JPH09255770A - ポリカーボネート共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート共重合体およびその製造方法

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JPH09255770A
JPH09255770A JP7005296A JP7005296A JPH09255770A JP H09255770 A JPH09255770 A JP H09255770A JP 7005296 A JP7005296 A JP 7005296A JP 7005296 A JP7005296 A JP 7005296A JP H09255770 A JPH09255770 A JP H09255770A
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JP
Japan
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carbon atoms
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represented
mol
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Application number
JP7005296A
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English (en)
Inventor
Keisuke Shinohara
啓介 篠原
Masanori Abe
正典 阿部
Wataru Funakoshi
渉 船越
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光弾性係数が小さく、色相、熱安定性に優れ
たポリカーボネートを提供する。 【解決手段】 20〜90モル%の下記式(I)で表さ
れる繰り返し単位、5〜75モル%の下記一般式(II)
で表わされる繰り返し単位、および5〜75モル%の下
記式(III )で表わされる繰り返し単位からなる特定粘
度の共重合ポリカーボネート。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネートの
改質に関し、詳しくは従来に比べて光学特性にすぐれた
改質ポリカーボネートおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)とホスゲンある
いは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合物と
反応させて製造される従来のポリカーボネート樹脂は、
射出成形により成形品を得た場合応力光学歪みが大き
く、そのため複屈折が大きくなるという問題がある。
【0003】この問題を解決する手段として、ビスフェ
ノールAと他のモノマーとの共重合が多数報告されてい
る。例えば特開昭63―83129号公報あるいは特開
昭63―189431号公報にビスフェノールAと核置
換ビスフェノール類との共重合が提案されている。しか
しながらこの場合、応力光学歪みの大きさに関係する光
弾性係数の値について従来の半分程度に低減しようとす
ると、核置換ビスフェノール類が全ビスフェノール量の
80%以上必要であり、少量共重合しただけでは効果が
小さい。
【0004】また従来のポリカーボネート樹脂の吸水率
は0.3〜0.4%であるが、吸水時に成型品にそりが
生じるといわれており、例えば光ディスクの成形の場合
には大きな問題がある。このため従来よりも吸水率の低
い樹脂が望まれている。
【0005】一方、ポリカーボネート樹脂をエステル交
換法により得ようとした場合、反応物は長時間の熱履歴
を受け色調の良いものが得られにくい傾向がある。得ら
れた樹脂を成形加工するために高温で再溶融すると、滞
留ヤケや重合度の低下などが生じるという問題も起こ
り、これらを解決するため重合触媒や中和剤などを工夫
する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のビス
フェノール類を使用することにより、少量の核置換ビス
フェノール類を共重合するだけで樹脂の光弾性係数が大
きく低減すると同時に、吸水率が低く、従来のポリカー
ボネート樹脂の優れた特性を維持した改質ポリカーボネ
ートを提供することを目的としたものである。このよう
な樹脂は例えば光ディスク基板用樹脂をはじめとした光
学用材料などに適するものである。また色相や熱安定性
に優れた改質ポリカーボネートの製造方法の開発を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ビスフェノー
ルAと核置換ビスフェノール類を共重合する際に、ある
特定のビスフェノール類を併せて共重合することによ
り、少量の核置換ビスフェノール類を使用するだけで得
られるポリマーの光弾性係数が大きく低減することを見
いだした。
【0008】ビスフェノールAと核置換ビスフェノール
類だけの組み合わせでは、前述の如く、光弾性係数を改
善するために多くの核置換ビスフェノール類が必要であ
り、そのため耐熱性が低下する場合がある。またビスフ
ェノールAと環状テルペン骨格構造を有するビスフェノ
ール類だけの組み合わせでは、光弾性係数の改善には不
十分である。
【0009】すなわち、本発明は、20〜90モル%の
下記式(I)で表される繰り返し単位、5〜75モル%
の下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位および5
〜75モル%の下記式(III )で表わされる繰り返し単
位からなり、
【0010】
【化5】
【0011】[式(II)中のR1 、R2 、R3 、R4
それぞれ独立に、水素原子、炭素数1から20のアルキ
ル基、炭素数1から20のアルコキシル基、炭素数6か
