JPH0942171A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JPH0942171A
JPH0942171A JP7189532A JP18953295A JPH0942171A JP H0942171 A JPH0942171 A JP H0942171A JP 7189532 A JP7189532 A JP 7189532A JP 18953295 A JP18953295 A JP 18953295A JP H0942171 A JPH0942171 A JP H0942171A
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Takahiro Oki
恭弘 沖
Shigeru Hisanaga
滋 久永
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最大自転モーメントによる荷重が両ピンに作
用したとき、1対のピンに荷重が集中することなく、各
対のピンに均等に荷重が作用するようにする。 【構成】 可動スクロール6と固定スクロール9とによ
って形成される圧縮室容積が、媒質吸入完了時の圧縮室
容積の10%〜22%になったときに、複数個のスクロ
ールピン部材19のうち少なくとも2本が、クランク軸
3の回転軸方向からみて、可動スクロール6の自転中心
R を通り、かつ可動スクロール6の自転中心OR と可
動スクロール6の公転中心OS とを通る直線L1 に直角
な直線L2に対して、線対称に位置するように配置され
ている。さらに、このスクロールピン部材19は、この
スクロールピン部材19と対をなすハウジングピン部材
21に対して、可動スクロール6の自転方向側に位置す
るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール圧縮機の可
動スクロールの自転防止機構に関するものであり、車両
用空調装置の圧縮機に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、可動スクロールの自転防止機構と
して、例えば、特開昭62−199983号公報に記載
のものが提案されている。具体的には、可動スクロール
の端板の端部に設けられた複数個のスクロール側のピン
と、これに対向して対をなすようにハウジングの端面に
設けられたハウジング側のピンと、これらのピンと交わ
るように結合したリングとから構成されており、そし
て、両ピンがリングの内壁に接触することによって、可
動スクロールの自転を防止する機構を構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧縮に伴う
圧縮反力によって、可動スクロールに自転モーメントが
作用したとき、スクロール側のピンと、これと対をなす
ハウジング側のピンとには、この自転モーメントに対応
する荷重が作用する。そして、両ピンの配置によって
は、1対のピンに荷重が集中し、これによりピンの破損
を招くという問題が生じる。また、ピンの破損を防ぐた
めに、ピンの径を大きくすると、圧縮機本体形状の大型
化という問題が新たに生じる。したがって、圧縮機の小
型化を図りながら、ピンの破損を防ぐには、複数個のピ
ンに均等に荷重が作用するように構成する必要がある。
【0004】ところで、自転モーメントは、図6に示す
ように、360度周期で最大値となり、例えば、吸入圧
力を4kgf/cm2 、吐出圧力を30kgf/cm2
とした場合では、圧縮室容積が、流体吸入完了時の圧縮
室容積の16%となった(容積比16%)ときに、最大
自転モーメントが発生する。そこで、発明者等は、種々
の圧力条件で研究調査をしたところ、容積比が10%〜
22%の間で最大自転モーメントが発生することを発見
した。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、最大自転モーメ
ントによる荷重が両ピンに作用したとき、1対のピンに
荷重が集中することなく、各対のピンに均等に荷重が作
用するように構成されたスクロール型圧縮機を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するため、以下の技術的
手段を用いる。請求項1に記載の発明によれば、スクロ
ール側ピン部材(19)、ハウジング側ピン部材(2
1)およびリング部材(22)からなる可動スクロール
(6)の自転防止機構において、可動スクロール(6)
と固定スクロール(9)とによって形成される圧縮室容
積が、流体吸入完了時の圧縮室容積の10%〜22%に
なったときに、複数個のスクロール側ピン部材(19)
のうち少なくとも2本が、クランク軸(3)の回転軸方
