JPH0933843A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JPH0933843A
JPH0933843A JP17882895A JP17882895A JPH0933843A JP H0933843 A JPH0933843 A JP H0933843A JP 17882895 A JP17882895 A JP 17882895A JP 17882895 A JP17882895 A JP 17882895A JP H0933843 A JPH0933843 A JP H0933843A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正弦的に揺動してレーザビームを偏向させる
光偏向素子のもつ偏向周波数のばらつきを補償し、出力
画像の位置ズレが生じないようにする。 【解決手段】 ネジ29を取り除いた状態にて筐体2の
長穴27を調整ピン28に従わせて矢印A方向に沿って
移動させ、適切な位置にて調整ピン28と長穴27との
位置関係をネジ29にて固定することにより、光走査装
置1に固定されている光偏向素子9と感光ドラム3との
間の距離(光路長)を調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子計算機から送
られてくるコード化された信号を高速に印字出力する電
子写真方式の記録装置において、レーザビーム等のビー
ムを電子計算機等からの信号に応じて偏向、変調制御す
る光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子計算機からの画像情報の記録
を担う記録装置として、電子写真方式による記録装置が
用いられている。
【0003】以下、このような記録装置に用いられる従
来の光走査装置について図7を用いて説明する。
【0004】図7は従来の光走査装置71を示す平面図
である。
【0005】筐体78には、記録媒体である感光ドラム
73を照射するに必要なレーザビームを形成する全ての
部材が配置されている。
【0006】半導体レーザ74とコリメータレンズ75
とは一体のユニットとしてのレーザユニット76を構成
している。
【0007】この半導体レーザ74はレーザビームを水
平方向に発振するものであり、その発振されたレーザビ
ームはコリメータレンズ75に入射する。コリメータレ
ンズ75を通過したレーザビームは、コリメータレンズ
75の光軸と一致した平行ビームとなる。
【0008】コリメータレンズ75より出射されたレー
ザビームは、シリンドリカルレンズ77によって、6面
の反射面を有する正六面体形状のポリゴンミラー72の
反射面上に、そのポリゴンミラー72の回転軸方向のみ
一旦集束するようにして入射される。
【0009】ポリゴンミラー72は高精度の軸受けに支
えられた軸に取りつけられ、定速回転する図示しないモ
ータにより駆動される。このモータの駆動により回転す
るポリゴンミラー72によって、レーザビームはほぼ水
平に掃引されて等角速度で偏向される。
【0010】なお、ポリゴンミラー72は主にアルミニ
ウムを材料として形成されており、その作成の際には一
般に切削加工法が用いられる。また、モータの種類とし
ては、公知のヒステリシスシンクロナスモータ、DCサ
ーボモータ等が挙げられる。これらは、磁気駆動力によ
り回転力を得ることからコイルの巻線や、鉄板を含む磁
気回路をモータ内に形成することが必要となるため、そ
の容積は比較的大きなものとなる。
【0011】ポリゴンミラー72によりほぼ水平に掃引
されて出射したレーザビームはfθ特性を有する結像レ
ンズ79により前記感光ドラム73上にスポット光とし
て結像される。
【0012】さらに、ポリゴンミラー72により掃引さ
れたレーザビームは、画像領域を妨げない範囲で、ビー
ム検出器ユニット80に導かれる。ビーム検出器ユニッ
ト80は1個の反射ミラー81と小さな入射スリットを
有するスリット板82と応答速度の速い光電変換素子基
板83から成る。そして、この光電変換素子基板83が
掃引されるレーザビームの位置を検出すると、この検出
信号により感光ドラム73上に画像データに応じた光情
報を与えるための半導体レーザ74への入力信号のスタ
ートタイミングを制御している。
【0013】上記のごとく画像信号に応じて変調された
レーザビームは感光ドラム73に照射され、公知の電子
写真プロセスにより顕像化された後、普通紙等の転写材
上に転写定着されハードコピーとして出力される。
【0014】また、特公昭60−57052号公報、特
公昭60−57053号公報、実公平2−19783号
公報、実公平2−19784号公報、実公平2−197
85号公報に記載されているような、水晶基板を用いる
機械振動子の表面にレーザビームを反射するための反射
鏡を形成してなる光偏向素子を有する光走査装置も提案
されている。
【0015】これら公報に記載された光走査装置は、光
偏向素子の偏向面(反射鏡面)を正弦的に往復振動させ
ることで、反射鏡に入射する光ビームを偏向走査するも
のである。なお、この往復振動の周波数を偏向周波数と
称する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリゴンミラーを用いた方式による光走査装置では、上
述した通り、アルミニウム製のポリゴンミラーや、それ
を駆動するためのヒステリシスシンクロナスモータ、D
Cサーボモータ等を使用しているため、外形形状、重量
とも一般的に大きくなってしまい、この光走査装置を組
み込んだ記録装置の小型化に寄与し得ないという問題点
があった。
【0017】一方、従来の機械振動子を使用する光偏向
素子を用いた光走査装置では、光偏向素子を大量生産す
る際に、個々の光偏向素子が有する偏向周波数のばらつ
きが大きくなってしまう。従って、光偏向素子にて偏向
される光ビームの偏向角速度は、各光偏向素子によって
大きな個体差が出てしまうので、このような光偏向素子
を用いた光走査装置を画像を記録する記録装置に用いた
ときに、設計上の偏向角速度に従って出力される画像の
位置と、実際の光偏向素子が有する偏向角速度に従って