ら20のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリー
ル基、炭素数7から20のアラルキル基、炭素数6から
20のシクロアルコキシル基、炭素数6から20のアリ
ールオキシ基および炭素数7から20のアラルキルオキ
シ基からなる群より選ばれる。ただし、R1 、R2 、R
3 、R4 がすべて水素原子である場合は除かれる。また
式中Xは、
【0012】
【化6】
【0013】ここで、R13、R14はそれぞれ独立に、水
素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1から6の
アルコキシル基、炭素数6から20のシクロアルキル
基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20
のアラルキル基、炭素数6から20のシクロアルコキシ
ル基、炭素数6から20のアリールオキシ基および炭素
数7から20のアラルキルオキシ基からなる群より選ば
れる。またR15、R16はそれぞれ独立に、水素原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラル
キル基からなる群より選ばれるが、シクロ環を構成して
いる炭素原子ごとに異なっていてもよい。nは3〜11
の整数を表す。
【0014】式中のR5 、R6 は水素原子、炭素数1か
ら6のアルキル基、炭素数5から10のシクロアルキル
基、炭素数6から20のアリール基および炭素数7から
20のアラルキル基からなる群より選ばれる。R7 、R
8 、R9 、R10、R11、R12は、水素原子、炭素数1か
ら6のアルキル基および炭素数6から20のアリール基
からなる群より選ばれる。式(III )中のaおよびb
は、a+b=4を満たす0〜4の整数である。式(III
)のYは、単結合あるいは下記式(A)で表されるア
ルキレン基である。
【0015】
【化7】
【0016】ただしR17およびR18はそれぞれ独立に、
水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表す。]
塩化メチレンを溶媒として0.5g/dl濃度の溶液の
20℃における還元粘度(ηsp/c)が0.2dl/g
以上である共重合ポリカーボネートである。
【0017】また本発明は、20〜90モル%の下記式
(IV)で表される化合物、5〜75モル%の下記一般式
(V)で表される2価フェノールおよび5〜75モル%
の下記式(VI)で表される環状テルペン骨格構造を有す
る2価フェノール類を、
【0018】
【化8】
【0019】[ただし、式(IV)〜(VI)中の各記号
は、式(I)〜(III )と同じものを表す。]重合触媒
存在下、炭酸エステル形成性化合物と反応させて重合を
行い、重合終了後、末端封止剤および安定剤を添加する
ことを特徴とする、塩化メチレンを溶媒として0.5g
/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度(ηsp
c)が0.2dl/g以上である共重合ポリカーボネー
トの製造方法である。
【0020】式(II)および(V)のR1 、R2
3 、R4 においてアルキル基としては、メチル基、ノ
ルマルまたはイソプロピル基、tert―ブチル基、t
ert―アミル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル
基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が
挙げられるが、tert―ブチル基やtert―アミル
基などの3級アルキル基が光学特性を改良する効果が大
きい点で好ましい。
【0021】アルコキシル基としてはメトキシ基、エト
キシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙
げられるがペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が光学
特性を改良する効果が大きい点で好ましい。シクロアル
キル基としては置換されてもよいシクロヘキシル基やシ
クロオクチル基などが挙げられるが、光学特性を改良す
る効果が大きくモノマーとしての反応性が高い点からシ
クロヘキシル基が好ましい。シクロアルコキシル基とし
てはシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0022】アリール基としてはフェニル基をはじめ、
メチルフェニル基、エチルフェニル基、tert―ブチ
ルフェニル基などの置換されてもよいフェニル基やトリ
ル基などが挙げられるが、このうち光学特性を改良する
効果が大きくモノマーとしての反応性が高い点からフェ
ニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基や
クミル基などが挙げられるが、光学特性を改良する効果
が非常に大きい点でクミル基が好ましい。アリールオキ
シ基としてはフェノキシ基やナフチルオキシ基などが挙
げられる。アラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ
基などが挙げられる。
【0023】以上のうち、光学特性を改良する効果やモ
ノマーとしての反応性などから、tert―ブチル基や
クミル基などは特に好ましいものとして挙げることがで
きる。
【0024】式(II)および(V)のXにおけるR13
14は、水素原子以外には、アルキル基としてメチル
基、エチル基、イソおよびノルマルプロピル基、イソお
よびtert―ブチル基、ヘキシル基などが挙げられ
る。これらのうちエチル基やイソプロピル基、イソおよ
びtert―ブチル基などの嵩高い置換基が光学特性を
改良する効果が大きくまた耐熱性を有する点で好まし
い。
【0025】アルコキシル基としてはメトキシ基、エト
キシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。シクロア
ルキル基としてはシクロペンチル基やシクロヘキシル基
などが挙げられる。アリール基としては置換されてもよ
いフェニル基やナフチル基などが挙げられる。アラルキ
ル基としてはベンジル基などが挙げられる。シクロアル
コキシル基としてはシクロヘキシルオキシ基やシクロオ
キチルオキシ基などがあげられる。アリールオキシ基と
してはフェノキシ基やナフチルオキシ基などが挙げられ
る。アラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ基など
が挙げられる。
【0026】以上のうちイソプロビル基やイソおよびt
ert―ブチル基などの嵩高いアルキル基やフェニル基
などが光学特性を改良する効果が大きくまた耐熱性があ
る点でより好ましい。またコストの面からはメチル基が
好ましい。
【0027】式(II)および(V)のXにおけるR15
16は、水素原子以外には、アルキル基としてメチル
基、エチル基、イソプロピル基などが挙げられる。
【0028】シクロアルキル基としてシクロペンチル基
やシクロヘキシル基などが挙げられる。アリール基とし
てはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。アラル
キル基としてはベンジル基などが挙げられる。またこれ
らの置換基はシクロ環を構成している炭素原子ごとに異
なっていても良い。
【0029】式(V)で表される化合物の具体例とし
て、下記の化合物が例示される。
【0030】
【化9】
【0031】式(III )および(VI)のR5 、R6 は、
それぞれ独立に水素原子、炭素数1から6のアルキル
基、炭素数5から10のシクロアルキル基、炭素数6か
ら20のアリール基および炭素数7から20のアラルキ
ル基からなる群より選ばれる。
【0032】アルキル基としては、メチル基、ノルマル
またはイソプロピル基、tert―ブルチ基等が挙げら
れる。シクロアルキル基としては、置換されていてもよ
いシクロヘキシル基やシクロオクチル基などが挙げられ
る。アリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基
等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基やク
ミル基が挙げられる。
【0033】R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12は、
それぞれ独立に水素原子、炭素数1から6のアルキル基
および炭素数6から20のアリール基からなる群より選
ばれる。
【0034】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、ノルマルまたはイソプロピル基、tert―ブチル
基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、メ
チルフェニル基等が挙げられる。
【0035】式(A)中のR17、R18は、水素原子また
は炭素数1から6のアルキル基を表す。アルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、ノルマルまたはイソプロピ
ル基、tert―ブチル基等が挙げられる。
【0036】式(III )で表される繰返し単位は、式
(VI)で表される化合物に由来するが、式(VI)で表さ
れる化合物は、環状テルペン類とフェノール類とを反応
させて得られる化合物である。環状テルペン類としては
リモネン、テルピネン、メンタジエンなどが挙げられ
る。フェノール類としてはフェノール、クレゾール、キ
シレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノールなど
が挙げられる。
【0037】本発明に使用する式(VI)で表される環状
テルペン骨格構造を有するビスフェノール類としては、
下記式の化合物が例示できる。
【0038】
【化10】
【0039】この中でも下記式で表されるものが、併用
する核置換ビスフェノール類の使用量が少量で光学特性
を改良することができ、また、吸水率が低くなるという
点で好ましい。
【0040】
【化11】
【0041】式(VI)で表わされる環状テルペン骨格構
造を有するビスフェノール類には複数の構造異性体が存
在するが、使用する場合には単一構造を有するものを使
用しても良いし、これらの異性体の混合物を使用しても
良い。
【0042】本発明の共重合体において式(II)および
(III )で表される繰り返し単位それぞれについて2種
類以上を含んでいても良い。
【0043】また式(I)、(II)および(III )で表
される繰り返し単位の割合は、光学的性質の向上のため
には(II)および(III )で表される繰り返し単位それ
ぞれの合計量が最低でも5モル%は必要である。またコ
ストの点から式(I)で表される繰り返し単位が20モ
ル%以上であることが好ましい。
【0044】光学性質や吸水率および耐熱性などのバラ
ンスを考慮すると、より好ましくは式(I)で表される
繰り返し単位が30〜70モル%、式(II)で表される
繰り返し単位の合計量が10〜50モル%および式(II
I )で表される繰り返し単位の合計量が20〜60モル
%の範囲であり、さらに好ましくは式(I)で表される
繰り返し単位が40〜70モル%、式(II)で表される
繰り返し単位の合計量が20〜50モル%および式(II
I )で表される繰り返し単位の合計量が10〜40モル
%の範囲である。式(I)、(II)および(III )で表
わされる繰り返し単位の合計は100モル%であること
は言うまでもない。
【0045】本発明の共重合は、塩化メチレンを溶媒と
して0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘
度(ηsp/c)が0.2dl/g以上である。通常0.
