JPH093519A - 精錬用ランス - Google Patents
精錬用ランスInfo
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- JPH093519A JPH093519A JP15918395A JP15918395A JPH093519A JP H093519 A JPH093519 A JP H093519A JP 15918395 A JP15918395 A JP 15918395A JP 15918395 A JP15918395 A JP 15918395A JP H093519 A JPH093519 A JP H093519A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 精錬中に炉口や精錬用ランスに付着する地金
を除去する。 【構成】 先端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素管の
外側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却用配
管を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷却用
配管の外周面の周方向に沿って水平方向または下向きに
酸素を噴射できる2次燃焼用ノズル6を一定間隔で複数
個配置し、かつこれら2次燃焼用ノズル6の各々を中心
として放射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズル
7を複数設け、これら2次燃焼用ノズル6および地金溶
融除去用ノズル7のそれぞれに、酸素を供給できる酸素
通路10を連結させた精錬用ランス。 【効果】 鉄皮や耐火物あるいはランスの寿命が延びる
とともに、危険作業が回避できる。
を除去する。 【構成】 先端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素管の
外側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却用配
管を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷却用
配管の外周面の周方向に沿って水平方向または下向きに
酸素を噴射できる2次燃焼用ノズル6を一定間隔で複数
個配置し、かつこれら2次燃焼用ノズル6の各々を中心
として放射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズル
7を複数設け、これら2次燃焼用ノズル6および地金溶
融除去用ノズル7のそれぞれに、酸素を供給できる酸素
通路10を連結させた精錬用ランス。 【効果】 鉄皮や耐火物あるいはランスの寿命が延びる
とともに、危険作業が回避できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転炉や真空脱ガス
槽、あるいは溶銑・溶鋼容器内で精錬を行う場合に、精
錬に伴って発生する飛散物が、精錬用のランス自身、転
炉の炉口部、真空脱ガス槽の内部および溶銑・溶鋼容器
内に付着するのを、精錬しながら効率的かつ確実に防止
することのできる精錬用ランスに関するものである。
槽、あるいは溶銑・溶鋼容器内で精錬を行う場合に、精
錬に伴って発生する飛散物が、精錬用のランス自身、転
炉の炉口部、真空脱ガス槽の内部および溶銑・溶鋼容器
内に付着するのを、精錬しながら効率的かつ確実に防止
することのできる精錬用ランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、精錬用ランス(以下ラン
スという)は、転炉や真空脱ガス槽、あるいは溶銑・溶
鋼容器内で精錬を行う場合に、酸素、窒素、アルゴンガ
スあるいは空気等の気体を溶銑や溶鋼中に吹き込むため
の装置であり、例えば純酸素上吹き転炉における精錬反
応は、図4に示すように、転炉21の炉口22から挿入
された精錬用ランス23から、高純度の酸素ガスを溶鋼
24の浴面に噴射することにより進行する。そして、こ
の精錬反応においては、酸素ガス吹き付けにより、酸素
と溶鋼成分とが激しく反応し、転炉ガス(COガス)2
5が大量に発生する。
スという)は、転炉や真空脱ガス槽、あるいは溶銑・溶
鋼容器内で精錬を行う場合に、酸素、窒素、アルゴンガ
スあるいは空気等の気体を溶銑や溶鋼中に吹き込むため
の装置であり、例えば純酸素上吹き転炉における精錬反
応は、図4に示すように、転炉21の炉口22から挿入
された精錬用ランス23から、高純度の酸素ガスを溶鋼
24の浴面に噴射することにより進行する。そして、こ
の精錬反応においては、酸素ガス吹き付けにより、酸素
と溶鋼成分とが激しく反応し、転炉ガス(COガス)2
