JPH09330664A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH09330664A
JPH09330664A JP8166815A JP16681596A JPH09330664A JP H09330664 A JPH09330664 A JP H09330664A JP 8166815 A JP8166815 A JP 8166815A JP 16681596 A JP16681596 A JP 16681596A JP H09330664 A JPH09330664 A JP H09330664A
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JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
conductive film
display panel
plasma display
dielectric layer
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Application number
JP8166815A
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English (en)
Inventor
Takashi Nishio
隆 西尾
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルにおいて、透明
導電膜の変色を防ぎ発光効率を高めることを目的とす
る。 【解決手段】 プラズマディスプレイパネルにおいて、
放電空間を介して対向配置された一対の基板の内の表示
面側の基板上に幅の広い透明導電膜とそれに積層された
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる幅の狭い金
属膜とから構成される電極と、電極を被覆する誘電体層
とを有するプラズマディスプレイパネルであって、誘電
体層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラスで構成
し、透明導電膜と金属膜との間に誘電体層に比して十分
薄い絶縁膜を設けると共に、この絶縁膜は、SiO2 、
Al2 O3 及びTiO2 から選択された1種であること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【0001】
【0003】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネルに関する。
【0004】
【0002】
【0005】
【従来の技術】近年、大型で且つ薄型のカラー表示装置
としてプラズマディスプレイパネル(PDP)の実用化
が期待されている。
【0006】プラズマディスプレイパネルとしての面放
電型交流型プラズマディスプレイパネルの構造の一例を
図4に示す。図4のプラズマディスプレイパネルにおい
て、表示面側となるガラス基板1には、対をなす電極
2、2の複数がサスティン電極として形成され、さらに
電極2を被覆して誘電体層3が20〜30μmの膜厚で
形成され、誘電体層3を被覆してMgOからなる保護層
4が形成されている。サスティン電極2は、幅の広い透
明導電膜からなる厚さ数百nm程度の透明電極2aとそ
の導電性を補う幅の狭い金属膜からなる厚さ数μm程度
の金属補助電極2bとから構成されている。
【0007】
【0003】一方、背面側のガラス基板5には、電極6
がアドレス電極として形成され、電極6を被覆して蛍光
体層7が形成されている。基板1の電極2と基板5の電
極6とが対向して互いに直交するように、基板1,5が
離間配置されて放電空間8が形成され、基板1,5が封
着された後の放電空間8の排気後に希ガスが封入され
る。このように、基板1の電極2と基板5の電極6の交
点を中心として画素セルが形成されるので、プラズマデ
ィスプレイパネルは複数の画素セルを有し、画像の表示
が可能となる。
【0008】上述の誘電体は、例えば酸化鉛(PbO)
を含む低融点ガラスペーストをサスティン電極上に塗布
し、焼成して形成される。また、金属膜は透明導電膜の
導電性を補うために低抵抗であることが要求されること
からAl(アルミニウム)などが用いられている。
【0009】
【0004】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、誘電体層を
酸化鉛(PbO)を含む低融点ガラス層で構成すると、
サスティン電極のアルミニウムからなる金属膜と反応し
その界面で気泡が生じ易いという問題があった。このよ
うな気泡の発生により誘電体層の膜厚が局部的に薄くな
り、耐圧の低下に起因する不要な放電が発生し、電極が
断線するおそれがある。
【0011】また、酸化鉛を主成分とする誘電体層は比
誘電率が9〜12と比較的大きいためにセルの容量が大