出力される画像の位置とが異なってしまい、原画像を正
確に再現することができないという問題点があった。
【0018】本発明は、上述した種々の問題点を解決す
るためになされたものであり、正弦揺動ミラーを用いた
ことで、従来の光走査装置より外形形状、重量とも小さ
くしながら、さらに正弦揺動ミラーのもつ偏向周波数の
ばらつきを補償し、結果的に、このような光走査装置を
画像書込手段として用いるとき、出力画像の位置ズレを
生じることのない光走査装置を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の光走査装置は、光ビームを出射する
光ビーム出射手段と、絶縁基板によってバネ部と、バネ
部によって支持される可動部と、その可動部に設けられ
た偏向部とを構成し、前記偏向部により偏向作用を受け
た光ビームにより被走査媒体を走査する光偏向手段とを
備えた光走査装置において、前記光偏向手段と前記光走
査媒体との間の光路長を調整可能とする光路長調整手段
を設けたものであり、その光路長を変化させると被走査
媒体上を走査される光ビームの速度が変化する。
【0020】請求項2記載の光走査装置では、請求項1
の光走査装置の光路長調整手段は、前記光ビーム出射手
段と前記光偏向手段とを包括的に支持する筐体と、その
筐体が固定される対向部材と、前記筐体及び前記対向部
材に設けられ、前記光路長を調整するために前記筐体と
前記対向部材との相対的な位置関係を調整可能にするべ
く、前記筐体を前記対向部材に取り付けるための取り付
け部とからなり、前記筐体を前記対向部材に対して前記
取り付け部を介して固定した状態にて、前記被走査媒体
を支持する支持部材に対して取り付け自在としたもので
あり、筐体と取り付け部材との位置関係を固定してある
ため、光走査装置を支持部材から取り外した場合でも、
光走査装置を再度支持部材へ取り付ける際に、光路長調
整手段により調整する必要はない。
【0021】請求項3記載の光走査装置では、請求項2
の光走査装置における取り付け部は、前記筐体または前
記対向部材に設けられた長穴と、その長穴を挿通するネ
ジまたは調整ピンのいずれか一方とからなるものであ
り、この長穴に沿って調整ピンを移動させることにより
光路長を変化させる。
【0022】請求項4記載の光走査装置では、請求項2
の光走査装置における取り付け部は、主走査方向と平行
な方向に長い長穴と、主走査方向に垂直な方向に長い長
穴とを有するものであり、光走査装置の筐体は主走査方
向に平行な方向及び垂直な方向の双方に調整される。
【0023】請求項5記載の光走査装置では、請求項1
の光走査装置における光路長調整手段は、前記光ビーム
出射手段と前記光偏向手段とを包括的に支持する筐体
と、前記被走査媒体を支持する支持部材に対して前記筐
体を取り付け可能とすると共に、前記光路長を調整する
べく前記筐体の前記支持部材への取り付け位置を調整す
るための位置決め手段とを有するものであり、筐体は被
走査媒体を支持する支持部材に直接取り付けられると共
に着脱自在である。
【0024】請求項6記載の光走査装置では、請求項1
の光走査装置に、さらに前記光ビーム出射手段より出射
される前記光ビームを前記被走査媒体上に集光させる走
査光学系を備え、前記走査光学系は、前記光路長調整手
段により調整された前記光路長に応じて、前記被走査媒
体上に適切な前記光ビームの集光特性が得られるように
焦点調整がなされており、最良の画像解像度にて光ビー
ムが被走査媒体上を記録走査される。
【0025】請求項7記載の光走査装置は、光ビームを
出射する光ビーム出射手段と、絶縁基板によってバネ部
と、バネ部によって支持される可動部と、その可動部に
設けられた偏向部とを構成し、前記偏向部により偏向作
用を受けた光ビームにより被走査媒体を走査する光偏向
手段とを備えた光走査装置において、前記被走査媒体上
を走査される光ビームの所定の走査点における走査速度
を検出する走査速度検出手段と、その走査速度検出手段
からの検出信号に基づいて、前記光偏向手段から前記被
走査媒体に至る光路長を算出する光路長算出手段と、そ
の光路長算出手段で算出された光路長に従って、前記光
偏向手段と前記被走査媒体とを相対的に移動させ、前記
光偏向手段から前記被走査媒体に至る実際の光路長を適
切な長さに調整する調整手段とを備えており、調整手段
により光路長が調整されることにより、光ビームの走査
速度が変化する。
【0026】請求項8記載の光走査装置は、請求項7記
載の光走査装置の走査速度検出手段として、前記被走査
媒体上を走査される前記光ビームの水平同期をとるため
のビーム位置検出手段を使用するものであり、この検出
手段を通過する光ビームの時間間隔より、光ビームの走
査速度が検出される。
【0027】請求項9記載の光走査装置は、請求項7記
載の光走査装置の走査速度検出手段が、少なくとも2個
の光電変換素子からなるものであり、その2個の光電変
換素子間を走査する光ビームの走査速度を検出する。
【0028】請求項10記載の光走査装置は、請求項7
記載の走査速度検出手段が、半導体光電変換素子であ
り、この半導体光電変換素子を通過する光ビームの時間
間隔より、光ビームの走査速度が検出される。
【0029】請求項11記載の光走査装置は、光ビーム
を出射する光ビーム出射手段と、その光ビーム出射手段
より出射された前記光ビームを偏向するために正弦的に
揺動する偏向部を備え、前記偏向部により偏向作用を受
けた光ビームにより被走査媒体を走査する光偏向手段と
を備えた光走査装置において、前記光偏向手段と前記光
走査媒体との間の光路長を調整可能とする調整可能とす
る光路長調整手段を設けたものであり、光路長調整手段
により光路長が変化させられることにより、被走査媒体
上を走査される光ビームの走査速度が変化する。
【0030】請求項12記載の光走査装置は、光ビーム
を出射する光ビーム出射手段と、その光ビーム出射手段
より出射された前記光ビームを偏向するために正弦的に
揺動する偏向部を備え、前記偏向部により偏向作用を受
けた光ビームにより被走査媒体を走査する光偏向手段と
を備えた光走査装置において、前記被走査媒体上を走査
される光ビームの所定の走査点における走査速度を検出
する走査速度検出手段と、その走査速度検出手段からの