向からみて、可動スクロール(6)の自転中心(O R
を通り、かつ可動スクロール(6)の自転中心(OR
と可動スクロール(6)の公転中心(OS )とを通る直
線(L1 )に直角な直線(L2 )に対して、線対称に位
置するように配置されていることを特徴とする。
【0007】そしてさらに、このスクロール側ピン部材
(A、B)は、このスクロール側ピン部材(A、B)と
対をなすハウジング側ピン部材(21)に対して、可動
スクロール(6)の自転方向側に位置するように構成さ
れている。したがって、後述するように、最大自転モー
メントによる荷重が両ピン(19、21)に作用したと
き、1対のピンに荷重が集中することなく、各対のピン
に均等に荷重が作用するようにすることができる。
【0008】延いては、1対のピンに作用する荷重が均
一化されて小さくなるので、圧縮機本体形状の小型化を
図ることができる。請求項2に記載の発明によれば、
スクロール側ピン部材(19)およびハウジング側ピン
部材(21)からなる可動スクロール(6)の自転防止
機構において、可動スクロール(6)と固定スクロール
(9)とによって形成される圧縮室容積が、流体吸入完
了時の圧縮室容積の10%〜22%になったときに、複
数個のスクロール側ピン部材(19)のうち少なくとも
2本が、クランク軸(3)の回転軸方向からみて、可動
スクロール(6)の自転中心(OR )を通り、かつ可動
スクロール(6)の自転中心(OR )と可動スクロール
(6)の公転中心(O S )とを通る直線(L1 )に直角
な直線(L2 )に対して線対称の位置に配置されてい
る。
【0009】そしてさらに、このスクロール側ピン部材
(C、D)と対をなす前記ハウジング側ピン部材(2
1)は、このスクロール側ピン部材(C、D)に対し
て、前記可動スクロール(6)の自転方向側に位置する
ように構成されているを特徴とする。したがって、後述
するように、最大自転モーメントによる荷重が両ピン
(19、21)に作用したとき、1対のピンに荷重が集
中することなく、各対のピンに均等に荷重が作用するよ
うにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施の形
態について説明する。 (第1実施形態)図1に示す圧縮機1は、渦巻き状の可
動スクロールと固定スクロールとからなる周知のスクロ
ール型圧縮機である。
【0011】2は、圧縮機1のフロントハウジング(ハ
ウジング)で、このフロントハウジング2のほぼ中心部
に、クランク軸3を回転可能に支持するため軸受4が配
置されている。このクランク軸3の軸方紙面右側には、
その軸中心から偏心した位置にクランク軸3と一体に駆
動キー5aが形成されている。また、駆動キー5a側の
フロントハウジング2端部には、渦巻き状の歯部6aを
有する可動スクロール6が配置されている。そして、可
動スクロール6の中心に設けられたボス部6cには、軸
受7が圧入されており、この軸受7のインナーレース側
には、ブッシュ8が挿入されている。ブッシュ8には、
駆動キー5aが挿入されるキー溝8aが設けられてお
り、駆動キー5aおよびキー溝8aの断面形状は、図2
に示すように、略長方形に形成されている。
【0012】そして、キー溝8aの断面長手方向寸法
は、駆動キー5aの断面長手方向寸法に比べて僅かに大
きく、駆動キー5aはキー溝8aに対して、断面長手方
向寸法に移動可能に挿入されている。また、駆動キー5
aおよびキー溝8aの断面長手方向は、図2に示すよう
に、可動スクロール6の公転方向とは逆向きに傾いて
(図2のw)いる。以上に述べた駆動キー5a、ブッシ
ュ8およびキー溝8aにより、クランク部5が構成され
ている。
【0013】また図1において、9は、渦巻き状の歯部
9aを有する固定スクロールで、固定スクロール9は、
図示されていないボルトによって、フロントハウジング
2に組付けられている。この固定スクロール9とフロン
トハウジング2とによって閉じた空間10が形成され、
可動スクロール6は、この空間10内でクランク軸3の
回転軸周りに公転している。
【0014】固定スクロール9の端板9bのほぼ中央部
には、圧縮された流体を吐出する吐出口11が設けられ
ており、この吐出口11は、固定スクロール9の端板9
bとリヤハウジング12とによって形成される空間に連
通している、この空間は、圧縮流体の脈動を平滑化する
吐出マフラー13をなしている。また、吐出口11の吐
出マフラー13側の開口部には、圧縮室への逆流を防止
するばね鋼鋼材製の逆止弁14が、固定スクロール9の
端板9bに組付けられている。なお、15は、逆止弁1
4の開度を制限するストッパである。
【0015】また、可動スクロール6の歯部6aおよび
固定スクロール9の歯部9aの先端部には、圧縮室の密
閉性を保つための樹脂(本実施の形態では、テフロン)
