JPH0934168A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JPH0934168A
JPH0934168A JP7180163A JP18016395A JPH0934168A JP H0934168 A JPH0934168 A JP H0934168A JP 7180163 A JP7180163 A JP 7180163A JP 18016395 A JP18016395 A JP 18016395A JP H0934168 A JPH0934168 A JP H0934168A
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JP
Japan
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toner
monomer
polymerizable monomer
weight
functional group
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Pending
Application number
JP7180163A
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English (en)
Inventor
Shinichi Higo
信一 肥後
Hideki Ota
英樹 太田
Tatsuya Yasui
達也 安井
Yukihiro Mori
幸広 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷制御性を付与する第4級アンモニウム官
能基を有するポリマーを含有し、適正な正帯電量を有
し、かつかぶり画像のないトナーの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 第1の重合性モノマーと電荷制御性を付
与する第4級アンモニウム官能基を有する第2の重合性
モノマーとのモノマー混合物及びトナーを構成するに必
要な他の添加剤からなる油相を水相に分散させた後、重
合処理に付すことによりトナーを形成することを特徴と
するトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナーの製造方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、第1の重合性モノ
マーと電荷制御性を付与する第4級アンモニウム官能基
を有する第2の重合性モノマーとのモノマー混合物及び
トナーを構成するに必要な他の添加剤からなる油相を水
相に分散させた後、重合処理に付すことによりトナーを
形成することを特徴とする正帯電性トナーの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の分野で使用されるトナーは、
樹脂中に着色剤、電荷制御剤(CCA)等の他の添加物
を配合した組成物を、一定の粒子径の範囲としたものか
らなっている。トナーに使用される樹脂としては、例え
ばスチレン系樹脂等が挙げられ、着色剤としては、例え
ばカーボンブラック並びに有機系又は無機系の着色顔料
が挙げられ、電荷制御剤としては、例えば油溶性染料又
は含金属錯塩染料等が挙げられる。
【0003】上記のようなトナーの製造方法としては、
溶融混練粉砕法、重合法及びスプレードライ法等が知ら
れており、中でも溶融混練粉砕法が一般的である。しか
し、この溶融混練粉砕法は、収率が低く、また粉砕及び
分級工程に多大な設備を必要とするため、乳化重合法、
懸濁重合法等の重合法、特に懸濁重合法が注目されてい
る。この懸濁重合法は、重合時の条件を制御することに
より、シャープな粒度分布を有する球状粒子を高収率で
得ることができる。具体的にはこの重合法は、重合性モ
ノマー、重合開始剤及び着色剤等の混合物からなる油相
を、特定の割合の界面活性剤及び分散安定剤が存在する
水相中に導入し、攪拌下で懸濁重合する工程からなる。
【0004】また、ここでトナーに添加される電荷制御
剤は、主にトナーの静電特性に関与し、トナーの極性付
け(負帯電又は正帯電)、電荷量の初期値アップ(立ち
上がり性)及び各種環境下や連続印刷(ロングラン性)
における電荷量の安定性を付与する。例えば、正帯電性
トナー用電荷制御剤としては、主としてニグロシン染料
が使用されてきた。しかしながら、ニグロシン染料は毒
性のアニリンが混入しやすい性質がある。そこで、近
年、このニグロシン染料に代わる正帯電性トナー用電荷
制御剤として第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウ
ム塩及びトリフェニルメタン化合物等が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】懸濁重合法によるトナ
ーの製造では、水相中で油相の液滴が目的径に造粒さ
れ、その液滴が凝集のない安定状態で固化(重合)して
トナーとなることが重要である。しかしながら、第4級
アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩を正帯電性ト
ナー用電荷制御剤として用いた場合、塩が水相中に溶出
し懸濁造粒ができず、所望のトナーが得られないという
問題があった。
【0006】そこでこの問題を解決するため、これらの
正帯電性の塩、第2級又は第3級アミンを有するポリマ
ー、所謂、電荷制御性樹脂(CCR)により電荷制御性
を付与するトナーが提案されている。例えば、特開昭5
8−120263号公報、特開昭58−162959号