検出信号に基づいて、前記光偏向手段から前記被走査媒
体に至る光路長を算出する光路長算出手段と、その光路
長算出手段で算出された光路長に従って、前記光偏向手
段と前記被走査媒体とを相対的に移動させ、前記光偏向
手段から前記被走査媒体に至る実際の光路長を適切な長
さに調整する調整手段とを備えたものであり、調整手段
により光路長が変化させられることにより、被走査媒体
上を走査される光ビームの走査速度が変化する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面を参照して説明する。
【0032】図1は、レーザプリンタに適用される光走
査装置1を示す平面図であり、これを用いて、本実施例
の光走査装置の構成及び動作を詳細に説明する。一部は
本実施例の構成を説明するため、平面に投影した断面図
となっている。
【0033】筐体2には、被走査媒体である感光ドラム
3を照射するに必要なレーザビームを形成する全ての部
材が配置されている。
【0034】図中に斜線が施してある筺体2の一部にお
いて、半導体レーザ4とコリメートレンズ5と鏡筒7
は、筺体2の一部位である円筒開口部6に一体化されて
固定されている。
【0035】半導体レーザ4は、外部から入力される画
像信号に従って強弱に変調されたレーザビームを放射
し、コリメートレンズ5に入射させる。
【0036】コリメートレンズ5は、円筒形状のガラス
レンズからなり、半導体レーザ4から放射されたレーザ
ビームを受けて平行なレーザ光として鏡筒7の開口から
出射させる作用をする。この様な円筒形状のレンズとし
ては、円筒軸垂直方向に屈折率分布を持ったGRINレ
ンズが知られている。
【0037】鏡筒7は、樹脂成型品からなり、コリメー
トレンズ5を、鏡筒7の外形円筒面の中心軸と、コリメ
ートレンズ5の光軸がほぼ一致するように保持する機能
を持つ。
【0038】半導体レーザ4とコリメートレンズ5は、
半導体レーザ4の発光点がコリメートレンズ5の光軸に
略一致し、また半導体レーザ4の発光点がコリメートレ
ンズ5の焦点に一致するように調整される。これらを調
整することにより半導体レーザ4より放射されたレーザ
ビームはコリメートレンズ5通過後、コリメートレンズ
5の光軸と略一致した平行ビームとなり、鏡筒7の開口
により平行ビームの断面形状が所定の形状となるべく規
制されて出射される。
【0039】偏向器10は、光偏向素子9とその光偏向
素子を正弦振動させるための駆動部11とからなり、筺
体2に配設されている。
【0040】本実施例の光偏向素子9の構成について、
図2を参照して説明する。
【0041】光偏向素子9を構成するフレーム41に
は、上部及び下部に一体形成されたバネ部42,43を
介して可動部44が支持されている。これら、フレーム
41、バネ部42,43及び可動部44は単一の絶縁基
板によって構成されており、またこれらの形状は、フォ
トリソグラフィ及びエッチングの技術を利用して形成さ
れる。ここで、絶縁基板としては、例えば厚さが5×1
-5m程度の水晶基板が使用可能である。なお、フレー
ム41は必ずしも必要ではない。
【0042】また、可動部44には反射鏡45とコイル
パターン46とがフォトリソグラフィ及びエッチングの
技術を利用して形成されている。この反射鏡45の表面
精度は、結像時のビーム形状を乱さないようにするため
に、半導体レーザ4より出射されるレーザビームの波長
の1/4程度とされる。また、上部及び下部のバネ部4
2,43にはそれぞれコイルパターン5への導通のため
のリード線47,48が設けられており、上部側のリー
ド線47にはコイルパターン5を飛び越して接続される
ジャンパ線49が設けられている。
【0043】なお、上述したフレーム41、バネ部4
2,43及び可動部44の形成方法や反射鏡45及びコ
イルパターン46の形成方法については、特公昭60−
57052号公報に詳細に記載されているので、ここで
の説明を省略する。
【0044】また、駆動部11としては例えば永久磁石
が用いられ、所定のバイアス磁界を形成するように配置
される。
【0045】このように構成された本実施例の偏向器1
0では、光偏向素子9のコイルパターン46を駆動部1
1により与えられるバイアス磁界中に配置させ、リード
線47,48及びジャンパ線49を介してコイルパター
ン46に電流を流すことにより、可動部44が上部及び
下部のバネ部42,43を軸として正弦的に往復揺動運
動する。そして、可動部44がこのような揺動運動をす
ることにより、反射鏡45にて反射されるレーザビーム
が偏向作用を受けて水平に掃引されるのである。なお、
可動部44の往復揺動する角度全幅は偏向面角度変化に
て110度である。
【0046】結像レンズ12は、1枚玉のプラスチック
レンズからなり、偏向器10による偏向作用を受けたレ
ーザビームを感光ドラム3上に結像させ、さらに感光ド
ラム3上にてレーザビームによる走査線が略等速で主走
査方向に移動するようにF・arcsinθ特性を有し
ている。
【0047】一般の結像レンズでは、光線のレンズへの
入射角がθの時、像面上での結像する位置rについて、
r=f・tanθ(fは結像レンズの焦点距離)となる
関係がある。しかし、本実施例のように、正弦揺動する
偏向器10により反射されるレーザビームは結像レンズ
12への入射角が、時間と共に三角関数的に変化する。
従って、一般の結像レンズを用いると共に一定時間間隔
で半導体レーザ4をONすることにより間欠的にレーザ
ビームを出射させて、そのビームスポット列を感光ドラ
ム3上に結像させると、それらビームスポット列の間隔
は等間隔とはならなくなる。よって、本実施例のように
正弦揺動する偏向器10を用いる光走査装置1において
は、上述のような現象を避けるために、結像レンズ12
として、r=f・arcsinθなる特性を有するもの
が用いられる。このような結像レンズ12をFアークサ
インθレンズと称する。
【0048】そして、結像レンズ12より出射されたレ
ーザビームは感光ドラム3上への照射を妨げない領域内
で導光ミラー13にて光路を折り返されて、筺体2の一
部分として形成されているナイフエッジ18を通過して
ビーム検出器14に導かれる。
