JPH09174586A - 熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法

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JPH09174586A
JPH09174586A JP7336764A JP33676495A JPH09174586A JP H09174586 A JPH09174586 A JP H09174586A JP 7336764 A JP7336764 A JP 7336764A JP 33676495 A JP33676495 A JP 33676495A JP H09174586 A JPH09174586 A JP H09174586A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
pellets
foam
pellet
shaped
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Application number
JP7336764A
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English (en)
Inventor
Hidefumi Nagara
英史 長良
Satoyuki Kobayashi
智行 小林
Michiaki Sasayama
道章 笹山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的に弾性率の異なる、すなわち部分的に
切削性が異なっていて、例えば屋上断熱材や床用断熱材
のように、一部のみに切削性を必要とする用途に適用さ
れる熱可塑性樹脂発泡体を提供する。またこの発泡体を
連続的に効率よく生産することができ、市場に安価に供
給し得る発泡体の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡体は、相対的に異なる
弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる複数の帯状樹
脂領域部が並列状に備えられ、これらの帯状樹脂領域部
が一体に成形されている。熱可塑性樹脂発泡体の製造方
法は、高弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレットAと、低弾
性用発泡性熱可塑性樹脂ペレットBとを、それぞれのペ
レットが少なくとも1つ帯状の領域部5a,5bを連続
して形成するように散布し、散布後のペレットを加熱
し、ペレット同士を融着させるとともに発泡させ、つい
で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種建築用
断熱材や車両用内装材として好適に用いられかつ部分的
に弾性率の異なる発泡樹脂領域部を備えている熱可塑性
樹脂発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性樹脂発泡体は軽量であ
り、耐熱性、柔軟性、浮揚性及び成形性などにおいて優
れているため、屋上用断熱材、車両用天井材もしくは床
用断熱材などの各種断熱材、あるいは緩衝材、浮揚材ま
たは異形成形物等に幅広く用いられている。
【0003】そして、このような熱可塑性樹脂発泡体の
生産性を高めるには、通常、熱可塑性樹脂発泡体を連続
的に製造することが行なわれており、例えば特公昭58
−46209号公報に開示されている従来の方法によれ
ば、熱可塑性樹脂原料を押出機に供給し、押出機中にお
いて樹脂原料と発泡剤とを混合した後、混合物を加熱し
て押し出し、発泡せしめることにより、長尺の熱可塑性
樹脂発泡体を連続的に成形し、これらの発泡体を適宜の
長さに切断することにより、多数の熱可塑性樹脂発泡体
を効率よく生産するというものである。
【0004】ところで、熱可塑性樹脂発泡体は、上記の
ように軽量であり、耐熱性や柔軟性等に優れている特徴
を有しているが、一方では弾性率が低いために切削性が
悪く、用途によっては、部分的に高弾性が要求されるこ
とがある。しかし一般的に、高弾性率の物質は、重量が
重い傾向がある。そこで、切削性を必要する部分だけ高
弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂によって構成し、残り
の部分は軽量性を優先させて低弾性率を有する発泡熱可
塑性樹脂によって構成した熱可塑性樹脂発泡体の出現が
求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来法によれば、押出機を用いて熱可塑性樹脂発泡体を
連続的に製造しているために、部分的に弾性率の異なる
熱可塑性樹脂発泡体を連続して成形することは、非常に
困難であるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、部分的に弾性率の異なる、すなわち部分的に切
削性の異なる熱可塑性樹脂発泡体を提供すること、およ
び該熱可塑性樹脂発泡体を連続的に製造する方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明による熱可塑性樹脂発泡体
は、相対的に異なる弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よ
りなる複数の帯状樹脂領域部が並列状に備えられ、これ
らの帯状樹脂領域部が一体に成形されていることを特徴
としている。
【0008】つぎに、請求項2記載の発明による熱可塑
性樹脂発泡体の製造方法は、相対的に高い弾性率を有す
る発泡熱可塑性樹脂を形成する高弾性用発泡性熱可塑性