製のチップシール16、17が配置されている。そし
て、可動スクロール6の端板6bの外縁部近傍には、円
形の穴18が設けられ、この穴18には、複数個(本実
施の形態では、図3に示すように4個である。)の円柱
状のスクロール側ピン部材19が圧入されている。ま
た、端板6bに対向するフロントハウジング2の面に
は、スクロール側ピン部材19にオフセットして、スク
ロール側ピン部材19と対をなすように、円形の穴20
が設けられている。この穴20には、円柱状のハウジン
グ側ピン部材21が圧入されている。なお、両ピン部材
は、耐磨耗性に優れ、強度の高い材質の金属(本実施の
形態では、高炭素クロム軸受鋼鋼材)製である。
【0016】22は、高炭素クロム軸受鋼鋼材製の環状
のリング部材で、図3に示すように、両ピン部材19、
21は、リング部材22を貫通して配置されている。な
お、図3では、対をなす両ピン部材19、21とリング
部材22の相対位置関係のみを示しており、ボス部6
c、軸受7およびクランク部5は省略してある。次に、
スクロール側ピン部材19、ハウジング側ピン部材21
およびリング部材22からなる可動スクロール6の自転
防止機構について、図4を用いて述べる。
【0017】可動スクロール6の自転モーメントMは、
軸受7の回転軸(図4の点OR )周りに作用し、その向
きは、本実施の形態では、時計周りの向きである。図4
の破線は、可動スクロール6に自転モーメントMが作用
する前の一対の自転防止機構(両ピン部材19、21)
を示している。この状態で、可動スクロール6に自転モ
ーメントMが作用すると、スクロール側ピン部材19
は、19aに示す自転モーメントMの方向に移動し、ハ
ウジング側ピン部材21も同様に、21aに示す自転モ
ーメントMの方向に移動する。これにより、両ピン部材
が、リング部材22の内壁に接触するので、自転モーメ
ントMに対向する力が発生し、可動スクロール6の自転
が防止される。
【0018】そして、両ピン部材19、21とリング部
材は、以下に述べるような相対位置関係となっている。
すなわち、可動スクロール6と固定スクロール9とによ
って形成される圧縮室容積が、流体吸入完了時の圧縮室
容積の10%〜22%になったときに、スクロール側ピ
ン部材19のうち少なくとも2本(本実施の形態では、
図3に示すAとBの部分のスクロール側ピン部材19)
が、クランク軸3の回転軸方向からみて、可動スクロー
ル6の自転中心OR を通り、かつ可動スクロール6の自
転中心OR と可動スクロール6の公転中心OS とを通る
直線L1 に直角な直線L2 に対して線対称(図3におい
てθ1 =θ2 )に配置されている。さらに、このスクロ
ール側ピン部材19は、このスクロール側ピン部材19
と対をなすハウジング側ピン部材21に対して、可動ス
クロール6の自転方向側に配置されている。
【0019】次に、可動スクロール6の自転量とスクロ
ール側ピン部材19の配置位置について、図4を用いて
詳細に述べる。先ず、以下の説明に必要な記号について
説明する。 M :可動スクロール6の自転モーメントを示す。 d1 :スクロール側ピン部材19の直径を示す。
【0020】d2 :ハウジング側ピン部材21の直径を
示す。 D :リング部材22の内径を示す。 ε :公転半径(可動スクロール6の自転中心OR と可
動スクロール6の公転中心OS との距離)を示す。 R :スクロール側ピン部材19の中心から自転中心O
R までの距離を示す。
【0021】L1 :自転中心OR と公転中心OS とを通
る直線を示す。 L2 :自転中心OR を通り、直線L1 と直交する直線を
示す。 θi :スクロール側ピン部材19の中心および自転中心
R を通る直線と直線L2 とのなす角度(rad)を示
す。(0≦θ≦π/2) なお、添字iは、複数(n)個あるスクロール側ピン部
材19のうちi番目のスクロール側ピン部材19を示
す。
【0022】dθ:可動スクロール6の自転量(ra
d)を示す。 FPi:スクロール側ピン部材19に作用するピン荷重を
示す。 Mi:ピン荷重FPiの円周方向成分を示す。 Si :ピン荷重FPiによるスクロール側ピン部材19の
移動量を示す。 k :変形抵抗 ここで、可動スクロール6の自転量dθは、Rに比べて
十分小さいものとする。また、変形抵抗kは、全てのス
クロール側ピン部材19およびリング部材22で等しい
ものとする。なお、以下の考察においては、両ピン部材
19、21およびリング部材22の製作誤差は無く、両
ピン部材19、21は、リング部材22の内壁に接して
いるものとする。
【0023】次に、スクロール側ピン部材19に作用す
るピン荷重FPiを、図4に基づいて求める。ピン荷重F
Piによるスクロール側ピン部材19の移動量Si を求め
