JPH11279618A - 精錬用ランス - Google Patents

精錬用ランス

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JPH11279618A
JPH11279618A JP8658798A JP8658798A JPH11279618A JP H11279618 A JPH11279618 A JP H11279618A JP 8658798 A JP8658798 A JP 8658798A JP 8658798 A JP8658798 A JP 8658798A JP H11279618 A JPH11279618 A JP H11279618A
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JP
Japan
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oxygen
lance
furnace
metal
nozzle
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Pending
Application number
JP8658798A
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English (en)
Inventor
Makoto Naito
誠 内藤
Shigenobu Takada
重信 高田
Kenji Oshima
健二 大島
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉壁テーパ部に付着した地金を適正に除去でき
る機能を持った精錬用ランスを提供することを課題とす
る。 【解決手段】精錬用ランス6の外周側面に酸素を噴射可
能な複数の地金溶解用送酸ノズル9を設ける。その各地
金溶解用送酸ノズル9の径及び上下方向の噴射角度を、
炉内径Dや炉口6からの距離等に応じて個々に設定する
ことで、各地金溶解用送酸ノズル9から吹き出した酸素
流を、排ガス上昇気流14によって炉壁テーパ部3にの
みに、しかも当該炉壁テーパ部3に垂直又はほぼ垂直に
当たるように送ることを可能とし、吹錬中に炉内耐火物
を傷めることなく、直接に送酸又は2次燃焼を利用して
上記炉壁テーパ部3に付着する地金を溶解除去する。ま
た、ランス6の外周側面にテーパを設けることで、ラン
ス6自身への地金付着を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精錬を行う際に使
用される精錬用ランスに係り、特に炉内の炉口部近傍に
付着する地金を適正に除去できる精錬ランスに関する。
【0002】
【従来の技術】転炉の炉口に付着した地金の除去方法と
しては、例えば、特開昭59−038710号公報等に
記載されているように、スクレーパ等を使用して機械的
に付着した地金を削り落とす方法や、特開平9−351
9号公報や特開平6−248323号公報に記載のよう
に、メインランス又は専用ランスを用いて付着している
地金を溶断・溶解する方法がある。
【0003】例えば、上記特開平9−3519号公報に
記載の精錬用ランスは、先端に精錬用の酸素ノズルを備
えた酸素間の外周に給水通路や排水通路を備えた冷却用
配管を配した多重管式の精錬用ランスについての改良で
あって、冷却用配管の外周面に周方向に沿って水平又は
斜め下方に酸素を噴射する2次燃焼用ノズルを一定間隔
で配置し、更に、その各々の2次燃焼用ノズルを囲むよ
うに放射状に複数の地金溶解除去用ノズルを配設して、
その地金溶解除去用ノズルには、それぞれ酸素が供給で
きるように酸素通路を連通させている。
【0004】そして、例えば,炉口に向けて先細りとな
る炉壁のテーパ部分に付着しようとする地金について
は、上記2次燃焼用ノズルから噴射される酸素が当該炉
壁テーパ部等に十分に到達できる流量とすることによ
り、当該2次燃焼用ノズルからの酸素と未燃焼の炉内燃
焼ガスとの反応により地金を溶解除去させ、また、ラン
ス自身に付着しようとする地金については、上記地金溶
解除去用ノズルから噴射する酸素と炉内燃焼ガス又は地
金自身とを当該ランスの外周側面近傍で反応させて、そ
の燃焼熱によって地金を溶解して除去するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
クレーパ等で機械的に削り落とす方法では、地金除去の
