JPH0941272A - 繊維製品用洗濯糊剤 - Google Patents

繊維製品用洗濯糊剤

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JPH0941272A
JPH0941272A JP19671695A JP19671695A JPH0941272A JP H0941272 A JPH0941272 A JP H0941272A JP 19671695 A JP19671695 A JP 19671695A JP 19671695 A JP19671695 A JP 19671695A JP H0941272 A JPH0941272 A JP H0941272A
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JP
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polymerization
sizing agent
pva
vinyl
mol
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JP19671695A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Hayashi
哲史 林
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基
を側鎖に有するビニルアルコール系重合体からなる繊維
製品用洗濯糊剤。 【効果】 本発明の繊維製品用洗濯糊剤は,天然繊維の
みならず合成繊維製品に対しても糊付着量が高く,また
アイロン仕上げ時の着色がなく,アイロンに対する汚れ
付着がない上,アイロンすべりが良いため作業性が良
く,さらには良好な風合いを有する点で優れており,極
めて有用性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な繊維製品用洗
濯糊剤に関する。さらに詳しくは特定のビニルアルコー
ル系重合体からなる良好な熱安定性と良好な良風合いを
有する繊維製品用洗濯糊剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より繊維製品用洗濯糊剤にはでんぷ
ん,ポリビニルアルコール系樹脂(以下PVAと略記す
る),カルボキシメチルセルロース等の水溶液タイプの
もの,あるいはポリ酢酸ビニル系のエマルジョンやカチ
オン性高分子を用いてビニル単量体を乳化重合せしめて
得られるカチオン性エマルジョンなどのエマルジョンタ
イプのものなどが用いられてきた。しかし,でんぷん糊
と比較してPVAは,水溶性糊剤として腐敗せずに長期
保存が効くことや,得られる皮膜の強度が強いためパリ
ッとした風合いが得られることから現在広く使用されて
いる。また,PVAは,洗濯時における糊落ち性もエマ
ルジョンタイプのものに比べ良好である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のPVA系洗濯糊
剤はワイシャツ地等の合成繊維製品に対しては接着力が
不足し,かつ糊付け時の脱水工程でPVAが繊維より脱
落するため糊付着率が低いという欠点があった。さら
に,熱安定性にも乏しく,アイロン仕上げをした際に白
い衣類の場合には,その白色度を低下させたり,アイロ
ンに汚れが付着する等の問題があった。また,アイロン
のすべりが悪いため,作業性にも問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,炭素数2〜20の
ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するビニルアルコール
系重合体(該ビニルアルコール系重合体は,さらにカチ
オン性基含有単位を0.1〜10モル%含有していても
良い)からなる繊維製品用洗濯糊剤を見いだし,本発明
を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の繊維製品用洗濯糊剤に用いるビニ
ルアルコール系重合体は,側鎖に炭素数2〜20のヒド
ロキシアルキル基を有しており,該側鎖はビニルアルコ
ール系重合体の主鎖に直接結合していることが必要であ
る。本発明のビニルアルコール系重合体のヒドロキシア
ルキル基の炭素数は,2〜20であり,2〜15が好ま
しく,2〜10がより好ましい。ヒドロキシアルキル基
は,少なくとも1個のヒドロキシル基(水酸基)を有す
るアルキル基であり,熱安定性や水溶性の点で,ω−ヒ
ドロキシアルキル基がより好ましい。ヒドロキシアルキ
ル基のアルキル基としては,その水素原子が炭素数1〜
9の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されていても
良い。側鎖に炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を
有する単量体単位としては,ヒドロキシル基含有オレフ
ィン単位が挙げられる。ヒドロキシル基含有オレフィン
単位の中でも,ビニルアルコール系重合体の重合度を制
御する容易性やヒドロキシアルキル基を有する単量体単
位の含有量を制御する容易性等の点から,3−ブテン−
1−オール,4−ペンテン−1−オール,5−ヘキセン
−1−オール,7−オクテン−1−オール,9−デセン
−1−オール,11−ドデセン−1−オール,3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールなどに由来する単量体単位
が好ましい。これらの単量体単位のほかに,ビニルアル
コール系重合体の原料であるビニルエステル系重合体の
ケン化反応時に,ヒドロキシル基の生成が可能なエステ
ル基を含有する単量体単位であってもよい。
【0006】本発明の繊維製品用洗濯糊剤に使用するビ
ニルアルコール系重合体における炭素数2〜20のヒド
ロキシアルキル基の含有量については特に制限はない
が,その好適な含有量は0.1〜50モル%であり,
0.5〜30モル%がより好ましく,1〜20モル%が
さらに好ましい。ヒドロキシアルキル基の含有量が0.
