JPH093483A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 対イオンが一般式（１） 【化１】 （Ｘ¹ 、Ｘ² 、Ｘ³ 及びＸ⁴ はＨ又はＣ₁〜Ｃ₁₀のアル
キル基、Ａ¹及びＡ²はＨ、Ｃ₁〜Ｃ₃のアルキル基又は−
ＯＨ、ｍ及びｎは０〜６）で表わされるジアミン塩であ
るアニオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物。 【効果】 起泡性及び泡持続性に優れ、クリーミーで良
好な泡質である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、起泡性及び泡持続性に
優れ、しかもクリーミーで良好な泡質を有する洗浄剤組
成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗浄剤組成物には、界面活性剤と
して、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤が広く使用されて
いる。これらのアニオン界面活性剤は、洗浄力に優れる
ものの、これ単独では泡の安定性が悪く、泡質も荒いな
どの欠点があるため、一般には、両性界面活性剤や脂肪
酸エタノールアミド等の増泡剤と組合わせて使用されて
いる。

【０００３】しかしながら、これらを組合わせて用いた
洗浄剤組成物であっても、充分な泡量、泡の安定性及び
良好な泡質を同時に充分満足できるものではなかった。
また、増泡剤等と組合わせて用いる場合には、処方が複
雑になったり、処方上の制限がでてくるなどの問題があ
った。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、起泡性及び泡持続性に優れ、しかもクリーミーで良
好な泡質を有する洗浄剤組成物を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、対イオンが特定のジ
アミン塩であるアニオン界面活性剤を用いれば、増泡剤
を使用しなくても、起泡性及び泡持続性に優れ、クリー
ミーで良好な泡質を有する洗浄剤組成物が得られること
を見出し、本発明を完成した。

【０００６】すなわち、本発明は、対イオンが一般式
（１）

【０００７】

【化２】

【０００８】（式中、Ｘ¹ 、Ｘ² 、Ｘ³ 及びＸ⁴ は同一
又は異なって、水素原子又は炭素数１〜１０のアルキル
基を示し、Ａ¹ 及びＡ² は同一又は異なって、水素原
子、炭素数１〜３のアルキル基又はヒドロキシル基を示
し、ｍ及びｎは０〜６の数を示す）で表わされるジアミ
ン塩であるアニオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物
を提供するものである。

【０００９】本発明で用いられるアニオン界面活性剤
は、対イオンが前記一般式（１）で表わされるジアミン
塩のものである。アニオン界面活性剤としては、通常の
洗浄剤組成物に用いられるものであれば特に制限され
ず、例えば次の（ａ）〜（ｌ）に示されるものが挙げら
れる。

【００１０】（ａ）平均炭素数１０〜２０のアルキル基
又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸
塩、（ｂ）平均炭素数１０〜２０の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基又はアルケニル基を有し、１分子内に平均０．
５〜８モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドが０．１／９．９〜９．９／０．１の比
で、もしくはエチレンオキサイドとブチレンオキサイド
が０．１／９．９〜９．９／０．１の比で付加したアル
キル又はアルケニルエーテル硫酸塩、（ｃ）平均炭素数
１０〜１６のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、

【００１１】（ｄ）炭素数８〜２２の高級アルコール若
しくはそのエトキシレートのスルホコハク酸エステルの
塩又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル
の塩、（ｅ）平均１０〜２４の炭素原子を１分子中に有
する飽和又は不飽和脂肪酸塩、（ｆ）平均炭素数１０〜
２０のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又
はアルケニルアミドエーテル酢酸塩、（ｇ）平均炭素数
１０〜２０のアルキル基又はアルケニル基を有するアル
キル又はアルケニルアミドエーテル硫酸塩、

【００１２】（ｈ）炭素数８〜２４のアシル基、及び遊
離カルボン酸残基を有するＮ−アシルアミノ酸型アニオ
ン界面活性剤、（ｉ）炭素数８〜２４のアシル基を有す
るアシルタウリン型アニオン界面活性剤、（ｊ）炭素数
８〜１８の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル
基を有するグリコール酸Ｎ−アルキルアミド硫酸エステ
ルの塩、（ｋ）平均１０〜２０の炭素分子を１分子中に
有するオレフィンスルホン酸塩、（ｌ）平均１０〜２０
の炭素原子を１分子中に有するアルカンスルホン酸塩。

