JPH0940831A - 塩化ビニル系プラスチゾル組成物 - Google Patents

塩化ビニル系プラスチゾル組成物

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JPH0940831A
JPH0940831A JP19001395A JP19001395A JPH0940831A JP H0940831 A JPH0940831 A JP H0940831A JP 19001395 A JP19001395 A JP 19001395A JP 19001395 A JP19001395 A JP 19001395A JP H0940831 A JPH0940831 A JP H0940831A
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JP
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rubber
composition
epoxy resin
vinyl chloride
shower
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JP19001395A
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Mamoru Hiei
守 樋江井
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油面鋼板に対する接着性を確保すると共に、
耐シャワー性を向上し、温水シャワー洗浄時の飛散を防
止する。 【解決手段】 車体鋼板接合部のシーリング用組成物等
として使用される塩化ビニル系樹脂及び可塑剤を主剤す
るプラスチゾル組成物において、部分架橋型または未架
橋型のゴムと、微粒子状架橋ゴムが分散されたゴム分散
型エポキシ樹脂とその硬化剤からなる接着性付与剤とを
配合する。接着性付与剤としてのエポキシ樹脂の配合に
よって、防錆油等が付着した油面鋼板に対する接着性を
確保できると共に、特にゴム分散型のエポキシ樹脂の使
用によって、部分架橋型または未架橋型のゴムの配合と
相俟って耐シャワー性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車車体の鋼板接
合部のシーリング用組成物、接着剤等として使用される
塩化ビニル系プラスチゾル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体は鋼板を溶接や接着剤等で
接合して組立られ、また、その接合部や継目部には、こ
れらの部分を防錆し、水密するためにシーリング用組成
物が塗布し、充填されている。そして、これらの接着剤
やシーリング用組成物としては、防錆性に優れ、また厚
塗りが可能で、鋼板接合部等の隙間を良好に充填するこ
とができる等の理由から、塩化ビニル系のプラスチゾル
組成物が一般に使用されている。
【0003】この塩化ビニル系のプラスチゾル組成物
は、塩化ビニルの単独重合体または酢酸ビニル等との共
重合体からなる塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを主剤と
し、これに炭酸カルシウム等の充填剤、基材表面との接
着性(密着性)を向上し、且つ確保するための接着性付
与剤、及びその他の添加剤等を適宜配合して一般に形成
される。
【0004】ところで、例えば、ドアやボンネット等の
車体パネルはアウタパネルとインナパネルとをヘミング
構造に組立てて形成され、上記のシーリング用組成物
は、それらのパネルの継目部分に沿って帯状に塗布され
る。そして、このようなシーリング用組成物の塗布は、
車体を電着塗装した後に行う場合と、組立後の車体パネ
ルに直接行う場合とがある。これらは主に作業性を考慮
して選択されるが、ドアやボンネット等では後者の場合
が多い。そして、後者の場合には、シーリング用組成物
が直接塗布された車体パネルは、アルカリ溶液への浸漬
処理と温水シャワー洗浄とを数回繰返して行う防錆油の
脱脂処理工程と、化成処理と温水シャワー洗浄からなる
工程等を経て、電着塗装される。そのため、塗布された
