JPH0939016A - 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体

Info

Publication number
JPH0939016A
JPH0939016A JP7193405A JP19340595A JPH0939016A JP H0939016 A JPH0939016 A JP H0939016A JP 7193405 A JP7193405 A JP 7193405A JP 19340595 A JP19340595 A JP 19340595A JP H0939016 A JPH0939016 A JP H0939016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
pellets
foam
foaming
resin pellets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7193405A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiaki Sasayama
道章 笹山
Satoyuki Kobayashi
智行 小林
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP7193405A priority Critical patent/JPH0939016A/ja
Publication of JPH0939016A publication Critical patent/JPH0939016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的に発泡倍率が異なる、すなわち部分的
に強度が異なる熱可塑性樹脂発泡体を連続的に製造し得
る方法を得る。 【解決手段】 発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂
ペレット4を散布し、次に加熱して該ペレット4同士を
融着させて発泡体を得る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
において、ペレット4の散布に際し、少なくとも1つの
帯状の領域5における散布量を残りの領域における散布
量によりも多くするように、あるいは少なくとも1つの
帯状の領域5に相対的に低発泡性の熱可塑性樹脂ペレッ
トを、残りの領域に相対的に高発泡性の熱可塑性樹脂ペ
レットを散布する熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂発泡
体の製造方法及び該製造方法により得られる熱可塑性樹
脂発泡体に関し、特に、発泡倍率が異なる部分が設けら
れた熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は、軽量であり、断
熱性、柔軟性、浮揚性及び成形性などにおいて優れてい
るため、屋上断熱材、車両用天井材もしくは床用断熱材
などの各種断熱材、緩衝材、浮揚材または異形成形物等
において幅広く用いられている。また、上記のような熱
可塑性樹脂発泡体の生産性を高めるには、熱可塑性樹脂
発泡体を連続的に製造することが求められる。すなわ
ち、連続的な長尺状の発泡体を得、該長尺状の発泡体を
切断することにより、多数の熱可塑性樹脂発泡体を効率
よく生産することができる。このような熱可塑性樹脂発
泡体の連続的な製造方法は、例えば、特公昭58−46
209号公報に開示されている。ここでは、熱可塑性樹
脂を押出機に供給し、押出機中において発泡剤と混合し
た後、押出発泡することにより、長尺状の熱可塑性樹脂
発泡体が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱可塑性樹
脂発泡体は、上記のように軽量であり、耐熱性や柔軟性
等に優れている特徴を有するが、用途によっては、部分
的に強度が異なることが要求されることがある。すなわ
ち、強度が必要とされる部分だけ強度が高く、他の部分
においては充分な柔軟性を有するように構成された発泡
体が求められることがある。
【0004】しかしながら、押出機を用いた従来の熱可
塑性樹脂発泡体の連続的な製造方法では、上記のように
部分的に強度が異なる発泡体を連続成形することは非常
に困難であった。
【0005】よって、本発明の目的は、部分的に発泡倍
率が異なる、すなわち部分的に強度が異なる熱可塑性樹
脂発泡体を連続的に製造し得る方法及びそのような熱可
塑性樹脂発泡体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂ペレットを
散布し、次に加熱して該ペレット同士を融着させて発泡
体を得る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、前記
未発泡の熱可塑性樹脂ペレットの散布に際し、少なくと
も1つの帯状の領域における散布量を残りの領域におけ
る散布量と異ならせることを特徴とする熱可塑性樹脂発
泡体の製造方法である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、発泡剤を
含有した未発泡の熱可塑性樹脂ペレットを散布し、次に
加熱してペレット同士を融着させて発泡体を得る熱可塑
性樹脂発泡体の製造方法において、前記未発泡の熱可塑
性樹脂ペレットの散布に際し、少なくとも1つの帯状の
領域に相対的に低発泡性もしくは高発泡性の熱可塑性樹
脂ペレットを、残りの領域に相対的に高発泡性もしくは
低発泡性の熱可塑性樹脂ペレットを散布することを特徴
とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法である。
【0008】また、請求項3の記載の発明は、上記請求
項1,2に記載の発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
により得られる熱可塑性樹脂発泡体であり、一体成形さ
れた熱可塑性樹脂発泡体であって、少なくとも1つの帯
状の領域の発泡倍率が、残りの領域の発泡倍率と異なら
されていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体であ
る。
【0009】すなわち、請求項1〜3に記載の発明は、
上記課題を達成することにおいて、共通するものであ
る。以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】熱可塑性樹脂 請求項1,2に記載の発明にかかる製造方法では、ま