公報、及び特開昭60−57856号公報に記載されて
いるようなトナーが知られている。
【0007】しかしながら、これらの電荷制御性樹脂に
より電荷制御性を付与するトナーは、電荷制御性樹脂の
モノマー成分が未反応でトナーに残存した場合、トナー
定着時に刺激臭を発生するという問題があった。また、
第2級又は第3級アミンを有する電荷制御性樹脂は、正
帯電性能が低いという問題があった。
【0008】そこで本発明は、電荷制御性を付与する第
4級アンモニウム官能基を有するポリマーを含有し、適
正な正帯電量を有し、かつかぶり画像のないトナーの製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、第1の重合性モノマーと電荷制御性を付与する式
(I):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ同一又は異なって炭素数1〜10の炭化水素基、Xは
陰イオン)で示される第4級アンモニウム官能基を有す
る第2の重合性モノマーとのモノマー混合物及びトナー
を構成するに必要な他の添加剤からなる油相を水相に分
散させた後、重合処理に付すことによりトナーを形成す
ることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトナーの製造方法
について説明する。まず、本発明に使用できる電荷制御
性を付与する第4級アンモニウム官能基は、前式(I)
で示される。式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ
同一又は異なって炭素数1〜10の炭化水素基である。
ここで「炭素数1〜10の炭化水素基」としては、例え
ば、直鎖状飽和炭化水素基、分枝状飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等
が挙げられる。
【0013】「直鎖状飽和炭化水素基」としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルのような直鎖状の
アルキル基が挙げられる。「分枝状飽和炭化水素基」と
しては、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチ
ル、ネオペンチル、ジメチルブチル、イソヘキシル、メ
チルヘキシル、エチルヘキシル、ジメチルヘキシル、ト
リメチルヘキシル、メチルヘプチル、ジメチルヘプチ
ル、トリメチルヘプチル、エチルヘプチル、メチルオク
チル、メチルノニル等の分枝状のアルキル基が挙げられ
る。
【0014】「不飽和炭化水素基」としては、ビニル、
アリル、イソプロペニル、ブテニル、メチルプロペニ
ル、ペンテニル、ヘキセニル等のアルケニル基が挙げら
れる。「環式炭化水素基」としては、シクロプロピル、
2−メチルシクロプロピル、シクロブチル、2−メチル
シクロブチル、2,3−ジメチルシクロブチル、2−エ
チルシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シク
ロデシル等のシクロアルキル基が挙げられる。
【0015】「芳香族炭化水素基」としては、フェニ
ル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ナフチル
等のアリール基が挙げられる。ここで、第4級アンモニ
ウム官能基を有する第2の重合性モノマーの分子量は、
小さいほうが好ましい。したがって、R1 〜R4 として
は、炭素数1〜4の低級炭化水素基が好ましい。特に好
ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。
【0016】また、「X」は陰イオンであれば特に限定
されない。具体的には、PO4 2- 、SO4 3- を含むアル
キル基又はフェニル基誘導体が挙げられる。次に、本発
明に使用できる第1の重合性モノマーは、特に限定され
ず、当該分野において公知のモノマーを使用することが
できる。例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリ
ル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエー
テル系モノマー、モノオレフィン系モノマー、ジオレフ
ィン系モノマー、ビニルケトン系モノマー等が挙げられ
る。
【0017】スチレン系モノマーは、具体的には、一般
式(II):
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R6 は水素原子、低級アルキル基
又はハロゲン原子、R7 は水素原子、低級アルキル基、
ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、ス
ルホン基、ビニル基又はカルボキシ基)で示される化合
物が挙げられる。更に具体的には、スチレン、メチルス
チレン、クロロスチレン、エチルスチレン、メトキシス
チレン、アミノスチレン、ニトロスチレン、スチレンス
ルホン酸、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0020】(メタ)アクリル系モノマーは、具体的に
は、一般式(III):
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R8 は水素原子又は低級アルキル
基、R9 は水素原子、炭素数1〜12の炭化水素、ヒド
ロキシアルキル基、ビニルエステル基又はアミノアルキ
ル基)で示される化合物が挙げられる。更に具体的に
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エ
