JP4302269B2 - 繊維用糊剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,各種繊維を用いて製織する場合において,優れた製織性能を有する繊維用糊剤に関する。さらに詳細には,シャットル織機およびシャットルレス織機による製織に先立ち,フィラメント糸,加工糸,撚糸および紡績糸のような繊維糸条に糊付けすることにより抱合性,耐摩耗性を向上させ,糊抜き性を悪化することなく糊付糸を硬くすることができるため,経糸の織機上での流れ込みによる織り欠点を減少させることが可能である工業的に有用な繊維用糊剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より織物の経糸を補強する目的で使用される糊剤として,ポリビニルアルコール系樹脂(以下PVAと略記する),でんぷん類,カルボキシメチルセルロース,水溶性アクリル糊剤等が使用されている。これらのうち,でんぷんはもっとも古くから経糸糊剤に使用されてきた天然水溶性高分子であり,価格が低いことから現在も紡績糸用経糸糊剤を中心に広く用いられているが,得られる糊膜の強度が弱いことから,でんぷんの比率の高い糊剤は糸に対する付着量を増やす必要があった 。その点PVAは,水溶性糊剤として腐敗せずに長期保存が効くことや,得られる皮膜の強度が非常に強いためでんぷんに代わって糊剤の主成分として使用されるようになった。しかしながら,糊剤中のPVAの配合比率を大きくしすぎると,シート糊付け時に糊液を付着−乾燥後,シート状になった糊付け糸束を1本1本の糊付け糸に分割する,いわゆるデバイド時に,この強い糊膜強度が災いして糸切れ,糸の強度低下あるいは毛羽立ちなどを起こすことがあった。この問題に対して,でんぷんとPVAをブレンドして両者の欠点を改善する試みは既に広く行なわれており,綿100%糸を中心に紡績糸用経糸糊剤として広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
製織方法は,近年織機のエアージェット化に伴って高速化が急速に進んでおり,高速製織に耐え得る物性を有する糊付糸を得る事ができない場合工業的価値は全くなくなる。高速で製織される条件下で経糸切れした場合に,切れた糸が隣の糊付糸に絡んでしまい,織機が経糸切れを感知できずに製織が続き,最終的には織り欠点となってしまう問題がある。このような問題を解決するため,糊付糸自体を硬くする,すなわち糊皮膜を硬くする方法が有効であり,吸湿性の少ない完全けん化PVAを用いて対応することがあった。しかし,完全けん化PVAは糊付け時の乾燥工程により熱処理をうけて結晶化が進み,製織後の糊抜き工程でPVAの除去率が悪化する問題があり,糊抜き性を悪化させずに糊付糸を硬くする手法があれば工業的価値も高くなるものと思われる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%含有するPVAを使用することにより,製織時には十分な硬さを保有する糊付糸を得るのみならず、糊抜き時の水溶性が良好であり,良好に糊抜き出来ることを見いだし本発明の完成に至った。また,上記の本発明において,分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を2〜19モル%併せて含有したPVAを用いた時は,さらに製織性能が向上することを見いだした。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明についてさらに詳しく説明する。本発明の繊維用糊剤に用いるPVAはその製造方法に特に制限は無く,ビニルエステルを塊状,溶液,懸濁あるいは乳化などの公知の重合方法によって重合または共重合して得られるポリビニルエステル系樹脂を,公知の方法によりけん化することで得られる。
ビニルエステルとしては特に制限は無く,蟻酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ピバリン酸ビニル等が挙げられるが,酢酸ビニルが多く用いられる。
【0006】
本発明のPVAは,分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%含有する事が必須であるが,1.9〜3.1モル%が好ましく,さらには2〜3モル%含有する場合がより好ましい。1.8モル%未満の場合は糊抜き時における水溶性が十分でない。3.5モル%を越えて含有せしめても良好な糊抜き性は飽和してしまうのみならず,吸湿性が高くなるなどの障害が現れるため本発明の効果を得る事が出来ない。1,2−グリコール結合をPVAに導入する方法としては,重合反応液の温度を大気圧下での反応液の沸点温度よりも高くして重合する,例えば75〜200℃の温度で加圧下に重合する,あるいはビニレンカーボネートを共重合反応により導入し,常法にてけん化を行うなどの方法が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
なお,本発明のPVAの1,2−グリコール結合含有量はNMRのピークから求めることができる。けん化度99.9モル%以上にけん化後,十分にメタノール洗浄を行い,次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAをDMSO−d6に溶解し,トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を500MHzのプロトンNMR(JOEL GX−500)を用いて80℃で測定した。
