JPH0942083A - 多気筒内燃機関における慣性過給式吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多気筒内燃機関１の側方の配設したサージタ
ンク３の一方の側面板３ａにスロットルボデーが取付く
吸気入口管９を、他方の側面板３ｂに、複数個の接続口
１１，１２，１３を各々設け、この各接続口に、各気筒
への吸気管路４，５，６を接続して成る吸気装置におい
て、その大型化を招来することなく、各気筒への吸気の
分配性と、慣性過給の向上とを図る。 【構成】 前記サージタンク３を上下方向に長い箱型に
形成して、その下部を前記接続口よりも下方に突出する
一方、前記サージタンクにおける内面うち前記各接続口
の間の部分を平坦面３ｂ′にし、且つ、前記接続口のサ
ージタンク内への開口縁を円弧面１１ａ，１２ａ，１３
ａに形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多気筒内燃機関に
おける各気筒の各々に独立して接続した長い吸気管路
を、エアクリーナの下流側における一つのサージタンク
に対して接続することにより、慣性効果を利用して吸気
の過給を図るようにした吸気装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、多気筒に対するこの種の慣性過
給式の吸気装置においては、一つのサージタンクから各
気筒に至る各吸気管路の長さを可成り長くすることによ
って、慣性効果を得ることができるようにすることに加
えて、各吸気管路の長さを略等しい長さにすることによ
って、各気筒に対する慣性過給による吸気のバラツキを
少なくするようにしなければならない。

【０００３】そこで、この条件を具備するために、先行
技術としての特開平４−７６２６３号公報及び特開平４
−９１３６０号公報は、一端にエアクリーナからの吸気
管が接続されるスロットルボデーを備えた略円錐形のサ
ージタンクを、内燃機関の側方の部位に配設し、このサ
ージタンクの他端面に、複数個の接続口を設けて、この
各接続口に、内燃機関における各気筒からの長い吸気管
路を接続すると言う構成にすることを提案している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の慣
性過給式吸気装置において、所定の慣性過給の効果を得
るためには、サージタンクに、比較的大きい内容積を確
保することが必要である。これに対して、前記先行技術
における慣性過給式吸気装置は、そのサージタンクを、
エアクリーナから当該サージタンク内に流入する吸気の
各吸気管路への分配性を考慮して、略円錐形に構成した
ものであって、この先行技術のサージタンクを、比較的
大きい内容積にするためには、当該サージタンクの直径
を大きくするか、或いは、当該サージタンクの長さを長
くしなければならない。

【０００５】しかし、前者のように、略円錐形のサージ
タンクにおける直径を大きくすることは、当該サージタ
ンクの上面が上方に突出することになるから、吸気装置
における全体を高さ寸法が増大し、大型化を招来するこ
とになる。また、後者のように、略円錐形のサージタン
クにおける長さを長くすることは、吸気装置における内
燃機関の長手方向の長さが増大するから、これまた、吸
気装置の大型化を招来するのである。

【０００６】すなわち、先行技術における慣性過給式吸
気装置では、吸気装置の小型化を図ると、慣性過給の効
果が低減し、慣性過給の効果を高めると、吸気装置が大
型化とすると言う問題があった。本発明は、この問題
を、各気筒への吸気の分配性の低下及び吸気の流れ抵抗
の増大を招来することなく解消できるようにした慣性過
給式吸気装置を提供することを技術的課題とするもので
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「多気筒内燃機関の側方にサージタン
クを配設し、このサージタンクにおける左右両側面板の
うち内燃機関における長手方向の一端寄りの一方の側面
板に設けた吸気入口管に、エアクリーナからの吸気管が
接続されるスロットルボデーを取付ける一方、前記サー
ジタンクにおける他方の側面板に、複数個の接続口を、
前記吸気入口管を中心とする略正多角形の配列で設け、
この各接続口に、内燃機関における各気筒からの長い吸
気管路を接続して成る吸気装置において、前記サージタ
ンクを、上下方向に長い箱型に形成して、その下部を、
前記各吸気管路のサージタンクに対する各接続口よりも
下方に突出し、更に、前記サージタンクにおける内面う
ち前記各接続口の間の部分を平坦面にし、且つ、前記接
続口のサージタンク内への開口縁を、円弧面に形成す
る。」と言う構成にした。

【０００８】

【作 用】サージタンクを、前記したように、上下方
向に長い箱型に形成して、その下部を、前記各吸気管路
のサージタンクに対する各接続口よりも下方に突出する
ことにより、サージタンクの下方における空間を、当該
サージタンクにおける内容積を大きくすることに利用す
ることができるから、前記サージタンクにおける内容積
を、当該サージタンクにおける内燃機関の長手方向に沿
った長さを長くすることなく、大きくすることができ
る。