樹脂ペレットAと、相対的に低い弾性率を有する発泡熱
可塑性樹脂を形成する低弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレ
ットBとを、それぞれのペレットが少なくとも1つの帯
状の領域部を連続して形成するようにかつ並列状に散布
し、ついで散布後のすべてのペレットを加熱して、ペレ
ット同士を融着させると同時に発泡させることにより、
熱可塑性樹脂発泡体を得ることを特徴としている。
【0009】なお、本発明の方法において、発泡性樹脂
ペレットを加熱してペレット同士を融着させると同時に
発泡させるさいの「同時」には、とくに厳密生が要求さ
れるものではない。
【0010】上記において、本発明の熱可塑性樹脂発泡
体は、通常、発泡シート状である。
【0011】そして、本発明の発泡体を構成する熱可塑
性樹脂は、発泡可能な熱可塑性樹脂であれば、特に限定
されず、これには、例えば低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ランダムポ
リプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素
化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテル
エーテルケトン、及びこれらの共重合体等が挙げられ、
これらは単独で用いられても、併用されてもよい。
【0012】これらの熱可塑性樹脂のうち、得られる発
泡体の柔軟性が向上するという理由から、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブ
ロック状ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこ
れらの混合物を用いるのが、好ましく、特に高密度ポリ
エチレン、ホモポリプロピレンを使用するのが、好まし
い。
【0013】また、上記熱可塑性樹脂は架橋されていて
も良い。
【0014】ここで、熱可塑性樹脂の架橋方法として
は、特に限定されず、例えば熱可塑性樹脂にシラング
ラフト重合体を溶融混練後、水処理を行ない、架橋する
方法、熱可塑性樹脂に過酸化物を、これの分解温度よ
り低い温度で溶融混練後、過酸化物の分解温度以上に加
熱して架橋する方法、放射線を照射して架橋する方法
等が挙げられる。
【0015】なお、上記熱可塑性樹脂を2種以上混合し
て、その1種の樹脂だけを架橋しておくと、発泡倍率が
向上するだけでなく、発泡中の樹脂流動性が向上して、
ペレットの発泡成形が容易になるので、好ましい。
【0016】上記の架橋方法において、熱可塑性樹脂
の架橋に用いるシラングラフト重合体は、特に限定され
ず、例えばシラングラフトポリエチレン、シラングラフ
トポリプロピレン等が挙げられる。
【0017】ここで、シラングラフト重合体は、例えば
ポリエチレン等のホモ重合体を不飽和シラン化合物でグ
ラフト変性して得られる。
【0018】不飽和シラン化合物は、一般式 RR´n
SiY3-n で表される。
【0019】式中、Rは、ビニル基、アリル基、プロペ
ニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;グリシ
ジル基;アミノ基;メタクリル基;γ−クロロエチル
基、γ−ブロモエチル基等のハロゲン化アルキル基等の
有機官能基であり、R´は、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、デシル基等の脂肪族飽和炭化水素基であり、Y
は、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、プロ
ピオノキシアリールアミノ基等の加水分解可能な有機官
能基であり、nは、0、1、2である。
【0020】また、不飽和シラン化合物として、CH2
=CHSi(OA)3 (ここで、Aは、炭素数1〜
8、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族飽和炭化水素基で
ある)で表される化合物を用いるのが、架橋反応が速い
ことから、特に好ましい。
【0021】この不飽和シラン化合物としては、例えば
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
【0022】上記シラングラフト重合体の製造方法は、
一般的な方法が用いられ、特に限定されない。例えばポ
リエチレン、RR´SiY2 (式中、Rは、オレフィン
性不飽和の1価の炭化水素またはハイドロカーボンオキ
シ基であり、各Yは、加水分解し得る有機基であり、R
´は基Rまたは基Yと同じである)で表される不飽和シ
ラン化合物、及び有機過酸化物を反応させ、シラン変性
ポリエチレンを得る方法が挙げられる。
【0023】シリル基を有するシラングラフト重合体
は、例えばYが、メトキシ基である場合には、これが水
と接触することにより加水分解して水酸基となり、異な
る分子の水酸基同士が反応し、Si−O−Si結合を生
じて、シラングラフト重合体同士が架橋する。
【0024】上記熱可塑性樹脂を2種以上混合して、そ
の1種の樹脂だけを架橋しておく場合、熱可塑性樹脂
に、上記シラングラフト重合体を混合する方法は、均一
に混合できる方法であれば、特に限定されず、例えば熱
可塑性樹脂及びシラングラフト重合体と1軸または2軸
押出機に供給し、溶融混練する方法、ロールを用いて溶
融混練する方法、ニーダーを用いて溶融混練する方法等
が挙げられる。
【0025】水処理する方法は、水中に浸漬する方法の
他、水蒸気にさらす方法がある。このように100℃よ
り高い温度で処理する場合は、加圧下において実施する
のが、好ましい。
