JPH09331229A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JPH09331229A
JPH09331229A JP5323997A JP5323997A JPH09331229A JP H09331229 A JPH09331229 A JP H09331229A JP 5323997 A JP5323997 A JP 5323997A JP 5323997 A JP5323997 A JP 5323997A JP H09331229 A JPH09331229 A JP H09331229A
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JP
Japan
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surface acoustic
acoustic wave
substrate
cut
propagation loss
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Application number
JP5323997A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Shimizu
康敬 清水
Atsuhiro Nishikata
敦博 西方
Shigetaka Toha
茂孝 當波
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニオブ酸リチウム基板及びタンタル酸リチウ
ム基板において、従来よりも適切なカット面及び弾性表
面波伝搬方向を見出し、これによって高性能の弾性表面
波素子を提供する。 【構成】 ニオブ酸リチウムからなる圧電基板について
は、該圧電基板のカット面及び弾性表面波伝搬方向を、
オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこれと実質的に等価
な範囲とするとき、0°≦φ≦86°,73°≦θ≦1
18°,0°≦ψ≦44°に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニオブ酸リチウム或い
はタンタル酸リチウムを圧電材料とする弾性表面波素子
の技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯用電話機等の通信機器においては、
共振器フィルター、信号処理用遅延線等の回路素子とし
て、弾性表面波素子が広く応用されている。弾性表面波
素子は、例えば圧電性を有する基板の表面に簾状の電極
や格子状の反射器を形成し、電気信号と弾性表面波の相
互の変換を行なうものである。
【0003】一般に、弾性表面波素子の圧電基板に於い
ては、電気機械結合係数が大きいこと、伝搬損失が小さ
いこと等が要求される。
【0004】ところで、近年の通信機器の高周波化に伴
って、ギガヘルツ帯で使用可能な弾性表面波素子へのニ
ーズが高まっている。弾性表面波素子の中心周波数f0
は、弾性表面波の伝搬速度Vと電極指周期L(=波長λ)
との関係で、次式によって表わされる。
【0005】
【数1】
【0006】従って、弾性表面波素子の高周波化に対応
するには、より高い伝搬速度(位相速度)Vが得られる圧
電基板を開発する必要がある。これには、ダイヤモンド
の様な硬質の基板材料を用いる方法と、所謂漏洩弾性表
面波を利用する方法とがある。
【0007】特に後者の漏洩弾性表面波は、弾性体の深
さ方向にエネルギーを放射しながら表面を伝搬する弾性
波であって、使用する弾性体の表面のカット面や弾性表
面波伝搬方向を適切に選択することによって、伝搬損失
を小さくし、更に、レイリー(Rayleigh)波よりも高い
伝搬速度を実現することが可能である。
【0008】この種の漏洩弾性表面波を用いた弾性表面
波素子としては、水晶LSTカット、ニオブ酸リチウム
(LiNbO3)の41°Y−Xカット、64°Y−Xカッ
ト、及びタンタル酸リチウム(LiTaO3)の36°Y−
