JPH0941273A - 繊維用糊剤 - Google Patents

繊維用糊剤

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JPH0941273A
JPH0941273A JP7196717A JP19671795A JPH0941273A JP H0941273 A JPH0941273 A JP H0941273A JP 7196717 A JP7196717 A JP 7196717A JP 19671795 A JP19671795 A JP 19671795A JP H0941273 A JPH0941273 A JP H0941273A
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JP
Japan
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sizing
weaving
yarn
polymerization
pva
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JP7196717A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Hayashi
哲史 林
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0941273A publication Critical patent/JPH0941273A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基
を側鎖に有するビニルアルコール系重合体とでんぷん類
を主剤とする繊維用糊剤。 【効果】 本発明の繊維用糊剤は,経糸糊剤として使用
した場合には,高速製織に耐え得る物性を有する糊付糸
が得られ,また高温高湿度下で糊付糸ビームを保管して
も糊付糸の解舒性,開口性に優れ,製織効率を大幅に向
上させることができる点で工業的価値が極めて高いもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種繊維を用いて製
織する場合において優れた製織性能を有する高速織機用
経糸糊剤などに好適な繊維用糊剤に関する。さらに詳細
には,シャットル織機およびシャットルレス織機による
製織に先立ち,フィラメント糸,加工糸,撚糸および紡
績糸のような繊維糸条に糊付けすることにより抱合性,
耐摩耗性を付与するとともに,高温高湿時にも粘着性を
生じることがなく,また低温低湿時にもその抱合性を失
うことのない工業的に有用な高速織機用経糸糊剤などに
好適な繊維用糊剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より織物の経糸を補強する目的で使
用される糊剤として,ポリビニルアルコール系樹脂(以
下PVAと略記する),でんぷん類,カルボキシメチル
セルロース,水溶性アクリル糊剤等が使用されている。
これらの糊剤はそれぞれ一長一短があるため,種々の繊
維に対して単独では使用し難く,2種以上の糊剤を併用
しているのが現状である。しかし,その中でも特にPV
Aは,水溶性糊剤として腐敗せずに長期保存が効くこと
や,得られる皮膜の強度が非常に強いため糊剤の主成分
として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】製織方法は近年,織機
のエアージェット化に伴って高速化が急速に進んでお
り,高速製織に耐え得る物性を有する糊付糸を得る事が
できない場合には工業的価値は全くなくなる。しかし,
高速製織に耐えうる糊付糸を製造するためPVAの比率
を増加させた経糸糊剤を使用すると,糊付糸ビームを保
管している間に糊付糸が吸湿により粘着性を持ち,ビー
ムからの糊付糸の解舒が困難になったり,糊付糸の摩擦
係数増大に伴い製織性が悪化するという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,炭素数2〜20の
ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するビニルアルコール
系重合体とでんぷん類を主剤とする繊維用糊剤を見いだ
し,本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の繊維用経糸糊剤に用いるビニルア
ルコール系重合体は,側鎖に炭素数2〜20のヒドロキ