2〜1.0dl/gの範囲のものが好ましい。
【0046】本発明のポリカーボネート共重合体は、ビ
スフェノールA(IV)および前式(V)および(VI)の
2価フェノール類と、炭酸エステル形成性化合物とを反
応せしめることにより製造することができる。
【0047】本発明において使用する炭酸エステル形成
性化合物の種類は、製造すべき重合体の用途に応じて適
宜選定すればよいが、一般にはジフェニルカーボネー
ト、ジ―p―トリルカーボネート、フェニル―p―トリ
ルカーボネート、ジ―p―クロロフェニルカーボネート
あるいはジナフチルカーボネートなどのジアリルカーボ
ネート、さらにはホスゲン、ブロムホスゲンなどの炭酸
のハロゲン化物などが用いられ、そのうちジフェニルカ
ーボネートあるいはホスゲンが好ましい。
【0048】このうちジフェニルカーボネートを用いた
エステル交換法はコスト面やプロセスが簡略であるなど
の面から好ましい製造法である。エステル交換法は前述
のように色相や熱安定性に問題があるが、適当な重合触
媒や末端封止剤および中和剤を組み合わせて使用するこ
とにより解決することができる。
【0049】すなわち、ポリマーの色相や重合速度のバ
ランスから、重合触媒としては含窒素塩基性化合物とア
ルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物とを組み合わせたものが好ましい。
【0050】含窒素塩基性化合物としては例えば、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアン
モニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベ
ンジルアミン、トリフェニルアミンなどが挙げられる。
【0051】アルカリ金属化合物としては例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノ
ールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息
香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム
などが挙げられる。
【0052】アルカリ土類金属化合物としては例えば、
水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸
水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロ
ンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バ
リウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが
挙げられる。
【0053】本発明におけるこれらの重合触媒の使用量
は、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物
は、全芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10
-7〜1×10-4当量、好ましくは1×10-6〜5×10
-5当量の範囲で選ばれる。また含窒素塩基性化合物を従
成分として使用する場合は全芳香族ジヒドロキシ化合物
1モルに対し1×10-5〜1×10-3当量、好ましくは
1×10-5〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0054】末端封止剤としてはフェノール類やジアリ
ルカーボネート類などが挙げられる。このうちジアリル
カーボネート類が好ましく、さらには活性化されたジア
リルカーボネート類がより好ましい。
【0055】フェノール類を用いた場合は、末端封止に
かなり時間を要し、またポリマーの分子量の低下を起こ
すことがある。ジフェニルカーボネートやジナフチルカ
ーボネートなどの無置換ジアリルカーボネート類を用い
た場合、反応系の水酸基末端濃度の低下に伴って反応速
度が小さくなり十分な効果が得られない。
【0056】ここでいう活性化されたジアリルカーボネ
ート類とは、芳香環に電子吸引性基が結合し、このため
にカルボニル結合部の求電子性が増したジアリルカーボ
ネート類を意味する。
【0057】電子吸引性基は1つないしは2つ以上あっ
ても良い。2つ以上の場合は、それぞれが異なる種類の
ものであってもかまわない。また電子吸引性基は一方の
アリル基のみについても良いし、両方についていても良
い。
【0058】電子吸引性基としてはハロゲン原子、ハロ
アルキル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シア
ノ基、置換されても良いフェニルなどが挙げられる。
【0059】そのなかでも置換基がカーボネート結合に
対してオルト位に位置しているものが反応性が高く好ま
しい。その例として下記式のような化合物が例示でき
る。
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】本発明においては、さらに重合終了後に中
和剤を用いることが好ましい。
【0066】中和剤を添加する方法としては、例えば、
反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間
にこれらを添加してもよいし、一旦ポリカーボネートを
ペレタイズした後、再溶融して添加しても良い。前者に
おいては、重合後に得られる溶融状態にある反応機内ま
たは押し出し機内の反応生成物であるポリカーボネート
が溶融状態にある間にこれらを添加してもよいし、また
重合後得られたポリカーボネートが反応機から押出機を
通ってペレタイズされる間に、中和剤を添加して混練す
ることもできる。
【0067】中和剤としては、色相や耐熱性、耐沸水性
の向上に対する効果が大きい点からスルホン酸のホスホ