1モル%未満の場合,熱安定性あるいは界面活性の向上
の程度が低く,また50モル%を越える場合は水溶性の
低下やビニルアルコール系重合体としての特徴が低下す
る。本発明の繊維製品用洗濯糊剤に使用するビニルアル
コール系重合体のケン化度については特に制限はない
が,水溶性もしくは水分散性の観点から60モル%以上
が好ましく,70モル%以上がさらに好ましい。本発明
の繊維製品用洗濯糊剤に使用するビニルアルコール系重
合体の粘度平均重合度(以下重合度と略記する)は,1
00〜5000であり,好ましくは200〜3000か
ら選ばれる。重合度が100未満では洗濯糊剤としての
性能,特に皮膜の強度及び繊維に対する接着力が低下
し,5000を越えると糊液の粘度が高くなりすぎるた
め,作業性の点で好ましくない。
【0007】本発明の繊維製品用洗濯糊剤に使用するビ
ニルアルコール系重合体の製法としては,ビニルエステ
ル単位とヒドロキシアルキル基含有オレフィン単位とを
共重合して得られたビニルエステル系重合体を,アルコ
ールあるいはジメチルスルフォキシド溶液中でケン化す
るなどの公知の方法が挙げられる。ビニルエステルとし
ては,蟻酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,
ピバリン酸ビニル等の公知のものが挙げられるが,酢酸
ビニルが経済的に望ましい。
【0008】本発明の繊維製品用洗濯糊剤に用いるビニ
ルアルコール系重合体は,水溶性又は水分散性を向上さ
せる目的で,カチオン性基含有単位(水溶液中で解離し
て正電荷に帯電する化学構造単位を意味する)を共重合
しても良い。すなわち,上記の側鎖に炭素数2〜20の
ヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有オレ
フィンとビニルエステルとカチオン性基含有単量体,例
えば,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチ
ルプロピル)−アンモニウムクロリド,3−アクリルア
ミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド,3−メ
タクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリ
ド,N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ジメチルアミンの4級アンモニウム塩,N−(4−
アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミン
の4級アンモニウム塩,さらにはアクリルアミド,N−
メチルアクリルアミド,N−エチルアクリルアミド,
N,N−ジメチルアクリルアミド,ジアセトンアクリル
アミド,N−メチロールアクリルアミド,メタクリルア
ミド,N−メチルメタクリルアミド,N−エチルメタク
リルアミド,N−メチロールメタクリルアミド等の4級
アンモニウム塩等とを共重合した後,これを公知の方法
によりケン化することで目的のビニルアルコール系重合
体が得られる。これらのカチオン性基含有単位の含有量
としては,0.1〜10モル%が好ましい。0.1モル
%より少ない場合には,カチオン性基含有単位の導入効
果が見られず,10モル%を越えて使用する場合には,
本発明のビニルアルコール系重合体の持つ効果が得られ
なくなる上,生産コストも高くなるため経済的にも好ま
しくない。
【0009】さらに本発明の繊維製品用洗濯糊剤に用い
られるビニルアルコール系重合体は,本発明の効果を損
なわない範囲でその他の共重合可能なエチレン性不飽和
単量体を共重合したものでも良い。このようなエチレン
性不飽和単量体としては,例えばエチレン,プロピレ
ン,アクリル酸,メタクリル酸,(無水)フタル酸,
(無水)マレイン酸,(無水)イタコン酸,アクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩,ビニル
スルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,
エチルビニルエーテル,ブチルビニルエーテル,塩化ビ
ニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フ
ッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン等が挙げられ
る。また,本発明のビニルアルコール系重合体は,チオ
ール酢酸,メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物
の存在下で,酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体
を,ヒドロキシアルキル基含有オレフィンと共重合し,
それをケン化することによって得られる末端変性物でも
よい。
【0010】ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含
有オレフィンとの共重合の方法としては,塊状重合法,
溶液重合法,懸濁重合法,乳化重合法等の公知の方法が
挙げられる。その中でも無溶媒あるいはアルコールなど
の溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常採用
され,高重合度のものを得る場合には,乳化重合が採用
される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコール
としては,メチルアルコール,エチルアルコール,プロ
ピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられる。共
重合に使用される開始剤としては,α,α’−アゾビス
イソブチロニトリル,2,2’−アゾビス−(2,4−
ジメチル−バレロニトリル),過酸化ベンゾイル,n−
プロピルパーオキシカーボネート等のアゾ系開始剤又は
過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重
合温度については特に制限はないが,室温〜150℃の
範囲が適当である。
【0011】ビニルエステル単位とヒドロキシアルキル
基含有オレフィン単位との共重合体は,アルコール(場
合によっては含水アルコール)に溶解した状態でケン化
される。ケン化反応に使用されるアルコールとしては,
メチルアルコール,エチルアルコール等の低級アルコー
ルが挙げられ,メチルアルコールが特に好適に使用され
る。ケン化反応に使用されるアルコールには,40重量
%以下であれば,アセトン,酢酸メチルエステル,酢酸
エチルエステル,ベンゼン等の溶剤を含有していてもよ
い。ケン化反応に用いられる触媒としては,水酸化カリ
ウム,水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物,
ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒,あるいは鉱
酸等の酸触媒が用いられる。ケン化反応の温度について
は特に制限はないが,20〜60℃の範囲が適当であ
る。ケン化反応の進行に伴って,ゲル状生成物が析出し
てくる場合には,その時点で生成物を粉砕し,洗浄後,
乾燥することにより,本発明のビニルアルコール系重合
体が得られる。
【0012】本発明のビニルアルコール系重合体からな
る繊維製品用洗濯糊剤は多くの場合,ビニルアルコール
系重合体単独で十分効果を発揮するが,必要に応じて公
知の他の助剤,例えば油剤,界面活性剤,柔軟剤,香
料,蛍光染料,顔料,防腐剤,防カビ剤,殺菌剤等を添
加しても差し支えない。また,本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で他の公知の糊剤,例えば生でんぷん(コーン,
馬鈴薯,タピオカ,小麦等),変性でんぷん(酸化,エ
ステル化,エーテル化,カチオン化,カルボキシメチル
化等),一般PVA,変性PVA(カルボキシル基含有
変性PVA,アクリルアミド変性PVA等),カルボキ
シメチルセルロース,水溶性ポリエステル樹脂,ポリエ
チレングリコール等を併用しても良い。
【0013】繊維製品の洗濯後に糊付けを実施する場
合,本発明の糊剤は繊維製品に対して固形分で0.2〜
5重量%の範囲で使用すると良い。本発明の糊剤は,従
来のPVA系洗濯糊剤と比較して十分な水量で稀釈して
も良好な糊付け効果が得られる。また,本発明のビニル
アルコール系重合体はスプレータイプの仕上げ剤として
も有効に利用できる。容器は市販のスプレータイプのも
のであればすべて使用可能であり,該ビニルアルコール
系重合体の固形分濃度を1〜15重量%に調製した水溶
