JPH09328398A - 角型ヒステリシスを示すファラデー回転子 - Google Patents

角型ヒステリシスを示すファラデー回転子

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JPH09328398A
JPH09328398A JP8140020A JP14002096A JPH09328398A JP H09328398 A JPH09328398 A JP H09328398A JP 8140020 A JP8140020 A JP 8140020A JP 14002096 A JP14002096 A JP 14002096A JP H09328398 A JPH09328398 A JP H09328398A
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憲夫 武田
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    • G01R33/0322Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using magneto-optic devices, e.g. Faraday or Cotton-Mouton effect using the Faraday or Voigt effect

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久磁石が不要な光アイソレータを構成可能
な、核形成磁界が非常に大きなビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶膜を提供する。 【解決手段】 液相エピタキシャル法で育成され、化学
組成が Tb3-xBiXFe5-Y-ZGayAlz O12 (但し、 1.1≦x
≦1.5、0.65≦y+z≦1.2 、z≦y)で示されるビス
マス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を好ましくは 1,0
00 Oe 以上で磁化処理して角型ヒステリシスとする。 【効果】 光アイソレータが使用される−40℃〜+70℃
の環境において、50 Oe の外部磁界が存在しても、飽和
されたファラデー回転角が維持されるため、磁石不要の
光アイソレータが構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヒステリシスが非
常に大きいビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜に
関する。詳しくは、実用温度範囲全体にわたって、飽和
磁界よりも核形成磁界が大きく、外部磁界なしに、光ア
イソレータ用ファラデー回転子として好適に使用できる
ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜である。
【0002】
【従来の技術】近年、大きなファラデー効果を有するビ
スマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を利用した光ア
イソレータ、光スイッチあるいは磁気光学センサ等の開
発が盛んに行われている。ファラデー効果は磁気光学効
果の一種で、ファラデー効果を示す材料、すなわち希土
類鉄ガーネット単結晶膜などのファラデー素子〔ファラ
デー回転子〕を透過した光の偏波面が回転する現象を指
す。
【0003】一般にファラデー回転角は、ファラデー回
転子に加えられた外部磁界の強度に対応して大きくな
る。しかし、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
では、図1に示されるように、ある特定の大きさ以上の
外部磁界でファラデー回転角が飽和し、一定の値とな
る。ファラデー回転角が一定の値を取る外部磁界を飽和
磁界(Hs)と称する。そして外部磁界を逆に小さくしてい
くとファラデー回転角は次第に小さくなり、外部磁界が
0でファラデー回転角も0となる。すなわち、o(原点)
