JPH0941149A - 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成方法および堆積膜形成装置

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JPH0941149A
JPH0941149A JP7214187A JP21418795A JPH0941149A JP H0941149 A JPH0941149 A JP H0941149A JP 7214187 A JP7214187 A JP 7214187A JP 21418795 A JP21418795 A JP 21418795A JP H0941149 A JPH0941149 A JP H0941149A
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deposited film
film
reaction vessel
cooling
insulating material
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JP7214187A
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Makoto Aoki
誠 青木
Junichiro Hashizume
淳一郎 橋爪
Shigenori Ueda
重教 植田
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高速の処理速度で比較的大面積の基
体を均一かつ高品位に処理することが可能であると共
に、製造時間が短く低コストであり、とりわけ画像特性
の優れた電子写真用感光体を製造するのに最適な堆積膜
形成方法およびその装置を提供することを目的とするも
のである。 【解決手段】本発明は上記目的を達成するために、 真
空気密可能な反応容器の放電空間内に原料ガスを導入
し、13.56MHzより高い周波数の高周波電力、特
に50MHz〜450MHzの高周波電力の印加により
前記原料ガスを分解して前記放電空間内の被成膜基体上
に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜形成
方法又は装置において、前記反応容器を電極を兼ねる金
属部分と絶縁性材料部分とで構成し、前記反応容器の絶
縁性材料部分の壁面を冷媒を用いて冷却して堆積膜を形
成するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイスとし
ての電子写真用感光体デバイス、画像入力用ラインセン
サー、撮像デバイス、光起電力デバイスなどに有用な結
晶質、非単結晶質の機能性堆積膜を良好に形成し得るプ
ラズマCVD装置、半導体デバイスや、光学素子として
の絶縁膜、金属配線などを好適に形成し得るスパッタ装
置、或いは半導体デバイスなどのエッチング装置などの
プラズマ処理装置及びその処理方法に関し、更に詳しく
は、特にプラズマを励起源として用い基体の処理を行う
プラズマ処理方法及びその装置であって、特に50MH
z以上、450MHz以下の高周波を好適に使用可能な
堆積膜形成方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体などで使用されているプラズマ処
理装置はそれぞれの用途に応じてさまざまなものがあ
る。例えば成膜などではプラズマCVD装置やプラズマ
CVD法を用いた酸化膜、窒化膜の形成やアモルファス
シリコン系の半導体膜、又スパッタリング装置やスパッ
タリング法を用いた金属配線膜、エッチング装置や方法
を用いた微細加工技術などさまざまにその特徴を生かす
装置、方法が使用されている。更に、近年膜質及び処理
能力向上に対する要望も強くなっており、さまざまな工
夫も検討されている。特に高周波電力を用いたプラズマ
プロセスは放電の安定性が高く、酸化膜や窒化膜などの
絶縁性の材料形成にも使用出来るなど、さまざまな利点
より使用されている。従来、プラズマCVDなどのプラ
ズマプロセスに用いられている放電用高周波電源の発振
周波数は一般的に13.56MHzが用いられている。
この従来の堆積膜形成に一般的に多く用いられているプ
ラズマCVD装置の一例を図2に示す。図2に示される
プラズマCVD装置は円筒状の電子写真感光体用基体上
にアモルファスシリコン膜(以下、「a−Si膜」と記
す)を形成する場合に好適な成膜装置である。
【0003】以下、この装置を用いたa−Si膜の形成
方法を説明する。減圧可能な反応容器を兼ねる円筒状の
第2の電極206及び対向電極として被成膜基体(電子
写真感光体用基体)を兼ねる第1の電極202が配置さ
れている。第1の電極202には補助基体207、20
8が取りつけられており、第1の電極の一部を成してお
り、アースに接続されている。膜厚及び膜特性の均一性
を向上させるために、第2の電極206の円筒軸方向の
寸法は第1の電極202及び補助基体207、208の
円筒軸方向の長さと同程度に設定されている。第1の電
極202は内部の加熱ヒーター203により内側より加
熱される。高周波電源212は整合回路211を介して
第2の電極206に1ケ所のみ接続されている。205
は真空排気口、204はメインバルブ、210は原料ガ
ス導入バルブ、209は原料ガス導入口である。堆積室
内に第1の電極を兼ねる被成膜基体を設置し、メインバ
ルブ204を開け、排気口205を介して堆積室を一旦
排気する。その後原料ガス導入口210を開し、不活性
ガスを導入し、所定の圧力になるように流量を調整す
