JP2000135721A - 凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法及び製造装置

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JP2000135721A
JP2000135721A JP10269996A JP26999698A JP2000135721A JP 2000135721 A JP2000135721 A JP 2000135721A JP 10269996 A JP10269996 A JP 10269996A JP 26999698 A JP26999698 A JP 26999698A JP 2000135721 A JP2000135721 A JP 2000135721A
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cooling
foam
foamable
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Michiaki Sasayama
道章 笹山
Satoyuki Kobayashi
智行 小林
Yoshine Takeda
美稲 竹田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧縮性能が優れ、緩衝性に優れた凹凸状熱可塑
性樹脂発泡体を、簡便に高い生産性をもって連続的に製
造する方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略
均一に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、
発泡剤含有発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連
結されている、融点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂
からなるものであってもよい、発泡性熱可塑性樹脂シー
ト状体1を、一対の無端搬送ベルト21,22間に供給
する工程と、前記発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡さ
せる工程と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体を、
該シート状体が完全充填される間隔よりも大きい間隔を
有する冷却装置28で冷却することを特徴とする凹凸状
熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮性能が優れ、
緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の、比較的簡
便でかつ生産性の高い製造方法及び製造装置に関し、よ
り詳細には、厚さ方向の疑似的な一次元発泡を可能とす
る発泡性熱可塑性樹脂シート状体を用いた、凹凸状熱可
塑性樹脂発泡体の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は軽量であり、緩衝
性に優れているため、屋上断熱材、車両用天井材もしく
は床用断熱材などの各種断熱材、緩衝材、浮揚材または
異形成形体等において幅広く用いられている。このよう
な熱可塑性樹脂発泡体の製造方法として、熱分解型発泡
剤を含有している、例えば発泡性熱可塑性樹脂シートを
加熱・発泡させて熱可塑性樹脂発泡体を得る方法が広く
用いられている。この発泡性熱可塑性樹脂シートの発泡
に際しては、内部に含有されている発泡剤が分解するこ
とにより発生するガスの圧力により発泡が行われる。
【0003】従って、発泡性熱可塑性樹脂シートは、通
常、ほぼ3次元的に均等に発泡・膨脹するので、熱可塑
性樹脂発泡体の製造、特に長尺状の発泡体を連続的に製
造する場合は、幅方向及び長手方向の膨張によるしわの
発生等に対応する必要があり例えば発泡体の巻き取りに
際し、発泡による長手方向の膨張分に応じて発泡性熱可
塑性樹脂シートの巻取り速度を繰り出し速度に比べて速
め、かつ幅方向の膨張分に応じて発泡体を幅方向に拡幅
する必要があった(特公昭48−9955号公報参
照)。しかしこの方法では、連続的に生産されている熱
可塑性樹脂発泡体を幅方向に拡幅するために複雑な冶具
及び工程を必要とし、更に得られた発泡体において幅方
向両端部分を除去したりする必要が生じる等、発泡体の
生産性が低下するという問題があった。
【0004】一方、特開平7ー16856号公報には、
発泡剤含有発泡性熱可塑性樹脂よりなるペレットを搬送
ベルト上に散布し、予め搬送ベルトの上方を他の搬送ベ
ルトで規制し、下方の搬送ベルトと上方の搬送ベルトと
の間で該発泡性ペレットを加熱により発泡・膨張させて
融着一体化し、シート状の熱可塑性樹脂発泡体を得る方
法が開示されている。この方法においても、発泡性熱可
塑性樹脂は発泡に際して3次元的に膨張するが、発泡性
ペレットは、搬送ベルト上において2次元的には不連続
に配置されており、厚さ方向において擬似的な一次元発
泡の形態で樹脂が発泡することにより発泡体が得られる
ため、幅方向や長手方向に拡幅もしくは延伸する必要が
ない点で好ましい。しかしこの方法では、擬似的な1次
元的発泡の形態で発泡を行う為に、発泡により生じる膨
張分に対応する空間を予め設定する必要があり、このた
めに発泡性熱可塑性樹脂ペレット等の散布状態を極めて
精度よくコントロールしなければならず、従って発泡性
ペレットを非常に高精度に散布する装置を必要とすると
いう工業生産上の大きな問題点があった。
【0005】上記従来の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
等に関する問題点を解決すべく、本出願人は先に、厚さ
方向の疑似的な一次元発泡を可能とする発泡性熱可塑性
樹脂シート状体を用いた発泡体の製造方法を提案(特開
平10ー15972号公報参照)した。この方法は、一
対の無端搬送ベルト間で発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を発泡させる工程と、発泡により得られた発泡体を冷却
する工程とを備えたものであり、発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体が発泡する過程で一旦凹凸形状を呈するが、そ
の後に冷却装置にて押圧し完全充填として平板状の発泡
体を得ており、これにより、厚さ精度や表面性状が良好
で安定な品質の熱可塑性樹脂発泡体を高い生産性をもっ
て製造することを可能とした。
【0006】しかし、近年、上記のような用途に用いら
れる発泡体では、更に高い圧縮性能を備えていることの
要請が高まっているが、厚さ精度等の品質に優れ且つ高
い圧縮性能を備えた熱可塑性樹脂発泡体を複雑な装置・
工程によらず高い生産性をもって製造し得る方法は未だ
知られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、圧縮性
能が高く緩衝性に優れた熱可塑性樹脂発泡体を得るため
に、表面に凹凸を有する凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製
造方法を鋭意検討した。例えば、上記特公昭48−99
55号公報記載の如き従来方法で得られた平板状熱可塑
性樹脂発泡体に熱プレス等で凹凸状に後加工を施すこと
は可能であるが、前記平板状発泡体が厚さ方向に均質な
熱可塑性樹脂発泡体であるため、得られる凹凸状熱可塑
性樹脂発泡体も圧縮強度に欠けるという問題点があっ
た。
【0008】また、特開平7ー16856号公報記載の
製造方法は、上述の如く擬似的な一次元発泡の形態で樹
脂が発泡することにより発泡体が得られるため、直接凹
凸状熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる可能性を有
するものの、凹凸に対応した発泡性ペレットの配置・散
布を極めて高精度に行わねばならず、やはり、生産性の
点で問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記した問題点を解消
し、圧縮性能が優れ、緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性樹
脂発泡体を、簡便に高い生産性をもって連続的に製造す
る方法及び製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂粒状
体が平面的に略均一に配置され、個々の発泡性熱可塑性
樹脂粒状体が、発泡剤が含有されている発泡性熱可塑性
樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑
性樹脂シート状体を、一対の無端搬送ベルト間に供給す
る工程と、前記発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させ
る工程と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体を、該
シート状体が完全充填される間隔よりも大きい間隔を有
する冷却装置で冷却することを特徴とする凹凸状熱可塑
性樹脂発泡体の製造方法である。
【0011】請求項2記載の本発明は、冷却装置の間隔
が、得られる凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の発泡膨張する
熱可塑性樹脂シート状体が完全充填される間隔に対して
更に10%〜50%大きい間隔を有している請求項1記
載のの凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法である。
【0012】請求項3記載の本発明は、融点の異なる二
種類以上の熱可塑性樹脂に発泡剤が含有されている、発
泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置され、