作業中は転炉の操業を行うことができない。また、削り
過ぎによって耐火物を傷めてしまう可能性も高いという
問題点がある。
【0006】また、上記メインランスや専用ランスを用
いて溶断・溶解する方法の場合には、専用ランスを使用
するときには、上述の機械的に削り落とす場合と同様に
転炉の操業を阻害するという問題がある。
【0007】また、メインランスにて行う方法において
は、転炉操業を阻害することはないものの、転炉が新炉
時と末期炉時とではランス高さや炉内の排ガス上昇流の
速度が異なることに起因して、必要のない部分にも酸素
流が当たってしまい、耐火物を傷めてしまうという問題
や、送酸量が多くなってしまうと、ガスの処理能力との
関係でアンバランスになってしまうおそれがあるという
問題がある。
【0008】ここで、上記特開平9−3519号公報に
記載の精錬用ランスは、加工や制作が非常に困難である
という問題点がある。即ち、円管状の冷却配管の周方向
に沿って一定間隔で2次燃焼用ノズルを配置すると共
に、その夫々の2次燃焼用ノズルの周りに放射状に複数
の地金溶解除去用ノズルを配設し、しかもその夫々や2
次燃焼用ノズルに、内部の冷却水給水通路や排水通路を
通過して、酸素通路を連通することは、加工も制作も極
めて困難なものであり、コスト的にも相当に不利なもの
となる。
【0009】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、付着した地金を適正に除去できる機能
を持った精錬用ランスを提供することを課題としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した発明は、下端に精
錬用の酸素ノズルを備えた酸素管の外側に冷却用配管を
配置した多重管式の精錬用ランスであって、その精錬用
ランスの外周側面に対し上記酸素管に連通し外方に向け
て酸素を噴射可能な複数の地金溶解用送酸ノズルを設
け、その各地金溶解用送酸ノズルの径dを、対象とする
炉の内径をDとしたときに、6.0×10-4≦(d/
D)≦2.5×10-3の範囲内となるようにそれぞれ設
定し、また、その各地金溶解用送酸ノズルの上下方向の
噴出角度θを、水平方向を基準とし下向きを正としたと
きに、それぞれノズル位置から炉口高さまでの距離Lが
L≧4.0mの場合には−10度以上且つ0度以下に、
1.5m≦L≦4.0mの場合に0度若しくは略0度
に、0≦L≦1.5mの場合に0度以上且つ25度以下
に設定したことを特徴とする精錬用ランスを提供するも
のである。
【0011】本発明は、対象を、特に、炉口から炉体上
部テーパ部の領域(以下炉壁テーパ部と呼ぶ)に付着し
た地金に絞ったものであり、炉の大きさ及び精錬時に炉
内で発生する排ガス上昇気流を考慮して、各地金溶解用
送酸ノズルのノズル径及び噴出角度を上述のように個々
に設定することで、各地金溶解用送酸ノズルから吹き出
した酸素流を、排ガス上昇気流によって炉壁テーパ部に
のみに、しかも当該炉壁テーパ部に垂直又はほぼ垂直に
当たるように送ることを可能とし、吹錬中に炉内耐火物
を傷めることなく、直接に送酸又は2次燃焼を利用して
上記炉壁テーパ部に付着する地金を溶解除去する。
【0012】ここで、炉壁テーパ部に垂直又はほぼ垂直
に当たるように酸素流を送ることで、例えば,炉内燃焼
ガスとの混合性や燃焼効率が向上し、これによって、例
えば少ない酸素流量で効率よく地金の溶解除去を行うこ
とが可能となる。
【0013】また、本発明では、各地金溶解用送酸ノズ
ルへの酸素を、精錬用の酸素と同系統とすることで、設
備費も安価となる。ここで、上記数値限定について説明
する。
【0014】一般に酸素管内の内圧Pは、6〜10kg/
cm2 程度の範囲であることを考慮し、また炉内径に応じ
て酸素の噴出速度を変えることがあることに鑑み、上記
内圧Pの範囲で各地金溶解用送酸ノズルからの噴出流速
を考えた場合、ノズル径dと炉内径Dとの関係(d/
D)は、炉内には排ガス上昇気流があることから、(d
/D)<6.0×10-4としたときの噴出流速では、炉
壁テーパ部位置まで酸素吹き付けや酸素による2次燃焼
の効果が届かず、逆に、(d/D)>2.5×10-3
したときの噴出流速では、炉壁テーパ部位置の地金にあ
たる酸素流速が速すぎて直接酸素が当たる位置の地金の
みが溶解し、その周りの地金を溶解する前に耐火物を溶
損してしまう。
【0015】このために、炉内径Dに応じて、ノズル径
が6.0×10-4≦(d/D)≦2.5×10-3の範囲