ビニルアルコール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値A),1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは3.25ppm(積分値B)に帰属され,次式で1,2−グリコール結合含有量を算出した。
1,2−グリコール結合含有量(モル%)=B/A×100
【0007】
本発明の分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%含有するPVAの粘度平均重合度(以下,重合度と略記する)は、好適には100〜4000であり,さらに好適には200〜3000,最適には300〜2500である。重合度が100未満の場合には得られる糊付糸の強度が低下し,満足な製織性が得られない時がある。重合度が4000を越えると,糊付け時の水溶液粘度が高くなり作業性が悪くなりその使用に制限をうける時がある。
PVAの重合度(P)は,JIS−K6726に準じて測定される。すなわち,PVAを再けん化し,精製した後,30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められるものである。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0008】
本発明の繊維用糊剤に用いるPVAのビニルエステル部分のけん化度は,特に限定はないが,通常60〜100モル%,さらには70〜99.9モル%である場合が多い。けん化度が60モル%未満になると,水溶性もしくは水分散性が低下する傾向が見られ,糊付け時の粘度が不安定化したり,製織した織物の糊抜き性に制限が現れる時がある。さらには,これらPVAの重合度およびけん化度の異なる2種以上を混合して使用してもなんら差し支えない。また,本発明の効果を損なわない範囲で,無変性PVAもしくは他の変性種による変性PVAと混合して使用しても構わない。
【0009】
本発明の目的は分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%であるPVAを繊維糊剤に用いることにより達成できる。しかしながら,さらに分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を共重合したPVAである時が本発明の効果をより享受出来る場合が多い。
炭素数4以下のα−オレフィン単位としては,例えばエチレン,プロピレン,n−ブテン,イソブテン等が挙げられるが,エチレンが好適に用いられる。炭素数4以下のα−オレフィンの含有量は本発明の効果を損なわなければ特に制限は無いが,2〜19モル%である場合が,さらに2.5〜17モル%である場合が,より多くは3〜15モル%が,さらには3.5〜13モル%である場合が特に本発明の効果を幅広く享受する事が出来る場合が多い。19モル%を越える場合には水溶性もしくは水分散性が低下する傾向にあり,本発明の効果を享受する割合が低下する傾向にある。
α−オレフィン単位の含有量は,該PVAの前駆体であるα−オレフィン含有ポリビニルエステルの500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて測定した。
【0010】
本発明の繊維用糊剤に用いるPVAは,分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%含有し,かつ好適には炭素数4以下のα−オレフィン単位を2〜19モル%含有しているが,さらに該PVAの水溶性もしくは水分散性の点から,上記以外の変性種によりさらに変性することができる。このようなコモノマー単位としてはビニルエステルと共重合可能なものであれば特に制限はなく、例えば炭素数5以上のα−オレフィン類、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。該コモノマーの含有量は10モル%以下で用いられる事が多い。該コモノマーの含有量が10モル%を越える使用量の場合は本発明の効果を阻害する場合があり、その使用に制限を受ける場合が生じる。
【0011】
また,2−メルカプトエタノール,n−ドデシルメルカプトなどのチオール化合物の存在下で,酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を,エチレンと共重合し,それをけん化することによって得られる末端変性物でもよい。
【0012】
本発明の糊剤を用いる事のできる糸種には特に限定はなく,綿,ポリエステル,レーヨン,麻,ナイロン,羊毛,アクリル等の単独糸またはこれらの混紡糸に好適に用いられる。また,糊液調製に当たっては対象とする経糸に応じ適宜糊付け条件を選択して用いることが出来,特に制限は無いが,一般に紡績糸の場合,経糸糊付け用糊剤の糊液粘度は毛羽伏せを良くするために比較的高粘度で用いられる。例えば具体的には糊付け温度70〜95℃における粘度は50〜200ミリパスカル・秒である場合が多い。糊液の固形分濃度はとくに制限は無いが,3〜15重量%が一般的である。
【0013】