→a→b→c→b→a→oの経路を辿る。
【0004】ところが、通常、ヒステリシスを示すもの
である。この場合、図1において、o(原点)→a→b→
c→b→b'→a→oの経路を辿る。また、或種のビスマ
ス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜[(YBi)3(FeAl)5O12]
ににおいて、一度飽和されたファラデー回転角が、飽和
磁界と絶対値が同じ程度で逆向きの外部磁界を加えても
そのまま維持される(図2; 経路はo→a→b→c→b
→d→e→f→e)という現象が発見された(Journal o
f Applied Physics,Vol. 55(1984), 1052-1061)。図2
において、ファラデー回転角が反転する際の磁界強度を
核形成磁界(Hn)と称する。HsとHnの差が磁気ヒステリシ
スの大きさとなる。
【0005】この図2のような飽和磁界を越える大きな
磁気ヒステリシスを示すものの磁気ヒステリシスカーブ
を特に角型ヒステリシスと称する。角型ヒステリシスを
示す磁気光学材料は、外部磁界が無くてもファラデー回
転子としての機能を有することを意味する。従って、角
型ヒステリシスを示すビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜をファラデー回転子として用いると、永久磁石
不要の光アイソレータが作製できるため小型化やコスト
面で非常に大きなメリットがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはすでに、
光スイッチ用のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜として開発した(GdYBi)3(FeGa)5O12が角型ヒステリシ
スを示すことを見いだし、磁石不要の光アイソレータ用
ファラデー回転子としての可能性を検討した。ところ
が、室温付近で角型ヒステイシスを示す上記(GdYBi)3(F
eGa)5O12についてその特性を検討したところ、温度を50
℃以上にすると角型ヒステシシスが消失するとか、弱い
外部磁界が加わっても飽和したファラデー回転角が維持
できないなどの問題があることが判った。
【0007】また、特開平6-222311号公報で提案されて
いるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜について
検討したところ、外部から 50 Oe程度の逆向きの磁界が
加わえられるとファラデー回転角が反転するものであ
り、また、広い温度範囲で角型ヒステリシスを維持でき
ないものであった。
【0008】光アイソレータが使用される環境は、通
常、周囲温度が−20℃〜+50℃の範囲であり、また、光
アイソレータの設置場所に外部磁界が存在するケースも
想定される。従って、実用的可能な温度範囲−40℃〜+
70℃の温度範囲で上記の角形ヒステリシスを維持し、し
かも、ある程度の大きさの外部磁界が存在した場合、50
Oe程度まで、好ましくは 100 Oe 程度までの外部磁界
に対しても一旦飽和させたファラデー回転角が維持され
ることが必要とされる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意検討した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、液相エピタキシャル法で育成されてなり、下記式
(1) の化学組成で示されるビスマス置換希土類鉄ガーネ
ット単結晶膜を磁化処理してなる角型ヒステリシスと示
すファラデー回転子である。 Tb3-xBix Fe5-y-zGayAlz O12 (1) (式中、 1.1≦x≦1.5 、0.65≦y+z≦1.2 、z≦y)
【0010】本発明を実施するに当たり、本発明のビス
マス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を飽和させ角型ヒ
ステリシスを形成させる際には、1,000 Oe以上の外部磁
界を加えることにより磁化処理することが好ましい。理
由は明確ではないが、加える磁界が大きくなるほど磁気