個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤が含有され
ている発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結さ
れている発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、一対の無端
搬送ベルト間に供給する工程と、前記発泡剤の分解温度
以上に加熱し発泡させる工程と、発泡膨張する熱可塑性
樹脂シート状体をベルトを介して冷却する第1の冷却工
程と、その後、シート状体が完全充填される間隔より大
きい間隔を有する冷却装置で冷却しつつ押圧することに
より、シート状体の高さを規制すると共に表面に凹凸を
形成する第2の冷却工程とを備えた製造方法であって、
第1の冷却工程において、前記の熱可塑性樹脂の低い方
の融点以上かつ高い方の融点以下の樹脂温度範囲にまで
冷却することを特徴とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の
製造方法である。
【0013】請求項4記載の本発明は、発泡剤を含有し
ている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に
配置され、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤
を含有している発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的
に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シ−ト状体を、一
対の無端搬送ベルト間に供給する手段と、発泡剤の分解
温度以上に加熱し発泡させる手段と、発泡膨張する熱可
塑性樹脂シート状体が完全充填される間隔よりも大きい
間隔を有する冷却手段とを備えた製造装置であって、発
泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体を前記冷却手段で冷
却するようになされていることを特徴とする凹凸状熱可
塑性樹脂発泡体の製造装置である。
【0014】請求項5記載の本発明は、融点の異なる二
種類以上の熱可塑性樹脂に発泡剤が含有されている、発
泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置され、
個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤が含有され
ている発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結さ
れている発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、一対の無端
搬送ベルト間に供給する手段と、前記発泡剤の分解温度
以上に加熱し発泡させる手段と、発泡膨張する熱可塑性
樹脂シート状体をベルトを介して冷却する第1の冷却手
段と、その後、シート状体が完全充填される間隔以上の
間隔を有する冷却装置で冷却しつつ押圧することによ
り、シート状体の高さを規制すると共に表面に凹凸を形
成する第2の冷却手段とを備えた製造装置であって、第
1の冷却装置において、前記の熱可塑性樹脂の低い方の
融点以上かつ高い方の融点以下の樹脂温度範囲にまで冷
却するようになされていることを特徴とする凹凸状熱可
塑性樹脂発泡体の製造装置である。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明においては、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
脂シート状体として、上記のように発泡性熱可塑性樹脂
粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結
されているものが用いられる。
【0016】〔熱可塑性樹脂〕上記発泡性熱可塑性樹脂
シート状体に用いられる熱可塑性樹脂、従って本発明の
製造方法、製造装置により得られる熱可塑性樹脂発泡体
を構成することとなる熱可塑性樹脂としては、特に限定
されるものではない。
【0017】このような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン(以下「ポリエチレン」とは「低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、またはこれらの混合物をいう。)、ランダ
ムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポ
リプロピレン(以下「ポリプロピレン」とは「ランダム
ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリ
プロピレン、またはこれらの混合物をいう。)等のオレ
フィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、及び、これらの共重合体等が挙げられ、単独で用い
られても、併用されてもよい。
【0018】請求項3又は5の如く、融点の異なる二種
類以上の熱可塑性樹脂二種類以上が併用された場合は、
冷却が効果的に行われて凹凸形状が良好に形成される等
の点で好ましい。
【0019】上記熱可塑性樹脂の中でも、凹凸形状を形
成しやすい、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフ
ィン系樹脂の混合物が好ましく、高い圧縮強度を発現で
きる高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレンまたはこ
れらの少なくとも一方を含むの混合物が特に好ましい。
【0020】上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体に用いられ
る熱可塑性樹脂と、発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用いられ
る熱可塑性樹脂とは、同一の樹脂である必要性はない
が、発泡性及び接着性等の観点から同種の樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0021】融点の異なる熱可塑性樹脂を用いる場合
は、低い方の融点と高い方の融点の差は、余り小さいと
成形条件の選定が困難となる為、20℃以上が好まし
い。上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体に用いられる熱
可塑性樹脂は必要に応じて架橋されてもよい。この場
合、本発明における樹脂の融点温度とは、架橋前の樹脂
の融点温度をいうものとする。架橋された熱可塑性樹脂
を用いることにより、発泡倍率の向上及び得られる凹凸
状熱可塑性樹脂発泡体の軽量化を図り得るため、架橋さ
れたものを用いることが好ましい。
【0022】架橋方法としては、特に限定されず、例え
ば、(1)シラングラフト重合体を熱可塑性樹脂に溶融
混練後、水処理を行い、架橋する方法、(2)過酸化物
を、熱可塑性樹脂に過酸化物の分解温度より低い温度で
溶融混練後、過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋す
る方法、(3)放射線を照射して架橋する方法等が挙げ
られる。
【0023】上記発泡性熱可塑性樹脂は、上述したよう
に特に限定されないが、発泡剤と、互いに、殆ど相溶性
を有しない高架橋樹脂組成(A)と低架橋叉は無架橋樹
脂組成(B)の混合物よりなる。この場合、発泡時に低
架橋もしくは無架橋樹脂が流動し易いので、得られる凹
凸状熱可塑性樹脂発泡体の凹凸部が形成しやすいので特
に好ましい。
【0024】本発明の高架橋樹脂組成(A)と低架橋叉
は無架橋樹脂組成(B)における高架橋、低架橋とは双
方の架橋度の大小により決定される相対的な物であり、
2つの架橋樹脂組成のうち、高架橋の樹脂組成を高架橋
樹脂組成(A)といい、他方を低架橋叉は無架橋樹脂組
成(B)というものとする。
【0025】高架橋樹脂組成(A)は、樹脂成分
(A’)を主成分とする樹脂組成であり、低架橋叉は無
架橋樹脂組成(B)は、樹脂成分(B’)を主成分とす
る樹脂組成である。したがって、殆ど相溶性を有しな
い、高架橋樹脂組成(A)と低架橋叉は無架橋樹脂組成
(B)の混合物を熱可塑性粒状発泡体を構成する熱可塑
性樹脂として使用する際には、その主成分である樹脂成
分(A’)と樹脂成分(B’)が殆ど相溶性を示さない
ことが必要となる。
【0026】上記した様な殆ど相溶性を有さない2種類
の樹脂成分(A’)(B’)に使用される熱可塑性樹脂
としては、前述した熱可塑性樹脂を用いることが出来る
が、2種類の熱可塑性樹脂の溶解性パラメーターの差が
0.1〜2.0であることが、均一微細な樹脂成分
(A’)と樹脂成分(B’)を形成する上で好ましく、
0.2〜1.5であることが更に好ましい。溶解性パラ
メーターの差が2.0以上であると、樹脂成分(A’)
と樹脂成分(B’)が非常に粗く分散する為、発泡成形
体の発泡倍率低下を生む。一方、溶解性パラメーターの
差が小さいと、2種類の熱可塑性樹脂の相溶性が高くな
り、樹脂成分(A’)と樹脂成分(B’)を形成するこ
とが出来ない。
【0027】上記溶解性パラメーターは、σ=ρΣFi
/Mにより求めたものを言う。ここで、ρは、樹脂成分
の密度、Mは、樹脂成分を構成するモノマーの分子量、
Fiは、モノマーの構成グループのモル吸引定数であ
る。
【0028】上記、2種類の熱可塑性樹脂のメルトイン
デックスの差は、大きくなると、樹脂成分(A’)と樹
脂成分(B’)が非常に粗く分散する為、発泡成形体の
発泡倍率が低下し、小さくなると、2種類の熱可塑性樹
脂の相溶性が高くなり、樹脂成分(A’)と樹脂成分
(B’)を形成する事が出来ない為、3〜15g/10
分の範囲が好ましく、粒径が細かく均一な樹脂成分
(A’)と樹脂成分(B’)が実現でき、高発泡倍率の
発泡成形体が得られる点で、5〜13g/10分が好ま
しく、7〜11g/10分がより好ましい。