となるように限定している。また、地金溶解用送酸ノズ
ルの各噴射角度を、ノズル位置から炉口高さまでの距離
Lに応じて上述のように設定したのは、次の理由によ
る。
【0016】上記のようにノズル径を設定した場合、L
≧4.0mの範囲では、水平方向や下向きに噴射したの
では、上記炉壁テーパ部まで送酸流,2次燃焼の効果が
届かず、逆に炉壁胴体部の炉内耐火物を溶損してしま
う。このため、上向きに噴射するようにしている。ま
た、−10度よりも小さくして上向きに大きな噴射角度
にすると、上記地金が付着している炉壁テーパ部に垂直
又は略垂直に当たらない。このため、L≧4.0mの範
囲では、噴射角度を、−10度以上且つ0度以下に設定
している。
【0017】また、1.5m≦L≦4.0mの範囲で
は、排ガス上昇流の関係から水平に噴射することで炉壁
テーパ部に向けられるため、噴射角度を0度又は略0度
に設定した。
【0018】また、炉口に近い0≦L≦1.5mの範囲
では、炉口近傍の排ガス上昇流の流速が速いことを考慮
して下向きの噴射とし、また上記炉壁テーパ部に確実に
送酸流,2次燃焼の効果が届くように噴射角を0度以上
且つ25度以下に設定したものである。つまり、上記噴
射角とすることで、地金溶解用送酸ノズルから噴出され
た酸素流は、斜め下方に向かうが流速の速い排ガス上昇
流によって斜め上方に進路が変更されて炉壁炉壁テーパ
部に垂直又は略垂直に当たる。または、排ガスによる上
昇熱気流は、炉壁テーパ部による絞り効果で更に加速さ
れ、炉口部位では相応の高速になっている。これに対し
て、下向き噴射された酸素は、炉口近傍で2次燃焼を起
こし、その燃焼熱によって当該炉口近傍に付着する地金
を溶解除去する。
【0019】次に、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した発明に対して、上記全ての地金溶解用送酸
ノズルからの送酸量を、酸素ノズルからの送酸量を含め
た全送酸量の5%以下に設定することを特徴とするもの
である。
【0020】地金溶解用送酸ノズルからも、精錬中は常
に送酸し続けることとなるため、送酸し過ぎとなって炉
内耐火物を溶損させるおそれがある。これを防止するた
めに地金溶解用送酸ノズルからの送酸量を全体の5%以
下に設定することで、上記問題を回避する。
【0021】上記限定は、地金溶解用送酸ノズルの各ノ
ズル径を個々に調整することで実現できる。次に、請求
項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載し
た構成に対して、少なくとも炉内に装入される部分のラ
ンスの外周側面形状は、先端が小径となるテーパ形状で
あることを特徴とするものである。
【0022】本来、自身を保護するために行われている
ランスの冷却に着目したところ、その冷却用配管の外周
面に付着しようとする地金(スプラッシュ)は急速に冷
却されて固化する。
【0023】そこで、この発明では、この冷却用配管の
外側、つまりランスの外周側面形状を、当該付着しよう
として固化した地金が落下し易い、下向き先細りのテー
パ形状にすることで、固化した地金は重力によって自動
的に落下する。地金が落下すれば、本来の酸素ノズルか
ら噴射される酸素との反応によって溶融され、精錬され
る。
【0024】すなわち、炉壁テーパ部の地金の除去と共
に自動的にランス自身に付着する地金の除去も行われ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本実施形態を図面を参照し
つつ説明する。図1は、本発明の精錬用ランス6を転炉
1に用いた実施形態を示すものである。
【0026】この転炉1は典型的な構造であり、底部か
ら立ち上がる円筒状の炉壁胴体部2に続いて、上端の炉
口4に向けて徐々に先細りとなる炉壁テーパ部3が形成
されている。この転炉1では、後述するように主として
底部から炉壁胴体部2内の溶鋼5に対して酸素吹付けに
よる精錬が行われるが、そこで発生する飛散分(スプラ
ッシュ)や鉄塵が、上記炉壁テーパ部3の近傍に付着
し、それが冷えて固化することによって地金となる。こ
の地金によって炉口4を狭めることとなる。
【0027】本実施形態で、前記炉口4から転炉1内部
に差し込まれる精錬用ランス6は、図1に示すように、
前記転炉1の炉口4から炉壁テーパ部3を経て内壁胴体
部2内に至る部分が、下方先細りのテーパ形状に成形さ
れている。この精錬用ランス6は、図2に示すように、
酸素を送給する酸素管7の外周に冷却用配管8が同軸に