液を注入して使用する。これは非溶剤系の仕上げ剤とし
て非常に実用的である。もちろん,ジメチルエーテル等
の溶剤と共に液化噴射型としての利用も可能である。
【0014】このようにして糊付けされた繊維製品を,
200℃程度の温度でアイロン掛けすることにより,熱
による変色やアイロンに対する汚れ付着がなく,パリッ
とした仕上がりの繊維製品用洗濯糊剤が得られる。ま
た,本発明のビニルアルコール系重合体を使用した繊維
製品用洗濯糊剤は,アイロンがけの作業時にアイロンの
すべりが非常に良いため,作業性が向上する効果も得ら
れる。以上のように,繊維製品用洗濯糊剤を例に挙げて
本発明を説明してきたが,本発明の繊維製品用洗濯糊剤
は織物の経糸糊剤,樹脂加工,捺染用糊剤あるいはフェ
ルトや不織布のバインダーとしても有効に利用できる。
【0015】
【実施例】以下,実施例により本発明をより具体的に説
明するが,本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお以下で,「部」及び「%」は特
に断らない限り,それぞれ「重量部」及び「重量%」を
意味する。
【0016】実施例1 還流冷却器,攪拌機,温度計,窒素導入管及び後添加液
用の仕込み口とポンプを備えた5リットルの重合槽に酢
酸ビニルを2800g,7−オクテン−1−オールを6
0gを仕込んだ。重合液を攪拌しながら,系内を窒素置
換して加温し,60℃の恒温になった時点で,2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記す
る)を2.8g添加して重合を開始した。重合開始時点
より系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い,4.5
時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止した。
重合停止前の重合率は40%であった。得られた重合ペ
ーストをn−ヘキサン中に滴下して重合物を析出させ
た。次に,重合物をアセトンに溶解し,n−ヘキサン中
で析出させる再沈−精製操作を3回実施した後,再度ア
セトンに溶解し,蒸留水に滴下させ煮沸精製した後,6
0℃で乾燥して精製ポリ酢酸ビニル(以下PVAcと略
記する)を得た。次に精製PVAcの濃度30%のメタ
ノール溶液を調製し,40℃で攪拌しながら,水酸化ナ
トリウムの濃度10%のメタノール溶液(PVAcに対
してモル比0.10)を添加し,60分間のケン化反応
を行った。得られたゲル状物を粉砕後,メタノールに浸
漬し,水酸化ナトリウムの濃度10%のメタノール溶液
(PVAcに対するモル比0.02)を添加し,さらに
5時間の再ケン化を行った。得られたPVAをメタノー
ルで洗浄し,50℃で18時間乾燥して白色粉末のPV
Aを得た。得られたPVA中の7−オクテン−1−オー
ル単位の含有量は1.6モル%であった。得られた変性
PVAの基本構造を表1に示す。
【0017】また,上述した方法で得られた変性PVA
を,下記の方法により評価した結果を表2に示す。 (1)張りの評価 小型の家庭用洗濯機を用いて,10リットルの水道水に
上記で得られた変性PVA水溶液(固形分濃度10%)
を500g添加し,良く分散させた後,500gのシー
ツ(綿布;ブロード)を添加し,3分間撹拌して糊付け
を行った。その後,脱水機で30秒間脱水,風乾,アイ
ロンがけをして仕上げた。以上のような方法で糊付け処
理した布の張りを,対照糊付け布(でんぷん糊使用)と
比較して触感テストを行った。10人が試験を行い,下
記の評価点の合計点で糊剤の性能を評価した。 +2 : 張りがある +1 : やや張りがある 0 : 対照と同じ −1 : やや張りがない −2 : 張りがない (2)糊剤付着量 上記(1)の方法で糊付け−風乾した綿シーツをアイロ
ンがけして仕上げた後,20℃,65%RHで24時間
調湿した。この糊付布の糊剤付着量を重量測定により求
めた。 (3)アイロンすべり性 上記(1)の方法で糊付け−風乾した綿シーツを,20
0℃でアイロンがけした時のアイロンのすべり性を,対
照(でんぷん糊付けシーツ)と比較して試験を行った。
下記の評価基準で官能的に判定した。10人が試験を行
い,下記の評価点の合計点で糊剤の性能を評価した。 +2 : 非常に良好 +1 : 良好 0 : 対照と同じ −1 : やや悪い −2 : 非常に悪い (4)アイロンへの付着性 上記(1)の方法で糊付け−風乾した綿シーツを,20