ヒステリシスが大きくなり、磁石不要な光アイソレータ
として好適な材料となるからである。なお、強い磁界を
加えて磁気的に飽和させ、磁気ヒステリシスを大きくす
る操作を「磁化処理」と、そして磁化処理後に外部磁界
をいったん0とし、次に磁化処理とは逆向きに外部磁界
を加える操作を「逆磁化処理」と記載する。
【0011】また、該角型ヒステリシスが、−40℃〜+
70℃の温度範囲で維持されてなること、さらに、少なく
とも 50 Oeまでの磁化方向と逆の磁界に対してもファラ
デー回転角の符号が変化しないものであることが好まし
い。これらは、通常のファラデー回転子の使用環境にお
いて、信頼性をもって使用可能とするものである。
【0012】本発明のビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜の組成は式(1) において、ビスマス置換量xは
1.1以上、1.5 以下が好ましい。xが 1.1未満ではファ
ラデー効果が低下し、必要な膜厚が厚くなるので好まし
くない。逆にxが 1.5を越えるとビスマスのイオン半径
が大きくため、現在入手の容易な基板との格子整合が取
れなくなり、製造が困難となる。
【0013】ガリウムとアルミニウムの置換量y+zは
0.65 以上、1.2 以下が好ましい。y+zが 0.65 未満
では光アイソレータの使用温度範囲において角型ヒシス
テリシスが保てなくなるとか、逆磁化処理によって飽和
させたファラデー回転角が維持できなくなるなどの不都
合が生じる。逆に、y+zが 1.2を越えるとファラデー
効果が低下し、必要な膜厚が厚くなるので好ましくな
い。ガリウムとアルミニウムの比率はy≧zが好まし
い。アルミニウムがガリウムより多くなると現在入手の
容易な基板との格子整合が取れなくなり、製造が困難と
なる。
【0014】本発明のビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜の育成に用いるガーネット基板としては、格子
定数が1.2497±0.0002nmの(111)ガーネット単結晶[(Gd
Ca)3(GaMgZr)5O12] 基板、1.2509nmの(111)ガーネット
単結晶[Nd3Ga5O12] 基板があり、格子整合の面で好まし
い。
【0015】
【実施例】以下、実施例、比較例を示し本発明を具体的
に説明する。 実施例1 酸化鉛(PbO, 4N) 3,542g、酸化ビスマス(Bi2O3, 4N) 3,
733g、酸化第2鉄(Fe2O3, 4N) 448g、酸化ほう素(B2O3,
5N) 167g、酸化テルビウム(Tb2O3, 3N) 45.9g 、酸化
ガリウム(Ga2O3、3N) 66.7g 、酸化アルミニウム(Al
2O3, 3N) 5.8gを容量 2,000ml(ミリリットル)の白金製ルツボ
に加熱溶融し、ビスマス置換希土類磁性ガーネット単結
晶育成用融液とした。ここに得られた融液表面に、常法
に従って、格子定数1.2497±0.0002nmの(111)ガーネッ
ト単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5O12] 基板の片面を接触さ
せ、エピタキシャル成長を行った。そして厚さ 365μm
のTb1.63Bi1.37Fe4.01Ga0.84Al0.15O12単結晶膜(以下
「G膜-1」と記す) を得た。なお、組成分析はプラズマ
発光分析法によった。
【0016】このG膜-1を研磨して、厚さ 296μmに調
整した。ただし、基板は研磨の過程で除去した。その後
両面に波長1.31μm対応の反射防止膜を施して1.31μm
用のファラデー回転子 (以下「ファラデー回転子-1」と
記す) を作製し、その磁気特性を調べた。
【0017】磁気測定は以下の方法を採った。まず、フ
ァラデー回転子-1を、マグネテック社のヘルムホルツコ
イルからなる磁界発生装置の中心に配置させ、磁界を印
加しながら、1310nmの半導体レーザ光をファラデー回転
子-1に照射した。そしてファラデー回転子を透過したレ
ーザ光の偏波面の回転角を測定から、飽和磁界を得、さ
らにファラデー回転子-1の周囲温度を変化させながら飽
和磁界を測定した。ファラデー回転子-1の飽和磁界は25
