JPH0940948A - 高分子型酸化防止剤およびその製造法 - Google Patents
高分子型酸化防止剤およびその製造法Info
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- JPH0940948A JPH0940948A JP19081895A JP19081895A JPH0940948A JP H0940948 A JPH0940948 A JP H0940948A JP 19081895 A JP19081895 A JP 19081895A JP 19081895 A JP19081895 A JP 19081895A JP H0940948 A JPH0940948 A JP H0940948A
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Abstract
し、揮発性が低く、耐熱性に優れ、とくに高温で成形さ
れる熱可塑性樹脂の酸化防止剤として好適な高分子量酸
化防止剤を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネートの製造に際して、オル
ト位に第三級アルキル基を有する二価フェノールを末端
停止剤として使用した、下記一般式(1)で表される構
造単位を有し、末端基が一般式(A)で表されるヒンダ
ートフェノールである極限粘度 [η] が0.30〜2.
0 dl/g である高分子量酸化防止剤である。 【化1】 【化2】
Description
フェノール型酸化防止剤およびその製造法に関する。
従来のヒンダードフェノール系酸化防止剤に比して、揮
散性が低く、耐熱性に優れおり、特に高温で成形される
熱可塑性樹脂の酸化防止剤として好適である。また、比
較的高温環境にさらされる熱可塑性樹脂成形品におい
て、表面へのブリードアウトや揮散が少なく、外観悪化
や汚れ等のケアが少なくて済み、また、熱可塑性樹脂成
形品表面へのブリードアウトや揮散が少なく、人体への
影響も少なくより安全な酸化防止剤を提供することがで
きる。
ることから、PET、PBT等のポリエステル、ポリフ
ェニレンオキシド、エポキシ樹脂、他のポリカーボネー
ト樹脂とのコポリマー用原料としても利用できる。
劣化や着色等を防止する目的で、1次酸化防止剤(ラジ
カル防止剤)としてヒンダードフェノール系酸化防止剤
が一般に使用されている。しかしながら、従来の酸化防
止剤は、低分子であるため成形加工時に揮散し易く、ま
た成形品の長期使用時における表面へのブリードアウト
(表面べたつき)などが発生することがある。特に、成
形温度が250℃を越えるポリカーボネートの様な耐熱
性樹脂の成形時には、揮散が著しく、押出成形ではベン
ト部への付着や成形品の気泡発生の原因になる場合があ
り、改善が要求されていた。
(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン
を主鎖にもつポリカーボネートが知られている(H.Schn
ell:"Chemistry and Physics of Polycarbonate",p67,
John Wiley & Sons.Inc.,1964)が、このポリマーは酸
化防止に不可欠のフェノール性水酸基がほとんど残って
おらず、酸化防止効果はなかった。。
分子量調節剤として様々な一価フェノールを用いて、種
々の末端変性ポリカーボネートを製造する方法が知られ
ていた。(例えば、特開昭61−141726、特開昭
63−3023など)しかしながら、ポリカーボネート
分子末端に容易にヒンダードフェノールを組み込む方法
はこれまで知られていない。
防止剤にみられる上記したような問題点を解消し、従来
のヒンダードフェノール系酸化防止剤に比して、揮散性
が低く、耐熱性に優れ、特に高温で成形される熱可塑性
樹脂の酸化防止剤として好適な高分子量酸化防止剤を提
供するにある。
分子量酸化防止剤にみられる上記したような課題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート製造時
に、末端停止剤として特殊な構造のヒンダードフェノー
ル系二価フェノールを用いることにより、ポリカーボネ
ート分子末端にヒンダードフェノールを有し、耐熱性と
低揮散性に優れた高分子型酸化防止剤が容易に製造でき
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
表される構造単位を有し、その末端基に一般式(A)で
表されるヒンダードフェノールを有する極限粘度0.03〜
2.0dl/g の高分子型酸化防止剤およびその製造法を提供
するものである。
原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜
12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素
数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル
基であり、これらの基の炭素は、炭素数1〜5のアルキ
ル基もしくはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、ハロゲン、またはジメチルポリシロキシ基の少なく
とも1種で置換されていてもよい。R7 、R8 は水素、
ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル
基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜17のア
ラルキル基であり、これらの基の炭素は、炭素数1〜5
のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数1〜5のア
ルコキシ基、ハロゲン原子の少なくとも一種で置換され
ていてもよい。R9 は第3級アルキル基を表す。nは1
以上の整数を示す。Xは下記に示す基である。
ゲン原子、各々置換基を有してもよい炭素数1〜10の
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又は炭素数6
〜12アリール基を表すか、R10〜R11が一緒に結合し
て、炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの
基の炭素は、炭素数1〜5のアルキル基またはアルケニ
ル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子で置
換されていてもよい。a 、b は0〜1000の整数を表
す。Yは下記に示す基である。
されるポリカーボネート構造を主骨格とする高分子型酸
化防止剤は、末端停止剤として、一般式(B)で示され
る特殊なヒンダードフェノール系二価フェノール類を使
用すること以外は従来のポリカーボネートの製法と同様
の製法により製造することができる。
は、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在
下、二価フェノール系化合物とホスゲンとを反応させた
後、末端停止剤もしくは分子量調節剤および第三級アミ
ン、第四級アンモニウム塩などの重合触媒を添加し重合
する方法により製造される。二価フェノール系化合物と
ホスゲンとの反応時に末端停止剤もしくは分子量調節剤
を添加する方法も用いることができるが、本発明の一般
式(B)で表されるヒンダードフェノール系二価フェノ
ール類を末端停止剤もしくは分子量調節剤として用いる
場合は、一部がポリカーボネート構造の主鎖に組み込ま
れる可能性があり末端停止剤としての機能が劣る場合が
ある。したがって、本発明の高分子型酸化防止剤を製造
するには、二価フェノール系化合物とホスゲンとを反応
させたのち、一般式(B)で表されるヒンダードフェノ
ール系二価フェノール類を反応させその末端にヒンダー
ドフェノールを結合する方法が好ましい。
る二価フェノール系化合物としては、具体的には次の化
合物が挙げられる。ビフェノール、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、 ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノ−ルA;BPA )、 2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、 1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ ;BPZ
)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、 2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェ
ニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニ
ルメタン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、 α, ω- ビス[2−(p-ヒ
ドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェ
ニル)プロパン、 4,4' −[ 1,4−フェニレンビ
ス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、 4,
4' − [1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール等が例示される。
ドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルファイドなどが好適な
ものとして例示される。これらは、2種類以上併用する
ことも可能である。
調節剤として用いるヒンダートフェノール系二価フェノ
ールは、オルト位に第三級アルキル基を有する一般式
(B)で表される二価フェノールである。
物について例示を以下に示す。ビス(2−ヒドロキシ−
3−t−ブチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−フルオロフェ
ニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
ーブチル−6メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−n −ノニルフェニル)メ
タン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−ア
リルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−フェニルフェニル)メタン、ビス(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メ
タン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−エ
チルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−メトキシフェニル)メタン、ビス(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−クロロフェニル)メ
タン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビ
ス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブ
チル5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキ−
3−t−ブチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビ
ス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェ
ニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ
−3−t−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)
エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−sec −ブチルフェニル)プロパン、3,
3’5,5’−テトラ−t−ブチル−(1,1’−ビフ
ェニル)−2,2’−ジオール、2,2’−チオビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−チオビス(4−t−オクチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、等が挙げられる。これらの二価フェノールは2