【0026】水処理する際の水及び水蒸気の温度は50
〜130℃、好ましくは90〜120℃である。水処理
の温度が50℃未満に低いと、架橋反応速度が低下し、
また130℃を越えて高いと、低発泡性組成物で被覆さ
れた高発泡性組成物の柱状体同士が融着するので、好ま
しくない。
【0027】水処理の時間は、短いと、架橋反応が完全
に進行しない場合があるので、5分以上とするのが、好
ましい。
【0028】シラングラフト重合体の添加量は、熱可塑
性樹脂100重量部に対して5〜50重量部、好ましく
は20〜35重量部である。シラングラフト重合体の添
加量が50重量部を越えて多いと、架橋がかゝりすぎ、
得られる発泡体の発泡倍率が低下し、また5重量部未満
に少ないと、セルが破泡し、均一なセルが得られないの
で、好ましくない。
【0029】また、必要に応じて、シラン架橋触媒を添
加してもよい。シラン架橋触媒は、シラングラフト重合
体同士の架橋反応を進行させるものであれば良く、例え
ばジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、
ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、オレイン酸
錫、オクタン酸鉛、2−エチルヘキサン亜鉛、オクタン
酸コバルト、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリ
ン酸亜鉛等が挙げられる。
【0030】シラン架橋触媒の添加量は、熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.001〜10重量部、好まし
くは0.01〜0.1重量部である。シラン架橋触媒の
添加量が10重量部を越えて多いと、得られる発泡体の
発泡倍率が低下し、また0.001重量部未満に少ない
と、架橋反応速度が低下し、水処理に時間を要するの
で、好ましくない。
【0031】上記の過酸化物により熱可塑性樹脂を架
橋する方法において、用いる過酸化物は、特に限定され
ず、例えばジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、ターシャルブチクミルパーオキサイド、ジイソ
プロピルパーオキサイド等が挙げられ、これらのうちジ
クミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミルパーオ
キサイドを用いるのが、好ましく、特にジクミルパーオ
キサイドを用いるのが、好ましい。
【0032】過酸化物の添加量は、熱可塑性樹脂100
重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重
量部である。過酸化物の添加量が5重量部を越えて多い
と、樹脂分解反応が進行しやすく、得られる発泡体が着
色し、また0.5重量部未満に少ないと、熱可塑性樹脂
の架橋が不十分となり、高発泡倍率の発泡体が得られな
いので、好ましくない。
【0033】上記の放射線を照射して熱可塑性樹脂を
架橋する方法において、放射線の照射量は1〜20Mra
d、好ましくは3〜10Mradである。放射線の照射量が
20Mradを越えて多いと、架橋が掛かりすぎ、得られる
発泡体の発泡倍率が低下し、また、1Mrad未満に少ない
と、セルが破泡し、均一なセルが得られないので、好ま
しくない。
【0034】放射線を照射する方法は、特に限定され
ず、例えば2台の電子線発生装置を用い、その間に熱可
塑性樹脂を通過させ、熱可塑性樹脂に電子線を照射する
方法が挙げられる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に
おいて使用する熱分解型発泡剤は、用いる熱可塑性樹脂
の溶融温度より高い分解温度を有するものであれば、特
に限定されず、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化
ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボン
アミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N´−ジニ
トロペンタメチレンテトラミン,P,P´−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミン、P,P´−オシキビスベン
ゼンスルホニルヒドラジロ、アゾジカルボン酸バリウ
ム、トリヒドロラジノトリアジン等が挙げられ、アゾジ
カルボンアミドが好ましい。
【0036】発泡体の発泡倍率は、特に限定されない
が、2〜40倍、好ましくは10〜30倍である。発泡
体の発泡倍率が40倍を越えて高いと、発泡体内での輻
射が生じ、発泡体の熱伝導率が増大し、得られる発泡体
の断熱性が低下し、また2倍未満に低いと、得られる発
泡体の軽量化が計れないので、好ましくない。
【0037】発泡体の発泡倍率の調整は、熱可塑性樹脂
の種類・重合度・結晶性・架橋の有無・密度、熱分解型
発泡剤の種類・添加量により、任意に行なうことができ
るが、熱分解型発泡剤の添加量により調整するのが、発
泡倍率の調整の容易性の点から好ましい。
【0038】ここで、熱分解型発泡剤の添加量は、熱可
塑性樹脂100重量部に対して1〜25重量部である。
熱分解型発泡剤の添加量が25重量部を越えて多いと、
破泡し、均一なセルができず、得られる発泡成形体の圧
縮強度が低下し、また1重量部未満に少ないと、発泡し
ないので、好ましくない。
【0039】具体的には、発泡体の所期の発泡倍率に対
応するガス生成量を求め、それに対応する量の熱分解型
発泡剤を添加することにより調整する。
【0040】上記熱可塑性樹脂には、発泡体の強度の向