きく、放電電流が多いので消費電力が多くなる。
【0012】そこで、比誘電率の低い例えばアルカリ系
ガラスを主成分とする低融点ガラスで誘電体層を構成す
ることが考えられるが、アルカリ系ガラスのように焼成
時イオン導電性が高まるガラスが透明導電膜と接触する
と、誘電体層の焼成時に透明導電膜、アルカリ系ガラ
ス、アルミニウムが局部電池系を構成し、透明導電膜を
腐食させ、変色(黒化)させてしまい、発光効率が低下
する。
【0013】本発明は上述の問題に鑑み、耐圧の低下を
招く気泡の発生を防止し、表示の信頼性を高めることを
目的とする。
【0014】
【0005】
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
プラズマディスプレイパネルは、放電空間を介して対向
配置された一対の基板の内の表示面側の基板上に幅の広
い透明導電膜とそれに積層されたアルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる幅の狭い金属膜とから構成される
電極と、電極を被覆する誘電体層とを有するプラズマデ
ィスプレイパネルであって、誘電体層を焼成時イオン導
電性の高まる低融点ガラスで構成し、透明導電膜と金属
膜との間に誘電体層に比して十分薄い絶縁膜を設けたこ
とを特徴とする。
【0016】
【0006】請求項2の発明に係わるプラズマディスプ
レイパネルは、請求項1記載のプラズマディスプレイパ
ネルであって、絶縁膜は、SiO2 、Al2 O3 及びT
iO2 から選択された1種であることを特徴とする。
【0017】
【0007】請求項3の発明に係わるプラズマディスプ
レイパネルは、請求項1または2記載のプラズマディス
プレイパネルであって、透明導電膜は単位発光領域面に
孤立した島状となっていることを特徴とする。
【0018】
【0008】
【0019】
【作用】本発明のプラズマディスプレイパネルでは、放
電空間を介して対向配置された一対の基板の内の表示面
側の基板上に幅の広い透明導電膜とそれに積層されたア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなる幅の狭い金属
膜とから構成される電極と、電極を被覆する誘電体層と
を有するプラズマディスプレイパネルであって、誘電体
層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラスで構成
し、透明導電膜と金属膜との間に誘電体層に比して十分
薄い絶縁膜を設けたので、透明導電膜、誘電体層、アル
ミニウムによる電池作用を防止し、透明導電膜の変色を
防止することができる。
【0020】
【0009】
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によるプラズマディスプレ
イパネルの実施の形態を図1を参照しながら説明する。
【0022】図1(a)は、3電極構造を採る面放電型
交流型プラズマディスプレイパネルを構成する複数の画
素セルのうちの1つの断面構造を示す。この画素セル
は、表示面となる透明な表示面側のガラス基板11と、
背面側のガラス基板12とが例えば100〜200μm
の間隙を介して互いに平行に対向している。さらに、表
示面側のガラス基板11と背面側のガラス基板12との
間隙を保持するために背面側のガラス基板12に隔壁
(図示せず)が形成され、表示面側のガラス基板11と
背面側のガラス基板12との間に放電空間13が形成さ
れる。
【0023】
【0010】表示面側のガラス基板11には、背面側の
ガラス基板12と対向する面に、対をなすサスティン電
極14,14が形成されている。サスティン電極はIT
O、酸化錫(SnO2 )などの蒸着によりおよそ数千オ
ングストロームの膜厚で互いに平行に伸長する透明導電
膜(透明電極)15と、この透明導電膜15の導電率を
向上せしめるために、透明導電膜の幅よりも狭い幅にて
積層形成された金属膜(バス電極)16からなり、絶縁
膜19が透明電極15とバス電極16の間に設けられて
いる。サスティン電極の上に誘電体層17が20〜50
μmの膜厚で形成され、誘電体層17の上に酸化マグネ
シウム(MgO)からなる保護層18がおよそ数千オン
グストロームの膜厚で積層形成されている。
【0024】
【0011】上記誘電体層17は、軟化点が650℃以
下であり且つ比誘電率が8以下のアルカリ系低融点ガラ
スにて形成されている。そして、この低融点ガラスは、
組成に少なくとも酸化ナトリウム(Na2 O)及び酸化
ほう素(B2 O3 )を含むものである。このような低融
点ガラスとしては、例えば表1に示すように、日本電気
硝子株式会社製の所定のガラスコード(製品番号)を有
する低融点ガラスが用いられている。
【0025】
【0012】
【0026】
【表1】
【0027】
【0013】上記絶縁膜19は、透明導電膜15と金属
膜16との間に設けられた厚さが100〜10,000