シアルキル基を有しており,該側鎖はビニルアルコール
系重合体の主鎖に直接結合していることが必要である。
本発明のビニルアルコール系重合体のヒドロキシアルキ
ル基の炭素数は,2〜20であり,2〜15が好まし
く,2〜10がより好ましい。ヒドロキシアルキル基
は,少なくとも1個のヒドロキシル基(水酸基)を有す
るアルキル基であり,熱安定性や水溶性の点で,ω−ヒ
ドロキシアルキル基がより好ましい。ヒドロキシアルキ
ル基のアルキル基としては,その水素原子が炭素数1〜
9の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されていても
良い。側鎖に炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を
有する単量体単位としては,ヒドロキシル基含有オレフ
ィン単位が挙げられる。ヒドロキシル基含有オレフィン
単位の中でも,ビニルアルコール系重合体の重合度を制
御する容易性やヒドロキシアルキル基を有する単量体単
位の含有量を制御する容易性等の点から,3−ブテン−
1−オール,4−ペンテン−1−オール,5−ヘキセン
−1−オール,7−オクテン−1−オール,9−デセン
−1−オール,11−ドデセン−1−オール,3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールなどに由来する単量体単位
が好ましい。これらの単量体単位のほかに,ビニルアル
コール系重合体の原料であるビニルエステル系重合体の
ケン化反応時に,ヒドロキシル基の生成が可能なエステ
ル基を含有する単量体単位であってもよい。
【0006】本発明の繊維用糊剤に使用するビニルアル
コール系重合体における炭素数2〜20のヒドロキシア
ルキル基の含有量については特に制限はないが,その好
適な含有量は0.1〜50モル%であり,0.5〜30
モル%がより好ましく,1〜20モル%がさらに好まし
い。ヒドロキシアルキル基の含有量が0.1モル%未満
の場合には,熱安定性あるいは界面活性の向上の程度が
低く,また50モル%を越える場合には,水溶性または
水分散性の低下やビニルアルコール系重合体としての特
徴が低下する。本発明の繊維用糊剤に使用するビニルア
ルコール系重合体のケン化度については特に制限はない
が,水溶性もしくは水分散性の観点から,通常60〜1
00モル%,好ましくは70〜99.9モル%である。
ケン化度が60モル%未満になると,水溶性もしくは水
分散性が低下するため,製織した織物の糊抜き性が不良
となり好ましくない。本発明の繊維用糊剤に使用するビ
ニルアルコール系重合体の粘度平均重合度(以下重合度
と略記する)は,100〜5000,好ましくは200
〜3000から選ばれる。重合度が100未満では経糸
糊剤としての性能,特に皮膜の強度及び繊維に対する接
着力が低下し,5000を越えると糊液の粘度が高くな
りすぎるため,作業性の点で好ましくない。
【0007】本発明の繊維用糊剤に使用するビニルアル
コール系重合体の製法としては,ビニルエステル単位と
ヒドロキシアルキル基含有オレフィン単位とを共重合し
て得られたビニルエステル系重合体を,アルコールある
いはジメチルスルフォキシド溶液中でケン化するなどの
公知の方法が挙げられる。ビニルエステルとしては,蟻
酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ピバリン
酸ビニル等公知のものが挙げられるが,酢酸ビニルが経
済的に望ましい。
【0008】本発明の繊維用糊剤に用いるビニルアルコ
ール系重合体としては,本発明の効果を損なわない範囲
でエチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。
このようなエチレン性不飽和単量体としては,例えばエ
チレン,プロピレン,1−ブテン,イソブテン等のオレ
フィン類,アクリル酸,メタクリル酸,(無水)フタル
酸,(無水)マレイン酸,(無水)イタコン酸などの不
飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノ
またはジアルキルエステル類,アクリルアミド,炭素数
1〜18のN−アルキルアクリルアミド,N,N−ジメ
チルアクリルアミド,2−アクリルアミドプロパンスル
ホン酸あるいはその塩,アクリルアミドプロピルジメチ
ルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのア
クリルアミド類,メタクリルアミド,炭素数1〜18の
N−アルキルメタクリルアミド,N,N−ジメチルメタ
クリルアミド,2−メタクリルアミドプロパンスルホン
酸あるいはその塩,メタクリルアミドプロピルジメチル
アミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのメタ
クリルアミド類,N−ビニルピロリドン,N−ビニルホ
ルムアミド,N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニル
アミド類,アクリロニトリル,メタクリロニトリルなど
のシアン化ビニル類,炭素数1〜18のアルキルビニル
エーテル,ヒドロキシアルキルビニルエーテル,アルコ
キクシアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類,塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニル,フッ
化ビニリデン,臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類,
トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類,酢酸
アリル,塩化アリル,アリルアルコール,ジメチルアリ
ルアルコール,トリメチル−(3−アクリルアミド−3
−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げら
れる。
【0009】また、本発明のビニルアルコール系重合体
は、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオ
ール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル系単量体を、ヒドロキシアルキル基含有オレフィンと
共重合し、それをけん化することによって得られる末端
変性物でもよい。これらのエチレン性不飽和単量体単位
の含有量としては特に制限はないが,2モル%以下が好
ましく,1モル%以下がより好ましく,0.5モル%以
下がさらに好ましい。
【0010】さらに本発明の繊維用糊剤に用いるビニル
アルコール系重合体に併用するでんぷん類としては,コ
ーン,馬鈴薯,タピオカ,小麦等の生でんぷんおよびそ
れらの変性でんぷんが含まれる。変性でんぷんとして
は,α化でんぷん,酸化でんぷん,エステル化でんぷ
ん,エーテル化でんぷん,グラフトでんぷん,ジアルデ
ヒドでんぷん,カチオン化でんぷん等が挙げられる。ビ
ニルアルコール系重合体とでんぷん類の混合比率は,重
量比で90:10〜50:50が好ましい。ビニルアル
コール系重合体の比率がでんぷん類に対して50%未満
になると,性能の良好な糊付糸を得るためには糊剤付着
量を多くする必要が生じ経済的ではなく,また90%を
越えると糊付け時の作業性,特にデバイド抵抗増大につ
ながるため好ましくない。
【0011】一般に紡績糸の場合,経糸糊付け用糊剤の
糊液粘度は毛羽伏せを良くするために比較的高粘度で用
いられる。具体的に糊付け温度70〜95℃における粘
度は50〜200センチポイズである。糊液の固形分濃
度は3〜15重量%が一般的である。対象とする糸は特
に限定はなく,綿,ポリエステル,レーヨン,麻,ナイ
ロン,羊毛,アクリル等の単独糸またはこれらの混紡糸
に好適に用いられる。また,上述のように紡績糸の種類
が非常に多くなっているため,糊液調製に当たっては対
象とする経糸に見合った処方を組み立てる必要がある。
【0012】繊維に対する糊剤の付着量は織物の規格,
使用する織機・糊付機等の設備等によって任意に選ばれ
る。一般に紡績糸の場合は,糊付糸の表面の毛羽伏せと
内部浸透による補強を主目的としているため,要求され
る糊付糸性能を考えて糊剤付着量が決定される。一般に
糊剤付着量が多いほど糊付糸の耐摩耗性,毛羽伏せ効果
が向上し製織効率が向上する。
【0013】以上のように,本発明は炭素数2〜20の
ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するビニルアルコール
系重合体とでんぷん類を主剤とする繊維用糊剤である
が,本発明の効果を損なわない範囲で,一般のPVA系
樹脂,カルボキシメチルセルロース,水溶性アクリル糊
剤等の水溶性ポリマーやワックス,オイル等の平滑剤,
その他の添加剤として消泡剤,帯電防止剤,防黴剤等を
含むことができる。さらに,本発明の繊維用糊剤を用い