ず、発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂ペレットを
散布する。
【0011】上記熱可塑性樹脂としては、発泡可能な熱
可塑性樹脂であれば、特に限定されない。このような熱
可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ランダ
ムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロック状ポ
リプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエー
テルケトン、及びこれらの共重合体等が挙げられ、これ
らは、単独で用いられても、併用されてもよい。
【0012】上記熱可塑性樹脂の中でも、得られる発泡
体の柔軟性を高め得るので、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ランダム
ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリ
プロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物
が好ましく、柔軟性を高めるためには、高密度ポリエチ
レン、ホモポリプロピレンが特に好ましい。
【0013】上記熱可塑性樹脂は架橋されていてもよ
い。架橋方法としては、特に限定されず、例えば、シ
ラングラフト重合体を熱可塑性樹脂に溶融混練後、水処
理を行い、架橋する方法、熱可塑性樹脂に該過酸化物
を過酸化物の分解温度より低い温度で溶融混練後、過酸
化物の分解温度以上に加熱して架橋する方法、放射線
を照射して架橋する方法が挙げられる。
【0014】また好ましくは上記熱可塑性樹脂を2種以
上混合し、1種の樹脂だけを架橋しておくと、発泡倍率
が高くなるだけでなく、発泡中の樹脂の流動性が高めら
れるので、ペレット発泡成形が容易となる。
【0015】上記のシラングラフト重合体を用いた架
橋方法を説明する。上記シラングラフト重合体として
は、特に限定されず、例えば、シラングラフトポリエチ
レンやシラングラフトポリプロピレン等を例示すること
ができる。なお、上記シラングラフト重合体は、例え
ば、重合体を不飽和シラン化合物でグラフト変性するこ
とにより得ることができる。
【0016】上記不飽和シラン化合物とは、一般式R1
SiR2 m 3-m で表される化合物をいう。但し、mは
0、1、または2である。式中、上記R1 はビニル基、
アリル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアル
ケニル基;グリシジル基;アミノ基;メタクリル基;γ
−クロロエチル基、γ−ブロモエチル基等のハロゲン化
アルキル基等の有機官能基等である。
【0017】式中、R2 は脂肪族飽和炭化水素基または
芳香族炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ
る。式中、Yは加水分解可能な有機基を示し、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキ
シ基、プロピオノキシアリールアミノ基等が挙げられ、
mが0または1のとき、Y同士は同一であっても、異な
っていてもよい。
【0018】架橋反応速度向上のためには、上記不飽和
シラン化合物としては、一般式CH 2 =CHSi(O
A)3 で表されるものが好ましい。式中、Aは炭素数1
〜8が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4の炭化
水素基であり、例えば、好ましい不飽和シラン化合物と
しては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられ
る。
【0019】上記シラングラフト重合体の製造方法とし
ては、一般的な製法が用いられ、特に限定されるもので
はない。例えば、ポリエチレン、R1 SiR2 Y2 (式
中、R1 は、オレフィン性不飽和の1価の炭化水素基ま
たはハイドロカーボンオキシ基であり、各Yは、加水分
解し得る有機基であり、R2 は基R1 か基Yである。)
で表されるシラン化合物及び有機過酸化物を反応させ、
シラン変性ポリエチレンを得る方法が挙げられる。
【0020】シリル基を有する上記シラングラフト重合
体は、例えば、Yがメトキシ基である場合には、これが
水と接触することにより、加水分解して水酸基となり、
異なる分子の水酸基同士が反応し、Si−O−Si結合
を生じて、シラングラフト重合体同士が架橋する。
【0021】シラングラフト重合体を混合する方法は、
均一に混合し得る方法であれば、特に限定されない。例
えば、熱可塑性樹脂及びシラングラフト重合体を1軸ま
たは2軸押出機に供給し溶融混練する方法、ロールを用
いて溶融混練する方法、ニーダーを用いて溶融混練する
方法等が挙げられる。
【0022】前述の水処理方法は、水中に浸漬する方法
のほか、水蒸気にさらす方法も含まれ、かかる場合、1
00℃より高い温度で処理する場合には、加圧下におい
て行えばよい。
【0023】上記水処理の際の水及び水蒸気の温度が低
いと、架橋反応速度が低下し、また、高すぎると低発泡
性組成物で被覆された高発泡性組成物柱状体同士が融着
するので、50〜130℃が好ましく、90〜120℃
が特に好ましい。
【0024】また、水処理する際の時間が短いと、架橋
反応が完全に進行しない場合があるので、水処理時間は
5分以上とすることが好ましい。シラングラフト重合体
の添加量が、多すぎると、架橋がかかりすぎ、得られる
発泡体の発泡倍率が低下し、また、少なすぎると、セル
が破泡し、均一な発泡セルが得られなくなるので、シラ
ングラフト重合体の添加量は、熱可塑性樹脂100重量
部に対して5〜50重量部が好ましく、20〜35重量
部が特に好ましい。
【0025】また、シラングラフト重合体を用いてシラ
ン架橋する場合には、必要に応じてシラン架橋触媒を用
いてもよい。シラン架橋触媒は、シラングラフト重合体
同士の架橋反応を促進するものであれば、特に限定され
ず、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、
オレイン酸錫、オクタン錫鉛、2−エチルヘキサン酸亜
鉛、オクタン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カブリル酸亜
鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0026】上記シラン架橋触媒の添加量が多くなる
と、得られる発泡体の発泡倍率が低下し、また、少なく
なると、架橋反応速度が低下し、水処理に時間を要する
ので、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、シラン
架橋触媒の添加量は、0.001〜10重量部の範囲が
好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
【0027】前述したの上記過酸化物により熱可塑性
樹脂を架橋する方法について述べる。本方法において用
いられる過酸化物は特に限定されず、例えば、ジブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャル
ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
サイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイド、ターシ
ャルブチルクミルパーオキサイドが好ましく、ジクミル
パーオキサイドが特に好ましい。
【0028】過酸化物の添加量が、多すぎると、樹脂分
解反応が進行しやすくなり、得られる発泡体が着色し、
また、少なすぎると、熱可塑性樹脂の架橋が不十分とな
り、高発泡倍率の発泡体が得られないので、熱可塑性樹
脂100重量部に対して、過酸化物の添加量は0.5〜
5重量部が好ましく、1〜3重量部が特に好ましい。
【0029】上記の放射線を照射し、熱可塑性樹脂を
架橋する方法について述べる。放射線の照射量が、多す
ぎると、架橋が掛かりすぎ、得られる発泡体の発泡倍率
が低下し、また、少なすぎると発泡セルが破泡し、均一
な発泡セルが得られないので、放射線照射量は、1〜2
0Mradが好ましく、3〜10Mradが特に好まし
い。
【0030】放射線を照射する方法は、特に限定され
ず、例えば、2台の電子線発生装置を用い、その間に熱
可塑性樹脂を通過させ、熱可塑性樹脂に電子線を照射す
る方法が挙げられる。
【0031】発泡剤 本発明では、発泡剤として熱分解型の発泡剤が用いられ
る。上記熱分解型発泡剤としては、用いられる熱可塑性
樹脂の溶融温度より高い分解温度を有するものであれ
ば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸
アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほ
う水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N
´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P´−
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P´−オキ
シビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン
酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン等が挙げられ、
アゾジカルボンアミドが好ましい。
【0032】発泡倍率 請求項1,2の発明の製造方法で得られる発泡体及び請
求項3の発明にかかる発泡体において、相対的に高発泡
倍率部分の発泡倍率が高すぎると、発泡体の強度が低下
してしまう。また、高発泡倍率部分の発泡倍率が低い
と、得られる発泡体の軽量化が図れないので、高倍率部
分の発泡倍率は10〜40倍が好ましい。また、低発泡
倍率部分の発泡倍率が高すぎると、目的の強度が得られ
ないので、低発泡倍率部分の発泡倍率は10倍以下が好
ましい。
【0033】発泡体の発泡倍率の調整は、熱可塑性樹脂
の種類、重合度、結晶性、架橋の有無、密度、熱分解発
泡剤の種類、添加量等により、任意に行うことができ
る。もっとも、発泡倍率の調整の容易性の点から熱分解
型発泡剤の添加量により調整するのが好ましい。熱分解
型発泡剤の添加量が多すぎると、破泡し、均一な発泡セ
ルができず、得られる発泡成形体の圧縮強度が低下し、
また、少なすぎると、発泡しないので、熱可塑性樹脂1
00重量部に対して、熱分解型発泡剤の添加量は1〜2
5重量部が好ましい。
【0034】上記発泡倍率は、具体的には、得られる発
泡体の発泡倍率に対応するガス生成量を求め、該ガス生
成量に対応する量の熱分解型発泡剤を添加することによ
り調整する。
【0035】他に添加し得る成分 上記熱可塑性樹脂には、発泡体の強度の向上のために、
必要に応じて、ガラス短繊維、炭素短繊維、ポリエステ
ル短繊維等の補強剤;炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、ガラスパウダー等の充填剤等を添加してもよい。
【0036】充填剤を添加する場合、添加量が多いと、
得られる発泡体の軽量化が図れず、また、少ないと、得
られる発泡体を補強する効果が充分に得られない。従っ
て、充填剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
して、10〜100重量部が好ましく、30〜50重量
部が特に好ましい。
【0037】本発明に用いられる未発泡の熱可塑性樹脂
ペレットの製造方法は、特に限定されず、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂とシラン架橋性ポリオレフィン樹脂及
び発泡剤を、発泡剤の分解温度より低い温度条件にて、
押出機にて混練し、ダイにてストランド状に押し出し、
冷却ロールて引取り、次いで、ペレタイズしてペレット
を得る方法が挙げられる。
【0038】散布 請求項1,2に記載の発明では、発泡剤を含有した上記
未発泡の熱可塑性樹脂ペレットを用いて熱可塑性樹脂発
泡体を得るに際し、まず、熱可塑性樹脂ペレットを散布
する。
【0039】散布に際し、請求項1に記載の発明では、
少なくとも1つの帯状の領域における散布量を残りの領
域における散布量と異ならせる。すなわち、少なくとも
1つの帯状の領域における散布量を、残りの領域におけ
る散布量よりも多く(少なく)して相対的に強度の高い
(低い)帯状の部分を発泡体中に構成することができ
る。
【0040】請求項2に記載の発明では、少なくとも1
つの帯状の領域に相対的に低発泡性もしくは高発泡性の