【0049】ビーム検出器14はpinフォトダイオー
ド等の光電変換素子からなり、掃引されるレーザビーム
を検出するものであり、この検出を示す検出信号に応じ
て感光ドラム3上に画像信号に応じた光情報を与えるた
めの半導体レーザ4への入力信号のスタートタイミング
を制御している。
【0050】これにより偏向器10の可動部44が揺動
する際の偏向角速度のムラによる水平方向の信号の同期
ずれを大幅に軽減でき、質のよい画像が得られると共に
偏光器10に要求される偏向角速度の精度の許容範囲が
大きくなるものである。
【0051】また、ビーム検出器14は、半導体レーザ
4と同一の一枚の基板15平面上に配設されている。こ
のため、ビーム検出器14と半導体レーザ4を駆動する
ための駆動回路との間の電気信号の経路を短くすること
ができるので、回路系が周囲電気ノイズによって誤動作
を起こす可能性を低くすることができる。さらに、ビー
ム検出器14と半導体レーザ4とが同一の一枚の基板1
5平面上に配設されており、両者の駆動回路が基板15
上に共存しているため、基板15の枚数が低減でき、基
板間を結線するハーネス16の本数を同時に低減するこ
ともできるという効果を合わせもっている。
【0052】基板15は、ネジ60により筺体2に固定
されており、ハーネス16伝い、または、直接の外力に
より、基板が力を受けて半導体レーザ4が筺体2から抜
けてしまったり、その位置がずれてしまったりするのを
防ぐという効果を持っている。
【0053】ナイフエッジ18は筐体2の一部分として
設けられたている。なお、従来は、薄い金属を打ち抜き
加工した矩形スリット状の部品を位置調整して筺体2に
ネジ等で固定して配設されていた。従って、本実施例の
ように、ナイフエッジ18を筺体2の一部分として形成
したことにより、部品点数を低減できるという効果が得
られる。
【0054】また、この筐体2は一般に広く用いられて
いるガラス繊維入りポリカーボネートにて形成され、各
構成要素を位置精度よく担持し、振動による歪が小さい
ことが必要である。
【0055】上記のごとく偏向され、結像レンズ12よ
り出射されたレーザビームは感光ドラム3上への照射領
域内でオリカエシミラー群6にて光路を折り返されて、
筺体2の一部位である窓17から筺体2外に射出され、
感光ドラム3上に照射され、公知の電子写真プロセス等
により顕像化された後普通紙または特殊紙より成る転写
材上に図示しない転写機構及び定着機構により転写・定
着されハードコピーとして出力される。
【0056】次いで、このように構成された光走査装置
1における光偏向素子について、図3及び図4を用いて
詳細に説明する。
【0057】本実施例における光偏向素子は、上述した
特公昭60−57052号公報にも記載されている通
り、単結晶水晶基板をエッチングプロセスとフォトリソ
グラフィープロセスにより加工したものからなり、この
水晶基板の厚みや、材質の不均衡、あるいはエッチング
プロセスの誤差により、通常その偏向周波数の誤差は±
3%程度であるため、大量生産時には個々の光偏向素子
による偏向周波数のばらつきが大きい。この偏向周波数
のばらつきは、光偏向素子により偏向作用を受けたレー
ザビームが、図3に示すように、感光ドラム3上の走査
開始位置21から走査終了位置22へ至る速度、つまり
レーザビームの偏向角速度のばらつきとして表れてしま
うため、以下のような問題が起こる。
【0058】今、光源である半導体レーザ4を、画像情
報に従って一定クロックに従って変調したならば、各光
偏向素子毎の上述した偏向角速度のばらつきに応じて、
走査終了位置22に書き込まれるはずの画像情報の位置
が、走査方向に±3%の範囲でずれてしまい、結果的
に、出力画像の位置ズレを生じる。
【0059】数値例に従ってこれを具体的に説明する。
光偏向素子の偏向周波数のばらつきが800Hz±3%
であり、走査開始位置21から走査終了位置22への距
離を210mm(A4サイズの紙面に相当)としたと
き、偏向周波数800Hzにて走査開始位置21から走
査終了位置22へ解像度300dpiにて画像情報を書
き込みするような設計値にて半導体レーザ4を一定クロ
ックに従って変調すると仮定する。
【0060】このとき、光偏向素子に固有の偏向周波数
が800Hzと比較して3%高ければ、走査終了位置2
2に書き込まれるはずの画像情報は図3の紙面左方向に
6.1mmずれた走査終了位置22aの位置に書き込ま
れてしまい、全体的に3%縮小された出力画像となって
しまう。逆に光偏向素子に固有の偏向周波数が800H
zと比較して3%低ければ、走査終了位置22に書き込
まれるはずの画像情報は図3の紙面右方向に6.1mm
ずれた走査終了位置22bの位置に書き込まれてしま
い、全体的に3%拡大された出力画像となってしまう。
一般にレーザビームプリンタにおいては、A4紙面にお
ける走査終了位置22のズレは±1.5mm程度しか許
されていないため、上述したような±6.1mmのずれ
が生じる構成は実用的であるとはいえない。
【0061】この問題点を解決するべく、レーザビーム
が感光ドラム3上の走査開始位置21から走査終了位置
22へ至る速度を一定にするために、光走査装置1の光
偏向素子9を感光ドラム3に対し、実効的に、レーザビ
ーム光路に沿った距離を変動させる構成とした。言い換
えれば、光偏向素子9より感光ドラム3に至る光路長を
調整することが可能となる構成とした。
【0062】つまり、上記数値例の光走査装置1におい
て、光偏向素子9の偏向周波数が設計値より3%高けれ
ば、筺体2及び光偏向素子9と感光ドラム3の間の距離
を、図4に破線にて示すように筐体2及び光偏向素子9
が筺体2a及び光偏向素子9aの位置に配置されるよう
に、感光ドラム3から実効的に3%遠ざけることによ
り、光偏向素子9と感光ドラム3の間の光路長が変化す
るので、走査開始位置21から走査終了位置22へ至る
レーザビームの速度は、設計値通りの偏向周波数を有す
る光偏向素子9を使用した場合のレーザビームの速度と
略同一となる。
【0063】逆に光偏向素子9の偏向周波数が設計値よ
り3%低ければ、筺体2及び光偏向素子と感光ドラム3
の間の距離を、図4に破線にて示すように筐体2及び光
偏向素子9が筺体2b及び光偏向素子9bの位置に配置