5が大量に発生する。
【0003】この転炉ガス25は、燃料としての有効成
分および顕熱を保有しているので、炉口22から排ガス
フード26を通って、排ガス回収装置(図示せず)に回
収される。
分および顕熱を保有しているので、炉口22から排ガス
フード26を通って、排ガス回収装置(図示せず)に回
収される。
【0004】転炉ガス25が排ガス回収装置に導かれる
ときに、転炉ガス25と共に多量の鉄塵が転炉の炉口2
2を通過するので、高温の鉄塵が炉口22の部分に付
着、凝固して地金27を形成する。そして、この地金2
7は、炉口22から転炉21の炉内に向かって成長し、
転炉21の炉壁28を構成する耐火煉瓦をも覆うように
なる。
ときに、転炉ガス25と共に多量の鉄塵が転炉の炉口2
2を通過するので、高温の鉄塵が炉口22の部分に付
着、凝固して地金27を形成する。そして、この地金2
7は、炉口22から転炉21の炉内に向かって成長し、
転炉21の炉壁28を構成する耐火煉瓦をも覆うように
なる。
【0005】上述したような地金27が、200〜50
0mmの厚さに発達すると、炉口22からスクラップや
溶銑を装入することが困難になるとともに、炉口22を
通る転炉ガス25の流速が上昇するために、スピッティ
ング(溶鋼のスピッティングする方向は符号29の矢印
で表示)を助長するようになり、炉口22に付着した地
金27の成長を、更に促進させるようになる。
0mmの厚さに発達すると、炉口22からスクラップや
溶銑を装入することが困難になるとともに、炉口22を
通る転炉ガス25の流速が上昇するために、スピッティ
ング(溶鋼のスピッティングする方向は符号29の矢印
で表示)を助長するようになり、炉口22に付着した地
金27の成長を、更に促進させるようになる。
【0006】このため、炉口部22に付着した地金27
は、1日に1〜3回の頻度で除去する必要が生じてく
る。
は、1日に1〜3回の頻度で除去する必要が生じてく
る。
【0007】又、スピッティングした溶鋼は、精錬用ラ
ンス23にも付着、堆積して地金30となる。
ンス23にも付着、堆積して地金30となる。
【0008】このように、精錬用ランス23に地金30
が付着すると、精錬用ランス23を、排ガスフード26
を貫通するランス装入筒26aから抜き出すことが困難
となり、精錬作業終了後に精錬用ランス23を炉内に切
り落とすという危険な作業を強いられることになる。そ
して、このような危険な作業を回避するために、地金3
0が大きく成長しない段階で、精錬用ランス23を新し
いものと交換し、補修する必要が生じてくる。
が付着すると、精錬用ランス23を、排ガスフード26
を貫通するランス装入筒26aから抜き出すことが困難
となり、精錬作業終了後に精錬用ランス23を炉内に切
り落とすという危険な作業を強いられることになる。そ
して、このような危険な作業を回避するために、地金3
0が大きく成長しない段階で、精錬用ランス23を新し
いものと交換し、補修する必要が生じてくる。
【0009】このように、地金30が付着することによ
り、精錬用ランス23の寿命は低下することになり、そ
の寿命はせいぜい30チャージ止まりとなる。
り、精錬用ランス23の寿命は低下することになり、そ
の寿命はせいぜい30チャージ止まりとなる。
【0010】上述したような転炉炉口に付着する地金を
除去する方法、特に精錬しながら除去する従来の方法と
しては、特開昭61−139616号公報に開示された
方法がある。この方法は、内管が酸素管で、外管が空気
管となっており、かつ外管の外側に更に冷却水の給排水
管が配置されている四重管式の精錬用ランスで、酸素管
の先端に連結された精錬用ノズルから酸素を噴射しなが
ら精錬を行っている最中に、空気管に連結された溶断用
ノズルから転炉の炉口に向かって空気を噴射することに
より、炉口付着物を除去するものである。
除去する方法、特に精錬しながら除去する従来の方法と
しては、特開昭61−139616号公報に開示された
方法がある。この方法は、内管が酸素管で、外管が空気
管となっており、かつ外管の外側に更に冷却水の給排水
管が配置されている四重管式の精錬用ランスで、酸素管
の先端に連結された精錬用ノズルから酸素を噴射しなが
ら精錬を行っている最中に、空気管に連結された溶断用
ノズルから転炉の炉口に向かって空気を噴射することに
より、炉口付着物を除去するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭61−139616号公報に開示された転炉炉
口に付着した地金を除去する方法には、次のような問題
点があった。
た特開昭61−139616号公報に開示された転炉炉
口に付着した地金を除去する方法には、次のような問題
点があった。
【0012】すなわち、この付着物除去方法において