熱可塑性樹脂ペレットを、残りの領域に相対的に高発泡
性もしくは低発泡性の熱可塑性樹脂ペレットを散布す
る。何れにしても、散布の具体的な方法は特に限定され
るものではない。熱可塑性樹脂ペレットの散布方法を、
図1及び図2を参照して説明する。
【0041】上記帯状の領域を樹脂の流れ方向に沿うよ
うに形成する場合には、例えば図1に示す装置を用いて
散布が行われる。すなわち、図1に示す装置では、外周
面に窪みや溝などからなる凹部1aが形成されたロール
1の上方にホッパー2が配置されている。ホッパー2内
には、仕切り壁2a,2bがペレットの流れ方向Xに平
行に取りつけられている。
【0042】熱可塑性樹脂ペレットの散布に際しては仕
切り壁2a,2bで区画された中央の部分Aに帯状の領
域を形成するための熱可塑性樹脂ペレットが投入され、
仕切り壁2a,2bの外側の部分B,Cに残りの領域を
構成するための熱可塑性樹脂ペレットが投入される。こ
の場合、請求項1に記載の発明では、部分Aの直下に位
置する部分のロール1の凹部1aの大きさが、部分B,
Cの直下に位置する部分の凹部1aに比べて大きくされ
ている。従って、ホッパー2の部分A〜Cに同一の熱可
塑性樹脂ペレットを投入したとしても、搬送ベルト3上
には、部分Aから放出される樹脂ペレット4の数が、部
分B,Cから放出される熱可塑性樹脂ペレット4の数に
比べて多くされる。
【0043】よって、図1に図示されているように、搬
送ベルト3上においては、熱可塑性樹脂ペレット4が他
の部分に比べて多く散布されている帯状の領域5がペレ
ットの流れ方向Xに沿うように形成されることになる。
【0044】なお、上記では凹部1aの大きさを、部分
Aの直下と、部分B,Cの直下とで異ならせる方法を説
明したが、他の方法を採用してもよい。例えば、部分A
の直下においてのみ、凹部1aの数をロール1の周方向
に沿ってより多く形成することにより、部分Aから放出
される熱可塑性樹脂ペレットの数を、部分B,Cから放
出される熱可塑性樹脂ペレットの数よりも多くし、それ
によって帯状の領域4を形成してもよい。
【0045】逆に、部分Aから放出される樹脂ペレット
の数を部分B,Cから放出される樹脂ペレットの数より
も少なくしてもよい。また、請求項2に記載の発明にお
いては、少なくとも1つの帯状の領域に、相対的に低発
泡性(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットが、残りの領
域に相対的に高発泡性(低発泡性)の熱可塑性樹脂ペレ
ットが散布されるが、この場合には、図1に示した装置
において、仕切り壁2a,2bで囲まれた部分Aに低発
泡性(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを、部分B,
Cに高発泡性(低発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを投
入し、ロール1を回転させて熱可塑性樹脂ペレットを搬
送ベルト3上に供給すればよい。この場合には、凹部1
aは、ロール1の外周面においてその幅方向に一様に形
成されていてもよい。
【0046】もっとも、請求項1,2に記載の発明を組
み合わせてもよい。例えば、部分Aに低発泡性の熱可塑
性樹脂ペレットを投入し、部分B,Cに高発泡性の熱可
塑性樹脂ペレットを投入し、さらに、前述したように請
求項1に記載の発明に従って低発泡性の熱可塑性樹脂ペ
レットを帯状の領域を構成するように他の領域に比べて
より多く散布してもよい。
【0047】なお、図1に示した装置を用いて熱可塑性
樹脂ペレットを散布する場合の散布量は、ロール1の回
転数や凹部1aの数、凹部1aの幅や深さなどを調整す
ることにより、調整することができる。
【0048】また、図1に示した装置では、ペレットの
流れ方向Xに沿って、一本の帯状の領域5が形成されて
いたが、複数の帯状の領域を流れ方向Xに沿って形成す
るようにしてもよい。
【0049】次に、図2を参照して、ペレットの流れ方
向と直交する方向に、すなわち幅方向に帯状の部分を形
成する方法を説明する。図2に示す装置では、2種類の
ホッパー6,7が、搬送ベルト3の上方において搬送ベ
ルト3の搬送方向、すなわちペレットの流れ方向Xと直
交する方向に延びるように配置されている。また、ホッ
パー6,7の下方には、それぞれ、ロール8,9が配置
されている。ロール8,9は、外周面に凹部8a,9a
を有する。凹部8a,9aは、溝や窪みを形成すること
により構成されているが、ロール8,9の外周面上にお
いて、ロール8,9の長さ方向に、すなわち、ペレット
の流れ方向Xと直交する方向に延びている。また、凹部
8a,9aは、ロール8,9の外周面において、周方向
に複数本形成されている。
【0050】凹部8a,9aは、それぞれホッパー6,
7から落下してきた樹脂ペレットを受け、ロール8,9
を図示の矢印方向に回転させたときに、下方に配置され
たペレット供給体10に熱可塑性樹脂ペレットを供給す
る。ペレット供給体5は、上方に開口を有し、上記ロー
ル8,9から落下してきた熱可塑性樹脂ペレットを受
け、さらに、下方に落とし口を有する。この落とし口
は、搬送ベルト3の幅方向に沿って延びており、熱可塑
性樹脂ペレットを搬送ベルト3上に散布するために形成
されている。
【0051】図2に示した装置を用い、請求項1に記載
の発明を実施する場合には、ホッパー6,7には、同一
の熱可塑性樹脂ペレットを投入しておき、常時は一方の
ロール、例えばロール8のみを回転させてホッパー6に
投入された熱可塑性樹脂ペレットをペレット供給体10
を介して搬送ベルト3上に散布し、幅方向に延びる帯状
の領域を形成する場合には、ロール8に加えてロール9
をも回転させ、ホッパー7内の熱可塑性樹脂ペレットを
もペレット供給体10から搬送ベルト3上に供給するよ
うにすればよい。このようにして、搬送ベルト3上に、
例えば参照番号11で示す帯状の領域、すなわち熱可塑
性樹脂ペレットが多く散布されている領域が形成され
る。
【0052】あるいは、ロール8と、ロール9とのペレ
ット供給速度を異ならせるようにロール8,9を構成
し、常時はペレット供給速度が遅いロール、例えばロー
ル8を回転させてペレットを散布し、帯状の領域を構成
する際には、ロール8の回転を停止し、ペレット供給速
度の高いロール9のみを回転させてペレットを供給し、
それによって搬送ベルト3上に幅方向に延びる帯状の領
域11を形成してもよい。
【0053】なお、ロール8,9においてペレット供給
速度を異ならせる方法としては、一方のロールの回転速