配置された多重管式となっている。上記冷却用配管8は
2重管となっていて、内側が冷却水を排水するための冷
却排水管8a,外側が冷却水を給水するための冷却給水
管8bを構成する。また、上記酸素管7の内圧が6〜1
0kg/ cm2 程度の範囲となるように、当該酸素管7への
酸素の供給量が調整される。
【0028】上記酸素管7の下端部には、図示されない
精錬用酸素ノズルが設けられている。そして、上記酸素
管7の内圧が6〜10kg/ cm2 程度の範囲となるように
当該酸素管7への酸素の供給量が調整されている。この
精錬用酸素ノズルから噴射される酸素流は、炉内燃焼ガ
スとの間の2次燃焼によって溶鋼5の精錬を行うのであ
るが、そのときに発生する溶鋼5の飛散分(スプラッシ
ュ)や鉄塵はランス6自体にも付着して地金になろうと
するが、この実施形態では、例えば冷却給水管8b内の
冷却水によって上記地金は急速に固化し、さらにランス
6の外周側面形状が下方先細りのテーパ形状であること
から、当該ランス6に付着することなく、重力によって
下方に自然落下してしまう。そして、このように地金が
落下してしまえば、本来の溶鋼5に復帰して精錬が行わ
れることになるのである。
【0029】また、上記精錬用酸素ノズルの外周側面に
は、前記炉壁テーパ部3に向けて酸素を噴射するための
地金溶解用送酸ノズル9が複数個,設けられている。本
実施形態では、地金溶解用送酸ノズル9は、図1に示す
ように、炉口4からの距離がL1 ,L2 ,L3 と異なる
3段に区分けされて設けられ、各段の高さ位置で、それ
ぞれ円周方向に沿って例えば,等間隔又は略等間隔にそ
れぞれ複数個,設けられている。
【0030】上記各地金溶解用送酸ノズル9は、本実施
形態では上記図2に示すように、冷却給水管8b及び冷
却排水管8aを径方向に貫通するブロック10,11,
12で構成され、そのブロック10,11,12の中央
部を貫通する貫通穴10a,11a,12aによってノ
ズル口が構成されている。そして、酸素管7の側面に、
上記貫通穴10a,11a,12aと同軸に連通穴7a
が開設させることで、酸素管7を通過する酸素の一部が
貫通穴10a,11a,12a側に流れてランス6の周
方向外方に向けて噴出されるようになっている。
【0031】そして、ノズル口を構成する貫通穴10
a,11a,12aの径d1 ,d2 ,d3 を、ランス6
を装入する転炉1の内径Dに対して6.0×10-4
(d/D)≦2.5×10-3の範囲内となるような径に
個々に設定している。但し、精錬用酸素ノズルのノズル
径及び酸素管7内の内圧Pを考慮して、全ての地金溶解
用送酸ノズル9からの送酸量が、酸素ノズルからの送酸
量を含めたランス6からの全送酸量の5%以下となるよ
うに、各地金溶解用送酸ノズル9の各ノズル径d1,d
2 ,d3 を決定する。
【0032】ここで、上記ブロック10,11,12
は、軸を水平とした姿勢で、その側面を冷却排水管8a
及び冷却給水管8bに固着して取り付けられているが、
酸素管7の側面には、Oリング等の弾性シール部材を介
装して液密状態で当接して当該酸素管7とは固着してい
ない。これによって、冷却排水管8a及び冷却給水管8
bと、酸素管7との熱膨張量の差が吸収可能となってい
る。
【0033】上記地金溶解用送酸ノズル9を設ける高さ
は、第1段の距離L1 がL≧4.0mの範囲となる位置
に設定し、第2段の距離L2 が1.5m≦L≦4.0m
の範囲となる位置に設定し、第3段の距離L3 が0≦L
≦1.5mの範囲となる位置に設定している。
【0034】さらに、各地金溶解用送酸ノズル9の噴出
角度θが、水平方向を基準とし下向きを正としたとき
に、第1段位置の地金溶解用送酸ノズル9については、
−10度≦θ≦0度の範囲となるように、第2段位置の
地金溶解用送酸ノズル9については、0度となるよう
に、第3段位置の地金溶解用送酸ノズル9については、
0度≦θ≦25度の範囲となるように、各ブロック1
0,11,12の軸に対する貫通穴10a,11a,1
2aの軸を変えている。
【0035】ここで、各貫通穴10a,11a,12a
に接続される酸素管7の連通穴7aは、貫通穴10a,
11a,12aと同軸である必要はなく、軸を水平にし
て開口していてもよい。
【0036】また、上記ブロック10,12を軸方向途
中で径が変化する円柱状とし、そのブロック10,12
の軸に対する貫通穴10a,12aの傾きを0度以上1
0度以下に設定することで、第1段位置用のブロック1
2と第3段位置用のブロック10とを共用として、製造