る。加熱用ヒーター203に通電し、被成膜基体を10
0〜400℃の所望の温度に加熱する。その後、原料ガ
ス導入バルブ210を介して成膜用の原料ガス、例えば
シランガス、ジシランガス、メタンガス、エタンガスな
どの材料ガスを、またジボランガス、ホスフィンガスな
どのドーピングガスを導入し、数10mTorrから数
Torrの圧力に維持するよう排気速度を調整する。高
周波電源212より13.56MHzの高周波電力を整
合回路211を介して第2の電極206の一ケ所に供給
して、第2の電極206と第1の電極202との間にプ
ラズマ放電を発生させ原料ガスを分解することにより、
第1の電極を兼ねた被成膜基体203上にa−Si膜を
堆積する。この間、第1の電極は加熱ヒーター203に
より100〜400℃程度に維持されている。必要に応
じて不図示の回転機構により被成膜基体を回転させ、周
方向の膜厚分布を改善しても良い。この成膜方法で電気
写真用感光体の性能を満足するa−Si膜を得るための
堆積速度は、例えぼ1時間当たり0.5〜6μm程度の
堆積速度であり、それ以上に堆積速度を上げると感光体
としての特性を得ることが出来ない場合がある。又、一
般に電子写真用感光体としてa−Si膜を利用する場
合、帯電能を得るために少なくとも20〜30μmの膜
厚が必要であり、電子写真用感光体を製造するためには
長時間を要していた。このため、感光体としての特性を
落とさずに製造時間を短縮する技術が切望されていた。
【0004】ところで近年、平行平板型のプラズマCV
D装置を用い20MHz以上の高周波電源を用いたプラ
ズマCVD法の報告があり(Plasma Chemi
stry and Plasma Processin
g,Vol.7,No.3,(1987)p267−2
73)、放電周波数を従来の13.56MHzより高く
することで堆積膜の性能を落とさずに堆積速度を向上さ
せることが出来る可能性が示されており、注目されてい
る。又この放電周波数を高くする報告はスパッタリング
などでもなされ、近年広くその優位性が検討されてい
る。このようなことから、堆積速度向上のために放電周
波数を従来の13.56MHzより高い周波数の高周波
電力を用いて成膜手順は従来と同様の方法で成膜を行う
と、確かに従来より高い堆積速度で作成することができ
ることは確認できた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに13.56MHzより高い周波数を用いた場合、従
来の13.56MHzの放電周波数では問題にならなか
った以下のような問題が新たに発生する場合があること
が判明した。すなわち、13.56MHzより高い周波
数、とりわけ50MHz以上450MHz以下の放電周
波数領域においては、放電条件によってはプラズマが偏
在化し、特に低電力領域で使用する場合に偏在化が顕著
に現れ易くなる。その結果電子写真感光体のような比較
的大面積の被加工体においては、堆積速度に不均一性が
生じて膜厚ムラが発生し、電子写真感光体特性のムラを
生じさせる場合が生じる。近年の電子写真感光体に要求
される性能向上に伴い、これらの問題は無視できなくな
ってきている。このような堆積速度のムラ及び膜特性の
劣化は電子写真用感光体のみならず、画像入力用ライン
センサー、撮像デバイス、光起電力デバイスなどに有用
な結晶質、又は非単結晶質の機能性堆積膜を形成する場
合にも大きな問題となる。
【0006】そこで、本発明は上述のような従来の問題
点を克服し、従来のプラズマプロセスでは達成できなか
った高速の処理速度で比較的大面積の基体を均一かつ高
品位に処理することが可能であると共に、製造時間が短
く低コストであり、とりわけ画像特性の優れた電子写真
用感光体を製造するのに最適な堆積膜形成方法およびそ
の装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、堆積膜の形成工程において反応容器の壁面
を冷却して堆積膜を形成するようにしたものである。す
なわち、本発明の堆積膜形成方法は、真空気密可能な反
応容器の放電空間内に原料ガスを導入し、13.56M
Hzより高い周波数の高周波電力の印加により前記原料
ガスを分解して前記放電空間内の被成膜基体上に堆積膜
を形成するプラズマCVD法による堆積膜形成方法にお
いて、前記反応容器を電極を兼ねる金属部分と絶縁性材
料部分とで構成し、前記反応容器の絶縁性材料部分の壁
面を冷媒を用いて冷却して堆積膜を形成することを特徴
としている。本発明の効果は、前記高周波電力の周波数
が50MHz〜450MHzの領域において顕著であ
る。本発明は、高周波電力の印加により前記原料ガスを
分解して前記被成膜基体上に堆積膜を形成する工程にお
いては、前記絶縁性材料部分の壁面の冷却を、気体の冷
媒により行うことが好ましい。また、高周波電力の印加
により前記原料ガスを分解して前記被成膜基体上に堆積
膜を形成する工程においては、それを液体の冷媒により
間欠的に行うようにしてもよい。さらに、あらかじめ前
記被成膜基体を加熱するために成膜前に行われる加熱行
程又は反応容器内壁に付着した堆積物をクリーニングす
る過程でのドライエッチング工程においては、それを液
体の冷媒により行うことが好ましい。また、本発明の堆
積膜形成装置は、真空気密可能な反応容器の放電空間内
に原料ガスを導入し、13.56MHzより高い高周波
電力の印加により前記放電空間内の被成膜基体上に堆積
膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜形成装置に
おいて、前記反応容器が電極を兼ねる金属部分と絶縁性