【0029】尚、本発明に於けるメルトインデックス
は、JIS K7210に従って、測定されたものを言
う。上記、2種類の熱可塑性樹脂の混合比率は、樹脂成
分(A’)と樹脂成分(B’)が均一に分散し、且つ表
面性に優れた高発泡倍率の発泡成形体を得る為、2:8
〜8:2である事が望ましく、4:6〜6:4が好まし
く、5:5がより好ましい。
【0030】高架橋樹脂組成(A)の架橋度は、高い
と、架橋がかかりすぎ、得られる発泡体の発泡倍率が低
下し、又、低いと発泡時にセルが破泡し、均一なセルが
得られないので、架橋度の指標となるゲル分率で5〜4
0重量%が好ましく、10〜30重量%がより好まし
い。
【0031】低架橋叉は無架橋樹脂組成(B)の架橋度
は、高いと、架橋がかかりすぎ、得られる凹凸状熱可塑
性樹脂発泡体の流動性が低下し、凹凸を形成しにくくな
ることがあるので、架橋度の指標となるゲル分率で5重
量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。な
お、本発明におけるゲル分率とは、架橋樹脂成分を12
0℃のキシレン中に24時間浸漬後の残渣重量の、キシ
レン浸漬前の架橋樹脂成分の重量に対する重量百分率を
いう。
【0032】殆ど相溶性を有さない、高架橋樹脂組成
(A)と低架橋叉は無架橋樹脂組成(B)の混合物を形
成する方法としては、上記した2種類の熱可塑性樹脂を
混合し、樹脂成分(A’)のみに、又は樹脂成分
(B’)より樹脂成分(A’)に優先的に架橋すること
により達成される。
【0033】樹脂成分(A’)のみに、又は樹脂成分
(B’)より樹脂成分(A’)に優先的に架橋する方法
としては、例えば、(1)樹脂成分(A’)にのみ又は
樹脂成分(B’)より樹脂成分(A’)に優先的に架橋
する架橋剤を用いて架橋する方法、(2)第一段階で、
架橋性官能基を有する樹脂成分(A’)と同種の架橋性
樹脂(C)を樹脂成分(A’)と混合し、架橋して、高
架橋樹脂組成(A)を形成させた後、第2段階で、これ
を樹脂成分(B’)と混合する方法及び(3)樹脂成分
(A’)と殆ど同じメルトインデックスを有した架橋性
官能基を有する樹脂成分(A’)と同種の架橋性樹脂
(C)を樹脂成分(A’)及び(B’)と共に混合した
後、架橋させる方法等が挙げられ、粒径が細かく均一な
樹脂成分(A’)、(B’)を形成する事が出来る点、
樹脂成分(A’)を優先的に架橋しやすい点、熱可塑性
粒状発泡体を構成する熱可塑性樹脂を容易に形成出来る
点から、上記(3)が最も好ましい。
【0034】樹脂成分(A’)と殆ど同じメルトインデ
ックスを有した架橋性官能基を有する樹脂成分(A’)
と同種の架橋性樹脂(C)としては、反応性官能基を有
し、樹脂を架橋する事の出来る熱可塑性樹脂であれば特
に限定されない。このような架橋性樹脂(C)として
は、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基等の不
飽和基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ
基、シラノール基、シラネート基等を有する前述した熱
可塑性樹脂が挙げられる。
【0035】架橋性樹脂(C)の具体的な例としては、
マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロ
ピレン、シラン変性ポリエチレン、シラン変性ポリプロ
ピレン等が挙げられる。
【0036】樹脂成分(A’)のみに、又は樹脂成分
(B’)より樹脂成分(A’)に優先的に架橋すること
が容易な点、混合後の架橋が容易な点から、シラン変性
ポリエチレン、シラン変性ポリプロピレンが最も好まし
い。樹脂成分(A’)と架橋性樹脂(C)のメルトイン
デックスの差は、大きいと樹脂成分(A’)のみに、又
は樹脂成分(B’)より樹脂成分(A’)に優先的に架
橋する事が困難になるため、2g/10分以下が好まし
く、1g/10分以下が更に好ましい。
【0037】上記架橋性樹脂(C)を架橋する方法とし
ては、過酸化物を用いて架橋する方法、イソシアネート
を用いて架橋する方法、アミンを用いて架橋する方法、
反応性官能基を加水分解した後水架橋する方法等が挙げ
られる。混合後の架橋が容易な点から、反応性官能基を
加水分解した後水架橋する方法が最も好ましい。
【0038】〔発泡剤〕本発明において、上記発泡性熱
可塑性樹脂シート状体に含有される発泡剤として熱分解
型発泡剤が用いられる。上記発泡性熱可塑性樹脂シート
状体に含有される発泡剤は、用いられる熱可塑性樹脂の
溶融温度より高い分解温度を有する熱分解型発泡剤であ
れば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭
酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、
ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾ
ジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,
N' −ジニトロソペンタメチレンテトラミン,P,P'
−ジニトロソペンタメチレンテトラミン,P,P' −オ
シキビスベンゼンスルホニルヒドラジロ、アゾジカルボ
ン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン等が挙げら
れ、分解温度や分解速度の調整が容易でガス発生量が多
く、衛生上優れたアゾジカルボンアミドが好ましい。
【0039】熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、破泡
し、均一なセルができず、又、少ないと、発泡しないの
で、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜25重量
部が好ましい。
【0040】〔その他添加し得る成分〕発泡体の強度を
高めるために、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発泡
性熱可塑性樹脂薄膜に用いられる上記熱可塑性樹脂に
は、必要に応じて、ガラス短繊維、炭素繊維、ポリエス
テル短繊維等の補強剤;炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、ガラスパウダー等の充填材等を添加してもよ
い。
【0041】
【発明の実施の形態】〔発泡性熱可塑性樹脂シ−ト状
体〕本発明において用いられる上記発泡性熱可塑性樹脂
シ−ト状体について、適宜図面を参照しながら説明す
る。図1は発泡性熱可塑性樹脂シート状体の一例を示す
もので(a)は発泡性熱可塑性樹脂粒状体が格子状に配
置されている平面図、(b)はその縦断面図である。発
泡性熱可塑性樹脂シート状体1は、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体2が発泡性熱可塑性樹脂薄膜3により一体的に連
結されている。言い方を変えれば、上記発泡性熱可塑性
樹脂シート状体1は、発泡性熱可塑性樹脂粒状体6で構
成される柱状突出部が、発泡性熱可塑性樹脂薄膜3の一
方面から突出するように形成されている形状を有する。
図1(b)に示した発泡性熱可塑性樹脂粒状体2の例で
は、その一端すなわち下端側において発泡性熱可塑性樹
脂薄膜3により連結されているが、場合によっては、発
泡性熱可塑性樹脂粒状体2の高さ方向のほぼ中心部にお
いて発泡性熱可塑性樹脂薄膜3により連結されていても
よい。
【0042】また、上記発泡性熱可塑性樹脂樹脂シート
状体1では、発泡性熱可塑性樹脂粒状体2は、図1
(a)に示すように格子状に略均一に配置されている。
上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体2の形状は特に限定され
ず、例えば、六方体状、円柱状、球状体などが挙げられ
るが、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡する際に、発泡
が均一に行われる点で、図1、2に示すように円柱状が
最も好ましい。
【0043】発泡性熱可塑性樹脂粒状体2が円柱状の場
合、その径は、目的とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の
発泡倍率や厚さ等によっても異なる為特に限定されない
が、大きすぎると発泡速度が低下し、小さすぎると発泡
時の加熱で円柱が溶融、変形し、変形しやすく1次発泡
性を発現できなくなり、厚み精度、重量精度のバラツキ
が大きくなる。従って、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円
柱の場合、その径は、1〜30mmが好ましく、2mm
〜20mmの範囲が特に好ましい。
【0044】発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱状の場
合、その高さは、目的とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体
の発泡倍率や厚さ等によっても異なる為特に限定されな
いが、高すぎると発泡速度が低下し、低すぎると発泡性
熱可塑性樹脂薄膜と同時に発泡するため、幅方向、長手
方向において大きく膨張することになる。従って、円柱
状の発泡性熱可塑性樹脂粒状体の高さは、発泡性熱可塑
性樹脂薄膜の厚さを含まない数値として、1〜30mm
が好ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
【0045】発泡性熱可塑性樹脂粒状体間の距離は、目
的とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率や厚さ等
によっても異なる為特に限定されないが、上記距離が長
すぎると発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡した時に充填
不足が大きく発生する可能性があり、短すぎると完全充
填してしまう。従って、発泡性熱可塑性樹脂粒状体間の