上のため、必要に応じて、ガラス短繊維、炭素短繊維、
ポリエステル短繊維等の補強材;水酸化アルミニウム、
ガラスパウダー等の充填剤等を添加してもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0042】本発明による熱可塑性樹脂発泡体は、相対
的に異なる弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる複
数の帯状樹脂領域部が並列状に備えられ、これらの帯状
樹脂領域部が一体に成形されている。
【0043】ここで、発泡熱可塑性樹脂の弾性率を上げ
る方法としては、熱可塑性樹脂に、例えば炭酸カルシウ
ムや炭酸マグネシウムあるいは硫酸カルシウムといった
無機系カルシウム化合物などの充填剤を配合する方法、
高弾性率の樹脂を用いる方法等がある。
【0044】ここで、充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂
100重量部に対して10〜50重量部、好ましくは2
0〜30重量部である。充填剤の配合量が50重量部を
越えて多いと、得られる発泡体の軽量化が図れず、また
10重量部未満に少ないと、弾性率を上げることができ
ず、目的を達成できないので、好ましくない。
【0045】また、充填剤の粒径は、1〜7μm程度、
好ましくは2〜5μmである。充填剤の粒径が7μmを
越えて大きすぎると、発泡体の機械的強度が低下し、ま
た1μm未満に小さすぎると、充填剤の凝集が起こって
しまい、発泡の際にセルが破れたりするので、好ましく
ない。
【0046】本発明における発泡体の弾性率は、50〜
220kg/cm2 である。発泡体の弾性率が50kg
/cm2 未満に低すぎると、発泡体の切削が困難であ
り、また220kg/cm2 を越えて高すぎると、発泡
体を切削できなくなるため、好ましくない。
【0047】なお、低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレンの弾性率は、通常2
500〜16000kg/cm2 程度である。
【0048】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法で
は、発泡剤を含む未発泡の高弾性用熱可塑性樹脂ペレッ
トAと、発泡剤を含む未発泡の低弾性用熱可塑性樹脂ペ
レットBとを、それぞれのペレットが少なくとも1つの
帯状の領域部を連続して形成するようにかつ並列状に散
布する。
【0049】本発明に用いられる未発泡の熱可塑性樹脂
ペレットの製造方法は、特に限定されず、例えばポリオ
レフィン系樹脂とシラン架橋性ポリオレフィン樹脂及び
発泡剤を押出機に供給し、そこで発泡剤の分解温度より
低い温度条件で混練して、押出機のダイよりストランド
状に押出した後、冷却ロールに引き取り、さらに所要長
さに切断して、ペレットを得る方法が挙げられる。
【0050】発泡剤を含む未発泡の熱可塑性樹脂ペレッ
トの散布方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば長手方向に伸びる高弾性と低弾性の帯状樹脂領域部を
形成する場合は、図1に示すペレット散布装置を使用す
る。
【0051】同図において、ペレット散布装置のホッパ
(1) の下端開口部に、全長にわたって窪みもしくは溝よ
りなる凹部(2a)を有するペレット供給用ロール(2) が配
置されている。またホッパ(1) の内部に2枚の仕切板
(4)(4)が所定間隔おきに配置されていて、ホッパ(1) 内
が、例えば左右両側の高弾性用発泡性ペレットAを投入
するホッパ部分(1a)(1a)と、中央の低弾性用発泡性ペレ
ットBを投入するホッパ部分(1b)とに区分せられてい
る。ペレット散布装置のホッパ(1) およびロール(2) の
下側には、無端搬送ベルト(3) が配置されている。
【0052】これらのホッパ部分(1a)(1b)に、それぞれ
高弾性用発泡性ペレットAと低弾性用発泡性ペレットB
とを投入した後、ロール(2) を回転させ、ロール(2) の
回転数および凹部(2a)の大きさに応じた量のペレット
A,Bを、ベルト(3) 上に落下させて、散布する。ベル
ト(3) 上には、中央の低弾性用発泡性ペレットBの帯状
領域部(5b)と、左右両側の高弾性用発泡性ペレットAの
帯状領域部(5a)(5a)とが形成される。
【0053】このとき、散布量を多くしたい場合は、ロ
ール(2) の回転数を速くしたり、凹部(2a)の数を多くし
たり、あるいは凹部(2a)の幅や深さを大きくしたりすれ
ば良い。
【0054】これに対し、幅方向に伸びる高弾性と低弾
性の帯状樹脂領域部を形成する場合は、図2に示すペレ
ット散布装置を使用すれば良い。
【0055】同図において、ペレット散布装置は、ベル
ト(3) の幅方向に配置されかつ並列する2つの長いホッ
パ(6)(7)を備えていて、両ホッパ(6)(7)のそれぞれ下端
開口部に、全長にわたって窪みもしくは溝よりなる凹部
(8a)(9a)を有するペレット供給用ロール(8)(9)が配置さ
れている。ロール(8)(9)の下側には、さらに共通のペレ
ット供給用シュート(10)が配置されている。
【0056】これらのホッパ(6)(7)に、それぞれ高弾性
用発泡性ペレットAと低弾性用発泡性ペレットBとを投
入した後、2つのロール(8)(9)を交互に回転させ、ベル
ト(3) 上にペレットAとBを交互に落下させて、散布す
る。その結果、ベルト(3) 上には、ベルト(3) の幅方向
に伸びる高弾性用発泡性ペレットAの帯状領域部(11a)
と、低弾性用発泡性ペレットBの帯状領域部(11b) とが
一定間隔で、交互に形成される。
【0057】つぎに、本発明の方法では、散布後のすべ
