と、 該接触部分を加熱して融着延伸する工程とを有すること
    を特徴とする多心テープ型光ファイバカプラの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 第1の光ファイバテープ心線の中途部分
    で光ファイバを露出させる工程と、 第2の光ファイバテープ心線の中途部分で光ファイバを
    露出させる工程と、 第1の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ
    心線との一方または両方の光ファイバを切断する工程
    と、 第1の光ファイバテープ心線と第2の光ファイバテープ
    心線とをトランス状配置させて重ね合わせ、第1の光フ
    ァイバテープ心線の光ファイバと第2の光ファイバテー
    プ心線の光ファイバとを交差させるとともに、前記切断
    された光ファイバの切断面どうしを突き合わせた後、該
    切断面どうしを融着接続する工程と、 第1の光ファイバテープ心線の光ファイバと第2の光フ
    ァイバテープ心線の光ファイバとの交差部で両光ファイ
    バテープ心線の光ファイバの周面をそれぞれ接触させ、
    該接触部分を加熱して融着延伸する工程とを有してなる
    ことを特徴とする多心テープ型光ファイバカプラの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の光ファイバテープ心線または
    第2の光ファイバテープ心線のいずれか一方の光ファイ
    バに他方の光ファイバよりも外径が細い細径部を形成す
    る工程をさらに有し、かつ該細径部で両光ファイバテー
    プ心線の光ファイバの周面をそれぞれ接触させることを
    特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の多心テープ
    型光ファイバカプラの製造方法。
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