【００１３】これらのうち、特に（ａ）〜（ｊ）のアニ
オン界面活性剤が好ましい。より好適なものの具体例と
しては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
（エチレンオキサイド平均２〜３モル付加）、ラウリル
硫酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、ヤシ油脂肪酸アマイドエーテ
ルサルフェート、ラウロイル−Ｎ−メチルタウリン、ラ
ウロイル−Ｎ−メチル−β−アラニン、Ｎ−ミリストイ
ル−Ｌ−グルタミン酸塩、ポリオキシエチレンラウリル
スルホコハク酸塩（エチレンオキサイド３〜７モル付
加）、グリコール酸モノラウリルアミド硫酸塩等が挙げ
られる。

【００１４】また、これらのアニオン界面活性剤は、対
イオンが前記一般式（１）で表わされるジアミン塩であ
ることが必要である。一般式（１）中、Ｘ¹ 、Ｘ² 、Ｘ
³ 及びＸ⁴ で示される炭素数１〜１０のアルキル基とし
ては、炭素数１〜３の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好
ましく、例えばメチル基、エチル基、ｎ−プロピル基、
イソプロピル基等が挙げられる。また、ｍ及びｎは０〜
６の数を示し、特に０〜３が好ましい。

【００１５】本発明で用いるアニオン界面活性剤は、対
イオンの１〜１００重量％、特に２０〜１００重量％、
更に４０〜１００重量％が、一般式（１）で表わされる
ジアミン塩であるのが好ましい。

【００１６】このようなアニオン界面活性剤は１種又は
２種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に３
〜４０重量％配合するのが好ましい。この配合量は、希
釈タイプ、レギュラータイプ、濃縮タイプ等の商品の形
態により異なり、例えばレギュラータイプの場合には、
特に１０〜３０重量％配合するのが好ましい。

【００１７】また、これらのアニオン界面活性剤は、必
ずしも対イオンが一般式（１）であるジアミン塩として
配合する必要はなく、ジアミン塩以外の対イオンを有す
るアニオン界面活性剤と、一般式（２）で表わされるジ
アミン塩を独立に配合して処方系の中で対イオン交換を
行い、対イオンがジアミン塩（１）であるものを形成せ
しめてもよい。

【００１８】

【化３】

【００１９】（式中、Ｘ¹ 、Ｘ² 、Ｘ³ 、Ｘ⁴ 、Ａ¹ 、
Ａ² 、ｍ及びｎは前記と同じ意味を有し、Ｙは無機性又
は有機性のアニオン基を示す）

【００２０】本発明の洗浄剤組成物には、更に水溶性カ
チオンポリマーを配合することができ、これにより、す
すぎ時の感触をより向上させることができる。かかる水
溶性カチオンポリマーとしては、特に制限されないが、
例えばＪＲ４００（ユニオン・カーバイド社製）、カチ
ナールＨＣ−１００Ｋ（東邦化学社製）、カチセロＨ６
０（花王社製）等のカチオン化セルロース誘導体；マー
コート５５０（メルク社製）等のジアリル第４級アンモ
ニウム塩／アクリルアミド共重合体；ガフコート７５５
Ｎ（ＧＡＦ社製）等の４級化ポリビニルピロリドン誘導
体；ラボールガムＣ−ＧＭ（大日本製薬社製）等のカチ
オン化グアガムなどが挙げられる。

【００２１】これらの水溶性カチオンポリマーは、１種
又は２種以上を組合わせて用いることができ、全組成中
に０．５〜７重量％配合するのが好ましく、特に１〜５
重量％、更に２〜４重量％配合すると、起泡力を損なう
ことなく、濯ぎ時の感触を向上させることができるので
好ましい。