チル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、δ−ヒドロ
キシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタクリル酸エ
チル、γ−アミノアクリル酸プロピル、γ−N,N’−
ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチレングリコー
ルジメタクリル酸エステル、テトラエチレングリコール
ジメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0023】ビニルエステル系モノマーは、具体的に
は、一般式(IV):
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R10は水素原子又は低級アルキル
基)で示される化合物が挙げられる。更に具体的には、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げ
られる。ビニルエーテル系モノマーは、具体的には、一
般式(V):
【0026】
【化6】
【0027】(式中、R11は炭素数1〜12の1価の炭
化水素基)で示される化合物が挙げられる。更に具体的
には、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテ
ル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。モ
ノオレフィン系モノマーは、具体的には、一般式(V
I):
【0028】
【化7】
【0029】(式中、R12、R13はそれぞれ同一又は異
なって水素原子又は低級アルキル基)で示される化合物
が挙げられる。更に具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブチレン、イソブチレン、2−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられる。ジオレフィン系
モノマーは、具体的には、一般式(VII):
【0030】
【化8】
【0031】(式中、R14、R15、R16はそれぞれ同一
又は異なって水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子)で示される化合物が挙げられる。更に具体的には、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3
−ブタジエン等が挙げられる。ビニルケトン系モノマー
は、具体的には、一般式(VIII):
【0032】
【化9】
【0033】(式中、R17は低級アルキル基)で示され
る化合物が挙げられる。更に具体的には、ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン等が挙げられる。ここで
第1の重合性モノマーとしては、スチレン系モノマー及
び(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。また、第1
の重合性モノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使
用してもよい。例えば、スチレン系モノマーとアクリル
系モノマー、スチレン系モノマーとメタクリル系モノマ
ーとの組み合わせが挙げられる。
【0034】また、第4級アンモニウム官能基を有する
第2の重合性モノマーを構成する重合性モノマーとして
は、(メタ)アクリル系モノマーから1種又は2種以上
選択されることが好ましい。また、第4級アンモニウム
官能基は、(メタ)アクリル系モノマーのエステル部に
存在することが好ましい。本発明に使用できる電荷制御
性を付与する第4級アンモニウム官能基を有する第2の
重合性モノマーは、公知の方法に従い、前記の第4級ア
ンモニウム官能基と重合性モノマーとの反応で得ること
ができ、例えば、次式に表される重合性モノマーが挙げ
られる。
【0035】
【化10】
【0036】また、電荷制御性を付与する第4級アンモ
ニウム官能基を有する第2の重合性モノマーは、第4級
アンモニウム官能基を5〜30重量%含有することが好
ましい。第4級アンモニウム官能基がこの範囲であれ
ば、好適な電荷制御効果が得られる。特に懸濁重合の
際、良好な液滴安定性が得られ、シャープな粒度分布を
有するトナーが得られる。
【0037】更に、前記第2の重合性モノマーは、第1
の重合性モノマー100重量部に対して、0.3〜20
重量部添加することが好ましい。第2の重合性モノマー
がこの範囲であれば、好適な電荷制御効果が得られる。
また、本発明の第1の重合性モノマーと第4級アンモニ
ウム官能基を有する第2の重合性モノマーを構成する重
合性モノマーは、必ずしも同一である必要はないが、同
一モノマーであるのが、好ましい。
【0038】次に、トナーを構成するに必要な他の添加
剤としては、例えば、着色剤等が挙げられる。着色剤と
しては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラッ
ク、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロームイ
エロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッ
ド、オリエントオイルレッド#330、キノリンイエロ
ー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブラッ
ク、ローズベンガル、オイルブラック、アゾオイルブラ