は、普通の直管状のノズル孔から空気を噴射させて付着
物を除去するようにしているが、空気の噴射流速が小さ
く、炉口周辺ともなると、炉口の開口面積が小さくなる
ので、転炉ガスの流速は空塔速度と称して上昇し、空気
の噴射流は付着地金の近傍まで到達することができず、
炉口から炉内に向かって成長した地金を、除去すること
が困難であるという問題点があった。
は、普通の直管状のノズル孔から空気を噴射させて付着
物を除去するようにしているが、空気の噴射流速が小さ
く、炉口周辺ともなると、炉口の開口面積が小さくなる
ので、転炉ガスの流速は空塔速度と称して上昇し、空気
の噴射流は付着地金の近傍まで到達することができず、
炉口から炉内に向かって成長した地金を、除去すること
が困難であるという問題点があった。
【0013】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、転炉の炉口部
や真空脱ガス槽内あるいは精錬用ランス自身に付着しよ
うとする地金を、発生ガスの2次燃焼熱を利用してほぼ
完全に溶解除去し得るばかりでなく、精錬中の地金の付
着量を少なくし(付着する地金を完全溶解させると、耐
火物が直接高温にさらされて損傷するので、少しは付着
させて高熱からのプロテクターの役目をさせる)、炉体
や槽を損傷することなく耐火煉瓦を防御することのでき
る精錬用ランスを提供することを目的としている。
点を解消するためになされたものであり、転炉の炉口部
や真空脱ガス槽内あるいは精錬用ランス自身に付着しよ
うとする地金を、発生ガスの2次燃焼熱を利用してほぼ
完全に溶解除去し得るばかりでなく、精錬中の地金の付
着量を少なくし(付着する地金を完全溶解させると、耐
火物が直接高温にさらされて損傷するので、少しは付着
させて高熱からのプロテクターの役目をさせる)、炉体
や槽を損傷することなく耐火煉瓦を防御することのでき
る精錬用ランスを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る精錬用ラ
ンスは、先端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素管の外
側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却用配管
を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷却用配
管の外周面の周方向に沿って水平方向又は下向きに酸素
を噴射できる2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数個配置
し、かつこれら2次燃焼用ノズルの各々を中心として放
射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズルを複数設
け、これら2次燃焼用ノズルおよび地金溶融除去用ノズ
ルのそれぞれに、酸素を供給できる酸素通路を連結させ
たものである。
ンスは、先端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素管の外
側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却用配管
を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷却用配
管の外周面の周方向に沿って水平方向又は下向きに酸素
を噴射できる2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数個配置
し、かつこれら2次燃焼用ノズルの各々を中心として放
射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズルを複数設
け、これら2次燃焼用ノズルおよび地金溶融除去用ノズ
ルのそれぞれに、酸素を供給できる酸素通路を連結させ
たものである。
【0015】
【作用】本発明の精錬用ランスにおいては、精錬時にラ
ンスの転炉炉口や真空脱ガス槽の内壁等地金が付着する
部分に対面する長手方向の部位、あるいはランス自身に
地金が付着する長手方向の部位の一ケ所又は複数ケ所に
おいて、ランスを構成する冷却用配管の外周面に、その
周方向に沿って水平方向又は下向きに酸素を噴射できる
2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数個配置し、かつこれ
ら2次燃焼用ノズルの各々を中心として放射状に酸素を
噴射できる地金溶融除去用ノズルを複数設けている。
ンスの転炉炉口や真空脱ガス槽の内壁等地金が付着する
部分に対面する長手方向の部位、あるいはランス自身に
地金が付着する長手方向の部位の一ケ所又は複数ケ所に
おいて、ランスを構成する冷却用配管の外周面に、その