中心間距離は、2mm〜50mmが好ましく、3mm〜
30mmが特に好ましい。
【0046】最終的に得られる凹凸状熱可塑性樹脂発泡
体の厚さ精度、重量精度を向上させ、凹凸形状と発泡倍
率を均一化するには、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体
は、発泡性熱可塑性樹脂シート状体において平面的に略
均一に配置されることが必要である。もっとも、熱可塑
性樹脂粒状体を平面的に略均一に配置する態様として
は、特に限定されるものではなく、図1(a)に示した
ような格子状に配置されていてもよく、図2に示すよう
な千鳥状に配置されていてもよい。
【0047】発泡性熱可塑性樹脂粒状体が格子状に配置
されている場合には、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体
が発泡して得られる高発泡体が四角柱の形状となり、凹
凸状熱可塑性樹脂発泡体の緩衝性が均一となり、かつ圧
縮強度も十分な値とされるため、発泡性熱可塑性樹脂粒
状体は格子状に配置されていることが望ましい。また、
発泡性熱可塑性樹脂粒状体が千鳥状に配置されている場
合には、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡して得
られる高発泡体が六角柱の形状となるため、擬似的なハ
ニカム構造を構成することになる。そのため、得られる
凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の緩衝性が均一となり、圧縮
強度も十分なものとなる。従って、より好ましくは、発
泡性熱可塑性樹脂粒状体は、千鳥状に配置される。
【0048】発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚さは、目的と
する熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率や厚さ等によっても
異なるため、特に限定されるものではないが、厚くなり
すぎると、発泡時に発泡性熱可塑性樹脂粒状体の相互の
位置を不測に変化させ、幅方向及び長手方法における膨
張が大きくなり、薄すぎると発泡性熱可塑性樹脂粒状体
を保持できなくなる。従って、発泡性熱可塑性樹脂薄膜
の厚さは、0.05〜3mmが好ましく、0.1〜2m
mが特に好ましい。
【0049】〔発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方
法〕上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方法とし
ては、特に限定されるものではなく、例えば、発泡性熱
可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤な
どを射出成形機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度よ
り低い温度で溶融混練し、発泡性熱可塑性樹脂粒状体の
形状に応じた凹部を有する金型に射出した後に冷却する
方法も勿論可能である。
【0050】しかし、発泡性熱可塑性樹脂シート状体を
構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤などからなる発泡性熱
可塑性樹脂組成物を押出機に供給し、熱分解型発泡剤の
分解温度より低い温度で溶融混練した後、軟化状態のシ
ート状発泡性熱可塑性樹脂を、該シート状発泡性熱可塑
性樹脂の厚さより狭いクリアランスを有し、少なくとも
一方の外周面に多数の凹部が均一に配設された異方向に
回転する一対の賦形ロールに導入し、前記凹部に軟化状
態のシート状発泡性熱可塑性樹脂の一部を圧入した後、
冷却、離型する方法が、金型費用、生産性等の総合的観
点からもっとも好ましい。
【0051】後者の方法を更に詳しく説明する。先ず、
軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を得るには、通
常、押出機により発泡性熱可塑性樹脂を溶融混練押出し
する方法やカレンダーを用いて溶融化する方法が挙げら
れ、押出機を用いた溶融化が連続重量精度、定量性の点
から最も好ましい。軟化状態の発泡性熱可塑性樹脂の形
態は、連続的に成形できる形態であれば特に限定され
ず、シート形態、多数のストランド形態等が挙げられる
が、流れ直角方向(幅方向)の定量性の点からシート形
態がもっとも好ましい。
【0052】賦形ロールの外周面の凹部の配設は、得ら
れる発泡性熱可塑性樹脂シート状体の重量精度、厚み精
度の向上の為、略均一に配置されることが好ましい。賦
形ロールの外周面の凹部の配設は、賦形ロール外周面全
体で均一的にあれば特に限定されないが、より均一であ
るこよから、格子または千鳥に配設されていることが最
も好ましい。賦形ロールの外周面の凹部形状は、特に限
定されず、例えば、六方体状、円柱状、球状体等が挙げ
られるが、凹部を成形し易い点、発泡性熱可塑性樹脂粒
状体を均一に成形しやすい点、冷却後の離型が行い易い
点から円柱が最も好ましい。
【0053】賦形ロールの外周面の凹部の形状が円柱状
であるとき、円柱の径は、目的とする発泡性熱可塑性樹
脂シート状体の形状により変化するため、特に限定され
ないが、大きすぎると冷却後の離型が行い難く、発泡性
熱可塑性樹脂薄膜が破れ、小さすぎると冷却後の離型時
に発泡性熱可塑性樹脂粒状体が破壊するため、1mm〜
30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好まし
い。
【0054】例えば図3において、押出機4に接続され
たTダイ5からシート状に押し出された発泡性熱可塑性
樹脂組成物を、所定のクリアランスを有するように対向
配置された一対の冷却賦形ロール6の間に供給する。該
ロール6は図3に示す如く、表面平滑賦形ロール7と上
記発泡性熱可塑性樹脂粒状体の形状に対応した多数の凹
部8が外周面に設けられたロール9とからなり、該ロー
ル6に供給されたシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物
は、ロール9の凹部8に一部が圧入されて、発泡性熱可
塑性樹脂薄膜3により一体的に連結された発泡性熱可塑
性樹脂粒状体2を形成することとなる。
【0055】ここで、軟化状態のシート状発泡性熱可塑
性樹脂の一部を凹部へ圧入するには、1対の賦形ロール
のクリアランスを変化させないことにより、軟化状態の
シート状発泡性熱可塑性樹脂に賦形ロールからの圧力が
付与されて成し遂げられる。一部を圧入された賦形され
た軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂の冷却方法
は、発泡性熱可塑性樹脂の融点以下に下げることができ
れば、特に限定されず、例えば賦形ロール内部に冷却水
を流すなどの方法がある。
【0056】発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚さは、目的と
する発泡体の発泡倍率・厚さにもより変化するため、特
に限定されないが、厚すぎると発泡時に発泡性熱可塑性
樹脂粒状体を移動させ、幅方向・長手方向の膨脹が大き
くなり、薄すぎると加熱時に発泡性熱可塑性樹脂粒状体
が転倒するため、0.1mm〜3mmが好ましく、0.
2mm〜2mmが特に好ましい。
【0057】〔凹凸状熱可塑性樹脂発泡体〕本発明の製
造方法により得られる凹凸状熱可塑性樹脂発泡体につい
て、その一例を説明するための部分切欠断面図である図
4及びその別の例である図5を参照しながら以下に説明
する。図4において、凹凸状熱可塑性樹脂発泡体10
は、内部11がその表面を低発泡薄膜12と連続発泡層
13により被覆された構成とされている。
【0058】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体1(図
1参照。但し上下逆にして発泡させた状態が図4,5に
対応している)を加熱し発泡させた場合の発泡性熱可塑
性樹脂粒状体2の部分の発泡について考えると、熱可塑
性樹脂粒状体2の外表面は発泡により生じる気泡を保持
し難いため、内部11に比べ発泡倍率が低くなり、低発
泡薄膜12となる。この結果、粒状体2は高い発泡倍率
の内部11の外表面を低発泡薄膜12が被覆した状態と
なる。
【0059】また熱可塑性樹脂シート状体1の粒状体2
を連結している発泡性熱可塑性樹脂薄膜3は、連続発泡
構造となり、この連続発泡層13の上に高発泡体11が
複数配置された状態となる。なお、連続発泡層13も厚
さが薄く、気泡保持が困難になるため低発泡になる。発
泡時はこのような低発泡薄膜同士が互いに近接し熱融着
するが、発泡後に冷却する冷却装置の間隔を、発泡膨張
する熱可塑性樹脂シート状体が完全充填される以上の間
隔に設定することにより、融着が一部分のみ進行し、完
全充填していない凹凸状の熱可塑性樹脂発泡体10が得
られる。
【0060】凹凸状熱可塑性樹脂発泡体10は、一方の
面が凸状に形成された複数の高発泡体11がその側面の
一部で、隣接する高発泡体11と低発泡薄膜12を介し
て接合され、接合されていない部分が空隙14となるこ
とにより凸状を形成している構造となされている。
【0061】図5に示すように、複数の高発泡体11が
一方の表面は凸状に形成され、他方の表面が凹状に形成
されている場合、高い圧縮強度を有すると共に、緩衝性
が更に向上する。凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率
は、低いと軽量性を損ない、高いと圧縮強度が低下する
ので、2〜30倍が好ましく、3〜20倍がさらに好ま
しく、5〜10倍が特に好ましい。凹凸状熱可塑性樹脂
発泡体の厚さは、3〜50mmが好ましく、3〜30m
mがさらに好ましく、5〜10mmが特に好ましい。
【0062】尚、上記の「発泡膨張する熱可塑性樹脂シ
ート状体が完全充填される」とは、図6(d)に示すよ
うに凸部が押圧され平板状の発泡体になることを言う
が、以下この点について説明する。図6(a)〜(d)