Xカットが知られている(清水康敬「弾性表面波材料の
伝搬物性と利用の現状」電子情報通信学会論文誌A Vo
l.J76-A,2,pp129-137,1993)。
【0009】又、四硼酸リチウム(Li247)基板にお
いては、速い横波の位相速度を超える漏洩弾性表面波が
報告されている(佐藤隆裕、阿部秀典「四硼酸リチウム
基板を伝搬する縦波型リーキー波」学術振150委員会第3
9回研究会資料(6.6.23))。この漏洩弾性表面波の位相速
度は、縦波の位相速度に近いので縦波型リーキー波と呼
ばれている。
【0010】更に、任意のカット面を有するニオブ酸リ
チウム基板を伝搬する漏洩弾性表面波については既に報
告されている(清水康敬、村上享司「LiNbO3基板漏洩
弾性表面波の特性と新カット」Vol.J69-C,10,pp1309-13
18,1986)。
【0011】近年、ここにきて従来にあっては、タンタ
ル酸リチウム基板およびニオブ酸リチウム基板で得られ
る位相速度が精々約4400m/sであったものが、約
7000m/sを越える位相速度が得られるような従来
よりも良好なカット面及び弾性表面波伝搬方向を本願発
明者等は見出し、従来よりも高性能な弾性表面波素子を
提案している(第15回超音波エレクトロニクスの基礎
と応用に関するシンポジウムp.185(平成6年11
月29日))。
【0012】本発明者等が提案する漏洩弾性表面波は、
ニオブ酸リチウム基板及びタンタル酸リチウム基板にお
ける漏洩弾性表面波の伝搬特性を、カット面及び弾性表
面波伝搬方向を種々に変えることによって理論的に研究
した結果によるもので、2つのタイプの漏洩弾性表面
波、つまり遅い横波と速い横波との間の位相速度を持つ
第1漏洩表面波(First Leaky Wave)と、速い横波を越
える位相速度を持つ第2漏洩表面波(Second Leaky Wav
e)を見出したものである。
【0013】ここで、本願発明を説明するに先立って、
すでに発明者等が提案しているこれら漏洩表面波のうち
本願発明との特性面での比較が可能な第2漏洩表面波に
ついて簡単に説明すると、まず第1には、タンタル酸リ
チウムからなる圧電基板上に電極を形成した弾性表面波
素子であって、該圧電基板のカット面及び弾性表面波伝
搬方向を、右手系のオイラー角表示で(φ,θ,ψ)及び
これと実質的に等価な範囲とするとき、φを90°、θ
を90°、ψを0°〜180°の範囲としたものであ
る。
【0014】そして、第2には、ニオブ酸リチウムから
なる圧電基板上に電極を形成したものにあっては、該圧
電基板のカット面及び弾性表面波伝搬方向を、オイラー
角表示で(φ,θ,ψ)及びこれと実質的に等価な範囲と
するとき、φを90°、θを90°、ψを0°〜180
°の範囲に設定したものである。
【0015】但し、ここで使用するカット面及び弾性表
面波伝搬方向を特定するためのオイラー角(φ,θ,ψ)
については、図9で示す如く結晶軸をX、Y、Zとする
とき、Z軸を中心としてX軸をY軸側へ角度φだけ回転
させて、これをA1軸とし、次にA1軸を中心としてZ
軸を反時計回りに角度θだけ回転させ、これをA2軸と
する。このA2軸を法線としてA1軸を含む面方位でカ
ットし、基板とする。そして、該面方位にカットした基
板において、A2軸を中心としてA1軸を反時計回りに
角度ψだけ回転させた軸をA3軸とし、このA3軸を弾
性表面波伝搬方向とする。斯る関係をカット面及び弾性
表面波伝搬方向をオイラー角(φ,θ,ψ)と表示してい
る。
【0016】図10及び図11は、前記第1のタンタル
酸リチウム基板の(90°,90°,ψ)カットにおい
て、表面が電気的開放及び電気的短絡の各場合における
第2漏洩表面波の伝搬特性を角度ψの関数として表わし
たもので、図10に示す様に、第2漏洩表面波の位相速
度は、表面が開放、短絡の何れの場合にも約6000m
/sと、レイリー波の約2倍の高い位相速度を有し、縦
波(Longitudinal)の位相速度に非常に近くなってい
る。
【0017】更に 図11によれば、電気機械結合係数
及び1波長当たりの伝搬損失を表わしている。図示の如
く、ψが31°にて、電気機械結合係数K2は最大値2.