れば下式のようになる。
【0024】
【数1】Si =R・dθ・cosθi 次に、上記数式1よりピン荷重FPiを求めれば、数式2
となる。
【0025】
【数2】FPi=k・Si =k・R・dθ・cosθi また、ピン荷重FPiの円周方向成分を求めれば、数式3
となる。
【0026】
【数3】 FMi=FPi・cosθi =k・R・dθ・cos2 θi 一方、可動スクロール6の自転モーメントMとの釣り合
いより、数式4となる。
【0027】
【数4】M=FM1・R+FM2・R+……+FMn・R 数式2、3、4よりピン荷重FPiを求めれば、数式5と
なる。なお、ここで、足し合わされるピン荷重FPiは、
今、考えている瞬間における自転防止機構に関与するピ
ン(図3のにおいて、直線L1 の左側に位置するピン)
のみである。
【0028】
【数5】FPi=(M・cosθi )/(R・(cos2
θ1 +cos2 θ2 +cos2 θ3 +……+cos2
θi +……+cos2 θn )) となる。以上の説明から明らかなように、少なくとも2
本のスクロールピン部材19(図3に示すAとBの部分
のスクロール側ピン部材19)の余弦が等しければよい
ので、ピン可動スクロール6の自転中心OR を通り、か
つ可動スクロール6の自転中心OR と可動スクロール6
の公転中心OS とを通る直線L1 に直角な直線L 2 に対
して線対称(本実施の形態では、図3においてθ1 =θ
2 =45°)な位置に、スクロール側ピン部材19を配
置することによって、1本のスクロールピン部材19に
ピン荷重FPiが集中しないようにすることができる。延
いては、1本のスクロール側ピン部材19に作用する荷
重が均一化されて小さくなるので、圧縮機本体形状の小
型化を図ることができる。
【0029】(第2実施形態)上述の第1実施形態発明
は、ピン部材19、21とリング部材22とからなる可
動スクロール6の自転防止機構について述べたものであ
るが、リング部材22を必要としない構造の自転防止機
構においても、本発明を実施することができる。
【0030】具体的には、図5に示すように、リング部
材22を省いた以外同様な構造を有するスクロール型圧
縮機のスクロール側ピン部材19を、可動スクロール6
の自転中心OR を通り、かつ可動スクロール6の自転中
心OR と可動スクロール6の公転中心OS とを通る直線
1 に直角な直線L2 に対して線対称な位置に、スクロ
ール側ピン部材19を配置する。
【0031】さらに、このスクロール側ピン部材19
(図3に於けるAとBの部分のスクロール側ピン部材1
9)と対をなすハウジング側ピン部材21を、このスク
ロール側ピン部材19に対して、可動スクロール6の自
転方向側に位置するように配置構成すればよい。なお、
図5では、対をなす両ピン部材19、21の相対位置関
係のみを示しており、ボス部6c、軸受7およびクラン
ク部5は省略してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクロール型圧縮
機の断面図である。
【図2】本実施の形態に係るクランク部5を示す断面図
である。
【図3】本実施の形態に係るスクロール側ピン部材、ハ
ウジング側ピン部材およびリング部材の配置のみを示す
断面図である。
【図4】スクロール側ピン部材、ハウジング側ピン部材
およびリング部材の荷重状態を説明するための説明図で
ある。
【図5】本発明の第2実施形態に係るスクロール側ピン
部材およびハウジング側ピン部材の配置のみを示す断面
図である。
【図6】可動スクロールに作用する自転モーメントとク
ランク軸角度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2…フロントハウジング(ハウジング)、3…クランク
軸、6…可動スクロール、5…クランク部、5a…駆動
キー、6a…歯部、6b…端板部、7…軸受、8…ブッ
シュ、8a…キー溝、9…固定スクロール、9a…歯
部、9b…端板部、10…空間、11…吐出口、12…
リヤハウジング、13…吐出マフラー、14…逆止弁、
15…ストッパ、16、17…チップシール、19…ス
クロール側ピン部材、21…ハウジング側ピン部材、2
2…リング部材、OR …自転中心、OS …公転中心、ε
…公転半径。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング(2)と、 前記ハウジング(2)内に回転可能に支持されたクラン
    ク軸(3)と、 前記ハウジング(2)に組付けられ、前記ハウジング
    (2)と共に閉じた空間(10)を形成する固定スクロ
    ール(9)と、 前記クランク軸(3)のクランク部(5)に軸受(7)
    を介して回転可能に結合し、前記閉じた空間(10)内