ック、その他のものを1種又は2種以上混合して用いる
ことができる。尚、黒色のトナーを望む場合は、カーボ
ンブラックを着色剤として使用することが好ましく、更
にその粒径は1μm以下が好ましい。着色剤は、第1の
重合性モノマー100重量部に対して1〜20重量部添
加することができる。
【0039】更に、本発明の製造方法で得られるトナー
は、非磁性1成分現像方式用トナーのみならず、磁性体
粉末を添加して磁性1成分現像方式用トナーとしても使
用することができる。ここで、使用できる磁性体粉末と
しては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
等の金属、その合金及びそれらの混合物が挙げられる。
特に、フェライトが好ましく用いることができる。これ
ら磁性体粉末は、0.01〜1μm程度の平均粒径を有
していることが好ましい。また、磁性体粉末は、重合性
モノマー100重量部に対して、20〜300重量部、
好ましくは50〜150重量部使用することができる。
【0040】本発明のトナーの製造方法は、前記の材料
からなる油相を水相に分散させた後、重合処理に付すこ
とによりトナーを形成する。具体的には、第1の重合性
モノマーと電荷制御性を付与する第4級アンモニウム官
能基を有する第2の重合性モノマーとのモノマー混合物
及びトナーを構成するに必要な他の添加剤を充分に混合
して油相を得る。この油相を、攪拌下で、必要に応じて
界面活性剤を溶解した水相に投入することにより懸濁液
を形成する。
【0041】この時の油相と水相の比は、添加剤を含む
第1の重合性モノマーと水の重量比で表すと、1:99
〜50:50、好ましくは5:95〜40:60であ
る。油相と水相の重量比がこの範囲であれば、水相中で
均一に分散した油滴を得ることができる。上記懸濁液
は、平均粒径4〜20μm、好ましくは5〜10μmの
トナーを得るために、攪拌速度が調節される。ここで、
攪拌に使用される攪拌機は、特に限定されず、公知のも
のをいずれも使用することができる。更に、攪拌速度
は、タービン径25mmのTKホモミキサー(特殊機化
工業社製)を使用した場合、5,000〜12,000
回毎分(rpm)とすることで、上記範囲の粒径のトナ
ーを得ることができる。
【0042】水相に使用できる界面活性剤は、特に限定
されないが、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイ
ン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸
アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。この内、オ
レイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムが特に好ましい。
【0043】界面活性剤は、第1の重合性モノマー10
0重量部に対して、0.01〜0.5重量部添加するこ
とができる。界面活性剤がこの範囲であれば、懸濁重合
時に良好な液滴安定性が得られ、シャープな粒度分布を
有するトナーが得られる。この界面活性剤は、水相に溶
解して用いることもできるが、予めそのまま又は少量の
水に溶かした水溶液の形態で油相中に添加することがで
きる。
【0044】また、水相には分散安定剤を添加しておい
てもよい。分散安定剤を添加することにより、後に形成
される重合体粒子の合着を防止でき、シャープな粒度分
布を有するトナーを得ることができる。本発明に使用で
きる分散安定剤としては、特に限定されないが、例え
ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水溶
性高分子、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、炭酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、水酸
化アルミニウム等の難水溶性無機塩等が挙げられる。こ
の内、第3リン酸カルシウムが特に好ましい。分散安定
剤は、第1の重合性モノマー100重量部に対して、5
〜50重量部で添加することができる。
【0045】この懸濁液を重合反応させることにより、
重合体粒子を形成する。重合は、通常、重合開始剤の存
在下で行われる。反応温度は、40〜100℃(好まし
くは50〜90℃)である。反応時間は、通常、2〜2
0時間である。重合開始剤としては、特に限定されない
が、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ化合物、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒド
ロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル
等の過酸化物が挙げられ、これらのものを1種又は2種
以上混合して用いることができる。また、第1の重合性
モノマーに可溶なものが好ましい。
【0046】また、重合粒子の強度を高めるために架橋
剤を添加してもよい。架橋剤としては、特に限定されな
いが、例えば、ジエチレングリコール、ジビニルベンゼ
ン等が挙げられる。重合開始剤及び架橋剤は、第1の重
合性モノマー100重量部に対して、それぞれ0.1〜
5重量部及び0.1〜5重量部添加することができる。
【0047】所定の重合反応の後、生成した重合体粒子
を溶液から分離し、必要に応じて酸又はアルカリで洗浄
し、乾燥することによりトナーが形成される。上記製造
方法から得られるトナーは、平均粒径(体積基準の中心
粒径D50)6.0〜12.0μm、粒径3μm以下1.