た糊付け方法については特に制限はなく,一斉スラッシ
ャー糊付け,部分整経糊付け,テープ糊付け,チーズ糊
付け等が例示できるが,これらに限定されるものではな
い。
【0014】以上は経糸糊剤を例に挙げて説明してきた
が,本発明の繊維用糊剤は織物の樹脂加工,洗濯用糊
剤,捺染用糊剤あるいはフェルトや不織布のバインダー
としても有効に利用できる。
【0015】
【実施例】以下,実施例により本発明をより具体的に説
明するが,本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお以下で,「部」および「%」は
特に断らない限り,それぞれ「重量部」および「重量
%」を意味する。なお,以下の実施例で単にPVAの重
合度とは,PVAを通常の方法で再酢化し,アセトン中
での固有粘度から以下の式を用いて算出した値である。 重合度=([η]×103 /7.94)(1/0.62)
【0016】合成例1 還流冷却器,攪拌機,温度計,窒素導入管及び後添加液
用の仕込み口とポンプを備えた50リットルの重合槽に
酢酸ビニルを28.0Kg,7−オクテン−1−オール
を2.5Kg仕込んだ。重合液を攪拌しながら系内を窒
素置換して加温し,40℃の恒温になった時点で,2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略
記する)を330g添加して重合を開始した。重合開始
時点より系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い,5
時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止した。
重合停止前の重合率は32%であった。得られた重合ペ
ーストをn−ヘキサン中に滴下して重合物を析出させ
た。次に,重合物をアセトンに溶解し,n−ヘキサン中
で析出させる再沈−精製操作を3回実施した後,再度ア
セトンに溶解し,蒸留水に滴下させ煮沸精製した後,6
0℃で乾燥して精製ポリ酢酸ビニル(以下PVAcと略
記する)を得た。次に精製PVAcの濃度30%のメタ
ノール溶液を調製し,40℃で攪拌しながら,水酸化ナ
トリウムの濃度10%のメタノール溶液(PVAcに対
してモル比0.10)を添加し,60分間のケン化反応
を行った。得られたゲル状物を粉砕後,メタノールに浸
漬し,水酸化ナトリウムの濃度10%のメタノール溶液
(PVAcに対するモル比0.02)を添加し,さらに
5時間の再ケン化を行った。得られたPVAをメタノー
ルで洗浄し,50℃で18時間乾燥して白色粉末のPV
Aを得た。得られたPVA中の7−オクテン−1−オー
ル単位の含有量は7.1モル%であった。得られたPV
Aの基本構造を表1に示す。
【0017】合成例2 50リットルの重合槽を使用して,7−オクテン−1−
オールとAIBNの仕込量をそれぞれ1.2Kg,11
6gとする以外は実施例1と同様に重合,精製,ケン化
を行い,7−オクテン−1−オール単位の含有量2.3
モル%のPVAを得た。得られたPVAの基本構造を表
2に示す。
【0018】合成例3 50リットルの重合槽を使用して,実施例1と同様に以
下の重合を行った。酢酸ビニルを28.0Kg,3−ブ
テン−1−オールを2.9Kg,アリルスルホン酸ナト
リウムを300g仕込んだ。重合液を攪拌しながら系内
を窒素置換して加温し,40℃の恒温になった時点でA
IBNを300g添加して重合を開始した。重合開始時
点より系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い,5時
間後に重合槽を冷却することにより重合を停止した。重
合停止前の重合率は38%であった。実施例1と同様に
精製PVAcを得,ケン化,精製を行い,3−ブテン−
1−オール単位の含有量7.1モル%,アリルスルホン
酸ナトリウム単位0.5モル%のPVAを得た。得られ
たPVAの基本構造を表1に示す。
【0019】合成例4 実施例3で3−ブテン−1−オールの代わりに7−オク
テン−1−オールを1.19Kg仕込む以外は実施例3
と同様に重合,ケン化及び精製を行い,7−オクテン−
1−オール単位の含有量2.3モル%,アリルスルホン
酸ナトリウム単位0.5モル%のPVAを得た。得られ
たPVAの基本構造を表3に示す。
【0020】次に合成例1〜4で得られたPVAを使用
して,下記の処方の糊液を調製し,糊付けを行い,製織