オングストローム程度(誘電体層17の膜厚の1/10
以下)の誘電体層17の膜厚に比して十分薄い膜で、S
iO2 、Al2 O3 及びTiO2 等から選択された1種
の材料からなる。この絶縁膜19により、透明導電膜1
5と金属膜16とは直流的に絶縁され、容量性結合とな
っている。この絶縁膜19は、金属膜16と同時にパタ
ーンニングして同一形状で形成するのが望ましいが、透
明導電膜15の全面に形成するようにしても良い。
【0028】ここで、一対の透明導電膜15、15は、
図2に示すように単位発光領域(画素セル)30毎に対
向する突出部15a、15bを有している。このよう
に、透明導電膜15と金属膜16の間に薄い絶縁膜19
を設けることにより、透明導電膜15と金属膜16とを
直流的に絶縁し、電池反応を抑制することができる。
【0029】
【0014】しかしながら、図2のように透明導電膜1
5が各単位発光領域30の間でつながっていると、製造
上の不具合により、透明導電膜15と金属膜16が十分
絶縁されない場合、電気化学反応が隣接する単位発光領
域に順に広がって変色が広範囲に生じる。そこで、図3
に示すように、透明導電膜15を単位発光領域30毎に
孤立した島状のパターンとしても良い。これにより、透
明導電膜の変色が生じる範囲を限定することができる。
また、透明導電膜15は各単位発光領域30毎に孤立し
たパターンとなっているので、絶縁膜19を介して金属
膜16と重なり合う部分15bの面積を各発光領域30
毎に変えて容量を調整し放電電流を個別の単位発光領域
で制御することができる。例えば、パネルの周辺部にお
ける単位発光領域では、15bの面積を小として放電電
流を少なくし、輝度を低下させることが可能である。
【0030】
【0015】一方、背面側のガラス基板12には、表示
面側のガラス基板11と対向する面に、アドレス電極2
1が形成されている。このアドレス電極21は、例えば
アルミニウムやアルミニウム合金からなり、サスティン
電極14と対向しながらサスティン電極14の伸長方向
と直交する方向におよそ1μmの膜厚で伸長して形成さ
れている。また、アドレス電極21はアルミニウム又は
アルミニウム合金などの反射率の高い金属にて形成され
ているので、波長帯域:380〜650nmにおいて、
80%以上の反射率を有している。
【0031】
【0016】さらに、例えば背面側のガラス基板12の
アドレス電極21を覆うように蛍光体層22が形成され
る。上記プラズマディスプレイパネルにおいてカラー表
示を行う場合は、例えばアドレス電極毎に3色、すなわ
ちR,G,Bの蛍光体のうちの1つが順に対応して蛍光
体層として形成される。
【0032】このようにして、サスティン電極対14,
14とアドレス電極21との交点を中心とする発光領域
の1つが放電空間13に形成されて画素セルが構成され
る。
【0033】そして、プラズマディスプレイパネルのカ
ラー表示を行う場合、各画素セルが蛍光体の3色のうち
の対応する色に発光する。
【0034】
【0017】上述の如く、サスティン電極対14,14
及びアドレス電極21がそれぞれ形成された表示面側の
ガラス基板11及び背面側のガラス基板12は封着され
て放電空間13の排気が行われ、さらにベーキングによ
り保護層18(MgO層)の表面が活性化される。次
に、放電空間13に希ガスとして例えばキセノン(X
e)を1〜10%含む不活性混合ガスが200〜600
torr封入される。
【0035】
【0018】上述の如く形成されたプラズマディスプレ
イパネルにおいて、サスティン電極対14,14には画
素セルの発光開始、発光維持及び消去を駆動制御するパ
ルス電圧が印加され、アドレス電極21には各画素セル
の画像データパルスが印加されて、各画素セルの発光の
開始、維持及び消去が行われる。
【0036】
【0019】
【0037】
【発明の効果】本発明によるプラズマディスプレイパネ
ルは、放電空間を介して対向配置された一対の基板の内
の表示面側の基板上に幅の広い透明導電膜とそれに積層
されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる幅の
狭い金属膜とから構成される電極と、電極を被覆する誘
電体層とを有するプラズマディスプレイパネルであっ
て、誘電体層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラ
スで構成し、透明導電膜と金属膜との間に誘電体層に比
して十分薄い絶縁膜を設けたので、局部電池系によって
生じていた透明導電膜の腐食、変色(黒化)がなくな
り、発光効率の低下がなく、表示の信頼性を高めること
が可能となる。また、このことにより、金属電極や誘電
体層の材料の選択範囲が広がり、安価な材料や高透明度
の材料の使用により、プラズマディスプレイパネルの低
価格化や特性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるプラズマディスプレ
イパネルの構造を示す図。