材料部分からなり、該反応容器が反応容器の絶縁性材料
部分の壁面を冷却する冷却機構を備えていることを特徴
としている。本発明においては、前記冷却機構は、前記
電極を兼ねる金属部分と絶縁性材料部分からなる反応容
器の壁部を中空の二重構造としその中に冷媒を流すよう
に構成することができる。そして、前記反応容器の絶縁
材料は、テフロン、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのう
ち、少なくとも1つ以上のものを用いるか、または酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素の元素酸化
物の中の単数または複数の元素酸化物を主成分とするも
のを用いることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、放電周波数が50
MHz以上450MHz以下の領域で従来のプラズマC
VD装置を用いて検討を行ってきた結果、放電周波数が
従来の13.56MHzでは発生しなかった、放電の不
安定さや不均一さ、即ちプラズマの偏在化という問題に
直面した。従来の装置では図2に示されるように反応容
器がカソード電極を兼ねる構造をしており、この装置を
50MHz以上450MHz以下の放電周波数領域で使
用した場合、放電が安定し難く、反射電力も大きく、高
周波電源と反応容器の電極との間に設けてある整合回路
の可変容量の値も大きく異なることが判った。得られた
堆積膜は膜厚ムラが大きく、電気特性も特性のムラが大
きいことが分かった。また堆積速度の早い場所の膜の方
が遅い場所の膜よりも良好な特性を示した。通常、堆積
速度は遅いほど膜特性が良好となるが、この場合はプラ
ズマが偏在化しており十分な放電エネルギーを供給され
たことが膜特性の向上に寄与しているものと思われる。
この原因として、従来の13.56MHzでは無視でき
たカソード電極のもつインダクタンス成分が与える影響
が、周波数を高くしたことで無視できなくなった為と考
えられる。即ちカソード電極のインピーダンスをZ、カ
ソードの表皮抵抗をR、インダクタンスをL、高周波の
角周波数をω、虚数単位をjとすると、 Z=R+jωL と表される。ここで放電周波数が従来の13.56MH
zの場合は、インダクタンスLが無視できるが、放電周
波数を高くしていくことでインダクタンスLが無視でき
なくなり、カソード電極のインピーダンスZが大きくな
る。その結果、カソード電極上において高周波電力が高
周波導入部からカソード電極上を伝わるにつれて減少し
易くなる。この高周波電力のムラによってプラズマが偏
在化するものと考えられる。従来の装置では反応容器が
電極を兼ねており、電極の縦方向の長さが長いためイン
ダクタンスは大きい。そこで反応容器をアルミナセラミ
ックスなどの絶縁体とし、反応容器の一部に従来よりも
縦方向の長さが短く、インダクタンスの小さいカソード
電極を適当な位置に配置することによって放電の安定
化、膜質の均質化を図ることが可能になった。反応容器
はカソード電極を兼ねる金属部分とセラミックなどの絶
縁体部分とで成り立っているが、特に絶縁体部分は熱伝
導性が悪く加工性に乏しい為反応容器内壁を効率よく冷
却する機構を設けにくい。そこで金属部分、絶縁体部分
共に中空の二重構造とし中に冷媒を流す冷却機構を設け
て冷却したところ、膜質が向上することが分かった。
【0009】反応容器の絶縁体部分に用いる冷媒に気体
を用いた場合、冷媒としての効果は液体を用いる場合に
比べ少なくなるが、例えば大きい誘電率を持つ水のよう
な物質で反応容器内部を満たした場合、放電に影響を及
ぼし反応容器全体が金属で成り立っている従来の装置と
同様に放電ムラが生じ易くなってしまう。気体の場合誘
電率は小さく無視でき、放電に影響を与えることはない
ので好ましい。カソード電極は金属であるので内側の冷
媒はシールドされていることになり放電には影響しな
い。またカソード電極はプラズマからの輻射に加えジュ
ール熱による発熱があり、絶縁体部分よりも更に温度が
上がり易い。故にカソード電極には常時水を流して水冷
する方が好ましい。絶縁体部分の気体の冷媒として空気
を用いて冷却した場合には膜厚分布のムラが少なくなっ
た。空気による冷却では放電が影響を受けない為プラズ
マが均一化したためと思われる。電気的特性ではS/N
比が向上し、電子写真感光体を作製した場合残留電位の
減少等改善が見られた。冷却の効果として反応容器壁面
からの脱ガス、再脱離などが起きにくくなり、膜中に取
り込まれるコンタミネーションの影響が減少した為と思
われる。また冷却しない場合に比べて、電子写真感光体
における画像欠陥を引き起こす半球状の異常成長(以
下、「球状突起」と呼ぶ)の形成される度合いが少ない
ことが分かった。この球状突起は主にダストなどが被成
膜基体に付着し、それが核となって断面方向から見ると
逆円錐状に異常成長が進行することによって生成され
る。この異常成長の核になるものとして、成膜中に反応
容器壁面に堆積した生成物が挙げられる。反応容器壁面
を冷却しない場合、温度の高い反応容器壁面上に堆積し
た生成物は緻密な膜となり、応力で剥れやすく、それが
被成膜基体に付着し、異常成長の核になっていると考え
られる。一方、反応容器を冷却する場合、反応容器壁面
は温度が低く、その上に堆積した生成物は水素を多く含
む緻密でない膜となり剥れにくくなる為、球状突起の核
となるダストを生じにくいと考えられる。更にこの緻密
でない膜は、反応容器のクリーニング過程であるドライ
エッチング時にはエッチングされ易い特徴がある。緻密
でない膜は多孔質状或は粉状に近いものと考えられ、エ