されるように、感光ドラム3に実効的に3%近づけるこ
とにより、光偏向素子9と感光ドラム3の間の光路長が
変化するので、走査開始位置21から走査終了位置22
へ至るレーザビームの速度は、設計値通りの偏向周波数
を有する光偏向素子9を使用した場合のレーザビームの
速度と略同一となる。このような筐体2及び光偏向素子
9の位置調整は、光走査装置1の製造工程中に、レーザ
ビームが走査開始位置21から走査終了位置22へ至る
速度を測定し、その速度が設計値通りの偏向周波数を有
する光偏向素子9を使用した場合のレーザビームの速度
と同一になるように調整するという、比較的簡単な工程
にて実現される。
【0064】続いて、このような位置調整を行うための
調整手段19について、図1及び図5(a)に基づいて
詳細に説明する。
【0065】光走査装置1の筐体2には、調整手段19
として、主走査方向と垂直な方向に長い長穴27が配設
されており、その長穴27を貫通する円筒部28aを有
する調整ピン28設けられている。そして、その調整ピ
ン28のフランジ部28bはネジ29によって筺体2上
に固定されている。また、上記調整ピン28の円筒部2
8aは本実施例の光走査装置1を載置支持すると共に感
光ドラム3等のレーザプリンタを構成する各種機構を支
持する装置フレーム50に設けられている係合穴51に
係合されている。つまり、ネジ29を取り除いた状態に
て筐体2の長穴27を調整ピン28に従わせて図1の矢
印A方向に沿って移動させ、適切な位置にて調整ピン2
8と長穴27との位置関係をネジ29にて固定すること
により、光走査装置1に固定されている光偏向素子9と
感光ドラム3との間の距離(光路長)を調整することが
できる。
【0066】さらに、図1及び図5(b)に示すごと
く、筺体2上の別の部位には、主走査方向と平行な方向
に長い長穴30が配設されており、上記と同様の態様に
て調整ピン31がネジ32によって筺体2に固定されて
いる。また、上記装置フレーム50の、この調整ピン3
1と対向する位置には調整ピン31と係合可能であり主
走査方向と垂直に長い係合部52が設けられている。従
って、調整ピン28と長穴27との位置関係を調整する
際にも、調整ピン31は装置フレームの係合部52内を
移動可能となるので、筺体2の感光ドラム3に対する位
置は一意に決められるものである。
【0067】このように個々の光走査装置1毎に筐体2
の光偏向素子9から感光ドラム3に至る光路長を調整す
る調整手段19が配設されているので、個々の光偏向素
子9の偏向周波数にばらつきがあっても、前述のような
出力画像の位置ズレは起こらないので、原画像に忠実に
画像を再生できるという効果が得られる。同時にこのよ
うな長穴27,30と調整ピン28,31との組み合わ
せにより、非常に安価に調整手段19を実現できるとい
う効果も合わせ持つ。
【0068】同時に、このような光走査装置1を内包す
るレーザプリンタの製造工程において、光走査装置1の
筺体2の調整手段19により、筺体2の感光ドラム3に
対する位置が一意に決められることで、一度長穴27,
30や調整ピン28,31等にて位置調整された光走査
装置1は、例えば修理等の後の組立時など、その光走査
装置1を再度レーザプリンタに組み付ける際にも、再度
筐体2の光偏向素子9より感光ドラム3に至る光路長の
調整を行う必要がなく、組立が容易になると共に得られ
る出力画像の位置ズレが生じないという効果も得られ
る。
【0069】また、同時にこのような光走査装置1を内
包するレーザプリンタの使用者の元にて、故障等による
光走査装置1の交換の必要が生じたときに、本実施例の
光走査装置1であれば、筺体2の感光ドラム3に対する
位置は一意に決められ、交換後の出力画像の位置ズレは
起こらないという効果も得られる。
【0070】なお、長穴30の長手方向と長穴27の長
手方向とが直交しているのは、このような筺体2の矢印
B方向に回転する方向に関する位置調整を同時に行うこ
とが可能となるからであり、この矢印B方向の回転によ
り調整する必要が生じないようならば、長穴27側の調
整手段にて調整するのみでも本実施例と同様の効果が得
られる。
【0071】また、長穴27を挿通したネジ29を直接
装置フレーム50に螺着することにより、光走査装置1
の筐体2を装置フレーム50に固定してもよい。さら
に、装置フレーム50側に本発明を逸脱しない範囲の長
穴(図示せず)を設けたり、筺体2に丸穴や突出円筒ピ
ン等を組み合わせて配設してもよい。
【0072】また、筺体2を別体の平板状の対向部材
(図示せず)に位置決めして固定し、この筐体2と対向
部材とからなる一体のユニット部品を、前述の感光ドラ
ム3を支持する装置フレーム50に取り付け自在に固定
するような構成をとっても、同様に本発明の主旨を逸脱
しない。
【0073】ここで、光偏向素子9から感光ドラム3に
至る光路長を調整することに関連して、問題点が生じる
場合もあることを指摘する。すなわち、図1において、
光走査装置1の光学系である半導体レーザ4、コリメー
トレンズ5及び結像レンズ12は、感光ドラム3表面の
走査全領域にてレーザビームのピントが合うように配置
されている。これにより、半導体レーザ4より発せられ
るレーザビームが感光ドラム3表面上にて細いスポット
光として結像されて、詳細な画像を記録するものであ
る。しかし、通常、光走査装置1はユニットとして量産
されて上記光学系を同一基準にて調整しているので、本
発明の主旨に従って光偏向素子9を含む筐体2を感光ド
ラム3に対して移動させると、感光ドラム3上に結像さ
れるスポット光がピント位置から大幅に逸脱し、もはや
レーザプリンタに求められている解像度仕様を満たさな
くなるほどレーザビームのスポットが大きくなってしま
うという問題点が生じる可能性もある。
【0074】このような問題点を解決するための生産工
程としては、まず、感光ドラム3と光偏向素子9との距
離を、前述の通り生産設備にてレーザビームの走査速度
を測定して筐体2の位置を移動させることにより調整し
た後に、その調整された感光ドラム3位置上でもっとも
よいフォーカスが得られるように、光走査装置1を構成
する半導体レーザ4とコリメートレンズ5との間隔を微