シーリング用組成物はそのままの状態で何度も温水シャ
ワー洗浄を受けることになり、その際、衝突する温水シ
ャワーの飛沫によって組成物が飛び散ることがある。そ
して、このようなシーリング用組成物の飛散は、車体を
汚すだけでなく、処理液を汚染する。
【0005】そこで、近年では、この温水シャワー洗浄
時のシーリング用組成物の飛散を防止するために、塗布
後の組成物を予備硬化することが検討され、その予備硬
化に近赤外線加熱装置等を用いたプレキュア工法が採用
されつつある。そして、このように塗布後の組成物が予
備硬化されることによって、温水シャワー洗浄時の組成
物の飛散が防止される。しかし、このシーリング用組成
物の予備硬化には、工程上十分な加熱温度と時間とをか
けることができないため、組成物を十分硬化し、その飛
散を防止することにも自ずと限界がある。また、このプ
レキュア工法自体は、工数とコストの増加を伴なうもの
でもある。
【0006】他方、このようなシーリング用等の塩化ビ
ニル系プラスチゾル組成物において、それ自体の耐シャ
ワー性を向上するために、部分架橋型または未架橋型の
ゴムを配合することが知られている。例えば、特開平2
−84477号公報には、ヘミング部の接着に使用する
マスチック接着剤に関するが、部分架橋型及び未架橋型
の合成ゴムを比較的多く配合した塩化ビニル系プラスチ
ゾル組成物が開示されている(ただし、ここでの技術的
特徴は、プレキュア時の炭化、発泡を防止するために、
酸化チタン顔料を配合することにある)。また、特開平
3−68673号公報には、エポキシ樹脂を主剤とする
接着剤組成物に関するが、同様に合成ゴムを含む耐シャ
ワー性等を向上した組成物が開示されている。
【0007】なお、シーリング用組成物或いは接着剤等
として使用される塩化ビニル系プラスチゾル組成物にお
いて、接着性付与剤としては、ポリアミド系、ブロック
イソシアネート系等の種々のものが使用されている。し
かし、このプラスチゾル組成物が、防錆油等が付着した
ままの組立後の車体パネルに直接施される場合には、接
着性付与剤としては、そのような油面鋼板に対して優れ
た接着性(密着性)を有するエポキシ樹脂が、ジシアン
ジアミド等のそれの硬化剤と共に一般に使用されてい
る。例えば、上記の特開平2−84477号公報に開示
のマスチック接着剤においても、その実施例では、エポ
キシ樹脂とその硬化剤が接着性付与剤(密着付与剤)と
して使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、組立後
の鋼板接合部に直接施されるシーリング用組成物等とし
ては、エポキシ樹脂とその硬化剤を接着性付与剤として
配合した塩化ビニル系プラスチゾル組成物が一般に用い
られている。そして、このような組成物の耐シャワー性
を向上し、温水シャワー洗浄時の飛散を防止するため
に、部分架橋型または未架橋型のゴム、即ち、可塑剤に
溶解可能なゴムを配合することが知られている。これに
よれば、組成物の粘性が高められ、また弾性も増加する
ため、温水シャワーの飛沫に対する組成物の抵抗性が高
められ、その飛散が防止される。
【0009】しかしながら、このように塩化ビニル系プ
ラスチゾル組成物にゴムを配合することによって耐シャ
ワー性は向上されるものの、この耐シャワー性を十分に
高めるためには、比較的多量のゴムの配合が必要であっ
た。即ち、ゴムの配合量が比較的少ないと、特に、この
プラスチゾル組成物が例えば2mm程度に厚塗りされた
場合や、温水シャワーがこの組成物の塗布膜に対して直
角方向から吹付けられるような場合には、組成物の飛散
が生じる傾向があった。しかし、ゴムの配合量を多くす
ることは、塩化ビニル系樹脂の防錆性等の特性をその分
だけ相対的に低下させることになる。また、ゴムの多量
の配合のためには可塑剤も増量する必要があるが、それ
によって硬化後の塗膜の接着性が低下する。そのため、
特に、組立後の鋼板接合部に直接施される塩化ビニル系
プラスチゾル組成物においては、その耐シャワー性のな
お一層の向上が要望されていた。
【0010】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