ッチングガスに晒される表面積が大きい為、早く除去で
きると考えられる。
【0010】反応容器壁面の温度を低下させるために
は、成膜前に予め行われる基体の加熱行程で反応容器に
水などの液体を流すことで成膜開始時の反応容器壁面の
温度を更に下げることができる。加熱行程では不活性ガ
ス中で円筒形の被成膜気体を内側からヒーターによって
加熱しているが、反応容器壁面も輻射による加熱、ガス
による加熱で温度が上昇してしまう。そこで成膜前の段
階で反応容器を液体冷却で十分低温にしておき、成膜開
始前に直ちに気体と置換することによって、放電に影響
を与えずに反応容器壁面からの脱ガスなどを最小限に抑
えることができる。また、成膜中に反応容器の絶縁体部
分に間欠的に液体の冷媒を流すことによって、壁面の温
度を更に下げることができる。この場合液体の冷媒を流
している間は放電の均一性に影響を与えるが、非常に短
時間で反応容器壁面の温度を急激に下げることができ、
その後直ちに液体の冷媒を気体によって置換することで
放電への影響を最小限に抑えることができる。この放電
の乱れによる堆積膜の特性への影響は実用上問題のない
レベルであり、電子写真感光体を作製した場合、感光体
特性は良好であった。以上の実験から、反応容器壁面を
冷却することにより壁面からの脱ガス、最脱離、剥れた
堆積物などの影響が減少して膜質向上が計れることが分
かった。
【0011】また、反応容器壁面に堆積した膜を除去す
る為のドライエッチング時には短時間で処理する為に大
きな放電電力を投入することが理想であるが、冷却しな
い場合にはプラズマからの加熱によりドライエッチング
開始後反応容器が非常に高温になり、破損の恐れが出て
きた。反応容器の絶縁性部分、或はOリングなどを保護
する為大きな放電電力を投入することができず、エッチ
ング時間が非常に長くなってしまう結果となった。冷却
機構を設けて水を用いて冷却した場合、放電電力が大き
いにも関わらず反応容器壁面の温度上昇はほとんどな
く、装置を痛めずに大電力を投入でき、エッチング時間
を大幅に短縮できることが分かった。連続してエッチン
グが継続され、処理時間を短縮できることはコスト削減
につながり重要である。また低電力領域で問題となって
いた放電のムラは大電力投入時にはそれほど大きくな
く、またエッチャントガスのラジカルの寿命が比較的長
い為放電ムラが生じてもエッチングのムラはあまり生じ
ないことが分かった。更に反応容器壁面を低温にするこ
とによってエッチング速度が早くなっていることが分か
った。プラズマからの加熱によって高温になってしまう
と、壁面に付着している堆積物が硬化してしまうためエ
ッチングされにくくなるためと考えられる。本発明は以
上の知見に基づき、成膜中の壁面からの脱ガスなどを防
ぎ、且つ放電に影響を与えないために反応容器壁面の気
体による冷却を行おうとするものである。好ましくは、
成膜前の加熱行程中の液体による冷却を行ってもよい。
又好ましくは成膜中における間欠的な液体による冷却を
行ってもよい。更に好ましくは反応容器壁面をドライエ
ッチングによりクリーニングする際、液体による冷却を
行ってもよい。
【0012】以下、図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の方法を行うための装置の一例を模式
的に示したものであり、電子写真用感光体のような円筒
状の基体の堆積膜の作成に好適なものである。図1にお
いて堆積膜を形成するための堆積室は反応容器の絶縁体
部分101と第2の電極を兼ねる反応容器の金属部分1
06によって成り立っており、メインバルブ104によ
って不図示の排気装置に接続されている。109は原料
ガスを堆積室に導入するための原料ガス導入口であり、
不図示のガス供給系から原料ガスを堆積室内に導入す
る。102はアースに接続された被成膜基体を兼ねる第
1の電極であり、被成膜基体の上下には補助基体107
及び108が設けてある。103は基体を所定の温度に
加熱するための加熱用ヒーターである。又、被成膜基体
は、必要に応じて不図示の回転機構により回転され、周
方向の膜厚の更なる均一化を図っても良い。112は5
0MHz〜450MHzの高周波を発生する高周波電源
であり、高周波出力は111の整合回路を介して第2の
電極106に印加されるように配線されている。
【0013】本発明の第1の電極は被成膜基体としての
役割があり、使用目的に応じた材質や形状などを有する
ものであれば良い。例えば形状に関しては、電子写真用
感光体に供する場合には円筒状が望ましいが、必要に応
じて、平板状や、その他の形状であっても良い。材質に
おいては銅、アルミニューム、金、銀、白金、鉛、ニッ
ケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ス
テンレス、およびこれらの材料の中の2種以上の複合材
料、更にはポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ガラ
ス、セラミックス、紙などの絶縁材料に導電性材料を被
覆したものなどが使用できる。第2の電極を兼ねる反応
容器の金属部分の材質としては銅、アルミニューム、
金、銀、白金、鉛、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、
モリブデン、チタン、ステンレス、およびこれらの材料
の中の2種以上の複合材料などが好適に用いられる。
又、形状は円筒形状が好ましいが、必要に応じて楕円
形、多角形形状を用いても良い。また、冷却に関しては
いかなる方法を用いても良いが、冷媒を流す機構を設
け、反応容器内壁を効率よく冷却できる構造が望まし
