JP2004260381A - Sh波素子 - Google Patents

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Yasuyoshi Nakamura
僖良 中村
Daisuke Yamazaki
大輔 山▲崎▼
Hiroto Fujiwara
浩人 藤原
Osamu Eguchi
治 江口
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Abstract

【課題】LiTaOからなる振動板を用いたSH波素子の温度特性を向上させる。
【解決手段】タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶のX,Y,Z軸に対して、(YXl)20.7°〜67.1°にカット(Yカット)された振動板101を用い、加えて、振動板101は、励振されたSH波が、一方の面(主表面)からこれに対向する他方の面(裏面)にかけて、同じ振幅及び同じ位相でX軸方向に伝搬することが可能な板厚以下の所定の板厚とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンタル酸リチウムの単結晶から構成されてSH波を利用するSH波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビジョンなどの電子機器は、広く普及するとともに機能の進展もめざましい。電子機器においては、多くの高周波部品が使用されるが、例えば、SH(Shear Horizontal)型弾性表面波を応用したSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタなどの素子がある。このSH波を応用した素子として、タンタル酸リチウム(LiTaO)の単結晶からなる振動板を用いたものがある。
【0003】
タンタル酸リチウム単結晶におけるSH型弾性表面波は、電気機械結合係数が約4.7%と大きいため、SAW素子用の基板として、広く実用化されている。特に、回転角36度付近のLiTaO回転Y板では、ほとんど減衰のないSH型弾性表面波が得られている(非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
K.Nakamura,M.Kazumi and H.Shimizu ”SH−Type and Rayleigh−Type Surface Waves on Rotated Y−Cut LiTaO”,Proc.IEEE Ultrason.Symp.,p819(1977)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在のLiTaOを振動板として用いたSH型弾性表面波素子では、要求される特性に比較すると、LiTaOからなる振動板の遅延時間温度係数(TCD)が大きいという問題があった。このため、現在のLiTaOを用いたSH型弾性表面波素子では、環境の温度変化による周波数特性の変化が、要求される特性を満たしていない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、LiTaOからなる振動板を用いたSH波素子の温度特性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るSH波素子は、結晶座標系(X,Y,Z)を有するタンタル酸リチウム単結晶から、上記座標系をX軸まわりに20.7°〜67.1°の範囲で回転させた座標系(X,Y’,Z’)のX軸及びZ’軸に対して主表面が平行になるようにカットされた所定の板厚の振動板と、この振動板の少なくとも主表面に設けられた電極とを備え、振動板は、励振されて振動板に伝搬するSH波が、主表面からこれに対向する裏面にかけて同じ振幅及び同じ位相で、X軸方向に伝搬することが可能な板厚以下の所定の厚さに形成されているようにしたものである。
このSH波素子は、振動板の内部をバルク波の0次モードSH波が伝搬している状態となっている。
上記SH波素子において、振動板は、板厚をSH波の波長で除した値が、0.068〜0.244であればよい。この範囲であれば、TCDをほぼ0にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるSH波素子の構成例を示す平面図である。図1では、端面反射形の共振子を例にしている。
図1のSH波素子は、まず、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶のX,Y,Z軸に対して、(YXl)20.7°〜67.1°にカット(Yカット)された振動板101を用いるようにしたものである。
【0008】
言い換えると、振動板101は、結晶座標系(X,Y,Z)を有するタンタル酸リチウム単結晶から、前記座標系をX軸まわりに20.7°〜67.1°の範囲で回転させた座標系(X,Y’,Z’)のX軸及びZ’軸に対して主表面が平行になるようにカットされたものである。