てなされたもので、防錆油等が付着した油面鋼板に対す
る接着性を確保することができると共に、耐シャワー性
を向上し、温水シャワー洗浄時の飛散を防止することが
できる塩化ビニル系プラスチゾル組成物の提供を課題と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、耐シャワー
性を向上するための部分架橋型または未架橋型のゴム
と、油面鋼板に対する接着性を確保するためのエポキシ
樹脂とその硬化剤とが配合された上記の塩化ビニル系プ
ラスチゾル組成物について、再度その詳細な検討を行っ
た。その結果、そのエポキシ樹脂としては常温で液状の
汎用のエポキシ樹脂が一般に使用されているが、この汎
用エポキシ樹脂が、組成物の粘度を減少させ、ゴムの配
合による耐シャワー性の向上効果を相殺していることが
判明した。しかし、エポキシ樹脂自体は、塗膜の接着性
を確保するために必要な成分である。そこで、エポキシ
樹脂として各種の変性物等の種々のタイプのものについ
て試験し、検討した結果、微粒子状架橋ゴムが分散され
たエポキシ樹脂であるゴム分散型エポキシ樹脂は、組成
物の耐シャワー性を何等損なわず、そのため、耐シャワ
ー性は比較的少量のゴムの配合によっても有効に向上さ
れ得ることを見出し、また確認した。
【0012】即ち、本発明にかかる塩化ビニル系プラス
チゾル組成物は、塩化ビニル系樹脂及び可塑剤と、部分
架橋型または未架橋型のゴムと、微粒子状架橋ゴムが分
散されたゴム分散型エポキシ樹脂とその硬化剤とからな
る接着性付与剤とを必須成分とするものである。
【0013】このゴム分散型エポキシ樹脂は、微粒子状
の架橋ゴムが分散されているためチキソ性(チキソトロ
ピー性)を有し、そのため、プラスチゾル組成物の粘度
を低下させず、耐シャワー性を損なうことがないと考え
られる。他方、エポキシ樹脂としての特性は他のものと
差異がないため、油面鋼板に対する接着性は、従来と同
様に、良好に確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この塩化ビニル系樹脂プラ
スチゾル組成物について詳細に説明する。
【0015】本発明の塩化ビニル系樹脂プラスチゾル組
成物に必須成分として配合されるゴムは、この組成物の
粘度を高め、温水シャワー洗浄時にその塗布膜に衝突す
る温水飛沫に対して抵抗性を与える。そして、このよう
なゴムとしては、未架橋の天然ゴムも使用できるが、純
度等の点において、好ましくは、可塑剤によって溶解さ
れ得る部分架橋型または未架橋型の合成ゴムが用いられ
る。具体的には、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体ゴム(NBR)、アクリロニトリル−イソプレン共重
合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)等のジエン系の合成ゴムを使用することができる。
これらの中でも、NBRやSBRが、耐熱性等にも優れ
ているため特に好ましい。
【0016】このようなゴムの配合は、組成物の耐シャ
ワー性を向上する上では、多い程好ましい。しかし、硬
化後の塗膜に十分な弾性を与えることが要求される場合
は別にして、余り多い配合は、主剤である塩化ビニル系
樹脂の防錆性等の特性を相対的に低下させ、また塗膜の
接着性を低下させる傾向があるため、好ましくない。そ
のため、ゴムの配合割合は、組成物全体の1〜20重量
%が実用上好ましい。より好ましいのは、2〜10重量
%である。そして、このような比較的少ない配合によっ
ても、ゴム分散型エポキシ樹脂の使用によって、十分に
耐シャワー性を向上し、温水シャワー洗浄時の飛散を防
止することができる。
【0017】また、本発明のプラスチゾル組成物におい
ては、油面鋼板に対する接着性を確保するために、接着
性付与剤としてエポキシ樹脂とその硬化剤が使用され、
そして、そのエポキシ樹脂としてゴム分散型エポキシ樹
脂が使用される。
【0018】このゴム分散型エポキシ樹脂は、微粒子状
の架橋ゴムをエポキシ樹脂中に分散させ、且つ反応させ
て安定化したものである。ここで、その架橋ゴムは上記
と同様な合成ゴムの架橋型のゴムであることができ、ま
た、その微粒子の粒子径は、良好な分散性と適度なチキ