度を他方のロールの回転速度に比べて高める方法、外周
面に形成されている凹部の数を他方のロールに比べて大
きくする方法、一方のロールの外周面に形成されている
凹部の深さや開口部の大きさを他方のロールの凹部に比
べて大きくする方法などを適宜採用することができる。
【0054】さらに、図2に示した装置を用いて請求項
2に記載の発明を実施する場合には、例えば一方のホッ
パー6に相対的に高発泡性(低発泡性)の熱可塑性樹脂
ペレットを投入し、他方のホッパー7に相対的に低発泡
性(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを投入し、常時
はロール8のみを回転させて熱可塑性樹脂ペレットを搬
送ベルト3上に散布し、帯状の領域を形成するに際し、
ロール8の回転を停止し、ロール9を回転させて相対的
に低発泡性(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを搬送
ベルト3上に散布することにより行い得る。
【0055】あるいは、請求項1,2に記載の発明を組
み合わせて実施してもよく、その場合には、低発泡性
(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットをロール9を回転
させてホッパー7から供給するに際し、低発泡性(高発
泡性)の熱可塑性樹脂ペレットの供給速度を、ホッパー
6から高発泡性(低発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを
ロール8を介して供給する場合の速度に比べて高めても
よい。
【0056】なお、図2に示した装置を用いた装置を用
いて幅方向に延びる帯状の領域10を形成する場合、帯
状の領域10を形成する操作を繰り返すことより、幅方
向に延びる複数本の帯状の領域を容易に形成することが
できる。
【0057】なお、請求1〜3に記載の発明において、
上記帯状の領域の方法は、図1及び図2を参照して行っ
た散布方法の説明からも明らかなように、熱可塑性樹脂
ペレットの流れ方向Xに沿うものであってもよく、ある
いは流れ方向Xと直交する方向、すなわち幅方向であっ
てもよい。
【0058】すなわち、後述の加熱・冷却工程を経て得
られる発泡体においては、図1に示した装置を用いた場
合には、図3に略図的平面図で示すように、ペレットの
流れ方向Xと平行に延びるように帯状の領域4を有する
発泡体12が得られ、他方、図2に示した装置を用いた
場合には、幅方向に延びる帯状の領域11,11が形成
された発泡体13が得られる。この場合、前述したよう
に、帯状の領域5は、ペレットの流れ方向Xに平行であ
る限り、複数本形成されていてよく、また、幅方向に延
びる帯状の領域11,11についても流れ方向Xに直交
し得る限り、適宜の間隔を隔てて複数本形成されていて
もよく、その場合の間隔は、一定間隔である必要も必ず
しもない。
【0059】加熱及び冷却 上記のようにして散布された未発泡の熱可塑性樹脂ペレ
ットの加熱方法としては、任意の方法を採用することが
できる。
【0060】また、散布後の熱可塑性樹脂ペレットの加
熱については、任意の方法を採用することができ、例え
ば、熱風循環型装置を用いる方法や、遠赤外線加熱装置
を用いる方法が挙げられる。
【0061】加熱温度は、用いた発泡剤の分解温度から
分解温度の30℃上の温度までの間で設定されているこ
とが望ましい。これは、あまり急激な発泡によって発泡
後の発泡体中の発泡セル構造が乱れるのを避けるためで
ある。
【0062】発泡体を冷却する方法は、特に限定されな
い。例えば、発泡体を冷却ロールを用いて搬送する方
法、冷却板により冷却する方法、一対の冷却板の間を摩
擦を生じさせつつ通過させることにより冷却する方法等
がある。
【0063】なお、好ましくは、請求項1,2に記載の
発明の製造方法では、上記熱可塑性樹脂ペレットを加熱
して発泡させるに際し、散布されたペレットを厚み方向
に規制しつつ発泡させ、次に冷却する。このように、加
熱による発泡時に厚み方向に規制することにより、所定
の厚みのシート状の熱可塑性樹脂発泡体を容易に得るこ
とができる。このような厚みを規制する装置としては、
例えばテトラフルオロエチレンなどからなる無端ベルト
やプレスを、熱可塑性樹脂ペレットが散布されている部
分の上下に配置することにより行い得る。
【0064】連続的な製造方法の一例 請求項1,2に記載の発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造
方法は、発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂ペレッ
トを散布し、加熱してペレット同士を融着させて発泡
し、次に冷却して発泡体を得るという連続的な製造方法
に関するものである。このような連続的な製造方法の全
体の一例を、図4を参照して説明する。
【0065】図4において略図的に示す製造装置では、
無端搬送ベルト21が、ローラ22〜25間に架け渡さ
れている。この無端搬送ベルト21は、図示の矢印P方
向に移動するように、ローラ22〜25の何れかがモー
ター等の回転駆動源(図示せず)に連結されている。ま
た、無端搬送ベルト21の上方には、第2の無端搬送ベ
ルト26が、ローラ27〜30に架け渡されている。第
2の無端搬送ベルト26は、図4の矢印Q方向に移動す
るように、ローラ27〜30の何れかがモータ等の回転
駆動源(図示せず)に連結されている。
【0066】従って、無端搬送ベルト21と、無端搬送
ベルト26とが対抗している部分Rでは、無端搬送ベル
ト21,26は矢印X方向、すなわち、ペレットの流れ
方向に沿って移動することになる。
【0067】ローラ22近傍においては、無端搬送ベル
ト21上に、ペレット散布機31が配置されている。ペ
レット散布機31は、例えば前述した図1または図2を
参照して用いた装置を用いて構成されている。このペレ
ット散布機31から、熱可塑性樹脂ペレット32が無端
搬送ベルト21上に散布される。散布は、図1及び図2
を参照して説明した方法に従って行われる。従って、無
端搬送ベルト21上において、ペレットの流れ方向Xま
たはそれに直交する方向に少なくとも1つの帯状の領域
が構成されるように熱可塑性樹脂ペレット32が散布さ
れる。
【0068】散布された熱可塑性樹脂ペレット32は、
無端搬送ベルト21,26が対向し合っている部分Rに
配置された加熱炉33内に搬送される。加熱炉33内に
おいては、熱可塑性樹脂ペレットが含有している熱分解