0℃でアイロンがけした時のアイロンへのカスの付着状
況を観察した。 (5)熱着色性 上記(1)の方法で糊付け−風乾した綿シーツを,20
0℃×10分間の熱処理をした後,その着色度を元の生
地(糊付けなし)と比較して観察した。また,ポリエス
テル−綿混紡布(ポリエステル/綿=65/35;ワイ
シャツ用生地)についても,綿シーツと同様の方法で糊
付け−仕上げ(ただしアイロンがけの温度は170℃)
を行い,同様にして糊剤の性能を評価した。
【0018】実施例2 3リットルの重合槽を使用して,実施例1と同様に以下
の重合を行った。酢酸ビニルを930g,5−ヘキセン
−1−オールを105g仕込み,重合液を攪拌しなが
ら,系内を窒素置換して加温し,60℃の恒温に達した
時点でAIBNを9g添加して重合を開始し,6時間後
に重合率が24%になった時点で重合を停止した。次に
実施例1と同様に精製を行い,得られた精製PVAcを
水酸化ナトリウムの濃度10%のメタノール溶液(PV
Acに対するモル比0.009)を添加してけん化し
た。得られたゲル状物を粉砕後,メタノールで洗浄し,
50℃で18時間乾燥して,白色粉末のPVAを得た。
得られたPVA中の5−ヘキセン−1−オール単位の含
有量は10.2モル%であった。得られた変性PVAの
基本構造を表1に示す。また,実施例1と同様の方法に
より,変性PVAの糊剤としての評価を行った。結果を
表2に示す。
【0019】実施例3 5リットルの重合槽を使用して,実施例2と同様に以下
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g,5−ヘキセ
ン−1−オールを800g,3−アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロリドを70g仕込み,重
合液を攪拌しながら,系内を窒素置換して加温し,60
℃の恒温に達した時点でAIBNを35g添加して重合
を開始し,6.5時間後に重合率が43%になった時点
で重合を停止した。次に実施例2と同様に精製を行い,
得られた精製PVAcを水酸化ナトリウムの濃度10%
のメタノール溶液(PVAcに対するモル比0.00
9)を添加してけん化した。得られたゲル状物を粉砕
後,メタノールで洗浄し,50℃で18時間乾燥して,
白色粉末のPVAを得た。得られた変性PVA中の5−
ヘキセン−1−オール単位の含有量は7.9モル%,3
−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロ
リド単位の含有量は1.0モル%であった。得られた変
性PVAの基本構造を表1に示す。また,実施例1と同
様の方法により,変性PVAの糊剤としての評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0020】比較例1 市販の無変性PVA(クラレポバールPVA−CST)
を使用する以外は実施例1と同様の試験を行った。結果
を表2に示す。
【0021】比較例2 市販の無変性PVA(クラレポバールPVA−210)
を使用する以外は実施例1と同様の試験を行った。結果
を表2に示す。
【0022】実施例4 3リットルの重合槽を使用して,実施例1と同様に以下
の重合を行った。酢酸ビニルを1680g,7−オクテ
ン−1−オールを350g,メタノールを420g仕込
み,重合液を攪拌しながら,系内を窒素置換して加温
し,60℃の恒温に達した時点でAIBNを26g添加
して重合を開始し,4時間後に重合率が59%になった
時点で重合を停止した。次に実施例1と同様にして,精
製PVAcを得,続いてケン化及び精製を行うことで精
製PVAを得た。得られた変性PVA中の7−オクテン
−1−オール単位の含有量は4.5モル%であった。得
られた変性PVAの基本構造を表1に示す。
【0023】また,上記で得られた変性PVAを用い,
下記の方法により評価を行った。結果を表3に示す。 (1)張りの評価 得られた変性PVAの5%水溶液を調製し,市販噴霧器
を用いてシーツ(綿布;ブロード)に糊付けし,アイロ
ンがけをして仕上げを行った。該糊付け処理した布の張
りについて,対照糊付け布(でんぷん糊使用)と比較し
て触感テストを行った。10人が試験を行い,下記の評