ソ性のために十分に小さいことが好ましく、一般に50
〜10000オングストローム(0.005〜1μm)
が好ましく、例えば、500〜1000オングストロー
ムであることができる。また、微粒子状架橋ゴムの割合
は全体の20〜60重量%程度であることが好ましい。
なお、そのエポキシ樹脂自体は、通常のビスフェノール
A型またはF型等の分子中に2以上のエポキシ基を含む
エポキシ樹脂であることができる。
【0019】そして、このようなゴム分散型エポキシ樹
脂は、例えば、『EPR−20』[旭電化工業(株)
製]として市販されており、硬化後の破壊強度に優れて
いるため、構造用接着剤、或いは電子部品の封止材とし
て使用されている。しかし、このエポキシ樹脂は、塩化
ビニル系プラスチゾル組成物の接着性付与剤として使用
されることによって、その耐シャワー性を損なわない効
果を有している。その一方、このエポキシ樹脂は、油面
鋼板に対する接着性に関しては、汎用型等のエポキシ樹
脂と同じ効果を有している。
【0020】そのため、このゴム分散型エポキシ樹脂の
配合割合は従来と同様であり、組成物全体に対して、一
般に1〜20重量%の割合で配合することができる。配
合割合が少なく、一般に1重量%より少ないと実用上十
分な接着効果が得られず、また逆に、余り多い配合は接
着強度の向上効果が少ないだけでなく、硬化後の塗膜の
可撓性を低下させる傾向がある。好ましくは、その配合
割合は2〜10重量%である。
【0021】このゴム分散型エポキシ樹脂に対して、そ
の硬化剤としては、この種の硬化剤として一般的である
ポリアミン、ポリアミノアミド等の任意のものを使用す
ることができる。しかし、それらの中でも、例えば、ジ
シアンジアミド、グアニジン誘導体、トリアジン誘導
体、ピリミジン誘導体、4,4´−ジアミノジフェニル
スルホン、酸ヒドラジド化合物、イミダゾール系化合
物、等の潜在性硬化剤として一般に用いられているもの
が好ましい。そして、この硬化剤はエポキシ樹脂を硬化
するために十分な量で使用され、一般には、ゴム分散型
エポキシ樹脂100重量部に対して10〜60重量部の
割合で使用することができる。
【0022】なお、本発明にかかる塩化ビニル系プラス
チゾル組成物のその他の成分については、従来と同様で
ある。
【0023】塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重
合体または酢酸ビニル等の他のビニル系モノマとの共重
合体であり、これらはそれぞれ単独で、或いは混合して
用いることができる。また、この塩化ビニル系樹脂とし
てはそのペーストレジンを一般に使用することができる
が、これにブレンド用レジン或いは更にその他のレジン
を併用することもできる。そして、その具体的組成また
は配合は、所望の塗膜性能を得るために適宜に定めるこ
とができるが、ペーストレジンとブレンド用レジンとを
混合して使用する場合、その比率は重量比で3/1〜1
/3が一般に好ましい。なお、この塩化ビニル系樹脂は
任意の量で使用することができるが、それの防錆性等の
特性を十分に発揮させるためには、その配合割合は、組
成物全体に対して一般に8〜35重量%程度が好まし
く、更には10〜30重量%程度がより好ましい。
【0024】可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂のプラ
スチゾルを形成するために一般に使用されている任意の
ものを用いることができる。そのような可塑剤として
は、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸
ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル(DI
NP)等のフタル酸エステル、ジ−2−エチルヘキシル
アジペート(DOA)、トリオクチルトリメリテート
(TOTM)、セバチン酸エステル、アゼライン酸エス
テル等の芳香族及び脂肪族のジまたはトリカルボン酸エ
ステル、或いはポリエステル、リン酸トリフェニル、リ
ン酸トリクレシル等のリン酸エステル、エポキシ化大豆
油等のエポキシ系可塑剤、等が挙げられる。そしてこれ