℃で 55 Oe、−40℃〜+70℃の範囲では最大 164 Oe で
あった。また、磁気補償温度(飽和磁界が0となる温
度)は0℃であった。
【0018】次に、このファラデー回転子-1を、25℃に
て電磁石の中心に設置し膜面に垂直に 2,000 Oe の磁界
を加え、磁気的に飽和させた。飽和させたのち、磁界を
0にしたが、ファラデー回転子-1は飽和させたときのフ
ァラデー回転角を維持していた。なお、ファラデー回転
角は44.7度であった。再び、ファラデー回転子-1をヘル
ムホルツコイルに戻し、先に電磁石によって加えた外部
磁界と反対向きに磁界を加え、核形成磁界を調べた。す
なわち、磁気的に飽和した状態がどのくらいの外部磁界
にまで耐えうるかを見た。その結果、温度範囲−40℃〜
+70℃の範囲で、143 Oeまでの外部磁界に耐えうること
がわかった。
【0019】次に、ファラデー回転子-1を用いて実際に
1.31μm用の光アイソレータを作製した。図3にこの光
アイソレータの構成を示した。図3において符号1はあ
らかじめ室温で 2,000 Oe の強さの磁界で磁化処理を行
った 2mm×2mm の大きさのG膜-1からなるファラデー回
転子であり、符号2はコーニング社の1.31μm用ガラス
製偏光素子、ポーラコア(商品名)からなる偏光子であ
り、符号3は同じくコーニング社の1.31μm用ガラス製
偏光素子、ポーラコア(商品名)からなる検光子であ
り、符号4はファラデー回転子、偏光子、検光子を固定
するための金属ジグである。符号5は検光子を固定する
ための金属ジグである。ファラデー回転子、偏光子、検
光子をそれぞれエポキシ系接着剤で金属ジグ(4,5) に固
定し、次いで金属ジグ(4,5) を同じくエポキシ系接着剤
で固定して磁石不要の光アイソレータとした。
【0020】ついで、この光アイソレータに外部磁界を
全く加えない状態で、−40℃から70℃まで加熱冷却しな
がらアイソレーションを測定した。その結果、−10℃か
ら40℃の温度範囲で26dB以上、−40℃から70℃の温度範
囲で21dB以上のアイソレーションを得た。アイソレーシ
ョンが温度範囲で異なるのはファラデー回転角の温度依
存性によるものである。さらに磁化処理した際の磁界と
逆方向に 100 Oe の磁界をこの光アイソレータに加えな
がら、−40℃から70℃まで加熱冷却しながらアイソレー
ションを測定した。その結果、−10℃から40℃の温度範
囲で26dB以上、−40℃から70℃の温度範囲で21dB以上の
アイソレーションを得た。
【0021】実施例2 酸化鉛(PbO, 4N) 3,546g、酸化ビスマス(Bi2O3, 4N) 3,
733g、酸化第2鉄(Fe2O3, 4N) 448g、酸化ほう素(B2O3,
5N) 167g、酸化テルビウム(Tb2O3, 3N) 46.0g 、酸化
ガリウム(Ga2O3、3N) 42.7g 、酸化アルミニウム(Al
2O3, 3N) 13.9g を容量 2,000mlの白金製ルツボに加熱
溶融し、ビスマス置換希土類磁性ガーネット単結晶育成
用融液とした。得られた融液を用いる他は実施例1に準
じて、厚さ 530μmのTb1.58Bi1.42Fe 4.06Ga0.63Al0.31
O12 単結晶膜(以下「G膜-2」と記す) を得た。
【0022】G膜-2を研磨して、厚さ 481μmに調整し
た。ただし、基板は研磨の過程で除去した。その後両面
に波長1.55μm対応の反射防止膜を施して1.55μm用の
ファラデー回転子 (以下「ファラデー回転子-2」と記
す) を作製し、その磁気特性を調べた。
【0023】次に、ファラデー回転子-2を、室温にて電
磁石の中心に設置し膜面に垂直に、3,000 Oeの磁界を加
え、磁気的に飽和させた。飽和させたのち、磁界を0に
したが、ファラデー回転子-2は飽和させたときのファラ
デー回転角を維持していた。なおファラデー回転角は4
4.2度であった。再び、ファラデー回転子-2をヘルムホ
ルツコイルに戻し、先に電磁石によって加えた外部磁界
と反対向きに磁界を加え、核形成磁界を調べた。すなわ
ち磁気的に飽和した状態がどのくらいの外部磁界にまで
耐えうるかを見た。その結果、温度範囲−40℃〜+70℃