種類以上組み合わせて用いてもよい。
るものが好適に使用される。ビス(2−ヒドロキシ−3
−t−ブチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ
−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−
ジ−t−ブチルフェニル)エタン、
使用量は、一般式(1)の構造単位を誘導する二価フェ
ノール化合物100モルに対して200〜0.5モル、
好ましくは100モル〜2モルの範囲である。
端停止剤を、ホスゲン法によるポリカーボネート製造時
に用いることにより、その一部が一般式(1)で示され
る構造単位の骨格に組み込まれる可能性があるものの、
大多数はは従来の末端停止剤として使用される一価フェ
ノールと同様ポリカーボネートの分子末端停止剤として
働き、ヒンダードフェノール性水酸基を末端に有するポ
リカーボネートが得られる。しかも、その分子末端基が
すぐれた酸化防止効果を発揮する。この末端停止剤の特
異な挙動は、フェノールのオルト位にターシャリーアル
キル基のような立体障害性の大きい置換基があるためと
考えられ、n−アルキル基のようなものでは、末端停止
剤としてはほとんど作用しない。
製造時のポリカーボネート末端には、末端停止剤以外の
副生成末端基としてフェノール性水酸基、カーバメート
基、クロロホルメート基等が数十〜数百ppm 含まれる。
そのため、事実上100%末端停止剤を反応させること
は困難であるが、副生成末端基は全体末端基に対し通常
は5%以下で、極く少量であり酸化防止効果には殆ど影
響を与えない。
で示される二価フェノールと従来の一官能性分子量調節
剤と併用することも可能である。従来の一官能性分子量
調節剤としては、フェノール、p−t−ブチルフェノー
ル、クミルフェノール、トリブロモフェノール、長鎖ア
ルキルフェノール、アルキルエーテルフェノール、ヒド
ロキシ安息香酸アルキルエステル等のフェノール類や脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂肪族酸クロライ
ド、芳香族酸クロライド等が挙げられる。これら、一官
能性分子量調節剤は本発明における酸化防止剤としての
性能を保持するためには、本発明における末端停止剤を
含めた全分子量調節剤に対し50%未満の使用量である
ことが好ましく、さらには30%未満がより好ましい。
タン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタ
ン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン、四塩化炭
素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル等のエー
テル系化合物を挙げることができ、これらの有機溶媒は
二種以上を混合して使用することもできる。また、所望
により前記以外のエーテル類、ケトン類、エステル類、
ニトリル類などの水と親和性のある溶媒を混合溶媒系が
水と完全に相溶しない限度内で使用してもよい。
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリデシルアミン、N,
N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリ
ン、ジメチルアニリンなどの第三級アミン類;トリメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウム
クロライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられ
る。
合物に対して、0.01〜50モル%、特に0.1〜2
0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートと出
来、分岐化剤としては、フロログルシン、2,6−ジメ
チル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
プテン−3、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、1,3,5−ト
リ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビ
ス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェノール、α,α′,α″−トリ(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンな
どで例示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)オキシインドール(=イ
サチンビスフェノール)などが例示される。
℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当であ
る。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常
0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。
また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持すること
が望ましい。
樹脂に対して任意に添加する事が可能である。熱可塑性
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、AB
S、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリアミド、ポリエステルカーボネー
ト、各種液晶ポリマー等が挙げられる。また、従来のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化
防止剤、ホスファイト系酸化防止剤との併用も可能であ
る。
としての機能を有するには、0.03〜0.2 dl/g の
極限粘度を有する高分子量体が好ましく、2.0dl/g以
下では酸化防止効果は小さく、0.03dl/g以上でない
と低揮散性は十分でない。
鎖がポリカーボネートであり、重合度が有る程度大きい
ものは酸化防止剤自体で通常のポリカーボネートと同様