らの可塑剤は、所望のプラスチゾルの粘度、硬化性等の
物性に応じて、更にはゴムの溶解性に応じて、適宜選択
し、また適宜な量で使用することができる。なお、可塑
剤は、その一部を有機溶剤等に変えることができる。そ
のような溶剤としては、芳香族系溶剤等、可塑剤と同程
度の高沸点の溶剤が好ましい。
【0025】充填剤としては、通常の充填剤を使用する
ことができ、それによって、プラスチゾル組成物を増量
し、またその流動性を調整すると共に、形成される塗膜
に適度な強度等の物性を与えることができる。そして、
このような充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩
及び硫酸塩、マイカ、シリカ、タルク、珪藻土、カオリ
ン等を挙げることができ、これらは、単独でまたは適宜
組合わせて使用することができる。また、セルロース粉
等の有機質の充填剤も、必要に応じて使用することがで
きる。
【0026】更に、本発明の塩化ビニル系プラスチゾル
組成物には、従来と同様に、タレ止め剤、レベリング
剤、顔料、その他の添加剤を適宜に添加し、配合するこ
とができる。
【0027】タレ止め剤は、他の成分とのバランスを取
りながら組成物の粘度(チキソ性)を調整して、塗布膜
のタレを防止するために使用されるが、耐シャワー性を
向上するためにも有効である。そして、このタレ止め剤
としては、超微粒子炭酸カルシウム、微粒子シリカ等
を、充填剤を兼ねて適宜使用することができる。他方、
レベリング剤は塗布膜のレベリング性を向上するために
使用され、例えば、シリコン樹脂、或いはダイマー酸変
性エポキシ樹脂等を使用することができる。しかし、こ
れの添加は組成物の耐シャワー性を低下させるため、こ
れが使用される場合でも、その添加量は最少限度である
ことが好ましい。また、顔料としては、任意の顔料を使
用することができるが、酸化チタン、カーボンブラック
等の体質顔料を兼ねた着色顔料を特に好ましく用いるこ
とができる。更に、その他の添加物としては、有機スズ
系安定剤、鉛系安定剤、エポキシ系安定剤、金属石ケン
類、無機酸塩類等のプラスチゾル安定剤、有機ベントナ
イト等の増粘剤等が挙げられ、これらも必要に応じて使
用することができる。更に、本発明の組成物ではゴムが
配合されるため、老化防止剤等を添加することもでき
る。
【0028】そして、このような塩化ビニル系プラスチ
ゾル組成物は、例えば、鋼板接合部の継目等のシーリン
グ用組成物として、スプレーガン、吐出ガン等を使用し
て塗布することができる。また、このプラスチゾル組成
物を塗布した後は、そのままの状態でまたは適宜予備硬
化した後、脱脂、温水シャワー洗浄等の処理を施し、次
いで電着下塗塗装、中塗塗装、上塗塗装等を行うことが
でき、これらの塗装の焼付乾燥時にそのプラスチゾル組
成物も焼付硬化される。この場合、塗布されたプラスチ
ゾル組成物が予備硬化されていなくても、その耐シャワ
ー性は十分に向上されているため、温水シャワー洗浄時
の組成物の飛散は十分に防止される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明する。
【0030】〔組成物の調製〕図1に示す配合(重量
部)により、本発明の実施例1乃至実施例5の塩化ビニ
ル系プラスチゾル組成物を調製した。また、比較のため
に、比較例1乃至比較例3の塩化ビニル系プラスチゾル
組成物も合わせて調製した。なお、これらのプラスチゾ
ル組成物は、具体的には、自動車車体のドア等のヘミン
グ加工部のシーリング用組成物として適用されるもので
ある。
【0031】図1のように、これらの実施例及び比較例
の塩化ビニル系プラスチゾル組成物は、いずれも塩化ビ
ニル系樹脂、可塑剤、充填剤としての重質炭酸カルシウ
ム、ゴム、接着性付与剤としてのエポキシ樹脂及びその
硬化剤、及び安定剤からなっている。そして、各実施例
及び比較例において、ゴムの配合量とエポキシ樹脂の種
類及び配合量とが種々に変えられている。
【0032】ここで、塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル
の単独重合体からなるペーストレジン(『ゼオン121 』
日本ゼオン(株)製)50重量部と、塩化ビニルと酢酸