周方向に沿って水平方向又は下向きに酸素を噴射できる
2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数個配置し、かつこれ
ら2次燃焼用ノズルの各々を中心として放射状に酸素を
噴射できる地金溶融除去用ノズルを複数設けている。
【0016】そして、この精錬用ランスを用いて精錬を
行う時には、酸素管先端の精錬用の酸素ノズルから溶鋼
浴面に酸素を噴射して精錬を行いながら、同時に2次燃
焼用ノズルおよび地金溶融除去用ノズルから酸素を噴射
する。
行う時には、酸素管先端の精錬用の酸素ノズルから溶鋼
浴面に酸素を噴射して精錬を行いながら、同時に2次燃
焼用ノズルおよび地金溶融除去用ノズルから酸素を噴射
する。
【0017】あらかじめ、2次燃焼用ノズルの酸素到達
距離が、転炉炉体や真空脱ガス槽の内壁等に到達できる
距離となるように2次燃焼用ノズルの形式を選定してお
くと、噴射した酸素と炉ガスが反応(2次燃焼)し、そ
の2次燃焼熱が上昇気流となって、炉壁を伝って炉口等
地金が付着しやすい部分に到達し、炉口等に付着しよう
とする地金(スプラッシュ)を除去する。
距離が、転炉炉体や真空脱ガス槽の内壁等に到達できる
距離となるように2次燃焼用ノズルの形式を選定してお
くと、噴射した酸素と炉ガスが反応(2次燃焼)し、そ
の2次燃焼熱が上昇気流となって、炉壁を伝って炉口等
地金が付着しやすい部分に到達し、炉口等に付着しよう
とする地金(スプラッシュ)を除去する。
【0018】2次燃焼用ノズルから噴射した酸素と炉ガ
スの反応(2次燃焼)が十分でない場合にはランスの長
手方向複数カ所に2次燃焼用ノズルを設け、ランスのよ
り上方の位置に設けた2次燃焼用ノズルから噴射した酸
素と未燃焼の炉ガスとを反応させ、地金の除去をより完
全なものにする。
スの反応(2次燃焼)が十分でない場合にはランスの長
手方向複数カ所に2次燃焼用ノズルを設け、ランスのよ
り上方の位置に設けた2次燃焼用ノズルから噴射した酸
素と未燃焼の炉ガスとを反応させ、地金の除去をより完
全なものにする。
【0019】尚、転炉のように炉口が絞られている場合
には、2次燃焼用ノズルの酸素到達距離は、ランスの上
方に設けられたものほど短くてすみ、炉口の絞り始めの
位置においては、すぐ下方に設けられたものよりも、酸
素到達距離は500〜1000mm短くてよい。
には、2次燃焼用ノズルの酸素到達距離は、ランスの上
方に設けられたものほど短くてすみ、炉口の絞り始めの
位置においては、すぐ下方に設けられたものよりも、酸
素到達距離は500〜1000mm短くてよい。
【0020】しかしながら、炉口の終端近傍では、炉口
の開口面積は小さくなり、炉ガスの流速は空塔速度と称
して反対に上昇して速過ぎるため、2次燃焼用ノズルか
ら酸素を噴射しても、炉内では2次燃焼せず排ガスフー
ド内で燃焼するので、2次燃焼の効果はなく、炉口の鉄
皮と耐火煉瓦を損傷させるだけとなるため、このような
ランスの位置においては、2次燃焼用ノズルはやめて、
以下に説明する地金溶融除去用ノズルとした方がよい。
の開口面積は小さくなり、炉ガスの流速は空塔速度と称
して反対に上昇して速過ぎるため、2次燃焼用ノズルか
ら酸素を噴射しても、炉内では2次燃焼せず排ガスフー
ド内で燃焼するので、2次燃焼の効果はなく、炉口の鉄
皮と耐火煉瓦を損傷させるだけとなるため、このような
ランスの位置においては、2次燃焼用ノズルはやめて、
以下に説明する地金溶融除去用ノズルとした方がよい。
【0021】ランス自身に付着しようとする地金(スプ
ラッシュ)は、酸素到達距離の短い地金溶融除去用ノズ
ルから酸素を噴射し、ランス外管の近傍で酸素と炉ガス
を反応させ、あるいは酸素と付着した地金とを直接反応
させ、これらの燃焼熱により付着しかかっている地金を
溶解して除去する。
ラッシュ)は、酸素到達距離の短い地金溶融除去用ノズ
ルから酸素を噴射し、ランス外管の近傍で酸素と炉ガス
を反応させ、あるいは酸素と付着した地金とを直接反応
させ、これらの燃焼熱により付着しかかっている地金を
溶解して除去する。
【0022】尚、ランス自身に付着しようとする地金
(スプラッシュ)は、ランス先端からランスの長手方向
に沿って3〜4mにも達するので、地金溶融除去用ノズ
ルをランスの上下方向に一定間隔をおいて、複数段設け
るとよい。
(スプラッシュ)は、ランス先端からランスの長手方向
に沿って3〜4mにも達するので、地金溶融除去用ノズ
ルをランスの上下方向に一定間隔をおいて、複数段設け
るとよい。
【0023】
【実施例】この発明の実施例の精錬用ランスを、図1〜
図3により説明する。図1(a)はこの精錬用ランスの
長手方向一部断面図、図1(b)は図1(a)のA部拡
大図、図1(c)は図1(a)のB部拡大図、図1
(d)は図1(a)のC部拡大図、図1(e)は図1
(a)のD部拡大図である。