14%となっている。又、表面が電気的開放の場合にお
ける伝搬損失は、電気的短絡の場合における伝搬損失よ
りも非常に小さい。そして、表面が開放及び短絡の両場
合において、伝搬損失は、ψが164°にて略零となっ
ている。
【0018】また、一方、前記第2のニオブ酸リチウム
基板の(90°,90°,ψ)カットにおいて、表面が電
気的開放及び電気的短絡の各場合における第2漏洩表面
波の伝搬特性を角度ψの関数として表わしたものが図1
2及び図13である。
【0019】これらが示す様に、第2漏洩表面波の位相
速度は約7000m/sと、極めて高速であり、レイリ
ー波の位相速度の約2倍となり、又その一方で第2漏洩
弾性表面波の位相速度は、電気的開放の場合と電気的短
絡の場合で異なる変化を示しており、ψが37°では約
500m/sの違いがあり、この結果、大きな機械電気
結合係数が得られる。
【0020】尚、、前述した第2の弾性表面波、及び後
述する本願発明においても、弾性表面波素子の特性評価
方法としては、従来から知られている一般的な解法(例
えば、J.J.Campbell, W.R.Jones,”A Method for Estim
ating Optimal Crystal Cutsand Propagation Directio
ns for Excitation of Piezoelectric Surface Wave
s”, IEEE transaction on Sonics and Ultrasonics, v
ol.SU-15, No.4, pp209-217,(1968)参照)を採用し、コ
ンピュータシミュレーションによって、位相速度、 電
気機械結合係数及び伝搬損失を算出した。
【0021】そして又、本願発明にあっても、最適なカ
ット面及び弾性表面波伝搬方向については、実際に弾性
表面波素子を試作して、その特性を実測したところ、シ
ミュレーション結果と符合する測定値が得られた。これ
によって、コンピュータシミュレーションの妥当性が裏
付けられる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、本発明者等
は、これら第2弾性表面波には、更に高い位相速度であ
って、且つ伝搬損失の少なく、然も大きな電気機械結合
係数が得られる最適なカット面及び弾性表面波伝搬方向
が存在する可能性があるものと、鋭意研究の結果、これ
を発明したものである。
【0023】本発明の目的は、ニオブ酸リチウム基板及
びタンタル酸リチウム基板において、これまでよりもよ
り適切なカット面及び弾性表面波伝搬方向を見出し、こ
れによって高性能の弾性表面波素子を提供することであ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の弾
性表面波素子は、ニオブ酸リチウムからなる圧電基板上
に電極を形成したものであって、該圧電基板のカット面
及び弾性表面波伝搬方向を、右手系のオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)及びこれと実質的に等価な範囲とすると
き、0°≦φ≦86°,73°≦θ≦118°,0°≦
ψ≦44°に設定し、更には95°≦φ≦180°,7
3°≦θ≦118°,0°≦ψ≦44°に設定する。
【0025】更に、前記オイラー角表示で0°≦φ≦8
3°,83°≦θ≦105°,0°≦ψ≦38°に設定
し、具体的には、98°≦φ180°,83°≦θ≦1
05°,0°≦ψ≦38°に設定する。
【0026】本発明に係る第2の弾性表面波素子は、タ
ンタル酸リチウムからなる圧電基板上に電極を形成した
ものであって、該圧電基板のカット面及び弾性表面波伝
搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこれと実
質的に等価な範囲とするとき、0°≦φ≦87°,80
°≦θ≦120°,0°≦ψ≦44°に設定したことを
特徴とする。
【0027】より具体的には、前記圧電基板のカット面
及び弾性表面波伝搬方向を、91°≦φ≦180°,8
0°≦θ≦129°,0°≦ψ≦44°に設定する。
【0028】更に、前記オイラー角表示で、0°≦φ≦
85°,87°≦θ≦114°,0°≦ψ≦36°とし
たことであり、より具体的には、93°≦φ≦180
°,87°≦θ≦114°,0°≦ψ≦36°に設定し
たことにある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につ
き、図面に沿って詳述する。
【0030】ニオブ酸リチウム基板における第1漏洩弾
性表面波図1は及び図2は、LiNbO3基板(φ,
θ,37°)カットにおいて、φが82°及び90°夫
々の場合において、θを変化させたときの第2漏洩弾性
表面波の伝搬特性である。
【0031】図1は、θに対する位相速度及び電気機械