は、本発明において用いられる発泡性熱可塑性樹脂シー
トを発泡させる工程を説明するための略図的断面図であ
り、略均一に配設された発泡性熱可塑性樹脂粒状体2
は、発泡性熱可塑性樹脂薄膜3を介して一体的に連結さ
れているので、発泡剤の分解温度以上に加熱すると、図
6(a)及び(b)に示すように、まず熱容量の小さい
発泡性熱可塑性樹脂薄膜3だけが発泡し、熱容量の大き
い発泡性熱可塑性樹脂粒状体2は発泡しない状態とな
る。この場合、発泡した熱可塑性樹脂は発泡していない
発泡性熱可塑性樹脂粒状体により薄膜の面内方向の膨張
を行うことができず、薄膜が波打つことになる。
【0063】この発泡性熱可塑性樹脂薄膜3の発泡後
に、(c)に示すように、発泡性熱可塑性樹脂粒状体間
の隙間を埋めるように発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡
して個々の発泡粒状体となる。この後、完全充填される
間隔の冷却装置を通過することにより、(d)に示すよ
うに凸部が押圧され平板状の発泡体になるのである。
【0064】本発明の完全充填される間隔よりも大きい
間隔は、発泡性熱可塑性樹脂シート状体の発泡倍率、重
量等から計算されるものである。冷却装置の間隔が、発
泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体を完全充填される間
隔に対して更に、10%〜50%大きい間隔を設けられ
るものであればよい。50%以上の場合、得られる凹凸
状熱可塑性樹脂発泡体全体が波打つてしまう又、10%
以下の場合、得られる凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の緩衝
性が低下してしまう。本発明の凸形状平面部の面積率は
発泡体全体の面積における凸形状平面部の合計面積の割
合である。面積率としては、好ましくは、40%以下で
あり、40%以上の場合、緩衝性が発現しにくくなる。
【0065】〔発泡体の製造工程〕図7は、請求項1記
載の本発明の製造方法で用いられる製造装置の一例につ
いて概略構成を示す図である。本製造装置では、一対の
無端搬送ベルト21、22が図の矢印方向に周回されて
いる。すなわち、図面において下側の無端搬送ベルト2
1は、ローラー23a〜23gに図示のように架け渡さ
れており、何れかのローラーが図示しないモーターなど
の回転駆動源に連結されており、それによって無端搬送
ベルト21は図示の矢印方向に周回されている。同様
に、他方の上側の無端搬送ベルト22はローラー24a
〜24gに架け渡されており、これらのローラーのうち
何れかのローラーがモーターなどの図示しない回転駆動
源に連結されており、それによって無端搬送ベルト22
が図示の矢印方向に周回されている。
【0066】無端搬送ベルト21、22は、高温に曝さ
れるため、耐熱性に優れた材料により構成されているこ
とが望ましく、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン
を繊維補強した材料、表面全体にポリテトラフルオロエ
チレン処理した布製ベルト、あるいは繊維ベルトにより
構成することができる。
【0067】また、上記無端搬送ベルト21、22は、
最終的に得られる凹凸状熱可塑性樹脂発泡体との離型性
に優れていることが望ましく、従って、凹凸状熱可塑性
樹脂発泡体を構成するのに用いられる熱可塑性樹脂より
も高い溶融温度を有する材料から構成されることが望ま
しく、たとえば、発泡後の離型性を考慮すると、無機繊
維にポリテトラフルオロエチレンを含浸塗布し、高温に
て焼成してベルト状に加工したものなどを好ましく挙げ
ることができる。上記無端搬送ベルト21、22の上流
には、発泡性熱可塑性樹脂シート状体1を無端搬送ベル
ト21、22間に供給するための繰り出し装置25が設
けられている。
【0068】また、無端搬送ベルト21、22が所定距
離を隔てて上下に対向し合っている搬送領域において
は、下流に向かって、加熱装置27及び冷却装置28が
配置されている。
【0069】上記繰り出し装置25としては、発泡性熱
可塑性樹脂シート状体1を繰り出し得る限り、敵宜の構
造を有するものを用いることができる。たとえば、発泡
性熱可塑性樹脂シート状体を紙管に巻き付け、紙管を巻
き出し治具に取り付け、紙管を回転させることにより、
発泡性熱可塑性樹脂シートを繰り出し得る構造のものを
例示することができる。
【0070】加熱装置27は、発泡性熱可塑性樹脂シー
トを加熱し発泡させるために設けられており、発泡剤の
分解温度以上に発泡性熱可塑性樹脂シートを加熱する様
に構成されている。加熱装置における加熱方法は、特に
限定されず、遠赤外線を利用したもの、熱風を吹き付け
るもの、板状ヒーターなどの適宜のものを用いることが
でき、熱風を吹き付ける形式の加熱装置が加熱均一性及
びコストの総合的観点から好ましい。上記の様に加熱装
置27による加熱温度は、発泡剤の分解温度以上に設定
されることが必要であるが、この場合、発泡剤の分解開
始温度から分解温度よりも30℃高い温度までに設定さ
れていることが望ましい。これは、急激な発泡により発
泡体のセル構造が乱れるのを防止するには、上記温度範
囲に加熱することが望ましいからである。
【0071】また、上記冷却装置28については、発泡
膨張する熱可塑性樹脂シート状体が完全充填される間隔
よりも大きい間隔を有していれば特に限定されず、発泡
体を構成する樹脂の軟化点以下の温度に冷却し得る適宜
の方法を採用することができる。好ましくは、無端搬送
ベルトが対向し合っている搬送領域において、無端搬送
ベルトの背面側から無端搬送ベルト間の発泡体を冷却す
るように構成されているものが採用され、冷却方法につ
いては、空冷式、水冷式の何れであってもよく、また、
冷却板や、冷却ロールを無端搬送ベルトの背面に接触さ
せるものであってもよい。冷却装置による冷却は、発泡
体をその軟化温度以下まで冷却すれば足りるが、好まし
くは、冷却装置により常温付近まで発泡体を冷却するこ
とにより、無端搬送ベルト21、22から凹凸状発泡体
10を容易に剥離することができる。
【0072】次に、図7の装置を用いて請求項1記載の
本発明方法により凹凸状発泡体を製造する具体的な工程
を説明する。先ず、繰り出し装置25から発泡性熱可塑
性樹脂シート状体1を繰り出す。該発泡性熱可塑性樹脂
シート状体1は、無端搬送ベルト21、22間の搬送領
域に供給される。搬送領域では、発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体1が加熱装置27により加熱され、発泡性熱可
塑性樹脂シート状体が発泡し、しかる後完全充填される
間隔より大きい間隙を有する冷却装置28を通過し冷却
されて、表面に凹凸が形成された発泡体10が得られ
る。発泡体は無端搬送ベルト間から下流に送られ、取り
出される。本発明の製造方法では、上記のように特定の
形状の発泡性熱可塑性樹脂シート状体を無端搬送ベルト
間に供給し、加熱発泡させ、さらに冷却するという一連
の工程において連続的に発泡体を得ることができる。
【0073】図8は、請求項3記載の本発明の製造方法
で用いられる製造装置の一例について概略構成を示す図
である。本製造装置は、図7に示す製造装置と比較する
と、図7における冷却装置28が、2個の冷却装置即
ち、第1の冷却工程で用いられる冷却ゾーン29及び第
2の冷却工程で用いられ下流に向かって配置された冷却
装置30とからなる点で異なるが、他は全て同様である
ので、同様の符号を付与し、説明を省略する。
【0074】請求項3記載の本発明の製造方法において
は、発泡性熱可塑性樹脂シート状体1が加熱装置27に
より加熱されて発泡後、用いた樹脂の低い方の融点以上
から高い方の融点以下の温度範囲に冷却する第1の冷却
工程は、ベルトを介して冷却できれば特に限定されず、
目的の樹脂温度まで冷却し得る適宜の方法を採用するこ
とができる。加熱炉から冷却装置間の長さに余裕があれ
ば自然空冷でもよいが、冷却ゾーン29を設けてブロア
ーによって冷風等を当てる方法が風量調節によって容易
に目的温度まで冷却し得る点で好ましい。
【0075】第2の冷却工程については、発泡膨張する
熱可塑性樹脂シート状体が完全充填される間隔より大き
い間隔を有しており、目的厚さに調整できる様になされ
ていれば特に限定されず、発泡体を構成する樹脂の軟化
点以下の温度に冷却し得る適宜の冷却装置30、例えば
冷却ロールを採用することができる。具体的には、無端
搬送ベルトが互いに対向した搬送領域において、無端搬
送ベルトの背面側から無端搬送ベルト間の発泡体を冷却
するように構成されているものが望ましく、冷却方法に
ついては、空冷式、水冷式の何れであってもよく、ま
た、冷却板や、冷却ロールを無端搬送ベルトの背面に接
触させるものであってもよい。冷却装置による冷却は、
発泡体をその軟化温度以下まで冷却すればよく、好まし
くは、冷却装置により常温付近まで発泡体を冷却するこ
とにより、無端搬送ベルト21、22から凹凸状発泡体
10を容易に剥離することができる。
【0076】図8の装置を用いて請求項3記載の本発明
方法により凹凸状発泡体を製造するには、搬送領域で
は、発泡性熱可塑性樹脂シート状体1が加熱装置27に
より加熱され、発泡性熱可塑性樹脂シート状体が発泡
し、第1冷却工程に係る冷却ゾーン29にて所定の樹脂
温度に表面層が冷却され、しかる後完全充填される間隔
よりも大きい間隔を有する冷却ロール30を通過し冷却
されて、表面に凹凸が形成された発泡体10が得られ
る。
【0077】(作用)請求項1記載の本発明の凹凸状熱
可塑性樹脂発泡体の製造方法及び請求項4記載の製造装
置においては、発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑
性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置され、個々の発泡
性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤を含有されている発泡