繊維に対する糊剤の付着量は織物の規格,使用する織機・糊付機等の設備等によって適宜選ばれるが,5%〜25%で選ばれる事が多い。一般に紡績糸の場合は,糊付糸の表面の毛羽伏せと内部浸透による補強を主目的としているため,要求される糊付糸性能を考えて糊剤付着量が決定されている。一般に糊剤付着量が多いほど糊付糸の耐摩耗性,毛羽伏せ効果が向上し製織時の経糸切れが減少する。
【0014】
また,本発明に用いられる繊維用糊剤としては,その効果を損なわない範囲ででんぷん類,水溶性セルロース化合物,水溶性アクリル糊剤等の水溶性高分子やワックス,オイル等の平滑剤,その他の添加剤として消泡剤,帯電防止剤,防腐剤,防黴剤等を含むことができる。
でんぷん類としては,生でんぷんまたは生でんぷんをα化(糊化すみ),酸化,エステル化,エーテル化,グラフト化,カルボキシメチル化等の加工を施した加工でんぷんが好適に使用できる。これらのでんぷんの原料としては,トウモロコシ,馬鈴薯,小麦,タピオカ,米などの天然の穀物類から産出されるものが使用できる。
水溶性セルロース化合物としては,メチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等が挙げられるが,これらに限定されるものではない。
水溶性アクリル糊剤,平滑剤,その他の添加剤についても同様に,特に制限はなく用いる事が出来る。
【0015】
さらに,本発明における糊付け方法については特に制限はなく,一斉スラッシャー糊付け,部分整経糊付け,テープ糊付け,チーズ糊付け等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
以上,経糸糊剤を例に挙げて説明してきたが,本発明の繊維用糊剤は織物の樹脂加工,洗濯用糊剤,捺染用糊剤あるいはフェルトや不織布のバインダーとしても有効に利用できる。
【0017】
【実施例】
以下,実施例により本発明をより具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお以下で,「部」および「%」は特に断らない限り,それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。また,得られたPVAの分析,および糊付糸物性の測定を下記の要領で実施した。
【0018】
PVAの分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。また,本発明のPVAの1,2−グリコール結合含有量,およびα−オレフィン単位含有量は500MHzプロトンNMR(JOEL GX−500)装置による測定から前述のとおり求めた。
【0019】
糊付糸物性の測定方法については下記に示す方法で行った。
(1)着糊量:『たて糸糊付』(深田 要,一見 輝彦共著,日本繊維機械学会発行)299〜302頁に記述してある,糊抜き洗浄時の毛羽の脱落部分を補正する方法により測定した。
(2)糊付糸の硬さ:20℃,65%RH(相対湿度)下で調湿した糊付糸を,DI式糸摩擦抱合力試験機((株)大栄科学精器製作所製)にて,荷重50g/本,撚数0.5で糊付糸が切断するまで運転し,その後糊付糸の切断部を高さ7cmの台上からスライドさせ,上部水平面から5cm垂れるまでのスライド量(cm)を測定し,糊付糸の硬さとした(スライド量が大きいほど硬い)。
(3)糊抜き性:糊付糸を60℃の0.1%水酸化ナトリウム水溶液中で,30分間処理した後,40℃の温流水で1分間アルカリを洗い流し,乾燥後ヨウ度呈色により下記判定基準に従い糊抜き性を判定した。
(4)摩耗強度:TM式抱合力試験機((株)大栄科学精器製作所製)で荷重100g/本で切断するまでの回数を測定した。
【0020】
<判定基準> ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0021】
実施例1
攪拌機,窒素導入口,開始剤導入口を備えた5L加圧反応槽に酢酸ビニル3000gおよび酒石酸0.090gを仕込み,室温下に窒素ガスによるバブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで上げて10分間放置した後,放圧するという操作を3回繰り返して系中を窒素置換した。開始剤として2,2’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40) をメタノールに溶解した濃度0.1g/L溶液を調製し,窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。次いで上記の重合槽内温を120℃に昇温した。このときの反応槽圧力は0.4MPaであった。次いで,上記の開始剤溶液6.0mlを注入し重合を開始した。重合中は重合温度を120℃に維持し,上記の開始剤溶液を用いて23.9ml/hrでV−40を連続添加して重合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.4MPaであった。4時間後に冷却して重合を停止した。このときの固形分濃度は35%であった。次いで30℃減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノマーの除去を行い,ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に,40℃で46.4g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)0.10)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添加後約1分でゲル化したものを粉砕器にて粉砕し,1時間放置してけん化を進行させた後,酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後,濾別して得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後,遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−1)を得た。けん化度は99.2モル%であった。