い。構造として中空の構造、ハニカム構造、パイプを埋
め込んだ構造等、冷媒ができるだけ内壁に近いところを
通り、且つ強度的に十分であれば良い。冷媒液体として
は水をはじめ、いかなるものでも使用可能である。使用
される反応容器の絶縁体部分は減圧下で強度を維持でき
れば何でも使用することができる。材質としてはアルミ
ナセラミックス、テフロン、石英ガラス、ホウケイ酸ガ
ラス、或は酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
珪素の元素酸化物の中の単数または複数の元素酸化物を
主成分とするもの等の絶縁性材料であれば特に規定はな
く、形状は円筒状のものが好ましいが特に限定はない。
また、冷却に関してはいかなる方法を用いても良いが、
冷媒を流す機構を設け、反応容器内壁を効率よく冷却で
きる構造が望ましい。構造として中空の構造、ハニカム
構造、絶縁性のパイプを埋め込んだ構造等、冷媒ができ
るだけ内壁に近いところを通り、且つ強度的に十分であ
れば良い。冷媒気体としてはいかなるものでも使用可能
であるが、空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなど一
般に用いられる不活性気体が好適である。液体の冷媒と
しては一般に冷媒として用いられているものであればい
かなるものでも使用可能であるが、水など、気体と直ち
に置換できるような粘度の高くないものが望ましい。
【0014】使用される高周波電源は、発振周波数が5
0MHzから450MHzであれば何でも使用すること
ができる。又、出力は10Wから5000W以上まで、
装置に適した電力を発生することができればいかなる出
力のものでも好適に使用できる。更に、高周波電源の出
力変動率はいかなる値であっても本発明の効果を得るこ
とができる。使用される整合回路は高周波電源と負荷の
整合を取ることができるものであればいかなる構成のも
のでも好適に使用できる。又、整合を取る方法として
は、自動的に調整されるものが製造時の煩雑さを避ける
ために好適であるが、手動で調整されるものであっても
本発明の効果に全く影響はない。又、整合回路が配置さ
れる位置に関しては整合が取れる範囲においてどこに設
置してもなんら問題はないが、整合回路から第2の電極
間の配線のインダクタンスをできるだけ小さくするよう
な配置とした方が広い負荷条件で整合を取ることが可能
になるため望ましい。
【0015】本発明の堆積膜の形成方法、ドライエッチ
ングの一例は次の手順のように行われる。まず、例えば
表面を旋盤を用いて鏡面加工を施した被成膜基体(第1
電極を兼ねる)102に補助基体107、108を取り
つけ、堆積室内の加熱用ヒーター103に被成膜基体1
02及び補助基体107、108を挿入する。次に、原
料ガス導入バルブ110を閉とし、メインバルブ104
を開として排気口105を介して堆積室内を一旦排気し
た後、原料ガス導入バルブ110を開として加熱用の不
活性ガス、一例としてアルゴンを原料ガス導入口109
より堆積室内に導入し、堆積室内が所望の圧力になるよ
うに加熱用ガスの流量を調整する。その後、不図示の温
度コントローラーを作動させて基体102を加熱用ヒー
ター103により加熱し、基体102が所望の温度にな
るまで加熱する。このとき反応容器の絶縁体部分101
には水などの液体の冷媒を流して冷却しても良い。基体
102が所望の温度に加熱されたところで原料ガス導入
バルブ110を閉じ、堆積室内へのガス流入を止める。
同時に反応容器絶縁体部分の液体による冷却をやめ、容
器に流していた液体を抜き気体に置換し冷却を開始す
る。堆積膜の形成は原料ガス導入バルブ110を開とし
て原料ガス導入口109から所定の原料ガス、例えばシ
ランガス、ジシランガス、メタンガス、エタンガスなど
の材料ガスを、またジボランガス、ホスフィンガスなど
のドーピングガスを堆積室内に導入し、数10mTor
rから数Torrの圧力に維持するよう排気速度を調整
する。圧力が安定した後、高周波電源112の電源を入
れて周波数50MHz〜450MHzの電力を供給し、
グロー放電を生起させる。このとき整合回路111を調
整し、反射波が最小となるように調整する。高周波の入
射電力から反射電力を差し引いた値を所望の値に調整す
る。反応容器101には空気あるいは窒素、希ガスなど
を流して冷却する。所望の膜厚を形成したところでグロ
ー放電を止め、又、原料ガス導入バルブ110を閉じ
て、原料ガスの堆積室101への流入を止めて堆積室内
を一旦高真空に引き上げた後に層の形成を終える。種々
の機能を有する堆積膜を積層する場合には、上記のよう
な操作が繰り返し行われる。また、成膜によって反応容
器壁面に堆積した膜は通常四フッ化炭素、三フッ化塩
素、三フッ化窒素、六フッ化硫黄などのガス或はそれら
の混合ガス、或いはそれらガス又は混合ガスと酸素との
混合ガスなどを導入して放電を起こすことによるドライ
エッチングによって除去する必要がある。ドライエッチ
ング時には装置構成上許容し得る範囲でできるだけ大き
い電力を投入し短時間で処理するのが望ましい。成膜さ
れた基体は取りだす前に十分冷却する。被成膜基体を取
りだした後、反応容器冷却機構に水などの液体を流し、
ダミーの基体を取りつけて一旦排気した後、エッチング
ガスを導入バルブ110から導入し、数10mTorr
から数Torrの圧力に維持するよう排気速度を調整す
る。圧力が安定した後、高周波電源112の電源を入れ
て周波数50MHz〜450MHzの電力を供給し、グ
ロー放電を生起させる。反応容器の内壁に付着した堆積
膜が十分除去された後、放電を止め、ガス導入バルブ1