    で、前記クランク軸(3)の回転軸周りに公転する可動
    スクロール(6)と、 前記可動スクロール(6)の端板部(6b)に設けら
    れ、前記ハウジング(2)側に突出した複数個のスクロ
    ール側ピン部材(19)と、 前記スクロール側ピン部材(19)と対をなすように、
    前記スクロール側ピン部材(19)と対向して前記ハウ
    ジング(2)に設けられ、前記可動スクロール(6)側
    に突出したハウジング側ピン部材(21)と、 前記対をなす両ピン部材(19、21)が貫通するよう
    に配置された環状のリング部材(22)とを有し、 前記対をなす両ピン部材(19、21)の側壁が、前記
    リング部材(22)の内壁に接触することにより、前記
    軸受(7)の回転軸周りの前記可動スクロール(6)の
    自転を防止するように構成されているスクロール型圧縮
    機において、 前記可動スクロール(6)と前記固定スクロール(9)
    とによって形成される圧縮室容積が、流体吸入完了時の
    圧縮室容積の10%〜22%になったとき、 前記複数個のスクロール側ピン部材(19)のうち少な
    くとも2本が、前記クランク軸(3)の回転軸方向から
    みて、前記可動スクロール(6)の自転中心(OR )を
    通り、かつ前記可動スクロール(6)の自転中心
    (OR )と前記可動スクロール(6)の公転中心
    (OS )とを通る直線(L1 )に直角な直線(L2 )に
    対して線対称の位置に配置され、 このスクロール側ピン部材(A、B)は、このスクロー
    ル側ピン部材(A、B)と対をなす前記ハウジング側ピ
    ン部材(21)に対して、前記可動スクロール(6)の
    自転方向側に位置するように構成されていることを特徴
    とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 ハウジング(2)と、 前記ハウジング(2)内に回転可能に支持されたクラン
    ク軸(3)と、 前記ハウジング(2)に組付けられ、前記ハウジング
    (2)と共に閉じた空間(10)を形成する固定スクロ
    ール(9)と、 前記クランク軸(3)のクランク部(5)に軸受(7)
    を介して回転可能に結合し、前記閉じた空間(10)内
    で、前記クランク軸(3)の回転軸周りに公転する可動
    スクロール(6)と、 前記可動スクロール(6)の端板部(6b)に設けら
    れ、前記ハウジング(2)側に突出した複数個の円柱状
    スクロール側ピン部材(19)と、 前記スクロール側ピン部材(19)と対をなすように、
    前記スクロール側ピン部材(19)と対向して前記ハウ
    ジング(2)に設けられ、前記可動スクロール(6)側
    に突出した円柱状ハウジング側ピン部材(21)とを有
    し、 前記両ピン部材(19、21)の円柱側面が互いに接触
    することにより、前記軸受(7)の回転軸周りに発生す
    る前記可動スクロール(6)の自転を防止するように構
    成されているスクロール型圧縮機において、 前記可動スクロール(6)と前記固定スクロール(9)
    とによって形成される圧縮室容積が、流体吸入完了時の
    圧縮室容積の10%〜22%になったとき、 前記複数個のスクロール側ピン部材(19)のうち少な
    くとも2本が、前記クランク軸(3)の回転軸方向から
    みて、前記可動スクロール(6)の自転中心(OR )を
    通り、かつ前記可動スクロール(6)の自転中心
    (OR )と前記可動スクロール(6)の公転中心
    (OS )とを通る直線(L1 )に直角な直線(L2 )に
    対して線対称の位置に配置され、 このスクロール側ピン部材(C、D)と対をなす前記ハ
    ウジング側ピン部材(21)は、このスクロール側ピン
    部材(C、D)に対して、前記可動スクロール(6)の
    自転方向側に位置するように構成されていることを特徴
    とするスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1また2に記載のスクロール型圧
    縮機において、 前記クランク部(5)は、前記クランク軸の回転軸に対
    して偏心した位置に前記クランク軸と一体に設けられた
    駆動キー(5a)と、 前記駆動キー(5a)が、前記クランク軸(3)の略径
    方向に移動可能に挿入されるキー溝(8a)を有するブ
    ッシュ(8)とから構成されていることを特徴とするス
    クロール型圧縮器。
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