価点の合計点で糊剤の性能を評価した。 +2 : 張りがある +1 : やや張りがある 0 : 対照と同じ −1 : やや張りがない −2 : 張りがない (2)目詰まり試験 市販噴霧器を用いて,温度20℃,湿度65%RH環境
下で10回/日噴霧を1か月行い,目詰まりの有無を調
べた。 (3)アイロンすべり性 上記(1)の方法で糊付け−風乾した綿シーツを,20
0℃でアイロンがけした時のアイロンのすべり性を,対
照(でんぷん糊付けシーツ)と比較して試験を行った。
下記の評価基準で官能的に判定した。10人が試験を行
い,下記の評価点の合計点で糊剤の性能を評価した。 +2 : 非常に良好 +1 : 良好 0 : 対照と同じ −1 : やや悪い −2 : 非常に悪い (4)アイロンへの付着性 上記(1)の方法で糊付けした綿シーツを,200℃で
アイロンがけした時のアイロンへのカスの付着状況を観
察した。 (5)熱着色性 上記(1)の方法で糊付けした綿シーツを,200℃×
10分間の熱処理をした後,その着色度を元の生地(糊
付けなし)と比較して観察した。また,ポリエステル−
綿混紡布(ポリエステル/綿=65/35;ワイシャツ
用生地)についても,綿シーツと同様の方法で糊付け−
仕上げ(ただしアイロンがけの温度は170℃)を行
い,同様にして糊剤の性能を評価した。
【0024】実施例5 5リットルの重合槽を使用し,実施例4と同様に以下の
重合を行った。酢酸ビニルを2800g,7−オクテン
−1−オールを300g,メタノールを700g仕込
み,重合液を撹拌しながら系内を窒素置換して加温し,
60℃の恒温に達した時点で,AIBNを33g添加し
て重合を開始し,4.5時間後に重合率が63%になっ
た時点で重合を停止した。実施例4と同様にして,精製
PVAcを得,続いてケン化および精製を行うことで精
製PVAを得た。得られた変性PVA中の7−オクテン
−1−オール単位の含量は8.4モル%であった。得ら
れた変性PVAの基本構造を表1に示す。また,実施例
4と同様の方法により,変性PVAの糊剤としての評価
を行った。結果を表3に示す。
【0025】実施例6 5リットルの重合槽を使用して,実施例3と同様に以下
の重合を行った。酢酸ビニルを2800g,7−オクテ
ン−1−オールを800g,3−アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロリドを60g仕込み,重
合液を撹拌しながら系内を窒素置換して加温し,60℃
の恒温に達した時点でAIBNを30g添加して重合を
開始し,6時間後に重合率が42%になった時点で重合
を停止した。実施例3と同様にして精製PVAcを得,
続いてケン化及び精製を行うことにより,精製PVAを
得た。得られた変性PVA中の7−オクテン−1−オー
ル単位の含量は6.2モル%,3−アクリルアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロリド単位の含量は1.
0モル%であった。PVAの基本構造を表1に示す。ま
た,実施例4と同様の方法により,変性PVAの糊剤と
しての評価を行った。結果を表3に示す。
【0026】比較例3 実施例4で使用した変性PVAの代えて,市販の無変性
PVA(クラレポバール205)を使用する以外は実施
例4と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明の繊維製品用洗濯糊剤は,天然繊
維のみならず合成繊維製品に対しても糊付着量が高く,
またアイロン仕上げ時の着色がなく,アイロンに対する
汚れ付着がない上,アイロンすべりが良いため作業性が
良く,さらには良好な風合いを有する点で優れており,
極めて有用性が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基
    を側鎖に有するビニルアルコール系重合体からなる繊維
    製品用洗濯糊剤。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコール系重合体がカチオン性
    基含有単位を0.1〜10モル%含有する請求項1記載
    の繊維製品用洗濯糊剤。
JP19671695A 1995-08-01 1995-08-01 繊維製品用洗濯糊剤 Pending JPH0941272A (ja)

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