【0009】
加えて、振動板101は、励振されたSH波が、一方の面(主表面)からこれに対向する他方の面(裏面)にかけて同じ振幅及び同じ位相で、X軸方向に伝搬することが可能な板厚以下の所定の板厚としたものである。言い換えると、まず、振動板101の板厚は、励振されたSH波が、振動板101の厚さ方向の全域にわたって、ほぼ同じ振幅及び位相の振動分布をもってX軸方向に伝搬することが可能な板厚以下である。加えてこの範囲内で、振動板101の板厚は、所定の板厚とされたものである。例えば、振動板101は、カット角度が、36°であり、板厚を76μmとしたものである。なお、上記SH波は、最低次対称モード(0次モード)SH波である。
【0010】
ここで、X−Y面がLiTaO単結晶の(001)面であり、Y−Z面がLiTaO単結晶の(100)面であり、X−Z面がLiTaO単結晶の(010)面である。従って、振動板101は、X軸を中心にX−Z面を20.7°〜67.1°の範囲で回転させたX−Z’面を主表面とし、励振されたSH波が、主表面から裏面にかけて同じ振幅及び同じ位相でX方向に伝搬することを可能とした板厚より薄い所定の板厚としたLiTaO単結晶板である。
【0011】
また、振動板101の主表面には、櫛形電極102,103が設けられ、また、櫛形電極102,103に接続する電極パッド104,105が設けられている。櫛形電極102,103の交差長は、例えば、1.92mmである。なお、櫛形電極102,103の対の数は、図1では、5対としたが、これに限るものではなく、7対としても良い。また、電極は、主表面だけでなく、裏面に形成するようにしても良い。電極を両面に形成することで、SH波をより強く励振させることが可能となる。
【0012】
これらの電極は、振動板101の主表面に、例えば、金やアルミニウムなどの電極材料膜を膜厚0.2μm程度に形成し、形成した電極材料膜を公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とによりパターニングすることで形成できる。
以上に説明した本実施の形態のSH波素子によれば、波長λ=320μmのSH波において、振動板101の遅延時間温度係数(TCD)がほぼ0となる。
【0013】
なお、本実施の形態におけるSH波素子は、例えば、図2の斜視図に示すように、電極パッド104,105の外側の振動板101の延長部を、容器201の台座部202の上に固定して用いるようにすればよい。このようなパッケージとすることで、櫛形電極102,103が形成されている領域の両面が、応力開放の状態となり、SH波素子として機能させることができる。なお、図2において、θが、上述したカット角を示している。
【0014】
ここで、振動板として用いるLiTaOについて解析した結果を示す。以下では、図3に示すように所定の角度にYカットされたLiTaO単結晶の薄板の中を、「Z’方向の変位成分のみを持ちX軸方向に伝搬する0次モードSH波」の伝搬特性について解析した結果を示す。なお、上記薄板の板厚hにおいては、両面に電極が形成されているものとする。
【0015】
以上の条件で、板厚を0とする極限をシミュレートすると、この状態では、板の両面の応力が0であると見なせる。また、側面や裏面における電界も0となる。また、振動変位が、Z’方向には一様と仮定する。
これらの条件下で、SH波素子に用いるLiTaO単結晶板(振動板)の、カット角とTCDの関係を求めた結果を図4に示す。
【0016】
図4より明らかなように、カット角θが、約20,7°と約67.1°とにおいて、TCD=0となり、これらの間の角度においては、TCDが負の値をとっている。これらのことから、カット角θが20,7°〜67.1°の範囲で、SH波素子を構成するLiTaO単結晶からなる振動板のTCDを0ないしは負にできることが判る。
【0017】
図4の結果は、LiTaO単結晶からなる振動板の厚さを0と近似した場合である。これに対し、LiTaO単結晶からなる振動板の厚さを有限とした場合の、板厚h/λとTCDとの関係を図5に示す。図5は、振動板の中を伝搬する対称0次モードのSH波の伝搬特性について解析した結果であり、カット角度θを、36°とした場合と41°とした場合の計算結果である。図5から明らかなように、実線で示すカット角度θ=36°では、約h/λ=0.236でTCD=0となり、点線で示すカット角度θ=41°では、約h/λ=0.244でTCD=0となる。
【0018】
従って、LiTaO単結晶から成る振動板の板厚h/λが、0.23〜0.25で有れば、上記振動板のTCDをほぼ0とすることができるものと考えられる。ここで、h/λ=0.236ということは、励振させて伝搬させるSH波の波長λを320μmとした場合、板厚hは約76μmに等しくなる。また、h/λ=0.244ということは、励振させて伝搬させるSH波の波長λを320μmとした場合、板厚hは約78μmに等しくなる。このように、波長に比べて板厚を小さくすることで、TCDを0とすることが可能となる。