10を閉じて堆積室内を一旦高真空に引き上げた後、エ
ッチング行程は終了する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳しく説
明する。 [実施例1]図1に示した堆積膜形成装置において発振
周波数105MHzの高周波電源を設置し、図3に記載
の下部阻止層302、光導電層303、表面保護層30
4をアルミニューム製の円筒状基体301上に順次形成
する行程により電子写真用感光体を作成した。成膜前の
加熱行程においては反応容器絶縁体部分の冷却機構に水
を流して冷却し、加熱終了後直ちに空気と置換した。成
膜中は反応容器絶縁体部分の冷却機構に空気を流すこと
によって冷却した。図1中の第2の電極には常に水を流
して冷却している。本実施例においては基体を回転させ
て成膜し、軸方向の膜厚分布を測定した。成膜条件とし
て、表1に示された製造条件に従って成膜を行った。
【0017】
【表1】 (比較例1)図1に示した堆積膜形成装置において発振
周波数105MHzの高周波電源を設置し、図3に記載
の下部阻止層302、光導電層303、表面保護層30
4をアルミニューム製の円筒状基体301上に順次形成
する行程により電子写真用感光体を作成した。但し、本
比較例においては基体を回転させて成膜し、軸方向の膜
厚分布を測定した。反応容器絶縁体部分、第2の電極の
冷却機構には常時水を流して水冷した。成膜条件とし
て、実施例1と同様に表1に示された製造条件に従って
成膜を行った。
【0018】(比較例2)図1に示した堆積膜形成装置
において発振周波数105MHzの高周波電源を設置
し、図3に記載の下部阻止層302、光導電層303、
表面保護層304をアルミニューム製の円筒状基体30
1上に順次形成する行程により電子写真用感光体を作成
した。成膜前の加熱行程及び成膜中は反応容器絶縁体部
分の冷却機構に空気を満たし、冷却は行わなかった。図
1中の第2の電極には常に水を流して冷却している。本
比較例においては基体を回転させて成膜し、軸方向の膜
厚分布を測定した。
【0019】
【実施例2】図1に示した堆積膜形成装置において発振
周波数105MHzの高周波電源を設置し、図3に記載
の下部阻止層302、光導電層303、表面保護層30
4をアルミニューム製の円筒状基体301上に順次形成
する行程により電子写真用感光体を作成した。成膜前の
加熱行程においては反応容器絶縁体部分の冷却機構に水
を流して冷却し、加熱終了後直ちに空気と置換した。成
膜中は反応容器絶縁体部分の冷却機構に空気を流すこと
によって冷却し、更に短時間水を流して冷却し、直ちに
空気と置換して空冷に戻すことを間欠的に行った。図1
中の第2の電極には常に水を流して冷却している。本実
施例においては基体を回転させて成膜し、軸方向の膜厚
分布を測定した。成膜条件として、表1に示された製造
条件に従って成膜を行った。実施例1、比較例1〜3で
作成した電子写真用光受容部材は次の方法で評価した。 (1)膜厚分布評価 各々の感光体について軸方向32ケ所の膜厚を渦電流式
膜厚計(Kett科学研究所製)により測定し、最大の
膜厚と最小の膜厚の差を平均の膜厚で割ることにより膜
厚分布の比を計算した。そして、比較例2の冷却を行わ
ない成膜方法による感光ドラムの膜厚分布比を1とする
相対値で評価を行った。つまり、数値が小さくなるほど
膜厚ムラは改善されていることを示す。 (2)電子写真特性 各々の感光体について電子写真装置(キヤノン社製NP
6060を実験用に改造したもの)にセットして、初期
の帯電能、残留電位等の電子写真特性を次のように評価
した。 帯電能………電子写真用光受容部材を実験装置に設置
し、帯電器に+6kVの高電圧を印加しコロナ帯電を行
ない、表面電位計により電子写真用光受容部材の暗部表
面電位を測定する。測定された値を膜厚で割ることによ
りノーマライズし、膜厚の影響を除いた。又、膜厚の厚
い位置/薄い位置それぞれについて評価を行った。 残留電位……電子写真用光受容部材を、一定の暗部表面
電位に帯電させる。そして直ちに一定光量の比較的強い
光を照射する。光像はハロゲンランプ光源を用い、フィ
ルターを用いて600nm以上の波長域の光を除いた光
を照射した。この時表面電位計により電子写真用光受容
部材の明部表面電位を測定する。それぞれについて、 ◎ 非常に良好 〇 良好 △ 実用上問題無し × 実用上問題有り を用いて評価した。以上の結果を表2にまとめて示す。
【0020】
【表2】 本発明の感光ドラムでは膜厚のムラが少なく、かつ、帯
電能、残留電位等の特性も良好なレベルに揃っている。
一方、本発明の装置で常時水冷したもの(比較例1)で
は膜厚ムラが悪化している。これは従来の装置では水が
金属にシールドされて放電に影響しなかったのに対し、
本発明の装置では水が放電に影響を与えていることを表
している。本発明の装置で冷却しないもの(比較例2)
は特性があまり良好ではない。これは壁面からのコンタ
ミネーションの影響によるものと考えられる。本発明の
装置で間欠的に水による冷却を組み合わせたもの(実施
例2)は実施例1と比較して更に残留電位が改善する等
特性向上が見られた。これは間欠的水冷によって反応容
器壁面の温度が更に下がり、コンタミネーションの影響
が更に減ったことが原因であると考えられる。一方、膜
厚分布の方は短時間の水冷であっても若干放電に影響が
出てしまうために実施例1に比べて劣化したが実用上問
題になるレベルではない。以上の実施例より、本発明に
従えば膜厚を均一にし、かつ、良好な膜質の堆積膜を形
成することができることが判明した。更に得られた感光
体をキヤノン製複写機NP−6650に設置し画像を出