性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発
泡性熱可塑性樹脂シ−ト状体が用いられる。このような
発泡性熱可塑性樹脂シ−ト状体を、一対の無端搬送ベル
ト間に供給し、該シート状体を加熱発泡し、さらに該シ
ート状体が完全充填される間隔より大きい間隔の冷却装
置を通過させるという一連の工程を経て、凹凸状熱可塑
性樹脂発泡体が連続的に得られる。従って、しわ等が無
く表面性状が良好で、厚さ精度、圧縮性能及び緩衝性に
優れた凹凸状熱可塑性樹脂発泡体が、複雑な工程・装置
によらずとも高い生産性をもって製造し得る。
【0078】また、請求項2記載の本発明の凹凸状熱可
塑性樹脂発泡体の製造方法では、冷却装置の間隔を該シ
ートが発泡膨張して完全充填される間隔に対して、更に
10%〜50%大きい間隔にすることにより、一層、圧
縮性能及び緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を
得ることができる。請求項3記載の本発明の凹凸状熱可
塑性樹脂発泡体の製造方法及び請求項5記載の製造装置
においては、融点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂に
発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が
平面的に略均一に配置されており、これらの個々の発泡
性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤を含有している発泡性
熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡
性熱可塑性樹脂シ−ト状体が用いられる。
【0079】このような発泡性熱可塑性樹脂シ−ト状体
を、一対の無端搬送ベルト間に供給し、該シート状体を
ベルトを介して加熱発泡した後、用いた樹脂の低い方の
融点以上であって、高い方の融点以下の樹脂温度範囲ま
で冷却した後、さらに該シート状体が完全充填される間
隔以上の間隔を有する冷却装置を通過させるという一連
の工程を経て凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を連続的に得
る。
【0080】この場合、第1の冷却工程では、用いた樹
脂の低い方の融点以上かつ高い方の融点以下の範囲にま
で冷却するので、図9(a)に示すように、第1の冷却
工程では、表面層12が先に硬化して、内部11は流動
性を維持している。次に第2の冷却工程では図9(b)
に示すように表面層12はそのままで、内部11のみの
高さが変化する(高さが低くなる)こととなる為、押圧
されても凸部の面積率が大きくなることはなく、緩衝性
に優れた凹凸状を有する発泡体が得られる。
【0081】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0082】『発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方
法』 (実施例1〜6及び比較例1〜3)発泡性熱可塑性樹脂
を構成する、表1、表2に示した重量部の熱可塑性樹脂
及び架橋触媒ジブチル錫ラウレート0.1重量部、アゾ
ジカルボンアミド(大塚化学製、商品名SO−20、分
解温度210℃)4重量部を含有する組成物を、図3に
示した2軸押出機4に供給した。2軸押出機4として
は、径44mmのものを用いた。2軸押出機4におい
て、上記組成物を180℃で溶融混練し、面長500mm
のTダイ5により軟化状体のシート状発泡性熱可塑性樹
脂を押し出した。
【0083】更に、表1、表2に示した配置の凹部を有
するφ250、面長500mmの賦形ロール7、9間で
該シート状発泡性熱可塑性樹脂を賦形しつつ冷却し、そ
の後98℃の水中に2時間浸漬後、乾燥して表1、表2
に示した形態の発泡性熱可塑性樹脂シート状体1を得
た。
【0084】上記のようにして得た実施例1〜6及び比
較例1〜3の発泡性熱可塑性樹脂シート状体1は、上記
賦形ロール9の凹部8に対応する部分において発泡性熱
可塑性樹脂粒状体2が構成されており、該発泡性熱可塑
性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜3により連結さ
れて、全体として発泡性熱可塑性樹脂シート状体が構成
されていた。上記のようにして得た発泡性熱可塑性樹脂
シート状体における発泡性熱可塑性樹脂粒状体の形状、
配置、高さ、径及び粒状体間の中心間隔、並びに発泡性
熱可塑性樹脂薄膜の厚さ等を下記の表1、表2に示す。
なお、上記発泡性熱可塑性樹脂の高さとは、発泡性熱可
塑性樹脂薄膜が発泡性熱可塑性樹脂粒状体の高さ方向一
端に連結されている場合には、発泡性熱可塑性樹脂薄膜
の厚みを含まない発泡性熱可塑性樹脂粒状体の高さ方向
寸法をいうものとする。
【0085】(比較例4)発泡性熱可塑性樹脂を構成す
る、表2に示した重量部の熱可塑性樹脂及び架橋触媒ジ
ブチル錫ラウレート0.1重量部、アゾジカルボンアミ
ド(大塚化学製、商品名SO−20、分解温度210
℃)4重量部を、含有する組成物を、図3に示した径4
4mmの2軸押出機4に供給した。2軸押出機4におい
て、上記組成物を180℃で溶融混練し、面長500m
m、Tダイ5により軟化状態のシート状発泡性熱可塑性
樹脂を押し出した。次に、Tダイ5から押し出されたシ
ートを、表面に凹部を有しない径250mm及び面長5
00のロール間を通して冷却し、冷却されたシートを9
8℃の水中に2時間浸漬後、乾燥して厚さ1.0mmの平
坦な発泡性熱可塑性樹脂シートを得た。
【0086】(比較例5)発泡性熱可塑性樹脂を構成す
る、表2に示した重量部の熱可塑性樹脂及び架橋触媒ジ
ブチル錫ラウレート0.1重量部、アゾジカルボンアミ
ド(大塚化学製、商品名SO−20、分解温度210
℃)4重量部を含有する組成物を、実施例1と同様に2
軸押出機4に供給し、Tダイ5から実施例1と同様にし
てシート状に押し出した。さらに、押し出されたシート
を表面に凹部を有しない直径250、面長500のロー
ル間を通して冷却した後、ペレット化し、これを98℃
の水中に2時間浸漬後、乾燥して1.5mm厚、5×5mm
の発泡性熱可塑性樹脂ペレットを得た。
【0087】『発泡体の製造方法』 (実施例1〜4及び比較例4)得られた発泡性熱可塑性
樹脂シ−ト状体を図7を参照して説明した製造装置の繰
り出し装置25に取り付け、無端搬送ベルト21、22
間に連続的に繰り出した。この場合無端搬送ベルト2
1、22の速度は、0、7m/分とした。また加熱装置
27においては、230℃に加熱し発泡させた。次に表
1、表2に示した間隔を有する三対の冷却ロール28間
を通過させ、凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0088】(比較例1)比較例1では、実施例と同様
に、上記のようにして得た発泡性熱可塑性樹脂シート状
態を完全充填する間隔の冷却装置を通過させた。その他
は実施例1と同様に熱可塑性樹脂発泡体を得た。 (比較例5)発泡性熱可塑性樹脂ペレットを下側のベル
トに表1に示した重量を散布した。冷却装置上下間隔6
mmに設定された間を通過させた。その他は、上記と同
様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0089】(実施例5〜6及び比較例2〜3)得られ
た発泡性熱可塑性樹脂シ−ト状体1を図8に示して説明
した製造装置の繰り出し装置1に取り付け、無端搬送ベ
ルト21、22間に連続的に繰り出した。この場合無端
搬送ベルト21、22の速度は、0、7m/分とした。
また加熱装置27においては、230℃に加熱し発泡さ
せた。次に冷却ゾーン29にてブロアーで風を当て、表
1,表2に示した樹脂温度まで冷却した後、三対の冷却
ロール30間を通過させ、凹凸状熱可塑性樹脂発泡体1
0を得た。
【0090】上記各実施例、比較例で得られた凹凸状熱
可塑性樹脂発泡体の厚さ、発泡倍率及び疑似1次元発泡
性等を以下のようにして測定し、結果を表1、表2に示
した。
【0091】〔発泡体の厚さ〕ノギスを用い、得られた
凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の厚さを測定した。 〔発泡倍率〕凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を水中置換法に
より発泡倍率を測定した。
【0092】〔疑似一次元発泡性〕発泡前に配置した発
泡性熱可塑性樹脂シート状体の面積と、得られた凹凸状
熱可塑性樹脂発泡体の面積を測定し、後者の前者に対す
る比を求め、疑似一次元発泡性とした。この値が1に近
いほど疑似一次元発泡性が高いことになる。尚、凸状部
高さ、面積率、充填率等については、以下のように評価
サンプルを作成して測定し、結果を表1、表2に示し
た。
【0093】評価サンプルの作成 (実施例1〜6)得られた、凹凸状熱可塑性樹脂発泡体
の凹部面を表1に示した厚さになるようにサンダーにて
切削した。
【0094】〔厚さ〕ノギスを用い、得られた凹凸状熱
可塑性樹脂発泡体の厚さを測定した。 〔凸状部高さ〕凹凸状熱可塑性樹脂発泡体のたて断面方
向に切断し、融着していない部分の厚さ方向の最大値を
ノギスにて測定した。 〔面積率〕発泡体の面積に対する凸部先端の平面部の面
積割合を求めた。 〔充填率〕平板状に凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を置いた
際の最大高さから求められる体積(嵩体積)における、
凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の重量を密度で割ることで求
められる体積(真体積)の比を求めた。
【0095】(比較例1)得られた、平板状熱可塑性樹
脂発泡体をそのまま評価に使用した。得られた凹凸状及
び平板状熱可塑性樹脂発泡体の厚さバラツキ、圧縮変形
量バラツキ、最大衝撃力を以下のようにして測定した。
結果を下記の表2に示す。 (比較例4、5)得られた熱可塑性樹脂発泡体を、一方
の面に深さ2.5mm、直径10mm、中心間距離1