型発泡剤の分解温度以上に加熱され、それによって熱可
塑性樹脂ペレット同士が融着するとともに、発泡剤の分
解により発泡し始める。さらに、加熱炉33を排出され
るまでの間に、上記ペレット同士が完全に融着し、発泡
体34が成形されることになる。さらに、加熱装置3の
下流に配置された冷却装置35において、上記のように
して成形された熱可塑性樹脂発泡体34が冷却され、ロ
ーラ25,29間から外側に排出される。
【0069】なお、上記第1,第2の無端ベルト21,
26が対向している部分Rの間隔tは、上記厚み規制体
を構成するために、目的とする熱可塑性樹脂発泡体の厚
みに応じて定められている。すなわち、図4に示す装置
では、無端搬送ベルト21,26が上記厚み規制体を構
成しているため、加熱炉33内で発泡成形されるに際
し、得られる発泡体の厚みが所望の厚みとなるように規
制される。
【0070】なお、上記第1,第2の無端搬送ベルト2
1,26は、熱可塑性樹脂発泡体との離型性に優れた材
料で構成されることが好ましく、従って、テトラフルオ
ロエチレンベルトからなるものが好ましい。
【0071】また、上記加熱炉33は、適宜の加熱装置
により構成することができる。もっとも、熱可塑性樹脂
ペレット32が無端搬送ベルト21,26間に挟まれて
いるため、加熱をより効果的に行うには、赤外線加熱炉
に比べて、熱風加熱装置により加熱炉33を構成するこ
とが好ましい。
【0072】より好ましくは、第2の無端搬送ベルト2
6と第1の無端搬送ベルト21とで挟まれた部分Rに至
る前に、熱可塑性樹脂ペレットを図示しない赤外線加熱
装置を用いて予備加熱したり、無端搬送ベルト21に加
熱ロールを接触させておいて無端搬送ベルト21を加熱
し、熱可塑性樹脂ペレットを32を予備加熱しておく
と、より効果的である。
【0073】また、上記冷却装置35における冷却は、
無端搬送ベルト21,26の外側から空冷、水冷等の適
宜の冷却方法によって行い得るように構成されている。
あるいは、冷却板を無端搬送ベルト21,26の背面か
ら接触させることにより冷却してもよい。熱可塑性樹脂
ペレットを、熱可塑性樹脂の融点や軟化点以下まで冷却
すれば、成形された熱可塑性樹脂発泡体を得ることがで
きるが、好ましくは、常温付近まで冷却装置35で冷却
することにより、無端搬送ベルト21,26からの発泡
体の剥離をより円滑に行うことができ、好ましい。
【0074】
【実施例】実施例1 本発明の実施例について、図1及び図4を参照しつつ詳
細に説明する。
【0075】未発泡の熱可塑性樹脂ペレットの配合は、
下記の表1に示す通りである。すなわち、高発泡倍率用
及び低発泡倍率用の各ペレットを得るために、所定量の
高密度ポリエチレン(三菱油化社製、商品名EY40
H、MI=1.5)、ポリプロピレン(三菱油化社製、
商品名MA3、MI=11)、シラングラフトポリプロ
ピレン(三菱油化社製、商品名XPM800H、MI=
11)、並びにアゾジカルボンアミドを、表1に示す割
合で、それぞれ、50mm単軸押出機に供給し、180
℃で溶融混練し、シート状に押し出し、これを冷却し
た。得られた高発泡倍率用及び低発泡倍率用のシート
は、何れも、厚み0.8mm、幅5mmであった。これ
らのシートを長さ5mmに切断し、98℃の水中に、1
時間浸漬後、放置し乾燥させ、高発泡倍率用及び低発泡
倍率用の未発泡の熱可塑性樹脂ペレットを得た。
【0076】得られた熱可塑性樹脂ペレットを、ペレッ
ト散布機31として図1に示した装置を用い、ホッパー
の中央部分Aに低発泡倍率の熱可塑性樹脂ペレットを、
両側の部分B,Cに高発泡倍率のペレットを投入した。
次に、ロール1(図1)を回転させ、図4の無端搬送ベ
ルト21上にペレットを散布した。散布量の割合は、中
央部分Aからが500g/m2 、両側の部分B,Cから
が250g/m2 とした。
【0077】無端搬送ベルト21,26としては、ガラ
ス繊維補強テトラフルオロエチレンベルト(中興化成社
製)を用い、無端搬送ベルト21,26の速度は1m/
分とした。加熱炉33でペレットを220℃に加熱し、
発泡させて成形し、発泡体34を得、冷却装置35によ
り、30℃に冷却し、最終的な発泡体34(重量330
g/m2 )を得た。なお、この時の冷却装置35におけ
るクリアランスを6mmとしたところ、成形体の厚みは
約5mmであった。
【0078】上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発
泡体では、ペレットの流れ方向Xに平行に延びるよう
に、中央部分に低発泡倍率部分が形成されており、該低
発泡倍率部分の両側に高発泡倍率部分が形成されてい
た。この熱可塑性樹脂発泡体の高発泡倍率部分及び低発
泡倍率部分の発泡倍率、発泡体の曲げ強度を測定した。
結果を下記の表2に示す。なお、発泡倍率の測定はJI
S K6767に従った。
【0079】なお、曲げ強度は以下の要領で測定した。 (曲げ強度)得られた熱可塑性樹脂発泡体を長さ150
mm、幅150mmの寸法に切断し、スパン間100m
m、クロスヘッド下降速度50mm/分の条件でオート
グラフを用いて三点曲げテストを行った。
【0080】実施例2 散布機に投入するペレットとして高発泡倍率用樹脂ペレ
ットのみを用いたことと、加熱装置が設けられている部
分において厚みを6mmとなるように厚み方向に規制し
つつ発泡したこと以外は、実施例1と同じである。
【0081】上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発
泡体においても、実施例1の場合と同様に、ペレットの
流れ方向に平行に延びるように、中央部分に低発泡倍率
部分が形成されており、その両側に高発泡倍率部分が形
成されていた。また、得られた熱可塑性樹脂発泡体の評
価を、実施例1と同様にして行った。結果を下記の表2
に示す。
【0082】実施例3 実施1において、図2に示したペレット散布装置を用い
た。ホッパー6側に高倍率用ペレット、ホッパー7側に
低倍率用ペレットを投入した。次にロール8を回転させ
て高発泡倍率用ペレットを散布後、ロール8を停止し、
次に、ホッパー7側のロール9を回転させて低発泡倍率
用ペレットを散布した。さらに、ロール8,9を上記の
ように回転させる工程を繰り返して図4の無端搬送ベル
ト21上にペレットを散布した。ロール8,9の回転速
度の比は1:2であった。散布量の割合はロール8を回
転させた時が250g/m2 、ロール9を回転させた時
が500g/m2 であった。得られた発泡体の重量は約