ビニルとの共重合体からなるブレンド用レジン(『ゼオ
ン51』日本ゼオン(株)製)50重量部の混合物からな
る。そして、この塩化ビニル系樹脂100重量部を、各
実施例及び比較例において使用した。
【0033】可塑剤としては、DOP(ジオクチルフタ
レート)を使用した。この可塑剤の配合量は、各実施例
及び比較例において200重量部である。
【0034】充填剤としては、通常の充填剤である粒径
2〜10μmの重質炭酸カルシウム(竹原化学工業
(株)製)を使用し、200重量部の割合で各実施例及
び比較例において配合した。
【0035】また、耐シャワー性を向上するためのゴム
としては、未架橋型のNBR(ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体ゴム)(『DN−214 』日本ゼオン
(株)製)を用い、各実施例及び比較例において割合を
変えて配合した。即ち、実施例1乃至実施例3及び比較
例1乃至比較例3においては、30重量部配合した。こ
の配合量は、組成物全体の約5重量%に相当するもので
ある。また、実施例4及び実施例5では、この配合量を
減らして、それぞれ6重量部、及び10重量部とした。
そして、これらの配合量は、組成物全体の約1重量%、
約2重量%にそれぞれ相当する。
【0036】接着性付与剤であるエポキシ樹脂として
は、4種類のエポキシ樹脂、即ち、微粒子状架橋ゴムが
分散されたゴム分散型エポキシ樹脂(『EPR−20』旭
電化工業(株)製)と、通常の無変性の汎用型エポキシ
樹脂(『EP−4100』旭電化工業(株)製)と、ウレタ
ン変性型エポキシ樹脂(『EPU−73』旭電化工業
(株)製)と、ゴム変性型エポキシ樹脂(『EP−402
4』旭電化工業(株)製)とを用意した。
【0037】そして、各実施例においては、そのゴム分
散型エポキシ樹脂を配合した。具体的には、実施例1で
は比較的少なく6重量部配合し、また実施例2では倍増
して12重量部配合し、更に実施例3及び実施例4,5
では30重量部配合した。なお、これらの各配合量は、
組成物全体の約1重量%、約2重量%、及び約5重量%
に相当している。
【0038】これらの実施例に対し、比較例1では汎用
型エポキシ樹脂を、比較例2ではウレタン変性型エポキ
シ樹脂を、また比較例3ではゴム変性型エポキシ樹脂を
それぞれ使用し、30重量部ずつ配合した。
【0039】なお、エポキシ樹脂の硬化剤としてはジシ
アンジアミド(日本カーバイド工業(株)製)を、ま
た、安定剤としては二塩基性亜硫酸鉛(堺化学工業
(株)製)を使用し、各実施例及び比較例においてそれ
ぞれ10重量部ずつ配合した。
【0040】このように、ゴムの配合量とエポキシ樹脂
の種類と配合量とを変えて、各実施例及び比較例の塩化
ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。即ち、実施例
1乃至実施例3では、ゴムの配合量を一定とし(30重
量部)、ゴム分散型エポキシ樹脂の配合量をそれぞれ6
重量部、12重量部、30重量部に変え、また、実施例
4及び実施例5では、実施例3に対してゴムの配合量を
変え、それぞれ6重量部、10重量部とした。また、比
較例1乃至比較例3は、実施例3に対して、エポキシ樹
脂の種類をそのまま変えたものに相当する。
【0041】なお、これらの各実施例及び比較例のプラ
スチゾル組成物の調製は、具体的には、まずゴムを可塑
剤に十分溶解混合させた後、他の材料を加えてニーダに
よって均一に混合し、次いで60分間真空脱泡撹拌する
ことによって行った。
【0042】〔評価試験〕次いで、このように調製した
実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例3の塩化
ビニル系プラスチゾル組成物について、その耐シャワー
性の評価試験を行った。また、それらの組成物による硬
化後の塗膜の接着性(密着性)についても、合わせて試
験した。なお、それぞれの試験は、具体的に次のように
行った。
【0043】〈耐シャワー性〉冷間圧延された70×1
50×1.0mmのSPCD鋼板(冷延鋼板)に、予め
防錆油(『メタルガード831T』モービル社製)を2
g/m2 の量で塗布して、試験用油面鋼板を用意した。