に供した。 実施例1 (1)糊処方 合成例1で得られたPVA 70部 加工でんぷん(マーメイドM−200:シキシマスターチ製) 30部 繊維糊剤用ワックス(ワプセット600:竹本油脂(株)製) 5部 (2)糊化条件;7−オクテン−1−オール変性PVA
70Kgおよび加工でんぷん30Kgを水中に投入し,
撹拌下スチームを吹き込むことにより液温を100℃ま
で上げ,1時間溶解した。最後に繊維糊剤用ワックスを
5Kg添加し,さらに若干の温水で固形分濃度12.3
%になるように調製した。 (3)織物規格 経糸: 綿糸(東洋紡「金魚」C40/1) 緯糸: 同上 経糸密度: 136本/インチ 緯糸密度: 72本/インチ 織り幅: 47インチ 経糸総本数: 6420本 織組織: ブロード 織機: 津田駒社製エアージェット織機ZA−209i 織機回転数: 600rpm (4)糊付条件 糊付機: 津田駒社製 2ボックス2シート型 糊液温度: 92℃ 絞りロール幅:1800mm 絞り荷重: 800Kg/1800mm幅 糸速度: 65ヤード/分 乾燥温度: 100〜130℃ 糊付糸長: 5600ヤード 得られた糊付糸の糊剤付着量(以下着糊量と略記する)
は15.0%となり,製織性と対応した糸物性を測定し
た結果,1mm以上の毛羽数は80個/m,摩耗強度は
191回と良好であり,また製織効率も94.2%と満
足できるものであった。さらに,同時に糊付けした糊付
糸ビームを夏期を想定した環境下(30℃,84%R
H)に20日間保管した後製織に供し,ビーム設置後2
日間の製織性を観察したが,吸湿によるトラブルはな
く,その間の製織効率も93.1%と良好であった。結
果を表1に示す。
【0021】実施例2 合成例3で得られたPVAを使用し,糊処方を下記の如
く変更する他は実施例1と同様の試験を行った。 (1)糊処方 合成例3で得られたPVA 50部 加工でんぷん(マーメイドM−200:シキシマスターチ製) 50部 繊維糊剤用ワックス(ワプセット600:竹本油脂(株)製) 5部 得られた糊付糸の着糊量は15.5%となり,糊付糸物
性は1mm以上の毛羽数が75個/m,摩耗強度が17
6回と良好であり,また製織効率も93.3%と満足で
きるものであった。さらに,高湿下放置後の製織性を実
施例1と同様の方法で行った結果,90.3%と良好で
あった。結果を表1に示す。
【0022】実施例3 合成例2で得られたPVAを使用し,下記の処方の糊液
を調製し,糊付けを行い,製織に供した。 (1)糊処方 合成例2で得られたPVA 70部 加工でんぷん(マーメイドM−200:シキシマスターチ製) 30部 繊維糊剤用ワックス(ワプセット600:竹本油脂(株)製) 5部 (2)糊化条件;PVA70Kgおよび加工でんぷん3
0Kgを水中に投入し,撹拌下スチームを吹き込むこと
により液温を100℃まで上げ,1時間溶解した。最後
に繊維糊剤用ワックスを5Kg添加し,さらに若干の温
水で固形分濃度11.3%になるように調製した。 (3)織物規格 経糸: ポリエステル/綿混紡糸 (クラレエステル1013C 45/1) 緯糸: 同上 経糸密度: 140本/インチ 緯糸密度: 75本/インチ 織り幅: 48インチ 経糸総本数: 6720本 織組織: ブロード 織機: 津田駒社製エアージェット織機ZA−209i 織機回転数: 600rpm (4)糊付条件 糊付機: 津田駒社製 2ボックス2シート型 糊液温度: 92℃ 絞りロール幅:1800mm 絞り荷重: 800Kg/1800mm幅 糸速度: 65ヤード/分 乾燥温度: 100〜130℃ 糊付糸長: 5600ヤード 得られた糊付糸の着糊量は13.0%となり,製織性と
対応した糸物性を測定した結果,1mm以上の毛羽数は
78個/m,摩耗強度は216回と良好であり,また製
織効率も93.1%と満足できるものであった。さら
に,高湿下放置後の製織性を実施例1と同様の方法で行
った結果,90.8%と良好であった。結果を表2に示
す。
【0023】実施例4 合成例2に準じて得られたPVA及び合成例4で得られ
たPVAを用いて下記の処方の糊液を調製し,糊付けを
行い,製織に供した。 (1)糊処方 合成例2に準じて得られたPVA 30部 合成例4で得られたPVA 50部 加工でんぷん(マーメイドM−200:シキシマスターチ製) 10部 繊維糊剤用ワックス(ワプセット600:竹本油脂(株)製) 10部 (2)糊化条件;PVA80Kgおよび加工でんぷん1
0Kgを水中に投入し,撹拌下スチームを吹き込むこと
により液温を100℃まで上げ,1時間溶解した。最後
に繊維糊剤用ワックスを10Kg添加し,さらに若干の