300g/m2 であり、得られた発泡体では流れ方向に
50cm毎に、幅方向に延びる低発泡倍率部分が(流れ
方向の寸法が10cm)が形成されていた。
【0083】実施例3で得た熱可塑性樹脂発泡体につい
て、実施例1と同様にして評価した。結果を下記の表2
に示す。もっとも、実施例3では、低発泡倍率部分がペ
レットの流れ方向と直交する方向、すなわち幅方向に存
在していたため、曲げテストは、以下の要領で行った。
【0084】すなわち、得られた発泡体の中心に低発泡
倍率部分がくるように、流れ方向長さ150mm及び幅
150mmの寸法に発泡体を切断し、スパン間100m
m、クロスヘッド下降速度50mm/分の条件でオート
グラフを用いて3点曲げテストを行った。
【0085】実施例4 実施例3において、ホッパー6,7の何れにも高発泡倍
率性ペレットを投入した。次にロール8を回転させ、一
定間隔でロール9を回転させて、無端搬送ベルト21上
にペレットを散布し、発泡時に厚み方向に規制しつつ、
冷却し、発泡体を得た。
【0086】散布量の割合はロール8を回転させた時に
250g/m2 、ロール9を回転させた時に500g/
2 であった。得られた発泡体の重量は、約300g/
2であり、得られた発泡体では流れ方向に50cm毎
に、(流れ方向寸法が10cmの)低発泡倍率部分が形
成されていた。上記のようにして得た実施例4の発泡体
についても、実施例3と同様にして評価した。結果を下
記の表2に示す。
【0087】比較例 表1に示した高発泡倍率用配合にて得られた高発泡性ペ
レットを無端搬送ベルト21の全幅に均一に、250g
/m2 の割合で散布したこと以外は、実施例1と同様と
した。この比較例で得られた発泡体についても、実施例
1と同様にして評価した。結果を下記の表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】表2から明らかなように、実施例1〜4で
は、上記のように部分的に高発泡倍率部分及び低発泡倍
率部分を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られていること
がわかる。また、上記実施例1〜4の説明から明らかな
ように、このように発泡倍率の異なる部分を有する熱可
塑性樹脂発泡体を連続的に生産し得ることもわかる。
【0091】さらに、実施例1,2から明らかなよう
に、同様の高発泡倍率部分及び低発泡倍率部分の有する
熱可塑性樹脂発泡体を製造するに際し、同一の熱可塑性
樹脂ペレットを用いた場合と、それぞれの部分に応じて
発泡性が異なる熱可塑性樹脂ペレットを用いた場合と
で、全体の曲げ強度を変化させることができる。すなわ
ち、実施例1,2で得られた熱可塑性樹脂発泡体におけ
る、発泡倍率の異なる領域は、得られた熱可塑性樹脂発
泡体を平面視した場合ほぼ同等であるが、曲げ強度は、
大きく異なっている。従って、上記のように発泡倍率の
異なる部分を構成するに際し、実施例1のように、低発
泡倍率部分に散布する熱可塑性樹脂ペレットの量を多く
するだけでなく、さらに低発泡性の熱可塑性樹脂ペレッ
トを用いることにより、全体としての曲げ強度を高めつ
つ、しかも、高発泡倍率部分がより柔軟な熱可塑性樹脂
発泡体の得られることがわかる。
【0092】同様に、実施例3においても、低発泡倍率
部分の熱可塑性樹脂ペレットの散布量を多くするだけで
なく、低発泡性の熱可塑性樹脂ペレットを用いているた
め、実施例1と同様に、全体の曲げ強度を高めつつ、低
発泡倍率部分の柔軟性をより一層高めた熱可塑性樹脂発
泡体の得られることがわかる。
【0093】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に記載の発
明では、発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂ペレッ
トを散布し、加熱して該ペレット同士を融着させて発泡
体を得る連続的な熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を用い
て、部分的に発泡倍率が異なる熱可塑性樹脂発泡体を容
易に得ることができる。すなわち、請求項1に記載の発
明では、少なくとも1つの帯状の領域における未発泡の
熱可塑性樹脂ペレットの散布量を、残りの領域における
散布量と異ならせることにより、並びに請求項2に記載
の発明では、上記少なくとも1つの帯状の領域に相対的
に低発泡性(高発泡性)の熱可塑性樹脂ペレットを、残
りの領域に相対的に高発泡性(低発泡性)の熱可塑性樹
脂ペレットを散布しておくことにより、得られる発泡体
において、発泡倍率が残りの領域と異なる少なくとも1
つの帯状の領域が構成される。すなわち、請求項3に記
載の発明にかかる熱可塑性樹脂発泡体を、連続的な発泡
成形法を用いて容易に提供することができる。
【0094】従って、本発明によれば、例えば、自動車
などの車両用天井材のように、端部のみに強度が必要な
成形体のように、部分的に強度が異なる成形体を、高い
生産性で製造することがき、従って、このような成形体
を、安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる熱可塑性樹脂ペレット散布
機の一例を説明するための斜視図。
【図2】本発明の製造方法において用いられる熱可塑性
樹脂ペレット散布機の他の例を説明するための斜視図。
【図3】(a)及び(b)は、熱可塑性樹脂ペレットの
流れ方向と、発泡倍率が異なる部分との関係を説明する
ための各模式的平面図。
【図4】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を実施
するための装置の全体を略図的に示す構成図。
【符号の説明】
1…ロール 1a…凹部 2…ホッパー A〜C…ホッパー内の仕切られた部分 3…無端搬送ベルト 4…熱可塑性樹脂ペレット 5…帯状の領域 6,7…ホッパー 8,9…ロール 8a,9a…凹部 10…ペレット供給体 11…帯状の領域 12,13…発泡体 21…無端搬送ベルト 22〜25…ローラー 26…無端搬送ベルト 27〜30…ローラー 31…ペレット散布機 32…熱可塑性樹脂ペレット 33…加熱炉 34…発泡体 35…冷却装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂
    ペレットを散布し、次に加熱して該ペレット同士を融着
    させて発泡体を得る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法にお