そして、この油面鋼板に、実施例及び比較例の各塩化ビ
ニル系プラスチゾル組成物を幅20mm、厚さ2mm、
長さ100mmで塗布した。
【0044】次いで、このプラスチゾル組成物を塗布し
た試験板を垂直に吊し、その塗布膜の中心に横方向か
ら、即ち、塗布膜の表面に対して90度の角度から温水
を吹付け、その耐シャワー性を試験した。ここで、温水
の温度は約50℃であり、水圧0.3MPaで、1mの
距離からその温水をシャワー状に吹付けた。なお、この
温水の吹付けには拡散ノズルを使用した。
【0045】そして、この温水の吹付けを1分間行い、
その時のプラスチゾル組成物の飛び散りの有無を調べ
た。その結果を図1に合わせて示す。なお、この耐シャ
ワー性の評価の基準は次のとおりである。 ○:組成物の飛散が全くない。 △:組成物の飛散はないが表面の変形が僅かに見られ
る。 ×:組成物の飛散がある。
【0046】〈接着性〉冷間圧延された25×100×
1.0mmのSPCD鋼板(冷延鋼板)に、同じく、予
め防錆油(『メタルガード831T』モービル社製)を
2g/m2 の量で塗布して、試験用油面鋼板を用意し
た。この試験用油面鋼板に、実施例及び比較例の各塩化
ビニル系プラスチゾル組成物を、その端部から幅25m
mにわたって、厚さ1mm、長さ25mmで塗布した。
次いで、このプラスチゾル組成物の塗布面に、もう一枚
の上記の試験用油面鋼板を重ね合わせて接合し、180
℃で20分の加熱処理によってプラスチゾル組成物を熱
硬化させた。
【0047】そして、このように接着した各試験用油面
鋼板を、引張り試験機(島津製作所製)を用いて破断す
るまで長手方向に引張り、破断面を目視で観察して、プ
ラスチゾル組成物の塗膜の破壊の状態から接着性の評価
を行った。その接着性の評価の基準は次のとおりであ
る。 ○:完全な凝集破壊。 △:界面破壊が僅かにみられる痕跡破壊。 ×:界面破壊。
【0048】この接着性の評価試験の結果についても、
図1に合わせて示す。
【0049】〔試験結果〕図1の評価試験結果のよう
に、接着性付与剤であるエポキシ樹脂として、ゴム分散
型エポキシ樹脂を使用した実施例1乃至実施例5の塩化
ビニル系プラスチゾル組成物は、ゴム(NBR)の配合
量が比較的少ないにもかかわらず、いずれも良好な耐シ
ャワー性を有し、その塗布膜にかなり厳しい条件で温水
が吹付けられても、組成物の飛散が生じていない。ま
た、これらの実施例のプラスチゾル組成物は、防錆油が
付着した油面鋼板に対する接着性も良好である。
【0050】これに対して、エポキシ樹脂として汎用型
エポキシ樹脂を使用した比較例1、ウレタン変性型エポ
キシ樹脂を使用した比較例2、及びゴム変性型エポキシ
樹脂を使用した比較例3では、ゴム(NBR)が30重
量部配合されているにもかかわらず、いずれも耐シャワ
ー性は悪く、温水吹付け時に組成物の飛散が生じてい
る。ただし、硬化後の塗膜の接着性は、いずれも良好で
ある。
【0051】そこで、この試験結果から、塩化ビニル系
プラスチゾル組成物において、ゴム(部分架橋型または
未架橋型のゴム)を配合すると共に、エポキシ樹脂とし
てゴム分散型エポキシ樹脂を配合することによって、油
面鋼板に対する接着性を確保することができる一方、良
好な耐シャワー性を得ることができることが分かる。こ
の理由については、比較例からエポキシ樹脂とその硬化
剤からなる接着性付与剤の配合を省いて別途試験したプ
ラスチゾル組成物が、接着性は悪い(×)が耐シャワー
性は良好(○)であったことから、次のように考えられ
る。即ち、汎用型またはウレタン変性型等のエポキシ樹
脂は耐シャワー性を悪化させ、その結果、ゴムの配合に
よる耐シャワー性の向上効果を相殺する。これに対し
て、ゴム分散型エポキシ樹脂は、微粒子状の架橋ゴムが
分散されているのでチキソ性を有し、耐シャワー性を損
なうことがない。そのため、ゴムの配合による耐シャワ
ー性の向上効果が有効に発現され、結果として、良好な
耐シャワー性を得ることができると考えられる。
【0052】なお、実施例3乃至実施例5からすると、
ゴムの配合が比較的少なく6重量部(全体の約1重量
%)である実施例4では、組成物の飛散は生じないが、
耐シャワー性が若干低い傾向が見られる。そこで、ゴム