図3により説明する。図1(a)はこの精錬用ランスの
長手方向一部断面図、図1(b)は図1(a)のA部拡
大図、図1(c)は図1(a)のB部拡大図、図1
(d)は図1(a)のC部拡大図、図1(e)は図1
(a)のD部拡大図である。
【0024】この精錬用ランス1は、先端に精錬用酸素
ノズル2を配置した酸素供給管3と、この酸素供給管3
を覆うように配置した冷却水排水管4と、この冷却水排
水管4を覆うように配置した冷却水給水管5とから構成
される三重管形式のランスであり、精錬用ランス1の長
手方向複数カ所{図1(a)では3ケ所}の位置におい
て、冷却水給水管5の外周面の周方向に沿って、複数個
の2次燃焼用ノズル6を所定の間隔をおいて配置してい
る。そして、それぞれの2次燃焼用ノズル6の回りに
は、2次燃焼用ノズル6を中心として放射状に複数個の
地金溶融除去用ノズル7を配置している。そして、それ
ぞれの2次燃焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル
7に連結するように、前記酸素供給管3から、酸素供給
管3と冷却水排水管4とで形成される排水通路8、およ
び冷却水排水管4と冷却水供給管5とで形成される給水
通路9を貫通して、酸素供給通路10が設けられてい
る。
ノズル2を配置した酸素供給管3と、この酸素供給管3
を覆うように配置した冷却水排水管4と、この冷却水排
水管4を覆うように配置した冷却水給水管5とから構成
される三重管形式のランスであり、精錬用ランス1の長
手方向複数カ所{図1(a)では3ケ所}の位置におい
て、冷却水給水管5の外周面の周方向に沿って、複数個
の2次燃焼用ノズル6を所定の間隔をおいて配置してい
る。そして、それぞれの2次燃焼用ノズル6の回りに
は、2次燃焼用ノズル6を中心として放射状に複数個の
地金溶融除去用ノズル7を配置している。そして、それ
ぞれの2次燃焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル
7に連結するように、前記酸素供給管3から、酸素供給
管3と冷却水排水管4とで形成される排水通路8、およ
び冷却水排水管4と冷却水供給管5とで形成される給水
通路9を貫通して、酸素供給通路10が設けられてい
る。
【0025】本実施例では図1(d)又は図1(e)に
示すように、二次燃焼ノズル6及び地金溶融除去用ノズ
ル7は一体構造のノズルチップからなり、そして、銅鋳
物製で、酸素供給管3、冷却水排水管4、及び冷却水給
水管5を一体構造とした管状のノズル取付け管12に、
ネジで脱着可能に取付けられている。
示すように、二次燃焼ノズル6及び地金溶融除去用ノズ
ル7は一体構造のノズルチップからなり、そして、銅鋳
物製で、酸素供給管3、冷却水排水管4、及び冷却水給
水管5を一体構造とした管状のノズル取付け管12に、
ネジで脱着可能に取付けられている。
【0026】尚、図1(a)においては、下から3段目
の部分には、2次燃焼用ノズル6は後述するような理由
により配置していない。
の部分には、2次燃焼用ノズル6は後述するような理由
により配置していない。
【0027】このように構成された精錬用ランスを使用
し、転炉で鋼の精錬を行う方法を、図2により説明する
と、次のとおりである。すなわち、精錬用ランス1を、
転炉21の炉口22から精錬位置まで挿入する。そし
て、精錬用ランス1の酸素供給管を通して酸素を供給
し、精錬用の酸素ノズル2から酸素を溶鋼24の浴面に
噴射する。この精錬反応においては、酸素ガス吹き付け
により、酸素と溶鋼成分とが激しく反応し、転炉ガス
(COガス)25が大量に発生する。
し、転炉で鋼の精錬を行う方法を、図2により説明する
と、次のとおりである。すなわち、精錬用ランス1を、
転炉21の炉口22から精錬位置まで挿入する。そし
て、精錬用ランス1の酸素供給管を通して酸素を供給
し、精錬用の酸素ノズル2から酸素を溶鋼24の浴面に
噴射する。この精錬反応においては、酸素ガス吹き付け
により、酸素と溶鋼成分とが激しく反応し、転炉ガス
(COガス)25が大量に発生する。
【0028】この転炉ガス25は、燃料としての有効成
分および顕熱を保有しているので、炉口22から排ガス
フード26を通って、排ガス回収装置(図示せず)に回
収される。
分および顕熱を保有しているので、炉口22から排ガス
フード26を通って、排ガス回収装置(図示せず)に回
収される。
【0029】転炉ガス25が排ガス回収装置に導かれる
ときに、転炉ガス25とともに多量の鉄塵が転炉の炉口
22を通過するので、高温の鉄塵が炉口部22に付着、
凝固して地金27を形成する。そして、この地金27
は、炉口22から転炉21の炉内に向かって成長し、転
炉21の炉壁28を構成する耐火煉瓦をも覆うようにな
る。
ときに、転炉ガス25とともに多量の鉄塵が転炉の炉口