【図2】図1のプラズマディスプレイパネルのサスティ
ン電極と単位発光領域の関係の一例を示す平面図。
【図3】図1のプラズマディスプレイパネルのサスティ
ン電極と単位発光領域の関係の他の例を示す平面図。
【図4】従来例のプラズマディスプレイパネルの構造を
示す図。
【符号の説明】
1、11・・・表示面側のガラス基板 2、14・・・サスティン電極 2a・・・透明電極 2b・・・金属補助電極 3・・・誘電体層 4、18・・・保護層 5、12・・・背面側のガラス基板 6・・・電極 7、22・・・蛍光体層 8、13・・・放電空間 15・・・透明導電膜 16・・・金属膜 19・・・絶縁膜 21・・・アドレス電極 30・・・単位発光領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で且つ薄型のカラー表示装置
としてプラズマディスプレイパネル(PDP)の実用化
が期待されている。プラズマディスプレイパネルとして
の面放電型交流型プラズマディスプレイパネルの構造の
一例を図4に示す。図4のプラズマディスブレイパネル
において、表示面側となるガラス基板1には、対をなす
電極2、2の複数がサスティン電極として形成され、さ
らに電極2を被覆して誘電体層3が20〜30μmの膜
厚で形成され、誘電体層3を被覆してMgOからなる保
護層4が形成されている。サスティン電極2は、幅の広
い透明導電膜からなる厚さ数百nm程度の透明電極2a
とその導電性を補う幅の狭い金属膜からなる厚さ数μm
程度の金属補助電極2bとから構成されている。
【0003】一方、背面側のガラス基板5には、電極6
がアドレス電極として形成され、電極6を被覆して蛍光
体層7が形成されている。基板1の電極2と基板5の電
極6とが対向して互いに直交するように、基板1,5が
離間配置されて放電空間8が形成され、基板1,5が封
着された後の放電空間8の排気後に希ガスが封入され
る。このように、基板1の電極2と基板5の電極6の交
点を中心として画素セルが形成されるので、プラズマデ
ィスプレイパネルは複数の画素セルを有し、画像の表示
が可能となる。上述の誘電体は、例えば酸化鉛(Pb
O)を含む低融点ガラスペーストをサスティン電極上に
塗布し、焼成して形成される。また、金属膜は透明導電
膜の導電性を補うために低抵抗であることが要求される
ことからAl(アルミニウム)などが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、誘電体層を
酸化鉛(PbO)を含む低融点ガラス層で構成すると、
サスティン電極のアルミニウムからなる金属膜と反応し
その界面で気泡が生じ易いという問題があった。このよ
うな気泡の発生により誘電体層の膜厚が局部的に薄くな
り、耐圧の低下に起因する不要な放電が発生し、電極が
断線するおそれがある。また、酸化鉛を主成分とする誘
電体層は比誘電率が9〜12と比較的大きいためにセル
の容量が大きく、放電電流が多いので消費電力が多くな
る。そこで、比誘電率の低い例えばアルカリ系ガラスを
主成分とする低融点ガラスで誘電体層を構成することが
考えられるが、アルカリ系ガラスのように焼成時イオン
導電性が高まるガラスが透明導電膜と接触すると、誘電
体層の焼成時に透明導電膜、アルカリ系ガラス、アルミ
ニウムが局部電池系を構成し、透明導電膜を腐食させ、
変色(黒化)させてしまい、発光効率が低下する。本発
明は上述の問題に鑑み、耐圧の低下を招く気泡の発生を
防止し、表示の信頼性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
プラズマディスプレイパネルは、放電空間を介して対向
配置された一対の基板の内の表示面側の基板上に幅の広
い透明導電膜とそれに積層されたアルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる幅の狭い金属膜とから構成される
電極と、電極を被覆する誘電体層とを有するプラズマデ
ィスプレイパネルであって、誘電体層を焼成時イオン導
電性の高まる低融点ガラスで構成し、透明導電膜と金属
膜との間に誘電体層に比して十分薄い絶縁膜を設けたこ
とを特徴とする。
【0006】請求項2の発明に係わるプラズマディスプ
レイパネルは、請求項1記載のプラズマディスプレイパ
ネルであって、絶縁膜は、SiO2、Al2O3及びT
iO2から選択された1種であることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明に係わるプラズマディスプ
レイパネルは、請求項1または2記載のプラズマディス
プレイパネルであって、透明導電膜は単位発光領域面に
孤立した島状となっていることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のプラズマディスプレイパネルでは、放
電空間を介して対向配置された一対の基板の内の表示面