    いて、 前記未発泡の熱可塑性樹脂ペレットの散布に際し、少な
    くとも1つの帯状の領域における散布量を残りの領域に
    おける散布量と異ならせることを特徴とする熱可塑性樹
    脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤を含有した未発泡の熱可塑性樹脂
    ペレットを散布し、次に加熱してペレット同士を融着さ
    せて発泡体を得る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法におい
    て、 前記未発泡の熱可塑性樹脂ペレットの散布に際し、少な
    くとも1つの帯状の領域に相対的に低発泡性もしくは高
    発泡性の熱可塑性樹脂ペレットを、残りの領域に相対的
    に高発泡性もしくは低発泡性の熱可塑性樹脂ペレットを
    散布することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一体成形された熱可塑性樹脂発泡体であ
    って、 少なくとも1つの帯状の領域の発泡倍率が、残りの領域
    の発泡倍率と異ならされていることを特徴とする熱可塑
    性樹脂発泡体。
JP7193405A 1995-07-28 1995-07-28 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体 Pending JPH0939016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7193405A JPH0939016A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7193405A JPH0939016A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0939016A true JPH0939016A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16307414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7193405A Pending JPH0939016A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0939016A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6399189B1 (en) Foamable thermoplastic sheet-like synthetic resin, thermoplastic foamed resin and their production method
JPWO2002016124A1 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂成形体、発泡性熱可塑性樹脂成形体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体
US5798064A (en) Process and apparatus for fabrication of flexible foam
JP4299375B2 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート状体、熱可塑性樹脂発泡体、及びそれらの製造方法
EP0646622B1 (en) Plastic foam material composed of thermoplastic resin and silane-modified thermoplastic resin and method for making same
JPH0939016A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び熱可塑性樹脂発泡体
JP3958811B2 (ja) 発泡体の連続製造方法
JP3848419B2 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート及び発泡体の製造方法
JPH09174586A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法
JP3792371B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
JPH09234756A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート及び発泡体の製造方法
JP3369091B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法
JPH08281680A (ja) 凹凸を有する発泡体の製造方法
JPH10180886A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JPH11138564A (ja) 発泡体及び床暖房用床材の製造方法
JP2000135721A (ja) 凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び製造装置
JP3603068B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JP2000176955A (ja) 発泡体の製造方法
JPH09155905A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JPH10100181A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート及び発泡体の製造方法
JPH07237238A (ja) 複合発泡体の製造方法
JPH11300840A (ja) 異形熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JPH1190951A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JPH09136332A (ja) 発泡体の製造方法
JP2000117761A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び製造装置