結合係数K2を、図2は、θに対する伝搬損失を示して
いる。
【0032】これら図によれば、φをパラメータとして
90°から82°へと変化させると、伝搬特性は連続的
に変化し推移するものの、更にφが82°を下回ると第
2漏洩弾性表面波は存在しなくなる。これは、本願発明
が利用せんとする第2漏洩弾性表面波とは異なったモー
ドに変化するためであり、コンピュータシミュレーショ
ン上では、解が存在しないとして現れる。
【0033】従って、図2から、ψを37°とした場合
にあっては、φが82°とした場合、θの広い範囲でも
っとも伝搬損失を低減させることが可能であり、とりわ
けθが92°付近にあっては最も伝搬損失が小さくなる
ことが分かる。
【0034】即ち、伝搬損失として、0.05dB/λ
以下の条件を満たすものとしては、θは、73°以上1
18°以下とすることが好ましいことが分かる。更に、
好適なものとしては、0.02dB/λ以下の条件とす
る場合としては、θは、83°以上105°以下とする
ことが好ましいことが分かる。
【0035】斯る伝搬特性を考慮して、θを92°、ψ
を37°として、即ちLiNbO3基板(φ,92°,
37°)カットにおいて、φを変化させた場合の伝搬損
失特性を示したのが図3である。同図によれば、φを7
0°から110°まで変化させると、約80°以下と約
100°以上においては損失はないものの、約80°以
上約100°以下ではφが91°で最大値となるような
伝搬損失を示すことが分かる。
【0036】従って、同図から伝搬損失として、0.0
5dB/λ以下の条件を満たすものとしては、φは、8
6°以下または96°以上とすることが好ましいことが
分かる。更に、好適なものとしては、0.02dB/λ
以下の条件とする場合としては、φは、83°以下また
は98°以上とすることが好ましいことが分かる。
【0037】以上の特性を考慮して、次にLiNbO3
基板(82°,92°,ψ)カットにおいて、ψを変化
させた場合の伝搬損失特性を示したのが図4である。同
図によれば、伝搬損失はψを30°から60°まで変化
させるにつれて、ψが約35°となる近傍から単調に増
加することが分かる。
【0038】従って、同図によれば、伝搬損失が0.0
5dB/λ以下となる条件を満たすものとしては、ψ
は、44°以下とすることが好ましいく、更に、好適な
伝搬損失が0.02dB/λ以下となる場合としては、
ψは、38°以下とすることが好ましい。 <タンタル酸リチウム基板における第2漏洩弾性表面波
>図5は、LiTaO3基板(85°,θ,31°)カ
ットにおいて、θを変化させた場合の伝搬損失特性を示
したものである。同図によれば、伝搬損失は、θが60
°から90°近辺にまで増加するにつれて漸次減少し、
90°以上110°以下では伝搬損失がゼロを示してい
る。そして、110°以上では損失の増加傾向を示して
いる。同図にはφをパラメータとして変化させた場合の
伝搬損失の変化を示しており、ニオブ酸リチウムと同様
に連続的に変化していることが分かる。
【0039】従って、同図によれば、伝搬損失が0.0
05dB/λ以下となる条件としては、θが80°以上
120°以下とするのが好ましく、より好ましい0.0
02dB/λ以下のなる条件としては、θが87°以上
114°以下の範囲に設定することが好ましい。
【0040】斯様な伝搬特性を考慮して、θを91°、
ψを31°として、即ちLiTaO3基板(φ,91
°,31°)カットにおいて、φを80°から100°
まで変化させたものが図6である。同図によれば、φが
約83°以上約95°以下の範囲では、約89°で最大
となる伝搬損失特性を呈することが分かる。
【0041】従って、伝搬損失として、0.005dB
/λ以下の条件を満たすには、φは、87°以下または
91°以上とすることが好ましいことが分かる。更に、
好適な0.002dB/λ以下の条件とする場合として
は、φは、85°以下または93°以上とすることが好
ましい。
【0042】斯る特性を考慮し、次にLiTaO3基板
(85°,91°,ψ)カットにおいて、ψを20°か
ら60°まで変化させた場合の伝搬損失特性を示したの
が図7である。同図は、伝搬損失がψが約30°近傍か
ら単調に増加することを示しており、伝搬損失が0.0
05dB/λ以下となる条件を満たすものとしては、ψ
は、44°以下とすることが好ましく、更に、好適な伝
搬損失が0.002dB/λ以下となる場合としては、
ψは、36°以下とすることが好ましい。
【0043】本願発明と、前述した本発明者等が提案し
た第2漏洩表面波とを比較したのが表1である。同表に
は、本願発明のLiNbO3の伝搬特性の代表値とし
て、(82°,92°,37°)カットにおける特性
と、すでに提案した(90°,90°,37°)カット
の特性を示している。これに示すように、位相速度及び
電気機械結合係数の値は、殆ど同程度であるものの、伝