0.1mm、千鳥配置の孔を多数有する大きさ200×
200×3.5mmの閉じた型に750g/m2 充填
し、温度170℃、圧力0.5kgf/cm2 の条件で加
熱賦型を行い、表2に示す評価サンプルを成形した。。
【0096】更に、最終的に評価した熱可塑性樹脂発泡
体の物性は以下の測定法によった。 (厚さバラツキ)ノギスを用い、n=20の発泡体の厚
さを測定し、最大値と最小値の差を求めた。 (圧縮変形量)カットにより、200mm×200mm
の発泡体を切り出し、発泡体の凸状面の反対面に厚さに
3mmの合板を接着したのち、φ50mm円柱圧子、押
さえ速度2m/minで圧縮試験を行い、80kgf荷
重時の圧縮変形量を沈み込み量とした。
【0097】(最大衝撃力)カットにより、200mm
×200mmの発泡体を切り出し、発泡体の凸状面の反
対面に厚さに3mmの合板を接着したのち、40mmの
高さからJISA1418で定義されるハンマーを落下
させた際の最大衝撃力を加速度センサーにて測定した。
この最大衝撃力が大きい方が、強度的には、好ましい
が、他方、大きすぎると、剛性が高くなりすぎて、緩衝
性が劣ることになる。従って、本発明では、400N以
下が好ましい。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】尚、表1、表2において、PPは、ポリプ
ロピレン(融点160℃,三菱化学社製、商品名:MA
3、メルトインデックス(MI)=11g/10分)
を、シラン変性PPは、架橋性シラン変性ポリプロピレ
ン(三菱化学社製、商品名:XPM800H、MI=1
1g/10分、架橋後のゲル分率80重量%)を、HD
PEは、高密度ポリエチレン(融点130℃,三菱化学
社製、商品名:HY340、MI=1.5g/10分)
を示す。
【0101】表2から明らかなように、比較例1では、
発泡性熱可塑性樹脂シート状体を用いて発泡倍率8倍の
3次元的に均等な熱可塑性樹脂発泡体を得ている。圧縮
変形量が1.1mm2と小さく、かつバラツキも小さい
が、充填率が100%と平板状の発泡体であるため、最
大衝撃力が大きく十分な緩衝性を発現できない。比較例
4では、疑似一次元発泡性が4.0と非常に大きく、従
って、長さ方向、幅方向においても発泡に際してかなり
膨張していた。また熱可塑性樹脂発泡体が波打ち、厚み
バラツキが非常に悪い結果である。加えて熱可塑性樹脂
発泡体が均質なため圧縮強度が低く、圧縮変形量が2.
2mmと非常に大きな値となる。
【0102】また、比較例5では、発泡性熱可塑性樹脂
ペレットを用いて発泡倍率8倍の熱可塑性樹脂発泡体を
得ている。疑似一次元発泡性は発泡性熱可塑性樹脂ペレ
ット間に隙間があるため比較例4に比べ小さくなっては
いるが、発泡性熱可塑性樹脂ペレットの散布精度に依存
するため、1.25と少し高く、従って、幅方向及び長
手方向においてもかなりの割合で膨張していることが認
められた。このことにより厚みのバラツキも大きな値と
なっている。
【0103】これに対して、実施例1〜6で得られた熱
可塑性樹脂発泡体では、圧縮変形量も1.5mm以下と
小さく、圧縮強度の高い凹凸状発泡体であることもわか
る。また、実施例3では、冷却装置の設定間隔が完全充
填時より、更に60%大きい為、全体に波打ちが見られ
た。実施例4では、冷却装置の設定間隔が完全充填時よ
り、更に7%大きい為、凹凸形状は得られたが、凸高さ
が低く緩衝性があまり発現されなかった。実施例1、2
は、冷却装置の設定間隔が完全充填時より、更に10%
〜50%大きい間隔を有している冷却装置で冷却した
為、緩衝性能も圧縮強度の小さな比較例4と同等以上の
性能を示していることから圧縮強度と緩衝性を両立した
熱可塑性樹脂発泡体が得られたことが確認された。
【0104】又、比較例2では、融点以上の樹脂温度で
冷却ロールを通した為、凸部の面積率が高く最大衝撃力
も大きく緩衝性も小さいものとなっており、比較例3で
は、融点以下の樹脂温度で冷却した為、凸部の平面部に
段差が生じた。これに対して、実施例5〜6で得られた
熱可塑性樹脂発泡体では、凸部面積率も低く比較例2、
3と比較しても最大衝撃力が低減し、緩衝性に優れた熱
可塑性樹脂発泡体であることが確認された。
【0105】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の凹凸状熱可塑性
樹脂発泡体の製造方法及び請求項4記載の製造装置にお
いては、発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体が平面的に略均一に配置され、個々の発泡性熱可
塑性樹脂粒状体が、発泡剤を含有されている発泡性熱可
塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱
可塑性樹脂シ−ト状体が用いられる。このような発泡性
熱可塑性樹脂シ−ト状体を、一対の無端搬送ベルト間に
供給し、該シート状体を加熱発泡し、さらに該シート状
体が完全充填される間隔より大きい間隔の冷却装置を通
過させるという一連の工程を経て、凹凸状熱可塑性樹脂
発泡体が連続的に得られる。
【0106】従って、しわ等が無く表面性状が良好で、
厚さ精度、圧縮性能及び緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性
樹脂発泡体が、複雑な工程・装置によらずとも高い生産
性をもって製造し得る。また、請求項2記載の本発明の
凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法では、冷却装置の
間隔を該シートが発泡膨張して完全充填される間隔に対
して、更に10%〜50%大きい間隔にすることによ
り、一層、圧縮性能及び緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性
樹脂発泡体を得ることができる。
【0107】請求項3記載の本発明の凹凸状熱可塑性樹
脂発泡体の製造方法及び請求項5記載の製造装置におい
ては、融点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂に発泡剤
が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的
に略均一に配置されており、これらの個々の発泡性熱可
塑性樹脂粒状体が、発泡剤を含有している発泡性熱可塑
性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可
塑性樹脂シ−ト状体が用いられる。このような発泡性熱
可塑性樹脂シ−ト状体を、一対の無端搬送ベルト間に供
給し、該シート状体をベルトを介して加熱発泡した後、
用いた樹脂の低い方の融点以上であって、高い方の融点
以下の樹脂温度範囲まで冷却した後、さらに該シート状
体が完全充填される間隔以上の間隔を有する冷却装置を
通過させるという一連の工程を経て凹凸状熱可塑性樹脂
発泡体を連続的に得る。
【0108】この場合、第1の冷却工程では、用いた樹
脂の低い方の融点以上かつ高い方の融点以下の範囲にま
で冷却するので、図9(a)に示すように、第1の冷却
工程では、表面層12が先に硬化して、内部11は流動
性を維持している。次に第2の冷却工程では図9(b)
に示すように表面層12はそのままで、内部11のみの
高さが変化する(高さが低くなる)こととなる為、押圧
されても凸部の面積率が大きくなることはなく、緩衝性
に優れた凹凸状を有する発泡体が得られる。
【0109】以上のように、本発明の発泡体の連続製造
方法では、発泡剤を含有している、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体が略均一的に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹
脂粒状体が、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂
薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性樹
脂シ−ト状体を用い、該発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を一対の無端搬送ベルト間に供給し、無端搬送ベルト間
で該発泡性熱可塑性樹脂シートを搬送しつつ、発泡剤の
分解温度以上に加熱し発泡させ、発泡膨張する熱可塑性
樹脂シート状体が完全充填される間隔よりも大きい間隔
を有する冷却装置を通過させることにより、簡易的に高
い生産性をもって、凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を連続的
に製造することができる。
【0110】請求項2に記載の発明によれば、冷却装置
の間隔が発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体が完全充
填される間隔に対して更に10%〜50%大きくするこ
とにより、緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性樹脂発泡体を
得ることができる。本発明の発泡体の製造方法では、融
点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂に発泡剤が含有さ
れている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一
に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡
剤が含有されている発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一
体的に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を、一対の無端搬送ベルト間に供給する工程と、前記発
泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させる工程と、発泡膨