てのペレットA,Bを加熱して、ペレット同士を融着さ
せると同時に発泡させることにより、相対的に異なる弾
性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる複数の帯状樹脂
領域部を備えかつこれらの帯状樹脂領域部が一体に成形
された熱可塑性樹脂発泡体を得るものである。
【0058】従って、上記図1に示すペレット散布装置
を使用した場合には、図3aに示すように、本発明の方
法により得られる熱可塑性樹脂発泡体(12)は、左右両側
に高弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる2つの帯
状樹脂領域部(15a)(15a)を備え、かつ中央に低弾性率を
有する発泡熱可塑性樹脂よりなる1つの帯状樹脂領域部
(15b) を備えている。
【0059】これに対し、上記図2に示すペレット散布
装置を使用した場合には、図3bに示すように、本発明
の方法により得られる熱可塑性樹脂発泡体(13)は、高弾
性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる帯状樹脂領域部
(16a) と、低弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる
帯状樹脂領域部(16b) とを交互に備えている。
【0060】なおこのように、本発明の方法において、
図1に示すように、高弾性用発泡性ペレットAの帯状領
域部(5a)と、低弾性用発泡性ペレットBの帯状領域部(5
b)とは、ベルト(3) 上において両ペレットA,Bの流れ
方向(X) に沿うものであってもよく、あるいはまた図2
に示すように、高弾性用発泡性ペレットAの帯状領域部
(11a) と、低弾性用発泡性ペレットBの帯状領域部(11
b) とは、両ペレットA,Bの流れ方向(X) と直交する
方向すなわちベルト(3) の幅方向であっても良い。
【0061】さらに、ペレットA,Bの帯状の領域部(5
a)(5b)(11a)(11b)は、適宜の間隔を隔てゝ複数形成され
ていてもよく、その場合、帯状領域部同士の間隔は、一
定間隔であっても良いし、一定間隔でなくても良い。
【0062】また、上記未発泡の熱可塑性樹脂ペレット
A,Bの加熱方法としては、任意のものが採用され、例
えば熱風循環型のものや、遠赤外線加熱型のものが挙げ
られる。
【0063】加熱温度としては、用いた発泡剤の分解温
度から分解温度の30℃上の温度までの間で設定されて
いることが望ましい。これは、あまり急激な発泡によっ
て発泡後の発泡体のセル構造が乱れるのを避けるためで
ある。
【0064】発泡体を冷却する方法は、特に限定され
ず、例えば冷却ロールで行なう方法、冷却板により冷却
を行なう方法、あるいは冷却板の間を摩擦しながら通過
することにより冷却する方法等が挙げられる。
【0065】また、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の厚み
を規制するには、例えばテトラフルオロエチレン樹脂な
どからなる無端搬送ベルトやプレス等を用いて、発泡体
の厚み規制を行なえば良い。
【0066】つぎに、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製
造方法を、図4を参照して、具体的に説明する。
【0067】図4は、本発明の方法を実施する熱可塑性
樹脂発泡体の製造プロセスが略図的に示されている。
【0068】同図において、第1の無端搬送ベルト(21)
が4つのローラ(22)〜(25)間に架け渡されており、これ
らのローラ(22)〜(25)のいずれかがモータ等の回転駆動
源(図示略)に動力伝達機構を介して接続されていて、
その駆動力により第1無端搬送ベルト(21)は、図示の矢
印(P) の方向に回動する。また、この第1無端搬送ベル
ト(21)の上方に、第2の無端搬送ベルト(26)が4つのロ
ーラ(27)〜(30)に架け渡されて配置されている。これら
のローラ(27)〜(30)のいずれかがモータ等の回転駆動源
(図示略)に動力伝達機構を介して接続されていて、そ
の駆動力により第2無端搬送ベルト(26)は図示の矢印
(Q) の方向に移動する。
【0069】従って、第1の無端搬送ベルト(21)と、第
2の無端搬送ベルト(26)との対向部分(R) では、両無端
搬送ベルト(21)(26)の直線部(21a)(26a)が、共に矢印
(X) の方向に移動し、ペレットA,Bも両搬送ベルト(2
1)(26)の直線部(21a)(26a)に沿って矢印(X) の方向に流
されることになる。
【0070】下側の第1無端搬送ベルト(21)の第1ロー
ラ(22)の上方近くには、ペレット散布装置(31)が、該無
端搬送ベルト(21)の上部直線部(21a) を上からのぞむよ
うに配置されている。ペレット散布装置(31)は、例えば
前述した図1または図2に示す装置により構成されてい
る。
【0071】このペレット散布装置(31)から第1無端搬
送ベルト(21)の上部直線部(21a) の上面に、発泡剤を含
む未発泡の熱可塑性樹脂ペレット(32)が散布される。こ
の散布は、図1と図2を参照して説明したいずれかの方
法に従って行なう。
【0072】これによって、無端搬送ベルト(21)の上面
に、ベルト(21)の上部直線部(21a)の搬送方向すなわち
ペレットの流れ方向(X) またはそれに直交する方向に少
なくとも1つの帯状の領域が形成されるように、未発泡
の熱可塑性樹脂ペレット(32)が散布される。
【0073】散布された未発泡の熱可塑性樹脂ペレット
(32)は、ついで加熱炉(33)内に送り込まれる。加熱炉(3
3)内においては、未発泡の熱可塑性樹脂ペレット(32)