22を通過するので、高温の鉄塵が炉口部22に付着、
凝固して地金27を形成する。そして、この地金27
は、炉口22から転炉21の炉内に向かって成長し、転
炉21の炉壁28を構成する耐火煉瓦をも覆うようにな
る。
【0030】そこで、この精錬用ランス1においては、
ランス外周面に設けた2次燃焼用ノズル6から転炉21
の炉壁に向けて酸素31を噴射する。
ランス外周面に設けた2次燃焼用ノズル6から転炉21
の炉壁に向けて酸素31を噴射する。
【0031】あらかじめ、2次燃焼用ノズル6の酸素3
1の到達距離が、転炉21炉体に到達できる距離となる
ように2次燃焼用ノズル6の形式を選定しておくと、噴
射した酸素31と転炉ガス25が反応(2次燃焼)し、
その2次燃焼熱が上昇気流となって、炉壁を伝って炉口
22に到達し、炉口22に付着しようとする地金(スプ
ラッシュ)を除去する。
1の到達距離が、転炉21炉体に到達できる距離となる
ように2次燃焼用ノズル6の形式を選定しておくと、噴
射した酸素31と転炉ガス25が反応(2次燃焼)し、
その2次燃焼熱が上昇気流となって、炉壁を伝って炉口
22に到達し、炉口22に付着しようとする地金(スプ
ラッシュ)を除去する。
【0032】2次燃焼用ノズル6から噴射した酸素31
と転炉ガス25の反応(2次燃焼)が十分でない場合に
は、ランス1のより上方の位置に設けた2次燃焼用ノズ
ル6aから噴射した酸素31aと未燃焼の転炉ガス25
とを反応させ、地金の除去をより完全なものにする。
と転炉ガス25の反応(2次燃焼)が十分でない場合に
は、ランス1のより上方の位置に設けた2次燃焼用ノズ
ル6aから噴射した酸素31aと未燃焼の転炉ガス25
とを反応させ、地金の除去をより完全なものにする。
【0033】尚、転炉21のように炉口22が絞られて
いる場合には、2次燃焼用ノズル6の酸素31の到達距
離は、ランス1の上方に設けられたものほど短くてす
み、炉口22の絞り始めの位置においては、すぐ下方に
設けられたものよりも、酸素31の到達距離は500〜
1000mm短くてよい。すなわち、酸素31の到達距
離を短くしないと、炉壁に酸素が直接当り耐火物がスポ
ーリングを起こす。
いる場合には、2次燃焼用ノズル6の酸素31の到達距
離は、ランス1の上方に設けられたものほど短くてす
み、炉口22の絞り始めの位置においては、すぐ下方に
設けられたものよりも、酸素31の到達距離は500〜
1000mm短くてよい。すなわち、酸素31の到達距
離を短くしないと、炉壁に酸素が直接当り耐火物がスポ
ーリングを起こす。
【0034】しかしながら、炉口22の終端近傍では、
炉口22の開口面積は小さくなり、転炉ガス25の流速
は空塔速度と称して反対に上昇して速過ぎるため、2次
燃焼用ノズル6から酸素31を噴射しても、2次燃焼の
効果はなく、炉口22の鉄皮と耐火煉瓦を損傷させるだ
けとなるため、このようなランス1の位置においては、
2次燃焼用ノズル6はやめて、以下に説明する地金溶融
除去用ノズル7のみとした方がよい。
炉口22の開口面積は小さくなり、転炉ガス25の流速
は空塔速度と称して反対に上昇して速過ぎるため、2次
燃焼用ノズル6から酸素31を噴射しても、2次燃焼の
効果はなく、炉口22の鉄皮と耐火煉瓦を損傷させるだ
けとなるため、このようなランス1の位置においては、
2次燃焼用ノズル6はやめて、以下に説明する地金溶融
除去用ノズル7のみとした方がよい。
【0035】ランス1自身に付着しようとする地金(ス
プラッシュ)は、酸素の到達距離の短い地金溶融除去用
ノズル7から酸素32を噴射し、ランス1外周面の近傍
で酸素32と転炉ガス25を反応させ、あるいは付着し
た地金と直接反応させ、これらの燃焼熱により付着しか
かっている地金を溶解して除去する。
プラッシュ)は、酸素の到達距離の短い地金溶融除去用
ノズル7から酸素32を噴射し、ランス1外周面の近傍
で酸素32と転炉ガス25を反応させ、あるいは付着し
た地金と直接反応させ、これらの燃焼熱により付着しか
かっている地金を溶解して除去する。
【0036】尚、ランス1自身に付着しようとする地金
(スプラッシュ)は、ランス1の先端からランス1の長
手方向に沿って3〜4mにも達するので、地金溶融除去
用ノズル7をランス1の上下方向に一定間隔をおいて、
複数段設けるとよい。
(スプラッシュ)は、ランス1の先端からランス1の長
手方向に沿って3〜4mにも達するので、地金溶融除去
用ノズル7をランス1の上下方向に一定間隔をおいて、
複数段設けるとよい。
【0037】2次燃焼用ノズル6の酸素31の噴射方向
は、ほぼ水平方向とするのが一般的であるが、転炉ガス
25の流速に応じて下向きに傾斜させるのもよい。
は、ほぼ水平方向とするのが一般的であるが、転炉ガス
25の流速に応じて下向きに傾斜させるのもよい。
【0038】又、特に2次燃焼用ノズル6は、炉体近傍