【００２２】本発明の洗浄剤組成物には、その他の界面
活性剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、
糖エステル系、糖エーテル系、糖アミド系等のノニオン
界面活性剤；イミダゾリン系、ベタイン系等の両性界面
活性剤を本発明の効果を損なわない範囲において任意に
併用することもできる。

【００２３】更に、その他の添加剤として、洗浄剤に通
常用いられる成分を本発明の効果を損なわない範囲で任
意に併用することができる。例えばプロピレングリコー
ル、ソルビトール、グリセリン等の保湿剤；カチオン界
面活性剤、シリコーン誘導体等のコンディショニング
剤；カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、エ
タノール、ポリオキシエチレングリコールジステアレー
ト等の粘度調整剤；パール化剤、香料、色素、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤などを配
合することができる。

【００２４】本発明の洗浄剤組成物は、常法により製造
され、ペースト状、ゲル状、液状、固形状等の剤型とす
ることができ、皮膚又は毛髪等の身体用の洗浄剤として
好適なものである。

【００２５】

【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に詳
述する。但し、本発明は以下に示す実施例に限定される
ものではない。

【００２６】実施例１ Ｃ₁₂Ｈ₂₅ＯＳＯ₃・Ｍで表わされるアニオン界面活性剤
の対イオンＭが、表１に示すものであるときの泡立ち、
泡持続性及び泡質を評価した。結果を表１に示す。

【００２７】（評価方法） （１）泡立ち：各アニオン界面活性剤について、２０倍
希釈水溶液を調製し、この溶液１００ml（液温４０℃）
を目盛付きシリンダーに注入する。次いで、攪拌羽根を
上記溶液中に設置し、攪拌開始から３０秒後に於いて生
じた泡の体積（ml）を測定し、泡立ち量とした。この泡
立ち量より、以下の基準に従って泡立ちを評価した。 ◎：泡の体積２００ml以上。 ○：泡の体積１８０ml以上２００ml未満。 ×：泡の体積１８０ml未満。

【００２８】（２）泡持続性：泡立ち試験の後、５分後
の泡の体積（ml）を測定し、以下の基準により評価し
た。 ◎：泡の体積１５０ml以上。 ○：泡の体積１３０ml以上１５０ml未満。 ×：泡の体積１３０ml未満。

【００２９】（３）泡質：１０名の専門パネラーによ
り、泡の軽さ、なめらかさについて評価した。 ◎：９名以上が軽く、なめらかと感じている。 ○：７〜８名が軽く、なめらかと感じている。 ×：７名未満が軽く、なめらかと感じている。

【００３０】

【表１】

【００３１】実施例２（シャンプー） 以下に示す組成のシャンプーを常法により製造した。得
られたシャンプーは、起泡性及び泡持続性に優れ、泡が
なめらかであった。

【００３２】

【表２】 （成分） （重量％） ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na(EO=3) １２．０ ジアミン塩（一般式（２）において、X¹=X²=X³=X⁴=H, A¹=A²=H,m=n=1,Y=Clのもの） ２ カチオン化セルロース¹⁾ ０．３ シリコーンエマルジョン²⁾ １．０ pH調整剤 適量 色素 適量 香料 適量 水 バランス １００．０ 1):JR400(UCC社製) 2):SM-8702C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)

【００３３】実施例３（シャンプー） 以下に示す組成のシャンプーを常法により製造した。得
られたシャンプーは、起泡性及び泡持続性に優れ、泡が
なめらかであった。

【００３４】

【表３】 （成分） （重量％） ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na(EO=2.5) １５ ジアミン塩（一般式（１）において、X¹=X²=X³=X⁴=H, A¹=A²=H,m=n=1,Y=Clのもの） ３ アミドアミノ酸トリエタノールアミン １．５ シリコーンエマルジョン³⁾ ３．０ ジアリル第４級アンモニウム塩／アクリルアミド共重合体⁴⁾ ０．５ pH調整剤 適量 色素 適量 香料 適量 防腐剤 適量 水 バランス １００ 3):BY22-029(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 4):マーコート５５０（メルク社製）