が、これに含まれる熱分解型発泡剤の分解温度以上に加
熱され、それによって熱可塑性樹脂ペレット(32)(32)同
士が融着するとともに、発泡剤の分解により発泡が開始
される。
【0074】そして、加熱炉(33)から排出されるまでの
間に、上記ペレット(32)(32)同士が完全に融着し、発泡
体(34)が成形される。さらに、加熱装置(33)の下流側に
配置された冷却装置(35)において、上記のようにして成
形された熱可塑性樹脂発泡体(34)が冷却され、搬送方向
前端部のローラ(25)(29)同士の間から発泡体(34)が取り
出される。
【0075】なお、上記第1および第2無端搬送ベルト
(21)(26)の直線部(21a)(26a)の対向部分(R) の間隔(t)
は、上記熱可塑性樹脂発泡体(34)の厚みを規制するため
に、所期の発泡体の厚みに応じて定められる。すなわ
ち、図4に示す装置では、第1および第2無端搬送ベル
ト(21)(26)の直線部(21a)(26a)が厚み規制体を構成して
いるため、加熱炉(33)内で発泡形成されるに際し、得ら
れる発泡体の厚みが所望の厚みとなるように、間隔(t)
が設定される。
【0076】なお、上記第1および第2無端搬送ベルト
(21)(26)は、熱可塑性樹脂発泡体(34)との離型性に優れ
た材料、例えばテトラフルオロエレチン樹脂によりつく
られていることが好ましい。
【0077】また、加熱炉(33)は、適宜の加熱装置によ
り構成することができるが、熱可塑性樹脂ペレット(32)
が無端搬送ベルト(21)(26)の直線部(21a)(26a)間に挾ま
れているため、加熱をより効果的に行なうには、加熱炉
(33)を、遠赤外線加熱炉よりも、熱風加熱装置により構
成することが好ましい。またより好ましくは、両無端搬
送ベルト(21)(26)の直線部(21a)(26a)の対向部分(R) に
至る前に、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(32)を遠赤外線
装置(図示略)を用いて予備加熱したり、第1の無端搬
送ベルト(21)に加熱ロール(図示略)を接触させておい
て、該ベルト(21)を加熱することにより、熱可塑性樹脂
ペレット(32)を予備加熱しておくと、さらに効果的であ
る。
【0078】また、上記冷却装置(35)における冷却は、
例えば両無端搬送ベルト(21)(26)の外側から空冷、水冷
等の適宜の冷却手段を施すことによって行なうが、これ
は冷却板を無端搬送ベルト(21)(26)の背面から接触させ
ることにより行なってもよい。
【0079】成形された熱可塑性樹脂発泡体(34)は、熱
可塑性樹脂の融点もしくは軟化点以下まで冷却すれば良
いが、冷却装置(35)により常温付近まで冷却すると、両
無端搬送ベルト(21)(26)からの発泡体の剥離を円滑に行
なうことができるので、好ましい。
【0080】(作用)請求項1記載の発明によれば、熱
可塑性樹脂発泡体(34)は、相対的に異なる弾性率を有す
る発泡熱可塑性樹脂よりなる複数の帯状樹脂領域部が並
列状に備えられ、これらの帯状樹脂領域部が一体に成形
されていることにより、例えば部分的に切削性が異なる
熱可塑性樹脂発泡体(34)を得ることができる。
【0081】また請求項2記載の発明によれば、発泡剤
を含む未発泡の高弾性用熱可塑性樹脂ペレットAと、発
泡剤を含む未発泡の低弾性用熱可塑性樹脂ペレットBと
を、それぞれのペレットが少なくとも1つの帯状の領域
部を連続して形成するようにかつ並列状に散布し、つぎ
に散布後のすべてのペレットを加熱して、ペレット同士
を融着させると同時に発泡させることにより、部分的に
弾性率が異なるすなわち例えば部分的に切削性が異なる
熱可塑性樹脂発泡体(34)を、連続的に効率よく生産する
ことができる。
【0082】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0083】実施例1 本発明の方法により、熱可塑性樹脂発泡体を製造した。
【0084】まず下記表1に示す配合の未発泡熱可塑性
樹脂ペレットを製造する。
【0085】すなわち、未発泡の高弾性用ペレットAと
低弾性用ペレットBを得るために、高密度ポリエチレン
(三菱化学社製、商品名:EY−340、MI=1.
5、弾性率=10000kg/cm2 )、ポリプロピレ
ン(三菱化学社製、商品名:MA−3、MI=11、弾
性率=14000kg/cm2 )、シラングラフトポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:XPM−880H
M、MI=11、弾性率=16000kg/cm2 )、
アゾジカルボンアミド、および炭酸カルシウム(平均粒
径3μm)を、表1に示す所定の割合で、それぞれ直径
50mmの単軸押出機に供給した。
【0086】押出機(図示略)において配合物を180
℃で溶融混練し、シート状に押し出し、ついでこれらを
冷却した。得られた高弾性用及び低弾性用の未発泡熱可
塑性樹脂シートは、いずれも厚み0.8mm、幅5mm
であった。これらのシートを長さ5mmに切断し、98
℃の水中に1時間浸漬後、放置して乾燥し、高弾性用ペ
レットAと低弾性用ペレットBを得た。
【0087】つぎに、図4に示す装置を使用して、熱可
塑性樹脂発泡体を製造した。
【0088】なお、図4におけるペレット散布装置(31)
としては、図1に示すペレット散布装置を用いた。
【0089】まず図1に示す装置のホッパ(1) の中央ホ
ッパ部分(1b)に、低弾性用発泡性ペレットBを投入する
とともに、左右両側のホッパ部分(1a)(1a)に、高弾性用
発泡性ペレットAを投入した。
【0090】つぎに、ロール(2) を回転させ、図4に示
す無端搬送ベルト(21)(これは図1のベルト(3) に対応