また,重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5でけん化した後,粉砕したものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた後,メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施し,次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該PVAの重合度を常法のJIS K6726に準じて測定したところ1700であった。該精製PVAの1,2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)装置による測定から前述のとおり求めたところ,2.2モル%であった。
【0022】
下記の処方の糊液を調製し,試験サイザーで糊付けを行い,製織性を代用する糊付糸物性を測定した。
(1)糊処方
PVA−1を92部に繊維糊剤用ワックス(竹本油脂(株)製ワプセット600 )8部からなる配合糊剤を作製した。この配合物を90℃,1時間の攪拌条件下で溶解して得られた糊液を使用して,綿糸(東洋紡績製『金魚』 C40/1)の糊付けを行い,製織性を代用する糊付糸物性を測定した。結果を表2に示す。
【0023】
その他,本実施例および比較例で使用するPVAの重合温度,重合度,けん化度,変性度,1,2−グリコール結合含有量を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例2
PVA−2を54部,PVA−3を38部,および繊維糊剤用ワックス8部の糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0026】
実施例3
PVA−4を92部と繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0027】
実施例4
PVA−1を46部,PVA−4を46部,および繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0028】
実施例5
PVA−5を92部,および繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0029】
実施例6
PVA−4を80部,でんぷん(シキシマスターチ製;マーメイドM−200)を12部,および繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0030】
実施例7
PVA−4を92部と繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,使用する原糸をポリエステル/綿混紡糸((株)クラレ製1013C 45/1)に変更する以外は,実施例1に記載の試験を行った。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
比較例1
PVA117(けん化度98.5モル%,重合度1700,1,2−グリコール結合含有量1.5モル%)を92部と繊維糊剤用ワックス(竹本油脂(株)製ワプセット600)8部からなる糊液を使用して,実施例1に記載の試験を行った。結果を表3に示す。
【0033】
比較例2
PVA−6を92部,および繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表3に示す。
【0034】
比較例3
PVA−7を92部,および繊維糊剤用ワックス8部からなる糊液を調製し,実施例1に記載の試験を行った。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】
本発明の繊維用糊剤は,糊抜き時の水溶性を低下させずに製織時には十分な硬さを保有する糊付糸の作製が可能であり,高速製織時でも経糸切れによって発生する流れ込みの防止をする事ができる。
Claims (3)
- 分子内に1,2−グリコール結合を1.8〜3.5モル%含有するポリビニルアルコール系樹脂からなる繊維用糊剤。
- ポリビニルアルコール系樹脂が,分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を2〜19モル%含有するポリビニルアルコール系樹脂である請求項1記載の繊維用糊剤。
- 炭素数4以下のα−オレフィン単位がエチレンである請求項2に記載の繊維用糊剤。
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