0%以下、20μm以上5.0%以下のシャープな粒度
分布を有し、+20〜40μC/gの適正なブローオフ
帯電量を有する。
【0048】本発明の製造方法で得られるトナーには、
カーボンブラック、疎水性シリカ等を外添してもよい。
この疎水性シリカは、トナーに流動性を付与し、トナー
100重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましく
は0.1〜2重量部使用することができる。また、本発
明のトナーは、2成分現像方式用トナーとしても使用す
ることができる。2成分系に使用できるキャリアーとし
ては、前記磁性体粉末が挙げられる。但し、これらキャ
リアーは、10〜200μm程度の平均粒径を有してい
ることが好ましい。このキャリアーは、使用時の耐久性
を向上させるために、アクリル樹脂等の各種樹脂をコー
ティングした、所謂、コーティングキャリアーであって
もよい。また、トナーは、キャリアー100重量部に対
して、1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部使用す
ることができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。 (実施例1)スチレン78重量部中に、2−エチルヘキ
シルメタクリレート22重量部、架橋剤としてのジエチ
レングリコールジメタクリレート2重量部、着色剤とし
てのカーボン(スチレン中での分散性を向上させるため
に、表面にポリスチレン鎖を付加したグラフト化物)5
重量部、電荷制御性を付与する第4級アンモニウム官能
基を有するメタクリル酸エステルモノマー(電荷制御性
樹脂、下記構造式、官能基量10重量%、分子量20
0.3、藤倉化成社製)3重量部を投入し、充分混合し
た。
【0050】
【化11】
【0051】次いで、上記混合物中に重合開始剤として
の2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニト
リル)2.5重量部とアゾビスイソブチロニトリル0.
32重量部を添加し、充分に混合することにより、油相
(重合組成物)を得た。続いて、蒸留水670重量部
に、分散安定剤としての第3リン酸カルシウム7重量部
と界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.044重量部とを添加し、充分に混合するこ
とにより水相を得た。この水相に上記油相を投入し、充
分に混合して懸濁液を形成した。
【0052】更に、この懸濁液をTKホモミキサー(特
殊機化工業社製、タービン径25mm)を用いて、回転
数10,000回毎分で攪拌しつつ、80℃で5時間、
窒素雰囲気下で反応させて重合を完結させた。続いて、
上記懸濁液を固液分離し、希塩酸による洗浄、イオン交
換水による水洗を行い、充分に乾燥させてトナーを得
た。
【0053】得られたトナーは、平均粒径10.6μ
m、粒径3μm以下0%、20μm以上3.4%であっ
た。次いで、得られたトナー100重量部に対して、疎
水性シリカ0.8重量部を外添した。更に、この外添し
たトナー4重量部に対して、アクリル樹脂で被覆したフ
ェライトキャリア96重量部を加え、充分に混合して現
像剤を得た。
【0054】得られたトナーについて、ブローオフ帯電
量(μC/g)、誘電率、tanδ、導電率(S/c
m)及び緩和時間(sec)のトナー物性を測定した。
まず、得られた現像剤20gを円筒型フィルムケース
(直径30mm×高さ50mm)に充填し、90分間攪
拌した後、ブローオフ帯電量測定装置(東芝社製)を使
用してブローオフ帯電量を測定した。
【0055】次に、得られた疎水性シリカを外添したト
ナー0.3gを圧力20kg/cm 2 でタブレット(直
径約10mm×厚さ約0.5mm)を成形し、これに1
00kHzの交流電圧を印加し、その応答性をLCRメ
ーター(安藤電機社製)により測定して、誘電率、ta
nδ、導電率及び緩和時間を算出した。また、疎水性シ
リカを外添したトナーを普通紙プリンター(三田工業社
製)を使用して、20℃、65%RHの常温常圧条件下
で、白黒画像を形成した(複写試験)。その黒べた部分
の画像濃度(ID)と余白部分のかぶり濃度(FD)を
反射濃度計(東京電色社製;TC−6D)にて測定し、
転写率(%)を算出した。
【0056】各種トナー物性値を表1に、複写試験の結
果を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】得られた現像剤は、ブローオフ帯電量+3