【0019】
これらの板厚は、本実施の形態におけるSH波素子の振動板の内部をバルク波の0次モードSH波が伝搬している状態となっている。
これに対し、振動板の板厚を厚くし、振動板を伝搬する音波が主表面から裏面にかけて同じ振幅及び位相でなくなってくると、TCDは、+側にシフトし、振動板がある程度以上に厚くなると、振動板のTCDが0になる条件は発現しなくなる。
【0020】
上述したTCDが0になる板厚の範囲は、振動板のカット角によって変化する。カット角が22°〜66°の範囲では、図6に示すように、h/λが0.068〜0.244の範囲で、TCDが0となる板厚hが得られることが、発明者らの解析結果より判明している。図6は、TCDが0となる板厚とカット角との関係を示している。なお、実使用の段階では、TCDが0より10ppm程度ずれていても問題ない場合が多く、このような場合、h/λは0.45程度までとしても良い。
【0021】
なお、本発明は、上述した端面反射形の共振子に限るものではなく、他のSH波素子に適用可能であることはいうまでもない。例えば、図7に示すような、SH波を利用したフィルタに適用することも可能である。図7に示すフィルタは、振動板701の主表面に、所定の間隔で2つのIDT(インターデジタルトランスデューサ)702,703を配置したものである。また、IDT702,703の間に、電極膜704を設けたものである。
【0022】
IDT702,703は、金属からなる櫛状の対向する2つの電極部を備えたものであり、一方が入力となり他方が出力となる。また、電極膜704により、振動板701の主表面における電界が短絡され、温度特性を向上させることが可能となる。
【0023】
ここで、振動板701は、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶のX,Y,Z軸に対して、(YXl)20.7°〜67.1°にカット(Yカット)された所定の板厚の単結晶板である。また、この板厚は、励振されたSH波が、振動板701の厚さ方向の全域にわたって、ほぼ同じ振幅及び位相の振動分布をもってX軸方向に伝搬することが可能な板厚以下とされたものである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、タンタル酸リチウム単結晶のX,Y,Z軸に対して、(YXl)20.7°〜67.1°にカットされた振動板の板厚を、この振動板に伝搬するSH波が、主表面からこれに対向する裏面にかけて同じ振幅及び同じ位相で伝搬することが可能な板厚以下の所定の厚さにした。
この結果、本発明によれば、上記振動板のTCDをほぼ0とすることが可能となり、LiTaOからなる振動板を用いたSH波素子の温度特性を向上させることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるSH波素子の構成例を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるSH波素子の構成例を示す斜視図である。
【図3】YカットLiTaO単結晶板を伝搬するSH波の状態を模式的に示した斜視図である。
【図4】SH波素子に用いるLiTaO単結晶板(振動板)の、カット角とTCDの関係を示す特性図である。
【図5】LiTaO単結晶からなる振動板の厚さを有限とした場合の、板厚h/λとTCDとの関係を示す特性図である。
【図6】LiTaO単結晶からなる振動板のYカットのカット角度とTCDが0となる板厚との関係を示した相関図である。
【図7】本発明の他の実施の形態におけるSH波フィルターの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
101…振動板、102,103…櫛形電極、104,105…電極パッド。

Claims (2)

  1. 結晶座標系(X,Y,Z)を有するタンタル酸リチウム単結晶から、前記座標系をX軸まわりに20.7°〜67.1°の範囲で回転させた座標系(X,Y’,Z’)のX軸及びZ’軸に対して主表面が平行になるようにカットされた所定の板厚の振動板と、
    この振動板の少なくとも主表面に設けられた電極と
    を備え、
    前記所定の板厚は、励振されて前記振動板に伝搬するSH波が、前記主表面からこれに対向する裏面にかけて同じ振幅及び同じ位相で、X軸方向に伝搬することが可能な厚さ以下である
    ことを特徴とするSH波素子。
  2. 請求項1記載のSH波素子において、
    前記振動板は、
    板厚を前記SH波の波長で除した値が、0.068〜0.244である
    ことを特徴とするSH波素子。
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