の成形加工が可能である。酸化防止剤自体を成形加工す
る場合は、強度と成形加工性からの観点から0.3〜
1.0 dl/g の範囲で選ばれることが好ましい。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以
下BPA 、0.4mol)91.2g 及びハイドロサルファイト
0.1 gを加え溶解した。これにメチレンクロライド36
0ml を加え、15℃に保ちながら攪拌しつつ、ホスゲン
53g を50分かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、ビ
ス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェ
ニル)メタン(以下HP1 、0.08mol )27.2g を添加
し、激しく攪拌して、反応液を乳化させ、乳化後0.2
ml のトリエチルアミンを加え、約1時間攪拌し重合さ
せた。重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸
で中和し、洗液のpHを中性になるまで水洗を繰り返した
後、イソプロパノール 470mlを加え、重合物を沈澱させ
た。沈澱物を濾過後、乾燥して粉末状重合体を得た。こ
の重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5 g/
dlの溶液の温度20℃における極限粘度[η]は0.19
dl/g であった。
ルより分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル
基による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合によ
る吸収が認められ、カーボネート結合を有することが確
認された。また、3650〜3200cm-1の位置に水酸基由来の
吸収が認められた。このポリカーボネート中のモノマー
をGPC分析で測定した場合、HP1 は240 ppm、BPA
は20ppm 以下であった。また、このポリカーボネート
のフェノール性水酸基量を比色法にて測定した結果、
8.050 ppmであった。
外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限
粘度[η]は0.55dl/g で、赤外吸収スペクトル分
析等よりこの重合体はカーボネート結合と末端フェノー
ル性水酸基を有する事が確認された。
シ−3−t−ブチル−5−エチルフェニル)メタン(以
下HP2 、0.08mol )29.44 g用いた以外は実施例1
と同様に行った。得られた重合体の極限粘度[η]は
0.20dl/g で、赤外吸収スペクトル分析等よりこの
重合体はポリカーボネート結合と末端フェノール性水酸
基の存在が認められた。
ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)エタン(以
下HP3 、0.08mol )35.04 gに変更した以外は実施
例1と同様に行った。得られた重合体の極限粘度[η]
は0.18dl/g で、赤外吸収スペクトル分析等よりこ
の重合体はポリカーボネート結合と末端フェノール性水
酸基の存在が認められた。
1と同様に行った。得られた重合体の極限粘度[η]は
0.27dl/g で、赤外吸収スペクトル分析等よりこの
重合体はポリカーボネート結合と末端フェノール性水酸
基の存在が認められた。
ル)シクロヘキサン107.2 g(BPZ 、0.4mol)を用
いた以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体の
極限粘度[η]は0.17dl/g で、赤外吸収スペクト
ル分析等よりこの重合体はポリカーボネート結合と末端
フェノ性水酸基の存在が認められた。
メチルフェニル)プロパン102.4 g(DMBPA 、0.4m
ol)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた
重合体の極限粘度[η]は0.18dl/g で、赤外吸収
スペクトル分析等よりこの重合体はポリカーボネート結
合と末端フェノール性水酸基の存在が認められた。
6.12g(0.02mol)ホスゲン吹き込み前に添加した
以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極
限粘度[η]は0.69dl/g で、赤外吸収スペクトル
分析等よりこの重合体はカーボネート結合と末端フェノ
ール性水酸基を有する事が確認された。
しかし、重合時に超高分子量体となり、溶媒不溶のゲル
が発生した。溶媒に対して不溶であり、分析はできなか
った。
チルフェニル)メタンを20.48 g(HP4 、0.08mol
)用いた以外は、実施例1と同様に行った。しかし比
較例1と同様のゲル化が起こり、分析は不可であった。
ーブチルフェノール12g (PTBP、0.08mol )を用いた
以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極
限粘度[η]は0.15dl/g で、赤外吸収スペクトル
分析等よりこの重合体はポリカーボネート結合は認めら
れたが、末端フェノール性水酸基は101ppm しか存在
が認められなかった。
ーボネート樹脂の組成および分析値を表1および表2に
示す。
サン DMBPA : 2,2 - ビス(4- ヒドロキシ - 3 -メチルフェニ
ル )プロパン HP1 : ビス(2 -ヒドロキシ -3-t - ブチル - 5 -メチル
フェニル )メタン HP2 : ビス(2 -ヒドロキシ -3-t - ブチル - 5 -エチル
フェニル )メタン HP3 : 1,1-ビス(2 -ヒドロキシ -3,5 - ジ -t - ブチル
フェニル )エタン HP4 : ビス(2 -ヒドロキシ -3,5 - ジメチルフェニル )
メタン
m -1 付近のカルボニルによる吸収、1240 cm -1 付近
のエーテル結合による吸収を確認した。
り、モノマー成分を分離定量を行った。
脂溶液を20℃で、極限粘度〔η〕(dl/g) を求めた。
めたフェノール製水酸基量(ppm) 。
量)÷(末端停止剤が全て一価フェノールとして作用し
たと仮定した場合の理論末端水酸基量)
として用いられた市販のヒンダードフェノール型酸化防