したところ、ハーフトーン画像にムラはなく、均一な画
像が得られた。更に文字原稿を複写したところ、黒濃度
が高く鮮明な画像が得られた。また写真原稿の複写にお
いても原稿に忠実で鮮明な画像を得ることができた。
【0021】
【実施例3】図1に示した堆積膜形成装置において図4
に記載の電荷輸送層402、電荷発生層403、表面保
護層404をアルミニューム製の円筒状基体401上に
順次形成する行程により電子写真用感光体を作成した。
成膜前の加熱行程においては冷却機構に水を流して冷却
し、加熱終了後直ちに空気と置換した。成膜中は絶縁性
反応容器の冷却機構に空気を、第2の電極の冷却機構に
水を流すことによって冷却した。本実施例では、高周波
電源の周波数を50MHz、300MHz、450MH
zとし、成膜条件として、表3に示された製造条件に従
って計3本の成膜を行った。各々の感光体の評価は実施
例1と同様に行ったところ、いずれの感光体も実施例1
と同様の良好な結果が得られた。このことから、高周波
の周波数は50MHz〜450MHzであればいずれも
本発明の効果があることが判明した。更に得られた感光
体をキヤノン製複写機NP−6650に設置し画像を出
したところ、ハーフトーン画像にムラはなく、均一な画
像が得られた。更に文字原稿を複写したところ、黒濃度
が高く鮮明な画像が得られた。また写真原稿の複写にお
いても原稿に忠実で鮮明な画像を得ることができた。
【0022】
【表3】
【0023】
【実施例4】図1に示した堆積膜形成装置において表4
に示す条件でドライエッチングを行った。エッチングす
る前の条件として実施例1の電子写真用感光体を作成
し、成膜された基体を取りだした後ダミーの基体を入れ
てエッチングを開始し、反応容器壁面に付着した堆積膜
がすべてエッチングされるまでの時間を測定した。反応
容器の冷却機構には常時水を流して水冷した。
【0024】(比較例4)図1に示した堆積膜形成装置
において表4に示す条件でドライエッチングを行った。
エッチングする前の条件として実施例1の電子写真用感
光体を作成し、成膜された基体を取りだした後ダミーの
基体を入れてエッチングを開始し、反応容器壁面に付着
した堆積膜がすべてエッチングされるまでの時間を測定
した。反応容器の冷却構構には空気を満たしておいた。
【0025】
【表4】 (比較例5)図1に示した堆積膜形成装置において表4
に示す条件でドライエッチングを行った。エッチングす
る前の条件として実施例1の電子写真用感光体を作成
し、成膜された基体を取りだした後ダミーの基体を入れ
てエッチングを開始し、反応容器壁面に付着した堆積膜
がすべてエッチングされるまでの時間を測定した。反応
容器の冷却機構には常時空気を流して空冷した。実施例
4、比較例4、5のエッチング時間の結果を表6に実施
例4を1とした相対植で示す。投入電力の条件は、冷却
しない場合の破損を避ける為の条件に統一した。同じ電
力を投入したにもかかわらず実施例4、比較例4、5で
エッチングに要する時間に差が出た。冷却しない場合、
反応容器の絶縁体部分が高温になってしまい、壁面に付
いている堆積物が硬化してエッチングされにくくなって
しまったためと考えられる。また成膜時に比べ比較的電
力が大きいので空冷では十分な冷却効果が得られず、壁
面の温度上昇の為、堆積物の硬化が起きていると思われ
る。一方、水冷を行った場合は水冷によって反応容器壁
面の温度上昇が抑えられた為、壁面に付いている堆積物
の硬化も起きずエッチングが短時間で完了した。このこ
とからエッチング時には水冷する方が圧倒的に有利であ
ることが分かった。
【0026】
【実施例5】図1に示した堆積膜形成装置において表5
に示す条件でドライエッチングを行った。エッチングす
る前の条件として実施例1の電子写真用感光体を作成
し、成膜された基体を取りだした後ダミーの基体を入れ
てエッチングを行った。反応容器の冷却機構には常時水
を流して水冷した。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】 (比較例6)図1に示した堆積膜形成装置において表5
に示す条件でドライエッチングを行った。エッチングす
る前の条件として実施例1の電子写真用感光体を作成
し、成膜された基体を取りだした後ダミーの基体を入れ
てエッチングを行った。反応容器の冷却機構には空気を
満たしておいた。実施例5は、実施例4に比べ大電力で
あるため、実施例4の約半分の時間でエッチング処理が
終了した。また大電力投入によって反応容器の温度が上
昇することが懸念されたが、水冷することによってほぼ
完全に抑えられ、温度上昇は見られなかった。比較例6
は大電力の投入によって反応容器壁面の温度が上昇し、
外壁の温度が200℃を越えたため、装置の破損の恐れ
が出てきた。そこでエッチングが完了する前に処理を中
断した。このことから、大電力を投入して短時間でエッ
チング処理を完了する為には液体による効率の良い冷却
が必要であることが分かった。
【0029】
【発用の効果】本発明は、以上のように真空気密可能な
反応容器の放電空間内に原料ガスを導入し、13.56
MHzより高い、特に50MHz〜450MHzの高周
波電力の印加により前記原料ガスを分解して前記放電空
間内の被成膜基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD
法による堆積膜形成方法において、前記反応容器を電極
を兼ねる金属部分と絶縁性材料部分とで構成し、前記反
応容器の絶縁性材料部分の壁面を冷媒を用いて冷却して
堆積膜を形成するようにすることによって、放電に影響
