JPH0940413A - 高純度一酸化炭素の製造方法 - Google Patents
高純度一酸化炭素の製造方法Info
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Abstract
方法においてガス精製が不要となり熱エネルギー等で優
位となるのプロセスを提供する。 【解決手段】強塩基性陰イオン交換樹脂の存在下で、ギ
酸メチルを分解させる高純度一酸化炭素の製造法
Description
く分解し高純度の一酸化炭素を製造する方法に関する。
高純度の一酸化炭素はC1化学の主原料として、あるい
はカルボニレーション原料として重要な物質である。
方法としては(I)アルカリ土類金属酸化物からなる固
体触媒を用いて200〜500℃で気相熱分解する方法
(米国特許第3812210号)、(II)活性炭を触媒
として200〜550℃の温度においてギ酸メチルを気
相で熱分解する方法(特開昭52−36609)および
(III)メタノールと共存するギ酸メチルをナトリウムメ
チラートを触媒とし、2500psig(175kg/
cm2 )以下の圧力および35〜200℃の温度で熱分
解する方法(米国特許第3716619号)が知られて
いる。
(I)および(II)の方法は気相で200℃以上の温度
を必要とするため熱エネルギー的に不利であり、またギ
酸メチルの分解時の不純物の生成が避けられず、高純度
の一酸化炭素を得るには適さない。一方(III)の方法は
条件的には温和で優れているが、均一触媒を使用するた
め生成物との分離回収系が必要でありプロセスが煩雑で
ある。
して種々の方法が知られているが、上記の如く高温での
ギ酸メチルの分解反応では不純物が生成しやすく、高純
度の一酸化炭素を得る場合においては、分解反応以降に
ガスの精製、例えば吸着、或いは吸収分離といった工程
を取り付けているのが一般的である。本発明の目的は、
ギ酸メチルの分解反応において温和な条件で選択性良く
高純度の一酸化炭素を得る不均一系触媒を開発し、この
ようなガス精製が不要となり熱エネルギー及び分離回収
等のプロセス面で優位となる一酸化炭素の製造方法を提
供することである。
ルを効率よく分解して高純度の一酸化炭素を製造する際
の上記の如き課題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒
として強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することによ
り、温和な条件下で分解反応を進行させることができ、
高選択性を以て目的物の高純度一酸化炭素を得ることが
でき、且つ触媒の分離回収及び再使用が極めて容易であ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち本
発明は、ギ酸メチルを強塩基性陰イオン交換樹脂の存在
下において分解することを特徴とする一酸化炭素の製造
方法である。以下に、本発明を詳しく説明する。
媒共存下で使用される。溶媒としてはメタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール、2−ブタノール、1−ペンタノール等のアル
コール類が用いられる。本発明で用いられる強塩基性陰
イオン交換樹脂は、架橋構造を持った樹脂を母体とし、
これに陰イオン交換基を導入したものである。樹脂の母
体としては、スチレン−ジビニルベンゼン系の架橋ポリ
スチレンやアクリル酸系のポリアクリレート、或いはエ
ーテル基やカルボニル基を導入した耐熱性芳香族ポリマ
ーなどが用いられる。
換基には、アミノ基、置換アミノ基又は第4アンモニウ
ム基などが知られているが、本発明で用いられる強塩基
性陰イオン交換樹脂には、イオン交換基がトリアルキル
置換窒素原子(−N+R3 )を持つ第4アンモニウム
基、またはジアルキルエタノールアミン陽イオンを持つ
第4アンモニウム基、例えば−N+(CH2 )2 ・(C
2 H4 OH)である陰イオン交換基が好適である。本発
明で用いられる強塩基性陰イオン交換樹脂について、市
販品を例に挙げて示すと、アンバーリストA−26、ダ
ウエックスTG−550A、レバチットM504、ダイ
ヤイオンPA306等がある。
1:0〜10であり、好ましくは1:0〜3である。な
お本発明の方法において、この重量比の範囲は特に制限
されるものではなく、触媒の使用量、反応条件などを勘
案し適宜選択される。本発明の方法において反応温度と
反応時間はギ酸メチルと溶媒の重量比及び触媒の仕込
量、更には目標の反応率によって広い範囲で選び得る
が、一般的な反応条件としては反応温度は0〜150
℃、特に20〜100℃の範囲が好ましい。反応温度が
低過ぎる場合には実用的な反応速度が得られず、また反
応温度が高過ぎる場合には副反応や触媒の失活を招きや
すく不利である。反応時間としては0.1〜20hrの
範囲、特に0.2〜10hrが一般的である。
解温度で示される蒸気圧下で分解を遂行させることもで
きるが、平衡的には低圧ほど有利となる。一般に反応圧
力としては常圧〜30atm、実用的には常圧〜20a
tmの範囲が好ましい。本反応における反応方式は、原
料と触媒である強塩基性陰イオン交換樹脂とが接触する
方法であれば何れの方法でも採用できる。一般的な反応
方法としては、流動床、或いは固定床等が挙げられ、又
回分式、連続式の何れの方式でも実施される。
る。但し本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
酸メチルを10.3g(0.17モル)仕込み、次に予
め1N−NaOH水溶液で処理しOH型とした強塩基性
陰イオン交換樹脂(アンバーリストA−26、ローム・
アンド・ハース製)を2ml加え、40℃で1hr反応
させた。内容物を室温まで冷却後、オートクレーブから
生成ガスを抜き出し、反応液は触媒を濾過により分離
し、ガスクロマトグラムにより分析した。その結果、得
られた生成ガスは100%が一酸化炭素であり、ギ酸メ
チルの分解率は18.9%であった。
予め1N−NaOH水溶液で処理しOH型とした強塩基
性陰イオン交換樹脂(レバチットM504、バイエル
製)を2ml加え、40℃で1hr反応させた。内容物
を室温まで冷却後、オートクレーブより生成ガスを抜き