【０００９】そして、前記サージタンク内に吸気入口管
から流入する吸気は、当該サージタンクにおける内面う
ち各接続口の間の部分の平坦面に衝突して半径方向に広
がったのち、サージタンク内への開口縁を円弧面に形成
した各接続口内に円滑に導かれ、この接続口から各気筒
への吸気管路に至ることになるから、吸気を各気筒に略
等しく分配できると共に、吸気の流れ抵抗を大幅に低減
できるのである。

【００１０】

【発明の効果】従って、本発明によると、吸気装置の大
型化を招来することなく、サージタンクにおける内容積
を大きくできることに加えて、吸気の流れ抵抗の低減を
図ることができることにより、慣性過給の効果を大幅に
増大でき、しかも、吸気の各気筒への分配性を向上でき
る効果を有する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、三気筒
内燃機関に適用した場合を示す図１〜図６の図面につい
て説明する。この図において、符号１は、第１気筒Ａ
１，第２気筒Ａ２及び第３気筒Ａ３を備えた三気筒内燃
機関を、符号２は、前記内燃機関１におけるクランク軸
線１ａと平行の長手側面１ｂに取付けた慣性過給式の吸
気装置を各々示す。

【００１２】前記吸気装置２は、前記内燃機関１の側方
で且つ内燃機関１における長手方向の一端部寄りの上方
の部位に配設したサージタンク３と、前記内燃機関１に
おける長手側面１ｂにおける各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の
箇所ごとにフランジ部７にて接続した金属パイプ製の吸
気管路４，５，６とから構成されている。前記吸気装置
２におけるサージタンク３を、金属板にて上下方向に長
い箱型に構成して、このサージタンク３における左右両
側面板３ａ，３ｂのうち内燃機関１の一端部寄りの一方
の側面板３ａには、その上部に、スロットボデー８に対
する吸気入口管９を設けて、スロットボデー８に、図示
しないエアクリーナからの吸気管１０を接続する一方、
前記サージタンク３における左右両側面板３ａ，３ｂの
うち他方の側面板３ｂには、その上部に、三つの接続口
１１，１２，１３を、前記吸気入口管９を中心として下
向き略正三角形の配列に設ける。

【００１３】一方、前記各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３からの
吸気管路４，５，６を、横向きから上向きに湾曲し、次
いで、前記サージタンクの方向に湾曲し、これらの各吸
気管路４，５，６のうち第１気筒Ａ１からの吸気管路４
を、前記各接続口１１，１２，１３のうち上側で且つ内
燃機関１に近い部位の接続口１１に、各吸気管路４，
５，６のうち第２気筒Ａ２からの吸気管路５を、前記各
接続口１１，１２，１３のうち下側の部位の接続口１２
に、そして、各吸気管路４，５，６のうち第３気筒Ａ３
からの吸気管路６を、前記各接続口１１，１２，１３の
うち上側で且つ内燃機関１から離れた部位の接続口１３
に各々接続するように構成する。

【００１４】このように、本発明においては、サージタ
ンク３を、上下方向に長い箱型に構成して、その一方の
側面３ａにおける上部にスロットルボデー８を、他方の
側面３ｂにおける上部に各気筒からの吸気管路４，５，
６を各々接続することで、当該サージタンク３における
下部を、前記各接続口１１，１２，１３よりも下方に突
出すると言う構成にしたことにより、サージタンク３の
下方における空間を、当該サージタンク３における内容
積を大きくすることに利用することができるから、前記
サージタンク３における内容積を、当該サージタンク３
における内燃機関の長手方向に沿った長さを長くするこ
となく、大きくすることができるのである。

【００１５】この場合において、前記サージタンク３の
他方の側面板３ｂにおける下部に、図示のように、脹ら
み部３ｃを造形して、サージタンク３における内燃機関
１の長手方向に沿った長さ寸法を、当該サージタンク３
における下部において大きくすることにより、サージタ
ンク３における内容積を更に大きくできる。また、前記
実施例においては、前記サージタンク３の下部における
幅寸法Ｌ２を、上部における幅寸法Ｌ１よりも狭くする
ように構成されており、このように構成することによ
り、サージタンク３の側面に、吸気圧取り出し用ポー
ト、ブローバイガス導入用ポート又は空気取り出し用ポ
ート等の各種のポート１４，１５を設けた場合に、この
ポート１４，１５、又はこのポート１４，１５に取付け
たホース接続用ソケットとか、このポート１４，１５に
取付けた各種のセンサー類が、サージタンク３の側面か
ら大きく突出することを回避することができる。なお、
サージタンク３の下部における幅寸法Ｌ２を、上部にお
ける幅寸法Ｌ１よりも狭くしたことによる内容積の減少
は、図示のように、前記サージタンク３の他方の側面板
３ｂにおける下部に脹らみ部３ｃを造形して、サージタ
ンク３における内燃機関１の長手方向に沿った長さ寸法
を、当該サージタンク３における下部において大きくす
ることにより、回避することができる。