を及ぼすことなく反応容器壁面を冷却でき、堆積膜の膜
特性を改善して特性の優れた堆積膜を形成することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成装置の一例を示す模式図で
ある。
【図2】本発明外の従来の堆積膜形成装置の一例を示す
模式図である。
【図3】本発明の堆積膜形成装置によって作製された電
子写真感光体の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の堆積膜形成装置によって作製された電
子写真感光体の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
101・・・反応容器の絶縁体部分 102、202・・・非成膜基体を兼ねる第1の電極 103、203・・・加熱用ヒーター 104、204・・・メインバルブ 105、205・・・排気口 106、206・・・堆積室内壁を兼ねる第2の電極 107、108、207、208・・・補助基体 109、209・・・原料ガス導入口 110、210・・・原料ガス導入バルブ 111、211・・・整合器 112、212・・・高周波電源 301・・・アルミニューム製の円筒基体 302・・・下部阻止層 303・・・光導電層 304・・・表面保護層 401・・・アルミニューム製の円筒基体 402・・・電荷輸送層 403・・・電荷発生層 404・・・表面保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空気密可能な反応容器の放電空間内に
    原料ガスを導入し、13.56MHzより高い周波数の
    高周波電力の印加により前記原料ガスを分解して前記放
    電空間内の被成膜基体上に堆積膜を形成するプラズマC
    VD法による堆積膜形成方法において、前記反応容器を
    電極を兼ねる金属部分と絶縁性材料部分とで構成し、前
    記反応容器の絶縁性材料部分の壁面を冷媒を用いて冷却
    して堆積膜を形成することを特徴とする堆積膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力は、50MHz〜450
    MHzであることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性材料部分の壁面の冷却が、高
    周波電力の印加により前記原料ガスを分解して前記被成
    膜基体上に堆積膜を形成する工程において、気体の冷媒
    により行われることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の堆積膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性材料部分の壁面の冷却は、高
    周波電力の印加により前記原料ガスを分解して前記被成
    膜基体上に堆積膜を形成する工程において、液体の冷媒
    により間欠的に行われることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性材料部分の壁面の冷却は、あ
    らかじめ前記被成膜基体を加熱するために成膜前に行わ
    れる加熱行程において、液体の冷媒により行われること
    を特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁性材料部分の壁面の冷却は、反
    応容器内壁に付着した堆積物をクリーニングする過程で
    のドライエッチング工程において、液体の冷媒により行
    われることを特徴とする請求項1又は2に記載の堆積膜
    形成方法。
  7. 【請求項7】 真空気密可能な反応容器の放電空間内に
    原料ガスを導入し、13.56MHzより高い高周波電
    力の印加により前記放電空間内の被成膜基体上に堆積膜
    を形成するプラズマCVD法による堆積膜形成装置にお
    いて、前記反応容器が電極を兼ねる金属部分と絶縁性材
    料部分からなり、該反応容器が反応容器の絶縁性材料部
    分の壁面を冷却する冷却機構を備えていることを特徴と
    する堆積膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記冷却機構は、前記電極を兼ねる金属
    部分と絶縁性材料部分からなる反応容器の壁部を中空の
    二重構造としその中に冷媒を流すように構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の堆積膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記反応容器の絶縁材料は、テフロン、
    石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのうち、少なくとも1つ
    以上のものが用いられることを特徴とする請求項7又は
    請求項8に記載の堆積膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記反応容器の絶縁材料は、酸化アル
    ミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素の元素酸化物の
    中の単数または複数の元素酸化物を主成分とするものが
    用いられることを特徴とする請求項7又は請求項8に記
    載の堆積膜形成装置。
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