コストの低減を図ってもよい。
【0037】以上のように、炉口4の高さすなわち、対
象とする炉壁テーパ部3の高さからの各地金溶解用送酸
ノズル9位置までの上下方向の距離に応じて酸素の噴出
方向を変えることで、各地金溶解用送酸ノズル9からの
酸素流を、地金が付着し易い炉壁テーパ部3に垂直又は
ほぼ垂直に且つ好適な流速で当てるようにすることで、
内壁胴体部2に直接酸素が当たるのを回避して耐火物の
スポーリング(耐火物が直接炉内排ガスとの高温燃焼に
曝されて部分的に欠落する損傷)を回避すると共に、前
記上昇熱気流中の炉内燃焼ガスと酸素との混合を促進
し、或いはそれにより炉壁テーパ部3での燃焼効率を向
上して、炉壁テーパ部3に付着する地金を効果的に溶解
除去することができる。
【0038】即ち、炉内径Dに合わせて上記のようにノ
ズル径及び酸素管7内の内圧Pを調整することで、炉壁
テーパ部3位置に対し好適な流速で酸素流を吹き付け可
能となったり、酸素による2次燃焼の効果が届くように
なる。
【0039】そして、第1段位置の地金溶解用送酸ノズ
ル9から斜め上方に噴出した酸素流は、排ガス上昇流1
4によって、炉壁胴体部2に向かうことなく炉壁テーパ
部3に向かい当該炉壁テーパ部3に垂直又は略垂直に当
たる。
【0040】また、第2段位置の地金溶解用送酸ノズル
9から水平に噴出した酸素流も排ガス上昇流14によっ
て、炉壁胴体部2に向かうことなく炉壁テーパ部3に向
かい当該炉壁炉壁テーパ部3に垂直又は略垂直に当た
る。
【0041】更に、第3段位置の地金溶解用送酸ノズル
9から斜め下方に噴出した酸素流は、一旦,斜め下方に
向かうが流速の速い排ガス上昇流14によって斜め上方
に進路が辺変更されて炉壁炉壁テーパ部3に垂直又は略
垂直に当たる。または、上昇熱気流は、炉壁テーパ部3
による絞り効果で更に加速され、炉口部位では相応の高
速になっている。これに対して、第3段位置から下向き
噴射された酸素は、炉口4近傍で2次燃焼を起こし、そ
の燃焼熱によって当該炉口4近傍に付着しようとしてい
る地金を溶解除去することができる。
【0042】このように、本実施形態の精錬用ランス6
によれば、ランス6自体に付着しようとする地金は、急
速に冷却されて固化するものの、下方先細りのテーパ状
の外形に沿って自然落下する。
【0043】また、地金溶解用送酸ノズル9から噴射さ
れる酸素流で、内壁胴体部2の耐火物の損傷を回避しな
がら、炉壁テーパ部3に付着又は付着しようとする地金
を溶解除去することができる。
【0044】このとき、炉内の上昇熱気流によって酸素
流が当該炉壁テーパ部3に垂直又はほぼ垂直にあたるこ
とで、炉内排ガスとの混合効率が向上したり燃焼効率が
向上したりして、当該炉壁テーパ部3に付着しようとす
る地金を効果的に溶解除去することができる。
【0045】また、第3段の地金溶解用送酸ノズル9か
ら下方向きに酸素を噴射することで、加速された上昇熱
気流に対しても炉口4近傍で効率的に2次燃焼を行うこ
とができ、それにより、炉壁テーパ部3と共に炉口4近
傍に付着しようとする地金を効果的に溶解除去すること
ができる。
【0046】そして、地金溶解用送酸ノズル9のノズル
径及び噴射角度を適宜調整したブロック10,11,1
2を使用すればよいから、ランス制作や加工は比較的容
易であり、コストも低廉とすることができる。
【0047】しかも、全地金溶解用送酸ノズル9からの
送酸量を5%以下となるように規制することで、地金付
着防止のために地金溶解用送酸ノズル9を設けることに
よって生じるおそれのある送酸し過ぎが防止されて炉内
耐火物を溶損させることが防止される。
【0048】なお、例えば炉内の溶鋼5をサンプリング
するために炉内にサブランスを差し込む場合には、当該
サブランスを保護するために、当該サブランスには酸素
流がかからないような周方向の位置に、各地金溶解用送
酸ノズル9を設けることが望ましい。
【0049】また、この実施形態では、地金溶解用送酸
ノズル9を3段の高さ位置に設けているが3段以上であ
っても良いし、第1段を省略するなど2段だけでも良
い。
【0050】
【実施例】上記各炉口4からの距離や噴射角度を変えて
実施したところ、表1のような結果を得た。炉壁テーパ
部3に地金が付着した状態から吹錬したものである。
【0051】
【表1】
【0052】(a)は、本願発明の範囲内のものであ
り、(b)〜(d)のものは本願発明の範囲外の比較例
である。また、表中、chは、チャージをあらわし精錬
の回数を示す。
【0053】表1から分かるように、(a)のもので