【００１６】ところで、燃料噴射式の内燃機関では、前
記サージタンク３内における吸気圧を、吸気圧センサー
にて検出し、この吸気圧と、スロットル弁の開度等から
各気筒に対する燃料噴射量を演算することが行われる。
この場合、従来の内燃機関では、前記吸気圧センサー
を、サージタンク３から離れた部位に設けると言う構成
にしていたから、サージタンクから吸気圧センサーに至
る吸気伝達通路の長さが長くなり、吸気圧センサーにお
ける吸気圧の検出に応答遅れが発生するのであった。

【００１７】これに対して、前記サージタンク３の他方
の側面板３ｂに対して下向き三角形の配列で接続した各
吸気管路４，５，６のうち上側に位置する吸気管路４，
６の上側の部分に、図に二点鎖線で示すように、吸気圧
センサー１６を配設することにより、サージタンク３か
らこの吸気圧センサー１６への吸気圧伝達通路の長さを
短くすることができるから、吸気圧センサーにおける吸
気圧検出の応答性を向上できると共に、各吸気管路４，
５，６のうち上側に位置する吸気管路４，６の上側にお
ける空間部を、吸気圧センサー１６を配設することに有
効に利用できる利点がある。

【００１８】更にまた、この吸気装置２は、そのサージ
タンク３を炭素鋼板製に、各吸気管路４，５，６を炭素
鋼のパイプ製にした場合には、その製造工程の最終段階
において、その内面及び外面の全体に対して防腐のため
にクロム等の金属メッキが施される。そして、前記サー
ジタンク３における他方の側面板３ｂの内面のうち、前
記各接続口１１，１２，１３の間の部分を、前記吸気入
口管９の軸線と略直角の平坦面３ｂ′に形成する一方、
前記各接続口１１，１２，１３のサージタンク３内への
開口縁を、半径Ｒの円弧面１１ａ，１２ａ，１３ａに形
成するのである。

【００１９】これにより、前記サージタンク３内に吸気
入口管９から流入する吸気は、当該サージタンク３にお
ける内面うち各接続口１１，１２，１３の間の部分の平
坦面３ｂ′に衝突して半径方向に広がったのち、サージ
タンク３内への開口縁を円弧面１１ａ，１２ａ，１３ａ
に形成した各接続口１１，１２，１３内に円滑に導か
れ、この各接続口１１，１２，１３から各気筒Ａ１，Ａ
２，Ａ３への吸気管路４，５，６に至ることになるか
ら、吸気を各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３に略等しく分配でき
ると共に、吸気の流れ抵抗を大幅に低減できるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す平面図である。

【図２】図１のII−II視側面図である。

【図３】図１のIII −III 視側面図である。

【図４】図３のIV−IV視拡大断面図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ視断面図である。

【図６】図４のVI−VI視断面図である。

【符号の説明】

１ 内燃機関 Ａ１，Ａ２，Ａ３ 気筒 ２ 吸気装置 ３ サージタンク ３ａ サージタンクの一方の側面板 ３ｂ サージタンクの他方の側面板 ３ｂ′ 平坦面 ４，５，６ 吸気管路 ８ スロットルボデー ９ 吸気入口管 １１，１２，１３ 吸気管路の接続口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多気筒内燃機関の側方にサージタンクを配
   設し、このサージタンクにおける左右両側面板のうち内
   燃機関における長手方向の一端寄りの一方の側面板に設
   けた吸気入口管に、エアクリーナからの吸気管が接続さ
   れるスロットルボデーを取付ける一方、前記サージタン
   クにおける他方の側面板に、複数個の接続口を、前記吸
   気入口管を中心とする略正多角形の配列で設け、この各
   接続口に、内燃機関における各気筒からの長い吸気管路
   を接続して成る吸気装置において、前記サージタンク
   を、上下方向に長い箱型に形成して、その下部を、前記
   各吸気管路のサージタンクに対する各接続口よりも下方
   に突出し、更に、前記サージタンクにおける内面うち前
   記各接続口の間の部分を平坦面にし、且つ、前記接続口
   のサージタンク内への開口縁を、円弧面に形成したこと
   を特徴とする多気筒内燃機関における慣性過給式吸気装
   置。