側の基板上に幅の広い透明導電膜とそれに積層されたア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなる幅の狭い金属
膜とから構成される電極と、電極を被覆する誘電体層と
を有するブラズマディスプレイパネルであって、誘電体
層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラスで構成
し、透明導電膜と金属膜との間に誘電体層に比して十分
薄い絶縁膜を設けたので、透明導電膜、誘電体層、アル
ミニウムによる電池作用を防止し、透明導電膜の変色を
防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によるプラズマディスプレ
イパネルの実施の形態を図1を参照しながら説明する。
図1(a)は、3電極構造を採る面放電型交流型プラズ
マディスプレイパネルを構成する複数の画素セルのうち
の1つの断面構造を示す。この画素セルは、表示面とな
る透明な表示面側のガラス基板11と、背面側のガラス
基板12とが例えば100〜200μmの間隙を介して
互いに平行に対向している。さらに、表示面側のガラス
基板11と背面側のガラス基板12との間隙を保持する
ために背面側のガラス基板12に隔壁(図示せず)が形
成され、表示面側のガラス基板11と背面側のガラス基
板12との間に放電空間13が形成される。
【0010】表示面側のガラス基板11には、背面側の
ガラス基板12と対向する面に、対をなすサスティン電
極14,14が形成されている。サスティン電極はIT
O、酸化錫(SnO2)などの蒸着によりおよそ数千オ
ングストロームの膜厚で互いに平行に伸長する透明導電
膜(透明電極)15と、この透明導電膜15の導電率を
向上せしめるために、透明導電膜の幅よりも狭い幅にて
積層形成された金属膜(バス電極)16からなり、絶縁
膜19が透明電極15とバス電極16の間に設けられて
いる。サスティン電極の上に誘電体層17が20〜50
μmの膜厚で形成され、誘電体層17の上に酸化マグネ
シウム(MgO)からなる保護層18がおよそ数千オン
グストロームの膜厚で積層形成されている。
【0011】上記誘電体層17は、軟化点が650℃以
下であり且つ比誘電率が8以下のアルカリ系低融点ガラ
スにて形成されている。そして、この低融点ガラスは、
組成に少なくとも酸化ナトリウム(Na2O)及び酸化
ほう素(B2O3)を含むものである。このような低融
点ガラスとしては、例えば表1に示すように、日本電気
硝子株式会社製の所定のガラスコード(製品番号)を有
する低融点ガラスが用いられている。
【0012】
【表1】
【0013】上記絶縁膜19は、透明導電膜15と金属
膜16との間に設けられた厚さが100〜10,000
オングストローム程度(誘電体層17の膜厚の1/10
以下)の誘電体層17の膜厚に比して十分薄い膜で、S
iO2、Al2O3及びTiO2等から選択された1種
の材料からなる。この絶縁膜19により、透明導電膜1
5と金属膜16とは直流的に絶縁され、容量性結合とな
っている。この絶縁膜19は、金属膜16と同時にパタ
ーンニングして同一形状で形成するのが望ましいが、透
明導電膜15の全面に形成するようにしても良い。ここ
で、一対の透明導電膜15、15は、図2に示すように
単位発光領域(画素セル)30毎に対向する突出部15
a、15bを有している。このように、透明導電膜15
と金属膜16の間に薄い絶縁膜19を設けることによ
り、透明導電膜15と金属膜16とを直流的に絶縁し、
電泄反応を抑制することができる。
【0014】しかしながら、図2のように透明導電膜1
5が各単位発光領域30の間でつながっていると、製造
上の不具合により、透明導電膜15と金属膜16が十分
絶縁されない場合、電気化学反応が隣接する単位発光領
域に順に広がって変色が広範囲に生じる。そこで、図3
に示すように、透明導電膜15を単位発光領域30毎に
孤立した島状のパターンとしても良い。これにより、透
明導電膜の変色が生じる範囲を限定することができる。
また、透明導電膜15は各単位発光領域30毎に孤立し
たパターンとなっているので、絶縁膜19を介して金属
膜16と重なり合う部分15bの面積を各発光領域30
毎に変えて容量を調整し放電電流を個別の単位発光領域
で制御することができる。例えば、パネルの周辺部にお
ける単位発光領域では、15bの面積を小として放電電
流を少なくし、輝度を低下させることが可能である。
【0015】一方、背面側のガラス基板12には、表示
面側のガラス基板11と対向する面に、アドレス電極2
1が形成されている。このアドレス電極21は、例えば
アルミニウムやアルミニウム合金からなり、サスティン
電極14と対向しながらサスティン電極14の伸長方向
と直交する方向におよそ1μmの膜厚で伸長して形成さ
れている。また、アドレス電極21はアルミニウム又は
アルミニウム合金などの反射率の高い金属にて形成され
ているので、波長帯域:380〜650nmにおいて、
80%以上の反射率を有している。