止剤であるビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェニル)メタン(吉富製薬(株) 製、ヨシノ
ックス 2246G、以下 Y2246 と記す)とビス(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−エチルフェニル)メタン
(吉富製薬 (株) 製、ヨシノックス 425、以下 Y425 と
記す)との窒素雰囲気下での1〜50%加熱減量の変化
時の温度を測定した。結果を、表3に示す。
ロンE-2000)粉末100重量部に、実施例1の重合体、
実施例3の重合体、Y2246 、Y425をそれぞれ0.2重量
部添加ブレンドを行い、ベント付き20mm押出機にて樹
脂温度250 ℃と300 ℃で押出を行った。押出したペレッ
トを、射出成形機にて樹脂温度310 ℃で直径50mm、厚
さ3 mm の成形品を成形し、YI値(黄色指数)を測定
した。結果を表3に示す。
重量測定を行った。(昇温20℃/min)
g)の付着物の有無を目視確認。
(黄色指数)を色差計にて測定。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤に比して、揮散性が
低く、耐熱性に優れており、特に高温で成形される熱可
塑性樹脂の酸化防止剤として好適である。また、比較的
高温環境にさらされる熱可塑性樹脂成形品において、表
面へのブリードアウトや揮散が少なく、外観悪化や汚れ
等のケアが少なくて済むなどの利点がある。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位を
有し、その末端基に一般式(A)で表されるヒンダード
フェノールを有する極限粘度0.03〜2.0dl/g の高分子型
酸化防止剤。 【化1】 (式中、(A)は下記で表される。 【化2】 (式中、R1 〜R6 は水素、またはハロゲン原子、また
は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5の
アルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、
これらの基の炭素は、炭素数1〜5のアルキル基もしく
はアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲ
ン、またはジメチルポリシロキシ基の少なくとも1種で
置換されていてもよい。R7 、R8 は水素、ハロゲン原
子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜1
2のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜17のアラルキル基
であり、これらの基の炭素は、炭素数1〜5のアルキル
基もしくはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、ハロゲン原子の少なくとも一種で置換されていても
よい。R9 は第3級アルキル基を表す。nは1以上の整
数を示す。Xは下記に示す基である。 【化3】 ここにR10〜R11はそれぞれ、水素、ハロゲン原子、各
々置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリー
ル基を表すか、R10〜R11が一緒に結合して、炭素環ま
たは複素環を形成する基を表し、これらの基の炭素は、
炭素数1〜5のアルキル基またはアルケニル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていて
もよい。a 、b は0〜1000の整数を表す。Yは下記
に示す基である。) 【化4】 ここで、R12〜R13はそれぞれ水素、ハロゲン原子、ま
たは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基又は炭素数6〜12アリール基を表すか、R12
〜R13が一緒に結合して、炭素環または複素環を形成す
る基を表し、これらの基の炭素は、炭素数1〜5のアル
キル基またはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。c は0〜1
0の整数を表す。) - 【請求項2】一般式(1)で表される構造単位の末端基
(A)が、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t −ブ
チルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3
−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2
−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−エチルフェニル)
メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチ
ル−5−メチルフェニル)エタン1,1−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)エタンよ
り誘導された請求項1記載の高分子型酸化防止剤。 - 【請求項3】一般式(1)で表される構造単位が2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイドよ
り誘導された請求項1記載の高分子型酸化防止剤。 - 【請求項4】二価フェノールとホスゲンとを反応させて
ポリカーボネートの製法において、末端停止剤として、
下記一般式(B)で表されるオルト位に第三級アルキル
基を有する二価フェノールを使用することを特徴とする
前記一般式(1)で表される高分子型酸化防止剤の製
法。 【化5】 (式中、YおよびR7 〜R9 は式(A)と同様の基を表
す) - 【請求項5】ホスゲン法によるポリカーボネートの製法
において、一般式(B)で示される末端停止剤をホスゲ
ン化終了後に添加し、末端停止剤と一般式(1)の前駆
体とを乳化状態下において、触媒を加え重合反応を行う
ことを特徴とする前記一般式(1)で表される高分子型
酸化防止剤の製法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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