0.8μC/gで、トナーとして適正な値であった。ま
た、複写試験では良好な画像が得られた。 (比較例1)電荷制御性樹脂を25重量部とした以外
は、実施例1と同様にしてトナーを得ようとした。しか
しながら、電荷制御性樹脂が第1の重合性モノマーに不
溶で、ゲル化してしまい、トナー化できなかった。 (比較例2)電荷制御性樹脂中の第4級アンモニウム官
能基量を35重量%とした以外は、実施例1と同様にし
てトナーを得ようとした。しかしながら、造粒ができ
ず、トナー化できなかった。 (比較例3)電荷制御性樹脂中の第4級アンモニウム官
能基量を第1の重合性モノマーに大して3重量%とした
以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られた
トナーは、平均粒径11.9μm、粒径3μm以下2.
2%、20μm以上11.0%であった。更に、このト
ナーについて実施例1と同様にして評価した。
【0060】各種トナー物性値を表1に、複写試験の結
果を表2に示す。実施例1に比べて、得られた現像剤の
ブローオフ帯電量は、+2.0μC/gと低かった。ま
た、複写試験では画像にかぶりが多かった。
【0061】
【発明の効果】本発明のトナーの製造方法は、第1の重
合性モノマーと電荷制御性を付与する第4級アンモニウ
ム官能基を有する第2の重合性モノマーとのモノマー混
合物及びトナーを構成するに必要な他の添加剤からなる
油相を水相に分散させた後、重合処理に付すことにより
トナーを形成することを特徴とする。
【0062】従って、毒性のアニリンが混入しやすいニ
グロシン染料を用いないトナーを提供することができ
る。また、電荷制御性を付与する第4級アンモニウム官
能基が、トナー中に均一に分散するので、少量の添加で
効率のよい電荷制御性が得られるトナーを提供すること
ができる。更に、シャープな粒度分布を有するトナーを
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 幸広 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の重合性モノマーと電荷制御性を付
    与する式(I): 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ同一又は異
    なって炭素数1〜10の炭化水素基、Xは陰イオン)で
    示される第4級アンモニウム官能基を有する第2の重合
    性モノマーとのモノマー混合物及びトナーを構成するに
    必要な他の添加剤からなる油相を水相に分散させた後、
    重合処理に付すことによりトナーを形成することを特徴
    とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の重合性モノマーが、スチレン系モ
    ノマー又は(メタ)アクリル系モノマーの1種又は2種
    以上の組み合わせである請求項1記載のトナーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第4級アンモニウム官能基を有する第2
    の重合性モノマーを構成する重合性モノマーが、(メ
    タ)アクリル系モノマーから1種又は2種以上選択さ
    れ、第4級アンモニウム官能基が(メタ)アクリル系モ
    ノマーのエステル部に存在する請求項1又は2記載のト
    ナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の重合性モノマーが、第4級アンモ
    ニウム官能基を5〜30重量%含有する請求項1〜3い
    ずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第2の重合性モノマーが、第1の重合性
    モノマー100重量部に対して、0.3〜20重量部含
    有する請求項1〜4いずれか1つに記載のトナーの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013136497A (ja) * 2011-12-27 2013-07-11 Hankuk Paper Manufacturing Co Ltd 表面電荷を有する炭酸カルシウムとその製造方法、および、この炭酸カルシウムを用いた製紙用充填剤

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