【0016】さらに、例えば背面側のガラス基板12の
アドレス電極21を覆うように蛍光体層22が形成され
る。上記プラズマディスプレイパネルにおいてカラー表
示を行う場合は、例えばアドレス電極毎に3色、すなわ
ちR,G,Bの蛍光体のうちの1つが順に対応して蛍光
体層として形成される。このようにして、サスティン電
極対14,14とアドレス電極21との交点を中心とす
る発光領域の1つが放電空間13に形成されて画素セル
が構成される。そして、プラズマディスプレイパネルの
カラー表示を行う場合、各画素セルが蛍光体の3色のう
ちの対応する色に発光する。
【0017】上述の如く、サスティン電極対14,14
及びアドレス電極21がそれぞれ形成された表示面側の
ガラス基板11及び背面側のガラス基板12は封着され
て放電空間13の排気が行われ、さらにベーキングによ
り保護層18(MgO層)の表面が活性化される。次
に、放電空間13に希ガスとして例えばキセノン(X
e)を1〜10%含む不活性混合ガスが200〜600
torr封入される。
【0018】上述の如く形成されたプラズマディスプレ
イパネルにおいて、サスティン電極対14,14には画
素セルの発光開始、発光維持及び消去を駆動制御するパ
ルス電圧が印加され、アドレス電極21には各画素セル
の画像データパルスが印加されて、各画素セルの発光の
開始、維持及び消去が行われる。
【0019】
【発明の効果】本発明によるプラズマディスプレイパネ
ルは、放電空間を介して対向配置された一対の基板の内
の表示面側の基板上に幅の広い透明導電膜とそれに積層
されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる幅の
狭い金属膜とから構成される電極と、電極を被覆する誘
電体層とを有するプラズマディスプレイパネルであっ
て、誘電体層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラ
スで構成し、透明導電膜と金属膜との間に誘電体層に比
して十分薄い絶縁膜を設けたので、局部電池系によって
生じていた透明導電膜の腐食、変色(黒化)がなくな
り、発光効率の低下がなく、表示の信頼性を高めること
が可能となる。また、このことにより、金属電極や誘電
体層の材料の選択範囲が広がり、安価な材料や高透明度
の材料の使用により、プラズマディスプレイパネルの低
価格化や特性向上が可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を介して対向配置された一対の
    基板の内の表示面側の基板上に幅の広い透明導電膜とそ
    れに積層されたアルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる幅の狭い金属膜とから構成される電極と、 前記電極を被覆する誘電体層とを有するプラズマディス
    プレイパネルであって、 前記誘電体層を焼成時イオン導電性の高まる低融点ガラ
    スで構成し、前記透明導電膜と前記金属膜との間に前記
    誘電体層に比して十分薄い絶縁膜を設けたことを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜は、SiO2 、Al2 O3 及
    びTiO2 から選択された1種であることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 前記透明導電膜は単位発光領域毎に孤立
    した島状となっていることを特徴とする請求項1又は2
    記載のプラズマディスプレイパネル。 【0001】
JP8166815A 1996-06-06 1996-06-06 プラズマディスプレイパネル Pending JPH09330664A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6411031B1 (en) 1998-01-12 2002-06-25 Lg Electronics Inc. Discharge electrodes for a color plasma display panel capable of lowering a discharge voltage
WO2003019600A1 (fr) * 2001-08-31 2003-03-06 Sony Corporation Ecran plasma
JP2005310792A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Pioneer Plasma Display Corp プラズマディスプレイパネル
KR100978808B1 (ko) * 2008-10-06 2010-08-30 제일모직주식회사 2층 구조를 가지는 플라즈마 디스플레이 패널용 전극

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