ニウム塩および/またはスルホン酸のアンモニウム塩を
使用することが好ましい。そのなかでも特に、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩やパラ
トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩などが
好ましい例として挙げられる。
【0068】上記の如き方法によれば、本発明の新規共
重合体が得られるが、これを用いて各種成型品を成形す
る場合に、用途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、離
型剤などの添加剤を加えてもよい。
【0069】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により、さ
らに詳しく説明する。
【0070】[実施例1]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン27重量部(50モル%相当)、
および2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―イソプロピ
ルフェニル)プロパン18重量部(25モル%相当)、
およびテルペンビス―o―クレゾール21重量部(25
モル%相当)を、8重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶
液500重量部に溶解し、この溶液に塩化メチレン55
0重量部および分子量調節剤であるP―tert―ブチ
ルフェノール3.0重量部および触媒であるトリエチル
アミン10重量%濃度水溶液1重量部を加えて激しく攪
拌しながら、ホスゲンガスを30分吹き込んだ。
【0071】得られた反応生成物に、塩化メチレン60
0重量部を加えて、有機層を希釈した後、水を1000
重量部、0.01規定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を
500重量部、0.01規定濃度の希塩酸を500重量
部および水500重量部を各々用いてこの順序で洗浄し
た。次いで有機層をメタノール中に注入して白色沈殿重
合体を得た。得られた重合体は塩化メチレンを溶媒とす
る溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6
2dl/gであった。
【0072】この重合体のガラス転移温度は135℃で
あった。さらに重合体を厚さ100μmのフイルムに成
形し、理研計器製の光弾性係数測定機器(PA―15
0)で測定したところ光弾性係数は50×10-13 cm
2 /dyneであった。またASTM D570に従い
吸水率を測定したところ、0.17%であった。
【0073】[実施例2]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン114重量部(50モル%相
当)、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―tert―
ブチルフェニル)プロパン102重量部(35モル%相
当)、テルペンビス―o―クレゾール70重量部(15
モル%相当)の各ビスフェノール類と、ジフェニルカー
ボネート225重量部およびテトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド9.1×10-3重量部、水酸化ナトリウム
4.0×10-4重量部を、攪拌装置、蒸留器および減圧
装置を備えた反応層に仕込み、窒素置換をした後140
℃で溶融した。30分攪拌後、内温を180℃に上昇し
つつ除々に減圧し100mmHgで30分間反応させ生
成するフェノールを留去した。
【0074】次に200℃に昇温しつつ除々に減圧し、
50mmHgで30分間フェノールを留出せしめ反応さ
せた。さらに220℃/30mmHgまで除々に昇温、
減圧し、同温、同圧で30分、さらに240℃/10m
mHg、260℃/1mmHg、270℃/1mmHg
以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧を繰り返して反
応を続行し、最終的に270℃/1mmHg以下で2時
間反応せしめた。
【0075】その後装置内を窒素置換し、末端封止剤と
してビス(2―クロロフェニル)カーボネート8.8重
量部および中和剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩1.2×10-2重量部を添加
した。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする溶
液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.55d
l/gであった。
【0076】得られた重合体のガラス転移温度は140
℃であり、光弾性係数は48×10-13 cm2 /dyn
eと低い値であった。吸水率は0.16%であった。ま
た成形板を用いて耐乾熱試験(150℃、10日間)を
行ったところ着色がほとんどなく良好な結果を得た。
【0077】[実施例3]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン114重量部(50モル%相当)
および2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―tert―
ブチルフェニル)プロパン102重量部(35モル%相
当)およびテルペンビス―2,6―キシレノール76重
量部(15モル%相当)を用いた以外は、実施例2と同
様の操作を行った。
【0078】得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒と
する溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.