の範囲で、170 Oeまでの外部磁界に耐えうることがわか
った。
【0024】実施例3 酸化鉛(PbO, 4N) 3,560g、酸化ビスマス(Bi2O3, 4N) 3,
716g、酸化第2鉄(Fe2O3, 4N) 459g、酸化ほう素(B2O3,
5N) 171g、酸化テルビウム(Tb2O3, 3N) 45.9g 、酸化
ガリウム(Ga2O3、3N) 58.0g を容量 2,000mlの白金製ル
ツボに加熱溶融し、ビスマス置換希土類磁性ガーネット
単結晶育成用融液とした。得られた融液を用いる他は実
施例1に準じて、厚さ 377μmのTb1.86Bi1.14Fe 4.29Ga
0.71O12 単結晶膜(以下「G膜-3」と記す) を得た。
【0025】G膜-3を用い実施例1と全く同様に処理し
て、厚さを 328μmとし1.31μm用のファラデー回転子
(以下「ファラデー回転子-3」と記す) を得、その磁気
特性を調べた。その結果、飽和磁界は25℃で 176 Oe 、
−40℃〜+70℃の温度範囲では最大248 Oeであった。ま
た、磁気補償温度は−32℃であった。
【0026】次に、ファラデー回転子-3を、室温にて電
磁石の中心に設置し、膜面に垂直に5,000 Oeの磁界を加
え、磁気的に飽和させた。飽和させたのち、磁界を0に
したが、ファラデー回転子-3は飽和させたときのファラ
デー回転角を維持していた。再び、ファラデー回転子-3
をヘルムホルツコイルに戻し、先に電磁石によって加え
た外部磁界と反対向きに磁界を加え、核形成磁界を調べ
た。すなわち磁気的に飽和した状態がどのくらいの外部
磁界にまで耐えうるかを見た。その結果、温度範囲−40
℃〜+70℃の範囲で、163 Oeまでの外部磁界に耐えうる
ことがわかった。
【0027】比較例1 酸化鉛(PbO, 4N) 3,561g、酸化ビスマス(Bi2O3, 4N) 3,
717g、酸化第2鉄(Fe2O3, 4N) 459g、酸化ほう素(B2O3,
5N) 171g、酸化テルビウム(Tb2O3, 3N) 45.9g 、酸化
ガリウム(Ga2O3、3N) 43.4g を容量 2,000mlの白金製ル
ツボに加熱溶融し、ビスマス置換希土類磁性ガーネット
単結晶育成用融液とした。得られた融液を用いる他は同
様にして、厚さ 413μmのTb2.01Bi1.09Fe4.44Ga 0.56O
12 単結晶膜(以下「G膜-C1 」と記す) を得た。この
G膜-C1 を実施例1に準じて、厚さ 364μmの1.31μm
用ファラデー回転子 (以下「ファラデー回転子-C1 」と
記す) を得、その磁気特性を調べた。その結果、飽和磁
界は25℃で 329 Oe 、−40℃〜+70℃の温度範囲では最
大380 Oeであった。
【0028】次に、ファラデー回転子-C1 を室温にて電
磁石の中心に設置し、膜面に垂直に5,000 Oe の磁界を
加え磁気的に飽和させた。飽和させたのち、磁界を0に
したが、ファラデー回転子-4は飽和させたときのファラ
デー回転角を維持していた。再び、ファラデー回転子-C
1 をヘルムホルツコイルに戻し、先に電磁石によって加
えた外部磁界と反対向きに磁界を加え、核形成磁界を調
べた。すなわち磁気的に飽和した状態がどのくらいの外
部磁界にまで耐えうるかを見た。その結果、−40℃〜+
70℃の範囲で、30 Oe までの外部磁界に耐えうることが
わかった。
【0029】比較例2 実施例1で得たファラデー回転子-1を電磁石の中心に設
置し、500 Oeの磁界を加え、25℃にて磁気的に飽和させ
た。飽和させたのち、磁界を0にしたが、ファラデー回
転子-1は飽和させたときのファラデー回転角を維持して
いた。再び、ファラデー回転子-1をヘルムホルツコイル
に戻し、先に電磁石によって加えた外部磁界と反対向き
に磁界を加え、核形成磁界を調べた。すなわち磁気的に
飽和した状態がどのくらいの外部磁界にまで耐えうるか
を見た。その結果、温度範囲−40℃〜+70℃の範囲で、
18 Oe までの外部磁界に耐えうることがわかった。
【0030】比較例3 酸化鉛(PbO, 4N) 3,560g、酸化ビスマス(Bi2O3, 4N) 3,
716g、酸化第2鉄(Fe2O3, 4N) 445g、酸化ほう素(B2O3,