する)の上部直線部(21a) 上にペレットA,Bを散布
し、該ベルト直線部(21a) 上に、中央の低弾性用発泡性
ペレットBの帯状領域部(5b)と、左右両側の高弾性用発
泡性ペレットAの帯状領域部(5a)(5a)とを形成した。
【0091】ここで、散布量の割合は、中央の低弾性用
発泡性ペレットBの帯状領域部(5b)を600g/m2
左右両側の高弾性用発泡性ペレットAの帯状領域部(5a)
(5a)を800g/m2 とした。また散布幅は、中央のペ
レットBの帯状領域部(5b)を800mm、左右両側のペ
レットAの帯状領域部(5a)(5a)を100mmとした。
【0092】第1および第2無端搬送ベルト(21)(26)と
しては、ガラス繊維補強テトラフルオロエチレン樹脂製
ベルト(中興化成社製)を用い、両ベルト(21)(26)の速
度は1m/分とした。
【0093】そして、加熱炉(33)でペレットを220℃
に加熱し、発泡させて成形し、発泡体を得た後、これを
冷却装置(35)により30℃に冷却し、最終的に図3aに
示す発泡体(12)を得た。
【0094】得られた発泡体(12)は、ペレットの流れ方
向(X) に平行に延びるように、左右両側に高弾性率を有
する発泡熱可塑性樹脂よりなる2つの帯状樹脂領域部(1
5a)(15a)を備え、かつ中央に低弾性率を有する発泡熱可
塑性樹脂よりなる1つの帯状樹脂領域部(15b) を備えて
いた。
【0095】発泡体(12)の幅は、左右両側の高弾性率の
帯状発泡樹脂領域部(15a)(15a)がそれぞれ101mm、
中央の低弾性率の帯状発泡樹脂領域部(15b) が805m
mであった。
【0096】なおこのとき、第1無端搬送ベルト(21)と
第2無端搬送ベルト(26)との対向部分(R) において、冷
却装置(35)における両無端搬送ベルト(21)(26)の直線部
(21a)(26a)のクリアランス(t) を6mmとしたところ、
発泡体(34)の厚みは約5mmとなった。
【0097】上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発
泡体(12)の高弾性率の帯状発泡樹脂領域部(15a)(15a)
と、低弾性率の帯状発泡樹脂領域部(15b) との各部分の
発泡倍率及び弾性率を測定し、得られた結果を表2に示
した。
【0098】なお、弾性率を測定するための引張試験
は、JIS規格のK6767に規定されるポリエチレン
フォーム試験方法に準じて行なった。
【0099】実施例2 本発明の方法により、上記実施例1の場合と同様にして
熱可塑性樹脂発泡体を製造した。ここで、実施例1の場
合と異なる点は、図4におけるペレット散布装置(31)と
して図2に示すペレット散布装置を用いた点にある。
【0100】そして、第1ホッパ(6) 側に高弾性用ペレ
ットAを、第2ホッパ(7) 側に低弾性用ペレットBを投
入した。つぎに第1ロール(8) を回転させて高弾性用ペ
レットAを散布後、該ロール(8) を停止し、ついで第2
ホッパ(7) 側のロール(9) を回転させて低弾性用ペレッ
トBを散布した。以下、同様に第1および第2ロール
(8)(9)によるペレットA,Bの散布を繰り返して、無端
搬送ベルト(21)の上部直線部(21a) 上にペレットA,B
を散布し、該ベルト直線部(21a) 上に、幅方向に伸びる
高弾性用ペレットAの帯状領域部(11a) と、低弾性用ペ
レットBの帯状領域部(11b) とを一定間隔で、交互に形
成した。
【0101】なお、第1および第2ロール(8)(9)の回転
速度の比は1:1であった。散布量の割合は、第1ロー
ル(8) を回転させたときが800g/m2 であり、第2
ロール(9) を回転させたときが600g/m2 であっ
た。
【0102】そして、上記実施例1の場合と同様に、加
熱炉(33)でペレットを加熱し、発泡させて成形し、発泡
体を得た後、これを冷却装置(35)により冷却し、最終的
に図3bに示す発泡体(13)を得た。
【0103】得られた発泡体(13)は、幅方向に伸びる高
弾性率の帯状発泡樹脂領域部(16a)と、低弾性率の帯状
発泡樹脂領域部(16b) とを交互に備えていた。
【0104】発泡体(13)の幅は、高弾性率の帯状発泡樹
脂領域部(16a) と、低弾性率の帯状発泡樹脂領域部(16
b) とが、いずれも1000mmであった。
【0105】上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発
泡体(13)の高弾性率の帯状発泡樹脂領域部(16a) と、低
弾性率の帯状発泡樹脂領域部(16b) との各部分の発泡倍
率及び弾性率を、上記実施例1の場合と同様に測定し、
得られた結果を表2にまとめて示した。
【0106】実施例3 本発明の方法により、上記実施例2の場合と同様にして
熱可塑性樹脂発泡体を製造した。ここで、実施例2の場
合と異なる点は、図2に示すペレット散布装置において
第1および第2ロール(8)(9)の回転速度の比は4:3と
した点にある。
【0107】その他の点は、実施例2の場合と同様にし
て、最終的に図3bに示す熱可塑性樹脂発泡体(13)を
得、得られた発泡体(13)について発泡倍率及び弾性率を
同様に測定し、その結果を表2にあわせて示した。
【0108】比較例1 比較のために、上記実施例1の場合と同様に行なうが、
図1に示すペレット散布装置のホッパ(1) の全ての部分
に低弾性用ペレットBを投入し、その散布量を600g
/m2 とした。その他の点は、実施例1の場合と同様に
実施したところ、全体として均一な弾性率を有する熱可
塑性樹脂発泡体が得られた。この発泡体についても、発
泡倍率及び弾性率を同様に測定し、その結果を表2に示
した。
【0109】比較例2 比較のために、上記実施例1の場合と同様に行なうが、