54dl/gであった。
【0079】得られた重合体のガラス転移温度は149
℃であり、光弾性係数は43×10-13 cm2 /dyn
eと低い値であった。吸水率は0.16%であった。
【0080】[比較例1]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン114重量部(50モル%相当)
および2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―tert―
ブチルフェニル)プロパン170重量部(50モル%相
当)を用いた他は、実施例2と同様の操作を行った。得
られたポリマーの還元粘度は0.59dl/gであり、
ガラス転移温度は126℃であった。また光弾性係数は
51×10-13 cm2 /dyneであった。吸水率は
0.20%であった。
【0081】[比較例2]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン114重量部(50モル%相当)
およびテルペンビス―o―クレゾール176重量部(1
5モル%相当)を用いた他は、実施例2と同様の操作を
行った。得られたポリマーの還元粘土は0.55dl/
gであり、ガラス転移温度は181℃であった。また光
弾性係数は66×10-13 cm2 /dyneであった。
吸水率は0.19%であった。
【0082】[比較例3]2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン228重量部(100モル%相
当)を用いた他は、実施例2と同様の操作を行った。得
られたポリマーの還元粘度は0.55dl/gであり、
ガラス転移温度は148℃であった。また光弾性係数は
79×10-13 cm2 /dyneであった。吸水率は
0.29%であった。
【0083】
【発明の効果】本発明のポリカーボネートは、従来のポ
リカーボネート樹脂に比べて、充分な耐熱性ならびに機
械的強度を有しかつ光弾性係数が小さく、色相や熱安定
性にも優れ、光ディスクなどの光学材料基盤を適用しう
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20〜90モル%の下記式(I)で表さ
    れる繰り返し単位、5〜75モル%の下記一般式(II)
    で表わされる繰り返し単位および5〜75モル%の下記
    式(III )で表わされる繰り返し単位からなり、 【化1】 [式(II)中のR1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立
    に、水素原子、炭素数1から20のアルキル基、炭素数
    1から20のアルコキシル基、炭素数6から20のシク
    ロアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数
    7から20のアラルキル基、炭素数6から20のシクロ
    アルコキシル基、炭素数6から20のアリールオキシ基
    および炭素数7から20のアラルキルオキシ基からなる
    群より選ばれる。ただし、R1 、R2 、R3 、R4 がす
    べて水素原子である場合は除かれる。また式(II)中X
    は、 【化2】 ここで、R13、R14はそれぞれ独立に、水素原子、炭素
    数1〜6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシル
    基、炭素数6から20のシクロアルキル基、炭素数6か
    ら20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル
    基、炭素数6から20のシクロアルコキシル基、炭素数
    6から20のアリールオキシ基および炭素数7から20
    のアラルキルオキシ基からなる群より選ばれる。またR
    15、R16はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アリール基およびアラルキル基からな
    る群より選ばれるが、シクロ環を構成している炭素原子
    ごとに異なっていてもよい。nは3〜11の整数を表
    す。式(III )中のR5 、R6 は、それぞれ独立に水素
    原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数5から10
    のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリール基お
    よび炭素数7から20のアラルキル基からなる群より選
    ばれる。R7 、R8、R9 、R10、R11、R12は、それ
    ぞれ独立に水素原子、炭素数1から6のアルキル基およ
    び炭素数6から20のアリール基からなる群より選ばれ
    る。式(III)中のaおよびbは、a+b=4を満たす
    0〜4の整数である。式(III )のYは、単結合あるい
    は下記式(A)で表されるアルキレン基である。 【化3】 ただしR17およびR18はそれぞれ独立に、水素原子また
    は炭素数1から6のアルキル基を表す。]塩化メチレン
    を溶媒として0.5g/dl濃度の溶液の20℃におけ
    る還元粘度(ηsp/c)が0.2dl/g以上である共
    重合ポリカーボネート。
  2. 【請求項2】 20〜90モル%の下記式(IV)で表さ
    れる化合物、5〜75モル%の下記一般式(V)で表さ
    れる2価フェノールおよび5〜75モル%の下記式(V
    I)で表される環状テルペン骨格構造を有する2価フェ
    ノール類を、 【化4】 [ただし、式(IV)〜(VI)中の各記号は、式(I)〜
    (III )と同じものを表す。]重合触媒存在下、炭酸エ
    ステル形成性化合物と反応させて重合を行い、重合終了
    後、末端封止剤および中和剤を添加することを特徴とす
    る、塩化メチレンを溶媒として0.5g/dl濃度の溶
    液の20℃における還元粘度(ηsp/c)が0.2dl
    /g以上である共重合ポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸エステル形成性化合物が、ジアリル
    カーボネートである請求項2に記載の共重合ポリカーボ
    ネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 重合触媒として、含窒素塩基性化合物と
    アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化
    合物とからなる触媒を使用する請求項2に記載の共重合
    ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 末端封止剤が、活性化されたジアリルカ
    ーボネートであることを特徴とする請求項2に記載の共
    重合ポリカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】 中和剤が、スルホン酸ホスホニウム塩お
    よび/またはスルホン酸アンモニウム塩である請求項2
    に記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の共重合ポリカーボネー
    トからなる光学材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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