での2次燃焼効果を高めるために、酸素31を超音速で
噴射できる構造のものを使用するとよい。例えばラバー
ル型ランスに使用されるノズルを使用するのもよい。
尚、2次燃焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル7
の形式は、上述したものの外にも操業条件に合わせて選
定すればよく、使用個数も実験等により最適個数を選定
すればよい。
での2次燃焼効果を高めるために、酸素31を超音速で
噴射できる構造のものを使用するとよい。例えばラバー
ル型ランスに使用されるノズルを使用するのもよい。
尚、2次燃焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル7
の形式は、上述したものの外にも操業条件に合わせて選
定すればよく、使用個数も実験等により最適個数を選定
すればよい。
【0039】又、2次燃焼用ノズル6および地金溶融除
去用ノズル7を、ランスの長手方向に何段設けるか、
又、どの程度の間隔をおいて設けるかは、炉の規模とか
操業条件に合わせて決定すればよい。例えば、容量25
0Ton、炉内高さ(炉底煉瓦面から炉口までの距離)
10.5mの転炉に適用した例では、下から1段目のノ
ズル位置を溶鋼面上3.0m、2段目のノズル位置を1
段目ノズル上1〜2m、3段目のノズル位置2段目ノズ
ル上1〜2m(炉口から2.0m下)として、良好な結
果が得られた。
去用ノズル7を、ランスの長手方向に何段設けるか、
又、どの程度の間隔をおいて設けるかは、炉の規模とか
操業条件に合わせて決定すればよい。例えば、容量25
0Ton、炉内高さ(炉底煉瓦面から炉口までの距離)
10.5mの転炉に適用した例では、下から1段目のノ
ズル位置を溶鋼面上3.0m、2段目のノズル位置を1
段目ノズル上1〜2m、3段目のノズル位置2段目ノズ
ル上1〜2m(炉口から2.0m下)として、良好な結
果が得られた。
【0040】図3は、この発明の他の実施例の精錬用ラ
ンスの長手方向一部断面図である。この実施例の精錬用
ランス11は、図1により説明した精錬用ランス1と異
なり、酸素供給管3と冷却水排水管4との管に地金除去
用酸素供給配管3aを配置し(すなわち四重管形式)、
酸素供給管3と地金除去用酸素供給配管3aとの間に形
成される酸素供給通路3bと2次燃焼用ノズル6および
地金溶融除去用ノズル7とを連結する酸素供給通路10
aを設けたものであり、その他は精錬用ランス1と同じ
構成である。この精錬用ランス11の場合には、2次燃
焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル7に供給する
酸素の量を、精錬用ランス1の場合よりもコントロール
しやすいという特徴があり、地金付着量をコントロール
する等、よりきめ細かく地金除去を行うことができると
いう利点がある。
ンスの長手方向一部断面図である。この実施例の精錬用
ランス11は、図1により説明した精錬用ランス1と異
なり、酸素供給管3と冷却水排水管4との管に地金除去
用酸素供給配管3aを配置し(すなわち四重管形式)、
酸素供給管3と地金除去用酸素供給配管3aとの間に形
成される酸素供給通路3bと2次燃焼用ノズル6および
地金溶融除去用ノズル7とを連結する酸素供給通路10
aを設けたものであり、その他は精錬用ランス1と同じ
構成である。この精錬用ランス11の場合には、2次燃
焼用ノズル6および地金溶融除去用ノズル7に供給する
酸素の量を、精錬用ランス1の場合よりもコントロール
しやすいという特徴があり、地金付着量をコントロール
する等、よりきめ細かく地金除去を行うことができると
いう利点がある。
【0041】
【発明の効果】この発明により、炉口や精錬用ランス自
身に付着する地金を、地金除去専用ランスを使用するこ
となく除去することができ、炉やランスの寿命を延ばし
て補修費の低減を図ることができるとともに、地金除去
のために操業を停止することもなく、かつ地金除去にと
もなう危険作業を行う必要がない。
身に付着する地金を、地金除去専用ランスを使用するこ
となく除去することができ、炉やランスの寿命を延ばし
て補修費の低減を図ることができるとともに、地金除去
のために操業を停止することもなく、かつ地金除去にと
もなう危険作業を行う必要がない。
【図1】この発明の実施例の精錬用ランスの説明図であ
り、(a)はこの精錬用ランスの長手方向一部断面図、
(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(a)のB部拡
大図、(d)は(a)のC部拡大図、(e)は(a)の
D部拡大図である。
り、(a)はこの精錬用ランスの長手方向一部断面図、
(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(a)のB部拡