搬損失は本願発明では20分の1と小さくなっている。
また同表には、TCD(遅延特性の温度特性)及びPF
A(パワーフロー角)についても併せて示しているが、
いずれも本願発明は同程度の値であり、他の特性を劣化
させることなく、伝搬損失を低減することができている
ことが分かる。
【0044】
【表1】
【0045】因みに、図8は、同表に示したTCD及び
PFAについてのθとの関係を示したものであり、TC
Dに関しては、θが85°近傍で、極小値(約68ppm
/℃)を持ち、PFAにあっては、θが60°から75
°近傍まで、ほぼゼロの値を保ち、約75°以上では、
ゆるやかに増加傾向を示す。
【0046】尚、図1乃至図8に示す特性は、コンピュ
ータシミュレーションによるものであるが、本実施例で
採用した前述の特性評価手法に、例えば弾性表面波素子
のモデル化に伴う多少の誤差があったとしても、その誤
差は図1乃至図8のグラフの横軸方向には殆ど発生しな
いと考えられる。然も、本発明に係る第2漏洩表面波と
従来のレイリー波とを比較する上では、両者に同じ大き
さの誤差が含まれるから、上述の比較結果に影響はない
と言える。
【0047】上述の如く、本発明では、ニオブ酸リチウ
ム基板及びタンタル酸リチウム基板における第2漏洩表
面波を理論的に研究した結果、これらの基板について夫
々、最適なカット面及び弾性表面波伝搬方向を見出し、
これによって、伝搬損失が小さく且つ高い周波数帯域に
対応可能な弾性表面波素子を完成した。
【0048】このように、本発明の第1の弾性表面波素
子に於いては、ニオブ酸リチウム基板のカット面及び弾
性表面波伝搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及
びこれと実質的に等価な範囲とするとき、0°≦φ≦8
6°,73°≦θ≦118°,0°≦ψ≦44°に設定
することにより、又95°≦φ≦180°,73°≦θ
≦118°,0°≦ψ≦44°に設定することにより、
従来と比べ、位相速度や電気機械結合係数を劣化させる
ことなく、伝搬損失を0.05dB/λ以下とすること
ができ、さらに0°≦φ≦83°,83°≦θ≦105
°,0°≦ψ≦38°に設定することにより、又98°
≦φ≦180°,83°≦θ≦105°,0°≦ψ≦3
8°に設定することにより、従来と比べ、位相速度や電
気機械結合係数を劣化させることなく、伝搬損失を0.
02dB/λ以下とすることができる。
【0049】上記第2の弾性表面波素子に於いては、タ
ンタル酸リチウム基板のカット面及び弾性表面波伝搬方
向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこれと実質的
に等価な範囲とするとき、0°≦φ≦87°,80°≦
θ≦120°,0°≦ψ≦44°に設定することによ
り、又91°≦φ≦180°,80°≦θ≦120°,
0°≦ψ≦44°に設定することにより、従来と比べ、
位相速度や電気機械結合係数を劣化させることなく、伝
搬損失を0.005dB/λ以下とすることができ、さ
らに0°≦φ≦85°,87°≦θ≦114°,0°≦
ψ≦36°に設定することにより、又93°≦φ≦18
0°,87°≦θ≦114°,0°≦ψ≦36°に設定
することにより、従来と比べ、位相速度や電気機械結合
係数を劣化させることなく、伝搬損失を0.002dB
/λ以下とすることができる。
【0050】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ニオブ酸リチウム基板
及びタンタル酸リチウム基板においてカット面及び弾性
表面波伝搬方向が適切に設定されて、高い位相速度と大
きな電気機械結合係数を保持したままで、伝搬損失を十
分に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(φ,θ,37°)カットのニオブ酸リチウム基
板を有する弾性表面波素子の位相速度及び電気機械結合
係数についての特性を表わす特性図である。
【図2】(φ,θ,37°)カットのニオブ酸リチウム基
板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のθ依存性を示す
特性図である。
【図3】(φ,92°,37°)カットのニオブ酸リチウ
ム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のφ依存性を
示す特性図である。
【図4】(82°,92°,ψ)カットのニオブ酸リチウ
ム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のψ依存性を
示す特性図である。
【図5】(85°,θ,31°)カットのタンタル酸リチ
ウム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のθ依存性
を示す特性図である。