の配合量は、より十分な耐シャワー性を得るためには、
実施例3及び実施例5のように、組成物全体の2重量%
以上であることが好ましいことが分かる。また、同様
に、ゴム分散型エポキシ樹脂の配合量についても、これ
が比較的少ない実施例1では、接着性が僅かに低い傾向
が見られる。そのため、このエポキシ樹脂の配合量は、
実施例2及び実施例3のように、組成物全体の2重量%
以上であることが好ましい。
【0053】なお、本発明の塩化ビニル系プラスチゾル
組成物について、自動車車体の鋼板接合部のシーリング
用組成物として適用した実施例を比較例と共に説明した
が、本発明を実施する場合には、この例に限定されるも
のではなく、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、充填剤等の成
分の種類と配合割合は種々に変更することができる。ま
た、シーリング用組成物としてだけでなく、鋼板接合部
の接着剤、或いはアンダーコート用組成物、耐チッピン
グ塗料組成物等としても、好適に適用することができ
る。更に、これらのプラスチゾル組成物は自動車車体だ
けでなく、例えば、鉄道等の自動車以外の車両、或いは
家電機器等にも有利に適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる塩化ビニ
ル系プラスチゾル組成物は、塩化ビニル系樹脂及び可塑
剤と、部分架橋型または未架橋型のゴムと、微粒子状架
橋ゴムが分散されたゴム分散型エポキシ樹脂とその硬化
剤とからなる接着性付与剤とを必須成分とするものであ
る。
【0055】したがって、このプラスチゾル組成物によ
れば、接着性付与剤としてエポキシ樹脂とその硬化剤が
配合されているので、防錆油等の付着した油面鋼板に対
する接着性を確保することができる。また、部分架橋型
または未架橋型のゴムが配合されているので、組成物の
粘度を高めて温水シャワー洗浄時のシャワー飛沫に対す
る抵抗性(耐シャワー性)を向上することができる一
方、エポキシ樹脂としては、特に、チキソ性を有するゴ
ム分散型のエポキシ樹脂が使用されているので、その耐
シャワー性を損なうことがない。そのため、耐シャワー
性を向上し、温水シャワー洗浄時の組成物の飛散を防止
することができる。即ち、本発明にかかる塩化ビニル系
プラスチゾル組成物によれば、防錆油等の付着した油面
鋼板に対する接着性を確保することができると共に、耐
シャワー性を向上し、温水シャワー洗浄時の飛散を防止
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例及び比較例の塩化ビニ
ル系プラスチゾル組成物の配合組成(重量部)と、耐シ
ャワー性及び接着性に関する評価試験の結果とを示す表
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂及び可塑剤と、 部分架橋型または未架橋型のゴムと、 微粒子状架橋ゴムが分散されたゴム分散型エポキシ樹脂
    とその硬化剤とからなる接着性付与剤とを必須成分とす
    ることを特徴とする塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
JP19001395A 1995-07-26 1995-07-26 塩化ビニル系プラスチゾル組成物 Pending JPH0940831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545656A (ja) * 2006-07-31 2009-12-24 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 硬化性エポキシ樹脂系粘着組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009545656A (ja) * 2006-07-31 2009-12-24 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 硬化性エポキシ樹脂系粘着組成物

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