温水で固形分濃度10.9%になるように調製した。 (3)織物規格 経糸: ポリエステル100%糸 (クラレエステル1013S 40/1) 緯糸: 同上 経糸密度: 136本/インチ 緯糸密度: 72本/インチ 織り幅: 47インチ 経糸総本数: 6420本 織組織: ブロード 織機: 津田駒社製エアージェット織機ZA−209i 織機回転数: 600rpm (4)糊付条件 糊付機: 津田駒社製 2ボックス2シート型 糊液温度: 92℃ 絞りロール幅:1800mm 絞り荷重: 800Kg/1800mm幅 糸速度: 65ヤード/分 乾燥温度: 100〜130℃ 糊付糸長: 5600ヤード 得られた糊付糸の着糊量は11.9%となり,製織性と
対応した糸物性を測定した結果,1mm以上の毛羽数は
80個/m,摩耗強度は399回と良好であり,また製
織効率も92.2%と満足できるものであった。さら
に,高湿下放置後の製織性を実施例1と同様の方法で行
った結果,89.8%と良好であった。結果を表3に示
す。
【0024】比較例1 実施例1で使用したPVAの代わりに市販の無変性PV
A(クラレポバール217)を使用する以外は実施例1
と同様に糊付けし,製織に供した。得られた糊付糸の着
糊量は16.0%となり,製織性と対応した糸物性を測
定した結果,1mm以上の毛羽数は79個/m,摩耗強
度は178回となり,また製織効率も90.6%と比較
的良好であった。さらに,高湿下放置後の製織性を実施
例1と同様の方法で行った結果,吸湿により製織時にお
ける経糸の開口性がやや不良となるとともに,製織開始
後約1時間で毛羽玉が発生し,経糸切れ,緯糸止まりが
頻繁に起こり,2日間の平均製織効率も78.3%と不
良であった。結果を表1に示す。
【0025】比較例2 実施例3で使用したPVAの代わりに市販の無変性PV
A(クラレポバール217+クラレポバール205:3
5部+35部)を使用する以外は実施例3と同様に糊付
けし,製織に供した。得られた糊付糸の着糊量は13.
7%となり,製織性と対応した糸物性を測定した結果,
1mm以上の毛羽数は75個/m,摩耗強度は206回
となり,また製織効率も90.2%と比較的良好であっ
た。さらに,高湿下放置後の製織性を実施例1と同様の
方法で行った結果,吸湿により製織時における経糸の開
口性が不良となるとともに,製織開始後約0.5時間で
毛羽玉が発生し,経糸切れ,緯糸止まりが頻繁に起こ
り,2日間の平均製織効率も72.1%と不良であっ
た。結果を表2に示す。
【0026】比較例3 実施例4で使用したPVAの代わりに市販の無変性PV
A(クラレポバール217+クラレポバール205,:
40部+40部)を使用する以外は実施例4と同様に糊
付けし,製織に供した。得られた糊付糸の着糊量は1
3.1%となり,製織性と対応した糸物性を測定した結
果,1mm以上の毛羽数は86個/m,摩耗強度は39
6回となり,また製織効率も89.9%と比較的良好で
あった。さらに,高湿下放置後の製織性を実施例1と同
様の方法で行った結果,吸湿により製織時における経糸
の開口性が不良となるとともに,製織開始後約0.5時
間で毛羽玉が発生し,経糸切れ,緯糸止まりが頻繁に起
こり,2日間の平均製織効率も69.8%と不良であっ
た。結果を表3に示す。
【0027】(注)着糊量として表現してある値は,
『たて糸糊付』(深田 要,一見 輝彦共著,日本繊維
機械学会発行)299〜302頁に記述してある,糊抜
き洗浄時の毛羽の脱落部分を補正する方法により測定し
た値である。また,毛羽数は毛羽カウンター(ダイワボ
ウ製DK−103)を用い,1mm以上について測定し
た。摩耗強度は,TM式抱合力試験機((株)大栄科学
精器製作所製)で荷重100g/本で切断するまでの回
数を測定した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明の繊維用糊剤は,経糸糊剤として
使用した場合には,高速製織に耐え得る物性を有する糊
付糸が得られ,また高温高湿度下で糊付糸ビームを保管
しても糊付糸の解舒性,開口性に優れ,製織効率を大幅
に向上させることができる点で工業的価値が極めて高い
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基
    を側鎖に有するビニルアルコール系重合体とでんぷん類
    を主剤とする繊維用糊剤。
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