調整すればよい。
【0075】以上詳述した内容から、本実施例の光走査
装置1は、従来のポリゴンミラーを使用した光走査装置
よりも外形形状、重量ともに小さくし、さらに、正弦的
に揺動する反射鏡45を備えた光偏向素子9の偏向周波
数のばらつきを補償するものであり、結果的に、本実施
例の光走査装置1をレーザプリンタにおける画像の書き
込み用装置として用いるとき、出力される画像に位置ズ
レが生じないようにすることができる。
【0076】ついで、上述の通り構成された光走査装置
1の動作について図1を用いて説明する。
【0077】半導体レーザ4は画像信号に基づいて点滅
してレーザビームを発しており、このレーザビームはコ
リメートレンズ5によって平行ビームにされたのち、鏡
筒7の開口により整形作用を受けて出射される。レーザ
ビームは、偏向器10の光偏向素子9に形成されている
反射鏡45に入射される。光偏向素子9の可動部44は
駆動部11によって正弦的に揺動しているため、反射鏡
45にて反射されるレーザビームは正弦的に往復偏向作
用を受ける。光偏向素子9により偏向作用を受けたレー
ザビームは、さらに結像レンズ12としてのFアークサ
インθレンズによって感光ドラム3上に結像されるべく
収束作用を受ける。また、同時に、光偏向素子9により
偏向されたレーザビームが感光ドラム3上を等速度にて
走査されるような光路屈折作用を受ける。
【0078】結像レンズ12により収束作用を受けたレ
ーザビームは、オリカエシミラー6により光路を折り畳
まれて感光ドラム3上に結像し、順次等速走査される。
また、発光されたレーザビームは画像走査範囲外にて導
光ミラー13により屈折され、ビーム検出器14に導か
れる。ビーム検出器14がレーザビームを検出すると、
その検出信号を出力する。この検出信号は水平同期信号
として用いられ、水平方向における画像の基準位置を得
るために利用される。
【0079】そして、画像情報による光走査作用を受け
た感光ドラム3は公知の電子写真プロセス等により顕像
化された後、普通紙または特殊紙より成る転写材上に周
知の転写機構及び定着機構により転写・定着されハード
コピーとして出力される。
【0080】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく、適宜変更を加えることが可能である。
【0081】例えば、図1の光走査装置1において、調
整手段19としては長穴27と調整ピン28との組み合
わせに限らず、光偏向素子9と感光ドラム3との間の光
路長を変動自在とし、かつ固定支持可能とする構成であ
れば何でもよい。
【0082】これは、例えば光偏向素子9を固定し、感
光ドラム3の位置を調整できるような構成であってもよ
いし、光偏向素子9と感光ドラム3の間に種々の光学部
材を挿入して実効的な光学距離(光路長)を変化させる
構成であってもよい。これらの何れの構成を採用したと
しても、上述した本実施例と同様な効果が得られる。
【0083】また、図6の本発明にかかる別の光走査装
置1の平面図のごとく、上述したような光偏向素子9の
偏向周波数の変動をレーザプリンタ等が走査速度検出手
段を用いて常に監視し、光偏向素子9と感光ドラム3と
の実質的な距離を制御器33によって制御し、モータ3
4と円筒ギヤと平面ギヤからなる変動機構35の組み合
わせによる一種のアクチュエータを作動させることによ
って、光偏向素子9と感光ドラム3との間の光路長をア
クティブに変化させてもよい。この例によれば、本発明
にかかる光走査装置1が、温湿度等の環境や累計動作時
間等により、その偏向周波数が微妙に変化し、レーザプ
リンタの要求仕様を満たさないような状態となることを
想定した場合の解決手段となる。
【0084】このような偏向周波数の変化、つまり、走
査速度の変化を検出する走査速度検出手段としては、光
走査装置1に設けられている走査位置検出手段であるビ
ーム検出器14を用い、このビーム検出器14内をレー
ザビームが通過するに要する通過時間を検出するように
してもよい。このように構成することにより、走査速度
検出のための特別な検出器等を必要としないので、装置
構成が簡易である。また、感光ドラム3上にて画像書き
込みを妨げない任意の二箇所に走査位置検出器31,3
2を配置し、各走査位置検出器31,32にて検出され
るレーザビームに従って出力される検出信号の間隔を得
ることにより、走査速度を検出してもよい。または、ビ
ーム検出器14と走査位置検出器32とを組み合わせて
走査速度を検出することにより、広い偏向角度に対する
二点の走査位置を検出できるので、レーザビームの走査
速度をより高精度に検出できる。また、検出信号の精度
や応答速度を考慮にいれると、上述したいずれのレーザ
ビームの検出器としても、高速応答性のあるpinフォ
トダイオード等の光電変換素子を用いることが好まし
い。
【0085】そして、この図6に示す実施例において
は、ASIC等のプロセッサまたは、デジタルロジック
回路、アナログディスクリート回路等にて構成された制
御器33は、上述したような走査速度検出手段の出力信
号に従って、上記モータ34及び変動機構35の動作を
制御するための電気信号を送出し、これにより、モータ
34及び変動機構35が駆動されて光走査装置の筺体2
または光偏向素子9等の位置を変化させて最適な位置に
移動させる。
【0086】また、上述した実施例にて示したような光
偏向素子9とバイアス磁界を与えるための駆動部11と
しての永久磁石とからなる正弦揺動共振型偏向器のみで
なく、たとえば、永久磁石の代わりの駆動部として積層
圧電素子と機械的変倍てこ機構を用いた正弦揺動共振型
偏向器や、電磁駆動型のガルバノミラーのうち、レーザ
ビームを偏向する偏向手段の機械共振点にて偏向に作用
する素子が正弦的に揺動するような型のものであれば、
いずれのものでもその偏向周波数が個体間でばらついた
り、または、環境変動による偏向周波数の変化という共
通の問題点を持ち得るため、上述した本実施例の主旨に
添う構成をとることが可能となり、それにより得られる
効果は本実施例と同様に大きいものである。
【0087】その他、本発明の趣旨を越えない範囲で様