大図、(d)は(a)のC部拡大図、(e)は(a)の
D部拡大図である。
【図2】この発明の実施例の精錬用ランスの使用状態を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図3】この発明の他の実施例の精錬用ランスの長手方
向一部断面図である。
向一部断面図である。
【図4】従来の精錬用ランスの使用状態を示す説明図で
ある。
ある。
1 精錬用ランス 2 精錬用酸素ノズル 3 酸素供給管 3a 地金除去用酸素供給配管 3b 酸素供給通路 4 冷却水排水管 5 冷却水給水管 6 2次燃焼用ノズル 7 地金溶融除去用ノズル 8 排水通路 9 給水通路 10 酸素供給通路 10a 酸素供給通路 11 精錬用ランス 12 ノズル取付け管
Claims (1)
- 【請求項1】 先端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素
管の外側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却
用配管を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷
却用配管の外周面の周方向に沿って水平方向又は下向き
に酸素を噴射できる2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数
個配置し、かつこれら2次燃焼用ノズルの各々を中心と
して放射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズルを
複数設け、これら2次燃焼用ノズルおよび地金溶融除去
用ノズルのそれぞれに、酸素を供給できる酸素通路を連
結させたことを特徴とする精錬用ランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15918395A JPH093519A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 精錬用ランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15918395A JPH093519A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 精錬用ランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093519A true JPH093519A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15688131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15918395A Pending JPH093519A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 精錬用ランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093519A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051349A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Jfe Steel Kk | 溶銑の脱燐処理方法及び脱燐処理用上吹きランス |
JP2015522107A (ja) * | 2012-07-10 | 2015-08-03 | ルマール メタルズ エルティディエー. | 金属製作用の吹き付けスピア、並びにローディング及び吹き付け操作条件のメンテナンス |
-
1995
- 1995-06-26 JP JP15918395A patent/JPH093519A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051349A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Jfe Steel Kk | 溶銑の脱燐処理方法及び脱燐処理用上吹きランス |
JP4715384B2 (ja) * | 2005-08-19 | 2011-07-06 | Jfeスチール株式会社 | 溶銑の脱燐処理方法及び脱燐処理用上吹きランス |
JP2015522107A (ja) * | 2012-07-10 | 2015-08-03 | ルマール メタルズ エルティディエー. | 金属製作用の吹き付けスピア、並びにローディング及び吹き付け操作条件のメンテナンス |
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