【図6】(φ,91°,31°)カットのタンタル酸リチ
ウム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のφ依存性
を示す特性図である。
【図7】(85°,91°,ψ)カットのタンタル酸リチ
ウム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のψ依存性
を示す特性図である。
【図8】PFA及びTCDのθに対する依存性を示す特
性図である。
【図9】オイラー角表示を説明する図である。
【図10】(90°,90°,ψ)カットのタンタル酸
リチウム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のψ依
存性を示す特性図である。
【図11】同上の電気機械結合係数及び伝搬損失につい
ての特性を表す特性図である。
【図12】(90°,90°,ψ)カットのニオブ酸リ
チウム基板を有する弾性表面波素子の伝搬損失のψ依存
性を示す特性図である。
【図13】同上の電気機械結合係数及び伝搬損失につい
ての特性を示す特性図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニオブ酸リチウムからなる圧電基板上
    に、弾性表面波を伝搬させるための電極を形成した弾性
    表面波素子に於いて、該圧電基板のカット面及び弾性表
    面波伝搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこ
    れと実質的に等価な範囲とするとき、これらφ、θ及び
    ψを夫々、 0°≦φ≦86° 73°≦θ≦118° 0°≦ψ≦44° の範囲に設定したことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記圧電基板のカット面及び弾性表面波
    伝搬方向を、 95°≦φ≦180° 73°≦θ≦118° 0°≦ψ≦44° の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載の弾
    性表面波素子。
  3. 【請求項3】 ニオブ酸リチウムからなる圧電基板上
    に、弾性表面波を伝搬させるための電極を形成した弾性
    表面波素子に於いて、該圧電基板のカット面及び弾性表
    面波伝搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこ
    れと実質的に等価な範囲とするとき、これらφ、θ及び
    ψを夫々、 0°≦φ≦83° 83°≦θ≦105° 0°≦ψ≦38° の範囲に設定したことを特徴とする弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記圧電基板のカット面及び弾性表面波
    伝搬方向を、 98°≦φ≦180° 83°≦θ≦105° 0°≦ψ≦38° の範囲に設定したことを特徴とする請求項3に記載の弾
    性表面波素子。
  5. 【請求項5】 タンタル酸リチウムからなる圧電基板上
    に、弾性表面波を伝搬させるための電極を形成した弾性
    表面波素子に於いて、該圧電基板のカット面及び弾性表
    面波伝搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこ
    れと実質的に等価な範囲とするとき、これらφ、θ及び
    ψを夫々、 0°≦φ≦87° 80°≦θ≦120° 0°≦ψ≦44° の範囲に設定したことを特徴とする弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 前記圧電基板のカット面及び弾性表面波
    伝搬方向を、 91°≦φ≦180° 80°≦θ≦120° 0°≦ψ≦44° の範囲に設定したことを特徴とする請求項5に記載の弾
    性表面波素子。
  7. 【請求項7】 タンタル酸リチウムからなる圧電基板上
    に、弾性表面波を伝搬させるための電極を形成した弾性
    表面波素子に於いて、該圧電基板のカット面及び弾性表
    面波伝搬方向を、オイラー角表示で(φ,θ,ψ)及びこ
    れと実質的に等価な範囲とするとき、これらφ、θ及び
    ψを夫々、 0°≦φ≦85° 87°≦θ≦114° 0°≦ψ≦36° の範囲に設定したことを特徴とする弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 前記圧電基板のカット面及び弾性表面波
    伝搬方向を、 93°≦φ≦180° 87°≦θ≦114° 0°≦ψ≦36° の範囲に設定したことを特徴とする請求項7に記載の弾
    性表面波素子。
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