【００３５】実施例４（ボディシャンプー） 以下に示す組成のボディシャンプーを常法により製造し
た。得られたボディシャンプーは、起泡性及び泡持続性
に優れ、泡がなめらかであった。

【００３６】

【表４】 （成分） （重量％） グリコール酸モノラウリルアミド硫酸カリウム (CH₃(CH₂)₉CH₂CH₂NHCOCH₂OSO₃K) ２０ ジアミン塩（一般式（２）において、X¹=X²=X³=X⁴=H, A¹=OH,A²=H,m=n=1,Y=Clのもの) ２ ジステアリン酸エチレングリコール １ pH調整剤 適量 色素 適量 香料 適量 水 バランス １００

【００３７】実施例５（シャンプー） 以下に示す組成のシャンプーを常法により製造した。得
られたシャンプーは、起泡性及び泡持続性に優れ、泡が
なめらかであった。

【００３８】

【表５】 （成分） （重量％） ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na(EO=2.5) １０ ジアミン塩（一般式（２）において、X¹=X²=CH₃,X³=X⁴=H, A¹=A²=H,m=n=1,Y=Clのもの） ２ アルキルスルホコハク酸Na ５ カチオン化セルロース¹⁾ ０．３ pH調整剤 適量 色素 適量 香料 適量 水 バランス １００

【００３９】

【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、増泡剤を使用
する必要がなく、起泡性及び泡持続性に優れ、クリーミ
ーで良好な泡質を有するものである。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対イオンが一般式（１） 【化１】 （式中、Ｘ¹ 、Ｘ² 、Ｘ³ 及びＸ⁴ は同一又は異なっ
   て、水素原子又は炭素数１〜１０のアルキル基を示し、
   Ａ¹ 及びＡ² は同一又は異なって、水素原子、炭素数１
   〜３のアルキル基又はヒドロキシル基を示し、ｍ及びｎ
   は０〜６の数を示す）で表わされるジアミン塩であるア
   ニオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物。
2. 【請求項２】 アニオン界面活性剤が、対イオンの１〜
   １００重量％が一般式（１）で表わされるジアミン塩で
   ある請求項１記載の洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】 アニオン界面活性剤が、（ａ）平均炭素
   数１０〜２０のアルキル基又はアルケニル基を有するア
   ルキル又はアルケニル硫酸塩、（ｂ）平均炭素数１０〜
   ２０の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を
   有し、１分子内に平均０．５〜８モルのエチレンオキサ
   イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エ
   チレンオキサイドとプロピレンオキサイドが０．１／
   ９．９〜９．９／０．１の比で、もしくはエチレンオキ
   サイドとブチレンオキサイドが０．１／９．９〜９．９
   ／０．１の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテ
   ル硫酸塩、（ｃ）平均炭素数１０〜１６のアルキル基を
   有する直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、
   （ｄ）炭素数８〜２２の高級アルコール若しくはそのエ
   トキシレートのスルホコハク酸エステルの塩又は高級脂
   肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステルの塩、（ｅ）
   平均１０〜２４の炭素原子を１分子中に有する飽和又は
   不飽和脂肪酸塩、（ｆ）平均炭素数１０〜２０のアルキ
   ル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル
   アミドエーテル酢酸塩、（ｇ）平均炭素数１０〜２０の
   アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアル
   ケニルアミドエーテル硫酸塩、（ｈ）炭素数８〜２４の
   アシル基、及び遊離カルボン酸残基を有するＮ−アシル
   アミノ酸型アニオン界面活性剤、（ｉ）炭素数８〜２４
   のアシル基を有するアシルタウリン型アニオン界面活性
   剤、又は（ｊ）炭素数８〜１８の直鎖又は分岐鎖のアル
   キル基又はアルケニル基を有するグリコール酸Ｎ−アル
   キルアミド硫酸エステルの塩である請求項１又は２記載
   の洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】 更に、水溶性カチオンポリマーを含有す
   る請求項１〜３のいずれか１項記載の洗浄剤組成物。