は、炉内耐火物、炉口金物を溶損することなく地金の溶
解除去ができたが、本発明の範囲外のものでは、耐火物
に一部溶損を生じるか地金の溶解除去が不十分となって
いる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の精錬用ラ
ンスを採用すると、地金溶解用送酸ノズルのノズル径及
び吹出し方向を対象とする炉に合わせて調整するだけ
で、吹錬中に、実際に炉内で発生する上向きの上昇熱気
流によって、酸素流を無駄なく炉壁テーパ部に当てるこ
とができ、当該炉壁テーパ部から炉口にかけて付着しよ
うとする地金を有効に溶解して除去することができる。
【0055】このとき、請求項2の発明を採用すること
で、地金を好適に溶解除去できるにも関わらず、炉内耐
火物を溶損することが回避できるという効果がある。さ
らに、請求項3に記載の発明を採用すると、ランス自体
に付着しようとする地金は、冷却管によって急速に冷却
されて固化するものの、下方先細りのテーパ状の外形に
沿って落下して除去される。すなわち、炉壁テーパ部ば
かりでなく、格別な構造を要せずにランス自体に付着し
ようとする地金も除去可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る精錬用ランス及び転
炉を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る精錬用ランスを説明
する縦断面図である。
【符号の説明】
D 炉内径 d1 ,d2 ,d3 ノズル径 θ1 ,θ2 ,θ3 噴射角度 L1 ,L2 ,L3 地金溶解用送酸ノズルと炉口との距
離 1 転炉 2 炉壁胴体部 3 炉壁テーパ部 4 炉口 5 溶鋼 6 ランス 7 酸素管 8 冷却用配管 9 地金溶解用送酸ノズル 10,11,12 ブロック 10a,11a,12a 貫通穴(ノズル口) 14 排ガス上昇流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22B 15/06 C22B 15/06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に精錬用の酸素ノズルを備えた酸素
    管の外側に冷却用配管を配置した多重管式の精錬用ラン
    スであって、 その精錬用ランスの外周側面に対し上記酸素管に連通し
    外方に向けて酸素を噴射可能な複数の地金溶解用送酸ノ
    ズルを設け、その各地金溶解用送酸ノズルの径dを、対
    象とする炉の内径をDとしたときに、6.0×10-4
    (d/D)≦2.5×10-3の範囲内となるようにそれ
    ぞれ設定し、また、その各地金溶解用送酸ノズルの上下
    方向の噴出角度θを、水平方向を基準とし下向きを正と
    したときに、それぞれノズル位置から炉口高さまでの距
    離LがL≧4.0mの場合には−10度以上且つ0度以
    下に、1.5m≦L≦4.0mの場合に0度若しくは略
    0度に、0≦L≦1.5mの場合に0度以上且つ25度
    以下に設定したことを特徴とする精錬用ランス。
  2. 【請求項2】 上記全ての地金溶解用送酸ノズルからの
    送酸量を、酸素ノズルからの送酸量を含めた全送酸量の
    5%以下に設定することを特徴とする請求項1に記載し
    た精錬用ランス。
  3. 【請求項3】 少なくとも炉内に装入される部分のラン
    スの外周側面形状は、先端が小径となるテーパ形状であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した精
    錬用ランス。
JP8658798A 1998-03-31 1998-03-31 精錬用ランス Pending JPH11279618A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138271A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Jfe Steel Kk 転炉型精錬炉における精錬方法
JP2015522107A (ja) * 2012-07-10 2015-08-03 ルマール メタルズ エルティディエー. 金属製作用の吹き付けスピア、並びにローディング及び吹き付け操作条件のメンテナンス

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