出し、反応液は触媒を濾過により分離し、ガスクロマト
グラムにより分析した。その結果、得られた生成ガスは
100%が一酸化炭素であり、ギ酸メチルの分解率は2
1.0%であった。
予め1N−NaOH水溶液で処理しOH型とした強塩基
性陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンPA306、三菱化
学製)を2ml加え、40℃で1hr反応させた。内容
物を室温まで冷却後、オートクレーブより生成ガスを抜
き出し、反応液は触媒を濾過により分離し、ガスクロマ
トグラムにより分析した。その結果、得られた生成ガス
は100%が一酸化炭素であり、ギ酸メチルの分解率は
21.8%であった。
酸メチルを10.3g(0.17モル)仕込み、弱塩基
性陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA30、三菱化学
製)を2ml加え、40℃で1hr反応させた。内容物
を室温まで冷却後、オートクレーブより生成ガスを抜き
出し、反応液は触媒を濾過により分離し、ガスクロマト
グラムにより分析した。その結果、得られた生成ガスは
100%が一酸化炭素であり、ギ酸メチルの分解率は
0.3%であった。
ン交換樹脂を触媒に使用することにより、温和な条件で
ギ酸メチルを分解し、高純度の一酸化炭素を製造するこ
とができ、また反応液と触媒の分離回収も容易に行うこ
とができる。従って本発明の方法はギ酸メチルの分解反
応において熱エネルギー的に有利なプロセスとなると共
に、ガス精製が不要となり、簡易な操作で高純度の一酸
化炭素を得ることができることから、本発明の工業的な
意義は極めて大きい。
Claims (3)
- 【請求項1】 ギ酸メチルを強塩基性陰イオン交換樹脂
の存在下において分解することを特徴とする一酸化炭素
の製造方法 - 【請求項2】 強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン交換
基がトリアルキル置換窒素原子を持つ第4アンモニウム
基またはジアルキルエタノールアミン陽イオンを持つ第
4アンモニウム基である請求項1記載の一酸化炭素の製
造方法 - 【請求項3】 アルコール溶媒の共存下でギ酸メチルを
分解する請求項1または請求項2記載の一酸化炭素の製
造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19082195A JP3824025B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 高純度一酸化炭素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19082195A JP3824025B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 高純度一酸化炭素の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940413A true JPH0940413A (ja) | 1997-02-10 |
JP3824025B2 JP3824025B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=16264327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19082195A Expired - Lifetime JP3824025B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 高純度一酸化炭素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3824025B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002102711A (ja) * | 2000-09-29 | 2002-04-09 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 強塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法 |
JP2002114509A (ja) * | 2000-09-29 | 2002-04-16 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 一酸化炭素の製造方法 |
JP2002173310A (ja) * | 2000-12-04 | 2002-06-21 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ギ酸メチルの液相接触分解による一酸化炭素製造方法 |
JP2010214373A (ja) * | 2003-02-14 | 2010-09-30 | Wako Pure Chem Ind Ltd | イオン交換樹脂固定化白金触媒 |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP19082195A patent/JP3824025B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4502096B2 (ja) * | 2000-09-29 | 2010-07-14 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 強塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法 |
JP4609613B2 (ja) * | 2000-09-29 | 2011-01-12 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 一酸化炭素の製造方法 |
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JP3824025B2 (ja) | 2006-09-20 |
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