図1に示すペレット散布装置のホッパ(1) の全ての部分
に高弾性用ペレットAを投入し、その散布量を800g
/m2 とした。その他の点は、実施例1の場合と同様に
実施したところ、全体として均一な弾性率を有する熱可
塑性樹脂発泡体が得られた。この発泡体についても、発
泡倍率及び弾性率を同様に測定し、その結果を表2に示
した。
【0110】
【表1】
【表2】 上記表2から明らかなように、実施例1〜3では、部分
的に高弾性率の帯状発泡樹脂領域部(15a)(16a)と、低弾
性率の帯状発泡樹脂領域部(15b)(16b)を有する熱可塑性
樹脂発泡体(12)(13)が得られていることが分かる。そし
て、これらの発泡体(12)(13)は、高弾性率の帯状発泡樹
脂領域部(15a)(16a)の切削性が良好であり、かつ低弾性
率の帯状発泡樹脂領域部(15b)(16b)の存在により発泡体
(12)(13)全体としての重量が軽かった。
【0111】これに対し、比較例1の発泡体は、低弾性
率の発泡樹脂のみによって構成されているため、切削性
が悪いという欠点があった。また比較例2の発泡体は、
高弾性率の発泡樹脂のみによって構成されているため、
切削性は良いものゝ、重量が非常に重いという欠点があ
った。
【0112】
【発明の効果】本発明は、上述の次第で、請求項1記載
の発明によれば、熱可塑性樹脂発泡体は、相対的に異な
る弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂よりなる複数の帯状
樹脂領域部が並列状に備えられ、これらの帯状樹脂領域
部が一体に成形されていることにより、例えば屋上断熱
材や床用断熱材のように、一部のみに切削性を必要する
用途の熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
【0113】また請求項2記載の発明によれば、発泡剤
を含む未発泡の高弾性用熱可塑性樹脂ペレットAと、発
泡剤を含む未発泡の低弾性用熱可塑性樹脂ペレットBと
を、それぞれのペレットが少なくとも1つの帯状の領域
部を連続して形成するようにかつ並列状に散布し、つぎ
に散布後のすべてのペレットを加熱して、ペレット同士
を融着させると同時に発泡させることにより、部分的に
弾性率が異なるすなわち部分的に切削性が異なってい
て、一部のみに切削性を必要とする用途の熱可塑性樹脂
発泡体を、連続的に効率よく生産することができ、この
ような発泡体を市場に安価に供給し得るという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において用いる発泡性熱可塑性樹
脂ペレット散布装置の一例を示す斜視図である。
【図2】同ペレット散布装置の他の一例を示す斜視図で
ある。
【図3】図3aは、本発明による熱可塑性樹脂発泡体の
一例を示す概略平面図で、熱可塑性樹脂ペレットの流れ
方向Xが一緒に図示されている。図3bは、本発明によ
る熱可塑性樹脂発泡体の他の一例を示す概略平面図で、
熱可塑性樹脂ペレットの流れ方向Xが一緒に図示されて
いる。
【図4】本発明の方法を実施する装置の全体を示す概略
側面図である。
【符号の説明】
A:高弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレット B:低弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレット 1:ホッパ 1a:ホッパ内の仕切られた部分 1b:ホッパ内の仕切られた部分 2:ペレット供給用ロール 2a:凹部 3:無端搬送ベルト 4:仕切板 5a:高弾性用ペレットの帯状領域部 5b:低弾性用ペレットの帯状領域部 6、7:ホッパ 8、9:ペレット供給用ロール 8a、9a:凹部 10:ペレット供給用シュート 11a:高弾性用ペレットの帯状領域部 11b:低弾性用ペレットの帯状領域部 12、13:熱可塑性樹脂発泡体 15a:高弾性率を有する帯状樹脂領域部 15b:低弾性率を有する帯状樹脂領域部 16a:高弾性率を有する帯状樹脂領域部 16b:低弾性率を有する帯状樹脂領域部 21:第1の無端搬送ベルト 21a:直線部 22〜25:ローラ 26:第2の無端搬送ベルト 26a:直線部 27〜30:ローラ 31:ペレット散布装置 32:発泡性熱可塑性樹脂ペレット 33:加熱炉 34:熱可塑性樹脂発泡体 35:冷却装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に異なる弾性率を有する発泡熱可
    塑性樹脂よりなる複数の帯状樹脂領域部が並列状に備え
    られ、これらの帯状樹脂領域部が一体に成形されている
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 相対的に高い弾性率を有する発泡熱可塑
    性樹脂を形成する高弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレット
    Aと、相対的に低い弾性率を有する発泡熱可塑性樹脂を
    形成する低弾性用発泡性熱可塑性樹脂ペレットBとを、
    それぞれのペレットが少なくとも1つの帯状の領域部を
    連続して形成するようにかつ並列状に散布し、ついで散
    布後のすべてのペレットを加熱して、ペレット同士を融
    着させると同時に発泡させることにより、熱可塑性樹脂
    発泡体を得ることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性
    樹脂発泡体の製造方法。
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