々な変更が可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1記載の光走査装置は、絶縁基板によっ
て、バネ部と、このバネ部によって支持される可動部と
を構成し、可動部に光ビームを偏向するための偏向部を
設けた光偏向手段を用いたことによって、従来の光走査
装置より外形形状、重量とも小さくできる。さらに、光
偏向手段のもつ偏向周波数のばらつきを光路長調整手段
によって補償しているので、結果的に、本発明の光走査
装置を被走査媒体に対して画像を書き込むために用いる
とき、書き込まれる画像の位置が各光走査装置毎に異な
ることがないという効果を奏する。
【0089】請求項2記載の光走査装置は、上記調整手
段を、筺体を、対向部材に取り付ける取り付け部という
簡易な方法で実現できると共に、例えば修理等ための光
走査装置を支持部材より取り外して再度支持部材に取り
付ける場合でも、再度調整を行う必要がなく、さらに、
故障等による光走査装置の交換等の要が生じたときに、
筐体の被走査媒体に対する位置が一意に決められるた
め、交換後の出力画像の位置ズレは起こらないという効
果を奏する。
【0090】請求項3記載の光走査装置は、このような
取り付け部が、長穴と、その長穴を挿通するネジまたは
調整ピンのいずれか一方とからなるので、簡易な工程に
て調整を行うことができるという効果を奏する。
【0091】請求項4記載の光走査装置は、このような
取り付け部は、主走査方向に平行な方向に長い長穴と、
主走査方向に垂直な方向に長い長穴とを有するので、光
路長に関する調整のみでなく、光偏向手段の偏向方向の
角度調整をも行うことが可能となり、被走査媒体を支持
する支持部材に光走査装置を組み付ける際の組み付け作
業を簡易化することができるという効果を奏する。
【0092】請求項5記載の光走査装置は、筺体と被走
査媒体の双方を支持する支持部材に対し、筺体に設けら
れた位置決め手段により、その筐体を取り付け自在とな
るように構成したので、例えば修理等ための光走査装置
を支持部材より取り外して再度支持部材に取り付ける場
合でも、再度調整を行う必要がなく、さらに、故障等に
よる光走査装置の交換等の要が生じたときに、筐体の被
走査媒体に対する位置が一意に決められるため、交換後
の出力画像の位置ズレは起こらないという効果を奏す
る。
【0093】請求項6記載の光走査装置は、前記光ビー
ムを前記被走査媒体上に集光させる走査光学系を備えて
おり、光路長調整手段により調整された光路長に応じ
て、被走査媒体上に適切な光ビームの集光特性が得られ
るように、走査光学系の焦点調整がなされているため、
個々の光走査装置毎に、最良の画像解像度による走査記
録を行うことができるという効果を奏する。
【0094】請求項7記載の光走査装置は、被走査媒体
上を走査される光ビームの所定の走査点における走査速
度を検出する走査速度検出手段と、その走査速度検出手
段による検出信号に従って、光偏向手段から被走査媒体
に至る光路長を算出する光路長算出手段と、算出された
光路長に従って、光偏向手段と被走査媒体とを相対的に
移動させて、光偏向手段から被走査媒体に至る実際の光
路長を適切な長さに調整する調整手段とを備えているた
め、温湿度や累計動作時間による偏向周波数変化があっ
てもこれをアクティブに補償でき、常に最良な出力画像
が得られるという効果を奏する。
【0095】請求項8記載の光走査装置は、走査速度検
出手段として、被走査媒体上を走査される光ビームの水
平同期をとるためのビーム位置検出手段を使用している
ので、追加の部材を用いる必要がなく、また、偏向周波
数変化があってもこれをアクティブに補償でき、常に最
良な出力画像を得られるという効果を奏する。
【0096】請求項9記載の光走査装置は、走査速度検
出手段として少なくとも2個の光電変換素子を用いるこ
とにより、光ビームの走査速度の検出精度の面で優れた
走査速度検出信号を得ることができるので、最適な出力
画像を得られるという効果を奏する。
【0097】請求項10記載の光走査装置は、走査速度
検出手段として半導体光電変換素子を用いているので、
安価で、且つ、精度及び信号速度の面で優れた走査速度
検出信号を得ることができ、最適な出力画像を得られる
という効果を奏する。
【0098】請求項11記載の光走査装置は、光ビーム
を偏向するための正弦的に揺動する偏向部を備えた光偏
向手段と、被走査媒体との間の光路長を調整する光路長
調整手段とを有することにより、光偏向手段のもつ偏向
周波数のばらつきを光路長調整手段によって補償してい
るので、結果的に、本発明の光走査装置を被走査媒体に
対して画像を書き込むために用いるとき、書き込まれる
画像の位置が各光走査装置毎に異なることがないという
効果を奏する。
【0099】請求項12記載の光走査装置は、光ビーム
を偏向するための正弦的に揺動する偏向部を備えた光偏
向手段と、被走査媒体上を走査される光ビームの所定の
走査点における走査速度を検出する走査速度検出手段
と、その走査速度検出手段による検出信号に従って、光
偏向手段から被走査媒体に至る光路長を算出する光路長
算出手段と、算出された光路長に従って、光偏向手段と
被走査媒体とを相対的に移動させて、光偏向手段から被
走査媒体に至る実際の光路長を適切な長さに調整する調
整手段とを備えているため、温湿度や累計動作時間によ
る偏向周波数変化があってもこれをアクティブに補償で
き、常に最良な出力画像が得られるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査装置の平面図である。
【図2】光走査装置に用いる光偏向素子の斜視図であ
る。
【図3】光走査装置におけるレーザビーム走査の様子を
示す平面図である。
【図4】光走査装置における光路長調整の動作を示す平
面図である。
【図5】(a)は図1の光走査装置のX−X断面図であ
り、(b)は図1の光走査装置のY−Y断面図である。
【図6】別の実施例の光走査装置を示す平面図である。
【図7】従来の光走査装置の平面図である。
【符号の説明】
1 光走査装置 2 筺体 3 感光ドラム 4 半導体レーザ 9 光偏向素子 12 Fアークサインθレンズ 19 調整手段 27 長穴 28 調整ピン 31 走査位置検出器 32 走査位置検出器 33 制御器 34 モータ 35 変動機構 42 バネ部 43 バネ部 44 可動部 45 反射鏡