5N) 171g、酸化ガドリニウム(Gd2O3, 3N) 49.2g 、酸
化アルミニウム(Al2O3, 3N) 4.45g 、酸化ガリウム(Ga2
O3、3N) 54.6gを容量 2,000mlの白金製ルツボに加熱溶
融し、ビスマス置換希土類磁性ガーネット単結晶育成用
融液とした。得られた融液を用いる他は実施例1と準じ
て、厚さ 425μmのGd2.07Bi0.93Fe 4.21Ga0.68Al0.11O
12 単結晶膜(以下「G膜-C3 」と記す) を得た。
【0031】このG膜-C3 を実施例1と全く同様に処理
して、厚さ 386μmの1.31μm用ファラデー回転子 (以
下「ファラデー回転子-C3 」と記す) を得、その磁気特
性を調べた結果、飽和磁界は25℃で155 Oe、−40℃〜+
70℃の温度範囲では最大439Oeであった。また、磁気補
償温度は58℃であった。
【0032】次に、ファラデー回転子-C3 を室温にて電
磁石の中心に設置し、膜面に垂直に5,000 Oe の磁界を
加え磁気的に飽和させた。飽和させたのち、磁界を0に
したが、ファラデー回転子-4は飽和させたときのファラ
デー回転角を維持していた。しかしながら、ファラデー
回転子-C3 を−25℃に冷却すると、外部磁界を全く加え
ない状態でも、ファラデー回転角が維持できない状態、
すなわち未飽和状態となった。
【0033】
【発明の効果】本発明のビスマス置換希土類鉄ガーネッ
ト単結晶膜を磁化処理してなる角型ヒステリシスを示す
ファラデー回転子は、該角型ヒステリシスが、−40℃〜
+70℃の温度範囲で維持され、さらに、少なくとも 50
Oeまでの磁化方向と逆の磁界に対してもファラデー回転
角の符号が変化しないものであることから、磁石なしの
アイソレータが信頼性をもって作成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヒステリシスを示さないビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶の磁気特性の一例を示す模式図で
ある。
【図2】磁気ヒステリシスを示すビスマス置換希土類鉄
ガーネット単結晶の磁気特性の一例を示す模式図であ
る。磁気ヒステリシスが非常に大きいため、角型ヒステ
リシスをなすビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶の
磁気特性の一例を示す模式図である。
【図3】本発明からなる光アイソレータの構造を示す模
式図である。
【符号の説明】
1・・・本発明からなすビスマス置換希土類鉄ガーネッ
ト単結晶膜 2・・・ガラス製偏光素子(商品名ポーラコア)からな
る偏光子 3・・・ガラス製偏光素子(商品名ポーラコア)からな
る検光子 4・・・金属ジグ 5・・・金属ジグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相エピタキシャル法で育成されてな
    り、下記式(1) の化学組成で示されるビスマス置換希土
    類鉄ガーネット単結晶膜を磁化処理してなる角型ヒステ
    リシスを示すファラデー回転子。 Tb3-xBix Fe5-y-zGayAlz O12 (1) (式中、 1.1≦x≦1.5 、0.65≦y+z≦1.2 、z≦y)
  2. 【請求項2】 該磁化処理が、該ビスマス置換希土類鉄
    ガーネット単結晶膜の膜面に垂直に 1,000 Oe 以上の磁
    界を加えた後、外部磁界を除去することによるものであ
    る請求項1記載の角型ヒステリシスを示すファラデー回
    転子。
  3. 【請求項3】 該角型ヒステリシスが、−40℃〜+70℃
    の温度範囲で維持されてなる請求項1記載の角型ヒステ
    リシスを示すファラデー回転子。
  4. 【請求項4】 少なくとも 50 Oeまでの磁化方向と逆の
    磁界に対してもファラデー回転角の符号が変化しないも
    のである請求項1記載の角型ヒステリシスを示すファラ
    デー回転子。
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