張する熱可塑性樹脂シート状体をベルトを介して冷却す
る第1の冷却工程と、その後、シート状体が完全充填さ
れる間隔以上の間隔を有する冷却装置で冷却しつつ押圧
することにより、シート状体の高さを規制すると共に表
面に凹凸を形成する第2の冷却工程とを備えた製造方法
であって、第1の冷却工程において、前記の熱可塑性樹
脂の低い方の融点以上かつ高い方の融点以下の樹脂温度
範囲にまで冷却を行うので、比較的簡便でかつ高い生産
性をもって、緩衝性に優れた凹凸状熱可塑性樹脂発泡体
を連続的に製造することができる。
【0111】また、本発明の発泡体の製造装置では、融
点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂に発泡剤が含有さ
れている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一
に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡
剤が含有されている発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一
体的に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を、一対の無端搬送ベルト間に供給する手段と、前記発
泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させる手段と、発泡膨
張する熱可塑性樹脂シート状体をベルトを介して冷却す
る第1の冷却手段と、その後、シート状体が完全充填さ
れる間隔以上の間隔を有する冷却装置で冷却しつつ押圧
することにより、シート状体の高さを規制すると共に表
面に凹凸を形成する第2の冷却手段とを備えた製造装置
であって、第1の冷却装置において、前記の熱可塑性樹
脂の低い方の融点以上かつ高い方の融点以下の樹脂温度
範囲にまで冷却を行うようになされているので、比較的
簡便でかつ高い生産性をもって、緩衝性に優れた凹凸状
熱可塑性樹脂発泡体を連続的に製造することができる。
【0112】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる発泡性熱可塑性樹脂
シート状体の一例を示すもので、(a)は発泡性熱可塑
性樹脂粒状体が格子状に配置されている平面図、(b)
はその要部縦断面図。
【図2】発泡性熱可塑性樹脂粒状体が千鳥状に配置され
ている発泡性熱可塑性樹脂シート状体の平面図。
【図3】本発明において用いられる発泡性熱可塑性樹脂
シートを製造する工程を説明するための略図的側面図。
【図4】本発明により得られた凹凸状熱可塑性樹脂発泡
体の一例を説明するための部分切欠断面図。
【図5】本発明により得られた凹凸状熱可塑性樹脂発泡
体の他の例を示す部分切欠断面図。
【図6】(a)〜(d)は、本発明において用いられる
発泡性熱可塑性樹脂シートを発泡させる工程を説明する
ための略図的断面図。
【図7】本発明の製造方法の実施に用いられる製造装置
の一例を示す概略側面図。
【図8】本発明の製造方法の実施に用いられる製造装置
の他の例を示す概略側面図。
【図9】(a)〜(b)は、本発明において用いられる
発泡性熱可塑性樹脂シートが発泡後冷却させる工程を説
明するための略図的側面図。
【符号の説明】
1 発泡性熱可塑性樹脂シート状体 2 発泡性熱可塑性粒状体 3 発泡性熱可塑性樹脂薄膜 10 凹凸状熱可塑性樹脂発泡体 21,22 一対の無端搬送ベルト 27 加熱装置 28 冷却装置(冷却ロール) 29 第1の冷却工程に係る冷却ゾーン 30 第2の冷却工程に係る冷却装置(冷却ロー
ル)
フロントページの続き Fターム(参考) 4F212 AA11J AB02 AC04 AE07 AF01 AG20 UA09 UB02 UG05 UG07 UH18 UN15 UP01 UP04 UP05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑
    性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置され、個々の発泡
    性熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤が含有されている発泡
    性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発
    泡性熱可塑性樹脂シート状体を、一対の無端搬送ベルト
    間に供給する工程と、前記発泡剤の分解温度以上に加熱
    し発泡させる工程と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート
    状体を、該シート状体が完全充填される間隔よりも大き
    い間隔を有する冷却装置で冷却することを特徴とする凹
    凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 冷却装置の間隔が、得られる凹凸状熱可
    塑性樹脂発泡体の発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体
    が完全充填される間隔に対して更に10%〜50%大き
    い間隔を有している請求項1記載のの凹凸状熱可塑性樹
    脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 融点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂
    に発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体
    が平面的に略均一に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹
    脂粒状体が、発泡剤が含有されている発泡性熱可塑性樹
    脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性
    樹脂シート状体を、一対の無端搬送ベルト間に供給する
    工程と、前記発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させる
    工程と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体をベルト
    を介して冷却する第1の冷却工程と、その後、シート状
    体が完全充填される間隔より大きい間隔を有する冷却装
    置で冷却しつつ押圧することにより、シート状体の高さ
    を規制すると共に表面に凹凸を形成する第2の冷却工程
    とを備えた製造方法であって、第1の冷却工程におい
    て、前記の熱可塑性樹脂の低い方の融点以上かつ高い方
    の融点以下の樹脂温度範囲にまで冷却することを特徴と
    する凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡剤を含有している、発泡性熱可塑性
    樹脂粒状体が平面的に略均一に配置され、個々の発泡性
    熱可塑性樹脂粒状体が、発泡剤を含有している発泡性熱
    可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性
    熱可塑性樹脂シ−ト状体を、一対の無端搬送ベルト間に
    供給する手段と、発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡さ
    せる手段と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体が完
    全充填される間隔よりも大きい間隔を有する冷却手段と
    を備えた製造装置であって、発泡膨張する熱可塑性樹脂
    シート状体を前記冷却手段で冷却するようになされてい
    ることを特徴とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造装
    置。
  5. 【請求項5】 融点の異なる二種類以上の熱可塑性樹脂
    に発泡剤が含有されている、発泡性熱可塑性樹脂粒状体
    が平面的に略均一に配置され、個々の発泡性熱可塑性樹
    脂粒状体が、発泡剤が含有されている発泡性熱可塑性樹
    脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性
    樹脂シート状体を、一対の無端搬送ベルト間に供給する
    手段と、前記発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させる
    手段と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体をベルト
    を介して冷却する第1の冷却手段と、その後、シート状
    体が完全充填される間隔以上の間隔を有する冷却装置で
    冷却しつつ押圧することにより、シート状体の高さを規
    制すると共に表面に凹凸を形成する第2の冷却手段とを
    備えた製造装置であって、第1の冷却装置において、前
    記の熱可塑性樹脂の低い方の融点以上かつ高い方の融点
    以下の樹脂温度範囲にまで冷却するようになされている
    ことを特徴とする凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の製造装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008221704A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法
CN111430586A (zh) * 2020-05-01 2020-07-17 常州斯威克光伏新材料有限公司 一种高缓冲锂电池用包装膜

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