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、 絶縁基板によってバネ部と、バネ部によって支持される
    可動部と、その可動部に設けられた偏向部とを構成し、
    前記偏向部により偏向作用を受けた光ビームにより被走
    査媒体を走査する光偏向手段とを備えた光走査装置にお
    いて、 前記光偏向手段と前記光走査媒体との間の光路長を調整
    可能とする光路長調整手段を設けたことを特徴とする光
    走査装置。
  2. 【請求項2】 前記光路長調整手段は、 前記光ビーム出射手段と前記光偏向手段とを包括的に支
    持する筐体と、 その筐体が固定される対向部材と、 前記筐体及び前記対向部材に設けられ、前記光路長を調
    整するために前記筐体と前記対向部材との相対的な位置
    関係を調整可能にするべく、前記筐体を前記対向部材に
    取り付けるための取り付け部とからなり、 前記筐体を前記対向部材に対して前記取り付け部を介し
    て固定した状態にて、前記被走査媒体を支持する支持部
    材に対して取り付け自在としたことを特徴とする請求項
    1に記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記取り付け部は、前記筐体または前記
    対向部材に設けられた長穴と、その長穴を挿通するネジ
    または調整ピンのいずれか一方と、からなることを特徴
    とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記取り付け部は、主走査方向と平行な
    方向に長い長穴と、主走査方向に垂直な方向に長い長穴
    とを有することを特徴とする請求項3に記載の光走査装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光路長調整手段は、 前記光ビーム出射手段と前記光偏向手段とを包括的に支
    持する筐体と、 前記被走査媒体を支持する支持部材に対して前記筐体を
    取り付け可能とすると共に、前記光路長を調整するべく
    前記筐体の前記支持部材への取り付け位置を調整するた
    めの位置決め手段とを有することを特徴とする請求項1
    に記載の光走査装置。
  6. 【請求項6】 前記光ビーム出射手段より出射される前
    記光ビームを前記被走査媒体上に集光させる走査光学系
    を備え、 前記走査光学系は、前記光路長調整手段により調整され
    た前記光路長に応じて、前記被走査媒体上に適切な前記
    光ビームの集光特性が得られるように焦点調整がなされ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  7. 【請求項7】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、 絶縁基板によってバネ部と、バネ部によって支持される
    可動部と、その可動部に設けられた偏向部とを構成し、
    前記偏向部により偏向作用を受けた光ビームにより被走
    査媒体を走査する光偏向手段とを備えた光走査装置にお
    いて、 前記被走査媒体上を走査される光ビームの所定の走査点
    における走査速度を検出する走査速度検出手段と、 その走査速度検出手段からの検出信号に基づいて、前記
    光偏向手段から前記被走査媒体に至る光路長を算出する
    光路長算出手段と、 その光路長算出手段で算出された光路長に従って、前記
    光偏向手段と前記被走査媒体とを相対的に移動させ、前
    記光偏向手段から前記被走査媒体に至る実際の光路長を
    適切な長さに調整する調整手段とを備えたことを特徴と
    する光走査装置。
  8. 【請求項8】 前記走査速度検出手段として、前記被走
    査媒体上を走査される前記光ビームの水平同期をとるた
    めのビーム位置検出手段を使用することを特徴とする請
    求項7に記載の光走査装置。
  9. 【請求項9】 前記走査速度検出手段が、少なくとも2
    個の光電変換素子からなることを特徴とする請求項7に
    記載の光走査装置。
  10. 【請求項10】 前記走査速度検出手段が、半導体光電
    変換素子であることを特徴とする請求項7に記載の光走
    査装置。
  11. 【請求項11】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、 その光ビーム出射手段より出射された前記光ビームを偏
    向するために正弦的に揺動する偏向部を備え、前記偏向
    部により偏向作用を受けた光ビームにより被走査媒体を
    走査する光偏向手段とを備えた光走査装置において、 前記光偏向手段と前記光走査媒体との間の光路長を調整
    可能とする調整可能とする光路長調整手段を設けたこと
    を特徴とする光走査装置。
  12. 【請求項12】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、 その光ビーム出射手段より出射された前記光ビームを偏
    向するために正弦的に揺動する偏向部を備え、前記偏向
    部により偏向作用を受けた光ビームにより被走査媒体を
    走査する光偏向手段とを備えた光走査装置において、 前記被走査媒体上を走査される光ビームの所定の走査点
    における走査速度を検出する走査速度検出手段と、 その走査速度検出手段からの検出信号に基づいて、前記
    光偏向手段から前記被走査媒体に至る光路長を算出する
    光路長算出手段と、 その光路長算出手段で算出された光路長に従って、前記
    光偏向手段と前記被走査媒体とを相対的に移動させ、前
    記光偏向手段から前記被走査媒体に至る実際の光路長を
    適切な長さに調整する調整手段とを備えたことを特徴と
    する光走査装置。
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